アルバムレビュー(邦楽)2022年

2022年7月 1日 (金)

非常に重いメッセージ性を感じる

Title:笑い死に
Musician:般若

昨年、新レーベル「やっちゃったエンタープライズ」を設立。それまで所属していた「昭和レコード」から独立したラッパー、般若。その後、何作か配信でシングルを何枚かリリースしていたものの、前作から約1年9ヶ月ぶりとなるニューアルバムがリリース。「やっちゃったエンタープレイズ」独立後、初となるアルバムとなります。

このアルバムの中で、なんといっても大きな印象を残すのは「2018.3.2」でしょう。哀しげなピアノが流れる中、静かに綴られるラップが印象的なこの曲は、2018年に発覚し、ニュースでも大きく取り上げられた目黒5歳女児虐待事件をテーマとして扱ったもの。事件現場の向かいのマンションに住んでいた彼は、被害者の女の子が運ばれていく様子を目撃したということ。そのことに大きくショックを受けた彼が、悩んだ結果、書き上げたのが本作。ある種のドキュメンタリータッチで綴られたリリックはかなり具体的かつ印象的で、強く心に響く、作品になっています。

この、非常に重たいテーマの作品がひとつの主軸になっていたからでしょうか、今回のアルバムは「笑い死に」というタイトルとは反して全体的にメランコリックな雰囲気が漂うような作風となっていました。1曲目「とめてくれよ」から、かなりダウナーな雰囲気でのスタートとなりますし、「ハタチの君へ」もトラップ的なリズムでメランコリックなサウンド。さらに「2018.3.2」につながる「テキトー」「色の無い海の底」も郷愁感を覚えるようなトラックが印象的でした。

そしてそんな中で、特にこの時代を力強く「生きる」ことをテーマとしたリリックが目立ったように思います。まず「糞馬鹿野郎」は、まさにそんな今を生きている自分を描写としたリリックが印象的。「拝啓」でもまさに今を生きる日常を描いていますし、そしてなんといっても「じんせいさいこおお」はタイトル通りの人生讃歌。「宇宙の果てから見たら/俺達の存在すっげー小せえ」という、ある意味振り切れたリリックも印象的。さらに最後は「うまくいく」で、タイトル通り、前向きなメッセージを綴って本作は終了。最後は非常に前向きな気持ちでアルバムを聴き終える内容になっていました。

特に「2018.3.2」で気持ち的にもかなり落ち込みかねない本作だからこそ、そこから続く「じんせいさいこおお」「うまくいく」で一気に盛り返す構成も、おそらく考えられたものなのでしょう。他にも子供へのメッセージともとれる「ハタチの君へ」や、イジメやLGBTを扱った「色の無い海の底」など、全体的にテーマは重め。それだけにズシリと心に来るアルバムになっていますが、それだけにラスト2曲の前向きなメッセージが、より心に響いてくるアルバムになっていました。

決して派手ではないものの、非常に重たい、おそらく般若にとっても重要作とも言える作品になっており、聴き応えのある内容になっていました。文句なしの傑作アルバム。いつも印象的なリリックを聴かせてくれる般若ですが、その中でも特に印象的な作品が多かったアルバムだったと思います。普段、ラップを聴かないリスナー層でも、このメッセージは強く響いてくるはず。是非、チェックしてほしい1枚です。

評価:★★★★★

般若 過去の作品
ドクタートーキョー
HANNYA
グランドスラム
THE BEST ALBUM
話半分
般若万歳II
IRON SPIRIT
12發


ほかに聴いたアルバム

Same/SHERBETS

浅井健一率いるSHERBETSによる、実に6年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムは、ピアノやストリングスを取り入れつつ、メランコリックで美しいメロディーラインをこれでもかというほど聴かせる作風に。ここ最近、比較的安定感のある作風を確立してきた感のあるSHERBETSでしたが、今回のアルバムは、SHERBETSとしての方向性がある程度固まったような、いい意味での安定感も覚える作品になっています。一時期は駄作を乱発気味で心配された浅井健一ですが、最近はリリースペースも落ち着いて、良作もしっかりとリリースしてくるようになりました。そんないい意味での安定感を覚える作品でした。

評価:★★★★

SHERBETS 過去の作品
MIRACLE
GOD
MAD DISCO
FREE
STRIPE PANTHER
きれいな血
CRASHED SEDAN DRIVE
The Very Best of SHERBETS「8色目の虹」

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2022年6月27日 (月)

ポップな第7弾

Title:レキシチ
Musician:レキシ

すっかり人気ミュージシャンとして、その地位が定着した感のあるレキシの、約3年7ヶ月ぶり、タイトル通り、7枚目となるニューアルバム。あらためてレキシについて紹介すると、もともとSUPER BUTTER DOGのメンバーとして活動し、100sのメンバーでもあった池田貴史が、自らの趣味である日本史をコンセプトとして立ち上げたソロプロジェクト。最初は、若干、余興感もあったのですが、豪華なゲスト陣と、なによりもファンクやソウルミュージックに裏打ちされたクオリティーの高い音楽性と日本史をテーマとしたコミカルな歌詞のギャップが大きな評判を呼び、人気沸騰。このアルバムを含め、2作連続チャートでのベスト3入りを達成しています。

今回のアルバムでも多くの豪華ミュージシャンがゲストで参加。参加ミュージシャンには、日本史にちなんだニックネーム、レキシネームがつけられるのですが、レキシネームあ、たぎれんたろうことAwesome City Clubのatagi、にゃん北朝時代ことカネコアヤノ、さらにぼく、獄門くんこと打首獄門同好会が参加。それぞれが楽曲の中でもしっかり個性を発揮。あ、たぎれんたろうが参加した「たぶんMaybe明治」はAwesomeらしいシティポップ、にゃん北朝時代が参加した「マイ草履」はしっとりと聴かせるバラードチューンに仕上げています。

そしてアルバムの中で強いインパクトにもなっているのがぼく、獄門くんが全面的に参加した「鬼の副長HIZIKATA」で、打首獄門同好会の曲として違和感がないメタルチューン。ちょっと異色な楽曲となっています。ただ、どの楽曲もゲストミュージシャンに沿ったような曲調になっているのですが、作詞作曲はあくまでもレキシこと池田貴史本人。彼の音楽性の広さと、音楽的素養の深さを感じます。

そんな豪華なゲスト勢が参加したバラエティーある音楽性が特徴的なのですが、今回のアルバムはそんな中でも、全体的によりインパクトのあるポップな作風、あえていえば90年代や80年代後半あたりの匂いも感じさせるような楽曲が並んだような印象を受けます。先行シングルにもなった「ギガアイシテル」はホーンセッションも入ったメロディアスなポップチューン。続く「だぶんMaybe明治」も前述のように、90年代の空気感のあるAORですし、それに続く「だって伊達」もピアノ弾き語りからスタートし、バンドサウンドで盛り上がる展開のバラードナンバーはJ-POPの王道のような作風になっています。

その後も「Let's FUJIWARA」はディスコチューンでいかにも80年代ですし、「鬼の副長HIZIKATA」もメタルで、これまた80年代的な空気も感じます。最後を飾る「フェリーチェ・ベアト」も、シンセなども入った分厚いサウンドをバックに、感情たっぷりに聴かせるバラードナンバーはいかにもJ-POP的。全体的にポップでインパクトのある楽曲が並ぶ作品になっていました。

