アルバムレビュー(洋楽)2021年

2021年12月29日 (水)

約6年ぶり!

Title:30
Musician:Adele

2011年にリリースしたアルバム「21」が全米だけで1千万枚を突破。2015年にリリースした「25」も全米売上930万枚に到達。さらにグラミー賞では史上初の「主要4部門のうち3部門を2度制覇したミュージシャン」として名実ともにトップクラスの人気を誇るAdele。その大ヒットした前作「25」から約6年。世界中で待望されるニューアルバムがリリースされました。「25」から6年が経過して「30」??と思うのですが、タイトルはこのアルバムを作りはじめた時の年齢だそうです・・・。

まずアルバムを聴いていて感じるのは、Adeleのアルバムは、良くも悪くも「イギリスの歌謡曲」って感じだよな、ということ。基本的にはソウル、R&Bを彼女なりに咀嚼し、ポップ路線として仕上げている曲が並びます。前作もそうでしたが、1枚目2枚目に比べてポップな方向性がより明確な作品になっています。そのため、本格的なソウル系の楽曲を求めるとすればいささか物足りなさを感じるかもしれませんが、ただ、その分、広いリスナー層にアピールできるような作品に仕上がっています。ここらへん、ソウルをそのまま取り入れるというよりも、ポップに解釈して自らの音楽として取り入れているあたり、ソウルの本国アメリカではなく、イギリスという、ちょっと本場から離れた地にいる彼女だったからこそ可能になったように感じます。ちょうど日本の歌謡曲が、洋楽を日本風に希釈してポップにまとめあげたのと同じように。

そして彼女の作品の魅力は、まずなんといっても彼女の歌声。今回のアルバムでも冒頭の「Strangers By Nature」で、ちょっと物憂げな感じを漂わせながらもしんみり聴かせるボーカルがまずは絶品。続く「Easy On Me」もピアノをバックにしんみり歌い上げる彼女のボーカルが素晴らしい作品に仕上がっています。

ただ、若干残念なのは、楽曲やサウンド自体は全体的に決して目新しいものではなく、物足りなさも感じてしまう点。「I Drink Wine」など、力強く歌い上げるピアノバラードナンバーなど魅力的な曲もありつつ、正直なところ中盤に感じては少々ダレてしまう部分も否めまず、中盤までは、どうかなぁ・・・と思いつつ、アルバムを聴き進めていきました。

しかし、そんな印象がグッと変わったのが後半。「Hold On」はピアノで静かにはじまるバラードなのですが、途中から徐々に力強くなり、後半はコーラスなども入ってスケール感あふれる楽曲に。彼女の歌声がしっかり生かされたナンバーで思わず聴き入ってしまいます。「To Be Loved」も同じくソウルフルに歌い上げる彼女のボーカルが魅力的ですし、ラストの「Love Is A Game」もレトロな雰囲気の楽曲が耳を惹きます。いずれも彼女の魅力的な力強いボーカルがしっかりと生かされた作品になっていました。

評価的にはかなり迷い部分もあります。正直なところ、以前の作品の方が良かったように感じますし、アルバムとしての目新しさも感じません。ただ、そういう点を差し引いても、やはり気持ちよく聴けるソウル風のポップアルバムであることは間違いありませんし、Adeleのボーカルも間違いなく魅力的。聴き終わると、やはりいいなぁ、と感じさせるアルバムでした。そういう意味で評価的には迷う部分はありましたが、下の評価で。ただ次回作はもっと力作を聴きたいのですが。

評価:★★★★★

Adele 過去の作品
19
21
LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL

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2021年12月28日 (火)

バンドとして進化

Title:CRAWLER
Musician:IDLES

イギリスのポストパンクバンド、IDLESのニューアルバム。本国では高い人気を誇っており、前作ではなんと公式チャートで1位を記録。最近、ロックというジャンルが勢いを取り戻しありつつように感じるのですが、彼らはそんな勢いを取り戻しつつあるロックシーンの中での象徴的と言えるバンド。日本でも徐々に注目度を高めてきており、メディアにもその名前が取り上げるケースが少なくなくなってきました。

そんな彼らのニューアルバムは、前作からわずか1年2ヶ月というインターバルでのリリース。チャート1位獲得で勢いづく彼らですが、まさにそんな勢いを象徴するかのようなリリースペースと言えるでしょう。そしてそんな期待に反することなく、傑作だった前々作、前作に負けずとも劣らない傑作アルバムのリリースとなりました。

