音楽コラム

2022年2月 6日 (日)

2021年年間ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日から引き続き、邦楽の私的ベストアルバム。本日は5位から1位の紹介です。

5位 NOISE CANCEL/ANARCHY

Anarchy

聴いた当時の感想は、こちら

ここ最近はavexからの作品リリースが続き、微妙に「売り」を意識したような作品が続いていたANARCHY。それらのアルバムも決して悪くはなかったものの、以前の彼の作品からすると少々物足りなさを感じる作品が続いていました。しかし、今回、avexを離れ、配信オンリーでリリースしたのが本作ですが、かつてのANARCHYが戻ってきたと思われるような作品になっていました。彼の身の回りのリアルをストレートに表現したラップが魅力的な作品に。かなり胸に突き刺さるようなリリックが連続するような傑作アルバムに。あらためて彼のすごみを感じる作品でした。

4位 We Are The Times/Buffalo Daughter

聴いた当時の感想は、こちら

なんと前作から約7年ぶり。久しぶりとなったBuffalo Daughterの新作は全9曲39分という長さのミニアルバム。久々の作品の割にはちょっと短いのでは?と思いつつも、しかし内容の方はギッシリと傑作のつまったアルバムとなっていました。基本的な路線はいままでの彼女たちと同様なのですが、必要最小限の音だけで構成されたエッジの効いたサウンドは実に魅力的。ひとつひとつの音が必要な場所に配されているように感じられる作品で、緊張感のある作風がスリリングな作品に仕上がっていました。

3位 よすが/カネコアヤノ

聴いた当時の感想は、こちら

個人的にも注目していますし、世間的な注目度もどんどん増している感のある女性シンガーソングライター、カネコアヤノのニューアルバム。彼女らしい暖かさと郷愁感を覚えるフォーキーなメロを聴かせつつ、一方ではサイケやロック、カントリー、ハワイアン、トラッドとバラエティー富んだ作品になっており、いままでのアルバムの比べるとグッと音楽性が増し、またミュージシャンとしての幅の広さを感じさせる傑作に仕上がっていました。カネコアヤノというミュージシャンの奥の深さをあらためて感じさせる作品でした。

2位 MOOD/本日休演

聴いた当時の感想は、こちら

本作ではじめてアルバムを聴いた京都在住のロックバンド、本日休演のニューアルバム。彼らの作風のイメージを一言で言えばアングラ系フォークロックバンド。フォーキーな雰囲気を感じさせるサウンドとヘヴィーなバンドサウンドのアンバランスさがユニークで、どこかゆらゆら帝国やORGE YOU ASSHOLEと同じ方向性を感じさせる空間を生かしたサウンドメイキングも大きな魅力でした。一方でメロディーラインは意外とポップという印象を受けるのが非常におもしろい感も。いろいろな意味での「やばさ」を感じさせる傑作アルバム。今後、さらに注目を集めそうなバンドです。

そして・・・

1位 心理/折坂悠太

聴いた当時の感想は、こちら

文句なしの年間1位!正直なところ、今年のベスト10のうち、この1位はさらに頭ひとつ出ていた感もあります。前作「平成」も傑作でしたが、それを易々と飛び越える傑作をリリースしてきました。ジャズをベースとした洋楽的な要素を軸としつつも、日本的な民謡の要素も取り入れたり、さらには韓国のシンガーソングライター、イ・ランがゲストで参加するなど、無国籍な作風で独自のグルーヴ感を醸し出しているアルバムに仕上がっていました。シンガーソングライターとしてさらなる高みに到達した1枚。これからの活躍が本当に楽しみになってくるような傑作アルバムでした。

そんな訳でベスト10をあらてめて振り返ってみると・・・

1位 心理/折坂悠太
2位 MOOD/本日休演
3位 よすが/カネコアヤノ
4位 We Are The Times/Buffalo Daughter
5位 NOISE CANCEL/ANARCHY
6位 FRUITFUL/堀込泰行
7位 crepuscular/KIRINJI
8位 天才の愛/くるり
9位 FREAK/ネクライトーキー
10位 僕のスピな☆ムン太郎/マハラージャン

また、他のベスト盤候補としては・・・

THE MILLENNIUM PARADE/millennium parade
朝顔/折坂悠太
接続/AJICO
新しい果実/GRAPEVINE
無限のHAKU/ROTH BART BARON

う・・・かなり少ない・・・。年末の暫定版の時にも書いたのですが、正直なところ今年は邦楽はかなり不作気味だったように感じます。ミュージシャンがコロナ禍で思ったように活動できなかったから・・・ということはあるのかなぁ?日本より制約の大きそうな洋楽勢は、むしろ豊作だったし・・・。もっともベスト10に入ってきたアルバムは文句なしの傑作揃い。さらにその中でも1位の折坂悠太は、向こう10年間を見渡しても、間違いなく5本の指に入りそうな傑作アルバムで、今年のベスト盤の中で頭ひとつ出た作品になっていました。とんでもない才能で、これからの活躍も楽しみです。

そんな訳で、コロナ禍がまだ続き、微妙に暗い雰囲気の世の中が続いていますが、コロナに負けず、今年も多くの傑作が聴けるように、期待したいところです!このサイトでもそんな傑作を1枚でも多く紹介していきますので、引き続き、よろしくお願いします。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  
上半期
2021年 上半期