もちろんJ-POP的といっても、その根底にはしっかりとファンクやソウルの要素が感じられるのが池田貴史の実力。ここらへん、「洋楽風だけどルーツレス」という、よくありがちなJ-POPとは一線を画する点は強調しておきたいところ。今回も相変わらず、日本史をテーマとしたコミカルな歌詞も光っており、今回は特に幕末や明治をテーマとした曲が多く収録。今回のアルバムにちなんだアーティスト写真も明治の軍服を着たレキシの姿になっており、グッと近代に寄った内容になっています。

そんな訳で今回もいい意味で安定感のあるレキシの新作。特にここ数作、楽曲的にも歌詞的にもレキシらしい完成度が増し、完全にレキシとしての方向性が定まってきた感もあります。今後、この方向性が歌詞的にもサウンド的にも、さらにどのように展開・進化していくのか・・・とても楽しみです。

ただ今回のアルバム、ちょっと残念だったのが付属のDVD。いつもは豪華ゲストが参加したバラエティー的なノリのドキュメンタリーが収録されているのですが、コロナ禍で外での収録ができなかったからなのか、レコーディング風景を収録という、よくありがちなパターンに。これは以前の方がよかったなぁ。この点だけちょっと残念。まあ、アルバムとしての価値には全く影響しない話なのですが。

評価:★★★★★

レキシ 過去の作品
レキツ
レキミ
レシキ
Vキシ
ムキシ

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2022年6月26日 (日)

コロナ禍での音楽表現

Title:アダプト
Musician:サカナクション

前作「834.194」以来、約2年9カ月ぶりとなるサカナクションのニューアルバム。今回のアルバムは、昨年11月に行われた無観客オンラインライブからその後の観客を入れてのライブツアー、そしてこのアルバムへと続くプロジェクトの一環としてリリースされた作品。コロナ禍で作品を表現する企画の第一章と位置付けられているそうで、第二章「アプライ」へと続くことがアナウンスされています。

前作「834.194」もコンセプチャルな作品でしたし、ちょっと理念先行的な「頭でっかち」な方向性を感じてしまうのは気になってしまうのですが、それを差し引いても、今回のアルバム、ポップ作品としても非常に優れた作品に仕上がっていました。今回のアルバムは全9曲入りのミニアルバム的な作品(ただし、うち1曲はCDのみの収録となっており、配信では全8曲)。また、1曲目「塔」はアルバムの中でイントロ的なインスト作でしたので、実質的に8曲入りなのですが、どの曲もしっかりとそれぞれの曲の個性を主張するような楽曲が並んでいました。

アルバム全体としては、マイナーコード主体のメロディーラインで、メランコリックな作風が特徴的。その中でミディアムファンクやダブの要素を取り入れて、湿度の高い音楽をねっとりと聴かせる「キャラバン」からスタートし、彼ららしいエレクトロダンスチューンに、歌謡曲的なメロと歌詞が印象的な「月の椀」、ダイナミックなバンドサウンドで疾走感があり、ロックテイストの強い「プラトー」と続いていきます。

アルバムの中である種の核となっているのが5曲目の「ショック!」で、ラテン調のリズミカルで、不穏な雰囲気の作風のサスペンス調の作風が強いインパクト。ここまでグッと盛り上げておいて、そのあとにチルアウト的な、ドリーミーなインストチューン「エウリュノメー」を入れてくる構成がまた見事。ピアノやストリングスのアコースティック主体のアレンジで切なく聴かせる「シャンディガフ」から、ラストの「フレンドリー」はけだるいAOR風のミディアムチューンとなっています。

そしてこの最後「フレンドリー」の歌詞が強く印象的。

「正しい
正しくないと
決めたくないな
そう
考える夜」
(「フレンドリー」より 作詞 Ichiro Yamaguchi)

という歌詞に、まず、いろいろな意見についてすぐに正否をつけてさわぎたてる最近のネットの風潮を憂慮している感がありますし、さらに隠喩的ながらストレートなのが

「左側に寄って歩いた
側溝に流れてる夢が
右側に寄って歩いた
そこには何があるんだ」
(「フレンドリー」より 作詞 Ichiro Yamaguchi)

と、いかにもネット上で顕著な左右の対立を皮肉ったような歌詞になっています。隠喩にとどめている歌詞やメランコリックな曲調から、決して激しい主張にはなっていないものの、コロナ禍の中でより顕在化した意見の対立について憂慮するような歌詞が印象的でした。

配信やサブスクではここで終了。メランコリックなサカナクションらしいメロディーを軸としつつ、バラエティー富んだ作風が並んだ内容は、「コロナ禍での音楽表現を模索」というコンセプトに沿った、いわばいろいろな音楽の方向性を試した、とも言える作品に仕上がっていました。

ただ一方で、ここまで8曲という短さと、彼ららしいといえ、ちょっとメランコリックに偏りすぎな曲調に若干の物足りなさを感じていた本作ですが、私の本作での感触をさらに一段階、良いものとしたのがラストを締めくくる「DocumentaRy of ADAPT」。ライブではメンバー5人並んでパソコンでの演奏となった作品だそうですが、8分に及ぶミニマルテクノの作品が、最後の盛り上がりを作り出しており、またアルバムの幅もグッと広げています。配信やサブスクで聴けないのが残念ですが、これは是非、CD版で聴いてほしい作品。この作品を含めてアルバムとして完成しているのでは、とも感じてしまいました。

もっとも、このアルバムだけで完成ではなく、次にリリースされる「アプライ」を含めて完成される今回のプロジェクト。次の作品も非常に楽しみになってきます。あと個人的にはサカナクションのボーカル、山口一郎が最近、ナゴヤ球場の外野フェンスの広告枠を自費で購入し、サカナクションの広告を出したというニュースがあり、もともとドラゴンズファンだとは知っていたのですが、ここまで熱心なファンだったのか・・・と衝撃を受けています(笑)。そういうこともあってますます応援したくなってしまったサカナクション。これからの活躍も期待です!

評価:★★★★★

サカナクション 過去の作品
シンシロ
kikUUiki
DocumentaLy
sakanaction
懐かしい月は新しい月~Coupling&Remix works~
魚図鑑
834.194


ほかに聴いたアルバム

Still Dreamin'/布袋寅泰

60歳の誕生日に発売された、20枚目となるオリジナルアルバム。「まだ夢を見ている」というタイトル通りの積極的な音楽活動を感じさせますが、アルバムの方は、全体的に90年代っぽさを強く感じさせるようなメロディアスでポップな作品が主体。新たな挑戦というよりも、あらためて過去を振り返っているような印象も受けました。良くも悪くも無難な印象もあるのですが、60歳を迎えて、あらためて自らの地盤を固めているという感もあるのかもしれません。初回盤では昨年10月に、地元群馬のGメッセ群馬で実施した「HOTEI 40th Anniversary ~Double Fantasy Tour~ "BLACK or WHITE ?"『Hometown GIGS』」のライブ盤がついてきます。自身のソロ曲のみならずBOOWYの曲もセルフカバー。ベスト盤的なセレクトが楽しいのですが、ただ、やはり氷室ボーカルの曲で彼がボーカルを取るのは、いろいろな意味で違和感も・・・。

評価:★★★★

布袋寅泰 過去の作品
51 Emotions -the best for the future-
Paradox
GUITARHYTHM VI
Soul to Soul

