音楽コラム

2021年2月 6日 (土)

2020年年間ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日に引き続き、2020年私的年間ベストアルバムの邦楽編。今回は5位から1位までの紹介です。

5位 ハビタブルゾーン/ソウルフラワーユニオン

聴いた当時の感想はこちら

毎回、その時代時代の社会現象に対応するアルバムをリリースし続けるソウルフラワーユニオン。今回のアルバムも、まさにコロナ禍の中、社会状況が厳しいからこそ抑圧されがちな弱者に対する力強いメッセージを載せたアルバムとなっています。前作「バタフライ・エフェクツ」では、ニューエストモデル期を彷彿とさせるようなロック回帰な作品を見せたのですが、今回のアルバムは、前作の方向性に、いままでのソウルフラワーユニオンの特色だったトラッド色を加味。大ベテランの彼らがここに来て、新たな一歩を踏み出すような傑作に仕上がっていました。

位 ボイコット/amazarashi

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「令和二年、雨天決行」に続き、2作目となるベストアルバム入り!上期ベストアルバムでも紹介したのですが、デビュー当初は「中二病」的なイメージの強かった彼らもここ最近ではすっかり地に足をついたような歌詞を聴かせてくれるようになり、間違いなくミュージシャンとしての成長を感じさせます。本作でも都会の中での地方出身者の孤独を綴る歌詞は強いインパクト。もともと青森出身という秋田ひろむの出自を強く反映されたアルバムになっています。個人的にはもっと評価されていいバンドだと思うのですが。

3位 狂(KLUE)/GEZAN

こちらはアルバムレビューでは未紹介の1枚。サイケ、ダブ、ハードロック、パンクなどをごちゃまぜにした圧巻のサウンドがリスナーの耳に襲いかかる1枚。サウンド的には、むしろ70年代、60年代的な雰囲気を感じる懐かしさも感じつつ、アンダーグランド的なヤバさも覚える作品。一方で歌詞の世界は、現在社会の病理を鋭く切り取るような歌詞が展開され、歌詞の世界でもサウンドの世界でもリスナーの心をダイレクトにつかみ取る、衝撃的な作品に仕上がっています。まさに「圧巻」という一言がふさわしい傑作アルバムです。

2位 STRAY SHEEP/米津玄師

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2020年最も売れたアルバムが、年間ベストクラスの傑作というこの幸せな事実!今、もっとも話題かつ人気のミュージシャン米津玄師のニューアルバム。ここ最近のオリジナルアルバムも、ミュージシャンとしての脂がのっていることを感じさせる勢いのある作品が続いていましたが、まさにその頂点とも言えるような傑作アルバム。いままで若干、過剰気味だったサウンドがそぎ落とされ、よりタイトとなったサウンドに大きな成長を感じつつ、一方で社会から疎外された人たちの視点という、初期の彼の歌詞のスタイルはそのまま。ミュージシャンとして大きな進歩を感じさせる文句なしの傑作アルバムでした。

1位 Passport&Garcon/Moment Joon

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本作を聴いた段階で「暫定1位」と称した本作が、結果として年間ランキングでも文句なしの1位。作品的にあまりに時代性をキャッチしすぎたがゆえに、コロナ禍の前にリリースされた本作は、今聴くと、既に古いとすら感じさせる表現もあるのですが、ただ本作で訴えたい、日本人の中にある外国人に対する差別的精神は、残念ながら今なお全く変化はありません。コロナ禍の中で国境を閉ざす国が多くなってきた中、彼が訴えるナショナリズムは今後さらに酷くなる可能性もあるでしょう。そういう意味でも間違いなく2020年を代表する1枚です。

ほかのベスト盤候補は・・・

oar/角銅真実
202020/斉藤和義
THE KEBABS/THE KEBABS
ROCK/ベッド・イン
いいね!/サニーデイ・サービス
Triptych/Shohei Takagi Parallela Botanica
ストリーミング、CD、レコード/ゲスの極み乙女。
民謡クンビエロ(フロム・トーキョー・トゥ・ボドタ)/民謡クルセイダーズ&フレンテ・クンビエロ
THE THIRD SUMMER OF LOVE/ラブリーサマーちゃん
ROVO/ROVO
You need the Tank-top/ヤバイTシャツ屋さん
23歳/KAN

非常に数多くの傑作がリリースされた洋楽と比べると、逆の意味で10枚を選ぶのに迷った感もあるのですが、それでもベスト10入りした10枚は文句なしの傑作アルバムになっていました。なによりも、コロナ禍に襲われ、社会の状況が大きく変化した2020年の現状を大きく反映したアルバムが並んだ、「今の時代」を反映した、まさにポピュラーミュージックらしいベストアルバムと言えるのではないでしょうか。

そんな訳で、今年のベスト10をあらためて振り替えると

1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 STRAY SHEEP/米津玄師
3位 狂(KLUE)/GEZAN
4位 ボイコット/amazarashi
5位 ハビタブルゾーン/ソウルフラワーユニオン
6位 操/岡村靖幸
7位 令和二年、雨天決行/amazarashi
8位 Devil/ビッケブランカ
9位 oar/角銅真実
10位 Loveless Love/曽我部恵一

