ライブレポート2023年

2023年9月 2日 (土)

久々のスキヤキナゴヤ!

スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 名古屋2023

JUPITER&OKWESS/Sabalikan

会場 TOKUZO 日時 2023年8月28日(月)19:00~

毎年、富山県南砺市で行われているワールドミュージックのフェスティバル、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド。その派生イベント、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 名古屋に出かけてきました。以前は毎年実施されていたのですが、2017年を最後に(コロナ禍とは関係なく)しばらく実施されていなかったイベント。ただ、コロナ禍が無事明けたこともあって、久しぶりにスキヤキ名古屋も復活。個人的には2017年には足を運ばなかったので、2016年以来、7年ぶりに足を運んできました。

まず最初に登場したのは、Sabalikanというグループ。愛知・岐阜を中心に活躍する西アフリカのジャンベという楽器の奏者、野口UFO義徳が、西アフリカで、いわば吟遊詩人のような役割を果たすグリオの後継者であり、元マリの国立舞踏団のパーカッショングループのりだーだったDramane Diabateと組んだユニット。そこに同じくパーカッショニストのMAYUとギタリストの武藤裕志を加えた4人組のユニットでした。

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3人のパーカッショニストによるトライバルで力強いリズムが印象的。ポリリズムなパーカッションにギターの音色が重なるという、独特のサウンドが特徴的でした。この日披露した音楽は主にマリの民謡だそうで、いずれもパワフルなリズムが気持ちよい楽曲でした。Dramane Diabateは、最初、西アフリカの太鼓、ジャンベを叩いていたのですが、後半は同じく西アフリカの楽器、ドゥンドゥンに持ち替えてのプレイに。彼はもともとこちらのドゥンドゥンの方が本職らしく、むしろドゥンドゥンに持ち替えてからの方が本番(?)のように、これでもかというようにドゥンドゥンを叩きまくっていました。まさに、水を得た魚のよう!Dramane Diabateのドゥンドゥンをベースとしたパワフルなパフォーマンスを見せ、約1時間のステージの幕が下りました。

そして続いて登場したのはJUPITER&OKWESS。ボーカルのジュピター(ジュピテール)ことジャン=ピエール・ボコンジはコンゴの首都キンシャサで20年以上活動を続けているミュージシャン。blurのデーモン・アルバーンによるプロジェクト「キンシャサ・ワン・ツー」にも参加していたほか、2013年にリリースしたアルバム「HOTEL UNIVERS」も大きな評判となりました。彼らは前日までスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドに参加。その後、名古屋に移動して、この日のステージとなりました。

実は彼らのステージを見るのは今回がはじめてではなく、これが2回目。2014年にもスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドのために来日しており、その時のステージを目撃しました。非常に素晴らしいステージで、個人的に2014年のベストライブの2位にあげたほど。それだけにこの日のステージもとても楽しみにしていました。

メンバーが登場して演奏をスタートすると、会場の空気がグッと変わりました。前に出ていたSabalikanのステージも良かったのですが、それを明らかに上回るテンションの高いリズミカルな演奏。それまで椅子席に座っていた客がほぼ全員立ち上がり、メンバーと共に踊り始めました。私も同じだったのですが。

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メンバーはジュピターを含めて5人組。ジュピター自身は非常にやせ型の長身で、その柔軟な体を生かしてステージ上で踊りまくっています。ちなみになぜかドラムスがプロレスマスクをかぶり、やけに目立っていたのも印象的でした(笑)。

楽曲はアフリカ的なトライバルなリズムにのるものの、バンド編成を見ればわかるように、基本的にはギター&ベース&ドラムスというロックをベースとしたスタイルのため、同時にロックの要素も強いステージ。コンゴの音楽の強烈なリズムとグルーヴ感に、ロック的なダイナミズムが加わった感じで、最初から最後までクライマックスが続くような、テンションあがりまくりのステージになっていました。

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ボーカルはジュピターのみならず、他のメンバーも交互にボーカルを取っていた感じ。むしろジュピター本人は、曲に合わせて踊りまくっていた姿の方が印象的。電気の瀧みたいな感じ??

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途中から日本人のプレイヤーも演奏に参加。彼女に感じては特にアナウンスがなかったのですが、以前もライブでお見掛けしたような気が・・・。ちなみに途中のMC、ジュピターの英語はおそらくフランス語か現地語まじりなのかでちょっとわかりにくかったのですが、(現地の)「リンガラ語は日本語と似ているため覚えやすい」と話していたそうで、彼女が通訳してくれていました。

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後半にはさらに観客をステージ上にあげて盛り上げます。SabalikanのMAYUもステージ上に登場!

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子供たちもステージ上に参加。メンバー誰かのご子息でしょうか?

そんな大盛り上がりのステージが、最後までテンション途切れることなく、一気に繰り広げられました。本編は約1時間強。もちろんアンコールが起きます。ただ、比較的時間も押していたようで、早めにメンバーが再度登場してきました。もちろんアンコールも大盛り上がり。途中、ジュピターが客席に下りてきます。

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最後は、会場全体が最高潮に盛り上がりつつライブは終了。アンコール含めて1時間半弱のステージ。最後の最後まで大盛り上がりの文句なしの素晴らしいパフォーマンスでした。

最初にも書いた通り、コンゴ音楽のトライバルでグルーヴィーなリズムに、ロック的なダイナミズムが加わった、まさに身体が知らず知らずに動き出すようなそんなステージ。本当にあっという間の1時間半でした。まだ、この後も行く予定のライブはあるのですが、現時点で暫定今年のベストアクト!大満足のパフォーマンスでした。

2組のステージで終わったのは10時ちょっと前。合わせて3時間弱のライブだったのですが、あっという間に過ぎ去った素晴らしいステージ。心の底から楽しめたパフォーマンスで、派生イベントとはいえ、やはりスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドは素晴らしいなぁ、と感じました。来年もまた名古屋でもイベントをやってほしいし、また砺波にも行きたい!そう強く感じた夜でした。