It's the moooonriders/ムーンライダーズ

1975年に結成し、日本を代表するロックバンドとして長らく活動を続けてきたものの、2011年に無期限の活動休止となったムーンライダーズ。その後、何度かの再結成ライブを経て、昨年8月に活動再開を発表。活動休止前ラストのアルバムだった「Ciao!」から実に約10年半ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。

ムーンライダーズとして久々の新譜となったものの、久々ということを全く感じられない、いい意味でいままでのムーンライダーズらしい、ポップだけど様々なサウンドが入って挑戦的で、そしてユーモラスな楽曲が並びます。曲によっては、若干、いかにも「おじさん」なユーモアさがノイズとなっていたりするのですが、そこを差し引いても、エキゾチックなサウンドや正統派ギターロック、ラップ風のボーカルまでも入った自由度の高い音楽性は健在。新加入の夏秋文尚以外全員が70歳前後という超ベテランバンドの彼らですが、バンドとしての意欲は全く衰えていないよう。今後の活躍にも期待です。

評価:★★★★★

ムーンライダーズ 過去の作品
Ciao!
moonriders Final Banquet 2016 ~最後の饗宴~

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2022年6月25日 (土)

勢いを感じる2作目

Title:LOVE ALL SERVE ALL
Musician:藤井風

おそらく今、最も勢いのあるシンガーソングライターの一人といえる藤井風のニューアルバム。You Tube動画で注目を集める中、おととしリリースしたデビューアルバム「HELP EVER HURT NEVER」が大ヒットを記録。昨年の紅白歌合戦にも出場を果たした・・・という成功譚は、いまさらここで記すまでもないと思います。

今回のアルバムでも大ヒットした「きらり」をいきなり1曲目に配置。さらに2曲目も先行配信曲でヒットした「まつり」と配置。アルバムの中で最も注目を集めそうな曲を1曲目、2曲目に続けて配置しているあたりにアルバムに対する強い自信を感じます。そして、その自信を裏付けるように、今回のアルバムは前作を易々を上回るような勢いを感じさせる作品に仕上がっていました。

基本的には、エレクトロサウンドとピアノの音色をベースとしたサウンドに、ジャズの要素を多分に取り入れたAORという方向性は前作と同様。特に「やば。」のようなAOR色の強い作風については、どこか80年代的な雰囲気を感じますし、また「それでは」のような曲は、ストリングスを入れていてスケール感を出しているのですが、良くも悪くもこのベタさには90年代J-POP的な雰囲気も感じさせます。

逆に「へでもねーよ」は強いビートのエレクトロサウンドはかなり今風でHIP HOPの要素も感じられますし、全体的に低音部を強調するようなアレンジのバランスはいかにも今時といった印象が。また、「まつり」や「へでもねーよ」は和風なサウンドを取り入れていますし、「damn」は疾走感あるリズミカルな曲ですが、ギターサウンドが目立つロッキンな要素も強い作風に。バラエティーに富んだ、という以上に自由度の高い作風になっています。

ただ、それ以上に特徴的だったのは、「口語」を自在に歌詞に取り込んでいるそのセンス。彼の口癖をそのままタイトルにした「やば。」や「へでもねーよ」みたいに、普通だったら歌詞に使わないような言葉をそのまま上手く取り入れていますし、「damn」にしても「媚びてまうとは」「そいでこんなに」のように、スラング的な表現をそのまま取り入れつつも、楽曲としては違和感なくまとめています。ここらへんのセンスの良さも見事というほかありません。

このサウンドの面も歌詞の面も、ある意味非常に自由度が高く、いい意味でのこだわりのなさを感じさせるのがいかにも「今どき」といった印象を受けます。もっとも一方で、ジャズやAORのようなアルバムの根底に流れる共通したサウンドの方向性に、逆に一種のこだわりを感じさせ、このバランスが非常に絶妙に機能しているように感じました。

また今回、CD版では初回盤で今回もカバーアルバム「LOVE ALL COVER ALL」がセットとなっているのですが、こちらが非常に素晴らしい内容。ボビー・ヘブやクローヴァー・ワシントン・ジュニアといったミュージシャンから、ブリトニー・スピアーズやジャスティン・ビーバーといったポップ系まで幅広いセレクトもさることながら、基本、ピアノ1本でジャジーにアレンジし、しっかりと聴かせる内容は、藤井風のシンガーとしての才能を感じさせます。おそらく、前回と同様、ある程度のタイミングで配信リリースもされると思いますので、初回盤を手に入れていない方は、それを機に、是非とも聴いてほしい逸品です。

個人的には前作よりぐっと良くなり、勢いも感じさせた傑作アルバム。今、日本で最も人気のあるシンガーソングライターの一人というのは、まさに納得といった感のあるアルバムでした。藤井風の勢いは、まだまだ続きそうです。

評価:★★★★★

藤井風 過去の作品
HELP EVER HURT NEVER
HELP EVER HURT COVER
Kirari Remixes(Asia Edition)


ほかに聴いたアルバム

中島みゆき 2020 ラスト・ツアー「結果オーライ」/中島みゆき

2020年1月からスタートした中島みゆきのライブツアー「中島みゆき 2020ラスト・ツアー『結果オーライ』」。タイトル通り、彼女の最後のコンサートツアーとなるべくスタートしたツアーでしたが、新型コロナウィルスの流行により、24公演中8公演のみで中止。その後も再開されることもありませんでした。しかし、同ツアーの模様がマルチトラックレコーディングとしての記録が残っていたことから急遽ライブアルバムが制作され、リリースされたのがこのライブアルバム。良くも悪くも、コロナ禍の副産物として誕生したライブ盤となります。

今回のライブ盤では、当日のセットリスト全曲が収録。まるで一つのライブを体験しているような構成になっています。また収録曲もまさにベスト盤的な内容になっており聴きごたえ十分。彼女のライブは、以前実施していた音楽劇「夜会」を見たことはあるのですが、純粋な音楽ライブは見たことがありません。当たり前ですが、CD音源と全く変わらない、いやむしろ力強さがさらにましたそのボーカルに圧倒。そのライブの魅力を十分に感じられるライブ盤になっていました。

コンサートツアーがラストということですが、ツアーではない形でのライブは今後も続けていくということ。そういう意味では今後もライブを経験できる可能性は十分にあるだけに、機会があれば彼女のライブに足を運びたいなぁ。そういうことをあらためて感じるライブアルバムでした。

評価:★★★★★

中島みゆき 過去の作品
DRAMA!
真夜中の動物園
荒野より
常夜灯
十二単~Singles4~
問題集
組曲(Suite)

中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』
中島みゆきConcert「一会」(いちえ)2015~2016-LIVE SELECTION-

相聞
中島みゆき ライブ リクエスト -歌旅・縁会・一会-
CONTRALTO
ここにいるよ

Journey/Little Glee Monster

ベスト盤などを挟みつつ、フルでのオリジナルアルバムとしては約2年2ヶ月ぶりとなるLittle Glee Monsterの新作。メンバーのうち芹奈が長期休養。さらにmanakaも突発性難聴のため、当面、休養に入るなど、グループとして困難な状況を迎えている彼女たち。事実上、芹奈を除いた4人での録音となった本作ですが、「SING」では芹奈を含めた5人での録音になるなど、メンバー全員で乗り越えていこうとする決意も感じさせます。楽曲的には、そんな困難な状況を感じさせないような爽快で明るいポップチューンがメイン。全員の心地よいハーモニーを聴かせてくれます。しばらくは3人での活動になりそうな彼女たちですが、必ずこの困難を乗り越えてくれると信じて、今後に期待したいところです。