今年はコロナもおさまり、もっと明るいアルバムが並ぶ1年であってほしいのですが…

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 上半期

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2021年2月 5日 (金)

2020年年間ベストアルバム(邦楽編)その1

2020年の私的ベストアルバム。今日から2日間は邦楽編です。

10位 Loveless Love/曽我部恵一

こちらはアルバムレビュー未紹介。12月25日に配信リリースされたアルバムですので、ギリギリ2020年に間に合ったアルバムと言えるでしょう。今年はサニーデイサービスとしても傑作「いいね!」をリリースしましたが、ソロとしても文句なしの傑作をリリースしてきました。フォーキーな楽曲からエレクトロチューン、ロックな楽曲にシティポップと、ありとあらゆる作風の曲が詰め込まれている点はソロらしい自由さを感じつつ、日常を切り取りながらも、同時に社会へとつながっているような歌詞の世界も魅力的。ここ最近、サニーデイもソロも充実した作品が続いていますが、そんな彼の勢いを反映した傑作アルバムになっていました。

9位 oar/角銅真実

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今年、最も話題となったシンガーソングライターの一人。ウィスパー気味のボーカルがリスナーを惹きつけるアルバムで、オリジナル作はもちろんなのですが、なによりも傑作だったのがFishmansの「いかれたBaby」のカバー。メロディーラインの良さという楽曲のコアの部分を、彼女のボーカルで見事に引き出した名カバーに仕上がっています。決して派手なアルバムではありませんが、彼女のボーカルの良さがしっかり生かされた、実に良質なポップスの名盤となっています。

8位 Devil/ビッケブランカ

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上期のベストアルバムでも書いたのですが、2020年、曲単位でもっともはまった1曲が、本作にも収録されている「Ca Va?」。フランス語で「元気?」を意味する単語をタイトルとした曲なのですが、その発音を生かした非常にユーモラスなポップチューンとなっており、You Tubeで公開しているMVも何度も見るほどはまってしまいました。毎回、個人的に壺にはまりまくる美しいメロディーラインの軽快なポップを聴かせてくれるのですが、本作もその美メロは健在。文句なしの傑作アルバムに仕上がっていました。

7位 令和二年、雨天決行/amazarashi

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コロナ禍に襲われた2020年は、数多くのミュージシャンがそんな現状を歌ったアルバムを作成しましたが、そんな中でもっともダイレクトに綴ったのがamazarashiの本作ではないでしょうか。今年は傑作アルバム「ボイコット」をリリースしたばかりの彼ら。田舎出身者が都会に出てきて感じる孤独を綴った前作に続く本作も、コロナ禍の中で孤独に苦しむ人たちへのメッセージとして伝わってくる作品となっています。何年か経った後「こんなこともあったね」と思い出すような、そんなアルバムになっていてほしいのですが。

6位 操/岡村靖幸

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本格復帰2作目となるオリジナルアルバム。一時期のスランプ状態が嘘のように、今が全盛期では?と思わせるような勢いあるアルバムが続いています。本作でも、かつての80年代の岡村ちゃんを彷彿とさせるような楽曲を聴かせつつ、一方ではDAOKOとのコラボのような、しっかり現在のミュージックシーンにも軸足を置いた楽曲づくりを行っています。まだまだこの勢いは続きそう。これからの活躍も楽しみになってくる傑作でした。

そんな訳で、明日は5位から1位の紹介です!

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2021年2月 2日 (火)

2020年年間ベストアルバム(洋楽編)その2

昨日に引き続き、年間私的ベストアルバム洋楽編の第2弾。今日は5位から1位までの紹介です。

5位 The Slow Rush/Tame Impala

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前作「Currents」も大きな評判を得たオーストラリアのミュージシャン、ケヴィン・パーカーによるソロプロジェクト、Tame Impalaの新作。上半期ベスト5でも書いたのですが、ドリーミーなサウンドが非常に心地よく、AORのテイストも感じさせるサウンドも人なつっこさを感じさせる傑作アルバムに仕上がっていました。久々のニューアルバムとなりましたが、前作以上の傑作アルバムに仕上がっていました。

4位 Fake It Flowers/beabadoobee

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イギリスの新人ミュージシャンの登竜門である「Sound of 2020」にノミネート。本作もナショナルチャートで8位を記録するなど、昨年、大きな話題を呼んだシンガーソングライターのデビュー作です。日本でいえば、the brilliant greenを彷彿とさせるような、キュートなボーカルとポップなメロディーライン、そしてストレートな90年代風のオルタナ系ギターロックのサウンドが心地よく、もともと、スマパンやソニックユース、マイブラからの影響を公言している彼女ですが、その影響を顕著に出しつつ、彼女のキュートさを加味した心地よいポップチューンに仕上がっています。まだまだこれから、どんどんと注目があがっていきそうな、そんな予感のする傑作でした。

3位 folklore/Taylor Swift

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9位の「evermore」に続き、2枚目のランクイン!7月にサプライズリリースされた本作は、The Nationalのアーロン・デスナーが参加。コロナ禍の中で外出もままならない中で作成された本作は、比較的シンプルでアコースティックな作風となっているものの、いままでの作品とは異なり、インディーロックの色合いが強くなったアルバムとなっています。いままでの彼女とは一風異なる、幻想的なサウンドも心地よく、そして何よりも、シンプルなサウンドゆえに、彼女のボーカリストとしての表現力の魅力がグッと増した作品に。シンプルなだけに、彼女の実力を非常に強く感じることが出来た、間違いなく彼女の代表作となる傑作アルバムでした。

