ライブレポート2021年

2021年12月30日 (木)

2021年ライブまとめ

早いもので、今年もあと2日。恒例となるライブまとめです。

1/1(金) 町あかりの笑門来福2021(オンライン)
5/4(火) THE MATSURI SESSION(日比谷野外音楽堂(オンライン)
6/25(金) マキシマム ザ ホルモン - 全席・顔面指定席ライブ「面面面~フメツノフェイス~」(オンライン)
6/26(土) 電気グルーヴ ON THE STAGE~恐怖!!町のブタイ~(Zepp Haneda(オンライン))
7/19(月) the pillows RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.3「このツアー、まだ1公演もチケット買えてない人を先ずは優先!皆んなの良心を信じてるぞぉーとメンバーが言ってますライブ! もし余ったら手のひら返して話は変わるでSHOW!」(ボトムライン)
9/8(水) ストリーム with:環ROY, 角銅真実(オンライン)
10/2(土) 京都音楽博覧会2021(立命館大学 以学館/学生会館(オンライン))
10/9(土) TM NETWORK How Do You Crash It?one(オンライン)
10/23(土) PETER BARAKAN'S LIVE MAGIC! 2020 Online(晴れたら空に豆まいて(オンライン))
11/2(火) 折坂悠太 心理ツアー 愛知公演(名古屋市芸術創造センター)
11/20(土) METAFIVE"METALIVE 2021"(KT Zepp Yokohama(オンライン))
12/11(土) TM NETWORK How Do You Crash It?two(オンライン)
12/17(金) オーキートーキーvol.4(名古屋ダイアモンドホール)

まだコロナ禍が続く現状ですが、今年はようやく、1年以上ぶりに生ライブに足を運ぶことが出来ました!!それであらためて思うのですが、やはりライブは最高!!!まだコロナ禍が続いており、さらに年末にかけて再び感染者数が増加してくるなど、終わりが見えていない状況ですが、来年もそんな中、感染には十分気を付けつつ、なんとかライブに足を運びたいところなのですが・・・・・・。一方、オンラインに関しては相変わらず盛況な状況。ただ、昨年もここで書いた通り、やはり本来のライブに比べると、つまらない・・・という事実は変わりなく、今年はなんとか見てみたい、というオンラインライブに厳選して参加していました。

そんな中でのベスト3です。

3位 電気グルーヴ@電気グルーヴON THE STAGE~恐怖!!町のブタイ~

ベスト3の中では唯一のオンラインライブ。オンラインライブというよりも、映像作品として非常に意識したような映像構成となっており、非常に惹きつけられるステージでした。普通のライブとオンラインライブは「別物」と考えた上で、しっかりとオンラインライブならではのパフォーマンスを見せてくれた感のあるステージで、さすが電気グルーヴ・・・と強く感じるステージでした。これ、DVDなどでリリースされたら買いたいかも。

2位 the pillows@RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.3「このツアー、まだ1公演もチケット買えてない人を先ずは優先!皆んなの良心を信じてるぞぉーとメンバーが言ってますライブ! もし余ったら手のひら返して話は変わるでSHOW!」

コロナ禍以降、はじめて足を運んだ「生ライブ」。そしてやはりライブはいい!!と強く感じ、大満足で帰ってきたステージでした。ライブでは一切声を出せず、また、客数を減らしたため、満員には程遠い会場でしたが(まあ、見やすいといえば見やすかったのですが)、心の中で大歓声をあげながら楽しめたステージでした。もちろん、純粋にthe pillowsらしく大満足のパフォーマンス。「Smile」「Thank you,my twilight」からの全曲ライブということで懐かしい楽曲の連続で、とても楽しめたステージでした。

1位 折坂悠太@心理ツアー 愛知公演

コロナ禍後、2度目となる生ライブ。最新アルバム「心理」が素晴らしかったため足を運んだのですが、正直、ライブ自体にはそれほど高い期待は寄せていなかった・・・のですが、これが予想外に素晴らしいステージにビックリ。しっかりと歌を聴かせる曲もあれば、バンドサウンドを聴かせる曲もあったり、さらには実験的なパフォーマンスもあったりとバリエーション豊富なステージ。コロナ禍で観客が声を出せない状況なのですが、その状況が逆に会場に一種の緊迫感を作り出しており、最初から最後まで目を離せないパフォーマンスでした。コロナ禍で生ライブが3本しか行っていないだけに、やはり生ライブの方が順位が上に来てしまうのですが、通常の年であっても、おそらく年間ベスト3には余裕でランクインしてきそうな素晴らしいパフォーマンス。ミュージシャンとしての実力をあらためて実感できたライブでした。

来年はどれだけ生ライブに足を運べるのか、まだ不透明なのですが、1日も早く、以前のように満員の会場で大声をあげて心置きなくライブを楽しめるようになりますように・・・。

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2021年12月19日 (日)

ユニークな2バンドの共演

オーキートーキー vol.4

ネクライトーキー/POLYSICS

会場 名古屋ダイアモンドホール 日時 2021年12月17日(金)19:00~

今年3度目のライブに足を運んできました!今年のライブ納めとなるステージは、ネクライトーキー主催のライブイベント。ネクライトーキーは、今年、アルバム「FREAK」ではじめて彼女たちの曲を聴いたのですが、底抜けにポップなメロにはまってしまい、今回、対バンがPOLYSICSということもあり、足を運びました。

コロナ禍ということで会場は椅子がセットされているスタイルで、観客数は満員時の半分程度。会場に入った時にはPOLYSICSのライブがちょうどスタートしたところでした。いきなり「Digital Coffee」からスタート。さらに「YOUNG OH!OH!」などの代表曲で盛り上がります。彼らのステージを見るのは2018年のワンマン以来、約3年ぶり。ベテランバンドらしい安定感もありつつ、一方ではベテランになっても衰えることのない力強い演奏を披露。バンドとしての底力も感じさせてくれました。

ちなみにコロナ禍の中のステージということで、観客は声出し禁止という状況の中でのパフォーマンス。おなじみの「トイス!」のあいさつも登場したのですが、声出し禁止ということで、観客が「トイス!」と叫ぶ声をサンプリングした音声を流して盛り上げていました。