評価:★★★★

Little Glee Monster 過去の作品
Joyful Monster
juice
FLAVA
I Feel The Light
BRIGHT NEW WORLD
GRADTI∞N

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2022年6月14日 (火)

青森での生活を描く

Title:七号線ロストボーイズ
Musician:amazarashi

オリジナルフルアルバムとしては、コロナ禍が生じる直前にリリースされた「ボイコット」以来、約2年ぶりとなるamazarashiのニューアルバム。もっとも、同じ2020年に、コロナ禍が生じたその年を象徴するようなミニアルバム「令和二年、雨天決行」がリリースされており、そういう意味では、今回のアルバムに関しては、あまり久しぶりという感じはありません。

さて、そんな2020年にリリースされた2枚のアルバムは、どちらも個人的な年間ベストにランクインさせるほどの名盤でした。特に、デビュー当初はいわゆる「中2病バンド」的な印象を抱いたamazarashiの歌詞が、地面に足をつけてきたような印象があり、バンドとして一回りも二回りも成長を感じさせました。今回のアルバムに関しても、彼の出自である青森と、その生活にあらためてスポットをあてたような曲が目立つのが特徴的。ここらへんの傾向は「ボイコット」や、さらにその前の「地方都市のメメント・モリ」でも顕著でしたが、今回のアルバムでも、あらためて彼の原点を振り返るような歌詞が目立ち、また、そんな「青森での生活」をリアルに描くことが、amarazashiの歌詞の持つリアリティーの大きな要素となっていました。

そもそもタイトルである「七号線」自体、おそらく青森市内を走る国道7号線から取られたもの。1曲目「感情道路七号線」からして、この国道7号線の一部が、青森市内では「環状線」と呼ばれているみたいですね。さらにタイトルそのまま「アオモリオルタナティブ」では、タイトル通り、青森で懸命に暮らす人たちとの生活が描かれています。

「あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫
自分の成り立ちを知ってこそ 理想の成り行き描けるんだ」
(「アオモリオルタナティブ」より 作詞 秋田ひろむ)

という歌詞自体、彼がいかに自分の成り立ちを大切にしているか、心の支えとしているのかがうかがえます。さらに「かつて焼け落ちた町」は、1945年7月28日に起きた青森大空襲をモチーフとした曲。空襲に見舞われて、タイトル通り、焼け落ちた町の中で懸命に生きた人々を綴った歌詞が非常に心に響きます。さらに同じく青森での生活をテーマとした「戸山団地のレインボー」も非常に印象的。最初、タイトルだけ見た時は、新宿にある戸山団地をイメージしたのですが、青森にも戸山団地があるんですね。ノスタルジックな歌詞に、日々の生活を必死に生きる中、その先にある希望を歌った歌詞が非常に印象に残ります。

他にも思春期の少年の心の葛藤を描いたタイトルチューンでもある「ロストボーイ」やある人への思いを切なく綴った「1.0」などが印象的。「少年は闇の中」と歌う「ロストボーイ」は、思春期の少年らしい自意識過剰な感じを歌うあたり、ちょっと「中2病」っぽくもあるのですが、ただ、そこらへんも含めて、amazarashiの大きな魅力と言えるでしょう。

サウンド的には、いつもと同様に、鬱々とした雰囲気を強調するような、ストリングスやピアノ、ヘヴィーなギターサウンドも取り入れて、メランコリックで叙情感あふれる内容が特徴的。ただ、必要以上に主張するわけではないサウンドやメロディーが、なによりも歌詞を際立たせているような印象を受けます。ここらへん、amazarazshiが何を聴かせたいのか、しっかりとしたバランス感覚を感じさせます。

ここ最近、傑作が続いている彼らですが、今回のアルバムも年間ベストクラスの傑作アルバム。特に歌詞については、心を揺さぶらせるような内容はすごみすら感じさせます。歌詞をかみしめつつしっかりと聴きこみたい、そんな作品でした。

評価:★★★★★

amazarashi 過去の作品
千年幸福論
ラブソング
ねえママ あなたの言うとおり
あんたへ
夕日信仰ヒガシズム
あまざらし 千分の一夜物語 スターライト
世界収束二一一六
虚無病
メッセージボトル
地方都市のメメント・モリ
ボイコット
令和二年、雨天決行


ほかに聴いたアルバム

20th Anniversary Tour 2021 Live at LINE CUBE SHIBUYA/LOVE PSYCHEDELICO

コロナ禍によって延期となり、1年越しの昨年5月からスタートしたLOVE PSYCHEDELICOの20周年記念ツアー「LOVE PSYCHEDELICO 20th Anniversary Tour 2020」。そのうち、7月10日に行われた、東京の渋谷公会堂(わけわかんないネーミングライツがついているのですが、あえてこう書きます)で行われたライブの模様を収録したライブアルバム。20周年の記念ライブということでベスト盤的な選曲となっており、ブルースやルーツ志向のロックの影響も強いサウンドはやはりカッコよさを感じます。LOVE PSYCHEDELICOの魅力のつまったライブアルバムとなっていました。

評価:★★★★★

LOVE PSYCHEDELICO 過去の作品
This Is LOVE PSYCHEDELICO~U.S.Best
ABBOT KINNEY
IN THIS BEAUTIFUL WORLD
LOVE PSYCHEDELICO THE BEST I
LOVE PSYCHEDELICO THE BEST Ⅱ

15th ANNIVERSARY TOUR-THE BEST-LIVE
LOVE YOUR LOVE
LOVE PSYCHEDELICO Live Tour 2017 LOVE YOUR LOVE at THE NAKANO SUNPLAZA
"TWO OF US"Acoutsic Session Recording at VICTOR STUDIO 302
Complete Singles 2000-2019

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2022年6月12日 (日)

活動再開!

2018年に、不倫騒動から突然の引退を表明した小室哲哉先生。その後、大方の予想通り、2年程度で引退を撤回し、活動を再開。2020年にはTM NETWORKとしてもファンリクエストによるベストアルバム「Gift from Fanks T」「Gift from Fanks M」をリリースしましたが、2021年には活動再開を表明。これに伴い、隔月3回連続のオンラインライブを行った後、2組同時リリースとなるライブベストアルバムがリリースされました。

Title:LIVE HISTORIA T 〜TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015〜
Musician:TM NETWORK

Title:LIVE HISTORIA M〜TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015〜
Musician:TM NETWORK

小室哲哉があれだけ短期間で引退を撤回し、活動を再開したことや、元妻のKEIKOの体調が小室哲哉の説明とは全く異なっていて、小室哲哉の行動に大きな疑問が持たれている点など、彼の言動についてはかなり賛否が分かれている・・・というよりも一般的には、かなり批判の対象となっています。ただ、個人的には(というか多くのFanksも同じかもしれませんが)小室哲哉に対して人間性はほとんど求めていませんし(笑)、ある意味、彼自体、子どものまま大きくなっちゃった大人みたいな部分があって、それが魅力でもあり大きな欠点でもあるわけなので、そのため、今回のTM復活に関しても、ファン近辺からの大きな批判はあまりない印象を受けます。そんなこともあって、今回の活動再開はやはり素直にうれしく感じますし、今回のライブベストについても、基本的には非常に楽しみにして聴いてみました。