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2023年8月 7日 (月)

久々の最新アルバムを披露

blur The Ballad of Darren live at Eventim Apollo

会場 Eventim Apollo(オンライン) 日時 2023年7月26日(水)5:00~

今年、約8年ぶりとなるオリジナルアルバムがリリースされたblur。そのニューアルバム「The Ballad of Darren」リリースに合わせて、同曲全曲が披露されるライブが実施。それがオンラインで全世界配信、ということで頑張ってオンラインライブを見てきました。英語のサイトでがんばって決済まで行って・・・でも、正直、そんなに難しくはなかったのですが・・・。

会場はEventim Apolloというロンドンのホール。まさに満員の観客の中でのステージで、観客の期待もムンムンと伝わってきます。このライブをみた段階で、まだニューアルバムは未聴の状態。なのではじめて新曲をこのライブで聴く形となりました。メンバーが登場すると、デーモンとグレアムは襟付きのジャケットで登場し、ある意味、blurらしい都会的な雰囲気のいで立ちでのプレイになっていました。

デーモンはエレピに座って弾き語りながらの演奏。で、冒頭はおそらく1曲目「The Ballad」でこちらはタイトル通りのバラードナンバーで静かに聴かせつつ、続く(おそらくアルバム2曲目の)「St. Charles Square」は実にblurらしい、歪んだメロのギターポップチューンで、彼ららしい楽曲にうれしくなります。さらに(おそらく)「Barbaric」もメロディアスでポップなギターロックナンバーで、こちらも軽快なポップチューンに楽しくなってきます。

その後も次々と新曲が展開していきます。「Russian Strings」はピアノとギターで美しくも切なく聴かせる、メロディーセンスが光るナンバー。簡単なMCも入って、会場は爆笑するのですが、正直、当たり前ですが、何を言っているのかわかりませんでした・・・。そのまま「The Everglades (For Leonard)」と続いたのですが、こちらではステージに控えていたストリングス隊も登場し、美しい音色を聴かせてくれました。

ここでデーモンは椅子から立ち上がりギターを抱えてのステージに。軽いMCの後はギターを弾きつつ「The Narcissist」へ。こちらはメロディアスでポップなギターロック。グレアムやアレックス・ジェームスもコーラスに加わって爽やかな演奏を聴かせてくれます。続いての「Goodbye Albert」はデーモンはエレピの上に置かれたシンセを演奏しつつのステージ。こちらもblurらしいちょっとひねくれたメロの楽しいギターロックナンバーになっています。

再びデーモンがエレピを弾きながらの演奏となったのが「Far Away Island」で、こちらもblurらしさを感じさせる、ひねくれメロのミディアムチューン。続く「Avalon」では、アレックスがステージ上の黒いソファーでくつろぎながら(?)の演奏。そしてアルバムのラストナンバー「The Heights」ではデーモンがアコギを抱えてしんみり聴かせる演奏を聴かせてくれました。

これで本編が終了。メンバー全員が舞台上で挨拶をして去っていきます。ただ、その後も会場からの歓声はなりやまず、やがてメンバーが再登場。アンコールとなりました。アンコールでは、前作「The Magic Whip」から「Pyongyang」、そしてこれはかなり懐かしい「Clover Over Dover」へ!デーモンはマイク1本で、かなり哀愁感たっぷりに歌い上げていした。さらに「Mr.Briggs」「All Your Life」「Theme from an Imaginary Film」とさらに懐かしいナンバーが続きます。

そしてラストは懐かしい「The Universal」をストリングスバックにゆっくり歌い上げます。デーモンはハンドマイク片手に客席まで下りてくるパフォーマンス。ミディアムチューンでしんみり聴かせる曲ながらも会場を盛り上げて、ライブは幕を下ろしました。

ライブは結局、約1時間15分程度で終了。最新アルバムから全曲披露した上で、アンコールでは非常に懐かしいナンバーも披露してくれるなど、なかなか満足度の高いステージでした。blurも一度ライブを見てみたいのですが・・・今年、サマソニに来るんですよね、でも見れない・・・。それだけに配信ライブとはいえ、ライブを見れてよかった。非常に楽しめたパフォーマンスでした。

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2023年7月17日 (月)

ロックバンドとしての実力も感じるパフォーマンス

Buffalo Daughter 30周年記念企画第3弾 名古屋編

会場 TOKUZO 日時 2023年7月5日(水)19:30~

Buffalo Daughterのワンマンライブに足を運んできました。

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会場は名古屋今池のTOKUZO。Buffalo Daughterのライブは、確か以前、フジロックで見たことがあったはずなのですが、ワンマンライブは今回がはじめて。毎回、傑作アルバムをリリースし続ける彼女たちのステージなだけに、楽しみにしていきました。会場的にTOKUZOと思ったより小さい箱だったので、超満員かも・・・と心配してきたのですが、思ったよりも余裕のある客の入りで、比較的ゆとりを持ってライブを楽しむことが出来ました。

冒頭は現時点での最新アルバム「We Are The Times」より「Music」からスタート。シンセを用いたエレクトロのナンバーからスタートしたかと思えば、続くは「Five Minutes」「Volcanic Girl」と、バンドサウンドを前に押し出したロックなナンバーが続きます。彼女たちのバンドサウンドは、非常にメリハリのあるタイトなサウンドで、ライブバンドとしてもかなり迫力ある演奏を聴かせてくれ、あらためて彼女たちの実力に舌を巻きました。

同じく前半は「Socks,Drugs,and Rock and Roll」でヘヴィーなバンドサウンドを聴かせて会場を盛り上げつつ、「Global Warming Kills Us All」のようなポップな曲も挟みつつ、バンドサウンドを押し出したようなダイナミックでロックな楽曲が続きます。

