ライブレポート2022年

2022年12月30日 (金)

2022年ライブまとめ

ようやく通常軌道になりつつあるライブシーン。まだまだ制約のある部分もありますが・・・恒例となるライブまとめです。

1/16(日) 冬のCHAIまつり2022(名古屋CLUB QUATTRO)
2/12(土) TM NETWORK How Do You Crash It?three(オンライン)
2/27(日) クイズ3年B組馬八先生(オンライン)
4/4(月) OKI DUB AINU BAND 東名京ワンマンツアー2022(TOKUZO)
5/18(水) Thundercat Japan Tour 2022(名古屋CLUB QUATTRO)
6/28(月) 小沢健二 So kakkoii 宇宙 Shows(名古屋国際会議場センチュリーホール)
7/8(金) レキシツアー2022 土偶サスペンス劇場~消えたレキシ男爵~(名古屋国際会議場センチュリーホール)
11/25(金) PIXIES JAPAN TOUR 2022(ダイアモンドホール)
12/2(金) ヤバイTシャツ屋さん 無観客スタジオワンマンライブ「無料だから許して!低画質!低音質!5曲だけライブ!!!2022」(オンライン)
12/6(木) black midi JAPAN TOUR 2022(THE BOTTOM LINE)
12/9(金) KAN BAND LIVE TOUR 2022【25歳】(Zepp Nagoya)
12/11(日) Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 2022(オンライン)

そんな訳で、今年も早いもので残り2日。コロナ禍はまだ続いてはいるものの、ライブシーンは徐々に平常営業に戻りつつあります。コロナ禍の中で一世を風靡したオンラインライブはある程度は残りそう・・・。ただ、今年見たオンラインライブはいずれもそうなのですが、どちらかというとライブの代替というよりも、通常のライブでは出来ない形式のパフォーマンスをスタジオで制作するために、というスタイル(もしくは通常のライブを、会場に来ていないリスナーに対して生配信する形)のみで残りそう。

そんなようやく生ライブがメインとなりつつある、今年のベスト3です。

3位 KAN@KAN BAND LIVE TOUR 2022【25歳】

ここ最近、弾き語りや弦楽四重奏とのコラボライブが続いていたので、気が付いたら久しぶりとなるKANのバンド形式のライブ。いつもと比べると、「作りこんだコント」的な要素は薄めだったのですが、それでもユニークなMCなどの連続で思いっきり笑わせ、一方で聴かせる部分はしっかりと聴かせるボリューム感たっぷりの3時間。あっという間に時間が過ぎていったステージでした。

2位 レキシ@レキシツアー2022 土偶サスペンス劇場~消えたレキシ男爵~

ある意味、凝ったコント的な要素が強いエンタテイメントなパフォーマンスという意味ではKANのライブと共通する部分が多いのですが・・・。こちらも文句なしで楽しかったレキシのライブ。こちらはオープニングの映像から最後のエンディングのオチまでしっかりと考え抜かれたライブとなっており、最初から最後まで終始盛り上がったステージでした。コロナ禍もネタにしてしまうあたりはさすが!

1位 CHAI@冬のCHAIまつり2022

以前から一度足を運んでみたかったCHAIのライブ。ようやく念願のパフォーマンスを見ることが出来ました。もともとライブパフォーマンスには高い評価のあった彼女たちですが、特にバンドでのパフォーマンスで、その演奏能力の高さに圧倒。バンドとしての底力を感じさせるステージに、改めて彼女たちの実力の高さを感じました。エレクトロ寄りのサウンドもカッコよかったのですが、やはりロックバンドとしての彼女たちの魅力は圧倒的だなぁ・・・。ツーマンライブだった影響でパフォーマンスの時間が予想していたより短かったのがすごく残念。次回は是非、ワンマンライブに足を運ばなくては。

そんな訳で、徐々にライブに足を運ぶ回数も平常モードになりつつある昨今。コロナ禍はまだ油断できないものの、来年も数多くのライブに足を運べそう。また、素晴らしいパフォーマンスに多く出会えますように。

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2022年12月19日 (月)

命を懸けた渾身のパフォーマンス

Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 2022

会場 オンライン 日時 2022年12月11日(日)24:00~

今回は坂本龍一の約2年ぶりとなる配信ライブ「Playint the Piano 2022」のライブレポート。現在、がん闘病中の彼。今回の配信ライブはリアルタイムでの配信ではなく、1日に数曲ずつ収録された映像をつなぎあわせた形でのライブとなりました。会場は坂本龍一本人が「日本でいちばんいいスタジオ」と語る東京渋谷のNHK放送センター509スタジオで、今回のライブに関して彼は「ライヴでコンサートをやりきる体力がない――。この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」と語っており、まさに命すらかけた渾身のパフォーマンスとなりました。

「最後かもしれない」という話もあり、ともすれば重苦しいイメージの中でのライブになってしまうのかも・・・そんなイメージすらあったのですが、そんなイメージを変えたのが事前に配信されたメッセージビデオでした。


「通常のコンサートのように楽しんでいただければ」という教授からのメッセージで、最後は「Enjoy!」というメッセージで締めくくられています。重苦しく考えることなくライブを楽しめばいいんだ!そう強く感じられた教授からのメッセージでした。

当日は夜24時からの回を視聴。時間になるとおもむろにライブがスタート。詳細については公式サイトで全曲解説が行われているのでご参考にしていただければと思いますが、個人的な感想を・・・。映像はほぼ白黒のモノトーン。1曲目は「Improvisation on Little Buddha Theme」からのスタートですが、ほぼ坂本龍一の手元をアップする映像となっていました。

個人的に特に前半で印象に残ったのが「Lack of Love」で、数少ない音をゆっくり聴かせる作品なのですがそのパフォーマンスは緊迫感があふれ、ゾクゾクと来るものがありました。その後は「Solitude」と続き「Aubade 2020」で雰囲気は一転。軽やかなパフォーマンスに、どちらかというと黒を基調とした映像が続いた前半から、白い壁をバックに教授の姿も映し出した映像に変わりました。

その後も「Ichimei - Small Happiness」「Aqua」と続き、おなじみのYMOのナンバー「Tong Poo」へと続きます。原曲と異なりゆっくりとピアノで聴かせるパフォーマンスなのですが、この曲も含めて、がん闘病中ですっかり痩せてしまっている彼ですが、パフォーマンス自体には正直ほとんど衰えを感じさせません。曲によってはむしろパフォーマンスに力強さすら感じられ「Enjoy!」というメッセージの通り、聴いている最中は、彼のおかれた状況を忘れさせ、そのパフォーマンスを楽しむことが出来る内容となっていました。