今回のライブベストは、過去の彼らのライブから、ファン投票により人気の高かったパフォーマンスを選択。ただ、ソニーミュージックとavexの共同企画ということで、「1984-2015」というタイトルとなっているものの、ソニーミュージック所属時の1984年~1999年及びavex所属時の2012年~2015年の音源のみとなっており、その間のRojan Entertainment及びYOSHIMOTO R and C所属時のライブパフォーマンスについては収録されていないようです。もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか・・・。

さてTM NETWORKのライブといえば、ライブでは原曲と比べてかなりアレンジを変えてくるのが特徴的。もっともこのリミックスという手法は、今となっては普通に受け入れられる方法ではあるものの、TMのようなメジャークラスのミュージシャンが実施するのは、特に彼らの活動初期の80年代ではかなり珍しかったように思われます。特に今回のライブアレンジで目立ったのが、ギターやバンドサウンドを前面に押し出し、よりダイナミックさを増したアレンジをほどこした曲で、ここらへんの生演奏を押し出した迫力あるサウンドはライブならでは、といった感じでしょうか。よりロックバンド然とした彼らの姿を感じることが出来ます。

そんなアレンジも含めて、彼らの代表曲の連続で、2枚組×2組=計CD4枚というボリュームある内容ながら、ほとんどダレることなく最後まで楽しめたアルバムだったのですが、ただ一方、正直なところ、今回のライブ盤のためリミックスをほどこした音源もあったのですが、音はあまり良くなかったように思います。特に全体的に音がかたまった感じに聴こえ、個々の音があまりクリアに聴こえてきませんでした。結果としてライブ会場ならではの臨場感のようなものが薄かった感じも・・・。いわゆるドンシャリという、いかにもJ-POP的なアレンジがほどこされていたのですが、ちょっとライブ音源としては物足りなさを感じました。

このライブアルバムとして音がいまひとつという、かなりのマイナスポイントはありつつ、それ以前に純粋にTM NETWORKの曲が楽しめたという点で下の評価に。ちなみに今回のライブ音源、1984年にライブで披露されつつ、その後、音源化されることなかった幻の曲「17 to 19」が初収録。非常にメランコリックなメロが印象に残るミディアムチューンで、いままで未収録だったのが不思議に感じられます。しかし、TM NETWORKのライブ、今まで行ったことのないライブの中で、最も足を運んでみたいライブ。今度、ツアーがあるので、なんとかチケットを確保したいのですが・・・。

評価:どちらも★★★★★

TM NETWORK 過去の作品
SPEEDWAY
TM NETWORK THE SINGLES 1
TM NETWORK THE SINGLES 2
TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999
DRESS2
QUIT30
GET WILD SONG MAFIA
GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition
Gift from Fanks T
Gift from Fanks M


ほかに聴いたアルバム

アンドロギア/THE BACK HORN

純粋なオリジナルアルバムとしては、約2年半ぶりとなるTHE BACK HORNのフルアルバム。良くも悪くも仰々しさを感じるサウンドと、これでもかというほどの哀愁たっぷりのメロディーラインが大きなインパクト。そんな中でもラテンやカントリーの要素なども入れてきており、楽曲的なバラエティーも豊富。良い意味でベテランらしい安定感とある種の安心感を覚えさせてくれるアルバムといった印象。THE BACK HORNらしさを感じさせる1枚でした。

評価:★★★★

THE BACK HORN 過去の作品
BEST
パルス
アサイラム
リヴスコール
暁のファンファーレ
運命開花
BEST OF BACK HORN II
情景泥棒
ALL INDIES THE BACK HORN
カルペ・ディエム
この気持ちもいつか忘れる

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2022年6月11日 (土)

「One Night Carnival」を様々な解釈でユニークにカバー

Title:All Night Carnival

今年、結成25周年を迎える氣志團。この25周年を迎えるにあたって、トリビュートアルバムが完成しました。といっても氣志團のこと、決して一筋縄ではいかないトリビュートアルバムになっており・・・なんと、彼らの代表曲である「One Night Carnival」を様々なミュージシャンたちがカバーするという内容。全11曲、すべて「One Night Carnival」という構成のアルバムに仕上がっています。

思えばこの「One Night Carnival」という曲、もともとはインストバンドとして活躍していた彼らが、はじめて「歌モノ」といて歌った曲だそうですが、氣志團のコンセプトをすべて体現化している、非常に良くできた曲で、80年代から90年代にかけてのJ-POPのパロディー、当時のヤンキー文化などを上手く溶け込ませ、いい意味でわかりやすいパロディーに仕立てることによりユーモラスに聴かせることが出来る楽曲。氣志團のコンセプトがこの1曲に凝縮されているだけに、これ以降、彼らはこれを超える曲を書けていないのですが、それも仕方ない感がします。もっとも、「出オチ」感すらするこの曲から20年以上、第一線で活動を続けられる彼らの実力は、なにげにすごいものも感じるのですが。

音楽面でもインパクトが強い曲ですし、ネタ的にもいじりやすいこの曲。カバーしやすい曲とも言えるであろう曲なだけに、この曲だけをカバーするという今回の企画、なにげにそれぞれのミュージシャンたちが、しっかりとそれぞれの個性を生かした上でのカバーに仕上げていました。

浜崎あゆみのカバーは、いかにもヤンキーっぽいドスの効いたボーカルが印象的。個人的に、浜崎あゆみって、なぜあれだけ売れたのか、今一つ疑問のあるミュージシャンなのですが、ただこのカバーを聴く限りではある種の格の違いなようなものも感じました。WANIMAのカバーも、普段の陽天気なパンクロッカーというイメージを一新するような凝ったアレンジが魅力的ですし、スカパラも、初期の彼らを彷彿とさせるような、くすんだ雰囲気を醸し出し、同曲の持つ「不良性」を前面に押し出したインストアレンジが印象的。打首獄門同好会も彼ららしいメタルの要素に「和」の要素を加えたユニークなアレンジが耳を惹きます。ラストのももクロも良くも悪くも彼女たちらしいアイドル然としたカバーになっていました。

個人的にもっとも「正しい解釈」をしたカバーに感じたのが鬼龍院翔のカバーで、エレクトロアレンジでのカバーは、氣志團とは別の方向から90年代初頭の雰囲気を感じさせるカバー。尾崎豊のパロディー部分は、尾崎豊の原曲のフレーズをそのまま入れ込むアレンジとなっていて、ユニーク。よく考えれば氣志團とゴールデンボンバーって、音楽性はちょっと違うものの、バンド(?)としての方向性は似たようなものを感じさせるだけに、相性のいい組み合わせだったのかもしれません。鬼龍院を含めゴールデンボンバーは最近、スキャンダルの影響で人気が急激に下落しているのですが、今回のカバーでもその実力を感じさせるだけにがんばってほしいところなのですが・・・。

そして本作の中でもっともインパクトがありユニークだったのは間違いなく木梨憲武によるカバー。楽曲を思いっきり和風に、浪曲や狂言的な要素を入れたカバーになっており(あくまでも「要素」であり、イメージとしての「浪曲や狂言」で本格的なものではありません)、インパクト満点。聴いていて笑いが止まらないのようなカバーとなっており、木梨憲武らしさが満開となっているユニークなカバーになっています。

逆にちょっとインパクトが薄かったのがBiSHや倖田來未で、それぞれももクロや浜崎あゆみの下位互換になっていた感がありました・・・。湘南乃風もちょっと印象が薄かったな。もっとも、インパクトばかりが強かった木梨憲武の次だったという、構成的に不利だった点も大きな要素だったのですが。