ここでまず最初のMCが。直前までアメリカでライブツアーに出ていた話。アメリカでは、ライブの最中も観客が私語で話していたり、曲に関係なく自由に踊っていたりと、非常に自由なスタイルで楽しんでいるという話から、この日の観客ももっと自由でいいよ、と呼び掛けていました。ただ、その後も観客はいつも通りだったのですが・・・。

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その後はBand Campでリリースしたという新曲「Chatbot Baby」と続き、その後は「ET(Densha)」などのサイケなインスト曲が続きます。横ノリでバンドのグルーヴに身をゆだねるような楽曲が多く、とても心地よさを感じる曲ばかりで、ロックバンドとしてダイナミックな演奏を聴かせてくれた前半とはまた異なる、バンドとしての彼女たちの魅力を感じさせるステージとなっていました。

続くMCではサポートメンバーのOKUMURA TAKERUが大学で講師をやっていて、楽屋でオンラインで講義をやっていたという話。そして終盤は「Times」へ。こちらはリズミカルなビートがとても心地よい楽曲に。そしてラストナンバー(曲名はわかりませんでした…)と続き、最後は簡単なメンバー紹介を行って、本編は幕を下ろしました。

もちろんその後はアンコールが起こり、メンバーは比較的すぐに再登場。アンコール1曲目は、前の方は椅子席だったのですが、全員立ち上がり、「No New Rock」で盛り上がります。そしてその後は一転しんみりと「Jellyfish Blues」で締めくくり。アンコール含めて約1時間半のステージが幕を下りました。

楽曲は、最近LP版でパッケージでの販売があった1998年の「New Rock」と2001年の「I」、それから最新アルバム「We Are The Times」からの曲がメインとなるセットリスト。ちなみにBuffalo Daughterは3人組バンドですが、最近、山本ムーグは休んでいるらしく、シュガー吉永と大野由美子の2人のみ。サポートメンバーに、前述のOKUMURA TAKERUと、ドラムスにbloodthirsty butchersの小松正宏という4人組バンドというスタイルでした。

彼女たちの楽曲は印象的にエレクトロ色が強いのですが、ライブではむしろロック色を前面に押し出したステージ。それも非常に迫力があり、かつ演奏技術も優れたステージとなっており、ロックバンドとしての実力を存分に感じることが出来ました。ワンマンは今回がはじめてでしたが、そのパフォーマンスに終始見入ってしまう素晴らしいステージでした。

時間的には約1時間半と、19時半という遅めのスタートだったのである程度予想はしていたのですが、ちょっと短めのステージ。とはいえ、非常に中身のあるステージを見せてくれており、満足度の高いステージになっていました。これだけのパフォーマンスをTOKUZOという、ちょっと狭いもののとてもよい箱で見れたのはうれしいところ。また、彼女たちのワンマンライブにぜひとも足を運びたいです!

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2023年7月 9日 (日)

最新アルバムの肩慣らし的な

RHYMESTER ニューアルバム「Open The Window」発売記念インストアイベント

会場 オンライン 日時 2023年6月25日(日)13:30~

今回はちょっと久々にオンラインでのライブレポ。タイトル通り、先日リリースされたRHYMESTERのニューアルバム「Open The Window」発売に伴い、タワレコでの購入特典としてついてきたインストアイベントのライブレポとなります。開催は(おそらく)渋谷タワレコでのステージですが、オンラインで全国に配信されました。

時間になるとまずはメンバーの3人が登場。「インストアイベントなんで、ライブとは違って何をやってもいいらしいので、30分すべてトークにしようか?」なんて軽口のMCからスタートしつつ、とはいえやはりライブでスタートしました。

まず最初は「予定は未定で。」。日曜日の昼間ということでノンビリな空気感での曲でスタート。そこから「My Runaway」「初恋の悪魔-Dance With The Devil-」と最新アルバム「Open The Window」からアップテンポなナンバーが続きます。この日がライブで初の披露らしいのですが、会場はいきなり盛り上がっていました。

その後はMCに。新作アルバムの話や今後のツアーの話などの後から、次の曲の題材となっている1989年という年について軽く触れたあと、再びニューアルバムから「なめんなよ1989」へと展開します。この1989年というのはRHYMESTERが結成された年なんですね。そしてラストチューンはニューアルバムから「待ってろ今から本気だす」を披露。約30分のステージは幕を下ろしました。

そんな訳で、配信での参加となったインストアイベント。結局、良い意味でいつも通りのRHYMESTERのステージを見せてくれました。この日演った楽曲はいずれの最新アルバムからの曲。メンバーも会場のファンも若干手探り状況な雰囲気もありつつ、ただ、キングオブステージの異名を持つ彼ららしく、しっかりと会場を暖めていたステージでした。

短い時間でしたが非常に楽しいイベントでした。今回のライブツアーには、残念ながら日程的に参加できないのですが、またRHYMESTERのライブも足を運びたいなぁ。そう感じさせる楽しいライブイベントでした。

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2023年7月 1日 (土)

エンタテイメント性の強いステージ

水曜日のカンパネラ ワンマンライブツアー2023~RABBIT STAR★TOUR~

会場 ダイアモンドホール 日時 2023年6月16日(金)19:00~

詩羽にボーカルが代わって、さらに人気が再燃した感のある水曜日のカンパネラ。今回、詩羽ボーカルではじめて、ライブに足を運びました。水曜日のカンパネラのライブは、2017年にコムアイのライブを見てから2度目(もう6年前!)。場所はおなじダイアモンドホール。そのダイホで今回目立ったのは、会場後半はファミリー席となっていて、親子連れが多く来場していたという点。子供が多いという、ライブハウスのライブでは非常に珍しい客層になっていました。

19時10分頃にライブはスタート。ライブがスタートすると、後ろからいきなり声が響き、会場の後ろから詩羽が登場!「ティンカーベル」を歌いながら、客席の中を練り歩きます。私の近くも通って、至近距離に詩羽が!!これはスタートからいきなり大興奮です。

