アルバムレビュー(洋楽)2023年

2023年10月 3日 (火)

The Chemical Brothers、健在

Title:For Tha Beautiful Feelings
Musician:The Chemical Brothers

イギリスを代表するエレクトロ系ミュージシャンであり、日本でも高い人気を誇るグループThe Chemical Brothers。彼らの約4年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。毎回、ダンスミュージックの安直なブームにのらず、彼ららしい路線を追及し続けるThe Chemical Brothers。今回もそんな彼ららしい独特な路線を感じつつも、一方ではThe Chemical Brothersとしては「らしさ」を感じさせるアルバムになっていました。

オープニングに続く2曲目「Live Again」はフレンチポップのシンガー、Halo Maudがボーカルで参加。ロック的な要素も入った高揚感あるサウンドがケミブラらしいのですが、その中でHalo Maudのメランコリックさを感じる声が入ってくるあたりで独特のサウンドを感じさせます。一方「No Reason」は途中に入る掛け声にちょっとベタさを感じるミニマルなテクノチューン。ある意味、わかりやすい高揚感は魅力に感じますし、続く「Goodbye」は、ダイナミックなビートがケミブラらしくも、サイケさも感じるエレクトロサウンドは独自性も感じさせます。

後半の軸となっているのがBeckが参加した「Skipping Like A Stone」。スペーシーなサウンドにメロディアスなポップが重なったサウンドがこれまたユニークさとユーモラスさも感じさせる曲。「Feels Like I Am Dreaming」も力強いビートにダイナミックさを感じさせる、こちらはThe Chemical Brothersの王道とも言える楽曲となり、リスナーを一気に盛り上げるナンバーに。そしてラスト「For That Beutiful Feelings」は再びHalo Maudが参加。彼女のボーカルを聴かせつつ、ゆっくり力強いビートが奏でられるナンバーで、高揚したリスナーをゆっくりと落ち着けるチルアウト的なナンバーでの締めくくりとなります。

このようにエレクトロダンスミュージックを奏でつつ、全11曲、バリエーションを感じさせる展開も魅力的なナンバー。正直なところ、決して目新しいという印象はないのですが、The Chemical Brothersらしさを感じさせるダンスチューンの連続に、ファンならずとも素直に楽しめるアルバムになっていたと思います。The Chemical Brothersの健在ぶりを感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★★

The Chemical Brothers 過去の作品
Brotherhood
Further(邦題:時空の彼方へ)
HANNA
Born In The Echoes
No Geography
Surrender(20th Anniversary Edition)

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2023年10月 2日 (月)

統一感のある2作目

Title:GUTS
Musician:Olivia Rodrigo

現在、女優として活躍しているのみならず、ミュージシャンとしても前作「SOUR」が高い評価を得て、シンガーソングライターとしても一躍注目を集めたOlivia Rodorigo。その前作から約1年8ヶ月、早くも新作がリリースとなりました。

前作「SOUR」はバラエティー富んだ音楽性のポップアルバムで、聴いていて素直に楽しくなる内容が最後まで飽きさせない傑作に仕上がっていました。一方、今回のアルバムは全体的にギターロック寄りのアルバムとなっていました。冒頭を飾る「all-american bitch」も、最初はギターアルバムでしんみり聴かせつつ、中盤以降は分厚いギターサウンドが顔を覗かせるパンキッシュな作風に。続く「bad idea right?」も分厚いギターサウンドが前面に押し出されつつ、ラップのパートとキュートなメロのパートが交互に展開されるポップなナンバー。「vampire」も、最初はピアノで静かに聴かせつつ、後半はギターサウンドにストリングスが加わりスケール感を醸し出しているギターロックのナンバーに仕上がっています。

その後もラップとキュートでポップなメロが交互に展開するミクスチャーポップとも言うべき「get him back!」や疾走感あるギターロックナンバーの「love is embarrasing」、ちょっと切ないメロが印象に残るギターロック「pretty isn't pretty」など、分厚いバンドサウンドを聴かせつつ、ポップなメロが印象的なギターロック寄りの楽曲が目立ちます。全体的にはオルタナ系以降のポップなギターロックといった感じで、イメージとしては初期のアヴィリル・ラヴィーンにも近い感じ。ポップなメロはインパクトも十分で、日本人にも、特に彼女と同年代(20代前半)や中高生にも高い人気となりそうな印象を受ける、聴いていてワクワクするいい意味での「わかりやすさ」も感じます。

一方、そんなギターロック路線の合間でには「logical」「the grudge」、さらにラストを締めくくる「teenage dream」など静かなピアノをバックにゆっくりと歌い上げる曲も目立ち、清涼感があり力強いその歌声には、ボーカリストとしての彼女の実力も感じさせます。