さらに演奏は「The Wuthering Heights」「20220302 - sarabande」「The Sheltering Sky」と続き、これまたおなじみの「The Last Emperor」。力強いパフォーマンスを楽しませてくれた後は、さらに代表曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」と続きます。こちらに関してはYou Tubeで配信されているようですので、見逃した方も是非ともチェックしていただければ・・・。闘病中であることを感じさせないその会パフォーマンスに胸があつくなる思いでした。


ラストは「Opus - Ending」で締めくくり。映像ではスタッフのクレジットが重なる形となります。そして最後は引きの映像から、坂本龍一本人がおもむろに椅子から立ち上がると、歩いて静かに去っていきました。その歩いて去っていくというラストには、まだまだ彼が生きて歩んでいくんだ、という意識をかんじさせます。これが「最後」という話をしていましたが、ひょっとして本人はこれが本当に最後にするつもりはないのかもしれません。そう感じさせるエンディングでした。

パフォーマンスは1時間10分程度。上にも書いた通り、がん闘病中ということを感じさせないような力強い生命力がみなぎるパフォーマンスでした。本人は「これが最後かも」と言っているのですが、これがいわゆる「終わる終わる詐欺」になることを心から願って。素晴らしいステージに、教授のメッセージの通り、心から楽しめたステージでした。

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2022年12月18日 (日)

久々のバンド形式のライブ!

KAN BAND LIVE TOUR 2022【25歳】

会場 Zepp Nagoya 日時 2022年12月9日(金) 18:30~

毎回、捧腹絶倒のKANのライブツアー。直近のアルバム「23歳」はコロナ禍の最中にリリースされたアルバムだったため、バンド形式でのライブツアーが出来ず。結局、それから2年を経過したため、ツアータイトルも「25歳」となったバンド形式でのライブツアーに久々に参加してきました!バンド形式でのライブに参加するのは2014年以来、ちょっと久しぶり。その間、弾き語りライブや弦楽四重奏形式でのライブの参加はあったため、それだけスパンが開いたというのはちょっと意外な感じもしました。

Kan2022_1

いつもは、開演ギリギリに会場入りするのですが、今回はちょっと余裕をもって会場入り。というのは、↓をグッズ売り場で購入したため。

Kan2022_2

KANの詞を集めた詞集「きむらの和歌詞」。本当は本屋とかAmazonとかで買ってもよかったのですが、ライブ会場で買った方が、利益が直接KANの元に届くかな、と思って。半分くらいお布施のつもりで(笑)。

で、ライブは定刻を5分程度遅れてスタート。KANは、上のポスターのバックの画像を彷彿とさせるような様々な色をコラージュしたカラフルなスーツで登場。他のバンドメンバーもみんなド派手なスーツでの登場となりました。そして1曲目は「Sunshine of my heart」からスタート。今回のステージではバックに横長のLEDモニターを設置されており、曲のタイトル、収録アルバム、さらには歌詞が流れる構成になっていました。さらに「胸の谷間」でちょっとエロ歌詞で盛り上がりを見せたかと思えば、そこから一転、ピアノ弾き語りの「まゆみ」へと展開していくあたりは、KANの音楽の幅広さを実感する構成になっていました。

さらに個人的に鳥肌モノだったのが次の「ときどき雲と話をしよう」で大好きなナンバーなだけに非常にうれしい選曲になりました。で、前半は楽曲のバリエーションを聴かせつつも、ただ途中のMCは全くなし。その後も「東京ライフ」などを聴かせつつ、おなじみの「愛は勝つ」で盛り上がり「MAN」までの全10曲、MCなしで一気に展開しました。

ここでようやくMCに。「MCなしでやってきましたが、ここからはいつも通り、ちょこちょこMCを入れてきます」というトークから、昔の留守電の話に。昔のKANの留守電は、カセットテープに応答用メッセージを録音できる形式だったそうで、その応答メッセージ用に曲を書いたのだとか。それが「もしもし木村です」という曲で、非常に好評だったそうで、曲はそのまま歌詞だけ変えて「今夜はかえさないよ」として発表されたとか。その「今夜はかえさないよ」の元曲「もしもし木村です」をこの日は特別に披露。いかにも留守電のメッセージらしくも非常にユニークな歌詞が楽しいナンバーでした。これ、何らかの形で音源化してほしいなぁ。

さらにその後はセットチェンジを兼ねてのおトイレタイムということで、時間が空くのでトイレに行くことを促しつつ「(トイレに行く人のために)おもしろいことはしゃべりません」というMCへ。最初は先日、KANがついにかかった新型コロナの話(「自分は流行に無縁なのでかからないと思った」みたいなネタ)。さらには名古屋に来る途中、Twitterに「一見するとまじめな外国語だけども翻訳するとユニークになる言葉」を富士山の写真と共にアップしようと外国語を考えているうちに富士山を撮り損ねたという話で、なんだかんだ言ってユニークな話に盛り上がりました。

ちなみに、このツイートのことですね・・・

その後「ふたり」やサポートメンバーの菅原龍平、磯貝サイモンと3人でアカペラでハモった「ほっぺたにオリオン」を披露。途中、ずっとKANのライブでキーボードのサポートとして入っていた矢代恒彦が9月に逝去したという悲しい報告もありました(ただ、ライブはあくまでも楽しくという方針で、あくまでも報告のみということで、一瞬しんみりしたのですが、すぐに明るい雰囲気に戻りました)。

続く「23歳」では、シーケンス(同期)の話を。別の場所で事前に録音しておいた音源をライブ会場でバンド演奏と合わせて流すスタイルなのですが、KANのライブでは、会場に流れる音はステージ上だけで作ろうというスタンスの下に長らく使用してこなかったそうです。ただ、この曲だけはどうしてもシーケンスが必要ということで、例外的にシーケンスを導入。ちなみに「最近のミュージシャンはシーケンスとプロンプターと覚せい剤に頼りすぎ」というちょっとブラックなネタを挟みつつ「自分はプロンプターも使っていません」という宣言をしながら「23歳」では途中、歌詞を忘れて「プロンプターいるじゃん!」と突っ込まれるという、狙ったようなハプニングも発生しました。

そしてそこからは一気に終盤戦に。「テレビの中に」「WHITE LINE~指定場所一時不停止~」「君のマスクをはずしたい」と新旧の盛り上がるナンバーが続き、さらには「Oxanne~愛しのオクサーヌ~」へ。ここ最近のライブではこの曲に合わせて、おっぱいの形をした大きな風船が客席の上を舞うそうですが、今回はコロナの影響で実施できず。その映像だけが流れるちょっとシュールな展開となりました。

本編ラストは「キセキ」に。この曲はもともと秦基博の「カサナル」と同時再生すると1つの曲になるのですが、2番からは菅原龍平が秦基博のパートを担当し「カサナルキセキ」として披露し、本編は幕を下ろします。