とにかく魅力的なのは、そのダイナミックなバンドサウンド。先行シングルともなっている「Car Crash」はゆっくりと響き渡るドラムスのリズムに警告音のように空間を切り裂くヘヴィーなギターサウンドが耳を惹きますし。ヘヴィーなバンドサウンドにボーカルのシャウトでダイナミックに聴かせる「Stockholm Syndrome」も魅力的。ラストを締めくくる、タイトル通りの「The End」も分厚いバンドサウンドをこれでもかというほど叩きつけて、スケール感あるサウンドを聴かせてくれます。

一方、前々作、前作は、ダイナミックなバンドサウンドが魅力的である一方、若干一本調子だった部分もありました。もちろん、勢いのあるサウンドで一気に最後まで聴かせる構成になっており、その部分はアルバム全体として大きなマイナス点とはなっていなかったのですが、今回のアルバムは後半、静かなサウンドが流れるインターリュードに続き「Progress」はドリーミーな雰囲気のサウンドで静かに、ある種の荘厳さも加えて聴かせる楽曲に。いままでのアルバムになかった展開が魅力的となっています。もっとも、この手の新たな試みをすると、中途半端にバリエーションを増やし、アルバムの統一感やバンドの魅力をなくしてしまうといった感じになってしまうケースが多々あるのですが、本作では、基本路線はいままでと同様。ただ、その中でのちょっとしたアクセントに留まっており、いままでのバンドの魅力を全く損ねることなく、サウンドの奥行を増した結果となっています。

また、以前のアルバムからの大きな魅力だったポップな側面ももちろん本作でも健在。特に先行シングルともなった「The Beachland Ballroom」では切なさを感じさせるようなメロディーラインが大きな魅力となっています。歌モノ的な要素の強い本作もまた、アルバムの中でのバリエーションとして強いインパクトとなっています。

メロディーという側面でのポピュラリティーだけではなく、例えば「The Wheel」では軽快でダンサナブルなリズムがインパクトとなっており、思わず踊りだしたくなるようなユーモラスを感じさせますし、「Meds」のようなサウンドと、同じピッチのシャウトで展開しているボーカルで疾走感あふれる楽曲もまた、アルバムのポピュラリティーに大きく寄与するような作品となっています。

いままでの彼らの魅力はそのままに、楽曲のバリエーションも増えて、さらなる進化、深化を感じさせる傑作アルバム。今回もまた、年間ベスト候補と言えるだけのアルバムになっていたと思います。イギリスのチャートで1位を獲得した前作と比べると、本作は6位と若干ダウンしてしまいましたが、これだけの作品をリリースしてくるのであれば、全く気にしなくても問題ないでしょう。これからさらにその名声は高まりそうです。

評価:★★★★★

IDLES 過去の作品
Joy as an Act of Resistance
Ultra Mono

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2021年12月26日 (日)

ノスタルジックな作風の中に、現在的な視点も

Title:An Evening With Silk Sonic
Musician:Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic

日本でも高い人気を誇るアメリカのシンガーソングライター、Bruno Mars。さらに現在、人気上昇中であるアメリカのラッパー、Anderson .Paak。その2人が組んで大きな話題となっているユニットがこのSilk Sonicです。今年3月にシングル「Leave the Door Open」をリリースすると、同作が全米チャート1位を獲得。さらにグラミー賞にノミネートされるなど高い評価を得ています。

このSilk Sonicの方向性を一言で言えば、古き良きソウルミュージックへのオマージュということになるでしょうか。昔ながらのソウルミュージックを現在によみがえらせたような、そんなアルバムに仕上がっています。ただ、ここで大きなポイントとなるのは、昔のソウルミュージックをノスタルジックになぞるというよりも、「古き良きソウルミュージック」ながらも、様々な時代が顔をのぞかせているという点でしょう。

例えばイントロに続く2曲目「Leave The Door Open」はメロウなサウンドは80年代のフィリーソウルっぽい雰囲気を醸し出しつつ、続く「Fly As Me」はどちらかというとファンクをそのまま取り入れたような作品になっています。「Smokin Out The Window」は70年代のサザンソウルを正当に継承しているような作風ですし、「777」は軽快な80年代風のファンクチューンに仕上げています。

また一方ではラッパーのAnderson .Paakが参加しているので当たり前といえば当たり前ですが「Fly As Me」ではラップを取り入れていたりと、「After Last Night」では、Thundercatが参加し、メロウなサウンドを取り入れていたりと、今時のサウンドもしっかりと取り入れています。基本的にはノスタルジックなサウンドがメインとなっていますが、様々な時代のソウルミュージックを取り入れている点も含めて、現在の視点からの評価もしっかりと感じることがアルバムに仕上がっていたと思います。

