音楽コラム

2020年8月14日 (金)

2020年上半期 邦楽ベスト5

火曜日に引き続き、少々遅くなってしまいましたが邦楽ベスト5です。

5位 oar/角銅真実

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今、話題の女性シンガーソングライターによるデビュー作。妙に惹きつけられるウィスパー気味のボーカルが魅力的で、どこか幻想的な感じがする点も大きなポイントに。特にFishmansの「いかれたBaby」のカバーは絶品。また、ボーカルを生かしたシンプルなサウンドメイキングも絶妙で、彼女の魅力を最大限引き出しているアレンジに仕上げています。決して派手な作品ではないのですが、これからの期待にも大いに期待のできる傑作アルバムに仕上がっていました。

4位 Devil/ビッケブランカ

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おそらくこの上半期、私個人の最大の「はまりソング」が本作に収録される「Ca Va?」でしょう。フランス語で「元気?」を意味する単語をタイトルとした曲なのですが、その発音を生かした非常にユーモラスなポップチューンとなっており、You Tubeで公開しているMVも何度も見てしまいました。もともと非常に美しいメロディーラインが印象的な彼ですが、本作ではそれにユーモアセンスが加わり、さらなる進化を遂げた印象も。もともと、ピアノやストリングスを入れた美メロという、私にとっては壺な曲を書いてくるシンガーでしたが、その中でもさらに魅力的な傑作アルバムでした。

3位  操/岡村靖幸

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本格復帰2作目となるオリジナルアルバム。前作に引き続きの会田誠によるジャケットも印象的な作品なのですが、50代半ばにより全盛期が再来したか、というほどの傑作アルバムに。かつての全盛期ともいえる、彼の80年代の頃の作風を取り入れつつも、例えばDAOKOとのコラボなどにより「今の音楽」をしっかりと取り入れて、結果、多くのファンが求めるであろう、かつての彼のスタイルをしっかりと残しつつ、ただ、しっかりと2010年代の岡村ちゃんにアップデートしている、そんなバランスのよい傑作に仕上がっていました。ここに来て、再び脂ののった活動を行っている彼。まだまだ傑作アルバムは続きそうです。

2位 ボイコット/amazarashi

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独特な歌詞世界が魅力的だったamazarashi。ただ、以前は歌詞から、いわゆる「中2病」的な印象を受けていたのですが、ここ最近、その歌詞の世界観が深化。いい意味で地に足をつけた歌詞になってきており、バンドとしてさらなる進化を感じさせます。もともとメインライターである秋田ひろむは青森出身ということもあって、そんな彼の出自の特徴はしっかりと歌詞の世界にも反映。都会の中での地方出身者の孤独を感じさせるような歌詞も大きな魅力となっています。叙情感たっぷりのダイナミックなサウンドも大きな魅力。彼らの成長を強く感じさせる傑作アルバムになっていました。

1位 Passport&Garcon/Moment Joon

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本作はアルバムを紹介した段階で「暫定年間1位」と既に書いていましたが、その後、本作を越えるような傑作はなく、文句なしに上半期1位となりました。韓国出身大阪在住によるラッパーによるアルバムで、日本人の抱える韓国人に対する差別意識という病巣に対して鋭く切り込んだラップ。それにどこかユーモアセンスをまぜつつ、かつ、韓国人のみに留まらず、日本人の持つ外国人に対する差別意識全般を切り込んだ作品に。作品自体はコロナ禍を反映されたものではないものの、コロナによって各国、事実上、国を閉ざしたような状況となり、ナショナリズムがより台頭してきそうな危険性のある中でこそ、より響くような作品になっています。そういう意味でも2020年という年を代表するアルバムと言えるかもしれません。文句なしの傑作です。

ほかのベスト盤候補としては・・・

202020/斉藤和義
THE KEBABS/THE KEBABS
ROCK/ベッド・イン
いいね!/サニーデイ・サービス
Triptych/Shohei Takagi Parallela Botanica
ストリーミング、CD、レコード/ゲスの極み乙女。

洋楽同様、良作は少なくなかったものの、際立った傑作は少なかった今年。邦楽に関して言えば、4位以下とほかのベスト盤候補の作品は、ほぼどんぐりの背比べ的だったように思います。ただ、逆に1位のMoment Joonはそんな中で2020年を代表する際立った傑作と言える作品。洋楽を通じても、これだけ今の世相を反映された作品は本作だけだったようにも思います。

あらためてベスト5を振り返ると

1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 ボイコット/amazarashi
3位 操/岡村靖幸
4位 Devil/ビッケブランカ
5位 oar/角銅真実

下期もまた、多くの傑作に出会えますように。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期

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2020年8月11日 (火)

2020年上半期 洋楽ベスト5

例年より若干遅くなってしまいましたが、毎年恒例、私的ベストアルバム上半期。まずは洋楽編のベスト5です。

5位 Set My Heart On Fire Immediately/Perfume Genius

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アメリカはシアトルに拠点を置くシンガーソングライター、マイク・ハドレアスのソロプロジェクトPerfume Geniusによる約3年ぶりのニューアルバム。毎回、アルバムが大きな評判を呼ぶ彼ですが、実は彼のアルバムを聴くのは今回がはじめて。しかし、ファルセット気味のボーカルで美しく聴かせるメロディーラインにすっかり魅了されてしまいました。さらに美しいだけの歌声のみならず、所々で入るダイナミックなサウンドも魅力的。まさに静と動を見事バランスさせた傑作アルバムに仕上がっていました。

