アルバムレビュー(洋楽)2008年

2008年12月29日 (月)

ちょっとナゾのライブ盤

Title:ROCKS:Live In Germany
Musician:RADIOHEAD

 Radiohead/Rocks: Live In Germany 2001

ある日、近くのタワーレコードへいったら、大きくディスプレイされていたアルバム・・・ってか、突然のリリースだし、Webで調べても詳しいことわからないし・・・でも、衝動買いして聴いてみましたよ、もちろん(笑)。多分、ブートレグじゃないと思うんだけど、ミュージシャンの関与しないところで勝手にリリースされたんだろうなぁ。

どうも、「Amnesiac」リリース直後の2001年に、ドイツで行われたライブの模様を収録したライブ盤のようです。そのため、「KID A」や「Amnesiac」などの楽曲も多く収録されています。てか、私が以前、RADIOHEADのライブを見た時が、ちょうど2001年だったので、その頃のライブの雰囲気をパッケージした1枚ということですね。

で、そのライブの時にも感じたのですが、CD音源で聴くと、この頃の曲って、無機質で冷たい印象を受けるのですが、ライブで聴くと、意外と生音が前に出ていて、暖かさすら感じるんですよね。「OK Computer」以前の曲とも違和感なくマッチしていて、決して彼らの音楽が、「KID A」以降大幅にかわった訳ではなく、一本の筋が通っていたんだなぁ、ということをいまさらながら実感できます。

ライブ盤としての出来としては、ライブ演奏で圧巻させる・・・という感じではないし、まあ、ライブの雰囲気を味わえるということと、アルバム未収録の「Talk Show Host」が収録されているという点でファンとしてはとりあえずチェックしておきたい作品でしょう。

評価:★★★★

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2008年12月21日 (日)

絶妙のバランス感覚

Title:Car Alarm
Musician:The Sea And Cake

Car Alarm

「しっかりと耳に残るメロディーを書く」ことと、「オリジナリティー」があること。どちらも実力のあるミュージシャンには欠かせない要素です。しかし、両者を両立させることは簡単ではありません。「ポップ」なメロディーにばかり頼ると、凡庸な作品になりがちですし、「オリジナリティー」は時として、楽曲をポップという言葉から遠ざけます。

しかし、その両者の要素が、絶妙のバランスで成り立っているのがこのアルバム。

・・・つーか、THE SEA AND CAKEといえば、シカゴ音響派のバンドで・・・なんてことから、小難しいイメージで聴き始めたのですが、これが大間違いでした!メロディーは全く派手さはないものの、妙に心にひっかかり、徐々にはまっていってしまいますし、次から次へと繰り広げられる音の世界は、シンプルながらも、これまた聴きこむほどに深みを感じる音になっています。

アルバムは、基本的にギターロックの作風とアコースティックな作風が交互に繰り広げられるような構成になっています。そんな中でも、比較的明るくポップな作風の「The Staircase」や、ストリングスの響きが怪しげな「Pages」、アコギのみで演奏された渋い作風の「Also Ran」など、様々な作風の曲がアルバムを彩ります。

知らず知らずに聴いていて「中毒」のようになってしまう魅力を感じるアルバム。その奥の深さは何度も聴いてみたくなります。しかしメロディーはいたってポップでシングルなので、幅広い層に聴いてほしい作品。「シカゴ音響派」「ポストロック」に高い壁を感じないで、是非とも聴いてみてほしい作品です。

評価:★★★★★


ほかに聴いた作品

ALIVE!!/Becca

なんちゃってアヴィリル・ラヴィーン。先行シングルが日本のアニメ主題歌になっていたり、妙に日本で売りに走っているんだけど、外国で売ってるの、これ??ポップで耳なじみはあって聴きやすいけど、面白みが皆無でした。

評価:★★★

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2008年12月 8日 (月)

ビヨンセの光と影???

Title:I Am...Sasha Fierce
Musician:Beyonce

I Am… Sasha Fierce

Beyonceのニューアルバムは、豪華2枚組。ただ、この手の2枚組によくありがちな、「2枚とも、70分近くのフルボリュームで」というスタイルではなく、1枚あたり40分程度におさまっていて、長さ的にもダレずに聴くことが出来ます。じゃあ、なぜ2枚組なのか。それは、1枚目がバラード主体、2枚目がアップテンポな曲主体の構成となっていて、それぞれがBeyonceというミュージシャンの違う側面を照らしている・・・といったイメージなのでしょう。