永続的なユニットになるのか、これ1枚切りの企画的なユニットなのかはわからないのですが、非常に魅力的なユニットであるのは間違いありません。若干、ノスタルジックな要素も強く出ている点は否めませんが、それだけではない点もしっかり感じられますし、今年のベスト盤候補の1枚と言える傑作アルバムだったのは間違いないでしょう。オールドスタイルのソウルリスナー必聴の作品。聴いていて、とても心地よさを感じる傑作でした。

評価:★★★★★

Bruno Mars 過去の作品
Doo-Wops & Hooligans
Unorthodox Jukebox
24K Magic

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2021年12月25日 (土)

よりポップなメロを主体とした作風に

Title:Things Take Time, Take Time
Musician:Courtney Barnett

オーストラリア出身の女性シンガーソングライターによる3枚目のニューアルバム。基本的にローファイなギターロックに、メロディアスにポップという、90年代のグランジ、オルタナ系直系のサウンドを聴かせるようなミュージシャン。徐々に注目を集めてきており、日本でもその名前を聞く機会も増えてきた感もあります。

いままでリリースしてきた2枚のアルバムも大きな話題となってきましたが、今回の3作目は、オルタナ系直系のギターロックといういままでの路線を踏襲しつつ、若干メロディーラインのメランコリックさが増したような感があります。冒頭を飾る「Rae Street」など、まさに伸びやかなボーカルスタイルにピアノも入り、郷愁感を覚えるような楽曲になっています。同じく先行シングルにもなった「Before You Gotta Go」も同じく、テンポよくメロディアスなギターロックながらも、哀愁感も覚えるメロが印象に残る1曲に仕上がっていました。

また、もう1つ、いままでのアルバムと若干異なる点としては、ギターロックという路線はそのままながらも、バンドサウンドよりもメロディーや歌を前に押し出した曲が増えたような印象を受けました。後半の「Write A List Of Things To Look Forward To」もポップなメロに彼女のメロディーセンスの良さが光る作品ながらも、グランジというよりはギターポップ路線を目指すような曲調になっていますたし、ラストを飾る「On The Night」もピアノを取り入れて聴かせるミディアムチューンになっています。

バンドサウンドを前に出して、前作までのような路線をより踏襲していたのが「Take It Day By Day」あたりでしょうか。ギターリフを主導したバンドサウンドにインパクトを持たせつつ、ポップなメロも前面に押し出した彼女らしい作品に仕上がっていたような楽曲になっていました。

もっとも、路線が変わったとはいえ、その方向性はあまり大きなものではなく、いままでのリスナーにとっても抵抗なく受け入れられるものですし、前作までの彼女の魅力はしっかりと残されています。前々作に比べると前作は、よりポップ路線にシフトし、メロディーラインの輪郭がはっきりした作品になりましたが、今回のアルバムはその路線をさらに推し進めた感のあるアルバムと言えるかもしれません。

今回のアルバムに関しても文句なしの傑作アルバムだったと思います。ただ、前作に比べると、と言われると、バンドサウンドのダイナミズムさがちょっと薄れた感もあり、ロック好きにとっては前作の方が良かったかも、という方が多いかもしれません。一方でポップなメロは今回の方が魅力的であり、そういう意味では甲乙つけがたい内容だったように感じます。個人的にもどちらのアルバムもよいアルバムだったと思いますが、若干前作の方が好きだったかな?でも本作も非常に良いアルバムだったと思いますが。

評価:★★★★★

Courtney Barnett 過去の作品
Sometimes I Sit & Think & Sometimes I Just Sit
Lotta Sea Lice(Courtney Barnett&Kurt Vile)
Tell Me How You Really Feel

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2021年12月24日 (金)

アイスランドの自然を反映させたソロ作

Title:The Nearer the Fountain, More Pure the Stream Flows
Musician:Damon Albarn

ご存じ、blurのボーカリストであり、Gorillazの活動でもおなじみのデーモン・アルバーン。Gorillazとして積極的に活動し、数々のプロジェクトも立ち上げたりしているのでちょっと意外といえば意外なのですがソロ名義としては2枚目となるフルアルバム。今回のアルバムはアイスランドの自然の風景にインスパイアされたコンセプトアルバムだそうです。アイスランド??と思うのですが、なんでも彼、1997年にアイスランドを訪れてから毎年3、4回、同地を訪れているそうで、ついには家も買ってしまったとか。すっかり、アイスランドに惹かれてしまっているようです。

デーモン・アルバーンといえば、以前もアフリカ音楽に惹かれて、現地のミュージシャンとコラボしたアルバムをリリースしていたりしますが、こういう「異国」的なものにあこがれがあるのでしょうか。良くも悪くもロンドン出身の都会っ子らしい感じがします。あ、あとなんとなく、演ってる音楽はちょっと異なるのですが、この嗜好性は、元THE BOOMの宮沢和史に似ているように感じます・・・。