最後は全員がステージ前方にあつまり挨拶をした後、ステージ下手に去っていく・・・と思ったら、そのまま上手から登場。ほぼアンコールをする暇もなく、アンコールとなりました。で、アンコールでは還暦を迎えたKANの話題に。ただ還暦といっても赤いちゃんちゃんこは着たくない、ということで、写真館で振袖を着て写真撮影を行ったそうで、ライブではその貴重な(?)振袖姿のKANの写真がお披露目されました。

アンコールでは「適齢期LOVE STORY」で盛り上がりつつ、おなじみのライブの1曲目からライブで披露した曲のダイジェスト版をメドレーで再度演奏するコーナーへ。途中、例のごとくネタではAdoの「うっせいわ」に「Oxanne」のおっぱいの歌詞を組み合わせたネタで盛り上がります。そして最後は例のごとくKANが一人ステージ上に残り、ピアノ弾き語りで「エキストラ」を披露。約2時間40分のステージで幕を下ろしました。

今回も気が付けば3時間近い時間がたっていた、非常に楽しいライブだったのですが、今回はいつもと異なって、途中、ユニークなMCはいつも通りだったものの、ギミック的なものはほとんどなく、コントみたいな展開もほとんどなし。いままで見たKANのバンド形式のライブの中では、もっともオーソドックスなライブ、といった印象を受けました。KANといえばネタ満載のステージという印象があったので、いつもよりはあっさりとしたステージだったかな、という印象を受けました。

とはいえ、途中のMCもいつも通りユーモラスでしたし、最後の全曲ダイジェストは例の如くネタはしこんであるし、何よりも名曲をたくさん聴くことの出来たステージで今回も文句なしに大満足のステージでした。やっぱりKANのライブは楽しいですね!ちなみに最後の偽ツアータイトルは「あうあうあう おっぱいぱい」でした(笑)。

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2022年12月13日 (火)

待ちに待った振替公演!

black midi JAPAN TOUR 2022

会場 THE BOTTOM LINE 日時 2022年12月6日(水)19:00~

Blackmidi1 独特の音楽性が高い評価を受け、今、もっとも注目されるロックバンドの一組であるイギリスのロックバンド、black midi。その来日公演が決定されたのが昨年の9月でした。コロナ禍がちょっと収まりつつあった中での開催決定で、ようやく外タレのライブも見れるのか・・・と期待があったのですが、その後の状況悪化により結局来日は延期に。それから約1年3ヶ月、コロナ禍も徐々に収束に向かい、ライブ活動も以前の形を取り戻す中、ようやく延期となっていた来日公演が決定となりました。会場は同じくボトムライン。1年3ヶ月ごしにかなった来日ライブなだけに楽しみにして足を運びました。

で、19時ピッタリに会場は暗くなり、音楽が鳴り響きます。もう早くもライブがスタートか・・・と思いつつ、ここから全くメンバーがステージに来ない・・・この音楽が延々に鳴り響く中、待ちわびます・・・しかし、全くメンバーがあらわれない・・・。

大音量の音楽の中、ちょっとしたクラブのような雰囲気になり、Twitterの情報によると2階席にバンドメンバーがあらわれたとかあらわれなかったとか・・・。延々50分近くが経過し、ようやくメンバーがステージ上にあらわれ、ライブがスタートとなりました。

まず1曲目は「953」からスタート。いきなりヘヴィーな爆音が会場を包みます。

Blackmidi2

序盤はさらに「Speedway」「Welcome to Hell」とダイナミックなナンバーが続きます。この日はメンバー3人+サポートのキーボード1人という編成なのですが、息の合ったプレイが印象的でした。

Blackmidi3

ドラムスのモーガン・シンプソン。迫力あるドラミングでステージを支えます。

迫力ある演奏を聴かせてくれたかと思えば、続く「27 questions」では一転、しんみりと歌を聴かせる構成に。力強い演奏だけではなく、「歌」もしっかりと魅力的に聴かせてくれるという音楽性の幅も彼らの実力の一つと言えるでしょう。しかしその後は一転、「Sugar/Tzu」「Raggae」とダイナミックなナンバーを聴かせます。

Blackmidi4

ベースのキャメロン・ピクトン。彼の力強いベースもバンドの土台を支えていますが、中盤アコギをかかげ「Still」では伸びやかな歌声を聴かせてくれます。しんみり聴かせる「Still」から一転、ダイナミックな「Eat Man Eat」でも彼のボーカルで迫力あるバンドサウンドを聴かせてくれました。

その後はなぜか「クワイ河マーチ」をプレイし、そのまま「Chondro」「John L」「Near DT」へ。途中、簡単なMCで今回のツアーでまわった(と思われる)世界各地への感謝の言葉かけ、最後は"Many thanks to you,friends"と会場のファンにも感謝の言葉をかけていました。

Blackmidi5

ギターのジオルディ・グリープ。終盤の「Magician」ではハンドマイクを持って、しっかりと歌い上げます。もちろん、ダイナミックなギタープレイも大きな魅力。ラストは「Slow」で締めくくり。実演奏時間は1時間20分くらいのステージ。最後はグリープが1人ステージに残り、挨拶。最後は"Merry Christmas"で締めくくりました。

20時ちょっと前にスタートしたライブでしたが、ライブ終了は21時ちょっと過ぎ。うーん、ライブ開始があれだけ遅れるくらいなら、もっと早くはじめて、もっと長くプレイしてほしかったなぁ。そんな不満もありつつ、ライブ自体は予想以上に素晴らしいものでした!とにかく、メンバーの息がピッタリと合った演奏で、静と動のメリハリのつけた演奏にはゾクゾクとくる瞬間も多々ありました。ライブバンドとしての実力をしっかりと感じさせる演奏でした。

迫力あるダイナミックなプレイから歌をしっかり聴かせるステージまで幅もあり、ミュージシャンとしての実力もしっかりと感じられます。あらためてblack midiというバンドの素晴らしさを感じたステージ。なかなかはじまらないステージにちょっとイライラもしたのですが、大満足の1時間強でした!