その後は、今回のライブイベント「オーキートーキー」にちなんで、レア曲でもある「ウォーキートーキー」。さらにはおなじみの「Baby bias」にラストは「Sun Electric」で締めくくりました。この日はネクライトーキー主催のイベントということで、途中のMCでは、はじめてPOLYSICSのライブを見た人、ということで観客に挙手させていたのですが、かなりの割合ははじめてだったみたいで・・・。ただ、そんな中でも会場はかなり盛り上がっており、彼らのライブパフォーマンスの底力を感じさせるステージでした。

来年は結成25周年だそうで、自分がはじめて彼らのライブに行ったのは(過去のデータを調べたら)1999年ですので、もう22年も前になるんですね・・・。しかし、このバンドがそれから20年以上も活動を続けるとは思っていませんでした。ただ、長い間人気を持続させるのも納得のパフォーマンス。また、近いうちにライブに足を運びたいです。

45分程度のPOLYSICSのパフォーマンスからセットチェンジを挟んで待望のネクライトーキーが登場。正直、今回のライブに先駆けて最新アルバム「FREAK」しか聴いてきませんでした。この日のライブはこの「FREAK」のレコ発・・・ではなかったので「FREAK」からの曲がメインではなく、過去の代表曲を披露するような内容。そのため、序盤は知らない曲からのスタートになりました。

もちろん彼女たちのパフォーマンスを見るのは初めてですが、ステージパフォーマンス自体は王道的なギターロックバンドといった感じ。正直、バンドとしての体力はPOLYSICSと比べるとまだまだこれから、といった感もあるのですが、ただ一方底抜けに楽しいポップなメロが魅力的。バンド自体もまだまだ若々しいバンドということもあって、メンバー全体、楽しんでパフォーマンスをしている感が伝わってくるようなステージでした。

まず前半に「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」も披露。これは非常に聴きたかった曲だったので、一緒に思いっきり盛り上がってきました。なにより軽快なリズムがライブで聴くと楽しいナンバー。さらに中盤「許せ!服部」という曲では、曲の途中で急に演奏をやめると、フロントメンバーの3人が後ろを振り返ります。何をしているのかと思うと、振り返るとPOLYSICSのメンバーがしているサングラスをしているではありませんか!(笑)そして、POLYSICSとの対バンということでポリの「Let's ダバダバ」をカバー。ワンフレーズだけだったのですが、ちょっとうれしいサプライズ曲となりました。

後半は「続・かえるくんのぼうけん」から一気にヒートアップし、クライマックスへ。「気になっていく」に、本編ラストは「俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ」へと続きます。ここらへんは最新アルバム「FREAK」の曲で、私にとってもおなじみの曲。一気にテンションも上がっていき、そして本編は幕を下ろしました。

その後はもちろんアンコールへ。時間の都合上か、割とあっさりメンバーが再度ステージ上にあらわれます。アンコールは「音楽が嫌いな女の子」と「遠吠えのサンセット」の2曲。どちらも過去曲で、今回はじめて聴くのですが、アップテンポで盛り上がる、かつポップで楽しいナンバーだったので、思いっきり盛り上がることが出来ました。

アンコール込みで1時間20分程度のステージ。はじめて彼女たちのステージを見て、前述の通り、ロックバンドとしては成長途上の感もあったのですが、とにかくポップなメロが楽しいステージ。アルバムを聴いた予想通り、非常に楽しめたステージでした。いや、個人的にほどよいロックなパフォーマンスととびぬけてポップなメロというスタイル、何気に壺にはまった感が(笑)。アルバムを聴いていても感じたのですが、ライブステージを見ていても「あ、自分、このバンド、壺かも」と感じるライブでした。いやぁ、本当に楽しいステージで満足です。また近いうちに、次はワンマンライブも見てみたいなぁ。もちろんポリも次はワンマンで。とても楽しいライブイベントに満足して家路につきました。

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2021年12月17日 (金)

復活ライブ第2弾!

TM NETWORK How Do You Crash It?two

会場 オンライン 日時 2021年12月11日(土)21:00~

10月、オンラインライブという形でまさかの復活ライブを行ったTM NETWORK。もともとこのライブは第3弾まで予定されていたようで、今回紹介するのはその第2弾となります。今回も21時過ぎに、まずは外国の街角の風景の映像が流れた後、まずは「Fool on the Planet」からスタート。いきなりキネバラからのスタートというのは、ファンとしてはうれしくもちょっと意外なスタートになりました。ステージは円形の白色を基調にしたステージ。3人とも白色の宇宙服のような服を着ているのが印象的。天井からは三角のパーツにわかれた電飾がぶらさがっており、TMらしいスペーシーな雰囲気のステージになっていました。

さらに個人的にも大好きな「Human System」でこれでもかというほどメランコリックなメロをしんみりと聴かせ、さらに「Winter Comes Around」と、これまたキネバラに。続いては「HERE,THERE&EVERYWHERE」と12月らしい冬を感じさせる楽曲が続き、暖かい雰囲気で聴かせるナンバーが続いていきますと冬をテーマとした曲が続いていきます。

その後、インターリュード的な映像に。「分断を打破しなければいけない」という、この3回のライブのテーマのようなメッセージが英語で流れます。再びライブがスタートすると、まずは小室先生だけがステージに登場し、シンセのソロの演奏を披露。インターリュード的なシンセソロを挟み、再びメンバー3人が登場。そして、冬のイメージのミディアムチューンが続いた前半から一転、アップテンポな「Come On Let's Dance」へと進みます。アップテンポなダンスチューンには、やはり聴いていてワクワクさせられます。

続く「LOUD」は2014年の楽曲なので、再結成後の比較的最近のナンバー。さらには懐かしい「Love Train」へ。イントロのリズムパートは原曲そのままなのですが、イントロに流れるメロディーが原曲とはガラリと変わっており、楽曲もよりスペーシーな感じに。

少年が船の中で世界の映像を見つめる短い映像が流れた後、本編ラストは「Beyond The Time」に。これまたメランコリックも暖かい楽曲をしんみり聴かせて約1時間弱のライブは幕を下ろしました。

2回目となったオンラインライブ。今回は12月という時期もあってか、冬をテーマとしたナンバーが目立ちました。さらに全体的にメランコリックに聴かせるタイプの楽曲が多いのも特徴でしょうか。個人的にはキネバラや「Human System」など、懐かしいナンバーが聴けたのは非常にうれしかったです。

前回同様、1時間のステージで5,000円という値段設定は正直ちょっと高めという印象はあるのですが、それでもTM NETWORKはいいなぁ!と感じさせるには十分なステージでした。分断とその打破というテーマ性は、このpart2ではまだいまひとつハッキリとわかりませんでしたが、これも第3弾で新たな展開を迎えるのでしょうか。次は2月に実施を予定しているとか。こちらも是非とも聴いてみたいと思います。とても楽しみです!