前作「SOUR」は、バラエティー富んだポップなアルバムであった一方、多様な音楽性によって、全体的には統一感が欠ける点が若干の弱点となっていました。今回のアルバムに関しては、ピアノで聴かせる楽曲でバラエティーを持たせつつギターロックを主軸にすることによって全体的に統一感のあるアルバムに仕上がっていました。前作のバラバラな作風も、それはそれでその猥雑な感じがポップの勢いを感じ、ひとつの魅力にはなっていましたが、アルバム全体としての出来としては本作の方がよく出来ているように感じます。評価の高かった1作目に勝るとも劣らない傑作を続けてリリースしてきた彼女。まだ二十歳ということで、末恐ろしい感じもします。普段、洋楽をあまり聴かない方も含めて、幅広い層にお勧めできるアルバムです。

評価:★★★★★

Olivia Rodorigo 過去の作品
SOUR

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2023年9月26日 (火)

亡き親に捧げる

Title:everything is alive
Musician:Slowdive

Everything_is_alive

日本はおろか、世界的にもいまだに一部で根強い支持を受けているシューゲイザー系。その四天王とも御三家とも呼ばれるバンドのひとつがSlowdive(まあ、呼び方的にも日本だけでしょうが)。1995年に解散したものの2014年に再結成。2017年に実に22年ぶりとなるアルバムをリリースした後、約6年のスパンを経て、無事、再結成後、2枚目となるニューアルバムを完成させました。

そんな久々となる今回のアルバムは2020年に亡くなったボーカル、Goswellの母親とドラマー、Scottの父親に捧げられているそうです。そのため、アルバム全体として悲しみにつつまれつつも、どこか荘厳な雰囲気を感じさせる楽曲が特徴的。メランコリックな「shanty」からスタートし、「prayer remembered」「andalucia plays」は荘厳な雰囲気のサウンドをゆっくりと聴かせる楽曲になっています。「kisses」「skin in the game」なども悲しみあふれるメロディーラインが印象に残りますし、最後を飾る「the slab」もダイナミックなサウンドにメランコリックと荘厳さを感じさせる楽曲に。亡き親に捧げるというイメージにピッタリ来るようなメランコリックなアルバムに仕上がっていました。

また、もうひとつの大きな特徴としては全体的にシューゲイザーなサウンドを散りばめながら、ポストロックやドリームポップにカテゴライズされそうなサウンドも特徴的。まあ、シューゲイザーもポストロックもドリームポップも、明確に区別されるようなジャンルではないのでしょうが・・・。もともと「ミニマルなエレクトリック・レコード」を構想していたそうですが、その構想は随所に残されており、アルバムの冒頭「shanty」はいきなりエレクトロなイントロからスタート。すぐにギターサウンドが入ってくるのですが、このスタートは明らかに当初の構想の名残りでしょう。その後も「andalucia plays」や「chained to a cloud」にもエレクトロサウンドが残されており、アルバムの中でもちょうどよいインパクトとなっています。

また、荘厳なサウンドが特徴的な「prayer remembered」はMOGWAIを彷彿とさせるようなポストロック的な作風になっていますし、メランコリックに美しく聴かせる「alife」なども、ドリームポップという呼び方をされそうなポップチューンになっています。後半の「skin in the game」はいかにもシューゲイザー的なギターノイズを聴かせてくれるのですが、おそらくエレクトロサウンドに起因するような、ドリーミーなサウンドがアルバムの中に散りばめられている作品に。メランコリックな雰囲気と混ざり合うことにより、聴いていて心地よく、夢見心地になるような作品に仕上がっていました。

エレクトロサウンドを構想し、ポストロック的な要素を入れた・・・と言っても、全体的には決して目新しい訳ではありません。ただ、メランコリックでドリーミーなメロディーやサウンドは、シューゲイザー系の雄として高い支持を得ていたバンドの実力を感じさせるには十分すぎるほど魅力的なものでした。とにかく聴いていて心地よさを感じる傑作アルバム。再結成後も全く衰えていないバンドの魅力を感じられる1枚でした。

評価:★★★★★

Slowdive 過去の作品
Slowdive


ほかに聴いたアルバム

Perfect Saviors/The Armed

Perfect

アメリカはデトロイト出身のハードコアバンドによる3枚目のアルバム。前作「ULTRAPOP」はハードコアなサウンドの中にエレクトロサウンドも加えてカオス感を出しつつ、ポップな要素が加わったメロの対比がユニークで、個人的に2021年の洋楽私的ベストアルバムの1位に選ぶなど、かなりはまったアルバムでした。それに続く待望のアルバム。今回もパンキッシュなロックにエレクトロやらサイケやらの要素を加えたサウンドがユニークなのですが・・・ただ全体的にポップなメロが前面に押し出されて、カオスな要素がかなりクリアになってしまったアルバムに。ポップな要素が増して聴きやすくなった反面、前作にような勢いはちょっと後退してしまった感も。ちょっと期待していた方向性からは外れてしまった感のある作品でした。