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2022年12月10日 (土)

2度目の配信ライブ【宣伝有】

ヤバイTシャツ屋さん 無観客スタジオワンマンライブ「無料だから許して!低画質!低音質!5曲だけライブ!!!2022」

会場 オンライン 日時 2022年12月2日(金)20:00~

最近、コロナ禍も収まって・・・というよりも、徐々に「風邪扱い」に移行する中、ライブも通常ベースに戻りつつあります。それに伴い配信ライブも以前に比べて少なくなりつつあるのですが、そんな中、久しぶりに配信ライブに参加してきました。今回のライブはヤバイTシャツ屋さん。まだコロナ禍が吹き荒れているおととし2020年7月にYou Tube上で無料生配信ライブを実施したのですが、これから約2年5ヶ月ぶり。再びYou Tubeで無料生配信ライブを実施ということで、今回も視聴してみました。

場所は某スタジオ内部。最初はメンバー3人のグダグダな会話からスタート。今回もボーカルのこやまたくやがスマホを持って、Twitterで反応を確認しつつのスタートに。この時点で視聴者数は約9千7百人程度だったので「視聴者数が1万人を超えたらライブがスタートします」と言いつつ、その間にもりもとのコンテンポラリーダンスなる怪しいダンスを披露。そうこうしているうちにあっという間に視聴者数が1万人を超え、ライブがスタートとなりました。

ライブはまず「かわE」からスタート。さらに「ヤバみ」へと続きます。トークではゆるゆるで良くも悪くも今時のバンドらしい軽いノリをみせる彼らですが、「ヤバみ」では配信越しでも感じられるヘヴィーなバンドサウンドで、ロックバンドの力量を感じさせます。

その後はトーク。Twitterのつぶやきを読みつつ、この日の配信ライブの目玉である重大発表の第1弾。3月1日に5枚目のフルアルバム「Tank-top Flower for Frriends」、さらにブルーレイ/DVD作品「Tank-top of the DVD SpecialⅡ-NIPPON BUDOKAN-」のリリースの宣伝がありました。

そして3曲目へ。3曲目は6月にリリースした最新シングルから「ちらばれ!サマーピーポー」へ。かなりアップテンポで賑やかなナンバー。早口の部分はいまひとつ聴き取りにくかったので、まだ言いなれていない感も?今後のライブツアーでのバンドとしての成長の可能性も感じさせます。

さらにここであらたな重大発表。サンリオピューロランドへ瞬間移動(という体で録画パートへ)して、キティーちゃんに許可を取ったという形でサンリオとのコラボTシャツの発表となります。コラボTはCDの特典となるそうで、それなりのお値段になり、CDや映像作品、コラボTなどでお金を使わせて申し訳ない・・・という流れからの「NO MONEY DANCE」への突入。これが4曲目となります。

そして5曲目、最後は「ハッピーウエディング前ソング」で盛り上がりつつ、全5曲のライブは終了。この段階で21時の10分くらい前。ちょっと早いかな・・・と思っていたら、案の定、アンコールへ。といってもメンバー自らアンコールをかける形のセルフアンコールとなりました(笑)。

アンコールのラストは「喜志駅周辺なんもない」で締めくくり。最後はメンバー全員のスクショタイムに。宣伝で拡散してくれるのならば、利用可能ということで利用させていただきます。ちなみに、上のCD/映像作品について太字なのは宣伝だからです(笑)。

Yabat

ちなみにこちらはTシャツでも限定生産のおふざけタイプのTシャツだそうです。これにコラボするのはかなりすごい・・・。

そんな訳でアンコールふくめてちょうど1時間のライブ。全5曲+アンコール1曲の全6曲のライブとなりました。今回、配信ライブは2度目なのですが、同じく「低画質!低音質!」とうたった前回は、間違いなく画質も音質も悪かったのですが、今回は2度目だからなのか、画質も音質もグッとアップしていた感じ。ほとんどストレスなく配信ライブを楽しむことが出来ました。

また、前回のライブでも思ったのですが、ゆるいノリのMCや楽曲の内容と比べて、バンドとしての力量にはしっかりとした実力を感じさせます。いままで彼らのライブは一度も行ったことがないのですが、早く一度、彼らのライブも見てみたいなぁ。今回、2度目の配信ライブだったのでしたが、そう強く感じました。そろそろコロナ禍明けのライブも徐々に解禁されており、彼らのライブを見る機会も増えていきそう。次は、生ライブでヤバTを見てみたい!そう強く感じた配信ライブでした。

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2022年12月 4日 (日)

名曲揃いの2時間!

PIXIES JAPAN TOUR 2022

会場 ダイアモンドホール 日時 2022年11月25日(金)19:00~

Pixies1

7月のレキシ以来、ちょっと久々となるライブに足を運んできました。今回行ってきたのは、ちょっと久々となるPIXIESのライブ。オルタナ系ロックバンドの先駆的存在として一部で熱烈な支持を得て、その後のシーンに大きな影響を与えたバンド。当初の活動期間は7年ほどと短く、「伝説のバンド」となっていたのですが、2004年にまさかの再結成。その直後の来日公演にももちろん足を運びました。ただ、その後、断続的に活動を続け、ちょくちょく日本にも来日。アルバムも何枚かリリースしたのですが、作品的には過去の貯金でなんとか維持できるような、かつての傑作と比べると・・・というレベルの作品だったので、正直、ここ最近は若干、気持ち的に遠のいていたのですが、今年リリースしたアルバム「Doggerel」は久々に傑作と言えるだけの充実作となっており、その直後の来日公演。日程的にも足を運べる日程であったため、久々(確か2010年のサマソニ)以来、彼らのライブに足を運んできました。

会場はダイアモンドホール。チケットは売り切れはしなかったようですが、コロナ禍の入場制限も解除され、人数的にはほぼ満員という熱気あふれる会場。世代的には確かに私と同世代も目立つのですが、20代30代という若い世代もチラホラ見受けられ、PIXIESが後の世代にも大きな影響を与えていることをあらためて実感させられました。

直前まで仕事があったので会場に入ったのは5分程度の遅刻。ただ、通常、この手のライブは10分程度遅れてはじまるのが普通。外タレでは下手すれば30分程度遅れることもよくあるケースなだけに、まだはじまっていないだろう、と高をくくっていたのですが・・・会場入りすると、既にホール内からは爆音が・・・。なんと、既にライブはスタートしていました!