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その後は「アリス」「バッキンガム」と続き、最初のMC。MCでは名古屋ネタで「名古屋の人は厳しいと聴いていたけど、すごい盛り上がりでうれしい!」という話。そしてここでコムアイ時代のナンバー「ディアブロ」に!途中、みんなに「いいね!」のポーズをさせて、まずは会場全体を盛り上げていました。

さらに「シャドウ」「卑弥呼」と続いて、再び詩羽が客席に降りてきたかと思えば、客席中央に脚立が設置され、その上に乗って「モヤイ」を歌い始めます。再び至近距離への登場に、会場の、特に後ろの方の人たちは大興奮です。

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さらにその後のMCでサークルモッシュについての説明をしたかと思えば、続く「鍋奉行」では会場全体でサークルモッシュ!とはいえ、詩羽の周りをみんなでぐるぐる「歩く」程度の穏やかなサークルモッシュだったのですが、やはり会場は興奮のるつぼと化していました。

その後は再びステージに戻り「赤ずきん」。狼も登場して一緒に踊ります。

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続いての「一寸法師」では観客席から「ヤング」「子供」「ギャル」「おじさん」の4人を募り、ファンをステージ上にあげて一緒に踊るというパフォーマンス。「金剛力士像」では、金剛力士をイメージした(??)2人の女性ダンサーと一緒に踊ります。

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そしてコムアイ時代の代表曲「桃太郎」。この曲では、詩羽が大きな風船の中に入り、客席にダイブというパフォーマンス!これはコムアイ時代でもやっていたな・・・。

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その後のMCでは自分のファッション(刈り上げた髪や口のピアス)から、自分の好きなものと人の好きなものを大切にして、という話。さらに残り3曲でアンコールはなしという宣言の下、一気にラストスパートとなりました。ラストは「七福神」、そして詩羽時代の大ヒット曲「エジソン」と続いて会場が最高のテンションとなった後、「招き猫」へ。最後には巨大な招き猫も登場しました。

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さすがにあれだけMCでアンコールなしと言っていただけに、会場からはアンコールは起きず終了。全2時間弱のステージでした。コムアイ時代と同様、演奏はカラオケで、途中、ダンサーなどの登場はあったものの、基本的に詩羽1人のみでのパフォーマンス。ここらへんはコムアイの時と同じでした。

ただ一方、序盤からの盛り上がりがすごかった!コムアイ時代は歌とダンスのみのステージだったのですが、詩羽は最初から観客席の中から登場したり、観客にアクションを求めたり、会場の盛り上げ方という意味では以前よりエンタテイメント性を増して、非常に楽しいパフォーマンスを見せてくれていました。

ほぼ1人のみのステージであれだけ会場を沸かせられるというのは、曲自身の力も大きいのですが、なにげにパフォーマーとしての詩羽の実力も感じるステージだったと思います。今回「ディアブロ」「桃太郎」というコムアイ時代の2曲も披露してくれましたが、こちらについても違和感はほとんどなく、むしろ詩羽なりの色もしっかり出していて、しっかり自分の曲にしていたようにすら感じられました。

本当に楽しいステージで、今年のベストステージ候補だったと思います。水曜日のカンパネラの魅力をあらためて実感したパフォーマンス。彼女たちの勢いはまだまだ続きそうです!

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2023年5月30日 (火)

いつかは行きたいと思っていたライブ

SEX MACHINEGUNS なーるほど ザ ワイルド 春の祭典25周年スペシャル

会場 RAD HALL 日時 2023年5月19日(金) 19:00~

以前から一度行ってみたい・・・と思っていたSEX MACHINEGUNSのライブ。一番売れていた時期はチケットの確保が非常に困難で、いままで足を運べなかったのですが・・・最初に行きたいと思っていた頃から20年近い歳月を費やし、ようやく足を運ぶことが出来ました。

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会場は名古屋大須にあるRAD HALL。実は今回、はじめて足を運んだライブハウスだったりします。雑居ビルの地下1階という、ライブハウスとしては典型的な場所に位置するキャパ300の箱。ちょっとユニークなのは、ドリンク代が600円なのですが、チケットが2枚渡され、アルコールなら2枚、ソフトドリンクなら1枚渡す形。要するに、ソフトドリンクなら2杯飲めるという訳で、ある意味、良心的なシステムといった感じでした。

客の入りはほぼほぼ埋まってはいるものの、余裕をもって見られるという感じで、200名程度の入りといった感じでしょうか。帰ってから調べると、一番売れていた頃には市民会館2デイズだったツアーもあったそうなので、その頃に比べると、かなり寂しさを感じてしまいます・・・。

19時10分くらいでメンバーが登場。もちろん会場は大歓声の中のスタートとなるのですが、1曲目はいきなり「みかんのうた」からスタート!さらに「ファミレスボンバー」といきなり代表曲からのスタートに会場のテンションはいきなりマックスに上がっていきます。新型コロナの取り扱いが変わり、ライブ会場での声出しもOKとなったこの日のライブ、思わずテンションをあげて叫んでしまったライブのスタートでした。

その後のMCはまずメンバーのSHINGO☆が中心となったMCで会場を沸かせます。さらに、「サンシャイン」「とうちゃん」から「ONIGUNSOW」と過去からのナンバーの連続。はじめてライブに足を運んだ私にとっては、やはり昔からの曲が聴けるというのはうれしい展開でした。

2度目のMCは、現在はサポートメンバーであるギターのSUSSY。正式メンバーではないはずなのですが、ほとんど扱われ方が正式メンバーと変わらないのですね(笑)。その後は最新アルバム「地獄の暴走列車」から「震え」「The Grave」と続きます。

その後のMCは満を持して(?)、AnchangがメインとなるMC。個人的にどうしてもマシンガンズのイメージというと、初期のイメージが強く残っていたので、大変失礼ながらも、風貌が思ったよりおじさんっぽかったのはちょっとビックリしました。ただ、「犬の生活」に続く「みどりのおばちゃん」では高音部出まくりの迫力満点のメタルなボーカルを聴かせてくれます。現在、もう御年53歳なのですが、その年齢を全く感じさせない、ともすれば「艶のある」とも表現できそうなボーカルで、その点もビックリさせられました。