2位 Untitled(Black is...)/SAULT

こちらも7位の「Untitled(Rise)」に続く2枚目のランクイン。こちらもアルバムレビューでは未紹介になるのですが、イギリスのソウル/ファンクバンド、SAULTの作品。「Untitled(Rise)」の紹介でも軽く触れたのですが、2020年に発生した大きな社会的運動のひとつ、BLACK LIVES MATTERに呼応してリリースされた作品で、こぶしを突き上げたジャケットも印象的。ソウルやファンクの要素を取り入れつつ、レトロな雰囲気が漂うサウンドが魅力的なのですが、非英語圏のリスナーにも伝わりやすいシンプルな英語のメッセージも胸に響いてくる作品。間違いなく、2020年を代表するアルバムと言えるでしょう。

そして・・・

1位 Melee/Dogleg

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上半期1位の作品が、年間ベストアルバムでも1位獲得!アメリカデトロイトの4人組ロックバンド。上半期ベストアルバムでも書いたのですが、どこかシューゲイザーからの影響を感じさせるサウンドに疾走感のあるギターロック、そしてポップなメロディーラインが心地よく、個人的にかなり壺にはまった作品に、かなりはまってしまいました!eastern youthやNUMBER GIRLあたりに通じるようなサウンドがあり、日本でも多くの方が気に入りそうなサウンド。これから注目度も高まりそうなアルバムで、これからの活躍が楽しみです!

そんな訳で、ベスト10をあらためて振り返ると・・・

1位 Melee/Dogleg
2位 Untitled(Black is...)/SAULT
3位 folklore/Taylor Swift
4位 Fake It Flowers/beabadoobee
5位 The Slow Rush/Tame Impala
6位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr
7位 Untitled(Rise)/SAULT
8位 MORDECHAI/Khruangbin
9位 evermore/Taylor Swift
10位 ULTRA MONO/IDLES

まず感じるのは、ここに来て、非常にロック系の勢いが目立つという点でした。ベスト10のうちでも1位Dogled、4位beabadoobee、6位Ringo Deathstarr、10位IDLESと、比較的ストレートなギターロック勢の活躍が目立ちますし、そのほか、各種メディアで上位に入ってくるアルバムの中でもロック勢が目立ったような印象を受けます。ロック好きとしてはやはりこの傾向は素直にうれしいところ。HIP HOP系に押されてここ最近勢いのなかったロックですが、ここに来て盛り返してくるのでしょうか?

ほかのベストアルバム候補としては・・・

Hotspot/PET SHOP BOYS
Set My Heart On Fire Immediately/Perfume Genius
Rough And Rowdy Ways/Bob Dylan
Punisher/Phoebe Bridgers
A Hero's Death/Fontatines D.C.
Songs For The General Public/The Lemon Twigs
Mama,You Can Bet!/JYOTI
Shore/Fleet Foxes
Song Machine:Season One-Strange Timez/Gorillaz
LIVE/Angle Bat Dawid
Miss Anthropocene/Grimes
R.Y.C./Mura Masa
EVERY BAD/Porridge Radio
It Is What It Is/Thundercat
Fetch The Bolt Cutters/Fiona Apple
græ/Moses Sumney
Notes On A Conditional Form(邦題 仮定形に関する注釈)/The1975
RTJ4/Run the Jewels
Future Nostalgia/Dua Lipa
SAWAYAMA/Rina Sawayama

上半期は「良作は多かったもののどんぐりの背比べ的な」と書いたのですが、年間を通じてみると、今年はベスト盤の選定に悩むくらいの傑作が多い1年だったように思います。どんぐりの背比べと書いてしまうとネガティブな表現なのですが、「ほかのベストアルバム候補」もいずれもベスト10に入ってきても不思議ではない傑作揃い。コロナ禍の中で、ライブ活動が制限されて、かなり厳しい状況に置かれた2020年でしたが、そんな状況に反するかのように、傑作アルバムを数多くのミュージシャンが生み出してきた、そんな1年でした。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 上半期

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2021年2月 1日 (月)

2020年年間ベストアルバム(洋楽編)その1

毎年恒例、年間私的ベストアルバムの紹介。本日から洋楽編2回、邦楽編2回にわけて、4回にわたって掲載する予定です。まず洋楽の10位から6位まで

10位 ULTRA MONO/IDLES

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このジャケット写真が、妙に笑えてきて印象に残るようなアルバムですが・・・イギリスのポストロックバンドによる最新作。前作「Joy as an Act of Resistance.」も2018年の年間ベストアルバム3位に選出するなど非常に気に入ったアルバムだったのですが、それに続く本作も傑作アルバムに。ヘヴィーなバンドサウンドにシャウト気味のボーカルながらも、メロは意外とポップという構成が気持ちよく、聴いた後にいい意味で「ロックを聴いた」という満足感が得られるバンド。前作以降、グッと注目度も増したようで、日本でも知名度が上がってきています。これからが非常に楽しみです。