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2022年2月 5日 (土)

2021年年間ベストアルバム(邦楽編)その1

前回の私的ベストアルバム洋楽編に続き、今日から2回にわたり邦楽編の紹介です。

10位 僕のスピな☆ムン太郎/マハラージャン

聴いた当時の感想は、こちら

インパクトあるジャケット写真にミュージシャン名、さらにアルバムタイトルと、インパクトのかたまりのような男性シンガーソングライターによるデビュー作。ノベルティーソングを彷彿とさせるような感じですが、楽曲自体はコミカルな雰囲気を醸し出しつつも至って真面目。ただ、ファンクの要素を入れつつ、一方ではポップな歌謡曲やJ-POP的な要素を取り入れており、このバランス感覚が絶妙。いい意味で今後のヒットも見込まれそうなミュージシャン。2022年に一気にブレイクなるか?

9位 FREAK/ネクライトーキー

聴いた当時の感想は、こちら

最初は、いかにも今どきの若者的な曲調にひいてしまった部分もあるのですが、とにかくポップで明るい曲調に一気にはまってしまったネクライトーキー。年末にはライブに足を運んだことにより、さらにこのバンドにはまってしまいました。メタ視点も楽しいポップな曲調が大きな魅力なのですが、なにより歌詞を通じて音楽の楽しさを体現したような内容になっているのが、彼女たちが本当に音楽を楽しく演っているな、ということがすごくわかる内容になっていました。こういう若手バンドがどんどん出てくるのは頼もしい限りです。

8位 天才の愛/くるり

聴いた当時の感想は、こちら

アルバム毎に年間ベストに必ず送り込むような傑作をリリースし続ける、安定感半端ないくるり。例のごとく、またメンバーのファンファン脱退で、2人組となってしまいました。アルバム毎にタイプの違った作風を聴かせる彼らですが、今回のアルバムは非常にバラエティー富んだ挑戦的な内容に。若干、岸田が暴走気味か??と思う部分もなきにしもあらずなのですが、それを差し引いても今回も魅力的な楽曲を多く聴かせてくれました。正直、彼らのアルバムの中では頭でっかちな感もあり、上位に入ってくるようなアルバムではないとは思うのですが・・・それでも年間ベストクラスの傑作をリリースするのはさすがです。

7位 crepuscular/KIRINJI

聴いた当時の感想は、こちら

兄弟2人組ユニットから、まさかのバンド編成を経て、今度は堀込高樹のソロプロジェクトとなったKIRINJIの、堀込ソロ後初のアルバム。バンドサウンドを取り入れつつも、ソロアルバムらしい挑戦心とバラエティー富んだ内容になった本作。音楽的自由度もかなり増した作品となっており、KIRINJIらしいシティポップから、ラップを取り入れた作品やトライバルなビートを入れた作品などなど、堀込高樹の音楽的関心の幅広さを感じさせる傑作になっていました。堀込高樹の新たな挑戦にまだまだ目が離せなさそうです。

6位 FRUITFUL/堀込泰行

聴いた当時の感想は、こちら

そんな訳で、元キリンジの兄弟が仲よく並んでランクイン!傑作続きだった兄堀込高樹のKIRINJIに比べると、ソロ以降、若干物足りなさを感じる作品が続いていた弟堀込泰行でしたが、ソロ3作目にして文句なしの傑作リリースとなりました。清涼感あふれるシティポップ、AORの楽曲が並ぶ魅力的なメロディーラインがまず耳を惹きます。さらには、シンプルな優しい言葉を使いつつ、独特な言い回しでその世界観を作り上げている歌詞の世界も実に魅力的。この2作、あらためて堀込兄弟のすごさを感じさせるアルバムになっていました。

そんな訳で、明日は5位から1位の紹介!

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2022年2月 4日 (金)

2021年年間ベストアルバム(洋楽編)その2

火曜日に引き続き、私的年間ベストアルバム洋楽編。本日は上位1位から5位の紹介です。

5位 GLOW ON/Turnstile

聴いた当時の感想は、こちら

アメリカボルチモア出身の5人組ハードコアバンドの3枚目となる新作。ヘヴィーなハードコア路線を軸にしつつ、メロディーラインはかなりポップでキュートという印象すら受けます。サウンド的にもハードコア路線からメロコア、パンク、インディー系ギターロックなどバラエティー豊富。Pixies的な要素からTHE OFFSPRINGのようなキャッチーなポップ路線まで垣間見れる音楽性の幅も大きな魅力となっています。幅広いリスナー層にアピールできそうな魅力的な傑作アルバムでした。

4位 Seek Shelter/Iceage

聴いた当時の感想は、こちら

既にデビューから13年目を迎え、中堅の域に入るデンマークのポストロックバンドによる新作。アルバムをリリースする毎に高い評価を受けているそうですが、不勉強ながら彼らの音源を聴くのは本作が初。ただ、マンチェスタームーブメントやブリットポップからの影響を感じさせる前半のグルーヴィーでサイケなサウンドで一気にはまりました。後半はフォーキーだったりグラムロックの影響を感じさせる曲もあったりとバラエティー豊富な構成に。アルバム全体を流れるグルーヴ感も非常にカッコよく、個人的にはかなり壺にはまった1枚でした。

