大人の雰囲気を漂わせる王道のハウスチューン
Title:Through the Wall
Musician:Rochelle Jordan
ジャマイカ移民の両親のもとでロンドンに生まれ、現在はカナダのトロントで活動するシンガーソングライター。本作は約4年ぶりとなる、オリジナルフルアルバムとしては3枚目のアルバム。前作「Play with the Changes」も比較的好評のうちに受け入れられたようですが、今回のアルバムはより高い評価を受け、注目を集めているようです。
まずこのアルバムについて感想を書くとすると、聴いていてすっと心に入ってくる、非常に心地よいアルバムでした。まずその理由として考えられるのが、2つあって、まず一つ目が、このアルバム、全体的にエレクトロポップの作品が並んでいるのですが、ハウス、UKガレージなどの王道を行くような曲が並んでいるという点があげられます。
オープニングを挟んで事実上の1曲目となる「Ladida」はハウル/UKガラージのナンバーなのですが、サウンドは90年代を彷彿とさせるものであり、非常に耳なじみやすい楽曲になっていますし、「Doint It Too」もリズミカルでダンサナブルなトラックがクラブ向けの、比較的スタンダードなハウスチューン。後半の「Crave」などもシンプルな4つ打ちのビートを刻んでおり、アルバム全体として比較的シンプルで、かつ聴きやすいエレクトロ/ハウスのナンバーが並んでいます。
もうひとつの魅力は、彼女のムーディーなボーカルと、それとピッタリマッチしたサウンドでしょう。「夜の雰囲気」と称されることが多いようですが、メロウなR&Bの要素を積極的に取り入れた作品は、まさに「夜」「大人」というキーワードがピッタリ来そうな作風に。クラブ系のナンバーが並んでいますが、ちょっと上品な大人な雰囲気の漂うフロアにピッタリはまりそうな作品が並びます。
例えば序盤の「The Boy」などは、リズミカルなハウスのナンバーですが、ファルセットボーカルを生かしてちょっとセクシーに聴かせる彼女のボーカルが実に魅力的。「Never Enough」でも、大人な雰囲気の漂うメロウなボーカルを魅力的に聴かせてくれています。また、終盤のチルアウト気味なナンバー「I'm Your Muse」でも抑え気味のボーカルがセクシーで実に魅力的。終始、大人な雰囲気を漂わせるボーカルが、このアルバムの大きな魅力となっていました。
もっとも、王道なハウス、エレクトロの楽曲が並ぶだけに決して目新しさはありません。正直、彼女の大人のボーカルも大きな魅力ではあるのですが、決して目新しい、他を圧倒するようなものではないでしょう。ただ、そういった点を差し引いても、いい意味で聴きやすく、すんなりと耳に入ってきて、身体が自然に動き出すエレクトロのサウンドと、セクシーさも感じられる彼女のボーカルはやはり大きな魅力。クラブユースそていももちろん、家で聴いても十二分に楽しめる傑作アルバムでした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
STAR LINE/Chance The Rapper
一時期はミックステープのみをストリーミングやダウンロードのみで無料でリリースし、音源を全く販売しないスタイルながらもヒットチャートを賑わせ、ついにはグラミー賞を受賞するなど、一躍時の人となったラッパー、Chance The Rapper。ただ、前作「The Big Day」が不評だった影響で、一時期に比べて人気面はグッと落ち着いてしまいました。そんな中リリースされた約6年ぶりのニューアルバム。正直、前作がそこまで悪いアルバムとは思わないのですが・・・。今回のアルバムはメランコリックな歌モノが多いアルバム。基本的にChance The Rapperらしい作品とは思う反面、インパクトの面でちょっと薄かったような印象が。17曲1時間強という長さも、ちょっと長すぎるような感じも。悪い作品ではないものの、もうちょっとコンパクトにまとめた方が良かったような印象も受けるアルバムでした。
評価:★★★★
Chance The Rapper 過去の作品
Coloring Book
The Big Day






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