前作同様、豪華コラボが話題に
Title:私的旅行
Musician:DAOKO
米津玄師とコラボ作「打上花火」の大ヒット。さらにそれに続き昨年末は紅白歌合戦への出演と、2017年から2018年にかけてのDAOKOは大きな飛躍の年となりました。そしてそんなDAOKOのニューアルバムが前作「THANK YOU BLUE」からわずか11ヶ月という短いスパンで早くもリリースとなりました。
その前作「THANK YOU BLUE」は様々なミュージシャンとの豪華なコラボが大きな話題となりましたが、続く本作でも数々の大物ミュージシャンとのコラボが大きな特徴となっています。1曲目「終わらない世界で」は小林武史作曲・編曲・プロデュースによる作品。サビの部分で転調した上で、半音階を上手く使いつつ切なさを醸し出しながらも爽やかに聴かせるメロディーラインは往年のMy Little Loverを彷彿とさせ個人的に壺。コバタケらしいメロディーもDAOKOのウィスパー気味のクリアボイスにピッタリとマッチしています。(サビの部分だけちょっと浮いちゃっているのは悪い意味でのコバタケらしい感じなのですが)
さらに続く「ぼくらのネットワーク」はちょっと聴けばすぐわかる中田ヤスタカサウンド。彼女のボーカル含めてちょっときゃりーぱみゅぱみゅっぽいのはご愛嬌。これもまた、ヤスタカサウンドがDAOKOともピッタリとマッチしています。
ほかに「サニーボーイ・レイニーガール」はいきものがかりの水野良樹が作曲を手掛けていますし、和風なサウンドがユニークな「蝶々になって」は、以前紹介した「合成音声ONGAKUの世界」にも参加した注目のボカロP、羽生まゐごが作曲編曲で参加。そしてラストの「NICE TRIP」はBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之が作曲編曲プロデュースで参加。ブンサテを思い起こすようなトランシーなエレクトロチューンを聴かせてくれています。
そんな訳で前作と同様、豪華なミュージシャンを数多く迎えて様々なタイプのポップチューンを並べたアルバム。DAOKOのボーカルは透明感のあるウイスパー気味のスタイルなのですが、良くも悪くも癖がなく、そのため様々なタイプの音楽とも容易に結びつくことが出来、それがこれだけ豪華なアルバムを生み出す最大の要因となっています。
前作からわずか11ヶ月というスパンにも関わらず、再びこれだけ豪華なミュージシャンとコラボが出来た点、今の彼女の勢いを感じることが出来ます。ただ一方で気になる点は前作と同様。コラボ相手のミュージシャンに頼りすぎており、彼女の色がいまひとつ出せていない点。DAOKOとしての色や癖が薄く、ボーカリストとして自由度が高いのが彼女の魅力ではあるのですが、一方で今後、豪華なミュージシャンとのコラボが簡単に出来なくなってくると、一気にアルバムのクオリティーが下がってしまう、そんな心配を抱いてしまいます。
本作に関しては前作同様、弱点を上回るクオリティーを持つ傑作に仕上がっていたとは思います。ただ、気になる点も。今回、米津玄師とのコラボ曲「打上花火」をわざわざソロバージョンとして再度収録している点。端的に言ってしまえばネタ切れでは?この点についてはかなり気になりました。
ポップアルバムとしては文句なく楽しめた傑作アルバム。彼女の透明感あるボーカルにも気持ちよさがありました。ただ、次回作に向けていろいろと気になる部分も多かった作品で、この勢いが今年も続けることが出来るのでしょうか?ある意味、2019年はDAOKOにとって正念場の1年になりそうです。
評価:★★★★★
DAOKO 過去の作品
DAOKO
THANK YOU BLUE
ほかに聴いたアルバム
レインボーサンダー/ザ・クロマニヨンズ
ここ最近、ちょうど1年おきにアルバムをリリースしているクロマニヨンズの、こちらもちょうど1年ぶりとなるニューアルバム。これが12枚目のアルバムとなり、既にブルーハーツやハイロウズよりも長いキャリアとなったクロマニヨンズですが、バラエティーある曲調が特徴的だった前作とは異なり、シンプルなロックンロールが並ぶアルバムになっています。ある意味、ベテランらしく、無駄な部分を一切そぎ落としたロックンロールといった印象も。このメンバーで12年間活動を続けたからこそたどりついた1枚という印象を受ける作品でした。
評価:★★★★★
ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~
GUMBO INFERNO
JUNGLE9
BIMBOROLL
ラッキー&ヘブン
週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.3
創刊50周年を迎えた人気漫画週刊誌「週刊少年ジャンプ」のテレビアニメの主題歌や挿入歌などを集めたノンストップミックスアルバム第3弾。さすがに第1弾、第2弾に比べると万人が「アニメソング」として認識してそうな定番曲は少なくなってきて、ネタ切れ気味なのは否めないのですが、それでもPENICILLINの「ロマンス」やPSY・Sの「Angel Night~天使のいる場所~」、さらに「ストップ!!ひばりくん!」など、まだ残っていたのかぁ、と懐かしく感じられる曲もチラホラ。全体的にはあまりアニソンとイメージできないような曲がメインになってしまった感はあるのですが、それでもいい意味でアニソンらしいインパクトあるポップチューンが並んでおり、J-POPのDJミックスアルバムとしても楽しむことが出来る作品になっていました。
評価:★★★★
週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.1
週刊少年ジャンプ50th Anniversary BEST ANIME MIX vol.2
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