4位 Hotspot/PET SHOP BOYS

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ベテランエレクトロポップミュージシャンによる約3年9ヶ月ぶりの新作。前々作「ELECTRIC」、前作「SUPER」から続く3部作の最終章と位置付けられた本作。毎回、魅力的なポップチューンを楽しませてくれる彼ですが、前々作と前作は悪いアルバムではなかったものの、以前の彼らの作品と比べると、若干物足りなさを感じてしまうアルバムでした。しかし本作はダンスチューンをメインにPSBの本領がいかんなく発揮された、とにかく聴いていて楽しくなるポップスの連続。メロディーメイカーとしての彼らの実力を存分に楽しめた傑作でした。

3位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr

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正直、各種メディアなどではほとんど話題にのぼらないような作品かもしれませんが…いわゆる「ニューゲイザー」と言われるムーブメントの中で誕生したバンドの一組で、とにかくマイブラをはじめとしたシューゲイザー系バンドへのストレートな愛情が、これでもかというほど感じられるアルバム。率直な話、愛情があふれだしすぎて、ある意味、「そのまま」といった点も否定できないのですが、逆に変なひねりがない分、素直にフィードバックノイズの身をゆだねられる、シューゲイザー好きにはたまらない1作。ちなみに1曲目のタイトルがなぜか「Nagoya」なのもポイント高し(笑)。

2位 The Slow Rush/Tame Impala

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前作「Currents」も大きな評判を得たオーストラリアのミュージシャン、ケヴィン・パーカーによるソロプロジェクト、Tame Impalaの新作。その前作から5年というインターバルを経ての新作となるのですが、ドリーミーなAOR風のサウンドとメロディーがとにかく心地よい傑作アルバムに。どこか哀愁感も覚えるメロディーラインは人なつっこく、ある意味、日本人にとっても琴線に触れそうなメロディーラインとなっており、終始、そのメロに聴き入ってしまいます。かなり久々の新作となりましたが、待ちに待ったかいのあった傑作アルバムに仕上がっていました。

1位 Melee/Dogleg

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これはかなりはまりました!アメリカはデトロイトで結成された4人組バンドDogleg。いわゆるエモコアに属するバンドなのですが、その一方、どこか感じるシューゲイザー系からの影響も心地よく、かつ、メロディーラインは至ってポップにまとまっているのが特徴的。エモーショナルなバンドサウンドながらも意外とポップなメロはいい意味で敷居も低く、eastern youthやNUMBER GIRLあたりが好きなら間違いなくはまりそうなバンド。フルアルバムは本作が初らしいのですが、今後に注目したい、ロック好きなら必聴の傑作アルバムです。

ほかのベスト盤候補としては…

Miss Anthropocene/Grimes
R.Y.C./Mura Masa
EVERY BAD/Porridge Radio
It Is What It Is/Thundercat
Fetch The Bolt Cutters/Fiona Apple
græ/Moses Sumney
Notes On A Conditional Form(邦題 仮定形に関する注釈)/The1975
RTJ4/Run the Jewels

正直言うと、この上半期、良作は少なくなかったものの、ずば抜けた傑作も少なかったかな、という印象を受けます。今回紹介した5枚と、ほかのベスト盤候補としてあげたアルバムは、どれも「どんぐりの背比べ」程度の違いしかなかったように思います。それだけに、どのアルバムも十分、ベスト盤になりえたアルバムでした。逆に言うと、「これは!」といったアルバムもなかったようにも思えてしまいます。

あらためて上半期のベスト5を並べると…

1位 Melee/Dogleg
2位 The Slow Rush/Tame Impala
3位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr
4位 Hotspot/PET SHOP BOYS
5位 Set My Heart On Fire Immediately/Perfume Genius

コロナ禍で音楽業界も厳しい状況が続いていますが、そんな中でも、下期も少しでも私たちを楽しませてくれる音楽に出会えますように…。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期

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2020年2月 4日 (火)

2019年ベストアルバム(邦楽編)その2

4日間にわたってお送りしてきました私的ベストアルバムも今日が最後。邦楽編の1位から5位の紹介です。

5位 エアにに/長谷川白紙

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今、最も注目を集めるシンガーソングライターの最新作。非常な奇妙なジャケットも目につくのですが、サウンド的にも最新のジャズの要素を取り入れつつ、複雑な構成となっている楽曲が印象に残ります。ただ、それにも関わらずメロディーライン自体はポップにまとめあげており、全体的には広いリスナー層にアピールできそうなポピュラリティーをしっかりと確保。このバランスの良さも見事でしょう。今後、さらに注目が集まりそうな傑作アルバムでした。