1枚目は、彼女の歌唱力をいかんなく発揮した、ボリューム満点のバラードアルバム。どの曲もポップにまとめあげていて、R&Bの枠組みに捕らわれず、そのメロディーは誰にでも楽しめる内容になっています。ただ、一方では、似ているタイプの曲が多く、そういう意味では、短い内容ながらも、後半、ちょっと飽きがきてしまうかもしれません。

どちらかというとミュージシャンとしての本領発揮は、2枚目。アップテンポな曲を主体としながらも、ミュージシャンとしての次のステップも意識したような作品になっています。

特に、Radioのノイズをイメージしたような打ち込みからスタートし、その後も、ちょっと懐かしさも感じさせるようなテクノビートを主軸とした「Radio」や、アフリカンテイストの強い重低音のビートが印象的な「Diva」など、様々な作風に挑戦し、今後のBeyonceとしての幅を広げています。

ポップで耳障りのよい1枚目、少々実験的な部分もある2枚目。実にバランスの取れたアルバムになっていたと思います。ミュージシャンとしての可能性を、さらに広げた作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いた作品

TAKING CHANCES/CELINE DION

良くも悪くもCELINE DIONらしい伸びやかなポップチューンの連続。ただ、一方で今風のR&B風の楽曲もチラホラ入っているあたり、彼女のバランス感覚の良さや、ヒットに対するアンテナの良さも感じられます。

評価:★★★★

AMERICAN GANGSTER/JAY-Z

タイトルからして、かなりヘヴィーなハードコアを想像していたのですが、内容は意外とポップな感じで聴きやすかったです。今現在の、アメリカのHIP HOPの王道・・・って感じなのかなぁ??

評価:★★★★

PUNKARA/ASIAN DUB FOUNDATION

「パンカラ」という語感から、なんとなくハードな作風をイメージしていたのですが、思ったよりも軽い感じの作風で、サラッと聴けてしまいました。ちょっと引っかかりがよわかったかな?ちなみに「パンカラ」とは、パンクとバングラ(インドとパキスタンにまたがる地域の民謡)の融合という意味らしいです。

評価:★★★★

Chase the Light/JIMMY EAT WORLD

ポップで勢いがある、ある意味正統派のメロディアスパンク。聴いていてとても気持ちがいいのですが、新しいものはあまり感じられなかったかも。

評価:★★★★

HITS&RARITIED/SHERYL CROW

カントリーテイストが強すぎて、普段、あまり積極的に聴くタイプのミュージシャンじゃないんですが、ベスト盤としてヒット曲をまとめて聴くと、やはりいいわぁ、と思ってしまいます(^^;;ポップで勢いがあり、かつ、メロディーもしっかりとフックが利いていて印象に残ります。あらためて、オリジナルアルバムも聴きたくなってしまいました。

評価:★★★★★

MOTHERSHIP/LED ZEPPELIN

ツェッペリンのオールタイムベスト。まあ、ここでごちゃごちゃ言うまでもないですよね。ロックファンなら、聴いておくべき。そのサウンドは、今なお圧巻の一言です。

評価:★★★★★

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2008年11月17日 (月)

あのDream Girlsの・・・

Title:JENNIFER HUDSON
Musican:JENNIFER HUDSON

Jennifer Hudson

映画「DreamGirls」でデビュー。その類まれな歌唱力と、演技力、そして圧倒的な存在感で、アカデミー賞の助演女優賞を獲得するなど大きな話題となりました。その後も「Sex And The City」に出演するなど、女優としての地位を着々と伸ばしてきています。

一方で、「DreamGirls」で聴かせてくれた歌唱力も大きな話題となりましたが、そんな彼女のデビューアルバムがようやく発売となりました。

Ne-Yoが楽曲を提供した先行シングル「Spotlight」や、TIMBERLANDプロデュースで話題となった「Pocketbook」、さらには、映画「DreamGirls」で使われた「And I Am Telling You I'm Not Going」などが収録されているなど、聴き所たくさんのアルバムです。

個人的には、先日、映画「DreamGirls」を見て、その演技や歌唱力に感動し、このアルバムの購入を決めました。それだけに「And I Am Telling~」みたいな迫力あるバラードナンバーを予想していたのですが、予想に反して、本作の前半に関しては、前述の「Spotlight」や「Pocketbook」など、クラブサウンドやHIP HOPなども取り入れた、いわゆる「今風」の音になっていて、「DreamGirls」のイメージからすると、少々肩透かしをくらわされます。

一方、後半はバラードナンバーが続き、「And I Am Telling~」のイメージに比較的近い曲も並んでいます。そしてやはりその「And I Am Telling You I'm Not Going」は、このアルバムの中でも際立つ名曲。何度聴いても鳥肌のたつような歌唱力に圧倒されます。