評価:★★★★

The Armed 過去の作品
ULTRAPOP

Fly or Die Fly or Die Fly or Die ((world war))/Jaimie Branch

新進気鋭のジャズトランぺッターとして注目されていたものの、昨年、わずか39歳という若さでこの世を去ってしまったジェイミー・ブランチによる遺作。トライバルなリズムやラテンの要素を取り入れつつ、リズミカルでダイナミックに聴かせる演奏が魅力的。ジャズの要素を入れつつも、ロック的なダイナミズムも感じさせるサウンドが独特で、ジャズリスナーに留まらず広い層が楽しめそうな非常に迫力ある作品に仕上がっていました。

評価:★★★★★

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2023年9月22日 (金)

デビュー50周年のオールタイムベスト

Title:Greatest Hits
Musician:Aerosmith

日本でも高い人気を誇るロックバンド、エアロスミス。1973年にデビューした彼らは、今年デビュー50周年の年を迎えたそうです。そのデビュー50周年を記念して、彼らの全キャリアを網羅したオールタイムベストがリリースされました。通常盤はCD1枚。ただ、Deluxe EditionとしてCD3枚に収録したバージョンがリリースされたほか、日本独自企画として、それにライブアルバムをつけ、最大、CD6枚組となるバージョンもリリースされたそうです。今回は、私はCD3枚組のDeluxe Editionをチェックしました。

エアロスミスというと、典型的なハードロックバンドというイメージが強くあります。特に最近では本作にも収録されている映画「アルマゲドン」のテーマ曲「I Don’t Want To Miss A Thing」のイメージも強く、スケール感のあるバラードであるこの曲の印象から、スタジアムロックバンド的なイメージも強くついている感じもします。ただ、「I Don't Want To Miss A Thing」は、もう25年も前の曲になるのですね・・・。

今回のベスト盤、3枚組のDeluxe Editionでは全44曲が発表順に並べられています。そのため、バンドとしての歩みがよくわかるような構成になっているのですが、確かに、典型的なハードロックといった印象の曲も少なくありません。例えば「Let The Music Do The Talking」などは、まさに典型的なハードロックといったナンバー。比較的最近の曲だと「We All Fall Down」もスケール感もって聴かせるハードロック的なバラードナンバーとなっています。

ただ一方ではこのベストアルバムを聴いて、エアロスミスを典型的なハードロックバンドと単純視できたい音楽性も感じました。そもそも80年代前半に人気が落ち込んでいた彼らを復活させた「Walk This Way」はHIP HOPユニット、Run D.M.C.とのコラボでしたし(正確にはRun-D.M.C.が「Walk This Way」をサンプリングした形ですが)、最初期のナンバー「Dream On」などはむしろフォークロック的な雰囲気すらあります。

もっとも顕著なのはルーツロック、ロックンロールからの影響で、「Adam's Apple」「Bright Light Fright」のようなロックンロール亭なナンバーは少なくありません。「Dude(Looks Like Lady)」なんかはローリングストーンズ的な雰囲気も感じさせます。最近の曲になればなるほど、比較的、いかにもなハードロックナンバーは多く、良くも悪くもベテランらしいベタなスケール感を覚えるのですが、最後に収録された「Just Push Play」など、軽快なギターリフが躍動感のあるロックナンバーに仕上がっており、いまだに若々しさを感じられる曲になっていました。

もちろん、力強いギターリフ主導のハードロックナンバーも文句なしにカッコいいのも事実。音楽的な幅広さを含めて、あらためてやはりロックバンドとしてのエアロスミスのカッコよさを感じられたオールタイムベストだったと思います。50年間の活動は伊達じゃない、と思い知らされたアルバムでした。

評価:★★★★★

AEROSMITH 過去の作品
Devil's Got A New Disguise(エアロスミス濃縮極極ベスト)
Music From Another Dimension!