そんな訳でユニークなカバーがたくさんのインパクト満点のトリビュートアルバムだったのですが、ただ、残念だった点もあり、まず参加メンバーが基本的にavex所属のミュージシャンたちが目立ったという点。その結果ともからむのですが、参加したメンバーがちょっと「芸能界」方面に偏りすぎた感が強かったかなぁ、ということが気になりました。そのため、「One Night Carnival」のカバーとして、音楽的な側面を強調するのか、ネタ的な側面を強調するのか、二通りの解釈があるのですが、ネタ的な側面を強調したカバーがほとんどになってしまった点が残念。純粋に音楽的な側面を強調したカバーをしたのがWANIMA、湘南乃風、スカパラだけだったというのは、かなり淋しく感じました。

個人的には、もっと実力派のミュージシャン、バンドたちを呼んで、ネタにこだわらなくても「One Night Carnival」の音楽的な側面でも様々な解釈が可能、という点を聴かせてほしかったな、とは思います。そういう点では若干、片手落ちの感もあるカバーアルバムだった点は否めませんでした。

そんなちょっと残念な部分がありつつも、インパクト満載で素直に楽しめるアルバムであることも事実。参加メンバーそれぞれの個性が印象に残るとともに「One Night Carnival」の魅力をあらためて実感できたカバーアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

フレデリズム3/フレデリック

タイトル通り、これで3枚目のオリジナルフルアルバムとなるロックバンド、フレデリックのニューアルバム。マイナーコード主体のメロディーラインに打ち込みを入れてリズミカルなサウンドはいつも通り。ちょっとニューウェーヴや80年代風、ディスコなどの要素を加えつつ、全面的に、これぞフレデリックだ、という楽曲を聴かせてくれます。インパクトあるメロで中毒性は高いのですが、ただ一方、正直、似たような曲が多いというのがマイナスポイントで・・・売上的には若干下降気味なのですが、この点が大きな要因のような。

評価:★★★★

フレデリック 過去の作品
フレデリズム
TOGENKYO
フレデリズム2
ASOVIVA
ANSWER(フレデリック×須田景凪

angles/My Hair is Bad

3ピースバンドMy Hair is Badの、フルアルバムとしては5枚目となるアルバム。以前から、具体的かつドラマ性ある歌詞が魅力的で、今回のアルバムでも、特に禁断の愛を切なく描いた「綾」など、インパクトもある歌詞を聴かせてくれます。ただその反面、メロディーラインやバンドサウンドについては正直、平凡で特徴がなく、ちょっと残念な感じに。まあ、歌詞を聴かせるためには無難な内容にとどめている、と言えないことはないのですが・・・。これでメロディーがカチッとはまれば、かなりの傑作がリリースされる予感もするだけに、今後に期待したいところです。

評価:★★★★

My Hair is Bad 過去の作品
woman's
mothers
hadaka e.p.
boys

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2022年6月 6日 (月)

山中さわおらしさ満載!

Title:Muddy comedy
Musician:山中さわお

ご存じthe pillowsのボーカリスト、山中さわお。2018年のthe pillows30周年以来、the pillowsとしての新作は若干ご無沙汰気味ですが、昨年にはTHE PREDATORSのアルバムもリリース。さらにはこのたび、約1年4か月ぶりとなるソロアルバムもリリースしてきました。the pillowsの方も、ニューアルバムのリリースはないもののライブ活動は積極的に行っており、山中さわおとしてはかなり積極的な活動が目立ちます。

山中さわおのソロアルバムの前作「Nonocular violet」はバンドサウンド色がメインとなっており、いままでのソロアルバムと比べるとthe pillowsに近い色合いの作品となっていました。そして今回のアルバムも、前作と同様、the pillowsとして新作リリースとしては活動休止中ということもあるのでしょうか、前作以上にバンドサウンドが強く、ロック色の強い作品になっていました。

1曲目「タンブルウィード・ストーリー」からして、かなり重いギターサウンドが鳴り響くロックテイストの強いナンバー。タイトルチューンである「Muddy comedy」もヘヴィーなベースラインとテンポよいギターのリズムが印象的な楽曲に仕上がっており、ともすればthe pillows以上にロック色の強い楽曲に。さらに「愛のパラダイス」も同じように分厚いバンドサウンドが前に押し出されている作風になっています。ともすればthe pillows以上にヘヴィーで分厚いバンドサウンドを前に押し出した作風になっており、the pillows山中さわおによりロックな側面を求めているとしたら、かなり壺にはまるアルバムだったのではないでしょうか。

歌詞の世界についても、the pillowsと同じベクトルを向きながらも、ともすればthe pillows以上に山中さわおの世界観が押し進められたアルバムになっていたように感じます。まず印象的なのがタイトルチューンの「Muddy comedy」。

「現世はもう捨てた 生まれ変わりたいんだ
ラストシーンはキミと見つめ合ってるかな
人類は限界 早く滅ぼしてよ
次回作でもきっとキミと出会うだろう」
(「Muddy comedy」より 作詞 山中さわお)

と、この虚無的な世界観の中で、「キミとボク」だけの世界を追及する方向性は、まさに山中さわお節といった感じ。また「愛のパラダイス」の

「悪人は存在しない
親切な人しかいない
疑わしい裏なんてない
人生にリスクなどない」
(「愛のパラダイス」より 作詞 山中さわお)

なんていう、逆説めいたアイロニックな歌詞も、山中さわおらしくて最高です。

そんな中でも特に歌詞で印象的だったのが「その世界はキミのものだ」で、物語の世界に没頭する少年に対して

「心の中に拡がるキミだけの世界を
キミだけの自由を手放さなくていい
折り合わなくていいんだよ
誰かが何か言ってくる 正しさを説いてくる
キミの好きな物語を疑わなくていい
それはキミの世界だろ」
(「その世界はキミのものだ」より 作詞 山中さわお)

なんていうメッセージは、特に本好き、物語好きで、そういう物語に救われた経験のある人ならば、非常に共感でき、そしてうれしくなるメッセージではないでしょうか。

正直なところ、このサウンドと歌詞だったら、the pillowsのイメージの範囲内ですし、むしろthe pillowsとして演ってほしかったなぁ、ということを思わないことはありません。その点はちょっと気になってしまうのですが、ただ、それを差し引いても、山中さわおの演りたいことを演りたいだけ聴かせてくれた傑作アルバムに間違いありませんし、個人的には今年の年間ベストクラスの傑作だったと思います。ただ、次はそろそろthe pillowsの新作を聴きたいなぁ、とも思ったりもして。ともかく、山中さわおらしさ満載の1枚でした。

評価:★★★★★

山中さわお 過去の作品
DISCHARGE
退屈な男
破壊的イノヴェーション
Nonocular violet


ほかに聴いたアルバム

Honey&Darling/KANA-BOON

途中、ベスト盤のリリースはあったものの、約4年半ぶりと久しぶりとなったKANA-BOONのニューアルバム。ただ、この4年半の間に、ベースの飯田祐馬の失踪騒動とその後の脱退、ボーカル谷口鮪の体調不良による活動休止と様々なトラブルが生じました。その影響でしょうか、メジャーデビュー以降、すべてのフルアルバムをベスト10入りさせてきた彼らですが、本作はビルボードチャートもオリコンも最高位29位と少々厳しい結果となっています。ただ、作品としては決して失速した感はなく、軽快でポップなギターロックが楽しめる作品になっており、むしろバンドとしては様々な騒動を乗り越えて、落ち着いた影響でしょうか、本作を聴く限りでは状況は悪くないように感じます。これだけの作品を作れれば、また人気を取り戻すことは十分可能かと。まだまだ、これからの活躍も期待できそうな1枚でした。