4位 新しい人/OGRE YOU ASSHOLE

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アルバムをリリースする毎に傑作をリリースし続けるOGRE YOU ASSHOLEの新作。今回も極限までそぎ落としたシンプルなサウンドの中で最高にサイケデリックな雰囲気を醸し出す曲を聴かせてくれているのですが、その中で今回のアルバムで特徴的だったがOGRE流ディスコサウンドとも言うべき4つ打ちの楽曲。スペーシーなサウンドで軽くトリップ感を味わえるような独特のグルーヴが産みだされており、彼らの新たな魅力を感じさせるサウンドを作り出していました。

3位 30/電気グルーヴ

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今年を代表する傑作ながら、ピエール瀧の逮捕により、いまだに聴くことが出来ない「幻の作品」となっている本作。結成30周年を記念してリリースされた本作は、彼らの過去のターニングポイントになった曲を現在の視点から「リメイク」した作品になっており、電気グルーヴの活動を俯瞰するのは非常に優れた1枚であると同時に、彼らの実力をいかんなく感じられる傑作アルバムになっていました。レンタルでは普通に聴くことが出来るため、是非、そちらでチェックして欲しい文句なしの傑作。しかしソニーは、いつまでこの愚行を続けるのか…。

2位 cherish/KIRINJI

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先日、KIRINJIが現在のバンド形態での活動を今年末で終了する旨のアナウンスを行いました。元々、スーパーグループ的なバンドだっただけに、長くは続かないだろうなぁ、と思っていただけに意外性はなかったのですが、最新作はバンドとしての攻めの姿勢を強く感じ、次回作が楽しみだっただけにその点は非常に残念。ただ一方で、エレクトロサウンドと生音を見事に融合させ、今のKIRINJIとしてのサウンドの到達点を示した傑作アルバムだった本作をリリースした今、バンドとしてやれることはやりつくしたのかなぁ、とも思うような作品でした。

1位 PUNK/CHAI

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もう文句なしの2019年を代表する最高傑作アルバム。聴いた当時に「このアルバムを評価せずに、どのアルバムを評価するの?」と書いたのですが、その気持ちは今も変わっていません。足腰のしっかりしたバンドサウンドにカラッとした、邦楽ばなれした、しかししっかりとポピュラリティーを保ったメロディーラインが大きな特徴。なんと本作はかのPitchforkで「BEST NEW MUSIC」を獲得。さらに年間ベストアルバムで46位という快挙を達成しています。洋楽邦楽の枠組みを超えて2019年を代表する傑作アルバムです。

そんな訳であらためてベスト10を振り返ると…

1位 PUNK/CHAI
2位 cherish/KIRINJI
3位 30/電気グルーヴ
4位 新しい人/OGRE YOU ASSHOLE
5位 エアにに/長谷川白紙
6位 834.194/サカナクション
7位 三毒史/椎名林檎
8位 Section#11/THE BAWDIES
9位 underground/SPARTA LOCALS
10位 ジェニーハイストーリー/ジェニーハイ

他のベスト盤候補としては…

あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた/忘れらんねえよ
ALL THE LIGHT/GRAPEVINE
HOCHONO HOUSE/細野晴臣
ドロン・ド・ロンド/チャラン・ポ・ランタン
THE ANYMAL/Suchmos
9999/THE YELLOW MONKEY
労働なんかしないで 光合成だけで生きたい/スガシカオ
Ride On Time/田我流
MOROHA IV/MOROHA
THA BLUE HERB/THA BLUE HERB
LOLIPOP SIXTEEN/SOLEIL
燦々/カネコアヤノ
音の門/国府達矢
スラップスティックメロディ/国府達矢
スターシャンク/Cocco
見っけ/スピッツ
KYO/m-flo
井上順のプレイボーイ講座12章/小西康陽とプレイボーイズ

12月末の暫定版の時は、年間ベストクラスの傑作が少なかった…と書いたのですが、ただ、特に12月リリースのアルバムで傑作も目立ち、結果としては文句なしの傑作がしっかり並ぶ10枚になっていたように感じます。ベテラン(電気グルーヴ、KIRINJI、椎名林檎)、中堅(サカナクション、THE BAWDIES、OGRE YOU ASSHOLE)、若手(CHAI、長谷川白紙)がバランスよく名前を並べているベスト10となっており、そういう意味でも今の日本のミュージックシーンがしっかりと活況を帯びたものになっている証拠でしょう。今年もおそらくいろいろな傑作がリリースされてくるでしょうが、今からとても楽しみです。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 上半期

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2020年2月 3日 (月)

2019年ベストアルバム(邦楽編)その1

昨日までのベストアルバム(洋楽編)に続き、今日からは邦楽編です。

10位 ジェニーハイストーリー/ジェニーハイ

テレビのバラエティー番組から登場した企画モノユニット。ゲスの極み乙女/indego la Endなどで活躍している川谷絵音がプロデュースを担当している他、お笑い芸人2人が参加しているノベルティー色が強いバンドなのですが、川谷絵音の才能がさく裂しているゲスとindegoを足して2で割ったような作風が非常にユニーク。加えて、現代音楽家で、かの佐村河内守事件で知られる新垣隆がキーボードとして参加。彼の奏でるキーボードのメロも強いインパクトを与えており、企画モノユニットだからこその自由度が感じられます。正直、企画モノゆえか、音楽雑誌等には完全に無視に近い状況なのですが、アルバムの内容としてはかなりの傑作となっており、文句なしに2019年を代表する傑作アルバムに仕上がっていたと思います。