3位 NINE/SAULT

聴いた当時の感想は、こちら

2020年にリリースされた2枚のアルバム「Untitled(Black is)」「Untitiled(Rise)」が2枚同時に2020年の私的ベストアルバムベスト10にランクインするなど、すっかりその魅力にはまった、イギリスの「謎」のユニット、SAULTの新作。配信期間が99日ということで、年間ベストの時は既に聴けなくなっている・・・と危惧していたのですが、無事その後、CDやLPがリリースされています。大傑作だった前作同様、ループするサウンドやサンプリング、HIP HOPなどの今どきな要素を取り入れ、かつファンク、エレクトロ、ポップ、ソウル、ゴスペルなど多彩な音楽性を上手く楽曲の中に取り入れている文句なしにカッコいい傑作に仕上がっていました。

2位 An Evening With Silk Sonic/Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic

聴いた当時の感想は、こちら

日本でも高い人気を誇るシンガーソングライターのBruno Marsが、ラッパーのAnderson.Paakと組んでリリースしたアルバム。古き良きソウルミュージックへのオマージュとも言える作品となっており、昔ながらのソウルミュージックを現在によみがえらせたような、そんなアルバムに仕上がっています。ただ一方ではラップを取り入れたり、今風のエレクトロジャズの要素を入れたりと、決して懐古趣味に留まらない現在ならではの解釈も加わっているのが魅力的な作品に。ノスタルジックでありながらも、どこか新しさも感じさせる傑作でした。

そして・・・

1位 ULTRAPOP/The Armed

聴いた当時の感想は、こちら

上半期の1位獲得作が、結局年間でも1位を獲得です。アメリカはデトロイト出身のハードコアバンドThe Armedのニューアルバム。今年のベストアルバム、10枚中5枚がロックバンドの作品となるように、ロックというジャンルが勢いを取り戻した感がありますが、彼らもそんな勢いのあるバンドの一組。ヘヴィーでノイジーなハードコアサウンドにエレクトロのサウンドを加えてくるというカオスなサウンドが耳を惹くのですが、ところどころ、狂おしいほどポップなメロディーを入れてきている点が大きな魅力。聴き終わった後、意外に「ポップ」という印象を受けてしまうのが大きな特徴となっている傑作で、文句なしの年間1位でした。

あらためてベスト10を振り返ると・・・

1位 ULTRAPOP/The Armed
2位 An Evening With Silk Sonic/Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic
3位 NINE/SAULT
4位 Seek Shelter/Iceage
5位 GLOW ON/Turnstile
6位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE
7位 Vulture Prince/Arooj Aftab
8位 Any Shape You Take/Indigo De Souza
9位 Jubilee/Japanese Breakfast
10位 CRAWLER/IDLES

まず前述の通り、昨年に続いてロックバンドの活躍が目立つ1年でした。一方、ベスト10圏内ではJapanse Breakfastしかランクインしていませんが、シーン全体的にはポップミュージシャンの活躍も目立つ1年になったようにも思います。

ほかのベスト盤候補は・・・

Chemtrails Over The Country Club/Lana Del Rey
Deacon/serpentiwithfeet
Menneskekollektivet/Lost Girls
New Long Leg/Dry Cleaning
ENDLESS ARCADE/TEENAGE FANCLUB
Afrique Victime/Mdou Moctar
Cavalcade/black midi
HEY WHAT/LOW
Teatro d'ira - Vol.1/Maneskin
Shade/Grouper
im hole/aya
Valentine/Snail Mail
KICKii,KicKiii,kickiiii,kiCKiiiii/Arca
Collapsed In Sunbeams/Arlo Parks
Na Kozonga/Jupiter&Okwess

まず昨年に引き続き、非常に豊作だった1年のように感じます。特に上記のベスト盤候補の中でもLost Girls、LOW、Grouper、Arcaあたりは、上位10枚とどのアルバムをランクインさせようか、かなり迷った結果となりました。コロナ禍でミュージシャンの活動もままならない状況が続いていますが、そんな中でもしっかりと傑作をリリースし続けてくれるのはうれしい限りです。ただ一方では1年を象徴するようなずば抜けた傑作はなかったようにも感じます。あえて言えば、1位と2位は最後まで、どちらを上位に持ってくるのか悩んだ程度かな。とはいえ、良作揃いの1年で、10枚を選ぶのが大変だった今年のベストアルバムでした。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  上半期
2021年 上半期

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2022年2月 1日 (火)

2021年年間ベストアルバム(洋楽編)その1

今年も毎年恒例の私的ベストアルバムの紹介がやって来ました!洋楽、邦楽2回に分けて、それぞれ4回にわたり紹介する予定です。

10位 CRAWLER/IDLES

聴いた当時の感想は、こちら

最近ではアルバムをリリースする毎に上位にランクインし、すっかりその人気が定着した感のあるイギリスのポストロックバンドIDLES。前作からわずか1年2ヶ月というインターバルでリリースされた本作がこちら。ダイナミックさが快感に覚えつつ、若干一本調子にも覚えた前作に比べると、グッと楽曲のバリエーションが増えて、さらなる進化を遂げた感のある傑作アルバム。もちろん、ヘヴィーなサウンドの中で意外なポップスさを感じるメロは本作も健在。ちなみに、偶然にも2年連続の10位ということになりました・・・。