Pixies2

4人のみのシンプルなステージ。ブラック・フランシスは基本的にアコースティックギターをかかえてのシャウト。全員熟年のバンドなのですが、年齢を感じさせない迫力のあるステージを見せてくれます。

「Doggerel」リリース直後のステージなのですが、楽曲的には過去のベスト的なセレクトで出し惜しみなしのセットリスト。前半から「Gouge Away」やさらに「Debaser」では大きな歓声も。さらに「Hey」や「head on」、「Bone Machine」などの代表曲が続々と続いていきます。

Pixies3 

紅一点のベーシストはパズ・レンチャンティン。キム・ディールが脱退してしまったのは非常に残念なのですが・・・。キム・ディール脱退後のメンバーで彼らのライブを見るのは今回はじめて。ただ、しっかりキム・ディールの後釜のコーラスラインを聴かせてくれていました。

中盤には「Doggerel」からのナンバーが並びました。「Vault of Heaven」「Who's More Sorry Now?」「There's A Moon On」「The Lord Has Come Back Today」と続きます。個人的には、最新アルバムからのナンバーも気に入っただけに、ここらへんの曲がきちんと聴けたのはうれしいところ。往年のナンバーと並んでも、見劣りはありません。

とはいえ、正直、最新アルバムからの曲と往年のナンバーでは明確に客席の反応が違うのは致し方ないところでしょうか・・・「Doggrel」からのナンバーに続き、「Here Comes Your Man」のイントロがスタートした段階で、再び大歓声があがります。個人的にも、やはり大興奮してしまったのですが。

Pixies4

最後までメンバー全員、楽器の持ち替えもなく、シンプルにステージは進みます。基本的にMCもなしで、途中、ほとんど休憩らしいシーンもなく、彼らの力強い演奏が息つく暇なく続いていくというステージに。ギミック全くなしというステージに彼ららしさを感じます。

後半も「Monkey Goes To Heaven」「Crackity Jones」「Wave of Mutilation」「Where is My Mind?」さらに「La La Love Song」と名盤「Dollitle」からのナンバーを中心に、代表曲が並ぶ構成になっており、会場も興奮のるつぼに。みんな暴れるというよりも、やはり彼らの奏でる素晴らしいメロディーラインと迫力あるサウンドに身体を揺らす、そんなステージになっていました。

ラストはおそらく、ここ最近のライブのラストナンバーであるNeil Youngのカバー「Winterlong」(だと思う)で締めくくりとなりました。

Pixies5

最後はメンバー全員がステージ前に並んで、肩を組んであいさつ。なにげにパズ・レンチャンティン含めてメンバー4人、仲よく演っているんだな、ということを感じます。MCなしのステージで、今回はアンコールもなし。40曲近いというフルボリュームで、終了時間が9時というピッタリ2時間のステージが幕を下ろしました。

そんな訳で久々となるPIXIESのステージでしたが、率直に言って、いままで見た彼らのステージの中でベストだったようにすら感じます。特にメンバー4人の相性がいいのでしょう。非常に息の合ったステージを見せてくれました。シンプルに曲を並べただけの構成というのもPIXIESらしさを感じ、しっかりと楽曲で勝負するという彼らのスタンスも感じさせます。久々に彼らのライブに足を運んで大正解!PIXIESの魅力を再認識できた2時間でした。

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2022年7月15日 (金)

コロナ禍の中でも変わらず!

レキシツアー2022 土偶サスペンス劇場~消えたレキシ男爵~

会場 名古屋国際会議場センチュリーホール 日時 2022年7月8日(金)18:30~

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おなじみレキシのワンマンライブに足を運んできました!会場はまた、センチュリーホール。コロナ禍の中でも会場の定員規制も撤廃されて、ほぼ満員の会場に。ライブはほぼ定時にスタート。最初は恒例の「映像」からスタート。今回は「土偶サスペンス劇場」と題されているように、「火曜サスペンス劇場」のパロディーからスタート。池ちゃん扮するレキシ男爵が、自身の屋敷から忽然と姿を消したシーンが流れ、そしてライブがスタートとなります。

ライブはまず最新アルバム「レキシチ」の1曲目「ギガアイシテル」からスタート。そのまま「KATOKU」「姫君Shake!」とアップテンポなナンバーで盛り上げます。「姫君Shake!」の途中では、おなじみ(?)のカバー曲コーナーが。また例のごとく「名古屋出身のミュージシャン」ということになりますが、コロナ禍の中、観客からリクエストを募れないということで、メンバー間で誰だろう?という話になったのですが、そんな中、松平健の話が(正確には豊橋出身ですが)。そのため「マツケンサンバ」をカバーして盛り上がります。最後はチェッカーズ「涙のリクエスト」と続いていきます。

その後は、ここで早くも稲穂の登場!おなじみ「狩りから稲作へ」に、早くも突入。会場一面の光る稲穂が揺れるライブではおなじみのシーンとなりました。この日はそのまま「縄文ロンリーナイト」へ突入。2曲続けて稲穂が揺れていました。

続いてはメンバー紹介もかねてベーシスト、ヒロ出島こと山口寛男のいじり(?)に。ベーシストものまねということで、東京事変亀田誠治、細野晴臣、ハマオカモト、さらにはドリカムの中村正人のベースプレイの物まねに。特に胸の上あたりまでベースを持ち上げて身体を揺らしながらベースを弾く中村正人の物まねはソックリで、会場にも大笑いが巻き起こりました。そして、そんな盛り上がりのまま「Let's FUJIWARA」へ。ディスコチューンに会場は盛り上がります。そのまま「GOEMON」へと続いていきます。

その後はメンバー紹介で、この日のみ臨時で参加した島流しの刑こと鈴木圭の紹介へ。最初、スズキの会長の孫というジョークの紹介があり、一瞬真に受けてしまった・・・。その後、元気出せ!遣唐使こと渡和久がレキシに新撰組のユニフォームを手渡し、「鬼の副長HIZIKATA」へ。曲がはじまる前に、「ヒジ、カタ、コシ、ヒザ!」という曲の中の掛け声に合わせての振り付けの指導が簡単に行われ、曲がスタート。ヘヴィーな曲調に盛り上がりつつ、「ヒジ、カタ、コシ、ヒザ!」の掛け声ではみんな一斉に振り付けを行います。

そのまま「SHIKIBU」で盛り上がりつつ、一転、しんみり聴かせる「マイ草履」へ。ここで中盤。スクリーンが下りてきて、また映像が流れます。ここでは池ちゃんが古畑任三郎ならぬ池畑任三郎に扮して、消えたレキシ伯爵について推理するシーンに。最後は古畑任三郎のオープニング映像のパロディーまで飛び出し、そして後半戦がスタートとなりました。

後半戦ではまず「たぶんMaybe明治」から「大奥~ラビリンス~」で再び観客を盛り上げます。それから大河ドラマ「どうする家康」の主題歌に99.9%決定したらしい(笑)「ほととぎす」へ。ちなみに「SHIKIBU」が紫式部が主人公の再来年の大河ドラマにこちらも99.9%決定したそうです(笑)。さらにバラードナンバー「だって伊達」へ。バラードナンバーなので観客席に座っていいですよ、と呼びかけると、みんな一斉に座ります。「レキシのファンはアラフィフが多いので、みんな座りたくて仕方ない」と池ちゃんがいじっていました。いや、私も気持ちはよくわかりますし、この時ももちろんすぐに座りました(笑)。