もともとはコロナ禍の始まる前の2020年1月に、アイスランドの自宅にミュージシャンを招いてプロジェクトをスタート。ただ窓から見える自然の風景を音楽として表現することを目的としたとか。その後、イングランドの自宅に戻り、オーケストラを招いてレコーディング、という計画だったそうですが、折からのコロナ禍のために計画は頓挫。しばらく活動が休止していたものの、今年に入りレコーディングを再開。オーケストラの参加はコロナ禍もあって叶わなかったものの、無事、本作の完成に至りました。

さて、そんなコンセプチュアルなニューアルバムですが、アルバム全体を通じて、非常にメランコリックな雰囲気にあふれている哀しい雰囲気のアルバムになっています。タイトルチューンである1曲目「The Nearer the Fountain, More Pure the Stream Flows」からメランコリックな雰囲気あふれる曲調に。ただ、ピアノやストリングスも入った包容力あるサウンドは、アイスランドの自然をイメージしているのでしょうか。最後にはおそらくアイスランドの海の波と思われる音も入っています。

その後も、ドリーミーに聴かせる優しくもメランコリックなメロがインパクトの「Daft Wader」や、ホーンのリズムが入って、ちょっとレトロな雰囲気も気持ちの良い「The Tower Of Montevideo」など、静かなボーカルがゆっくりと歌うメランコリックなメロディーラインが特徴的。所々におそらく現地の音をサンプリングしたのではないかと思われる、水の音や鳥の声など、アイスランドの自然を彷彿とさせるような音も入っており、非常にメランコリックで哀しい雰囲気ながらも、一方では自然の優しさも感じられるサウンドになっています。

また今回のアルバム、制作過程においてコロナ禍に翻弄されたような作品となっているのですが、楽曲的にもアイスランドの自然のみならず、このコロナ禍の中でのデーモン・アルバーンの心境も反映された作品になっているそうで、特にロックダウン下での孤立を、アイスランドという島国の孤立と重ね合わせている部分も多いのだとか。非常に物悲しい雰囲気となっているのは、そんなデーモンの心境をあらわしているのでしょうが、一方、優しい雰囲気も重ね合わせている点は、デーモンの心境としても孤立に悲観するわけではなく、落ち着いた環境で音楽を作っているんだな、ということも感じさせました。

ただ一方では「Esja」みたいなアバンギャルドなアブストラクトチューンがあるあたり、アイスランドの自然の厳しさも表現しているのでしょうか。「Combustion」のようなホーンやピアノを入れて賑やかながらもアバンギャルドな雰囲気のインストもまた、アイスランドに吹き荒れる風を彷彿とさせます。そんな日本からすると、イギリス以上に遙か遠い異郷の地であるアイスランドを想像しながら聴くのも楽しいかもしれません。

ソロアルバムらしい彼の趣味性が強く反映されたアルバム。比較的、地味な作風の曲が多く、そういう意味では前作に似たような作風と言えるかもしれません。ただ、前作もそうだったのですが、決して派手さはないメロディーラインにも関わらず、しっかりとしたインパクトを持っていて、聴き終わった後、しっかり心に残っているあたり、デーモンのメロディーセンスの才能を感じさせます。デーモン・アルバーンの魅力もきちんと感じられるソロアルバムでした。

評価:★★★★★

DAMON ALBARN 過去の作品
DR.DEE
EVERYDAY ROBOTS


ほかに聴いたアルバム

JAPANESE SINGLE COLLECTION-GREATEST HITS-/REO Speedwagon

日本でリリースされた洋楽ミュージシャンのシングル曲を集めたベスト盤のシリーズ。様々なミュージシャンでのリリースがあるようですが、本作は80年代に一世を風靡したアメリカのロックバンド、REO Speedwagonのベスト盤。ポップなメロディーラインが強いインパクトを持つのですが、キャッチーなメロディーラインといい、シンセも用いたサウンドといい、「THE 80年代」といった感じの曲調。広いリスナー層が楽しめそうなポップな作品が並んでいました。