9位 Jubilee/Japanese Breakfast

聴いた当時の感想は、こちら

2021年を代表するポップアルバムとして、各種メディアの年間ベストで軒並み上位にランクインしてきた本作。自分は後追いで聴いたのですが、”Jubilee"=「祝祭」というイメージにピッタリのキュートなポップチューンが実に魅力的な1枚。エレクトロサウンドやバンドサウンドをほどよく配合させたバラエティーに富んだ展開も魅力的。ここ最近、ポップなアルバムをリリースするミュージシャンの躍進が目立ちますが、その代表格とも言えるミュージシャンです。ミュージシャン名と反して、「日本」とは直接関係ないのはちょっと残念ですが、日本でも幅広い層の支持を受けそうな傑作です。

8位 Any Shape You Take/Indigo De Souza

聴いた当時の感想は、こちら

ジャケ買いを100%拒絶するような、不気味なジャケット写真が大きなインパクトなのは、アメリカの女性シンガーソングライターによるアルバム。このジャケット写真からは全く想像できないような、意外すぎるポップでキュートなメロディーが大きなインパクトを受けるアルバムで、オルタナ系ギターロック路線の楽曲や、エレクトロを取り入れた楽曲などバラエティー富んだ宅録的なサウンドメイキングも大きな魅力。ジャケット写真とは異なる広い層に支持されそうな作風で、これが2枚目のアルバムながらも、今後、さらに注目を集めていきそうです。

7位 Vulture Prince/Arooj Aftab

聴いた当時の感想は、こちら

ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するパキスタン出身の女性シンガーソングライター。ワールドミュージック的な要素も感じさせるエキゾチックな雰囲気にアコースティックなサウンドがピッタリとマッチし、独特とも言える幽玄的雰囲気を醸し出しています。日本ではまだ無名に近いものの、徐々に注目を集めており、なんと本作でグラミー賞2部門ノミネートという快挙も達成。その独特な世界観に魅了されている人が急増している模様。彼女だけが醸し出すような独特な雰囲気が魅力的な傑作でした。

6位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE

聴いた当時の感想は、こちら

8位のIndigo De Souzaと並んでジャケットが悪い意味で(?)インパクトを持つ、アメリカ・フィラデルフィア出身のインディーロックバンドによる新作。様々なサウンドを取り入れたアバンギャルドなサウンドとキュートなメロディーラインというアンバランスさが魅力的な作品で、このサイケなサウンドとキュートなメロのバランスに、往年のシューゲイザー系からの流れも感じさせるアルバムとなっています。ロック好きなら文句なしに楽しめる傑作です。

そんな訳で6位から10位までの紹介でした。明日、あさってはチャート評ですので、続きは金曜日に!

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2022年1月 1日 (土)

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。今年も当「ゆういちの音楽研究所」をよろしくお願いします。

2021年は、紅白出場者発表やレコ大の候補曲決定の際などに「ヒット曲不在の1年」と言われました。確かに2021年のビルボードでは、ほぼ同じような曲が1年にわたってベスト10にランクインされ続けており、正直、かなりうんざりした1年にもなりました。特にBTSの活動が目立ったのですが、彼らにしても本人たちの人気はともかくとして正直「曲」自体がチャートでの動向と反して、それほど世間に知られていたのか、と言われるとかなり疑問。特にビルボードチャートではストリーミングがチャートを占める割合が大きくなっており、その結果、ストリーミングでの再生回数増加を狙うようなアイドル系が目立ってしまったような感もあります。

ただ、じゃあ本当に2021年にヒット曲がなかったか、と言われると、Adoの「うっせぇわ」や優里の「ドライフラワー」は間違いなく大ヒットを記録しており、ここらへんがなぜ年末の賞レースや紅白に完全に無視されたのかはかなり不思議な感はあります。優里の場合は、3股報道の影響でしょう。Adoは曲の過激さが、特に紅白には嫌われたのでしょうか?ここらへんはかなり芸能界の力関係も感じられて、かなり微妙な印象を受けてしまいます。

さて、今年の年末は、家でのんびりと紅白を・・・といっても興味のあるミュージシャンのところだけザッピングで見ていました。人選やら演出やらでいろいろと文句のつけられることの多い紅白ですが、価値観が多様化し、国民的なヒットがなかなか生まれずらい現在において、がんばっているという印象は毎年持っていて、個人的には好意的には見ています。

ただ、人選を見ていて今年ふと思ったのですが、演歌勢が少なくなっていて、年寄りの見るミュージシャンがいなくなっている・・・という話はよく聞くのですが、よくよく考えると、演歌勢以上に、私たちくらいの世代、40代後半から50代あたりの世代にとってピンポイントなミュージシャンがいないなぁ、ということを感じてしまいます。今年で言えば布袋寅泰あたりくらいで、その次の世代となると、ゆずやMISIAあたりまで飛んでしまいます。40代後半から50代あたりというと、団塊ジュニアからもうちょっと下の世代で、人口的にもボリュームゾーンなので、ここらへんの世代にドンピシャなミュージシャンを出してくれるといいのにな・・・なんてことも感じてしまいました。