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2021年11月27日 (土)

本格的な活動再開か?

METAFIVE"METALIVE 2021"

会場 KT Zepp Yokohama(オンライン) 日時 2021年11月20日(土)20:00~

今回紹介する参加したオンラインライブは、いろんな意味で「話題」のライブと言えるかもしれません。今年7月に開催された東京オリンピック。その開会式の音楽を巡り、コーネリアス小山田圭吾の、過去に行った「いじめ」発言が、大きな問題となりバッシングを受けました。その結果、小山田圭吾の音楽活動は停止を余儀なくされたほか、7月に行われる予定だったMETAFIVEのライブや、さらに8月に予定されていたMETAFIVEのアルバムも発売中止にまで追い込まれました。

今回のライブは、その中止となった7月のMETAFIVEのライブ当日に、ライブが行われる予定だったKT Zepp Yokohamaで行われた無観客ライブの模様を配信されたもの。さらに今回、発売中止となったアルバム「METAATEAM」がついてくる・・・ということもあり、参加してみることにしました。

時間になると、まずはおもむろにメンバーが登場。全員、青色のカッターシャツに紺色のパンツという姿でおそろいで登場。ちなみに高橋幸宏は病気療養中のため、GREAT3の白根賢一がドラムのサポートにはいっていました。まずは、はじめて聴く曲だったのですが、こちらは最新アルバム「METAATEAM」の1曲目「Full Metallisch」、2曲目「The Paramedics」だったようですが、これが予想以上にカッコいい。かなり力強いバンドサウンドで展開されており、彼らが意外に「ロックバンド」としての側面が強いんだな、ということも実感しました。また、アルバムの出来の良さもうかがわせます。

その後は「Musical Chairs」「Maisie's Avenue」「Gravetrippin'」と続くのですが、いずれも軽快なバンドサウンドで聴かせてくれます。特に「Gravetrippin'」では小山田圭吾のギタープレイがかなり前面に押し出されたナンバー。久しぶりに動く彼の姿を画面から見ました。7月ということでバッシング騒動の真っ最中の頃の映像なのですが、この日のプレイはそんな状況を感じさせないアグレッシブなプレイを聴かせてくれます。

続く「Luv U Tokyo」はその小山田圭吾のボーカルからスタート。彼のアップが映し出されるのですが・・・失礼ながら、ちょっと老けたかなぁ・・・とはいえ、思ったよりも元気そうで、ちょっと安心しました。さらに「Albore」「Peach Pie」「Disaster Baby」と続いていきます。特に「Disaster Baby」はかなり迫力ある演奏を聴かせるロックバンド然としたステージに惹きつけられるかと思いきや、続く「Whiteout」では一転、ちょっとジャジーな雰囲気も加味したメロウでエレクトロな楽曲となり、METAFIVEというバンドの音楽性の広さを感じさせる展開となっていました。

「TURN TURN」では再び小山田圭吾のボーカル曲に。彼の弾くギターサウンドにエレクトロのサウンドも重なる、METAFIVEらしさを感じさせるナンバー。同じくギターサウンドが軽快に鳴り響く、ニューウェーブ風な「Don't move」へとつなぎ、ラストは「環境と心理」は小山田圭吾のボーカルを聴かせてくれる曲。最後はメンバーがシルエットで映し出される中、小山田圭吾だけがこちらに深々とお辞儀をしたのが強く印象に残りつつ、ステージは幕を下ろしました。

ライブ自体は1時間強。METAFIVEのライブパフォーマンスについては今回、はじめて見たのですが、予想していた以上に「ロックバンド然」とした感じのステージで、モノトーン的なステージの雰囲気と合わさって、非常にカッコよさを感じさせました。そして、久しぶりに見た動く小山田圭吾には、感じるものもありました。

ライブ後の感想を見ると、小山田圭吾に対して否定的なものは一切なく、あれだけバッシングした人はどこに行ったんだ?という感も強くしました。しばらくはテレビなどでの活動は難しいとは思うのですが、そういう意味ではライブやCD音源などの活動は今後、問題なく行えそうな感じもするのですが・・・このライブ配信を機に、METAFIVEとしても小山田圭吾としても本格的な活動再開を願いたいところ。思った以上にカッコいいパフォーマンスに終始惹きつけられるステージでした。ちなみにCDの方は12月中に送付されるそうで、そちらも非常に楽しみです。

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2021年11月12日 (金)

折坂悠太の様々な音楽性を内包したステージ

折坂悠太 心理ツアー 愛知公演

会場 名古屋市芸術創造センター 日時 2021年11月2日(火)19:00~

Orisakashinri

7月のthe pillows以来、久しぶりとなるライブに足を運んできました。コロナ禍も比較的落ち着き、いろいろと制限はあるもののようやく徐々に再開してきたライブ。ただ、まだその開催は限定的で、仕事の都合も合わせて、なかなか行きたいライブに行ける機会がありませんでした。そんな中、ようやく機会をみつけて足を運んできたのは、最近話題のシンガーソングライター折坂悠太のライブ。直近のアルバム「心理」が年間ベストクラスの傑作アルバムだっただけに、はじめて彼のライブに足を運んできました。

まだ「若手のシンガー」である彼ですが、その音楽性からか、客層は比較的年齢層も高く、落ち着いた層が多かったのが印象的。ただ楽器の並んだだけのステージに、何かのモニュメントがアルミホイルで包まれたような、ちょっと不思議なセットが印象的でした。やがて19時をまわるとまもなくライブがスタート。いきなり冒頭でインストチューン「take 13」からスタートし、その後、最新アルバム「心理」の冒頭、「爆発」、そして独特なセリフの部分も印象的な「心」へと続いていきます。

その後、「名古屋ではいろんな食事などを満喫してちょっとした観光気分」という簡単なMCを挟んで、今度は前作「平成」から「揺れる」、そして「朝顔」へと続きます。ドラマ主題歌にもなった曲なだけに、これだけ早いタイミングで演るのはちょっと意外でした。