9位 evermore/Taylor Swift

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2020年は新型コロナウイルス蔓延の影響でライブイベントが軒並み中止。それで暇となった影響もあるのでしょうか、「意外な新譜」のリリースも相次ぎました。Taylor Swiftのまさかの年間2枚目となるアルバムリリースとなった本作もそんな1枚。7月にリリースされたアルバム「folklore」も傑作でしたが、それに続く本作も、文句なしの傑作アルバムでした。というよりも、この2枚のアルバムで、彼女が立ちステージが、間違いなく一段高いものに上がったような印象が。ポップなメロディーラインが非常に素晴らしく、彼女の実力をあらためて感じさせる作品でした。

8位 MORDECHAI/Khruangbin

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2018年に来日した際、出演したフジロックでのステージも話題を呼んだ、アメリカはテキサス出身の3人組バンド。「タイ式ファンクグループ」と紹介される彼らのグルーヴ感は一種独特で、80年代のフィーリーサウンドを取り入れつつ、一方では60年代的なレトロさを合わせつつ、エキゾチックな雰囲気のグルーヴ感を醸し出しています。ループするサウンドに軽いトリップ感を覚えつつ、ねっちりとまとわりつくようなサウンドが非常に魅力的。コロナ禍が明けたら、是非ともライブで見てみたい、そう強く感じさせるアルバムでした。

7位 Untitled(Rise)/SAULT

本作は現時点ではアルバムレビューで未紹介となるアルバムです。2019年にリリースされた「5」「7」という2枚のアルバムが評判を呼んだイギリスのバンド、SAULTの作品。バンドのプロフィールが正式に明かされてらず、「謎のバンド」とも言われる彼らが、2020年にリリースした2枚の連作のうちの1枚。2020年に大きな話題となったBLACK LIVES MATTERに呼応してリリースされたもう1枚のアルバム「Untitled(Black is...)」と対となる本作は、ソウルやファンクをベースとしたサウンドで、未来への明るさを感じる全体的に明るい内容になっています。「Untitled(Black is...)」と合わせて2020年をまさに象徴するアルバムになっていました。

6位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr

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いままで紹介してきたアルバムは、いずれも2020年を代表するアルバムとして高い評価を得ていたアルバムなのですが、一方、本作はある意味、完全に自分の趣味かもしれません(笑)。上期ベストアルバムでも紹介しましたが、シューゲイザーへの憧憬をこれでもかというほど体現化したアルバム。シューゲイザーの影響を受けたバンドは今でも少なくありませんが、そんな中でも、これほどストレートにシューゲイザーのサウンドを体現化しているのは彼らくらいかも。聴いていて素直にとても心地よいアルバムでした。ちなみに1曲目のタイトルが「Nagoya」なのも高評価の要因かも。

そんな訳で、6位から10位までの紹介。明日は5位から1位まで一気に紹介します!

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2021年1月 1日 (金)

謹賀新年

新年、あけましておめでとうございます。今年も当「ゆういちの音楽研究所」を何卒よろしくお願いします。

言うまでもないことですが、昨年2020年は、新型コロナウイルスの影響により、とんでもない1年となりました。そして、そのコロナ禍の影響はいまだに続いているばかりではなく、ここに来て、さらに再び猛威を奮っています。1年前の今頃は、まさか1年後にこのような状況になっているとは思いもしませんでした。エンターテイメント業界にも大きな影響を受け、いまだにライブも開催するのもままならないような状態です。

昨年の大みそかは、最初の方だけですが紅白歌合戦を見ていました。コロナの影響で無観客での開催となってしまった紅白。観客がいない状態での紅白は、どこか「普通の音楽番組」に成り下がった感は否めませんでしたが、そのコロナ禍の中でなんとか開催にこぎつけたNHK側の工夫はいろいろと感じることが出来ました。

そして、私はといえば、途中からは紅白を離れてサザンオールスターズの配信でのカウントダウンライブを観戦。実はいつも年末年始は家族で過ごしていたため、この手のカウントダウンライブには一度も参加したことはありませんでした。今回、オンラインライブでアットホームでの参加とはいえ、初となるカウントダウンライブへの参加。先日の「2020年ライブまとめ」にも書いたように、オンラインライブと通常のライブとでは、まったく別ものといった感じであることは事実なのですが、ただ、コロナの影響とはいえ、「カウントダウンライブ」に参加できた点は、コロナ禍の中での数少ない「よかったこと」と言えるのかもしれません。もっとも、来年はこのようなオンラインライブがなくなることを願ってやまないのですが。

また、これはコロナとは全く関係ないのですが、2020年は、筒美京平、なかにし礼、中村泰士という昭和を代表するような作詞家、作曲家が相次いで亡くなりました。平成に入ったばかりの頃も美空ひばりや手塚治虫といった昭和を代表する大スターの訃報が相次いだのですが、令和に入って間もない今年も、同じように昭和を代表する有名人の訃報が相次いだように思います。平成や令和の区切りというのは、単なる天皇の在位に対する区切りに過ぎないのですが、それでもひとつの時代が終わったように感じざるを得ません。

まだまだコロナ禍の影響は続いている昨今。この影響がどこまで続くのかが全く見えず、鬱々とした日々が続いてしまいます。しかし、この日々は必ず終わりが来ると信じて、来年の今頃は、1年前はコロナで大変だってね、と昔話にできるように、2021年は明るくがんばっていきましょう!今年も、少しでも素晴らしい音楽を紹介できるように、引き続き、当サイトをよろしくお願いします。