評価:★★★★

KANA-BOON 過去の作品
DOPPEL
TIME
Origin
NAMiDA
KBB vol.1
アスター
KBB vol.2
ネリネ
KANA-BOON THE BEST

THE CAN/KICK THE CAN CREW

2017年にデビュー20周年を機に活動を再開したKICK THE CAN CREW。ただ、約14年ぶりとなるアルバム「KICK!」以降、アルバムのリリースがなかったため、また事実上の活動休止か?と思っていました。ただ、今年に入り新曲「Boots」が配信リリース。さらに実に約4年半ぶりとなるアルバムである本作がリリースされました。

3人を模した缶のジャケットも印象的な本作。全体的にはメランコリックなトラックや、それに伴ってメロディーを聴かせる楽曲が多く、ちょっと大人しい印象も受けるアルバム。ただ「YEAH!アガってこうぜ」のようなファンキーなトラックや、「今こそ寄ってこい」のようなRYO the SKYWALKERSやNG HEADを迎えたマイクリレーを聴かせるアルバムなど、しっかりインパクトを持って締める部分はしめており、いい意味でベテランらしい安定感のある良作に仕上がっていました。KREVAとしての積極的な活動は続いているのですが、KICKとしても、もうちょっと積極的に新曲を聴きたいなぁ。

評価:★★★★★

KICK THE CAN CREW 過去の作品
KICK!

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2022年6月 5日 (日)

ノスタルジックさを感じさせる久々の新譜

Title:Shuttle Loop
Musician:サイプレス上野とロベルト吉野

サイプレス上野とロベルト吉野、通称「サ上とロ吉」。デビューアルバムから既に15年を経過している中堅のHIP HOPユニットですが、意外なことにメジャーデビュー後はこれが2作目のアルバムとなります。また、オリジナルアルバムとしても約3年半ぶりとなるニューアルバム。途中、コラボ作のみを集めた企画盤「サ上とロ吉と」がリリースされていますが、純然たるオリジナルアルバムとしては少々久しぶりの作品となりました。

そんな彼らのニューアルバムですが、彼らの旧知のミュージシャンたちが数多く参加しています。「RAW LIFE」では鎮座DOPENESSとSTUTS、「MONEY」では漢 a.k.a. GAMI、「万華鏡」ではTARO SOUL、KEN THE 390といった昔からの仲間たちが、このアルバムには多く参加しています。このように昔ながらの仲間たちと作ったアルバムだからでしょうか、今回のアルバムは特にノスタルジックな雰囲気があふれるアルバムになっていたように感じます。

もともとサ上とロ吉といえば、横浜出身、それも「ドリームランド」出身であることを強調したユニットでした。もちろんHIP HOPの分野では、自らの出身地を強調したラッパーは数多くいます。そんな中でも彼らは特に、自分たちの出自を強調するラップを、いままで多くリリースしてきました。

そんな中でも今回は、例えば「おもしろおかしく」では昔の仲間との思い出をつづり、「RAW LIFE」でもいままでの彼らの活動を振り返るような内容になっており、「STANCE」もあらためてB-BOYとしてのスタイルをつらぬいた今までの歩みを振り返る内容になっています。特に特徴的だったのが「少年イン・ザ・DRM」で、タイトルそのまま、彼らの少年時代を振り返っているような内容のリリック。ノスタルジックな要素の多い今回のアルバムの中心的な作品となっています。

サウンド的にもバリエーションもあり、ミクスチャーロックなタイトルチューン「Shuttle Loop」からスタートし、ホーンやピアノを入れて暖かい雰囲気のトラックとなった「MONEY」、エキゾチックなトラックの「万華鏡」など、いい意味でこだわりのないバラエティー富んだトラックの音楽性は彼らならでは、最後まで飽きることなく楽しむことが出来ます。

ただ、そういった聴きどころが多い中でも今回のアルバム、ノスタルジックな要素が先に立ったからでしょうか、全体的に若干薄味で、インパクトが弱かったような印象があります。彼らのいままでのアルバムは、聴き終わった後、内容が強烈に印象に残る作品が多いのですが、今回のアルバムに関しては、聴き終わった後、正直なところ、これといった印象が残りませんでした・・・。良作だとは思うのですが、いままでの彼らの作品に比べると、ちょっと惜しさを感じてしまう作品。過去を振り返りすぎているのかなぁ・・・。

評価:★★★★

サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL
YOKOHAMA LAUGHTER
サ上とロ吉のINMIX~non stop rental~
MUSIC EXPRES$
TIC TAC
ザ、ベストテン 10th Anniversary Best(紅)
ザ、ベストテン 10th Anniversary Best(白)

コンドル
大海賊
ドリーム銀河
サ上とロ吉と


ほかに聴いたアルバム

Get Set/Awesome City Club

昨年、「勿忘」が大ヒットを記録。年末の紅白歌合戦に初出場を果たすなど、一躍知名度が高まったAwesome City Club。その「勿忘」も含む前作「Grower」からわずか1年超のインターバルでのリリース。バンドとして勢いがある・・・と見えるかもしれませんが、「勿忘」のヒットで注目が集まるうちに新たなアルバムをリリースしておこうという意図も見え隠れします。

というのも、率直に言って、本作はバンドとしての勢いをさほど感じられません。音楽的なバリエーションも増して、「勿忘」のヒットの余波を借りたような勢いも感じた前作に比べると、Awesomeらしさは健在ながらも、全体的にメランコリックなメロディーラインが目立ち、正直、ちょっと似たようなタイプの曲が並んでしまった本作は、前々作までの彼らの弱点であり、前作で克服したように見えたバリエーションの乏しさが戻ってしまった感はあります。1曲1曲については、男女ツインボーカルを上手くいかしたポップスが魅力的なのですが、全体的には前作には至らなかったかな、とも感じてしまった本作。売上的にも紅白出演後の作品にも関わらず、いまひとつ伸び悩んでいるのは、そういう点が理由なのかも?悪い作品ではないのですが、ちょっと残念にも感じた1枚でした。

評価:★★★★

Awesome City Club 過去の作品
Awesome City Club BEST
Torso
Catch The One
Grow apart
Grower

SIX KICKS ROCK&ROLL/ザ・クロマニヨンズ

15枚目となるザ・クロマニヨンズのニューアルバム。楽曲によってはレトロな要素があったり、メランコリックに聴かせたり、ビートを強調していたり、コミカルな歌詞を聴かせたりとバリエーションを聴かせつつ、基本的にはいつも通りのロックンロールを聴かせてくれます。ザ・クロマニヨンズも15枚目となり、どんどん楽曲のシンプル化も進み、サウンドもエッジが効いた感じも。そんな中、今回のアルバムは若干、ギターがより前面に押し出されていた印象も受けました。今回も安定の傑作。

評価:★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~
GUMBO INFERNO
JUNGLE9
BIMBOROLL
ラッキー&ヘブン
レインボーサンダー
PUNCH
ザ・クロマニヨンズ ツアー PUNCH 2019-2020
MUD SHAKES

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2022年5月29日 (日)

