あれからもう20年・・・。
今回は最近見た映像作品の紹介です。
2003年に、エピックレコードの創立25周年を記念して行われたライブイベント「LIVE EPIC 25」の模様を収録したBlu-ray。もともと公演直後にDVDとして映像化されたのですが、このたび「LIVE EPIC 25(20th Anniversary Edition)」として、Blu-rayで再発売されました。
エピックレコードといえば、1978年に設立。特に80年代から90年代にかけて、特に当時の日本のポップスシーンの中では「尖った」ミュージシャンを多くデビューさせ、注目を集めました。私自身も、「レーベル」という単位で注目したのはこのエピックレコードー当時は「エピックソニー」という名前でしたので、そちらの方がなじみがあるのですがーがはじめて。大ファンの渡辺美里の所属レーベルであり、他にもTM NETWORKや大江千里、もうちょっと時代は下りますが、JUDY AND MARYや久宝留理子など、個人的に好きだったミュージシャンが多く所属していたということもあり、エピックソニーという名前はまだ高校生だった当時から気になるレーベルでした。
それだけにこの「LIVE EPIC 25」というイベント、リアルタイムで足を運んでいます。今回のBlu-rayに収録されているのは2003年2月23日に行われた最終公演でしたが、私が足を運んだのは1日前の2月22日。当時のライブレポは既にサイトから消えているので、今回、あらためてアップしました。
LIVE EPIC ライブレポート(@代々木第一体育館 2003年2月22日)
まず、今回、20周年記念盤がリリースされるということで強く感じたことは、エピックレコード創立から25年目のイベントから、既に20年という月日が経過した、という驚き。このライブイベントの時点で、ここに出演していたミュージシャンの全盛期は「かなり昔」ということを感じていたのですが、その時点から既に20年も経ったとは・・・。月日の経過の早さをあらためて感じます。まあ、ただこの「20年間」に自分に起こった出来事を振り返ると、確かにそのくらいたったなぁ、とは思うのですが。
もうひとつ感じるのは、ここから20年を経過しているのですが、ここにいるミュージシャンたちの日本の音楽シーンにおける立ち位置に、おそらくほとんど変化がない、という驚きです。あえて言えば大江千里はニューヨークに移住し、ジャズミュージシャンになってしまいましたが、他のミュージシャンたちは、復活したBARBEE BOYSを含めてバリバリの現役ですし、おそらく人気の程度も当時とあまり変化はないのでは?おそらく今、「LIVE EPIC 45」として同じミュージシャンを集めても、同じように代々木第一あたりは十分埋まりそうな気がします。それだけ、参加ミュージシャンたちの実力があると感じる反面、20年間の日本の音楽市場にドラスティックな変化が起きておらず、停滞気味という事実も感じてしまうのですが。
また、今回久しぶりに20年前に書いたライブレポートを見たのですが、その当時感じたことと、今、映像を見て感じたことにほとんど変わりがないことに気が付きました。確かに懐メロ的な雰囲気は強く、大江千里なんて全然声が出ていませんし、TM NETWORKも、小室哲哉もまだglobeとしての活躍がメインだった時期で、TMとしての活動は限定的。どこか「懐かしのヒット曲」的な雰囲気が漂っている点は否めません。
一方、その日も感じたのですが、ベストアクトはBARBEE BOYS。今でこそ、その後、何度か再結成を行い、現在は復活している状況を知っているのですが、これが1999年の解散後、初となる再結成。それにも関わらず、往年と変わらないようなアグレッシブで、なおかつ緊張感のあるステージを見せてくれており、その実力が健在であることを感じました。特にBARBEE BOYSといえば、ボーカルのKONTAと杏子の緊迫感ある男女の掛け合いが魅力的なのですが、ひょっとして一度距離を置いて久々のステージだったからこそ、より緊迫感あるステージを見せてくれたのかもしれません。
ちなみに余談ですが、この「LIVE EPIC 25」、岡村靖幸が当初、参加を予定していたのですが、直前で急遽、参加が取りやめになった、ということがありました。ステージで、松岡英明がその旨を詫びて、自分の曲の中に岡村靖幸の「だいすき」のフレーズを取り入れていたりしていたのですが・・・今となってはよく知られているとおり、この時の参加中止は、覚せい剤所持で逮捕されていた影響。ちなみに鈴木雅之のステージでも、暗にMCで田代まさしの話をしており、覚せい剤の逮捕者が妙にイベントに関わっているのが印象的(苦笑)。ただ、20年を経った今、岡村ちゃんは何度も逮捕されて一時期、再起が危ぶまれていたものの、見事復活したのに対して、田代まさしは・・・。
ちなみに本作、映像特典として事前のリハーサルでの模様をおさめたドキュメンタリーが収録されています。7分程度の短い内容ながらも、参加者の人となりも知れる感じの映像で、こちらもなかなか見ごたえがあります。ただこちら、ジャケットに全く記載がなく、わざわざメニュー画面まで戻って選択しないと見れないような、「隠し映像」・・・ではないのですが、気が付かない人もいるかも・・・。なんでジャケットに何も記載がないのだろう?
そんな訳で、20年前のイベントを懐かしく思いつつ、今なお感じる魅力的なメンツに、3時間強というボリュームながらもまったくダレることなく一気に楽しめた映像作品になっていました。イベントに参加した方はもちろん、イベントに足を運び損ねた方、その後、エピックの魅力に触れた方、アラフィフ世代感涙の、お勧めの映像作品です。
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