ただ、アルバム全体としては、そこそこいい曲も並んでいて楽しめるのですが、名盤と言うにはちょっと物足りない内容になっていた印象が受けます。

前半の「今風」の曲にしても、さほど斬新さもなく、普通のポップソングに終っていますし、後半のバラードナンバーにしても、似たタイプの曲が多く、少々平凡な印象を感じてしまいました。どちらしても、彼女の歌唱力を十分に生かしきっていないのではないか、そう感じてしまうアルバムでした。

決して悪いアルバムではないし、「DreamGirls」の演技に魅了された人なら聴いて損はないと思います。ただ、次回作はもうちょっと頑張って欲しいかも。まだまだこれからが楽しみなだけに、次回作に期待です。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

LONG ROAD OUR OF EDEN/EAGLES

再結成後、なんと28年ぶりにリリースしたオリジナルアルバム。正統派のアメリカンロックといった感じで、泥臭くも骨太なサウンドとメロディーが楽しめます。かつてEAGLESにはまっていた人なら十分楽しめるかと。

評価:★★★★

TRUST ME/CRAIG DAVID

かつては「2ステップ」の代表的なシンガーとして話題になったのですが、この作品は、妙に80年代的なサウンドが目立ちます。ポップで聴きやすい曲は並んでいますが、面白みという面からは、少々物足りないかも。

評価:★★★★

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2008年11月 8日 (土)

ふっきれた?

Title:Intimacy
Musician:Bloc Party

Intimacy

いままでもニューウェーヴからの影響を強く感じるサウンドを奏で、ダンスミュージック方面からの影響も顕著だった彼らでしたが、本作では、それがさらに進化。ギターなどのバンドサウンドは影を潜め、デジタルサウンドが激しいビートを奏でるエレクトロ・パンクなアルバムに仕上がっていました。

ある種、ふっきれた、と言ってしまえるかもしれません。この方向転換に関して、音からは全く迷いが感じられず、ただひたすら信じているベクトルに突き進んでいる、そんな印象がありました。

決してサウンドとして斬新、とはいえないかもしれませんが、それでも本作が十分に楽しめたのは、そんな彼らのサウンドに対する迷いのなさが曲にあらわれているためでしょう。そしてもうひとつ、彼らのポップスセンスの良さが曲に反映されているからではないでしょうか。サウンドはすんなりと耳になじみ、ポップなメロディーとともに、リスナー層を選ばないポピュラリティーを感じさせます。

疾走感のあるビートが楽しめる「One Mouth Off」「Talons」、荘厳なコーラスに、曲の広がりを感じる「Zephyrus」など、エレクトロビート主体ながらも曲に幅を持たせる構成に、最後まで飽きさせません。

進化を続ける3枚目。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

WE ARE THE PIPETTES/THE PIPETTES

発売当初、気になっていたのですが、さほど評判がよくなかったので見送っていました。で、このほどようやく聴いてみたのですが・・・うーん、たしかにいまひとつかも(^^;;

一応、50年代のガールズポップ風を気取ってはいるのですが、内容は中途半端なポップス。今風になりきるわけでもなく、昔のガールズポップを忠実に今に再現するわけでもなく、コンセプトがどうも中途半端に感じてしまいました。残念。

評価:★★★

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2008年11月 3日 (月)

ポップス路線

Title:Just a Souvenir
Musician:Squarepusher

Just a Souvenir

 

前にも書いたと思うのですが・・・「エレクトロニカ」やら「ポストロック」やら、いわゆる「実験的」といわれる音楽をやっているミュージシャンの難しさは、その「実験性」を継続しなければならない点だと思います。

しかし、斬新な音楽は簡単に見つけられるわけではありません。そこで、「実験性」に行き詰まったミュージシャンはどんな選択をするのか。

Squarepusherが出した答えは、実験性を残しながらも、ポップ路線に走るという答えでした。

「Star Time2」から、YMOを彷彿とさせるようなテクノポップ路線からスタート。その後、「A Real Woman」はPOLYSICS、というよりDevoを彷彿させるようなニューウェーヴパンクですし、「Delta-v」は、デジタルパンクといった感じでしょうか?いずれもポップで聴きやすい作風に仕上げています。

一方では、「Aqueduct」「Potential Govane」のような、音響派、ポストロック風の作品や、フリージャズ風の「Duotone Moonbea」のように、ある一定の実験性持ち合わせており、リスナーを飽きさせません。