ほかに聴いたアルバム

Live in Brooklyn 2011/Sonic Youth

2011年8月12日にニューヨークのブルックリンで行われたライブの模様を収録されたライブアルバム。バンドはその後、南米をツアーした後に解散を発表していますので、まさにバンドとして最終期のパフォーマンス。ある意味、非常に貴重な音源となっています。ただ、パフォーマンスとしては、決してこれが最後といった雰囲気はなく、30年以上、活動を続けたバンドなだけにいい意味で安定感のあるパフォーマンス。激しいノイズは圧巻で、ライブを一度見たかったな、と感じてしまいました。

評価:★★★★★

Sonic Youth 過去の作品
The Eternal
In/Out/In

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2023年9月18日 (月)

ネブワースの地に、再び

Title:Knebworth 22
Musician:Liam Gallagher

ご存じ90年代に一世を風靡したロックバンド、oasisのフロントマンであり、ソロとなった現在でも絶大な人気を誇るボーカリスト、リアム・ギャラガー。その彼が2022年6月3日、4日に行った、イギリスはネブワース・ワークで行ったライブの模様を収録したライブアルバムが本作。計17万枚にもおよぶチケットが即日ソールドアウトとなり、その人気のほどを強く印象付けたライブとなりました。

ネブラースという場所は、oasisにとっては非常に意味のある場所となります。1996年にoasisは、ネブワースで25万人という驚異的な人数を動員してライブを実施。oasisの最も売れたアルバム「モーニング・グローリー」と、その次のアルバム「Be Here Now」の間の行われた、まさにoasis全盛期に行われたライブイベントは、今でも「伝説」として語り継がれています。その場所で、リアム・ギャラガーがソロとしてライブを行うということは、非常に意味のあることだったのでしょう。特にoasis解散後、決してリアムの活動も決して順調ではなく、その後に結成されたバンド、Beady Eyeは成功したとはいえず、ソロでの成功に至るまでは決して平坦な道のりではありませんでした。

そんな今回のネブワースでのライブでひとつ特徴的だったのは、このライブにも収録されている通り、「Rock'n'Roll Star」が歌われたことでしょう。oasisの代表的なナンバーである本作なのですが、1996年のoasisでのネブワースライブでは歌われませんでした。1996年のネブワースで、なぜあえてoasisがこの曲をセットリストに加えなかったのか、その理由はわかりません。ただ、この曲はoasisの1stアルバムの1曲目に収録されている曲。ある意味、まだデビュー間もないバンドが、「自分はロックンロールスターだ」と高らかに宣言した曲であり、人気絶頂の中で、あえて歌わないことでバンドとしての「余裕」をあらわしていたのかもしれません。

一方で、今回のネブワースライブでリアムが「Rock'n'Roll Star」を歌うということは、oasis解散後、紆余曲折を経ながらも、ソロとして再びネブワースの地に立てたことによる強い自信を反映させた選曲のようにも感じました。なによりも、やはり彼の、ふてぶてしさを感じつつも力強い歌声は魅力的。リアム・ギャラガーのボーカリストとしての魅力を、このライブアルバムでは存分に味わうことが出来ました。

ただ、リアム・ギャラガーがボーカリストとして文句なしのロックンロールスターだということを実感しつつも、やはりどうしてもライブの中で一番盛り上がっているのはoasis時代の曲という事実も気になってしまいました。実際、リアムのソロ曲も多く歌われていますし、それらの曲も魅力的なのは間違いないでしょう。しかしライブアルバムでも最後は「Cigarettes&Alcohol」以降、ラストの「Champagne Supernova」までoasisの曲が並んでおり、会場もかなりの盛り上がりを見せています。ソロライブでありながらも、oasisの曲を占める割合が多いのは、リアム自身、「元oasisのボーカリスト」であることを求められているのを自覚しているのでしょうし、また、そんな世間の期待を受け入れたからこそ、ソロでの成功があったようにも思います。

しかし、そうすると、やはりoasisのファンとしてはoasisの再結成、ということを期待してしまうのですが・・・。実際、リアムの言動を見ると、かなりお兄ちゃんを気にしている発言が多く、表面的な言葉とは裏腹に、本当はお兄ちゃんのことが大好きで仕方がないんだろうなぁ、とは思ってしまうのですが(笑)。

そんなことを考えつつも、もっとも純粋にリアムのライブアルバムということを考えると、oasisの曲もふんだんに披露されていますし、素直に楽しめるライブアルバムだったと思います。まあ、確かに、これだけ魅力的な曲が並べば、盛り上がるだろうなぁ、ということを強く感じます。お兄ちゃんのソロライブは一度見ているのですが、次はリアムのソロライブも見てみたいな、そう強く感じたライブアルバムでした。

評価:★★★★★

Liam Gallagher 過去の作品
AS YOU WERE
Why Me?Why not.
Acoustic Sessions
MTV Unplugged(Live At Hull City Hall)
Down by the River Thames
C'MON YOU KNOW

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2023年9月17日 (日)