9位 underground/SPARTA LOCALS

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2000年代に大きな注目を集めた福岡出身のインディーロックバンドの復帰作。デビュー当初を彷彿とさせるようなエッジの効いたギターサウンドを聴かせてくれており、若干勢いが落ちた感じのあった解散前に比べると、一気に勢いが復活した感のあるアルバムに仕上がっていました。一度の解散が彼らにとって全く無駄ではなかった、新たなSPARTA LOCALS復活を感じさせる傑作アルバム。これからの彼らの活躍も非常に楽しみになる作品です。

8位 Section#11/THE BAWDIES

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ルーツ志向のロックンロールを真摯に継承し続けるTHE BAWDIES。その中でも彼らなりの個性やバリエーションを持たせるために、様々な試みを行っていた彼ら。その結果、ここ最近の作品は残念ながら初期の作品のように、ロックンロールの初期衝動をあまり感じさせないようなアルバムが続いていたのですが、今回のアルバムはまさに久々の快心作といえる傑作に。ロックンロールの初期衝動を感じさせつつ、モータウンビートやファンクなど、彼らの幅広い音楽性も感じさせる傑作アルバムに仕上がっていました。

7位 三毒史/椎名林檎

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男性ミュージシャンとのデゥオと自身のみの作品を交互に並べる、いわば企画盤的な構成となっている椎名林檎の新作。「生と死」をテーマとしたコンセプチャルな歌詞を軸に、癖のある男性ボーカルが数多く参加する中で、そんな男性陣を物ともせず、彼女の個性をしっかりと出し、しっかりと椎名林檎の作品として仕上げてくるあたり、彼女の高い実力を感じさせます。まさに彼女にしか作りえなかった傑作アルバムです。

6位 834.194/サカナクション

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2枚組となっている本作は、まさに意欲作という表現がピッタリとくる作品。アルバムタイトルは東京と、彼らが活動を開始した札幌の距離をあらわしている数値だそうで、2枚の作品は、それぞれ外を意識してポップな作品を集めた「東京」と、自分の好きに曲作りを行った「札幌」という構成になっています。まさにポップなサカナクションと、挑戦的なサカナクションという、彼らの二面性をアルバムの中でしっかりと表現できた傑作アルバムに。サカナクションの魅力が存分に発揮された作品となっています。

とりあえずは10位から6位は以上の通り。明日は5位からの紹介です。

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2020年2月 2日 (日)

2019年ベストアルバム(洋楽編)その2

昨日に引き続き洋楽私的ベストアルバムの第2弾。今日は5位から1位の紹介です。

5位 Live In London/Mavis Staples

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ソウルグループのThe Staple Singersのメンバーとして数多くのヒット曲を生み出してきたソウル界のリビング・レジェンド、Mavis Staples。齢80歳という年齢ながらも、まだまだ若いものには負けないとばかりに現役感あふれる力強いボーカルを聴かせてくれます。さらに年齢を重ねたからこそ生み出せる豊かな表現力も見事。今年はアルバム「We Get By」もリリースしていますが、こちらも文句なしの傑作でした。

4位 MAGDALENE/FKA Twigs

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各種メディアで軒並みベストアルバムにあげられた傑作アルバム「LP1」から5年。その間、彼女が経験してきた様々な苦労・痛みを表現した内省的な作品となった本作ですが、そんな彼女の心境をあらわしているのか、シンプルなエレクトロサウンドが特徴的だった前作からうってかわって、分厚いエレクトロサウンドが特徴的になっています。ただ一方、そんな中で流れる彼女の歌声は非常に優しく美しく、強い印象を受ける作品に。聴き終わった後にはむしろ暖かさすら感じさせる、そんな傑作アルバムに仕上がっていました。

3位 Pony/Rex Orange County

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日本でも話題となってきているイギリスで、いや世界的に今、最も注目を集めるシンガーソングライター。日本人の琴線にも触れそうな、暖かくも懐かしさを感じさせるメロディーラインが大きな魅力に。一方ではリズムマシーンを用いたサウンドやラップなどを取り入れる音楽性、さらには音楽活動的にHIP HOP系のミュージシャンとのコラボを行っていたりして、単純に「ポップなメロを書くSSW」とはちょっと異なる、今時感があります。今後にも大きな期待を持てるSSWの誕生です。

2位 Cuz I Love You/Lizzo

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自分のありのままの体型を受け入れて愛そう、というボディポジティブムーブメントの象徴的なミュージシャン。そのふくやかなボディーから繰り広げられるパワフルなボーカルが大きな魅力。またサウンド的にもトラップのような今時の音を取り入れつつも、全体的にレトロな雰囲気の、懐かしさを感じさせるサウンドが特徴的。ちょっとベタさがありつつも、それゆえに耳馴染みのあるサウンドが大きな魅力となっています。本作では本国アメリカでも大きなブレイクし、これからの活躍も期待できそうです。