前作「Hello Everything」から、次の一歩を探し続けている感はありましたが、本作では、ある種のマンネリに陥ることなく、かといって必要以上にセルアウトすることなく、次のベクトルを見つけ出すことに一定の成功をおさめたといえるのではないでしょうか。

先駆性や斬新さという側面では少々物足りなさも感じてしまうのも事実。そういう意味では、もろ手をあげて絶賛できる作品ではないのですが・・・最後まで飽きることなく、その独特な世界を十分楽しめる作品でした。

評価:★★★★

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2008年10月24日 (金)

国内盤は発売中止だってさ

Title:Perfect Symmetry
Musician:KEANE

Perfect Symmetry

Keaneといえば、ピアノを中心としたバンドサウンドのアレンジに、叙情的なメロディーラインが心に響くバンド・・・

なのですが、本作では、1曲目からそのイメージと大きく異なるサウンドからスタートします。

1曲目「SPIRALLING」は、80年代ニューウェーヴを思い起こさせるような、シンセサウンドが全開のチューン。その後「THE LOVERS AND LOSING」もニューウェーヴテイストの強いサウンドですし、いままでと違った雰囲気の曲風に戸惑わされるのではないでしょうか。

その後、タイトル曲でもある「PERFECT SYMMETRY」「YOU DON'T SEE ME」のようなピアノが印象的に用いられた、「KEANEらしい」曲もあるものの、全体としては、ニューウェーヴテイストの強い、いままでの彼らとは少々異なる作風のアルバムになっていました。

う~ん、おそらく、いままでと違う雰囲気の曲調にチャレンジした結果だとは思うんだけど、なんでこんな中途半端な挑戦しちゃうかなぁ。

確かに、ロックバンドとしては、「マンネリ」をおそれるというのはすごくわかるんだけど、中途半端に自分のスタイルを変えるくらいなら、「大いなるマンネリ」の方がよほど魅力的だと思うんですけどね。

特にKEANEはしっかりとメロディーで勝負できるバンド。それだけに、中途半端な挑戦は、彼らの音楽にとって、雑音になっちゃうと思うんですよね。

今回、国内盤が直前に販売中止になったみたいですが、確かに、私が日本のレコード会社の担当者としたら、このアルバムの発売は躊躇しちゃうなぁ。メロディーの良さは本作でも随所に感じられるだけに、ちょっと残念な作品でした。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

GRADUATION/KANYE WEST

ポップで、ほどよく最先端のサウンドも使われていて、とてもバランスの良さを感じました。ただ、良作ではあるけども、傑作か、といわれると、無難にまとめられすぎて、少々物足りなさも感じるかも。

評価:★★★★

T.I. vs T.I.P./T.I.

T.I.が、T.I.P.という別人格を作り上げて、両者の対比という形でつくりあげたアルバム。力強いリリックとサウンドが印象に残りました。歌詞の内容とか、詳しくはわからないけど、人気の理由はなんとなくわかる気がする作品。

評価:★★★★

ECHOES,SILENCE,PATIENCE&GRACE/FOO FIGHTERS

カントリー色が強く、全体的にポップステイストの強い作品。一方で、力強い骨太のロックンロールも聴かせてくれ、幅広いリスナー層に支持されそう。

評価:★★★★

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2008年10月14日 (火)

泣きメロ卒業?

Title:Ode to J.Smith
Musician:Travis

Ode to J. Smith

個人的に、Travisといえば、同じ泣きメロ系(?)のミュージシャンとしてColdplayと重なる点の多いような印象を受けていました。ただ、このTravisの新作と、Coldplayの先日発売された新作を比べると、その違いがかなり際立ってきたよなぁ、という印象を強く受けました。

Coldplayの新作からは、ある種の大物としての貫禄を感じます。それも、スタジアムロック系の大物の風格を・・・同じUKでいえば、U2みたいな、日本でいえばミスチルのような風格を感じました。曲から、そういう大物風の余裕や、あるいはスケール感を覚えることができるんですよね。

一方、Travisの新作からは、そういう大物然とした雰囲気はありません。「Song To Self」のようなスケール感のあるポップスもあるのですが、アルバム全体としては、むしろインディーポップの色合いを強く感じます。タイプ的には、日本でいえばスピッツといった感じでしょうか?曲のタイプは少々違いますが。

また、そういうインディーロックテイストが強くなった大きな理由として、アルバム全体として、力強いバンドサウンドを多く入れてきて、いままでのアコースティックテイストを一変し、むしろグランジロックの雰囲気が強くなったのも大きな理由でしょう。