その後は「針の穴」や「トーチ」などをバンドサウンドバックにゆっくりと聴かせます。バンドはなんとツインドラムという迫力のあるリズム隊。エレピやサックス奏者、さらにベースはウッドベースと、かなり豪華で分厚い、迫力あるサウンドを聴かせてくれます。かと思えば、「馬市」ではバンドメンバーは去り、彼ひとりだけがアコギをかかえてしんみり聴かせるステージとなりました。

アコギ1本でのステージは「夜学」の冒頭も続きだったのですが、この曲では途中からバンドメンバーが加わり、むしろサイケデリックな雰囲気のある演奏を聴かせてくれます。フォーキーな曲調から一転、大きく雰囲気の異なる展開に魅入ってしまうステージで、間違いなくこの日のハイライトのひとつだったと思います。

そんな演奏を聴かせたかと思えば、続く「鯱」では一転、彼自身がマラカスをもつと、陽気なラテン風の賑やかなステージで会場を楽しませます。さらに「荼毘」ではジャジーな演奏を聴かせたかと思えば、「炎」では今度はギターを置いて、スタンドマイクをバックに力強く、その歌を聴かせます。さらには「星屑」ではハンドマイクで、まさに歌謡ステージのような歌を聴かせるパフォーマンスをみせてくれたりと、アルバムでも感じられた、彼の幅広い音楽性がそのまま反映されたステージパフォーマンスで一瞬たりとも目を離せない、そんなステージをみせてくれました。

その後は再び短いMCへ。続くは韓国のシンガーソングライター、イ・ランとのコラボとなる「윤슬(ユンスル)」だったのですが、このMCで、イ・ランが体調を崩しているという話になりました。「早く元気になってね」という意味を込めて歌い始めたのですが、ちょっと心配です。もちろん、イ・ランのパートは録音でした。そして本編ラストは「春」。ここでは彼がスレイベルを2本もち、この鈴とツインドラムを生かした力強いドラミングで迫力あるパフォーマンスを聴かせてくれました。

ステージは暗転したままアンコールへ。比較的早くメンバーが戻ってきて、今度は前作「平成」の1曲目「坂道」。さらにライブの中でピッタリ「頃合いを見てまた会おう」という歌詞が印象に残る「さびしさ」へ。そしてラストは、やはりアルバム「心理」の最後の曲「鯨」で締めくくり。ラストは会場全体が暗転し、サイケなサウンドを鳴り響かせながら終了。そしてパッとステージが明るくなると、折坂亮太をはじめとしてバンドメンバーが全員消えており、さらにモニュメントにかぶさったアルミホイルも消えて、会場はただ誰もいなくなった楽器が残るのみ・・・という、ちょっと虚無的な空気のある締めくくりとなりました。

ライブはジャスト2時間。コロナ禍になってから2度目のライブだったのですが、やはりライブは楽しい!!そしてこの日のステージは、上でも書いた通り、折坂悠太の様々な音楽性がそのままステージに反映された素晴らしいステージで、ある意味、歌謡曲のように「歌」を聴かせるパフォーマンスもあれば、バンドサウンドにより力強い演奏を聴かせるステージ、ジャジーな演奏や実験的なサウンドを奏でるサイケな演奏まで、実に様々な色を見せたパフォーマンスが魅力的でした。

正直、ライブパフォーマンスの側面ではさほど大きな期待はしていなかったのですが、予想をはるかに超える素晴らしいステージで、終始、ステージから目を離せない、緊張感もあるパフォーマンスが実に見事。あっという間の2時間でした。ライブミュージシャンとしても彼の素晴らしさ、実力を実感できたこの日のステージ。また、彼のライブには是非とも足を運びたいです!

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2021年11月 1日 (月)

充実の3時間半

PETER BARAKAN'S LIVE MAGIC! 2020 Online

会場 晴れたら空に豆まいて(オンライン) 日時 2021年10月23日(土)19:00~

音楽評論家のピーター・バラカンが主宰するライブイベント、LIVE MAGIC!。毎年、ピーター・バラカンのセレクトによる、ジャンルを問わない知る人ぞ知る的な、非常に良質なミュージシャンたちを集めているイベント。このコロナ禍もあって、昨年に引き続きオンラインでの開催となりました。

冒頭にピーター・バラカンの簡単なあいさつがあった後、さっそくスタートしたのはU-zhaan×mabanua。ここでもよく取り上げているタブラ奏者のU-zhaanと、Ovallのドラマーであり、トラックメイカーであるmabanuaとのコラボ演奏。まず別途撮影した演奏になりますが、エレクトロのサウンドにタブラの音色とダイナミックなドラムが重なるスタイル。エレクトロサウンドでテンポよく疾走感のある演奏で、特にU-zhaanのタブラがいつにまして疾走感ある演奏になっているのが印象的でした。

続いてはLarkin Poeという女性2人姉妹によるロックユニット。いつもはバンド編成でのライブだそうですが、今回は自宅で撮った映像を配信ということで、2人のギターだけの演奏ということになりました。かなり力強いブルースロックで、特に1曲目の曲はブルース色も強いナンバー。アコギとスライドギターのペアなのですが、ギターの演奏も力強く、ボーカルもパワフル。特にスライドギターの力強い演奏に惹かれます。全3曲聴かせてくれたのですが、2人だけの、自宅からの演奏とは思えないパワフルな演奏に非常に惹かれる演奏を聴かせてくれました。

3番手はArlen Rothというニューヨークのギターリスト。テレキャスターの名手として知られるギタリストだそうで、まずはテレキャスター一本でブルージーなロックを1曲披露。さらにアコギに持ち替えて、テンポよい演奏を聴かせてくれます。最初の2曲はギターインスト、残り2曲は歌モノで、ラストはローリング・ストーンズも歌った「Done Home Girl」で締めくくり。LIVE MAGIC!らしい、実力派ギタリストの、かなり渋い演奏でした。

次はライブハウスでの生演奏。KOYUKIというソロギタリスト。21歳の大学生だそうですが、フィンガーピッキングの演奏で、かなりテクニカルかつ味のある演奏を聴かせてくれ、若干21歳のかわいらしいルックスからするとかなり意外にも感じられる大人な演奏が耳に残ります。カバーやオリジナルを含めてインスト曲のみで全6曲。哀愁感のある演奏も心地よく、渋い演奏ながらもどこか繊細さも感じさせるのが女性的とも言えるかもしれません。今後が楽しみな新人ギタリストです。