バンドとしての「初期衝動」が復活した傑作

Title:The Death Of Randy Fitzsimmons
Musician:The Hives

スウェーデンのガレージロックバンド、The Hivesのニューアルバム。2001年にコンピレーションアルバム「Your New Favorite Band」が、クリエーションレコーズの創始者、アラン・マッギーが、クリエーションレコーズ閉鎖後に開始したインディーレーベル、ポップトーンズからリリースされ大きな注目を集め、大ヒットを記録。一躍、人気バンドに躍り出ましたが、2012年にリリースされた「Lex Hives」を最後を休止してしまいました。しかし、このたび、久々に活動を再開。約11年ぶりとなるニューアルバムリリースとなりました。

「The Death Of Randy Fitzsimmons」と名付けられた今回のアルバム。タイトルであるランディー・フィッツシモンズとは、30年前にバンドを立ち上げた創始者であり指導者でありソングライターであったものの、2012年の「Lex Hives」リリース以降、連絡を取っていなかったとか。しかし最近、メンバーはフィッツシモンズの死亡記事を発見。彼の墓をメンバーが探したところ、墓の中には彼の死体ではなく、デモテープと「Randy Fitzsimmonsの死」と書かれた紙が見つかった・・・という設定の下で作られたアルバムだそうです。

そんな設立経緯はともかくとして、The Hivesというバンド、ギターリフを主導としたシンプルなロックンロールのサウンドと、インパクトがありキュートな印象すら受けるポップなメロディーラインが特徴的なガレージロックバンドで、いわば「ロックンロールの初期衝動」をそのまま体現化したような楽曲が魅力的なバンドだったりします。大ヒットしたコンピレーションアルバム「Your New Favorite Band」はそんな彼らの魅力がそのまま詰まったアルバムでしたし、その後のアルバムも非常に魅力的な傑作が続いていました。ただ「初期衝動」という点においてはやはり、「Your New Favorite Band」以降、徐々に落ち着いていってしまったのも事実でした。

しかし、そういう観点から言えば、この約11年ぶりのアルバム、「Your New Favorite Band」で感じたバンドの「初期衝動」が完全に復活したような傑作アルバムに仕上がっていました。アルバムの冒頭を飾る「Bogus Operandi」からして、まさにこれぞThe Hives!というような力強いギターリフのロックンロールナンバーに。「Countdown To Shutdown」も同じく力強いギターリフと疾走感あるメロが心地よい、The Hivesらしいガレージロックナンバーに仕上がっています。

中盤で耳を惹いたのはパンキッシュなサウンドと疾走感あるメロディアスなメロが心地よい「Smoke&Mirrors」。分厚いサウンドもインパクトある曲なのですが、それに続く「Crash Into The Weekend」は逆に、スカスカのサウンドのシンプルなロックンロールナンバーとなっており、この2曲の対比も非常にユニークかつインパクトを覚える構成となっています。

後半でインパクトがあったのがハイテンポで疾走感たっぷりに聴かせるシンプルなガレージロックナンバー「The Bomb」でしょう。こちらもシンプルなサウンドのThe Hivesらしい曲。さらにその後に続く「What Did I Ever Do To You?」は最初、エレクトロサウンドからスタート。後半はホーンセッションも入って分厚いサウンドで構成されるミディアムチューンという、逆にThe Hivesのイメージからはずれる曲となっており、意外性のある彼らの一面を感じさせる曲になっています。しかしラストチューンとなる「Step Out Of The Way」はやはり彼ららしいアップテンポなガレージロックチューンに。最後の最後はThe Hivesらしい曲で締めくくられていました。

The Hivesとしての意外と幅広い音楽性を垣間見せつつも、基本的には彼ららしいガレージロックのナンバーで構成された本作。「Your New Favirote Band」に匹敵するような、バンドとしての「初期衝動」を感じさせる勢いのある傑作アルバムに仕上がっていました。活動休止期間を経たからこそ、バンドとしての新鮮味を再び得ることが出来たとも言えるのかもしれません。The Hivesの魅力をこれでもかというほど感じることが出来た傑作ですし、個人的にも今年のベスト盤候補の1枚とも言えるほどの作品だったと思います。ロックが好きなら必聴ともいうべき傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

THE HIVES 過去の作品
The Black and White Album
LEX HIVES
Live At Third Man Records

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2023年9月16日 (土)

メロウなトラックが心地よい

Title:Sundial
Musician:Noname

Noname_sundial

シカゴを拠点として活動している女性ラッパー、Noname。Chance The Rapperのアルバムに参加して話題となったほか、デビュー作である前作「Room25」は各種メディアで絶賛を受け、一躍、注目のラッパーとなりました。本作は、そのデビューアルバムから約5年ぶりとなる2作目。その前作「Room25」は私も聴いて、年間ベストアルバムの7位に選んだほどはまった1枚となっただけに、今回のアルバムもかなり期待を持って聴いてみました。