1位 Jaime/Brittany Howard

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Alabama Shakesのボーカリストによる初のソロアルバム。こちらもLizzo同様のダイナマイト姉ちゃんによるパワフルなボーカルが魅力的な作品。キーボードにロバート・クラスパーを迎えるなど、全体的にはジャズ寄りとなった作品なのですが、Alabama Shakes同様に、ルーツ志向を感じつつも今のサウンドをしっかり取り入れた作風が大きな魅力となっています。もちろん彼女の緩急つけた表現力豊かなボーカルもアルバムの大きな魅力に。文句なしの傑作アルバムでした。

そんな訳であらためてベスト10を振り返ると…

1位 Jaime/Brittany Howard
2位 Cuz I Love You/Lizzo
3位 Pony/Rex Orange County
4位 MAGDALENE/FKA Twigs
5位 Live In London/Mavis Staples
6位 When I Get Home/Solange
7位 Africa Speaks/SANTANA
8位 Weezer(Black Album)/Weezer
9位 Patience/Mannequin Pussy
10位 Two Hands/Big Thief

12月の暫定版の時も書いた通り、突出した傑作は少ない…といった感じなのですが、それでも10枚、文句なしの傑作アルバムを選ぶことが出来ました。ただ今年は全体的に女性の活躍が目立ったように思います。上位5枚のうち4枚まで女性ボーカルですし、私的ベスト10にはあげませんでしたが、各種メディアで軒並みベスト盤として選ばれたLana Del Reyの「Norman Fucking Rockwell!」や、おそらく2019年に一番注目を集めたであろうBillie Eilishなど、女性陣の活躍が目立った1年となりました。

さて、ほかのベスト盤候補としては…

Assume From/James Blake
Bobbie Gentry's The Delta Sweete Revisited/Mercury Rev
Everything Not Saved Will Be Lost Pt.1/Foals
No Geography/The Chemical Brothers
Life Metal/Sunn O)))
HOMECOMING:THE LIVE ALBUM/Beyonce
U.F.O.F./Big Thief
Spirit/Rhye
LEGACY!LEGACY!/Jamila Woods
False Alarm/TWO DOOR CINAME CLUB
We Get By/Mavis Staples
Schlagenheim/black midi
Weezer(Teal Album)/Weezer
Duck/Kaiser Chiefs
i,i/Bon Iver
Basking In The Glow/Oso Oso
Norman Fucking Rockwell!/Lana Del Rey
Jesus Is King/Kanye West

今年はどんな名盤に出会えるでしょうか。多くのミュージシャンたちの活躍に期待したいところです。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 上半期

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2020年2月 1日 (土)

2019年ベストアルバム(洋楽編)その1

今年も恒例の私的ベストアルバムの紹介です。まずは洋楽の10位から6位まで。

10位 Two Hands/Big Thief

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ニューヨーク、ブルックリンを拠点として活動しているインディーロックバンド。フォーキーでかつシンプルな、美しいメロディーラインが耳を惹くバンドで、メロディーの良さゆえに、日本でも注目を集め始めています。実は今年、もう1枚アルバム「U.F.O.F.」をリリースしており、どちらも名盤。ただ、アコースティックなサウンドがメインの「U.F.O.F.」に比べて、バンドサウンドをより前に押し出した本作の方が、個人的にはより多彩な音楽性も楽しめて良かったように感じます。

9位 Patience/Mannequin Pussy

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こちらもアメリカ発のインディーロックバンド。荒削りでパンキッシュなサウンドがカッコよい、まさにロックの初期衝動を体現化したようなグループ。いまだにこんなバンドがいるんだ、と驚かされるような、80年代のパンクロックそのままというスタイル。一方、メロディーラインは至ってポップにまとまっており、こちらも日本での注目度は高まりそう。HIP HOP勢に押され気味なアメリカにおいて、ロックもまだまだ元気なんだ、ということを主張するような1枚でした。

8位 Weezer(Black Album)/Weezer

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まるでギャグのようなジャケット写真も目立つアメリカのパワーポップバンドWeezerの最新作。「パワーポップバンド」と書いたものの、本作ではパワーポップ色は皆無。ロックな作風よりもポップな作風の曲が目立つアルバムとなっており、そういう意味では賛否両論分かれるアルバムとなっています。ただ、Weezerのメロディーメイカーとしての才能がしっかりと発揮された傑作となっており、いい意味でポップバンドとしてのWeezerの魅力がつまった傑作となっていました。

7位 Africa Speaks/SANTANA

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アフリカ音楽を大々的に取り入れて話題となったSANTANAの最新作。プロデューサーにリック・ルービンを起用。また、マヨルカ島出身のスペイン人シンガー、ブイカを全面的にボーカリストとして起用しており、トライバルなリズムがまずは耳を惹きます。そんな中で切り裂くように響くカルロス・サンタナのギターも強く印象に残るアルバムになっており、SANTANAのサウンドとアフリカの音が高い次元で融合する傑作に仕上がっていました。既に「リビング・レジェンド」の位置にいる彼らですが、いまなお挑戦を続けるその姿勢には驚かされます。