評価:★★★★

RED(Taylor's Version)/Taylor Swift

テイラー・スウィフトの過去作の再録企画第2弾。4月にリリースされた「Fareless(Taylor's Version)」に続き、本作は2012年にリリースされた「RED」の再録。オリジナル16曲にデラックスエディションにボーナストラックとして収録されていた4曲、当時にiTunes限定でリリースされた「Ronan」に未発表曲9曲を加えた、全30曲入りのアルバムとなります。当時は、カントリーを基調としつつ、基本的には正統派のポップスという印象を受けたのですが、そのイメージは今回も変わらず。基本的に、ポップなメロが心地よい作品が並びます。全30曲というフルボリュームの内容ながら、比較的あっさり聴けてしまうのは、そのポピュラリティーの高さゆえでしょうか。最近の作品のような尖った感じがないものの、魅力的なポップスが楽しめました。

評価:★★★★

TAYLOR SWIFT 過去の作品
FEARLESS
RED
1989
REPUTATION
Lover
folklore
evermore
Fearless (Taylor's Version)

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2021年12月21日 (火)

あか抜けた感のある新作

Title:Valentine
Musician:Snail Mail

大きな評価を受けた前作「Lush」から約3年。ギタリスト兼シンガーソングライターのリンジー・ジョーダンによるソロプロジェクト、Snail Mailの2枚目となる新作がリリースされました。2016年にリリースされたEP「Habit」も高い評価を受け、さらに前作「Lush」も随所で絶賛を受けましたが、本作「Valentine」も、既に徐々に公表されている2021年のベストアルバムにおいて、随所で上位にランクインされるなど絶賛を持って受け入れられています。

彼女のアルバムを聴くのは、前作「Lush」に続いて2作目。前作「Lush」はローファイ気味なギターロックということで、個人的にも非常に気に入った1枚となりました。一方で、地味であか抜けないという印象を受ける作品でもあり、それがまた魅力でもあったのですが、いかにもインディーロックらしい作品ともいえる内容になっていました。

今回のアルバムに関しては、そんなあか抜けないインディーロックというイメージを脱却した作品に仕上がっていました。象徴的なのが1曲目のタイトルチューン「Valentine」。ダイナミックなバンドサウンドにシンセも入ったスケール感を覚える作品になっており、非常にあか抜けた作風に仕上がっていました。前半のバラードナンバー「Light Blue」もアコギのみで聴かせるのではなく、ストリングスを入れることによりサウンドに奥深さも加わり、こちらも単なるインディーロックから一皮むけた感のある作風に仕上がっています。

ただ一方で「c.et.al.」などはアコギ1本で聴かせるミディアムチューンで、ラフな感じのする録音もあり、従来のインディーロックらしさは健在。「Glory」なども、ローファイ気味なギターロックに仕上がっており、こちらもインディーロックらしい作品となっています。あか抜けた、といっても完全に「売れ線のロックミュージシャン」になったわけではなく、しっかりとインディースピリットを兼ね備えた作品に。その上で、内向きなインディーの「悪い」側面をしっかりと払拭した、ともいえるアルバムに仕上がっていました。

もちろん、あくまでも歌とメロディーが主体である、という基本路線は前作から変わらず。先に紹介した曲はもちろん、その他にも「Headlock」のような彼女ののびやかな歌声をしっかり聴かせるメロディアスな楽曲や、先行シングル曲でもある「Madonna」のような軽快なポップチューンもあったりと、アルバムを通じてポップなメロと歌を主軸とした曲がならんでおり、全体としては比較的シンプルなギターロックという印象を受ける作品に仕上がっていました。

シンプルな歌モノメインという前作の良さは変らず、インディーロックらしい要素を残しつつ、一方、広くリスナーの支持を得られそうなあか抜けた感のする作品に仕上がっていた本作。今回もかなり高い評価を得ているようですが、その理由にも納得の傑作アルバムでした。チャート的には、まだベスト10には遠い状況ですが、これだけの作品を作ってこれば、次回作以降、一気にブレイクの可能性も高そう。日本でも今後、知名度が上がってきそうなミュージシャン。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

Snail Mail 過去の作品
Lush

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2021年12月20日 (月)

リアルタイムでは衝撃的でした・・・。

Title:KID A MNESIA
Musician:RADIOHEAD

今回紹介するRADIOHEADの作品は、彼らが2000年にリリースしたアルバム「KID A」と、2001年にリリースしたアルバム「Amnesiac」をまとめ、さらに未発表音源や当時のシングルB面曲、さらにはデモ音源をまとめて収録した3枚組のアルバム。発売21周年を記念してリリースされたアルバムだそうです・・・なんじゃい、21周年って?