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2020年12月31日 (木)

2020年ベストアルバム(暫定版)

新型コロナに全世界が覆われた2020年。音楽業界も大きな影響を受けました。コロナ禍だからこそ生まれた作品も少なくありません。ただ、そんな中でも確実に傑作アルバムは世にリリースされ続けてきました。そんな訳で毎年恒例の私的ベストアルバム暫定版。例のごとく、まだ聴いていないアルバムもなるので、正式版は2月はじめに発表予定です。

邦楽篇

まず上半期のベスト5です。

1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 ボイコット/amazarashi
3位 操/岡村靖幸
4位 Devil/ビッケブランカ
5位 oar/角銅真実

これに続く下期のベスト盤候補は・・・

STRAY SHEEP/米津玄師
民謡クンビエロ(フロム・トーキョー・トゥ・ボドタ)/民謡クルセイダーズ&フレンテ・クンビエロ
THE THIRD SUMMER OF LOVE/ラブリーサマーちゃん
ROVO/ROVO
You need the Tank-top/ヤバイTシャツ屋さん
23歳/KAN

下半期のベスト盤候補をピックアップしたのですが・・・・・・うーん、思った以上に少ない。コロナ禍が影響しているのかどうかはわかりません。年末近辺にリリースされたアルバムは未聴なので、まだ傑作アルバムを聴き切れずに残っている可能性も高いのですが・・・ちょっと今年の邦楽シーンは不作気味だったかも。

洋楽篇

上半期のベスト5です。

1位 Melee/Dogleg
2位 The Slow Rush/Tame Impala
3位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr
4位 Hotspot/PET SHOP BOYS
5位 Set My Heart On Fire Immediately/Perfume Genius

これに続く下期のベスト盤候補は・・・

Rough And Rowdy Ways/Bob Dylan
Punisher/Phoebe Bridgers
MORDECHAI/Khruangbin
folklore/Taylor Swift
A Hero's Death/Fontatines D.C.
Songs For The General Public/The Lemon Twigs
Mama,You Can Bet!/JYOTI
Shore/Fleet Foxes
ULTRA MONO/IDLES
Fake It Flowers/beabadoobee
Song Machine:Season One-Strange Timez/Gorillaz
LIVE/Angle Bat Dawid

逆に洋楽は傑作アルバムがかなり豊富だったようにも思います。特に、上期1位だったDoglegもそうなのですが、ここに来て、ロック勢の活躍が目立つようになっていたようにも思います。こちらも、まだ今年の傑作アルバムと評価されつつ聴いていないアルバムも少なくないので、ベスト10を選ぶのにかなり迷いそうな予感も。

それでは、みなさん、よいお年を!

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2020年8月14日 (金)

2020年上半期 邦楽ベスト5

火曜日に引き続き、少々遅くなってしまいましたが邦楽ベスト5です。

5位 oar/角銅真実

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今、話題の女性シンガーソングライターによるデビュー作。妙に惹きつけられるウィスパー気味のボーカルが魅力的で、どこか幻想的な感じがする点も大きなポイントに。特にFishmansの「いかれたBaby」のカバーは絶品。また、ボーカルを生かしたシンプルなサウンドメイキングも絶妙で、彼女の魅力を最大限引き出しているアレンジに仕上げています。決して派手な作品ではないのですが、これからの期待にも大いに期待のできる傑作アルバムに仕上がっていました。

4位 Devil/ビッケブランカ

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おそらくこの上半期、私個人の最大の「はまりソング」が本作に収録される「Ca Va?」でしょう。フランス語で「元気?」を意味する単語をタイトルとした曲なのですが、その発音を生かした非常にユーモラスなポップチューンとなっており、You Tubeで公開しているMVも何度も見てしまいました。もともと非常に美しいメロディーラインが印象的な彼ですが、本作ではそれにユーモアセンスが加わり、さらなる進化を遂げた印象も。もともと、ピアノやストリングスを入れた美メロという、私にとっては壺な曲を書いてくるシンガーでしたが、その中でもさらに魅力的な傑作アルバムでした。

3位  操/岡村靖幸

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本格復帰2作目となるオリジナルアルバム。前作に引き続きの会田誠によるジャケットも印象的な作品なのですが、50代半ばにより全盛期が再来したか、というほどの傑作アルバムに。かつての全盛期ともいえる、彼の80年代の頃の作風を取り入れつつも、例えばDAOKOとのコラボなどにより「今の音楽」をしっかりと取り入れて、結果、多くのファンが求めるであろう、かつての彼のスタイルをしっかりと残しつつ、ただ、しっかりと2010年代の岡村ちゃんにアップデートしている、そんなバランスのよい傑作に仕上がっていました。ここに来て、再び脂ののった活動を行っている彼。まだまだ傑作アルバムは続きそうです。