でも、ここらへんでドンピシャというと、ドリカムはともかく、B'zやらミスチルやら、あまり紅白に出演したがらないようなミュージシャンが多いんですよね・・・。

そんなことを徒然に思いつつ、今年こそ、コロナ禍もひと段落して、よい1年になりますように。そして、素晴らしい曲に多く出会えますように。心から祈っています。

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2021年12月31日 (金)

2021年ベストアルバム(暫定版)

昨年に引き続き、結局1年間、コロナに悩まされた1年となりました。来年こそは、コロナが終わった・・・と言える1年になればよいのですが・・・。

邦楽篇

まず上半期のベスト5です。

1位 MOOD/本日休演
2位 よすが/カネコアヤノ
3位 NOISE CANCEL/ANARCHY
4位 FRUITFUL/堀込泰行
5位 天才の愛/くるり

これに続く下半期のベスト盤候補は・・・

We Are The Times/Buffalo Daughter
僕のスピな☆ムン太郎/マハラージャン
心理/折坂悠太

あれ、下期のベスト盤候補を羅列したら5作もないじゃん・・・。コロナ禍の中で制作環境も制約されているせいでしょうか、どうも不作気味なのが否めません。まだ、今年のベスト盤に食い込みそうな曲で聴いていない曲もあるので、そちらを含めて期待したいところなのですが・・・。

洋楽篇

上半期のベスト5は

1位 ULTRAPOP/The Armed
2位 NINE/SAULT
3位 Seek Shelter/Iceage
4位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE
5位 Vulture Prince/Arooj Aftab

そして下半期のベスト盤候補は・・・

GLOW ON/Turnstile
Any Shape You Take/Indigo De Souza
HEY WHAT/LOW
Teatro d'ira - Vol.1/Maneskin
Shade/Grouper
im hole/aya
Valentine/Snail Mail
An Evening With Silk Sonic/Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic
CRAWLER/IDLES

邦楽に比べると、それなりの傑作も目立った下半期。特に上半期同様にロック勢の活躍が目立ったような印象を受けます。こちらもまだベスト盤候補になりそうな曲で聴いていない曲もあるだけに、さらなる傑作との出会いを期待したいところです。

それでは、みなさまよいお年を!

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2021年8月 2日 (月)

2021年上半期 邦楽ベスト5

昨日に引き続き、上半期私的ベストアルバム。本日は邦楽編です。

5位 天才の愛/くるり

聴いた当時の感想は、こちら

このアルバムを最後に、トランペットのファンファンが脱退し、再び2人組バンドとなったくるりの新作。かなりバラエティー富んだ作風で、挑戦的な作品にも挑んだ作品といった印象。若干岸田繁暴走気味か?という部分もあるのですが、確かにファンファンの影は薄くなり、脱退やむなしだったのかなぁ、という感じもします。そんな意欲的な挑戦作を含めて、相変わらずくるりのすごさを感じさせる傑作アルバム・・・なのですが、若干頭でっかちという印象も受けてしまいました。それでも年間ベストクラスの傑作なのは間違いありませんが。

4位 FRUITFUL/堀込泰行

聴いた当時の感想は、こちら

兄堀込高樹率いるKIRINJIが次々と傑作をリリースする中、弟堀込泰行はなかなか「文句なしの傑作」に出会えずにいましたが、キリンジ脱退後ソロ3枚目にして文句なしの傑作アルバムがようやくリリースされました。清涼感あふれるシティポップ、AORの楽曲が並ぶ魅力的なポップチューンの連続。メロディーラインも素晴らしいですが、シンプルな優しい言葉を使いつつ、独特な言い回しでその世界観を作り上げている歌詞の世界も実に魅力的。堀込泰行の才能がフルに発揮された傑作アルバムに仕上がっていました。

3位 NOISE CANCEL/ANARCHY

Anarchy

聴いた当時の感想は、こちら

もともとアンダーグラウンドシーンで「下流社会」のリアルをつづっていた彼が2014年になんとavexに移籍。一気に知名度が増したものの、ただavex時代の作品は、決して駄作ではないものの、中途半端にマスを狙いすぎて、それまでの作品に比べると今一つ感のある作品が続いていました。しかし、今回、avexを離れ、配信オンリーでリリースしたのが本作。それがまさに、かつてのANARCHYが戻ってきた!と叫びたくなるような、彼の身の回りのリアルをストレートに表現したラップが魅力的な作品に。かなり胸に突き刺さるようなリリックが連続するような傑作アルバムに仕上がっていました。

2位 よすが/カネコアヤノ

聴いた当時の感想は、こちら

個人的に、今、もっとも注目している女性シンガーソングライター、カネコアヤノの新作。前作「燦々」も傑作でしたが、それに続く本作は、前作を上回る文句なしの傑作に。暖かさを感じる郷愁感あふれるフォーキーなメロに、人のぬくもりを感じさせるような、ある意味、「肉感」とても表現できそうな生々しさを感じる歌詞の世界も独特。そんな中でも本作は、サイケやロック、さらにカントリーやハワイアン、トラッドとサウンドのバリエーションもグッと増し、彼女の音楽性の広がりをより感じさせる傑作に仕上がっていました。注目度も現在上昇中の彼女ですが、その勢いはまだまだ続きそうです。