続いては「民謡交換プロジェクト」と題して、民謡クルセイダーズのフレディー塚本率いる別バンド、こでらんに~と、エチオピアのグループMoseb Cultural Music Groupが、それぞれエチオピアと日本の民謡をコラボで歌うという企画。お互い、日本とエチオピアの伝統楽器を用いてリモートでのコラボとなったのですが、これが不思議なことにお互いの楽器がお互いの民謡にもピッタリマッチ。もともとエチオピアの音楽というと、どこか日本の民謡に通じる要素を感じられたのですが、お互いがお互いの民謡を続けて演奏しても全く違和感のない演奏となっていました。日本からは「大漁唄い込み」という民謡が披露されたのですが、こちらもエチオピアの楽器で演奏しても全く違和感ありません。コロナ禍の中ではリモートでの演奏でしたが、コロナ禍が明けたら一緒にライブ演奏を行う予定だそうで、生でのコラボライブも是非見てみたいなぁ。世界がつながっていることを感じられる、非常にユニークな試みでした。

6番手はMajestic Circusというジャムバンド。この日の前日に「LIVE MAGIC!EXTRA」と題して、若干名の観客を入れたスタイルでの前哨戦的なライブイベントが行われたのですが、そこでの演奏の映像が流れました。グレイトフルデッドの曲が得意なバンドで、この日もグレイトフルデッドの曲のカバー。2曲披露してくれたのですが、軽快な演奏が楽しめたステージでした。

続くは同じく「LIVE MAGIC! EXTRA」の演奏から、Mamadou Doumbiaというアフリカはマリのギタリスト。かのサリフ・ケイタのツアーに帯同する形で日本に来日した後、日本に拠点を移して活動を続けているミュージシャンで、どこかで聴いたことが・・・と思ったのですが、2013年のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドで、彼の講演に参加したことがありました。まずはマリの伝統楽器であるコラの演奏。政情不安定なマリの状況を憂いながらも、将来の希望を歌った「希望」という曲を、非常に清涼感あって美しい弦楽器の音色を静かに聴かせてくれます。その後はギターに持ち替えて、ギターインストの曲を披露。マリといえば「砂漠のブルース」のイメージが強いのですが、ブルージーで郷愁感あふれる音色をたっぷりと聴かせてくれます。日本在住なだけに合間のMCは日本語だったのですが、アフリカやエチオピアと日本の弦楽器の共通するようなフレーズについて語ったり、非常に印象的なパフォーマンスを聴かせてくれました。

ここでBarakan's Kitchenと題して、以前のライブでは現場で屋台が出店されていたのですが、その代わりということで、ピーターバラカン自ら「トライフル」というイギリスのデザートを紹介する、ちょっとした料理番組が挟まりました。

続いてはSam Amidonというアメリカ出身ロンドン在住というシンガーソングライター。ロンドンの自宅で演奏した映像が流れました。フォークソングの影響も強いミュージシャンで、まずは家の中にあるバンジョーやギターを紹介した後、そのうちのバンジョーをひとつ取り出し、まずはタジ・マハールから習ったという曲を1曲披露。さらに続く曲は、バンジョー1本の演奏ながらもシャウトを入れつつ、ブルース的な要素も感じられるロッキンな曲。バンジョーのイメージとはちょっと異なる激しい演奏がユニークでした。その後はアコギやバンジョーでフォーキーな曲をしんみり披露。ラストはなんとバイオリンまで登場し、バイオリンの演奏を聴かせてくれました。全6曲、いずれも弦楽器1本のみの演奏だったのですが、バラエティーに富んだパフォーマンスを聴かせてくれた、なかなかユニークなライブでした。

さらに今度はライブハウスから、ギタリスト濱口祐自の生配信でのパフォーマンス。昨年のLive Magic!でもリアルタイムで演奏を聴かせてくれた、このイベントではおなじみのミュージシャンです。関西弁丸出しの、近所のおっちゃんのような軽いMCを繰り広げるのですが、その雰囲気とは全くことなる非常に力強いブルースギターの演奏に、パフォーマンスがはじまるとググっと惹きつけられます。MCも相当長い時間繰り広げるのですが、その軽い雰囲気と、ギターの演奏がはじまるとグッとその場の空気が引き締まる雰囲気のギャップが非常に印象的でした。

そしてラストは民謡クルセイダーズ。こちらも「LIVE MAGIC EXTRA!」からの映像となります。まずは「会津磐梯山」。ホーンセッションも入って軽快なラテン風にスタート。陽気なスタートとなります。そこから一転、続く「木曾節」ではMegの女性ボーカルでしんみりと聴かせ、場をクールダウンさせます。3曲目は「貝殻節」。再びフレディ塚本の伸びやかなボーカルに、ホーンセッションやエレピも入った、ラテン風のリズムに民謡を融合させた軽快な楽曲を聴かせてくれます。さらにラストは「串本節」。本作もホーンセッションに、さらにシンセのサウンドやノイジーなギターのサウンドも入った民謡クルセイダーズらしい独特な解釈がユニークな1曲。軽快なサウンドながら民謡らしい節回しもしっかりと楽しませてくれました。

そんな訳でギッシリ3時間半に及ぶライブイベント。今年もまた、知る人ぞ知る的なミュージシャンが多かったのですが、どれも実力派揃いのセレクションはさすがといった感じ。ボリューム満点の内容でしたが、最後まで一気に楽しめた配信ライブでした。昨年のLive Magic!は、過去のライブ映像の使いまわし的な部分が大きかったのですが、今年はしっかりと事前準備もして貴重なライブ映像ばかり。そういう意味でも充実感あって、とても楽しめたイベントになっていました。ただ、やはり来年こそはオンラインではなく、普通のライブの形で開催してほしいなぁ。そうすると見に行けないでしょうが、でも、いい加減、コロナも終わってほしい・・・・・・来年は何の憂いもなく、普通に観客を入れての開催になるように、心から祈っています。

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2021年10月22日 (金)

復活ライブ第1弾!