2位 ボイコット/amazarashi

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独特な歌詞世界が魅力的だったamazarashi。ただ、以前は歌詞から、いわゆる「中2病」的な印象を受けていたのですが、ここ最近、その歌詞の世界観が深化。いい意味で地に足をつけた歌詞になってきており、バンドとしてさらなる進化を感じさせます。もともとメインライターである秋田ひろむは青森出身ということもあって、そんな彼の出自の特徴はしっかりと歌詞の世界にも反映。都会の中での地方出身者の孤独を感じさせるような歌詞も大きな魅力となっています。叙情感たっぷりのダイナミックなサウンドも大きな魅力。彼らの成長を強く感じさせる傑作アルバムになっていました。

1位 Passport&Garcon/Moment Joon

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本作はアルバムを紹介した段階で「暫定年間1位」と既に書いていましたが、その後、本作を越えるような傑作はなく、文句なしに上半期1位となりました。韓国出身大阪在住によるラッパーによるアルバムで、日本人の抱える韓国人に対する差別意識という病巣に対して鋭く切り込んだラップ。それにどこかユーモアセンスをまぜつつ、かつ、韓国人のみに留まらず、日本人の持つ外国人に対する差別意識全般を切り込んだ作品に。作品自体はコロナ禍を反映されたものではないものの、コロナによって各国、事実上、国を閉ざしたような状況となり、ナショナリズムがより台頭してきそうな危険性のある中でこそ、より響くような作品になっています。そういう意味でも2020年という年を代表するアルバムと言えるかもしれません。文句なしの傑作です。

ほかのベスト盤候補としては・・・

202020/斉藤和義
THE KEBABS/THE KEBABS
ROCK/ベッド・イン
いいね!/サニーデイ・サービス
Triptych/Shohei Takagi Parallela Botanica
ストリーミング、CD、レコード/ゲスの極み乙女。

洋楽同様、良作は少なくなかったものの、際立った傑作は少なかった今年。邦楽に関して言えば、4位以下とほかのベスト盤候補の作品は、ほぼどんぐりの背比べ的だったように思います。ただ、逆に1位のMoment Joonはそんな中で2020年を代表する際立った傑作と言える作品。洋楽を通じても、これだけ今の世相を反映された作品は本作だけだったようにも思います。

あらためてベスト5を振り返ると

1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 ボイコット/amazarashi
3位 操/岡村靖幸
4位 Devil/ビッケブランカ
5位 oar/角銅真実

下期もまた、多くの傑作に出会えますように。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期

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2020年8月11日 (火)

2020年上半期 洋楽ベスト5

例年より若干遅くなってしまいましたが、毎年恒例、私的ベストアルバム上半期。まずは洋楽編のベスト5です。

5位 Set My Heart On Fire Immediately/Perfume Genius

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アメリカはシアトルに拠点を置くシンガーソングライター、マイク・ハドレアスのソロプロジェクトPerfume Geniusによる約3年ぶりのニューアルバム。毎回、アルバムが大きな評判を呼ぶ彼ですが、実は彼のアルバムを聴くのは今回がはじめて。しかし、ファルセット気味のボーカルで美しく聴かせるメロディーラインにすっかり魅了されてしまいました。さらに美しいだけの歌声のみならず、所々で入るダイナミックなサウンドも魅力的。まさに静と動を見事バランスさせた傑作アルバムに仕上がっていました。

4位 Hotspot/PET SHOP BOYS

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ベテランエレクトロポップミュージシャンによる約3年9ヶ月ぶりの新作。前々作「ELECTRIC」、前作「SUPER」から続く3部作の最終章と位置付けられた本作。毎回、魅力的なポップチューンを楽しませてくれる彼ですが、前々作と前作は悪いアルバムではなかったものの、以前の彼らの作品と比べると、若干物足りなさを感じてしまうアルバムでした。しかし本作はダンスチューンをメインにPSBの本領がいかんなく発揮された、とにかく聴いていて楽しくなるポップスの連続。メロディーメイカーとしての彼らの実力を存分に楽しめた傑作でした。

3位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr

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正直、各種メディアなどではほとんど話題にのぼらないような作品かもしれませんが…いわゆる「ニューゲイザー」と言われるムーブメントの中で誕生したバンドの一組で、とにかくマイブラをはじめとしたシューゲイザー系バンドへのストレートな愛情が、これでもかというほど感じられるアルバム。率直な話、愛情があふれだしすぎて、ある意味、「そのまま」といった点も否定できないのですが、逆に変なひねりがない分、素直にフィードバックノイズの身をゆだねられる、シューゲイザー好きにはたまらない1作。ちなみに1曲目のタイトルがなぜか「Nagoya」なのもポイント高し(笑)。

2位 The Slow Rush/Tame Impala

聴いた当時の感想はこちら

前作「Currents」も大きな評判を得たオーストラリアのミュージシャン、ケヴィン・パーカーによるソロプロジェクト、Tame Impalaの新作。その前作から5年というインターバルを経ての新作となるのですが、ドリーミーなAOR風のサウンドとメロディーがとにかく心地よい傑作アルバムに。どこか哀愁感も覚えるメロディーラインは人なつっこく、ある意味、日本人にとっても琴線に触れそうなメロディーラインとなっており、終始、そのメロに聴き入ってしまいます。かなり久々の新作となりましたが、待ちに待ったかいのあった傑作アルバムに仕上がっていました。