1位 MOOD/本日休演

聴いた当時の感想は、こちら

今年の上半期邦楽1位は、京都在住のロックバンド、本日休演のニューアルバム。本作ではじめて彼らのサウンドを聴いたのですが、アングラ系フォークロックバンドというイメージがピッタリくるような、フォーキーな雰囲気を感じさせるサウンドながらも、そこにガツンとヘヴィーなバンドサウンドが加わる独特のスタイル。どこかゆらゆら帝国やORGE YOU ASSHOLEと同じ方向性を感じさせる空間を生かしたサウンドメイキングも大きな魅力。意外とポップなメロディーラインも大きな魅力ですが、それと同時に感じる、ある種の「やばさ」が大きな魅力である傑作アルバムでした。

ほかのベスト盤候補としては・・・

THE MILLENNIUM PARADE/millennium parade
朝顔/折坂悠太
接続/AJICO
FREAK/ネクライトーキー
新しい果実/GRAPEVINE

正直なところ、邦楽シーンも、洋楽と同様、際立った傑作もなく、全体的には不作気味だったような感じも・・・。ライブ活動が制限され、通常の活動がままならなくなったコロナ禍の影響・・・なのかなぁ??くるりのアルバムもベスト5には入れたものの、正直、期待していたほどではなかったし、期待のCHAIの新作もいまひとつだったし・・・。物足りなさを感じてしまった上期ベストアルバムでした。

あらためてベスト5を振り返ると

1位 MOOD/本日休演
2位 よすが/カネコアヤノ
3位 NOISE CANCEL/ANARCHY
4位 FRUITFUL/堀込泰行
5位 天才の愛/くるり

下期は文句なしの傑作アルバムを期待したいところです。そして、このコロナ禍が少しでも落ち着きますように。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  
上半期

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2021年8月 1日 (日)

2021年上半期 洋楽ベスト5

毎年恒例の私的ベストアルバム上半期ベスト5。まずは洋楽編です。

5位 Vulture Prince/Arooj Aftab

聴いた当時の感想は、こちら

日本ではまだほとんど無名に近い、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するパキスタン出身の女性シンガーソングライター。ストリングスやアコギを用いたサウンドにトライバルな要素が加わった独特のサウンドが魅力的。そこに載る、彼女の伸びやかで美しいエキゾチックなボーカルがマッチし、その歌声とサウンドに一気にはまってしまいました。ワールドミュージック的な要素を感じつつ、一方では幅広い層にもアピールできるようなポピュラリティーも感じさせる傑作。今後は日本でもその名前を聴く機会が増える、かも。

4位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE

聴いた当時の感想は、こちら

なんともいえない馬鹿ジャケのようなジャケ写も印象に残る彼らは、アメリカ・フィラデルフィア出身のインディーロックバンド。ノイズなども取り入れたアバンギャルドなサウンドを繰り広げつつ、一方ではメロディーラインは至ってポップでキュートという点が大きな特徴的。アバンギャルドなサウンドとキュートなメロというアンバランスさはかつてのシューゲイザー系を彷彿とさせる構成でもあり、個人的にはかなりはまってしまいました。

3位 Seek Shelter/Iceage

聴いた当時の感想は、こちら

正直なところ、彼らのアルバムを聴くのは本作がはじめてとなるのですが、既にデビューから13年目を迎え、中堅の域に入るデンマークのポストロックバンドによる新作。マンチェスタームーブメントやブリットポップからの影響を感じさせる前半のグルーヴィーでサイケなサウンドもたまりませんが、後半はフォーキーだったりグラムロックの影響を感じさせる曲もあったりとバラエティー豊富な構成に。ただ全体的に流れるサウンドのグルーヴ感が非常にかっこよく、アルバムをリリースする毎に高い評価を受けているのも納得の、彼らの実力がわかる傑作アルバムでした。

2位 NINE/SAULT

Nine

聴いた当時の感想は、こちら

2020年にリリースされた2枚のアルバム「Untitled(Black is)」「Untitiled(Rise)」が2枚同時に2020年の私的ベストアルバムベスト10にランクインするなど、すっかりその魅力にはまった、イギリスの「謎」のユニット、SAULTの新作。なんと本作は、リリース及び配信期間がわずか99日という期間限定リリースの作品に。しかし本作も、前作同様、ループするサウンドやサンプリング、HIP HOPなどの今どきな要素を取り入れ、かつファンク、エレクトロ、ポップ、ソウル、ゴスペルなど多彩な音楽性を上手く楽曲の中に取り入れている文句なしにカッコいい傑作に仕上がっていました。年間ベストでも上位に食い込むこと間違いなしなのですが、その時はもう、聴けなくなってしまっているんだよなぁ・・・。