アジカンらしさを感じるロックアルバム

Title:プラネットフォークス
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

結成25周年を迎えるASIAN KUNG-FU GENERATIONのニューアルバム。先日紹介したCoccoもデビュー25周年でしたので、あらためて月日が経つのは早いな、ということを感じます。もっとも、彼らの場合、メジャーデビューは2003年になるので、結成からメジャーデビューまではまだもうちょっと月日を要するのですが・・・とはいえ、来年でメジャーデビュー20周年になるのか・・・本当に月日が経つのは早いな・・・。

そんな彼らの今回のアルバムの特徴としては、様々なミュージシャンが参加している点があげられます。1曲目「You To You」ではROTH BART BARONが参加しているほか、「星の夜、ひかりの街」ではラッパーのRachelとOMSBが参加。「触れたい 確かめたい」では人気上昇中のバンド、羊文学のボーカリスト、塩塚モエカが参加しています。余談ですが、先日紹介したCoccoの25周年記念アルバムも、同じような様々なゲスト陣の参加が特徴的でした。25年というベテランの領域となり、一区切りとなるタイミングにおいて、ゲストミュージシャンによって自らの楽曲に新たな「血」を取り込みたい、という発想でしょうか。特にアジカンの場合は、参加したミュージシャンはいずれも彼らに比べるとキャリアが若いミュージシャンばかりで、新たな血の導入という発想が多いのかもしれません。

さて、アジカンといえば、分厚いギターサウンドと、そこに流れるポップなメロディーが心地よいパワーポップバンド。聴いていて難しいこと抜きとしてロックの気持ちよさ、聴き終わって「ロックを聴いたな」という満足感を覚える点が、彼らの大きな魅力だと思います。前々作「Wonder Future」は、まさにそんなロックの気持ちよさを感じさせる作品であった反面、前作「ホームタウン」は比較的、ポップな方向にシフトした作品となっていました。そしてそれに続く本作は、このロックの気持ちよさ、具体的に言えば特に前半に関しては聴いていて「ロックを聴いたな」という満足感を強く覚える作品となっていました。

この前半は、分厚いバンドサウンドにメランコリックさも感じるメロディアスなメロディーラインという、アジカンの王道を行くようなパワーポップ路線の曲が並びます。1曲目「You To You」もそうですし、続く「解放区」もそうですし、ヘヴィーで疾走感あるバンドサウンドに心地よさを感じる「Dororo」、ミディアムテンポでゆっくり歌い上げる「ダイアローグ」と、特に前半に関しては先行シングル曲が多いこともあってか、インパクトの強い曲の、いかにもアジカンらしい楽曲が並びます。

個人的にはそれらの曲に続く「De Arriba」の出だしのギターリフが、いかにも往年のシューゲイザーっぽくて壺。この前半は、分厚いバンドサウンドに心地よく身をゆだねることが出来る、いかにもアジカンらしい満足感を味わえるパワーポップナンバーが並びます。

一方、後半に関しては、前半からはちょっと路線を変えた曲調の作品が並びます。「星の夜、ひかりの街」は郷愁感のあるサウンドとメロディーライン、そして歌詞が印象的。ちょっと気だるい感じのラップも楽曲にピッタリとマッチしています。「触れたい 確かめたい」も塩塚モエカとのデゥオがピッタリはまっている、切なくメロディアスなミディアムチューン。「Gimme Hope」も分厚いバンドサウンドながらもミディアムテンポに聴かせる曲となっています。

ただ後半も、このような曲をインパクトとしつつも、「再見」のような王道パワーポップチューンをしっかりと聴かせてくれており、最後までアジカンらしさは健在。ラストの「Be Alright」はミディアムチューンでスケール感を覚えるナンバーに仕上がっているのですが、この曲もしっかりとバンドサウンドが下支えしており、最後の最後までアジカンらしいロックを楽しめるアルバムになっていました。

最後までしっかりアジカンらしさを感じさせるロックアルバムだった本作。いい意味で彼ららしい、聴いていて素直にパワーポップを楽しむことが出来る、彼ららしい作品に仕上がっていたと思います。結成25年とすっかりベテランの域に到達した彼らですが、まだまだバンドとしての勢いすら感じさせる作品。これからの彼らも楽しみです。

評価:★★★★★

ASIAN KUNG-FU GENERATION 過去の作品
ワールドワールドワールド
未だ見ぬ明日に
サーフ ブンガク カマクラ
マジックディスク
BEST HIT AKG
ランドマーク
THE RECORDING at NHK CR-509 STUDIO
フィードバックファイル2
Wonder Future
ソルファ(2016)
BEST HIT AKG 2(2012~2018)
BEST HIT AKG Official Bootleg "HONE"
BEST HIT AKG Official Bootleg "IMO"

ホームタウン


ほかに聴いたアルバム

LAST TOUR AROUND JAPAN YUTAKA OZAKI/尾崎豊

1992年にわずか26歳という若さで急逝したシンガーソングライター尾崎豊。思春期の心境をストレートに描いた歌詞が多くのファンを呼び、特に死後もカリスマ的な人気を維持。その影響もあり、死後も数多くの「作品」がリリースされ、いわゆる追悼商法の代表格として賛否を受けました。さすがに逝去後30年を経ると、そのような追悼商法も少なくなってきたものの、久しぶりに「新作」がリリースされてきました。それが、生前最後のツアー音源を収録した、このライブアルバム。さすがにこの手の音源は、2013年にリリースされたベスト盤以来なのでちょっと久しぶりという感じもありますし、同時にラストツアーなんていう、もっとも商売になりそうな音源をいままでとっておいたのが不思議にも感じます。

ただ音源的には賛否あるようで、特にかなり癖の強い歌い方をする音源が収録されており、ファンの間でも違和感を覚える人も少なくない模様。もっとも、途中に収録されているMCとの関係や、あるいはいかにも命を絞り出しているように感じさせる、少々苦しさすら感じさせるボーカルスタイルが、これが最後というリスナーのイメージを増幅させ、まあ、あえてこういう音源をピックアップしたんだろうなぁ、ということを強く感じます。とりあえず貴重な音源ということで、チェックしておきたい作品であることは間違いないでしょう。でも、さすがにそろそろ尾崎豊関連の商品も品切れ・・・かなぁ?

評価:★★★★

10th Anniversary Best/家入レオ

タイトル通り、家入レオのデビュー10周年を記念したベストアルバム。ちなみに5周年の時にもベストアルバムをリリースしており、今回収録されているのは、その前回のベスト盤から本作までの間にリリースされた曲をまとめたもの。もともとメランコリックなメロディーが特徴的でしたが、初期の作品に比べて、ここ5年の作品は、この哀愁感がより増した感じがあり、歌謡曲テイストが強くなった感も。このままいくと、10年後くらいにはムード歌謡曲のシンガーになりそう・・・。ちなみに初回盤は、最初の5年にリリースした作品をセルフカバーしたCDか、ミュージックビデオ集がついてきます。よくありがちな手法とはいえ、熱心なファンは2枚買いをしなければいけないという少々、阿漕な手法に。今回はセルフカバーを聴いたのですが、初期の作品と比べると、やはりここ5年の作品は少々パワー不足な感も。ただ、デビューから5年でアルバム4枚リリースしているのに対して、その後5年では(1枚はカバーアルバムなので)実質アルバム2枚からのセレクトだったという差があるので、ベスト盤リリースはちょっと早すぎたかも。

評価:★★★★

家入レオ 過去の作品
LEO
a boy
20
WE
5th Anniversary Best
TIME
DUO
Answer

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