TM NETWORK How Do You Crash It?one

会場 オンライン 日時 2021年10月9日(土)21:00~

これはいきなりビックリさせられました!TM NETWORK再始動。ご存じの通り、不倫騒動のため一度は引退を宣言した小室哲哉。その後、大方の予想通り、徐々に音楽活動を再開したのですが、ここに来て、TM NETWORK再始動。正直、このタイミングでの小室哲哉復活については賛否わかれているようですが(というか、TMファン以外だと「否」が多いように思うのですが)、ただ、TM NETWORKのファンとしてはやはり素直にうれしい!という感情が先に立ってしまいます。そんなTM復活第1弾は「How Do You Crash It?」というオンラインライブ。「one」というタイトル通り、今後第3弾まであるそうです。1時間の予定で、1回あたり5,000円弱という価格設定はちょっと高すぎるんじゃない?と思いつつ、TMファンとしては・・・やはり見てしまいますよねぇ・・・。

で、時間通りスタートするのもTM NETWORKらしいのですが、まずステージ上にあの3人が並んでいるだけで、まずは感極まるものがあります。そしてゆっくりと復活の1曲目となったのは「ELECTRIC PROPHET(電気じかけの予言者)」。しんみり聴かせるスタートはちょっと意外ながらも今の彼らにピッタリ来ますし、小室/木根の共作曲というのもうれしいところ。「時を超えてHello Again」という歌詞も復活1曲目としてピッタリ来ます。

さらに続くのは、再結成した後の彼らの代表曲とも言える「I am」へ。さらにこの曲に続くのが、聴きなれない曲と思ったら、今回初披露の新曲「How Crash」だとか。「I am」もそうですが、いい意味で変なひねりのない、しっかりと歌を聴かせるポップスとなっており、次のTMの向かう道を感じさせる曲になっていました。

その後は木根尚登が一人ステージに残り、世界の映像を映したインターリュード的な映像が短く流れると、そのまま「Action」へ。本作は2007年のアルバム「SPEEDWAY」からの曲。これまた再結成後の作品でちょっと意外な選曲。「SPEEDWAY」は彼らにとって原点回帰的な作品でしたが、その1曲目であり、やはり新たな一歩を感じさせる歌詞のこの曲が、今回のライブの選曲としてふさわしいということでしょうか。

続いてウツがギターを片手にゆっくり歌い上げたのは「1/2の助走 (Just For You And Me Now)」。なんとデビューアルバム「RAINBOW RAINBOW」に収録されてきるキネバラという、かなり意外な選曲。さらにここから「Green Days」と、こちらも知る人ぞ知る的な1曲へと続いていきます。

ここまでは比較的レア曲が続いたステージでしたが、ここで相変わらずの超絶長いイントロから、彼らの代表曲「Get Wild」へ!相変わらずイントロだけだと何の曲かわからない・・・。アレンジも原曲からかなりリメイクされているものの、ただ、やはり「Get Wild」がスタートすると興奮してしまいます!さらにこれまた懐かしい「We Love The Earth」へ。テンションがさらに上がります。

そしてここから一転、「Seven Days War」に。こちらも非常に懐かしいナンバーですが、メランコリックなメロディーラインは、今でも聴いていて胸に響いてきます。そして、この曲を最後にライブは終了。予定どおり1時間のステージ。最後は「To Be Continued」の文字が画面に映り、ライブの締めくくりとなりました。

今回の再結成ライブ、賛否があるのは重々承知ですが、それでもやはりTM NETWORKは良い!!そう実感するステージでした。なによりあの3人が同じステージに立ち、ライブを行っているだけで感慨無量。正直言って、宇都宮隆と木根尚登は老けたなぁ・・・(逆に小室哲哉は変わらないなぁ・・・)なんて思ってしまうのですが、一方で宇都宮隆のボーカルは往年とほとんど変わらない声色で、ビックリしてしまいます。今回のステージは、比較的レアな曲がメインながらも最後は「Get Wild」や「Seven Days War」などの代表曲で盛り上がるステージ。1時間で5千円という値段設定はちょっと高いという印象は最後まで変わらなかったのですが、それでも画面に見入ってしまい、最後まで文句なしに楽しめるオンラインライブでした。今後、第2弾、第3弾も予定されているとか。高い高いと思いながらも、一方で楽しみなのも間違いありません。オンラインライブが終わったら、次は是非、生のライブを!まだまだTM NETWORKの活動を楽しめそうです!

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2021年10月15日 (金)

2つの異なるくるり

京都音楽博覧会2021

くるり

会場 立命館大学 以学館/学生会館(オンライン) 日時 2021年10月2日 19:30~

昨年、コロナ禍の中でオンラインでの開催となった、くるり主催のライブイベント、京都音楽博覧会。ただ今回も残念ながらコロナ禍の中、昨年に引き続きオンラインでの開催となりました。昨年は、くるりと岸田繁楽団の2バンド参加という形になったのですが、今年はくるりの単独出演。ただし今回は、会場が彼らの母校であり、くるりが最初に結成された立命館大学。それも2部構成という、ある意味、オンラインでのライブらしい新たな試みとなりました。

まず第1部は立命館大学の中の以学館という建物でのライブ。まず通常のバンド編成に加えて、トランペットやホーン、ピアノ、パーカッション、サックスやビブラフォンなどなどを加えた大所帯でのステージ。まずは最新アルバム「天才の愛」からの曲を披露したのですが、1曲目「I Love You」でいきなり佐藤征史がウッドベースの演奏で登場。ちょっと意表をつかれたスタートとなります。

その後、佐藤征史も通常のエレキベースに持ち替え「潮風のアリア」、さらに分厚いバンドサウンドならではの賑やかな「野球」へと続きます。その後も第1部は「天才の愛」からの曲をアルバムの曲順通りに披露。様々なサウンドを入れた、大所帯のバンドサウンドなのですが、様々な音が絡み合い、見事「天才の愛」の世界を作り出しています。

さらに「less than love」では佐藤征史が再びウッドベースの演奏を披露。ピアノやホーンセッション、フルートも入って、これまたロックというよりはジャズのようなライブ風景が繰り広げられ、くるりの音楽性の幅広さをあらためて感じるステージになっていました。さらに「コトコトことでん」ではゲストの畳野彩加も登場。清涼感ある歌声を聴かせてくれました。ラストはバンドメンバーのハンドクラップからスタートし、賑やかで楽しい「ぷしゅ」で締めくくり。基本的に最初から最後まで「天才の愛」の曲を曲順通りに披露する展開でしたが、最後まで楽しく、しっかりと賑やかなステージで「天才の愛」の世界を再現されたステージになっていました。アルバム1枚をそのままライブで披露するというのも、「京都音楽博覧会」だからこその試みといった感じでしょうか。特別感もあるステージになっていました。