今回のこのジャケット写真については、ご覧の通り、かなり強烈なアートワークを起用しており、賛否呼びそうな印象を受けますが・・・ただ、肝心のアルバムの内容については、このジャケット写真と全く異なるような作風。前作はジャズやネオソウルの影響の強いトラックを取り入れた、メロウで歌心の強い楽曲が並んでいましたが、本作も基本的な方向性は前作と同様。そのため、おそらくHIP HOPをあまり聴かないようなリスナー層にも楽しめるアルバムになっているのではないでしょうか。

アルバムの1曲目を飾る「black mirror」はフィリーソウルテキストのメロウなトラックにポエトリーリーディング的なラップが特徴的で、トラックを飾る美しいコーラスラインには耳を惹かれます。続く「hold me down」ではメロウなトラックにゴスペルの要素も取り入れたサウンドが耳を惹く内容となっています。

その後もAyoniによるソウルフルなボーカルも目立つ「boomboom」や、リズミカルでジャジーなトラックが印象的な「namesake」、メロウなトラックにトライバルなリズムが印象に残る「toxic」など、ジャジーやソウルの要素を取り入れた、歌心あるトラックが印象的なアルバムに。彼女のラップも、マッチョ的な力強さを押し出したようなものではなく、比較的淡々と綴るような、ポエトリーリーディングのようなラップスタイルであり、このトラックとも上手くマッチしており、全体的にメロディアスな作風に作り上げられています。

若干今回のアルバムで引っかかるのは、アルバムリリース前の先行シングルでありながら物議を呼んだ「ballons」。この楽曲に参加しているラッパーのJay Electronicaが反ユダヤ主義的な陰謀論にはまっており、この楽曲にも"It's all a hoax,quite simple,a joke like Zelenskyy"(それはすべてデマで、非常に単純で、ゼレンスキーのような冗談です)と、ウクライナを揶揄するようにとらえかねられないリリックが入っている点もちょっと気にかかるところです・・・。

そんな若干気になる部分はありつつも、アルバム全体としてはよく出来た内容だったのは間違いなく、ソウルやジャズの要素をふんだんに取り入れたメロウなトラックと、彼女のラップに終始心地良さを感じる傑作に仕上がっていました。HIP HOPをあまり聴かないようなリスナー層でも楽しめそうなアルバム。売上的にはまだまだ芳しくないようですが、今後、さらに注目を集めていきそうな、そんな予感もする1枚でした。

評価:★★★★★

Noname 過去の作品
Room25

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2023年9月15日 (金)

blurらしさを感じる久々の新譜

Title:THE BALLADS OF DARREN
Musician:blur

oasisと並んで90年代のブリットポップブームを代表するロックバンド、blur。2000年中盤以降、事実上の解散状況になったものの、その後はたまに思いついたようにライブを実施したりする散発的な活動が続いていました。ただ、そんな中、2015年には実に12年ぶりとなるアルバム「The Magic Whip」がリリース。この時も「これが最後」みたいな話も流れたりもしたのですが、前作から8年、待望のニューアルバムがリリースされました。

前作「The Magic Whip」については、ライブイベントの中止によって予定外に時間があいたことにより、急遽レコーディングされた1枚でした。そのこともあってか、久々の新作であったものの期待していたほどの出来栄えではなく、傑作とは言い難い出来になっていました。一方、そういう観点で言えば今回のアルバムは十分な準備の元に作成された作品。そして、結果としては、いい意味でblurらしい作品が並んだ、快心の傑作に仕上がっていました。

まずアルバムはある意味、まんまなタイトルの「The Ballad」からスタートします。こちらはメランコリックなメロディーラインが心地よい、タイトル通りのミディアムバラード。そして、なんといっても魅力的なのは続く「St.Charles Square」でしょう。ひねくれたセンスの独特でユーモラスを感じさせるギターサウンドが展開されるポップチューンは、これぞblur!といった感じの作品。昔からのファンにとっては、おもわずニヤリとさせられる作品ではないでしょうか。

続く「Barbic」も爽やかで軽快なポップナンバー。シンプルながらも彼らのメロディーセンスも光るギターポップになっています。そして中盤の軸と言うべきなのが先行シングルともなっている「The Narcissist」で、こちらも決して派手ではないのですが、爽やかでメロディアスな歌が強く印象に残るギターポップのナンバーに仕上がっています。

後半も「Goodbye Albert」はメランコリックに聴かせるメロながらも微妙にひねくれた感じに仕上がっているのが彼ららしいし、「Avalon」も同様に、どこか癖のあるサウンドに心地よさを感じます。楽曲は全体的にメランコリックに仕上がっており、前述の曲も含めて、ある種の派手さはないのですが、聴き終わったあとしっかりと印象に残るメロディーとなっており、そういう意味でもblurの実力を感じさせるアルバムになっていたと思います。