1位 ULTRAPOP/The Armed

聴いた当時の感想は、こちら

そして、上半期1位を獲得したのは、アメリカはデトロイト出身のハードコアバンドThe Armedのニューアルバム。彼らも2009年デビューという中堅バンドなのですが、今なおその勢いを感じさせます。そんな彼らの新作は、ヘヴィーでノイジーなハードコアサウンドにエレクトロのサウンドを加えてくるというカオスなサウンドが耳を惹くのですが、ところどころ、狂おしいほどポップなメロディーを入れてきている点が大きな魅力。「ULTRAPOP」というタイトルが皮肉でもなんでもない、非常に魅力的なポップのアルバムになっている作品。サウンドは狂暴なサウンドでありながらも、聴き終わった後は、ポップだったな・・・と感じてしまうような、そんな不思議な魅力あふれる傑作でした。

ほかのベスト盤候補は・・・

Chemtrails Over The Country Club/Lana Del Rey
Deacon/serpentiwithfeet
Menneskekollektivet/Lost Girls
New Long Leg/Dry Cleaning
ENDLESS ARCADE/TEENAGE FANCLUB
Afrique Victime/Mdou Moctar
Cavalcade/black midi

うーん、正直言うと、今年上半期、全体的に「これ」といった傑作は少なかったように思います。上位5枚にしても、その次のベスト盤候補にしても、確かに年間ベストに十分食い込むことが出来そうな傑作であることは間違いないのですが、ただ、これといってずば抜けた傑作は出会えなかったような・・・。率直なところ、全体的にちょっと物足りなさすら感じてしまう今年の上半期でした。

さて、あらためて上半期ベスト5を並べると

1位 ULTRAPOP/The Armed
2位 NINE/SAULT
3位 Seek Shelter/Iceage
4位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE
5位 Vulture Prince/Arooj Aftab

コロナ禍の厳しい状況はまだ続いてしますが、そんな閉塞感ある毎日の中、これらの傑作が、少なからずみなさまの心の癒しとなりますように。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  上半期

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2021年2月 6日 (土)

2020年年間ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日に引き続き、2020年私的年間ベストアルバムの邦楽編。今回は5位から1位までの紹介です。

5位 ハビタブルゾーン/ソウルフラワーユニオン

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毎回、その時代時代の社会現象に対応するアルバムをリリースし続けるソウルフラワーユニオン。今回のアルバムも、まさにコロナ禍の中、社会状況が厳しいからこそ抑圧されがちな弱者に対する力強いメッセージを載せたアルバムとなっています。前作「バタフライ・エフェクツ」では、ニューエストモデル期を彷彿とさせるようなロック回帰な作品を見せたのですが、今回のアルバムは、前作の方向性に、いままでのソウルフラワーユニオンの特色だったトラッド色を加味。大ベテランの彼らがここに来て、新たな一歩を踏み出すような傑作に仕上がっていました。

位 ボイコット/amazarashi

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「令和二年、雨天決行」に続き、2作目となるベストアルバム入り!上期ベストアルバムでも紹介したのですが、デビュー当初は「中二病」的なイメージの強かった彼らもここ最近ではすっかり地に足をついたような歌詞を聴かせてくれるようになり、間違いなくミュージシャンとしての成長を感じさせます。本作でも都会の中での地方出身者の孤独を綴る歌詞は強いインパクト。もともと青森出身という秋田ひろむの出自を強く反映されたアルバムになっています。個人的にはもっと評価されていいバンドだと思うのですが。

3位 狂(KLUE)/GEZAN

こちらはアルバムレビューでは未紹介の1枚。サイケ、ダブ、ハードロック、パンクなどをごちゃまぜにした圧巻のサウンドがリスナーの耳に襲いかかる1枚。サウンド的には、むしろ70年代、60年代的な雰囲気を感じる懐かしさも感じつつ、アンダーグランド的なヤバさも覚える作品。一方で歌詞の世界は、現在社会の病理を鋭く切り取るような歌詞が展開され、歌詞の世界でもサウンドの世界でもリスナーの心をダイレクトにつかみ取る、衝撃的な作品に仕上がっています。まさに「圧巻」という一言がふさわしい傑作アルバムです。

2位 STRAY SHEEP/米津玄師

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2020年最も売れたアルバムが、年間ベストクラスの傑作というこの幸せな事実!今、もっとも話題かつ人気のミュージシャン米津玄師のニューアルバム。ここ最近のオリジナルアルバムも、ミュージシャンとしての脂がのっていることを感じさせる勢いのある作品が続いていましたが、まさにその頂点とも言えるような傑作アルバム。いままで若干、過剰気味だったサウンドがそぎ落とされ、よりタイトとなったサウンドに大きな成長を感じつつ、一方で社会から疎外された人たちの視点という、初期の彼の歌詞のスタイルはそのまま。ミュージシャンとして大きな進歩を感じさせる文句なしの傑作アルバムでした。

1位 Passport&Garcon/Moment Joon

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本作を聴いた段階で「暫定1位」と称した本作が、結果として年間ランキングでも文句なしの1位。作品的にあまりに時代性をキャッチしすぎたがゆえに、コロナ禍の前にリリースされた本作は、今聴くと、既に古いとすら感じさせる表現もあるのですが、ただ本作で訴えたい、日本人の中にある外国人に対する差別的精神は、残念ながら今なお全く変化はありません。コロナ禍の中で国境を閉ざす国が多くなってきた中、彼が訴えるナショナリズムは今後さらに酷くなる可能性もあるでしょう。そういう意味でも間違いなく2020年を代表する1枚です。