1位 Melee/Dogleg

聴いた当時の感想はこちら

これはかなりはまりました!アメリカはデトロイトで結成された4人組バンドDogleg。いわゆるエモコアに属するバンドなのですが、その一方、どこか感じるシューゲイザー系からの影響も心地よく、かつ、メロディーラインは至ってポップにまとまっているのが特徴的。エモーショナルなバンドサウンドながらも意外とポップなメロはいい意味で敷居も低く、eastern youthやNUMBER GIRLあたりが好きなら間違いなくはまりそうなバンド。フルアルバムは本作が初らしいのですが、今後に注目したい、ロック好きなら必聴の傑作アルバムです。

ほかのベスト盤候補としては…

Miss Anthropocene/Grimes
R.Y.C./Mura Masa
EVERY BAD/Porridge Radio
It Is What It Is/Thundercat
Fetch The Bolt Cutters/Fiona Apple
græ/Moses Sumney
Notes On A Conditional Form(邦題 仮定形に関する注釈)/The1975
RTJ4/Run the Jewels

正直言うと、この上半期、良作は少なくなかったものの、ずば抜けた傑作も少なかったかな、という印象を受けます。今回紹介した5枚と、ほかのベスト盤候補としてあげたアルバムは、どれも「どんぐりの背比べ」程度の違いしかなかったように思います。それだけに、どのアルバムも十分、ベスト盤になりえたアルバムでした。逆に言うと、「これは!」といったアルバムもなかったようにも思えてしまいます。

あらためて上半期のベスト5を並べると…

1位 Melee/Dogleg
2位 The Slow Rush/Tame Impala
3位 RINGO DEATHSTARR/Ringo Deathstarr
4位 Hotspot/PET SHOP BOYS
5位 Set My Heart On Fire Immediately/Perfume Genius

コロナ禍で音楽業界も厳しい状況が続いていますが、そんな中でも、下期も少しでも私たちを楽しませてくれる音楽に出会えますように…。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期

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2020年2月 4日 (火)

2019年ベストアルバム(邦楽編)その2

4日間にわたってお送りしてきました私的ベストアルバムも今日が最後。邦楽編の1位から5位の紹介です。

5位 エアにに/長谷川白紙

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今、最も注目を集めるシンガーソングライターの最新作。非常な奇妙なジャケットも目につくのですが、サウンド的にも最新のジャズの要素を取り入れつつ、複雑な構成となっている楽曲が印象に残ります。ただ、それにも関わらずメロディーライン自体はポップにまとめあげており、全体的には広いリスナー層にアピールできそうなポピュラリティーをしっかりと確保。このバランスの良さも見事でしょう。今後、さらに注目が集まりそうな傑作アルバムでした。

4位 新しい人/OGRE YOU ASSHOLE

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アルバムをリリースする毎に傑作をリリースし続けるOGRE YOU ASSHOLEの新作。今回も極限までそぎ落としたシンプルなサウンドの中で最高にサイケデリックな雰囲気を醸し出す曲を聴かせてくれているのですが、その中で今回のアルバムで特徴的だったがOGRE流ディスコサウンドとも言うべき4つ打ちの楽曲。スペーシーなサウンドで軽くトリップ感を味わえるような独特のグルーヴが産みだされており、彼らの新たな魅力を感じさせるサウンドを作り出していました。

3位 30/電気グルーヴ

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今年を代表する傑作ながら、ピエール瀧の逮捕により、いまだに聴くことが出来ない「幻の作品」となっている本作。結成30周年を記念してリリースされた本作は、彼らの過去のターニングポイントになった曲を現在の視点から「リメイク」した作品になっており、電気グルーヴの活動を俯瞰するのは非常に優れた1枚であると同時に、彼らの実力をいかんなく感じられる傑作アルバムになっていました。レンタルでは普通に聴くことが出来るため、是非、そちらでチェックして欲しい文句なしの傑作。しかしソニーは、いつまでこの愚行を続けるのか…。

2位 cherish/KIRINJI

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先日、KIRINJIが現在のバンド形態での活動を今年末で終了する旨のアナウンスを行いました。元々、スーパーグループ的なバンドだっただけに、長くは続かないだろうなぁ、と思っていただけに意外性はなかったのですが、最新作はバンドとしての攻めの姿勢を強く感じ、次回作が楽しみだっただけにその点は非常に残念。ただ一方で、エレクトロサウンドと生音を見事に融合させ、今のKIRINJIとしてのサウンドの到達点を示した傑作アルバムだった本作をリリースした今、バンドとしてやれることはやりつくしたのかなぁ、とも思うような作品でした。

1位 PUNK/CHAI

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もう文句なしの2019年を代表する最高傑作アルバム。聴いた当時に「このアルバムを評価せずに、どのアルバムを評価するの?」と書いたのですが、その気持ちは今も変わっていません。足腰のしっかりしたバンドサウンドにカラッとした、邦楽ばなれした、しかししっかりとポピュラリティーを保ったメロディーラインが大きな特徴。なんと本作はかのPitchforkで「BEST NEW MUSIC」を獲得。さらに年間ベストアルバムで46位という快挙を達成しています。洋楽邦楽の枠組みを超えて2019年を代表する傑作アルバムです。