変なギミック的なものもなく、下手な気負いみたいなものもなく、blurらしい作品を素直に作ってきたアルバムになってきたように思います。若い頃に、メンバー同士のぶつかり合いから解散に追い込まれたグループが、メンバー全員年を取ってから再結成したら、全員が大人になっていて、結果として変なこだわりのない素直なアルバムをリリースするケースがあります。今回のblurのアルバムは、そんな大人になった今だからこそリリースできるような、いい意味での素直なアルバムだったように感じます。えてしてそのようなタイプのバンドは、その後も継続的に活動を続けるのですが、blurもまた、そんな感じで継続的に活動を続けてほしいなぁ。そう強く感じる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

blur 過去の作品
MIDLIFE:A Beginner's Guide to Blur
All the People... Live in Hyde Park: 2nd July 2009
PARKLIVE
The Magic Whip

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2023年9月11日 (月)

「こぶし」の魅力をこれでもかというほど感じる2枚

Title:中村とうようの「世界こぶし巡り」+「こぶし地帯を行く」

音楽評論家の中村とうようが、生前に企画・編集を行ったオムニバスアルバムについて、彼の13回忌を機に復刻を行う再発企画。第1弾は「ボサ・ノーヴァ物語」、第2弾は「大衆音楽の真実」と、それぞれ当サイトでも紹介してきましたが、本作はその第3弾であり、最終版となります。今回は、ワールドミュージックの中でも一種特徴的とも言える「こぶし」にスポットをあてた2枚の企画盤。「世界こぶし巡り」は1995年、「こぶし地帯を行く」は1996年にリリースされたアルバムとなります。

第2弾「大衆音楽の真実」を聴いた時に、大衆音楽の最終的な魅力はやはり「歌」と「リズム」であると感じました。そう考えた時に、「歌」の魅力である「こぶし」に行きつくというのは、ある意味、自然な流れなのかもしれません。もっとも、中村とうよう自身が、そう考えたからこそ、「大衆音楽の真実」ではその考えに沿った構成となり、それを聴いた私が、中村とうようのある意味術中にはまり、「歌」と「リズム」が重要と考えるに至った、という流れなのかもしれませんが・・・。

今回再発された「世界こぶし巡り」と「こぶし地帯を行く」。「世界こぶし巡り」は「こぶし」にスポットをあてた上で、世界中の様々な音楽を1枚のCDに収録しています。一方、「こぶし地帯を行く」に関しては、中村とうよう自身が「こぶしの本場」と考えている西アジアから東南アジアの地域に絞った選曲となっています。

まず、企画としての面白さを感じるのは断然、「世界こぶし巡り」の方でした。非常にユニークなのが、テレサ・テン、江差追分、アフリカの音楽、アラブの音楽、さらにはライトニン・ホプキンス、サラ・ヴォーン、オーティス・レディングなどが1つのアルバムに並んで収録するという大胆さに感心させられます。一言で「こぶし」といってもテレサ・テンのようなちょっと妖艶さも感じる「こぶし」から、江差追分のような、日本人にとっておなじみの民謡の「こぶし」、ナイジェリアのヨルバ人によるトライバルな「こぶし」を聴かせる「エッベ・オロウォ・フォバジェ」、ビブラートをこれでもかというほど効かせたイランの歌手、ゴルバによる「悲しい歌」、「こぶし」というよりも淡々と語るようなボーカルが印象的なライトニン・ホプキンスなどが並び、おなじみオーティス・レディングの「愛しすぎて」は、この流れで聴くと、非常に洗練されたものを感じさせます。様々なタイプの音楽が並ぶだけに、一言で「こぶし」と言っても、いろいろなバリエーションがある点に気づき、とても興味深さを感じる構成になっています。

一方、やはり純粋にボーカルのすごさ、魅力を感じるのは「こぶし地帯を行く」の方でしょうか。基本的にアラビア風の曲がメインであり、バリエーションという観点からすると乏しいのですが、こぶしに感情を絶妙にのせたボーカルの妙に耳が行く作品が数多く収録されています。人間は声だけで、これだけ表現が出来るのか、ということを感じさせられる内容になっていました。

人間の声が持つ魅力を、これでもかというほど感じさせてくれる2枚。楽曲的には古い曲が多いのですが、あくまでも「声」の魅力は普遍的。そのため、時代を超えた魅力を感じることも出来る作品でした。ワールドミュージックが好きなら、文句なしにお勧めできる企画盤です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