ここでメンバーは一度ステージ上から去り、ドラムのTHOMASだけ残ります。最後はTHOMASのみのMC。さらにそのMCからドラムソロに続き、しっかりと見せ場でその激しいドラムプレイを聴かせてくれます。その後、再びメンバーが登場し、再び最新アルバムから「燃えろ!!ジャパメタ」、そして逆に懐かしい「愛人28」と続きます。

そしてラストは「語れ、涙」から、これまた懐かしい「桜島」、そして本編ラストは「BURN」で盛り上がり、本編は終了となりました。もちろん盛大なアンコールが起こり、その後は比較的あっさり、まずは1人づつ登場。1人毎にまたメインでMCを取りながら、アンコールのスタートとなりました。

アンコールでは「そこに、あなたが…」でしんみり聴かせつつ、そこから一転、最新アルバム「ポ」では、SHINGO☆のボーカルもあって、彼ららしい非常にユーモラスなナンバー。そしてラストは、ある意味彼らのテーマ曲とも言える「SEX MACHINGUN」で締めくくり。最後は会場全体のノリも最高潮に達し、ちょうど2時間のステージは幕を下ろしました。

以前、彼らが今よりもっと売れていたころ、「マシンガンズのライブはすごいから、一度是非見ておくべき」という評判をよく聞いていました。それだけに一度見てみたいと思っていたものの、その当時はチケットも取れず、今まで一度も彼らのライブは見ることが出来ませんでした。

それから20年近くが経過して、正直、今のマシンガンズはその当時と比べると、淋しい状況になってしまっています。それだけにライブに関してもそこまでは期待せずに足を運んだのですが・・・・・・いや、大変申し訳ありません、かつて「一度は見ておくべき」と言われた理由が、今になっても十分すぎるほど感じられる素晴らしいステージでした!

まずバンドとしての技量が半端ありません!!これでもかというほど押し寄せてくる爆音の嵐。ただ一方で聴いていて決して不快にならず、それぞれの楽器の音がしっかり主張して聴こえてくるのは、それだけのテクニックを持っているということなのでしょう。今となっても全く衰えないどころか、むしろベテランバンドとなってすごみを増した感すらあるそのステージングに驚かされました。

また、マシンガンズの大きな魅力といえば、本格的なメタルのサウンドと、そんなメタルのサウンドに全くマッチしないようなユニークな歌詞。このサウンドと歌詞のギャップが彼らの魅力なのですが、ライブではCD音源以上にメタルのサウンドが本格的かつ迫力があり、歌詞とのギャップが、CD音源以上に際立って聞こえてきます。そのため、マシンガンズの魅力がCD音源以上に増幅されて伝わってきました。

予想外に素晴らしいステージで驚いています。今年のベストライブ候補の1本なのは間違いないでしょう。それだけに、全盛期と比べて、なぜキャパ300程度のライブハウスで見れてしまうのか、というのはちょっと意外な感じ。人気面はともかくとして、そのライブの魅力は全く衰えていないと思うのですが・・・。それだけに「CDは聴かなくなったけど、ライブには足を運ぶ」というファン層がもっともっといてもいいと思うんですけどね。途中のMCで「自分たちは大きい会場の方が映える」といっていて「ダイアモンドホールくらいでやりたい」と言っていたのですが、正直、これだけのライブをやっていたら、ダイホくらい十分埋められるだけの動員があっても不思議ではないと思うのですが・・・かつて足を運んでいたファンはどこに消えたのでしょう?まあただ、活動休止期間とかもあったので、その時に一気に・・・といった感もするのですが・・・。

これは、また是非とも足を運びたい!そう強く感じたステージでした。いまさらながら、久しぶりにSEX MACHINEGUNSにはまってしまいそうな素晴らしいステージでした。

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2023年4月25日 (火)

とても優しさを感じる歌声でした

Bob Dylan "ROUGH AND ROWDY WAYS" WORLD WIDE TOUR 2021-2024

会場 愛知県芸術劇場 日時 2023年4月18日(火)19:00~

ボブ・ディラン待望の来日ツアー!2016年にノーベル文学賞を受賞後、フジロックへの来日公演はあったものの、ライブツアーとしては2016年以来となるライブツアーに参加してきました。1990年代以降、比較的コンスタントに来日している彼ですが、既に御年81歳。2020年に今回のツアータイトルとなっているアルバム「ROUGH AND ROWDY WAYS」をリリースするなど、現役感バリバリの活動を続けているとはいえ、はるか東洋の彼方、日本まで、あと何回来日してくれるか・・・年齢から考えても、これが最後になっても何ら不思議でもありません。レジェンドクラスのライブが見れる機会があるのならば、できるだけ見ておきたい!!ということもあって、今回、意を決してボブ・ディランのライブに足を運んできました。

「意を決して」なんていう書き方をするのは、当初、足を延ばそうかかなり迷ったため。というのは大きな要因となるのがチケット代。なんとS席で26,000円(!)という高額のチケット代。確かに、外タレのライブは1万超えは当たり前…とはいえ、2万円台後半というのはかなりの高額。今の日本が「安く」なってしまったからなのかなぁ・・・なんて思いつつ迷っていたのですが、この機を逃すと、二度と見れないかもしれまい・・・と思い、まさに意を決してチケットを確保しました。

そして当日、会場へ向かうと、いきなり入口で携帯の電気を切る旨のアナウンスが。さらに電源を切った携帯を、スタッフからわたされた、鍵付きのポシェットみたいなものに入れられて、会場内では一切、携帯を触れない状況になっていました。かなりの物々しさにビックリ。外タレって、携帯には比較的寛容で、ライブ会場でも写真撮り放題というミュージシャンも多いだけに、逆に日本のミュージシャンよりも厳しいスタンスにはビックリしました。会場には開演10分くらい前に入ったのですが、普段ならスマホで時間つぶし出来るところを、開演まで手持無沙汰に。でも、スマホが普及する前のライブって、こういう風だったなぁ。