さて、「KID A」というアルバムから、もう21年という月日が経過したことに驚かされると同時に、このアルバムがいろいろな意味で大きな話題になったことを今でもよく覚えています。まずは作品として非常に衝撃的でした。ギターロックバンドというカテゴリーで語られていたRADIOHEADが、エレクトロニカという、当時、尖ったようなリスナーが聴いていた(ような印象があった)ジャンルを大胆に取り入れた作品。21年前、まださほどいろいろなタイプの音楽に詳しくなかった私は、ある意味、聴いたことのないようなエレクトロサウンドに大きく驚かされました。

また、そんな音楽とは直接関係ないのですが、かのrockin'on誌が、トム・ヨークへのインタビューの中で彼が語った「ロックはゴミだ」という、ちょっとしたつぶやきを、やたらめったら神格化して取り上げたり、田中宗一郎が宗教的とも言えるほど絶賛をしたりと、今から考えれば気持ち悪さも感じるのですが(笑)、良くも悪くもサブカル系の音楽メディアが元気よかったな、と今から考えると懐かしさすら感じ、思い出してしまいます。

ただ、このアルバムをきっかけとして、様々なミュージシャンがエレクトロサウンドを導入。エレクトロニカといったジャンルやいわゆるビートミュージックの知名度が一気に増し、エレクトロサウンドを取り入れるロックバンドが急増したことを覚えています。「KID A」からの直接的な影響は微妙ですが、くるりの「TEAM ROCK」やスーパーカーの「Futurama」といったエレクトロサウンドを取り入れたロックのアルバムがリリースされたのも2000年や2001年。今から考えると、あの時期は猫も杓子もエレクトロだったな、という印象を受けるのですが、「KID A」というアルバムは、そんな時代の象徴的な1枚でした。

そんな「KID A」、さらにその翌年にリリースされた「Amnesiac」を聴くのは今回、久しぶりなのですが、今聴いて感じるのは、意外とポップでメロディアス、かつ意外とギターロックの要素が多分に入っているなぁ、ということでした。当時はエレクトロサウンドに強いインパクトを受け、無機質ともいえるそのサウンドに耳を奪われていたのですが、今から聴くと、例えば「KID A」の冒頭を飾る「Everything in Its Right Place」にしても、エレクトロサウンドを取り入れつつ、メロディーラインは非常にメランコリックで意外とメロディアス。中盤の「Optimistic」「In Limbo」にしても基本的にギターロックの曲となっており、今から聴くと、思った以上「ロック」なアルバムになっていたように感じました。

また今回の3枚組の目玉はなんといっても3枚目、「Kid Amnesiae + b-sides」で未発表曲「If You Say the Word」も収録。メランコリックに聴かせる同曲は文句なしの名曲で、なぜ未発表だったのか不思議なほど・・・。さらに終盤には「The Amazing Sounds of Orgy」「Trans-Atlantic Drawl」とシングルのB面曲が並ぶのですが、非常に挑戦的な作風で聴きごたえがあります。また同じくB面曲の「Cuttooth」はダイナミックなギターロックのナンバーで、なにげに隠れた名曲なのでは?

そんな3枚目も聴きごたえある今回の3枚組なのですが、ちょっと残念だったのは既発表の「KID A」「Amnesiac」がリマスター音源などではなく、オリジナル音源そのままだったという点。そのため、その2枚を持っているファンとしては、買いなおすのはちょっともったいない感はあるのですが・・・ただ、これを機に久しぶりに聴きなおして、リアルタイムで聴いたときとはちょっと異なる印象を持つこともでき、ある意味、このアルバムの別の魅力をより感じることが出来ました。そういう意味でも価値のある企画だったかもしれません。時代を経て、音楽的な新鮮味は薄れた感は否めませんが、ただそれでもあらためて名盤だと感じた2作。いままで聴いたことない方も聴く価値ありの作品です。あらためて彼らの実力を再認識しました。

評価:★★★★★

RADIOHEAD 過去の作品
In Rainbows
The Best Of
ROCKS:Live In Germ
THE KING OF LIMBS
TKOL RMX 1234567
Radiohead Live at Tramps June 1,1995
A MOON SHAPED POOL
OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017

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2021年12月14日 (火)

40年ぶり、奇跡の新作!

Title:Voyage
Musician:ABBA

2021年、大きな音楽ニュースのひとつにABBAが40年ぶりにニューアルバムをリリースした、というものがありました。ご承知置きのこととは思いますが、ABBAといえば、スウェーデン出身の男女4人組のポップグループ。1970年代後半から80年代にかけて、「ダンシング・クイーン」「恋のウォーター・ルー」などが大ヒットを飛ばし、一躍世界的な人気グループとなりました。その後、メンバーそれぞれの結婚に、離婚というある意味お決まり的なパターンを経て1982年には解散してしまいました。