6位 When I Get Home/Solange

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最近は、ともすれば姉のBeyonce以上に傑作アルバムのリリースが続くSolangeですが、3月に突如配信でリリースされた本作もまた、期待にたがわない傑作アルバムに仕上がっていました。エレクトロジャズを取り入れつつ、メロウで、酩酊感を覚えるサウンドが大きな魅力。さらに彼女の美しい歌声にも心奪われます。アメリカを代表するミュージシャンだからこそ、ある種の束縛があるBeyonceに比べて、かなり自由度の高い作品を作り続けているような印象を受ける傑作アルバムでした。

そんな訳で6位から10位の紹介は以上。明日は1位から5位の紹介です。

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2020年1月 1日 (水)

あけましておめでとうございます

本年も当ゆういちの音楽研究所をよろしくお願いします。

さて、年度はじめは昨年を振り返る簡単な音楽に関しての雑感を書いているのですが、昨年のレコード大賞、Foorinの「パプリカ」の受賞、おめでとうございます。このニュース、かなりビックリしたのですが、ただ昨年のヒットシーンを考えると当然かな、という印象も受けます。特にこの曲、未就学児や小学生の低学年あたりに対する訴求力はすさまじいものがあります。昨年、家族でレゴランドへ遊びに行って、その時にレゴランドホテルに泊まったのですが、レゴランドのエレベーターって、子どもを楽しませるために音楽が流れているんです。もっとも基本的に外資系なので洋楽がメインなのですが、なぜかそんな中、唯一邦楽で「パプリカ」が流れていたのですが、「パプリカ」が流れ出した途端、エレベーターの中にいた幼児5、6人が一斉に「パプリカ」を歌い出した、という出来事がありまして・・・あらためて「パプリカ」の人気のほどを感じさせました。

しかし昨年のこのコーナーにも書いたのですが、この「パプリカ」もそうですが、ここ数年、ようやく音楽シーンに「ヒット曲」と言えるものが戻って来たように思います。昨年も「パプリカ」以外にもOfficial髭男dism「Pretender」「宿命」「イエスタディ」、King Gnu「白日」、米津玄師「馬と鹿」などヒット曲が多く誕生しました。

ただ、それらがCDの売上と結びついていないのは共通項で、この「パプリカ」にしても、CDもそこそこヒットしたとはいえオリコンの年間シングルランキングでこの曲は52位と、昔だったら「スマッシュヒット」という程度の小ヒットと認識されそうな程度の売上しかあげていません。そういう曲がしっかりとヒットとして認識され、レコード大賞までとってしまうあたり、もうCDの時代は完全に終わったんだな、という印象を受けます。そういえば今年のオリコン年間シングルランキングはここ数年の傾向通り、AKB系やジャニーズ系が上位を独占する結果となったのですが、もう誰もそのことを話題にすらしなくなりましたよね・・・。

この「パプリカ」もそうですし、「Pretender」もそうですが、ここ最近のヒット曲はしっかりと歌と曲を聴かせるような曲が増えているように思います。今年もヒットを続けた、米津玄師の「Lemon」なんかもそうですしね。ただその一方で、「Pretender」なんかはその背景にブラックミュージック的な要素をしっかりと織り込んだり、米津玄師の楽曲は複雑な構成をさらっとポップにまとめあげたり、決して単純な売れ線J-POPとは異なるよく出来たポップスがしっかりと売れているように思います。今年の「Music Magazine」のJ-POP/歌謡曲部門の年間ランキングでヒゲダンやあいみょんを取り上げて、過去のJ-POPの縮小再生産で、今の日本の不景気を象徴している、なんていう全くわかっていないコメントをのせた評論家もどきのコメントがありましたが、あまりにポピュラーミュージックの本質を理解していなくて頭が痛くなります。だからミューマガって、ただ奇抜さだけを売りにするようなつまんないアイドルポップを妙に高く持ち上げたりするんですよね。今後、この人は一切、ポピュラーミュージックを語る資格はないでしょう。

・・・・・・すいません、正月早々毒を吐いてしまいましたが、全体的に見て、今、日本のポップスシーンは良い方向に向かっているのは間違いないと思います。今年もヒゲダンや「パプリカ」、米津玄師やあいみょんに続くヒット曲を期待できそうです!

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2019年12月31日 (火)

2019年ベストアルバム(暫定版)

今年も残すところ1時間弱となりました。毎年恒例の年間私的ベストアルバム暫定版。まだ2019年に発売されたアルバムの中で聴いていないものもあるため、正式版は例年通り2月はじめに発表する予定ですが、まずはその候補を紹介します。

邦楽編

まずは上半期のベスト5を振り返ります。

1位 PUNK/CHAI
2位 30/電気グルーヴ
3位 834.194/サカナクション
4位 三毒史/椎名林檎
5位 underground/SPARTA LOCALS

これに続く下期のベスト盤候補は・・・

THA BLUE HERB/THA BLUE HERB
LOLIPOP SIXTEEN/SOLEIL
新しい人/OGRE YOU ASSHOLE
燦々/カネコアヤノ
音の門/国府達矢
スラップスティックメロディ/国府達矢
スターシャンク/Cocco
見っけ/スピッツ

うーん、正直言うと、もちろんここに並べたアルバムはいずれも傑作アルバムであることは間違いないのですが、全体的には年間ベストクラスの傑作は少なかった印象が。悪い意味で10枚選ぶのに苦労しそうな結果だったように思います。ただ、まだ聴いていない名盤候補も何枚かあるため、そちらに期待したいところなのですが・・・さてさて。