会場を見渡すと、2階席以上は空いており、1階席も後ろの方はちょっと寂しい状況。平日だから、ということもあるのでしょうが、ちょっと寂しい感じ。やはり値段が高すぎるのでしょうか。会場は50代あたりがメインといった感じで、40代の私もかなり若い部類になっていました。これはまあ、予想通りなのですが。

さて、今回のボブ・ディランのライブ、ライブでは必ず行う事前の予習はほぼゼロ。というのも、ボブ・ディランはライブの毎にアレンジを大きく変え、歌詞すらも変えて、全く違う曲になってしまうとか。正直、熱烈なファンでもない私にとっては、予習をしても結局よくわからないだけじゃないか、と思い、事前に彼のアルバムなどを聴かずにライブに望みました。もちろん、最新アルバムについては発売当初にチェックはしているのですが。それなので今回、彼が歌った曲についてはほとんどわかりません!(苦笑)

ライブは19時ちょっと過ぎにスタート。会場が暗くなり、メンバーがステージ上にあがってきます。ただ、ステージ上にも照明はあまり当たっておらず、ちょっとくらい状況のステージ。最初は御大のご尊顔もほとんど見れないような状況。そんなボブ・ディラン本人はグランドピアノの後ろに陣取り、ライブはスタートです。

ただ、正直、最初の方はボブ・ディラン本人はボソボソと歌う感じで、あまり聴きとれない・・・。やはりさすがの彼も81歳になると、声も厳しいのかな、と思いながら聴いていたのですが、本人のテンションも徐々に上がってきたのか、途中からは徐々に声も出るようになり、その歌声もしっかり聴くことが出来ました。基本的には椅子に座り、ピアノを弾きながらのステージだったのですが、時には席から立ち上がり歌うようなシーン。81歳とは思えない若々しさも感じました。

選曲の方は、最初は「Watching the River Flow」「Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine」と昔のナンバーからスタートしつつ、その後はツアータイトルにもなっているアルバム「ROUGH AND ROWDY WAYS」からの曲が中心のセットリストに。全体的には落ち着いて聴かせる、ブルージーな雰囲気の漂う曲がメインとなっていました。最後の方ではグレイトフルデッドの「Brokedown Palace」のカバーも披露していました。

基本的に予習ゼロで臨んだので、曲名については正直ほとんどわかりません。しかし、それでも最後までそのパフォーマンスからは目を離せませんでした。特に印象的だったのがボブ・ディランの歌声。しゃがれ気味の独特の声色で、決して声量もあるわけでもないボーカルなのですが、なぜか、その渋みのあるボーカルに気が付いたら惹きつけられていました。決して派手ではないのですが、優しさを感じるボーカルで、今回のライブでも知らず知らずにその声に惹きつけられて、最後までステージを楽しむことが出来ました。

ボブ・ディランといえば、曲や歌詞にスポットがあたることが多いのですが、この声も非常に魅力的だなぁ、ということを今回のライブでは強く感じました。全2時間弱のステージだったのですが、そのため、最後まで飽きることなく、そのステージを満喫することが出来ました。

ライブでは時折「Thank you」という言葉を発するほかはMCはなし。ラスト前にバンド紹介だけ行い、アンコールなしで会場を去っていきました。でも、その歌声に惹かれつつ、あのレジェンドを目の前で見れた!という感情もあり、非常に満足度の高いステージだったと思います。意を決してチケットを確保してよかった!そして80歳を過ぎても現役感バリバリの彼にはあらためて驚かされました。これだけ元気ならば、これが最後の日本ライブツアー・・・にはならなさそうですね!とても気持ちよく、会場を後にしました。

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2023年3月18日 (土)

ソロでは初参加!

奥田民生2023 ラビットツアー~MTR&Y~

会場 日本特殊陶業市民会館フォレストホール 日時 2023年3月1日(水)19:00~

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奥田民生のソロライブにはじめて足を運んできました!以前、ユニコーンのライブに足を運んだことあるので、奥田民生自体はそこで拝見したことがあるのですが、ソロは初。やはりユニコーンのライブを見たからには、奥田民生のライブも一度は見ておかないと・・・ということで足を運んできました、市民会館。コロナ禍の規制もなくなりつつある中、会場は満員・・・とまでは残念ながら行かなかったようですが、ほぼ9割以上の入りでした(ただ、2階席以上の状況はわからないのですが・・・)。

定時を10分くらいたった時にメンバーがステージ上に登場。ステージの証明が明るくなることなく、メンバーが登場してきたので、最初はベースの小原礼を奥田民生本人だと勘違いしました・・・。その後、最後に奥田民生本人が飄々とした雰囲気で登場。ライブがスタートとなりました。

最初は「太陽が見ている」からスタート。その後「無限の風」を挟み、「月を超えろ」が登場。ステージバックには大きな「月」のセットが浮かび上がります。その後、最初のMCへ。メンバー紹介となるのですが、特に「コント」的な演出もなく、和気あいあいとした雰囲気ながらも、楽屋的なノリでのメンバー紹介。ある意味、奥田民生らしい肩の力が抜けたMCが展開されます。

その後は「ライオンはトラより美しい」「カヌー」「音のない音」と続きます。この日は特に特定のアルバムのリリースツアーではなく、過去のベスト的な選曲となっているのですが、ヒット曲やシングル曲の連続でなく、知る人ぞ知る的な曲の選曲となっているのも奥田民生らしさを感じます。

続くMCも、名古屋ネタとなりましたが、こちらも良くも悪くも楽屋でのトークそのままのノリで。ただMC明けの「愛のボート」では最後にバンドメンバーによるジャム演奏を披露。ロックバンドとしての実力を見せつけてくれます。「白から黒」でもエレピのソロをバチっと決めて、まさにプロフェッショナルとしての実力を強く感じるステージになっていました。