その後、1部と2部の間では、くるりの岸田、佐藤の2人が立命館大学の中を巡りながら、くるり結成当時の話や大学時代の話を懐かしく語り合う映像が流れます。そして、その後、メンバーが学生会館に入っていく映像が流れた後、第2部スタートとなりました。

そうしてスタートした第2部は、第1部とは一転、くるりの2人+ドラム+キーボードというシンプルな編成での「ロック」な側面を押し出したステージ。まずライブでは比較的定番ともいえる「尼崎の魚」からスタート。さらに「窓」「ハローグッバイ」とちょっと懐かしいナンバーが続きます。

「GO BACK TO CHINA」で軽快なリズムを聴かせてくれた後、「花の水鉄砲」へ。アルバム「アンテナ」からの曲なのですが、ちょっとライブでは珍しい選曲のような。ただ、ダイナミックなバンドの演奏に、ロックバンドとしてのくるりを感じさせる曲だっただけに、この日の選曲となったのでしょうか。

その後もインディーズ時代の曲「続きは夢の中」や懐かしい「ランチ」など、バンドくるりの形式にマッチした比較的レアな曲も含む構成が続きます。レアな曲も含む自由な選曲なのは、京都音楽博覧会ならでは、といった感じでしょうか。それとも、その場でのファンの対応に頼らなくてもよいオンラインイベントならではの自由な選曲とも言えるのでしょうか。

ステージは至ってシンプルな演奏の曲が続きます。後半では「ハイウェイ」や「東京」のような、彼らの代表曲とも言える曲も登場。そしてラストは「宿はなし」へ。彼ららしいメランコリックなメロディーラインをシンプルなバンドサウンドで力強く聴かせます。

ライブ本編はこれで終了。最後は参加したバンドメンバーの簡単なインタビューがあり、終了。全2時間程度のオンラインライブが終了しました。

2年連続のオンラインでの開催となった京都音楽博覧会。2部構成となった今回の京都音楽博覧会では、大勢のメンバーでのライブとシンプルなロック色が強いステージと、2つの異なるくるりの側面が楽しめるステージに。オンラインならではの試みといったステージになっていました。これで2年連続楽しめることとなった京都音楽博覧会。ただ、来年はやはりオンラインではなく、通常のライブスタイルでの開催を望みたいところ。そうなったら足を運べるかどうかは不明なのですが・・・。

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2021年9月12日 (日)

フリースタイルのパフォーマンス

ストリーム with:環ROY, 角銅真実

会場 オンライン 日時 2021年9月8日(水)20:00~

今年に入り、以前に比べて積極的には参加することが少なくなったオンラインライブ。ただ今回は、リアルタイムで見ることが出来て、かつフリーライブ。角銅真実は注目しているミュージシャンながらも、まだライブを見たことがない、ということもあり、久しぶりにストリーミングライブを見てみることにしました。今回は環ROYが8月にリリースした作品「憧れ(角銅真実 Remix)」に、角銅真実がリミックスで参加したことから実現したライブだそうです。

今回のライブはほぼ8時ピッタリにスタート。どこかスタジオからの配信となりました。最初は機材のセッティング。机の上になぜか梨が置いてあったり、また点滴のような装置から水が垂れ落ち、下のアルミの容器にあたり音が出る不思議な装置がセッティングされました。その後、環ROYが発声練習したり、角銅真実が楽器の試し弾きをしつつ、まずはライブの準備の風景が映し出されました。

ただ、そのリハーサルのような状況から、徐々に環ROYが言葉を紡ぎだし、角銅真実も静かにエレピを引き出し、気が付いたらライブがスタートしていました。最初は環ROYのフリースタイルのラップと、角銅真実の自由に奏でるピアノやギターが絶妙に組み合わさり、即興性の高いパフォーマンスを披露してくれます。

そんな即興性高いパフォーマンスから、気が付くと、2人の会話に突入していたりするのが非常にユニーク。2人とも自由にラップとエレピ+ハミングを奏でながらも、2人が音楽を通じて会話しているような不思議な空間が繰り広げられます。環ROYが「全然曲やらないな、と思っているでしょ(笑)」なんて話をしつつ、フリースタイルなパフォーマンスが続いていきます。

ようやく30分近くが経過して1曲目スタート。テンポよい環ROYのラップと、清涼感ある角銅真実のエレピ+コーラスのみのスタイルが不思議な雰囲気を作り出します・・・といっても、そこまでのフリースタイルなパフォーマンスとあまり変わりはなかったのですが(笑)。

そんな中、角銅真実の「Lullaby」へ。リズムマシーンとギターのみの静かな演奏の中で聴かせます。途中、原曲とは異なる環ROYのラップが重なる楽曲に。微妙に環ROYのラップが楽曲にマッチしていて自然に溶け込んでいるのがユニークでした。

さらに今度は環ROYの「憧れ」へ。今回のライブの元となったコラボを披露。こちらは環ROYのラップをメインにしつつ、角銅真実の美しいピアノとコーラスが楽曲に独特の清涼感が加わります。こちらもついつい聴き入ってしまう、絶妙なコラボとなっていました。

そんな2人の曲を演奏し、ライブは終了。約1時間弱のライブパフォーマンスでした。フリースタイルの演奏やラップの中に2人の会話も絡むという自由なステージ。最初、2人のコラボ曲は1曲しかなくて、どのようなパフォーマンスになるのか不安半分、期待半分だったのですが、予想以上のユニークなライブとなりました。

基本的に2人ともゆるいフリースタイルなラップ&演奏ながらも、そのラップと演奏が絶妙に絡み合い、かつ、微妙な緊張感も間に流れている空気感に、ちょっとドキドキもさせられるステージ。予想以上に楽しい1時間でした。まあ、こういうスタジオライブでの自由なパフォーマンス風景をそのまま流せるというのは、配信ライブならではといった感じでしょう。この2人のコラボ、何気に相性もいいみたいですので、これからも是非、継続的に続けてほしいなぁ。

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2021年7月30日 (金)

本当に久しぶりのライブ!!!

the pillows  RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.3「このツアー、まだ1公演もチケット買えてない人を先ずは優先!皆んなの良心を信じてるぞぉーとメンバーが言ってますライブ! もし余ったら手のひら返して話は変わるでSHOW!」