洋楽編

こちらもまずは上半期のベスト5。

1位 Live In London/Mavis Staples
2位 When I Get Home/Solange
3位 Africa Speaks/SANTANA
4位 Weezer(Black Album)/Weezer
5位 Patience/Mannequin Pussy

これに続く下期のベスト盤候補は・・・

Duck/Kaiser Chiefs
i,i/Bon Iver
Basking In The Glow/Oso Oso
Cuz I Love You/Lizzo
Norman Fucking Rockwell!/Lana Del Rey
Jaime/Brittany Howard
Two Hands/Big Thief
Jesus Is King/Kanye West

こちらも邦楽編同様、ここにあげた作品は文句なしに名作揃いですが、年間ベストクラスは例年に比べて少なかった印象も。ただ、邦楽編よりは、まだ、10枚選ぶのは苦労しなさそうな印象もあります。正直、邦楽洋楽ともに、突出した1枚というのは少なかったような印象も受けます。ただ、洋楽編もまだ聴きのがしている作品もあるため、1月中に残ったアルバムもチェックしていきたいところ。さて、今年の10枚はどうなるか・・・?

それでは、みなさん、よいお年を!!

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2019年8月 3日 (土)

2019年上半期 邦楽ベスト5

昨日に引き続き、今日は邦楽のベスト5です。

5位 underground/SPARTA LOCALS

聴いた当時の感想はこちら

2004年にデビューし、大きな注目を集めた福岡発のロックバンドSPARTA LOCALS。残念ながら2009年に解散したものの、2016年に復活。そして今年、約10年半ぶりとなる待望のニューアルバムがリリースされました。これがまさにデビュー時を彷彿とさせるようなエッジの効いたサウンドとビートのアルバムになっており、デビュー時の勢いを再び取り戻したかのような傑作アルバムになっています。これからまた再び、シーンをかき回してきそうなそんな予感のする1枚でした。

4位 三毒史/椎名林檎

聴いた当時の感想はこちら

椎名林檎の新作は、男性ミュージシャンとのコラボ作と自身の単独作を交互にならべるという企画盤的とも言える内容に。ただ数多くの癖のあるミュージシャンたちとのコラボの中に、しっかりと椎名林檎としての個性と楽曲のバリエーションの多さを両立。さらには「生と死」をテーマとしたコンセプチュアルな歌詞も特徴的で、椎名林檎の魅力を様々な形で凝縮した傑作に仕上がっていました。彼女にしか作りえなかった、彼女の個性がアルバム全体からあふれ出してくるような、そんな作品です。

3位 834.194/サカナクション

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2枚組というボリューミーな作品となったサカナクションの新作は「意欲作」という表現が非常にピッタリと来る作品。タイトルの奇妙な数字の羅列は東京と、彼らが活動を開始した札幌との距離だそうで、2枚にわかれたアルバムの1枚目は「東京」をイメージした外へ向け意識的にポップにまとめ上げた作品に、一方、2枚目は「札幌」をイメージし、自らの好きなように曲作りを行った構成になっています。その結果、彼らの持つポピュラリティーな要素と挑戦的な要素が実に上手く混じり合った傑作アルバムに。ただポップな楽曲についても実は彼らなりの挑戦を強く感じさせる曲が多く、そういう意味でもまさに「意欲作」という表現がピッタリくる作品になっていました。

2位 30/電気グルーヴ

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ご存じの通り、ピエール瀧の逮捕のため残念ながらCDを持っていない方にとっては事実上、聴くことが出来ない「幻の作品」に・・・。結成30周年を記念してリリースされた本作は、彼らの過去のターニングポイントになった曲を現在の視点から「リメイク」した作品になっており、電気グルーヴの活動を俯瞰するのは非常に優れた1枚であると同時に、彼らの実力をいかんなく感じられる傑作アルバムになっていました。それだけに現在、販売中止という状況は非常に残念。1日も早い販売再開を望みたいところです。ちなみにAmazonなどで中古で高値で販売されていますが、少なくとも「聴く」だけならレンタルでは通常通り取り扱いがあるそうなので、そちらを利用することを推奨します。

1位 PUNK/CHAI

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前作「PINK」が傑作アルバムで完全に彼女たちにはまってしまったのですが、間にEPを挟み、それに続くニューアルバムは前作をやすやすと上回る傑作に仕上がっていました。昨今、とかくもてはやされがちな「かわいい」という者の味方にアンチを貫くスタイルに、前作以上に足腰の力が増したバンドサウンド、そして意外とポップでインパクトのある、邦楽ばなれしたカラッとした雰囲気のメロディーラインが大きな魅力に。聴いた当時に「このアルバムを評価せずに、どのアルバムを評価するの?」と書いたのですが、その考えは今も変わっていません。文句なしに今年上半期ベストアルバムです。

ほかのベスト盤候補としては・・・

あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた/忘れらんねえよ
ドロン・ド・ロンド/チャラン・ポ・ランタン
THE ANYMAL/Suchmos
9999/THE YELLOW MONKEY
労働なんかしないで 光合成だけで生きたい/スガシカオ
Ride On Time/田我流

比較的、傑作揃いだった洋楽シーンと比べると若干物足りなさげか。ただ、それでも数多くの傑作に上半期は出会うことが出来ました。さて、あらためてベスト5を振り返ると

1位 PUNK/CHAI
2位 30/電気グルーヴ
3位 834.194/サカナクション
4位 三毒史/椎名林檎
5位 underground/SPARTA LOCALS

偶然ですが、タイトルに数字が入ったアルバムが多かったような・・・。下半期も多くの傑作アルバムに出会いたいですね!