さらに先日、NHKの番組「The Cover」に出演した話も。この時に、「年貢 for you」の合間にビートルズとさだまさしの曲を挟んできたバージョンの曲を歌ったそうですが、この日も、その時と同様、「年貢 for you」の間に「Let It Be」にさらにゴダイゴの「ビューティフルネーム」、さだまさしの「北の国から」「道化師のソネット」を上手く曲に挟み込んでカバーしていました。

本編ラストは「キラキラ武士」へ。ミラーボールも天井から降りてきて、みんなで踊ります。そしてラストには、イルカの着ぐるみが登場。これ「KMTR645」で登場してくるイルカの浮き輪「よしお」を着ぐるみにしたものですね。このよしおを池ちゃんが追いかけ、そのまま舞台から消え去り本編が終了。今回も例のごとく、よしおを池ちゃんが追いかけるシーンから映像がスタートします。

映像は「火サス」のおなじみのラストシーンに。よしおが崖っぷちに追い詰められているシーンで、なぜか船越英一郎扮する池ちゃんと、片桐なぎさ扮する(おなじみの)やついいちろうが登場。よしおが今回、浮き輪ではなく、感染症対策として、よしおに棒をつけた「よしお棒」になった経緯がコントで語られます。ここで何故かレキシ男爵は縄で縛られてダイナマイトがセットされている展開に。みんなでダイナマイトを回いあいしつつある中、ここで画面は一転、BTSの「Dynamite」のPVのパロディーに。BTSのパロディーが流れる中、恒例のバンドメンバーの変装は、今回はBTSの服装への変装となりました。

みんなBTSの服装で登場する中、ラストはやはりこの曲ということで「KMTR645」へ。いつもは大きなイルカ(よしお)の浮き輪が会場内にまわされて盛り上がるのですが、感染症対策として浮き輪はなしに。その代わりに、この日のグッズとして売られていた「よしお棒」をみんなで振り回します。そうしてライブは最高潮を迎える中で終了。最後は「聖母たちのララバイ」が流れる中、レキシとよしお(の着ぐるみ)が手を取り合いステージ上を回り、最後は抱き合いつつ、ステージは幕を下ろしました。

そんな訳で相変わらずネタ満載で楽しいレキシのライブ。相変わらず非常に楽しいステージでしたし、コロナ禍の感染症対策すら、ネタに変えるというあたり、レキシのエンターテイナーとしての実力を感じます。終わったのは21時10分頃。約2時間40分程度のステージで、いままでのライブがまるっと3時間のパフォーマンスだったということを考えると、彼としては短め。コロナ禍の中で、規制退場を行わなければいけない中、まるっと3時間という長さは会場の都合上、難しかったのでしょうか。ちょっと残念でしたが、いつものように非常に濃いステージになっていて、思いっきり楽しむことが出来ました。

前回、レキシのライブを見たのが、コロナ禍前最後のステージでした。今回、それから2年半ぶり。まだコロナ禍は終わる様相を見せていません。でも、次のレキシのライブの時は、マスクもはずして思いっきり声を出せる中、見たいなぁ。相変わらずとても楽しいステージ。次のレキシの名古屋ライブも、是非とも足を運びたいです!

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2022年6月24日 (金)

グッドメロディーは今でも

小沢健二 So kakkoii 宇宙 Shows

会場 名古屋国際会議場センチュリーホール 日時 2022年6月20日(月)18:30~

おそらくアラフォー世代以上にとっては、おそらく名前を聞くだけで懐かしく感じる存在ではないでしょうか。小沢健二。ご存じ、伝説のユニット、フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。特に90年代には、そのルックスから王子様キャラがアイドル的人気も博し、紅白歌合戦にも出場するなど、お茶の間レベルで大人気となりました。

その後、人気絶頂期にヒットシーンから遠ざかり、一時期は事実上の引退状態だったのですが、2010年代から徐々に活動を再開。2019年には待望のオリジナルアルバム「So kakkoii 宇宙」をリリースし、今回はそのリリースツアー。ただ、当初のツアーはコロナ禍により延期を余儀なくされ、それから約2年。ようやく行われたツアーのチケットを確保。初めてオザケンのライブに足を運んできました!

Ozaken1 

Ozaken2

ロビーには、彼の歌詞を東京の地図に重ね合わせた展示がされていました。ここらへん、オザケンらしい・・・。

会場はほぼ満員。周りを見ても、やはり90年代に彼にはまった40代50代あたりがほとんど。親子連れの姿もチラホラ。開始予定時間を15分ほど過ぎると、まず小沢健二のアナウンスでバンドメンバーが一人ずつ登場。この日は総勢30名程度の大所帯で、ストリングスが20人程度ズラリとそろった他、ティンパニーやパーカッションなど、かなりの陣容を揃えたステージとなっていました。バンドメンバーは全員、ゆったりとしたポンチョみたいな服装で、それぞれピンクか黄緑色に塗られていました。バンドメンバーが全員揃うと、会場が真っ黒になり、その服がピンクや黄緑色に光り出します。観客席でもライブグッズにピンクや黄緑色の発行体があったようで、会場全体がピンクと黄緑色の光で美しい風景に・・・。やがて会場の照明がつくと、いつのまにかステージの真ん中にオザケンが!会場が沸き上がり、ライブのスタートとなります。

ライブはまず「流動体について」からスタート。続いて「飛行する君と僕のために」と最近の曲が続きます。この日のライブは「So kakkoii 宇宙」からの曲が中心となるのですが、その間に懐かしい彼の90年代の楽曲もはさむようなスタイルに。彼の過去の代表曲も数多く披露されたので、まさに昔からのファンにとっては感涙モノの展開ではなかったでしょうか。

序盤では「大人になれば」に「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」がメドレー形式で続きます。これらの曲に挟まれて、バラードの名曲「いちょう並木のセレナーデ」に!「大人になれば」もそうですが、非常に懐かしいナンバーに思わず聴き入ってしまいます。

曲と曲の間のMCは、彼のエッセイの朗読といったスタイル。理屈っぽい内容が良くも悪くもいかにもオザケンらしいのですが(笑)、印象的だったのが、コロナ禍で声が出せなくなった今、みんなで合唱できなくなったものの、顔の表情などで観客が(心の中で)歌っている声は、ちゃんと自分たちに聴こえてくる、という話。そういう意味でコロナ禍で歌えなくなっても、ミュージシャンにとっては特に何も違いがないという話はちょっと感動しました。

さらに、なんと「今夜はブギーバッグ」へ!まさかこの曲をオザケンボーカルで、それもライブで聴ける日が来るとは・・・個人的にこの日、一番感動した瞬間でした。スチャダラパーのラップの部分は省略されていたのですが、懐かしい名曲をじっくりと味わうことが出来ました。