会場 ボトムライン 日時 2021年7月19日(月)19:00~

Img_02082020年、世界を襲った新型コロナウイルスのパンデミック。その影響は今なお続いています。特にライブにおいては、多くの人が一か所に集合することもあり、新型コロナ発生当初はクラスターの発生源ともなり、軒並み中止に追い込まれました。ただ、その後、コロナ禍の中でもライブを開催するガイドラインなどが制定されるなど、徐々にライブが復活。現在も、状況により一部ライブが中止になるなどの影響はあるものの、開催されるライブも増え、徐々に戻りつつあります。

そんな中、私は2020年中はずっと配信ライブでの参加となっていたのですが、本当に久しぶりとなる、ライブハウスでのライブに参戦してきました!the pillowsのワンマンライブ。ライブとしては、実におととしの12月のレキシのライブ以来となります。ガッチリと二重マスクで身を固め、おそるおそるながらも(?)会場に足を運びました。

この日はボトムラインながらも、ガイドライン上、定員の半分しか入れられないという制約もあり、この日は椅子席でのライブ。自由席でギリギリの会場入りだったのでほぼ最後列だったのですが、ステージ真正面という比較的よい場所を確保し、ライブを待ちます。ちょっと意外なことにドリンクは通常通りの販売で、もちろんビールを注文しました。

ライブはほぼ定時通りにスタート。全員がマスクをする中、普段よりも少な目とはいえ歓声もあがり、メンバーの登場となりました。さて、この日のライブ、2001年にリリースされたアルバム「Smile」、そして翌年にリリースされた「Thank you,my twilight」からの全曲ライブという企画。どちらももう20年近く前にリリースされたかなり懐かしいアルバム。最近のライブではあまり披露されていない曲も多いだけに、非常に楽しみにしていました。そのため、1曲目はまずは「Smile」の1曲目「Good morning good news」からスタート。さらに「WAITING AT THE BUSSTOP」「FUN FUN FUN OK!」「WINNING COME BACK!」とアルバムの中でもアップテンポなナンバーが続きます。さすがにコロナ禍の中でのライブということもあり、一緒に歌う人はいませんでしたが、心の中では思いっきり彼らの曲を口ずさみつつ、手を振り上げながら盛り上がります。

前半はほぼMCなしで、一気にどんどんと曲を進めていきます。「Skim heaven」に、レア曲という「Monster C.C」へ。「Vain don(in rain drop」へと続き、インスト曲「THUNDER WHALES PICNIC」もしっかり披露。そしてアルバムの最終曲である「Calvero」へ。ここではフロントの3人、山中さわお、真鍋吉明、そしてサポートの有江嘉典の3人がギターを縦持ちしてユニークに演奏していました。

その後はようやく長めのMCに。この「Smile」ではなぜか、まだ今から考えると若かったにも関わらず、終わりを意識したような曲が多かったそうです。それから20年、当時思っていたよりもずっと若々しかったという話をしつつ、今の自分たちの方が歌詞の内容がよりマッチしている、という「日々のうた」へと続きました。

「Smile」からの曲の終盤はタイトルチューン「Smile」に、今や彼らの代表曲の1つとなった「この世の果てまで」を歌い上げ、ここでも大歓声が。そして、「Smile」からの曲は全曲終了となります。

そして後半戦は「Thank you,my twilight」からのナンバー。まずはアルバムの曲順に「RAIN BRAIN」「ビスケットハンマー」「Rookie Jet」と続きます。さらに簡単なMCで「今までライブとかであまり演らなかったけど、今回、演ってみて、実は人気曲だったんじゃないかと思った」というダンスチューン「My Beautiful Sun(Irene)」へ。こういう新たな気づきがあるところが、この手の「アルバム全曲ライブ」のおもしろいところですね。確かに彼らの曲の中では決して有名ではない曲ながらも、軽快なダンスナンバーでライブでも盛り上がりやすい曲。この日もみんな踊りつつ、かなり盛り上がっていました。

「Come on,ghost」「ROBOTMAN」「ウィノナ」と続き、再びMCへ。ここではメンバーそれぞれのコーナーに。真鍋さんが山中さわおにいじられていたり、意外と、というか有江嘉典のMCがかなり真面目だったり、佐藤シンイチロウは相変わらずな感じだったりと(笑)賑やかなMCの後はシングル曲「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」「バビロン 天使の詩」へと続いていきます。

そして終盤は「Thank you,my twilight」を歌い上げ、そして本編ラストは「Ritalin202」へ。アルバム屈指の疾走感あるライブ向けのギターロックで、会場は大盛り上がり。最高潮のテンションの中、本編終了となりました。

ただ、アンコールは比較的短めでメンバーは再登場。アンコールではこれまたレア曲「そんな風にすごしたい」へ。アルバム未収録ながらも、シングル「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」のカップリング曲ですので、今回の選曲になったんでしょうね。この1曲で再びメンバーはステージを去ります。もっとも、すぐに山中さわおはステージに再登場。MCではこの2枚のアルバムのことを語ります。楽曲は、この当時好きだったミュージシャンの影響を強く受けていること。特にブリーダーズの影響を受けているそうです。ただ一方、歌詞については、当時も今も歌っている内容はほとんど変わっていないことも語っていました。でも、その歌詞の世界観がthe pillowsの大きな魅力ですよね!

ここで終了・・・かと思えばダブルアンコールへ!(おそらくコロナ禍の影響で9時に終了する必要があるため)再び比較的早くメンバーが再登場。最後は、これまたアルバムと同時期にリリースされたベスト盤「Fool on the planet」に収録された「Fool on the planet」へ。これまたレア曲の登場に少々驚きつつ、全曲2000年代序盤にリリースされた懐かしいナンバーで構成されたライブは、約2時間弱のステージで幕を下ろしました。

そんな訳で、実に約1年8か月ぶりとなるライブ。コロナ禍の中でのライブということで、歓声はちょっと少な目、合唱はなしというステージでしたが、とはいえ、思いっきり腕を振り上げ、一緒に盛り上がった、最高に楽しいライブでした!家でおとなしく見る配信ライブに物足りなさを感じつつ、やはり久しぶりにライブに足を運ぶと楽しいなぁ!!ということをあらためて実感しました。もちろん、そう感じたのもまた、the pillowsのステージが素晴らしかったから。特に今回は「Smile」「Thank you,my Twilight」の全曲ライブということもあり、懐かしい曲やレア曲の連続。「このアルバムからもう20年近くもたってしまったんだ・・・」という感じもしつつ、あらためて名曲揃いのアルバムだったんだな、ということも実感したステージでした。あらためてライブ最高!the pillows最高!!ということを実感した、そんな2時間でした。

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