そんな訳であらためてベスト10を振り返ると…

1位 PUNK/CHAI
2位 cherish/KIRINJI
3位 30/電気グルーヴ
4位 新しい人/OGRE YOU ASSHOLE
5位 エアにに/長谷川白紙
6位 834.194/サカナクション
7位 三毒史/椎名林檎
8位 Section#11/THE BAWDIES
9位 underground/SPARTA LOCALS
10位 ジェニーハイストーリー/ジェニーハイ

他のベスト盤候補としては…

あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた/忘れらんねえよ
ALL THE LIGHT/GRAPEVINE
HOCHONO HOUSE/細野晴臣
ドロン・ド・ロンド/チャラン・ポ・ランタン
THE ANYMAL/Suchmos
9999/THE YELLOW MONKEY
労働なんかしないで 光合成だけで生きたい/スガシカオ
Ride On Time/田我流
MOROHA IV/MOROHA
THA BLUE HERB/THA BLUE HERB
LOLIPOP SIXTEEN/SOLEIL
燦々/カネコアヤノ
音の門/国府達矢
スラップスティックメロディ/国府達矢
スターシャンク/Cocco
見っけ/スピッツ
KYO/m-flo
井上順のプレイボーイ講座12章/小西康陽とプレイボーイズ

12月末の暫定版の時は、年間ベストクラスの傑作が少なかった…と書いたのですが、ただ、特に12月リリースのアルバムで傑作も目立ち、結果としては文句なしの傑作がしっかり並ぶ10枚になっていたように感じます。ベテラン(電気グルーヴ、KIRINJI、椎名林檎)、中堅(サカナクション、THE BAWDIES、OGRE YOU ASSHOLE)、若手(CHAI、長谷川白紙)がバランスよく名前を並べているベスト10となっており、そういう意味でも今の日本のミュージックシーンがしっかりと活況を帯びたものになっている証拠でしょう。今年もおそらくいろいろな傑作がリリースされてくるでしょうが、今からとても楽しみです。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 上半期

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2020年2月 3日 (月)

2019年ベストアルバム(邦楽編)その1

昨日までのベストアルバム(洋楽編)に続き、今日からは邦楽編です。

10位 ジェニーハイストーリー/ジェニーハイ

テレビのバラエティー番組から登場した企画モノユニット。ゲスの極み乙女/indego la Endなどで活躍している川谷絵音がプロデュースを担当している他、お笑い芸人2人が参加しているノベルティー色が強いバンドなのですが、川谷絵音の才能がさく裂しているゲスとindegoを足して2で割ったような作風が非常にユニーク。加えて、現代音楽家で、かの佐村河内守事件で知られる新垣隆がキーボードとして参加。彼の奏でるキーボードのメロも強いインパクトを与えており、企画モノユニットだからこその自由度が感じられます。正直、企画モノゆえか、音楽雑誌等には完全に無視に近い状況なのですが、アルバムの内容としてはかなりの傑作となっており、文句なしに2019年を代表する傑作アルバムに仕上がっていたと思います。

9位 underground/SPARTA LOCALS

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2000年代に大きな注目を集めた福岡出身のインディーロックバンドの復帰作。デビュー当初を彷彿とさせるようなエッジの効いたギターサウンドを聴かせてくれており、若干勢いが落ちた感じのあった解散前に比べると、一気に勢いが復活した感のあるアルバムに仕上がっていました。一度の解散が彼らにとって全く無駄ではなかった、新たなSPARTA LOCALS復活を感じさせる傑作アルバム。これからの彼らの活躍も非常に楽しみになる作品です。

8位 Section#11/THE BAWDIES

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ルーツ志向のロックンロールを真摯に継承し続けるTHE BAWDIES。その中でも彼らなりの個性やバリエーションを持たせるために、様々な試みを行っていた彼ら。その結果、ここ最近の作品は残念ながら初期の作品のように、ロックンロールの初期衝動をあまり感じさせないようなアルバムが続いていたのですが、今回のアルバムはまさに久々の快心作といえる傑作に。ロックンロールの初期衝動を感じさせつつ、モータウンビートやファンクなど、彼らの幅広い音楽性も感じさせる傑作アルバムに仕上がっていました。

7位 三毒史/椎名林檎

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男性ミュージシャンとのデゥオと自身のみの作品を交互に並べる、いわば企画盤的な構成となっている椎名林檎の新作。「生と死」をテーマとしたコンセプチャルな歌詞を軸に、癖のある男性ボーカルが数多く参加する中で、そんな男性陣を物ともせず、彼女の個性をしっかりと出し、しっかりと椎名林檎の作品として仕上げてくるあたり、彼女の高い実力を感じさせます。まさに彼女にしか作りえなかった傑作アルバムです。

6位 834.194/サカナクション

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2枚組となっている本作は、まさに意欲作という表現がピッタリとくる作品。アルバムタイトルは東京と、彼らが活動を開始した札幌の距離をあらわしている数値だそうで、2枚の作品は、それぞれ外を意識してポップな作品を集めた「東京」と、自分の好きに曲作りを行った「札幌」という構成になっています。まさにポップなサカナクションと、挑戦的なサカナクションという、彼らの二面性をアルバムの中でしっかりと表現できた傑作アルバムに。サカナクションの魅力が存分に発揮された作品となっています。

とりあえずは10位から6位は以上の通り。明日は5位からの紹介です。

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