その後も「フクロウの声が聞こえる」のような最新のナンバーを聴かせてくれたかと思えば「天使たちのシーン」「ローラースケート・パーク」、さらには「東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー」なんていう懐かしい楽曲を惜しみなく聴かせてくれます。中盤から後半にかけては、ほぼMCもなく、途切れないメドレー形式のように次々と曲が展開していきます。そしてなんといっても後半に盛り上がったのは「強い気持ち・強い愛」!これもまた待ってましたといったナンバーでしたが、会場は一気に盛り上がります。

そしてここからステージは一気にラストスパートに。ラストは「高い塔」や「ある光」、そして「彗星」とこれまた新旧まじえたナンバーでとりあえずは幕を下ろします。

もちろん会場からは盛大なアンコールが。比較的早いタイミングで再びメンバーがステージに戻ります。MCでは「昔、僕の小難しい歌詞にはまった方は、既に40代、50代になっているでしょうが・・・」というMCに会場から笑いも沸きます。そうだよなぁ、私ももう、気が付けば40代なんだよなぁ、と思いつつ「取返しがつかない失敗をしてしまった方もいるでしょうが」というMCから「失敗について」へ。取返しがつかない失敗をしたのは、オザケンの元相方だよ!と心の中で突っ込みを入れつつ、曲に聴き入ります。さらに、それに続くMCでは、この日がアルバムのジャケット写真となった彼の長男(りーりーと呼ばれているみたいです)の誕生日だそうで、なんと、その8歳(9歳?)の長男本人が登場!さらに次男も一緒にステージに登場し、会場は大盛り上がり。この日には誕生日プレゼントをもらったそうで、オザケンから「言わなきゃいけないことがあるだろ」とパパらしく(?)注意を受けると、マイク片手に大声で「アジャーシタ!」と子供らしいお礼のメッセージが。いやぁ、かわいらしく、とても微笑ましい瞬間でした。

そしてその後は「ラブリー」がイントロだけ流れ期待を持たせたかと思えば、そのまま大名曲「ぼくらが旅に出る理由」に!個人的にオザケンの曲で一番好きな曲だけに待ってました!という瞬間でした。じっくりと名曲を味わった後、「薫る(労働と学業)」そして再び「彗星」へと続き、ライブは終了。最後はMCで(お約束のようですが)カウントダウンが行われ「生活に帰ろう」の一言でライブは終了。後ろ髪をひかれる気分で「生活」に戻っていきました。

約2時間半のかなりボリューミーなステージでしたが、懐かしの曲の連続で、あっという間に時間が過ぎていきました。アルバムでもそうでしたが、ライブでも最初、オザケンの声が、特に高音部がほとんど出ておらず、(昔からだけど)不安定なボーカルが気になったのですが、ただ曲が進むにつれて、名曲の連続に、徐々に気にならなくなりました。

この日のテーマに「離脱」があったようで、途中、曲の最中にオザケンが「離脱」というと曲が急にゆっくりになり、そのゆっくりの音に自由に身を任せるという趣向に。ここらへんも非常にユーモラスさを感じたステージでした。

また、昔の曲と今の曲が並んで披露されたのですが、あらためて聴くと、今の曲も昔の曲と比べて、決して勝るとも劣らないグッドメロディーの名曲揃いということに気が付かされました。メロディーメイカーとしてのオザケンの才能は衰えていませんね。あらためて彼の才能を強く感じることが出来ました。

まさにそんなグッドメロディーの名曲に酔いしれた2時間半。ちょっと趣向が凝りすぎているのでは?と思う部分もありつつも、しかしオザケンの魅力にどっぷりとはまることの出来た素晴らしいライブでした。また、彼のライブに参加したい!いまひとつ「生活」に戻れない状態で、夢見心地で会場を後にしました。

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2022年5月28日 (土)

ようやく!ようやく!

Thundercat Japan Tour 2022

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2022年5月18日(水)18:00~

今、もっとも注目されているベーシストで、Flying LotusやKendrick Lamarのアルバムにも参加しているThundercat。2017年にリリースされたアルバム「Drunk」、2020年にリリースされたアルバム「It Is What It Is」はいずれも傑作アルバムでした。そんな彼の来日ライブが行われるとあって、さっそくチケットを確保しました!2020年に・・・・・・。

Snapshot

当初、このライブが開催される予定だったのが2020年4月。そう、あのコロナ禍がはじまった真っ最中。当然のごとく、ライブは延期に。延期後のスケジュールは同年の9月と決定されたものの、それも延期。その後、しばらく無しのつぶての状況になったのですが、当初の予定から2年、ようやく、ようやく来日公演が正式決定!この日を迎えました。正直、ライブ自体が中止になるものと半分以上諦めていたのですが、ようやく発券したチケットを握りしめ、クワトロに向かいました。

⇐発券したチケットは、このように当初の公演予定日が記載。ちなみに、コロナ禍の入場制限ということで、2回にわけての公演となり、私はそのうち1回目、18時スタートの会に参加しました。

会場には、テープで白い枠が区切ってあって、1つの枠につき1人が入ってみる見るように指示されていました。とはいえ、会場の定員の半分の入りということもあって、特に後ろの方はスペースも余裕で空いている状況。さすがに前の方で混雑の中、見るのはちょっと怖い感じもしたので、すいている後ろの方に陣取って、ライブ鑑賞となりました。

2回公演の1回目で、2回目も控えていることもあり、ほぼ18時ちょうどにライブはスタート。この日は、ドラマーには、Thundercatのアルバムにも参加しており、現在、非常に注目を集めているドラマーであるLouis Coleが参加。さらにキーボードのメンバーとの3人でのステージとなりました。1曲目は、最新アルバムからの1曲目ということもあり「Lost In Space/Great Scott/22-26」からスタート。ファルセットボイルで美しく聴かせてくれるのですが、さらにグルーヴィーなThundercatのベースと、Louis Coleの超絶ドラミングが重なるパフォーマンスで、序盤から一気に惹きつけられます。

その後はメンバー紹介を挟み、「I Love Louis Cole」へ。こちらは、まさに今回参加したドラマーLouis Coleのために作られたようなナンバーで、待ってましたとばかりのLouis Coleのドラムプレイを楽しめるナンバーで、さらに会場は盛り上がっていきます。さらに「Dragonball Durag」を聴かせてくれた後は再びMCに。こちらは日本ということでThundercatの趣味でもあるアニメネタに。途中(おそらく)「NARUTO」の話なども飛び出して、その話をLouis Coleに振ったところ、きちんと答えてくれたので「だから、君のことが好きだよ」なんていう2人の仲の良さを感じさせる会話も飛び出しました(笑)。Thander