10 Tracks to Echo in the Dark/THE KOOKS

イギリスのロックバンドによる約4年ぶりとなるニューアルバム。もともと、ブリットポップからの影響を受けたようなシンプルなギターロックが持ち味だったものの、前作「Let's Go Sunshine」では「アイドルポップか?」というほどの爽やかなポップ路線にシフト。本作も、メロディーこそメランコリックなものの、ニューウェーヴの影響を受けたようなアレンジの、ちょっとアイドルっぽいポップソングとなっており、そういう意味では前作からの踏襲となっているようなアルバムになっています。ポップなメロはそれなりに魅力的なので悪いアルバムではないのですが、やはり個人的には昔のようなギターロック路線を聴きたいのですが・・・。

評価:★★★★

THE KOOKS 過去の作品
Konk
Junk of the Heart
The Best of...So Far
Let's Go Sunshine

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2023年9月 8日 (金)

ホワイトノイズとキュートなメロがたまらないライブ盤

Title:Sunset 666 (live At Hollywood Palladium)
Musician:The Jesus and Mary Chain

80年代から90年代にかけて活躍し、90年代以降の多くのオルタナティブバンドに影響を与えたロックバンド、The Jesus and Mary Chain。1999年に解散したのですが、2007年に再結成。その後、アルバムを1枚リリースしています。その後の活動は、この手の再結成組にありがちな、気が付いた時に活動する、程度の散発的なものに留まっているようですが、そんな中、新たなライブアルバムがリリースされました。本作は2018年に行った全米ツアーのうち、ロサンゼルスのハリウッド・パラディアムで行ったもの。Nine Inch Nailsのライブのスペシャルゲストという扱いだったようですが、全6公演のうち12月11日と15日の公演から収録された公演から、全17曲が収録されています。

選曲についてはほぼベスト盤のようなセレクトになっており、衝撃なデビュー作として話題となった「Psychocandy」から、再結成後唯一のアルバム「Damage and Joy」からの曲まで収録されており、ジザメリの活動を網羅的に楽しめるアルバムともなっています。個人的にジザメリは大好きなバンドの一つなので、代表曲が多く収録されている今回のアルバムは、まさに個人的にも壺にはまった選曲になっていました。

ライブ盤は彼らの代表曲とも言える「Just Like Honey」からスタートするのですが、最初のいかにもジザメリらしい(そして80年代っぽい)ドラムのリズムが鳴り始め、そしてノイジーなしかし甘いギターの音色が流れだした時からワクワクするしかありません。まさに1曲目から彼らの楽曲の魅力にグッと引き寄せられます。

3曲目に収録されている「Black and Blues」ではベル・アンド・セバスチャンの元メンバー、イザベル・キャンベルがゲストボーカルとして参加。ギターノイズの中に清涼感を与えるような彼女のボーカルも魅力的。分厚いギターノイズの中に甘く流れるメロディーラインも魅力的な作品となっています。

その後も分厚いギターサウンドにメランコリックなメロディーラインが楽曲タイトル通り甘く響く「Some Candy Talking」に、Pixesのカバーでもおなじみの、軽快でメロディアスなギターポップ「Head On」、ヘヴィーなギターノイズをダイナミックに聴かせる「Cracking Up」に、ノイジーなギターサウンドをパンキッシュに聴かせる「I Hate Rock'N'Roll」と続いていきます。

さらに9分にも及ぶ「Reverence」ではグルーヴィーなサウンドをこれでもかというほど聴かせてきますし、終盤も「Half Way To Crazy」など、ジザメリらしいキュートなメロディーラインとノイジーなギターサウンドを組み合わせた曲が次々と繰り広げられていきます。全17曲1時間強。最後までキュートなメロディーラインと、そのメロをコーティングするようなギターのホワイトノイズが続く、ドリーミーなライブアルバムでした。

基本的には往年のジザメリのイメージそのままのライブアルバムなので、ファンにとってはたまらない内容になっているでしょう。ただ、今回のライブアルバムを聴いて感じたのは、ジザメリの大きな魅力というのは、やはりキュートなメロディーラインなんだな、ということでした。ホワイトノイズで埋め尽くされたギターサウンドは今でも大きな魅力なのは間違いありません。ただ、このホワイトノイズは、90年代以降、多くのフォロワーがあらわれて、今となっては決して珍しいものではありません。ただ一方、メロディーラインの魅力については40年近くを経過した今でも健在。今回のライブアルバムで、そのことをあらためて強く感じました。

しかし、このホワイトノイズとキュートなメロの嵐、ライブ会場で体感したら気持ちよかっただろうなぁ、と感じます。ライブ活動は断続的とはいえ続けているみたいなので、一度ライブも見てみたいなぁ。ジザメリファンにはたまらないライブアルバムでした。

評価:★★★★★

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