後半は「明日はどうだ」でも会場のテンションも上がっていきます。ここから一気に後半戦へ。会場のテンションがあがる中、最後は「イナビカリ」「手紙」そして「御免ライダー」で締めくくります。

会場はもちろんアンコールへ。こちらも比較的早めにメンバーは再登場。簡単なMCの後、「さすらい」へ。これまた会場は盛り上がり、ラストは「快楽ギター」へ。会場の盛り上がりの中、ライブは終了。約2時間弱のステージでした。

今回、はじめての奥田民生ソロのステージでしたが、全体的に淡々とした雰囲気で進んだステージ。特に肩の力が抜けたようなステージだったのは彼らしさを感じます。また、MCをはじめとして演出的な部分はほとんどなし。演出的な要素を多分に含んでエンタテイメント性が強かったユニコーンのライブとは、ある意味、真逆とも言えるステージになっていました。個人的にはもうちょっとMCが多めなのかな、とも思っていたのですが、MCも少なめ。ある意味、ストイックさすら感じるステージだったと思います。

ユニコーンでのライブとは異なるものの、奥田民生らしさを感じることが出来たステージ。熱心なファンではない身としては、もうちょっとヒット曲を聴きたかったな、という感想もあったものの、とても楽しめたライブでした。また足を運びたいです!

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2023年3月 5日 (日)

よりロックな局面を強調

カネコアヤノ Zepp Tour 2023”タオルケットは穏やかな”

会場 Zepp Nagoya 日時 2023年2月20日(月)19:00~

Kanekoayano1

個人的に、今、もっとも注目している女性シンガーの一人、カネコアヤノ。最新作「タオルケットは穏やかな」も傑作アルバムでしたが、それに続くツアーにも足を運んできました。会場はZepp Nagoya。最近注目のミュージシャン・・・とはいえ、決して万人受けしそうなタイプのミュージシャンでもないので、Zeppならそれなりに余裕をもって見られるのかなぁ、と思っていたのですが、すいません、見くびりました。Zepp Nagoyaは立席で超満員。その人気の高さを感じさせる客の入りとなっていました。

ステージは5分程度遅れただけでスタート。まずメンバーが登場すると、いきなり激しいジャムセッションからスタート。もともと、楽曲にヘヴィーなギターサウンドは加わっていたのですが、正直、かなり予想外に激しいライブのスタートとなりました。

そこからまずは「わたしたちへ」からスタート。最初は「カウボーイ」を挟んで「季節の果物」と、昔からの曲も挟みつつ、最新アルバムお曲がメインで進みます。その後も「やさしいギター」から「春」、「眠れない」といった展開でライブは続いていきました。

基本的にカネコアヤノのボーカルを中心として、バンドメンバー3人というシンプルなセット。このバンドメンバーの奏でるサウンドが非常に分厚く迫力があり、CD音源で聴くよりもヘヴィーなサウンドを聴かせてくれ、その演奏にも圧巻されるステージになっていました。ただ、それ以上にすごかったのがカネコアヤノのボーカル。もともと非常に声量のあるボーカリストだということはCD音源でもはっきりしていたのですが、ライブステージ上で、バンドメンバーの奏でる分厚い音に声が全く負けていません。ボーカルスタイルとしても、1曲1曲歌詞をかみしめるように歌うスタイルだっただけに、これだけ激しいバンドサウンドをバックにしつつ、歌詞の内容までしっかりと伝わってきます。彼女のボーカリストとしての実力を強く感じるステージになっていました。

その後の「愛のままを」ではまたヘヴィーなバンドサウンドを聴かせてくれたり、「こんな日に限って」でもサイケなサウンドで聴かせたりと、ロックな側面も非常に推し進めたステージになっていました。ステージもカネコアヤノ+メンバー3人のみとシンプルなセットになっていたのですが、照明もバックに電球のような光が並ぶだけという非常にシンプルなもの。メンバーの影も協調するようなステージは、なんとなく70年代あたりのアングラバンドのイメージを彷彿とさせます。そんな中で唯一、ちょっと凝っていたのが「月明かり」で、最初、動物の鳴き声からスタート。さらにパフォーマンス中はバックに回転灯が廻り、ちょっと不思議な空間を作り上げていました。

さらに「もしも」では歌詞の「小さなころのお前が」を繰り返してサイケ感を強めていたり、「車窓より」では激しいドラムソロを聴かせてくれたりと、楽曲のロックなイメージをより強調するようなパフォーマンスが続きます。逆に「花ひらくまで」では爽やかな雰囲気の曲を聴かせてくれており、ヘヴィーな展開が続いたライブの中でも大きなインパクトとなっていました。

ラストは「退屈な日々にさようならを」ではノイズで会場を埋め尽くし、ファンを圧巻したかと思えば、最後はアルバムの表題曲でもあり、ライブツアーのタイトルでもある「タオルケットは穏やかな」で締めくくり。こちらもヘヴィーなバウンドサウンドをこれでもかというほど聴かせてくれました。

そんな訳で、ライブは約1時間40分程度のパフォーマンス。バンドサウンドの演奏もさることながらも、それに負けない、力強いカネコアヤノのボーカルも非常に印象に残るステージでした。一方で、ライブの最中にMCは一切なし。最後に一言「ありがとうございました。」とだけ声を発してステージは終了しました。また、彼女自身、アコギ1本のみのアルバムもリリースしており、また、そのスタイルでのライブも行っているのですが、この日はそのようなパフォーマンスはありません。完全にバンドスタイルとアコースティックスタイルを切り離しているのですね。ただ、個人的には、今回のライブ、ある意味、同じようなスタイルの曲が続いていて、ちょっとメリハリが弱いようにも感じたので、途中、アコースティックなパフォーマンスを挟んでもよかったような気もするのですが、そこは切り離すというのが彼女のポリシーなんでしょうね。