そこらへんの変化が印象的なのが「Last Words」で、全体的には、以前のTravisらしい、アコースティックなポップなのですが、その間に迫力のあるノイジーなギターサウンドが入ることにより、以前からのイメージとは違うぞ、ということをリスナーに印象づけています。

ただし、一方では、哀愁漂うメロディーの「Quiet Free」「Friends」のような、美メロ、泣きメロも随所に見られ、決していままでのTravisを否定しているわけではありません。むしろ、いままでのTravisの可能性を、さらに引き伸ばしたアルバム、といえるかもしれません。

・・・とはいうものの、いままでの作品に比べると、少々インパクトの面で弱さがあるのは否めないかなぁ、とも思うのも本作。メロディーの印象の薄さをバンドサウンドでおぎなったのか?といじわるな見方もできてしまうような、ちょっと印象の薄さを感じてしまいました。

悪いアルバムではないので、美メロが好きなら、聴いて損のないアルバムです。ただ、個人的には、もう一歩がんばってほしかったかな?次回作に期待。

評価:★★★★

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2008年10月12日 (日)

「普通」のアルバム

Title:Songs in A&E
Musician:Spiritualized

Songs in A & E

Spiritualizedといえば、サイケデリックなポップでリスナーを魅せてくれるミュージシャンです。

しかし、そんな彼の最新アルバムの内容は・・・

うーん、「普通」のポップスアルバム・・・(^^;;

ゴスペル風の雰囲気を持った「Sweet Talk」「Borrowed Your Gun」、ストレートなアメリカンロック風の「I Gotta Fire」、ガレージパンク風のギターサウンドが特徴的な「You Lie You Cheat」など、曲のバリエーションは豊富。一方で、曲の途中で「Harmony」というインタールードをはさんでくるなど、アルバム全体でのまとまりをつくろうとする努力は見受けられます。

ただ、全体として、「よく出来たポップス」という枠組みを超えるレベルでは、残念ながらなかったような感じがします。音の選び方や構成に、特段かわった点やひかれる点は感じられませんでしたし、サイケな世界にトリップできるような音もありませんでした。

よく出来たポップスアルバムなのは間違いないので、ポップスリスナーなら素直に楽しめる出来とは思うんですけどね。Spiritualizedとしては少々物足りないかも。ちょっと残念な作品でした。

評価:★★★

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2008年10月10日 (金)

oasisの宿命

Title:DIG OUT YOUR SOUL
Musician:oasis

ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付)

oasisの悲劇、それは音楽史に残る傑作アルバムをつくってしまったことでしょう。それも、デビュー作から2作続けて。

その後も彼らの作品は、その2作と比べ続けられ、また、彼らも、いつまでもその2作品を重い鎖のようにぶらさげながら活動を続けているように感じます。

それはある意味、彼らの最大のライバルblurが、早い段階でブリットポップに見切りをつけ、ローファイ路線にシフトしたのとは対照的に。

本作に関しては、彼らは、過去のメロディー主体の路線から決別し、バンド独自のグルーヴを出してきた、そういうレコ評をよく見られました。

そうかぁ??

いや、確かに本作は、メロディー以上にバンドサウンドで聴かせようとするスタンスを強く感じます。

しかし、方向性としては、音の厚みを増し、音数を増やしてバンドサウンドを表に出させようとする手法。バンドとしての演奏力に頼ったというよりも、構成に頼ったようなサウンドに感じられ、それだけで聴かせるには、少々力不足に感じられました。

・・・・ごめん、力不足はいいすぎ。このアルバム、少なくとも、凡百のイギリスギターロックバンドのはるか上を行く出来なのは間違いないです。このグルーヴ感、おそらく、今のイギリスのバンドの中でも1、2を争うほどだと思います。

それにも関わらずいまひとつはまりきれないのは、このアルバムのバンドサウンドから感じる「ワクワク感」が、1st、2ndのメロディーから感じられる「ワクワク感」にまだまだ及ばないんだよね。

結局、あまりにも1st、2ndが素晴らしすぎた、それこそがoasisのかかえる大きな宿命。また、なんだかんだいっても本人たちも、いまだに1st、2ndを引きずっている点もチラホラ見受けられてしまうのも、どうしても1st、2ndと比べてしまう大きな要因になってしまいます。

そういう意味で、全く別路線に行ってしまったblurは、ある意味正しかったのかもしれません。

単独で見れば間違いなく傑作なんだけどなぁ。ただやはりデビュー当初を考えると、このバンドの力はこんなものじゃないと思ってしまうんですよ!もっと傑作を聴かせてくれ!!

評価:★★★★

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