その後、根強い人気を保ち、1999年には彼女たちの曲を起用したミュージカル「マンマ・ミーア!」が大ヒットを記録。ABBAの名前は再び世界にとどろきました。ポップグループということもあって、リアルタイムでの評価はともかく、そのたぐいまれなるポップセンスの評価は解散後により高まったように感じます。そんな中、2018年に新曲を録音したことを公式サイトで公表。ABBA復活の機運が高まる中、このたび、40年ぶりというニューアルバムで奇跡ともいえる復活を果たしました。

そんな待望となるニューアルバムは本国スウェーデンや、いままでも数多くのアルバムを1位に送り込んできたイギリスチャートでの1位獲得はもちろん、いままでベスト10ヒットに至らなかったビルボードチャートでもなんと2位という高順位を獲得。解散後、いかに彼女たちが人気を維持し、さらにはさらに高い評価を受けてきたのかがわかる結果となりました。

そのニューアルバム、最初はストリングスの静かな響きでスタート。さらに伸びやかな歌声とピアノが流れてきます。非常に幸福感を覚えるこの1曲目「I Still Have Faith In You」は、まさに待ちに待ったファンの喜びをそのまま反映された楽曲になっています。さらにABBAのポップセンスが光るのが3曲目「Little Things」。非常にシンプルなミディアムチューンなのですが、切なさを感じるメロディー展開が秀逸。シンプルながらもしっかりと心に残る1曲に仕上がっていました。

その後も軽快で明るい、ちょっと70年代的な懐かしさも感じる「Just A Notion」やピアノやストリングスでしっかり聴かせるバラード「I Can Be That Woman」、ダイナミックなサウンドと哀愁感たっぷりのメロが強いインパクトを持った「Keep An Eye On Dan」など彼女たちらしいポップチューンが続きます。さらにリズミカルで明るい「No Doubt About It」などは「ダンシング・クイーン」のイメージで彼女たちを知っている人にとっては、まさに王道ともいえるナンバーでしょうか。ラスト「Ode To Freedom」は再びストリングスで伸びやかに聴かせる楽曲。1曲目と対になっているようなこの曲で、ちょっと寂しげな雰囲気を感じつつ、全10曲37分のアルバムは幕を閉じます。

そんな訳で、ABBAらしい珠玉のポップチューンが並んでいるアルバム。ファンの期待に応えた作品ともいえるかもしれません。ただ一方で、率直に言ってしまうと、昔ながらのABBAそのもので新鮮味はなく、かつ、やはりメンバー全員大人になったためでしょうか、全体的にはおとなしめ。以前の楽曲のようなキラキラ感は正直見受けられず、インパクトも若干弱め。良くも悪くも、過去の彼女たちの作品をなぞっただけ、といった感も否めないアルバムになっていました。

もちろん、ここに収録されている曲もポップなセンスがキラリと光る曲も少なくなく、かつてのファン、あるいは後追いのファンにとってはそれなりに満足できる作品だったと思います。また、今後永続的に活動を続ける・・・わけではなく、どうもABBAの活動はこの1枚限りの模様。そのため、新たな挑戦というよりも同窓会的な意味合いも強く、そのため、良くも悪くも無難にまとめた、ともいえるのかもしれません。そういう意味で、かつてのABBAの曲が好きだったら聴いて損のない1枚。これ1枚で最後というのは少々残念ですが、メンバーそれぞれの今後の活躍に期待しましょう。

評価:★★★★

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2021年12月12日 (日)

アブストラクトな作風ながらも

Title:im hole
Musician:aya

Aya_imhole

今回紹介するのは、イギリスはマンチェスターを拠点として活動しているミュージシャン、ayaのデビューアルバム。以前は「LOFT」という名義で活動しており、EP盤をリリースしたこともあったそうですが、その後、aya名義に移行。いくつかのコンピレーションアルバムへの参加後、このたびのデビューアルバムのリリースとなりました。

本作がデビュー作であるので当たり前といえば当たり前なのですが、彼女に関しては名前を聞くのもはじめてなら音源を聴くのもはじめて。ほとんど前情報なくアルバムを聴いたのですが・・・まず強烈なビートを前面に押し出したエレクトロサウンドに耳をうばわれる作品になっていました。

まずアルバムを聴き始めると、強烈なノイズからスタートします。冒頭を飾る「somewhere between the 8th and 9th floor」ではそんなノイズを前面に押し出した不気味な作風が特徴的。さらに続く「what if i should fall asleep and slipp under」ではおなじく不気味な雰囲気のエレクトロノイズに、語りのようなラップが重なるスタイルに。彼女の作品はアブストラクトと表現されることも多いのですが、まさにそんなイメージもピッタリと来るような実験的な作風の曲が続きます。