より「ロック」な局面を強調した今回のパフォーマンス。カネコアヤノのボーカリストとしての実力も見せつけられた圧巻のステージだったと思います。彼女の才能をあらためて実感しました。次は、アコースティックスタイルのライブも見てみたいな。彼女の活躍はまだまだ続きそうです。

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2023年1月26日 (木)

今、もっとも注目される女性シンガー

Rina Sawayama Hold The Girl Tour 2023

会場 ダイアモンドホール 日時 2023年1月17日(火)19:00~

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今、間違いなく世界で最も注目を集めているシンガーの一人、Rina Sawayama。ご存じの通り、新潟県出身の日本人である彼女は、幼少期よりロンドンに移住。現在はロンドンを拠点に活動を続けています。その彼女の最新作「HOLD THE GIRL」はなんと全英チャートで3位にランクインという快挙を達成。さらに昨年のサマソニに初来日し、ようやく日本でも注目を集めるようになりました。そして今回、初となるジャパンツアーを実施。名古屋でもライブを行うということで、もちろんチケットを確保し、彼女のライブにかけつけました。

会場はダイアモンドホール。キャパ1,000人のライブハウスとしてはそれなりの大きさの箱なのですが、彼女の人気を考えると、これだけの「狭さ」の会場で見れる機会、今後、そうそうないのではないでしょうか。会場は、そんな彼女の初来日公演を目撃しようと、ほぼ満員のファンで埋め尽くされていました。

会場には比較的19時ギリギリに到着。開演は19時となっているものの、外タレの場合、スタートが30分や、下手したら1時間近く伸びるのも当たり前。そのため、のんびりと構えていたのですが・・・なんと、19時ほぼピッタリにライブはスタート。ここらへん、時間に律儀な「日本人」らしい、ということでしょうか?

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ライブはアルバム「Hold The Girl」の1曲目でもある「Minor Feelings」からスタート。続いてアルバムのタイトルチューンの「Hold The Girl」へと続きます。写真のように、非常にスレンダーな良いスタイルで、キレのあるダンスパフォーマンスを繰り広げながらのステージ。陳腐な言い方かもしれませんが、非常にかっこよいパフォーマンスでした。ステージはサポートメンバーとしてギタリストとドラムが1人ずつ。さらにダンサーが2人くわわり、全5名でのステージパフォーマンスになっていました。

で、2曲終わった後にMCに入ったのですが、MCは流ちょうな日本語でのMC。まあ、当たり前といえば当たり前なのですが、4歳の時からロンドン在住なだけに、ひょっとしたら日本語はしゃべれないのかも?と思っていたのですが、そこはさすがです。

その後は「Hurricanes」「Your Age」「Imagining」と最新アルバムからのナンバーが続き、会場は盛り上がります。さらに「今、いろいろとむかつくことがあるけど、その怒りを音楽でぶつけていきましょう」というMCから「STFU!」に。メタル風のダイナミックでヘヴィーなバンドサウンドが非常にカッコいい曲で、この日もライブの中でもっともロッキンなパフォーマンスを聴かせてくれます。同じくロック色の強い「Frankenstein」と続き、会場は盛り上がっていきます。

Rina3

その後も「Holy(Til You Let Me Go)」「Bad Friend」と最新アルバムからの曲が続くと、メンバーはみな、会場から一度立ち去り、リナとギタリストの2人のみがステージ上に残ります(上の写真参照)。ここで再びちょっと長めのMCで、「みんなのことありのままに受け入れてくれる人をみつけてください」という話。さらには携帯のライトをつけて、というお願いとともに、ギタリストはアコギをかかえ、リナは椅子にすわってしんみり「Send My Love to John」を披露。ここまで比較的アップテンポな曲が続きましたが、一転、しんみり聴かせるナンバーに会場のファンもその歌声に聴き入ります。会場では、みんなが携帯のライトをかざしつつのステージとなり、携帯ライトの光が会場を包み込みました。

終盤は一転、「Forgiveness」さらには「Cherry」とアップテンポなナンバーに。「Cherry」では、会場の最前列でLGBTの象徴であるレインボーフラッグを振っているファンがいたようで、彼女がそのレインボーフラッグを受け取り、歌いながらステージ上で振り回していました。彼女は先日のサマソニでもLGBTQについてMCを行い、ちょっとした話題となりましたが、まさに彼女らしいパフォーマンスを見せてくれました。

さらに個人的にもライブで聴きたかった「Comme des garcons(Like the Boys)」へ。リズミカルなダンスチューンがやはり生で聴くとカッコいい!そして「XS」へと続き、本編は一度、締めくくりとなりました。

Rina4

もちろん、すぐに盛大なアンコールへ。やがて再びメンバーが登場すると、最後はアルバムの代表曲ともいえる「This Hell」へ。彼女自身、2人のダンサーと共にダンスを披露するパフォーマンスで、そのカッコよさを見せつけてくれました。アップテンポなこの曲で会場のテンションは最高潮に達しつつ、ステージは幕を下ろしました。

ライブは1時間15分。正直言って、予想していたより短かった・・・。もうちょっと聴きたかったなぁ、というのも正直な感想です。ただ、パフォーマンスは文句なしにカッコよく、最初から最後まで終始惹きつけられたパフォーマンスでした。スタジアムレベルでも惹きつけられるようなパフォーマンスで、それをこのキャパで見れたというのは、本当に貴重な体験をしたように思います。

日本人にもなじみやすいような、わかりやすいサビのある曲も多く、J-POPからの影響も感じる彼女。ただ、途中のMCや、レインボーフラッグを振るパフォーマンスなど、社会派なMCやパフォーマンスも目立ち、ここらへんはJ-POPのミュージシャンにはない感覚のようにも感じました。

そんな訳で、ちょっと短かったのですが、参加してよかったと心から思う、素晴らしいパフォーマンスでした。まだまだ彼女の躍進は続きそう。次に彼女のステージを見るときはきっともっと大きなアリーナクラスの会場が必要になりそう。今後の彼女の活躍からも目が離せなさそうです。

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