最新アルバムからのナンバーを中心に、次々と演奏を披露。もちろん彼のファルセットボイスでメロウな歌も聴かせてくれるのですが、全体的には原曲よりも、やはり3人のプレイを楽しめるような内容に。ジャムプレイもじっくりと聴かせてくれ、特に、「チック・コリアに捧げます」と話してスタートした曲については、ThundercatとLouis Coleが延々と掛け合いのグルーヴィーなジャムを聴かせてくれて、会場を沸かせました。

終盤は「It Is What It Is」から、本編ラストは彼の代表曲とも言える「Them Changes」に。最後は、歌メインで、ファルセットボイスにのせてしっかりと聴かせてくれます。非常によい心持ちになってライブは終了。客電も明るくなり、さすがに2回目も控えているため、アンコールはなしかな・・・と思いつつも、客席からは盛大なアンコールが起こります。

そうするとやがて照明が暗くなり、なんと再びメンバーがステージに登場!最後は「Funny Thing」を披露。軽快でアップテンポなナンバーに、観客も大盛り上がり。最後は会場のテンションもマックスになった中、ライブの幕は下ろされました。

2回目のスタートが8時ということもあり、ライブが終了したのは7時半。約1時間半のステージでした。わかってはいたのですが、比較的短めのステージ。ただ、それでもLouis Coleとのプレイは非常に魅力的で、短いながらも非常に濃い内容のステージになっていました。まさに2年間、待ちに待ったかいのあったステージ!!途中のMCもかなりフランクリーで、彼の人柄も伝わりましたし、とにかく独特のグルーヴ感がたまらないライブとなりました。非常に満足度の高い1時間半でした。

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2022年4月10日 (日)

名古屋では10年ぶりのワンマン

OKI DUB AINU BAND 東名京ワンマンツアー2022

会場 TOKUZO 日時 2022年4月4日(月)19:00~

Okiainudub_live正月あたりから蔓延したオミクロン株が、ようやく落ち着いてきた・・・・・・のかどうかはかなり微妙な状況なのですが、1月のCHAI以来、ちょっと久しぶりにライブに足を運んできました。アイヌ民族の楽器、トンコリの奏者として活躍するOKI率いるOKI DUB AINU BANDのワンマンライブ。名古屋では、なんと10年ぶりとなるワンマンライブだそうです。場所は、これまた久しぶりとなる今池のTOKUZOまで足を運んできました。

ライブは、コロナ禍の中で入場制限がかかっているものの、ソールドアウトという状況。会場の中は、椅子席はあるものの、満員という印象を受けるのような会場でした。まず19時20分ちょっと前のライブはスタート。メンバーのうち、OKと居壁太はアイヌの衣装といういで立ちでした。最初はトンコリのみの演奏で静かにスタート。しかし、すぐにバンドサウンドが入り、ガツンと迫力ある演奏がスタートします。

曲名は詳しくはわからなかったのですが・・・バンドサウンドを前面に押し出された、かなり迫力満点の演奏で、エフェクトのおもいっきりかかった演奏で、まさにバンド名のごとく、ダビーなサウンドが展開されます。まずは大迫力のそのサウンドの中で、ダビーな演奏に心地よく身を委ねます。

その後の簡単なMCでは「コロナが明けたような盛り上がり」というMCから、彼らの楽曲「サハリンロック」が、このロシア情勢の中で放送禁止になったという話に。そこから曲にのせてメンバー紹介になります。しかしサポートメンバーに沼澤尚、内田直之、HASASE-SANと、あらためてメンバーの豪華さに感嘆してしまいます。

その後は、トンコリをギターのように弾き、むしろロックという色合いの強いハードな楽曲で迫力ある演奏を聴かせてくれます。途中、OKIと同じくトンコリ奏者の居壁太が、弓矢を持ち出して、アイヌの踊りを披露するようなシーンもあり、会場を盛り上げます。ライブの前半戦はまず1時間弱で終了。休憩に入りました。

この休憩も意外と長く、20分程度の休憩をはさんだ後、ようやく後半戦にスタート。後半戦では、OKIは相変わらずアイヌの衣装を着ていましたが、居壁太は今回のツアーのTシャツに着替えての登場となりました。最初は分厚いサウンドを聴かせつつ、幻想的な雰囲気の曲からスタート。会場をドリーミーな雰囲気で包み込みます。楽曲は、ミニマルな構成を持った作品が続き、その点でも軽くトリップするような感覚を覚えるステージになっていました。

途中、ムックリというアイヌに伝わる竹製の楽器を演奏。竹の薄い板に紐がついており、これを息を使って鳴らすことにより演奏する楽器なのですが、この楽器の演奏で「ナゴヤ」「トクゾウ」と言葉を作り出して盛り上げます。

その後は、スキー場でスキーを滑っていたら、OKIの曲が流れてきたというエピソードも。それで予定より長くすべっていたら、筋を違えたそうです・・・痛そう・・・。さらに、序盤に言っていた「サハリンロック」が放送禁止となった話の詳細も。もともと「北の絵コンテ大賞」という道主催のコンテストがあり、そこの大賞作の音楽に「サハリンロック」を使ったところ、ロシア情勢によりお蔵入りになったという話ということ。こんなところにまでロシアの影響が出てきてしまっているのですね。

そして、その後はその「サハリンロック」へ。もちろん彼らの代表曲でもあるロッキンなナンバーだけに会場は大盛り上がり。迫力ある演奏を存分に聴かせてくれ、第2部は約40分程度でとりあえずは幕を下ろします。

その後はもちろんアンコールへ。アンコールでは比較的早くメンバーが戻ってきて、「カラスの行水」という名前のアイヌ民謡を、トンコリ1本の演奏でまずは静かに聴かせてくれます。そこからその曲にそのまま続く形でバンドメンバーが加わり、最後も再び迫力あるダビーでサイケな演奏を披露。その圧倒的な音の洪水で会場を埋め尽くし、ライブは終了。終了時間は9時半。休憩などを挟んだため、正味2時間のステージでした。

そんな訳で久しぶりのライブ。会場がほぼ満員で、若干コロナ対策で気になった部分もあったものの・・・やはり生でのステージは楽しいですね。OKI DUB AINU BANDの迫力ある演奏に終始、身をゆだねた楽しいステージでした。トンコリを使った演奏で、アイヌ民謡からの影響も強いのですが、ステージ自体はむしろダブやサイケ、ロックの影響をストレートに感じられるステージで、そのバンドサウンドの力強さに終始、惹きつけられるステージでした。フェス以外のワンマンライブはなかなか最近は行えていないそうですが、また、ワンマンライブが実施されたら、是非とも見に行きたいです。迫力満点のステージでした。

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