その後は、強いビートを前面に押し出したビートミュージックの様相の強い作品が続きます。「dis yacky」では、電子音を前面に押しだしたスペーシーな作品になっていますし、「OoBrosThesis」は彼女のシャウトと強いビートが印象的な、むしろパンキッシュともいえる作風。「the only solution i have found is to simply jump higher」もハイトーンでメタリックなエレクトロサウンドがミニマル風に展開する楽曲に耳を惹かれます。

ただ、そんな実験的な作品が並ぶ本作ながらも、リズミカルなエレクトロビートが主軸となっているためか、リズムが身体になじみ、なにげに聴きやすく楽しめる作品になっているようにも感じます。後半の「Emley lights us moor」も、ウィスパー気味の彼女のボーカルで静かにスタートするのですが、清涼感あるそのボーカルもあって、意外と聴きやすい作品になっていますし、続く「tailwind」もテンポよいリズムの羅列という実験的な作風なのですが、どこかユーモラスさもあって意外と聴きやすい作品となっていました。

強烈なビートとノイズがさく裂するアブストラクトな作風ながらも、意外とポップで聴きやすさも同居する作品。特にテンポよいリズムについつい聴き入ってしまう作品になっていたと思います。今後はさらに注目が集まっていくかも。ただ、ミュージシャン名はどうにも検索しにくいのが難点なのですが・・・(笑)。

評価:★★★★★

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2021年12月11日 (土)

スタジアムバンド?

Title:I Don't Live Here Anymore
Musician:The War on Drugs

アメリカはフィラデルフィア出身のインディーロックバンド、The War on Drugsのニューアルバム。ここ数作、毎回高い評価を受けており、各種メディアの年間ベストの常連的な存在になっている彼らですが、前作「A Deeper Understanding」ではなんとグラミー賞も受賞。さらにアメリカのビルボードで10位、イギリスのナショナルチャートでは3位と、名実ともに、人気バンドに仲間入りしています。

さて、そんな彼らですが、アルバムをリリースする毎に少々毛色の異なる作品を出してくる点も特色となっています。私がはじめて聴いた前々作「Lost in the Dream」はシューゲイザー色の濃い作風。続く前作「A Deeper Understainding」はエレクトロポップの色合いが強い作品になっています。そして今回のアルバム、聴き始めるといきなり1曲目「Living Proof」はアコギのアルペジオと静かなピアノで聴かせる、アコースティックテイストの強いフォーキーな作風に。前作までのイメージとは少々タイプの異なる曲で若干驚かされます。

さらに驚かされるのは続く「Harmonia's Dream」で、バンドサウンドにシンセの音も加わったサウンドをバックとしたこの曲は、伸びやかでインパクトあるポップなメロディーラインと重なり、非常にスケール感のある作品に。ともすればスタジアムバンドの感すらあるこの曲は、「インディーロック」という彼らのイメージを覆す内容になっているのではないでしょうか。

続く「Change」も、若干カントリーロック色もある作風とポップなメロディーラインが、大物バンド然とした雰囲気を醸し出している作品に。タイトルチューンである「I Don't Live Here Anymore」もシンセのサウンドとバンドサウンドという組み合わせが90年代ポップのような、どこか懐かしさと、スタジアムバンド然としたスケール感を覚えさせる作品。「Old Skin」も静かにスタートしつつ、バンドサウンドで徐々に盛り上がるスタイルも、いかにも売れ線バンドといった様相の楽曲になっています。

いままでの作品も、インディーバンドという少々マニア向けというイメージを覆すような、意外とポップなメロディーラインを書いてきている点が彼らの大きな魅力ではあったのですが、今回のアルバムに関しては、そのポップなメロディーという路線がさらに突き進んでおり、非常にポピュラリティーの強い作風に仕上がっていました。結果として、「U2かよ?」とすら思うようなスタジアムロック色の強い作品も目立ち、インディーバンドというイメージからかけ離れた感もあります。ただ、ポップなメロディーラインは素直に魅力的。スケール感を推し進めた結果、陥りがちな「大味」な感じはなく、メロディーラインはしっかりと聴かせるものに仕上がっていたのはさすが。ちゃんとThe War on Drugsとして魅力的な作品に仕上がっていたと思います。もっとも、ビルボードでもイギリスのナショナルチャートでもチャート上位に食い込んでくるような人気バンドになっている彼らにとって、こういう作風は自然といえば自然なのかもしれませんが・・・。インディーバンドという枠組みに留まらず、広いリスナー層にお勧めできそうな作品でした。

評価:★★★★★

The War On Drugs 過去の作品
Lost in the Dream
A Deeper Understanding

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