ほかのベスト盤候補は・・・

202020/斉藤和義
THE KEBABS/THE KEBABS
ROCK/ベッド・イン
いいね!/サニーデイ・サービス
Triptych/Shohei Takagi Parallela Botanica
ストリーミング、CD、レコード/ゲスの極み乙女。
民謡クンビエロ(フロム・トーキョー・トゥ・ボドタ)/民謡クルセイダーズ&フレンテ・クンビエロ
THE THIRD SUMMER OF LOVE/ラブリーサマーちゃん
ROVO/ROVO
You need the Tank-top/ヤバイTシャツ屋さん
23歳/KAN

非常に数多くの傑作がリリースされた洋楽と比べると、逆の意味で10枚を選ぶのに迷った感もあるのですが、それでもベスト10入りした10枚は文句なしの傑作アルバムになっていました。なによりも、コロナ禍に襲われ、社会の状況が大きく変化した2020年の現状を大きく反映したアルバムが並んだ、「今の時代」を反映した、まさにポピュラーミュージックらしいベストアルバムと言えるのではないでしょうか。

そんな訳で、今年のベスト10をあらためて振り替えると

1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 STRAY SHEEP/米津玄師
3位 狂(KLUE)/GEZAN
4位 ボイコット/amazarashi
5位 ハビタブルゾーン/ソウルフラワーユニオン
6位 操/岡村靖幸
7位 令和二年、雨天決行/amazarashi
8位 Devil/ビッケブランカ
9位 oar/角銅真実
10位 Loveless Love/曽我部恵一

今年はコロナもおさまり、もっと明るいアルバムが並ぶ1年であってほしいのですが…

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 上半期

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2021年2月 5日 (金)

2020年年間ベストアルバム(邦楽編)その1

2020年の私的ベストアルバム。今日から2日間は邦楽編です。

10位 Loveless Love/曽我部恵一

こちらはアルバムレビュー未紹介。12月25日に配信リリースされたアルバムですので、ギリギリ2020年に間に合ったアルバムと言えるでしょう。今年はサニーデイサービスとしても傑作「いいね!」をリリースしましたが、ソロとしても文句なしの傑作をリリースしてきました。フォーキーな楽曲からエレクトロチューン、ロックな楽曲にシティポップと、ありとあらゆる作風の曲が詰め込まれている点はソロらしい自由さを感じつつ、日常を切り取りながらも、同時に社会へとつながっているような歌詞の世界も魅力的。ここ最近、サニーデイもソロも充実した作品が続いていますが、そんな彼の勢いを反映した傑作アルバムになっていました。

9位 oar/角銅真実

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今年、最も話題となったシンガーソングライターの一人。ウィスパー気味のボーカルがリスナーを惹きつけるアルバムで、オリジナル作はもちろんなのですが、なによりも傑作だったのがFishmansの「いかれたBaby」のカバー。メロディーラインの良さという楽曲のコアの部分を、彼女のボーカルで見事に引き出した名カバーに仕上がっています。決して派手なアルバムではありませんが、彼女のボーカルの良さがしっかり生かされた、実に良質なポップスの名盤となっています。

8位 Devil/ビッケブランカ

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上期のベストアルバムでも書いたのですが、2020年、曲単位でもっともはまった1曲が、本作にも収録されている「Ca Va?」。フランス語で「元気?」を意味する単語をタイトルとした曲なのですが、その発音を生かした非常にユーモラスなポップチューンとなっており、You Tubeで公開しているMVも何度も見るほどはまってしまいました。毎回、個人的に壺にはまりまくる美しいメロディーラインの軽快なポップを聴かせてくれるのですが、本作もその美メロは健在。文句なしの傑作アルバムに仕上がっていました。

7位 令和二年、雨天決行/amazarashi

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コロナ禍に襲われた2020年は、数多くのミュージシャンがそんな現状を歌ったアルバムを作成しましたが、そんな中でもっともダイレクトに綴ったのがamazarashiの本作ではないでしょうか。今年は傑作アルバム「ボイコット」をリリースしたばかりの彼ら。田舎出身者が都会に出てきて感じる孤独を綴った前作に続く本作も、コロナ禍の中で孤独に苦しむ人たちへのメッセージとして伝わってくる作品となっています。何年か経った後「こんなこともあったね」と思い出すような、そんなアルバムになっていてほしいのですが。

6位 操/岡村靖幸

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本格復帰2作目となるオリジナルアルバム。一時期のスランプ状態が嘘のように、今が全盛期では?と思わせるような勢いあるアルバムが続いています。本作でも、かつての80年代の岡村ちゃんを彷彿とさせるような楽曲を聴かせつつ、一方ではDAOKOとのコラボのような、しっかり現在のミュージックシーンにも軸足を置いた楽曲づくりを行っています。まだまだこの勢いは続きそう。これからの活躍も楽しみになってくる傑作でした。

そんな訳で、明日は5位から1位の紹介です!

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