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期

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2019年8月 2日 (金)

2019年上半期 洋楽ベスト5

今年も早くも恒例、上半期私的ベストアルバムの紹介がやってまいりました。まずは洋楽のベスト5から。

5位 Patience/Mannequin Pussy

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まずはアメリカ発、女性ボーカルによるインディーパンクバンドの最新作。荒削りでパンキッシュなサウンドがいい意味でインディーバンドらしく、またポップなメロディーラインはヒットポテンシャルも十分ですし、日本でも売れそうな予感も。一方では80年代インディーロックそのままなサウンドに、まだこういうサウンドでがんばっているバンドがいるんだ、というある種の驚きも。HIP HOPシーンに押され気味なロック勢ですが、まだまだ元気なバンドはたくさんいるんだ、ということを再認識させられる傑作でした。

4位 Weezer(Black Album)/Weezer

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正直言うと、どちらかという賛否分かれる形となっているアメリカのパワーポップバンド、Weezerの最新作。パワーポップバンドとしてロックなバンドサウンドを押し出したような楽曲はほとんどなく、ポップな曲調の作品が並ぶアルバムになっています。そのため、あの分厚く心地よいサウンドを求める方にはかなり物足りなさを感じるアルバムになっていたかもしれませんが・・・ただ、彼らのメロディーメイカーとしての才能が光る作品になっており、徐々にメロディーラインの美しさに惹かれていきました。Weezerの「ポップ」な側面が上手く機能していた傑作です。

3位 Africa Speaks/SANTANA

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大ベテランバンド、SANTANAの最新作は、アフリカ音楽を大々的に取り入れた作品に。マヨルカ島出身のスペイン人シンガー、ブイカを全面的にボーカリストとして、またリック・ルービンをプロデューサーとして起用しており、トライバルなリズムが全面的に展開。ただ、そんなトライバルな作風を切り裂くように響くカルロス・サンタナのギターも強く印象に残るアルバムになっており、SANTANAのサウンドとアフリカの音が高い次元で融合する傑作に仕上がっていました。既に「リビング・レジェンド」の位置にいる彼らですが、いまなお挑戦を続けるその姿勢には驚かされます。

2位 When I Get Home/Solange

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3月に突如配信でリリースされたSolangeのニューアルバム。前作「A Seat At The Table」が高い評判を呼びましたが、本作もそんな前作に勝るとも劣らない傑作アルバムに仕上がっていました。エレクトロジャズを取り入れつつ、メロウで、酩酊感を覚えるサウンドが大きな魅力なのですが、それ以上に心を奪われるのがやはり彼女の歌声でしょう。Tyler,The Creatorをはじめ豪華なゲストが参加しつつも、彼女の歌声ゆえにしっかりとSolangeのアルバムとして統一感のある魅力的な傑作アルバムでした。

1位 Live In London/Mavis Staples

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そして上半期1位は、こちらもベテランミュージシャンによるライブアルバム。ソウルグループのThe Staple Singersのメンバーとして数多くのヒット曲を生み出してきたソウル界のリビング・レジェンドとも言える彼女。昨年7月にロンドンのユニオン・チャペルで行われたライブの模様を収録したライブアルバムなのですが、これが度胆を抜かれる凄さでした。当時79歳という彼女ですが、その年齢を感じさせない艶のあるボーカルに、逆に年齢ゆえの深みを感じさせる表現力が重なり、聴いていて鳥肌がたってくるような凄みのあるボーカルを聴かせてくれます。ちなみに今年リリースしたアルバム「We Get By」も大傑作。齢80歳にしてまだまだ現役の彼女。すごすぎます!

ほかのベスト盤候補としては・・・

Assume From/James Blake
Everything Not Saved Will Be Lost Pt.1/Foals
No Geography/The Chemical Brothers
Life Metal/Sunn O)))
HOMECOMING:THE LIVE ALBUM/Beyonce
U.F.O.F./Big Thief
Spirit/Rhye
LEGACY!LEGACY!/Jamila Woods
False Alarm/TWO DOOR CINAME CLUB
We Get By/Mavis Staples
Schlagenheim/black midi
Weezer(Teal Album)/Weezer

こう並べると、上半期は比較的良作が多かったような感じがします。そんな中でもMavis StaplesやSANTANAといったベテラン勢の活躍も目立った上半期。下期もさらなる名盤との出会いを期待したいところです。

あらためてベスト5を並べると・・・

1位 Live In London/Mavis Staples
2位 When I Get Home/Solange
3位 Africa Speaks/SANTANA
4位 Weezer(Black Album)/Weezer
5位 Patience/Mannequin Pussy

明日は邦楽の上半期ベスト5!

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期

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