映画・テレビ

2017年6月 6日 (火)

日本人ならば知っておきたい東ティモールの事実

映画「カンタ・ティモール」上映会+エゴ・レモス来日ライブ

会場 喫茶モノコト 日時 2017年5月26日(金)19:00~

先日、「カンタ!ティモール」という映画の上映会に足を運んできました。この映画、21世紀最初の独立国、東ティモールのドキュメンタリー映画。普通の映画館でのロードショーなどの形態ではなく、ミニシアターや有志が主催する各地の上映会で上映され続けられています。もともと私がこの映画のことを知ったのは私が大ファンのバンド、ソウル・フラワー・ユニオンが同作のラストに流れる「星降る島~オーマルシーラ・オーウルシーラ」を歌っており、また中川敬が監修を手掛けていたため。以前から気になってはいたのですが、ちょうど足を運びやすいタイミング、日時で上映会が行われると知り、足を運んできました。

場所は名古屋では有名な書店、ちくさ正文館の2階にある喫茶モノコトという小さなカフェ。参加していたのは50名強くらいでしょうか。一般的な知名度は決して高くなく、かつ大々的な宣伝も行っていない割りにはにぎわっているな、という印象を受けました。

さて肝心の映画の感想ですが、まず一言で言えば非常に深い衝撃を受けました。

東ティモールについて言えば、21世紀最初の独立国であるこということの他、独立運動が行われたこと、その中でインドネシアとの激しい衝突が起こったこと、程度のことしか知りませんでした。またこの映画についても東ティモールの独立運動を追ったということは知っていたのですが、どちらかというと東ティモールの今を紹介した音楽ドキュメンタリーという認識で見に行きました。

しかしこの映画で描かれていたのは東ティモールの独立運動をめぐる壮絶なドキュメンタリーでした。同作の監督、広田奈津子氏が現地にて様々な証言を得ているのですが、無差別な殺戮、レイプ、インドネシア軍による残忍な行為。インドネシア軍による一方的な殺戮行為の後、生き残った人たちを「陸軍病院」と呼ばれる施設に連れていき、毒薬を注射され無意味に殺されていったという証言。ティモール人を根絶やしにするために女性に危険な避妊薬をむりやり投与されたという話・・・生き残った人たちの証言だけでも辛くなるような事実が次々と語られています。さらには東ティモール独立運動を取材したジャーナリストたちによる貴重な映像や写真も流されます。この写真や映像は思わず目をそむけたくなるような残酷な写真なども紹介されているのですが、それだけに強いショックを受けました。

ただそんな描写が続く中でこの映画が素晴らしいと思うのは、そんな独立運動に関する衝撃的な証言、映像の合間合間に東ティモールの子供たちの笑顔が流される点でした。おそらく壮絶な独立運動を直接は知らないであろう子供たちの無垢な笑顔はまだ独立まもない若きこの国の未来を感じさせます。今回の映画ではこの子供たちの笑顔がとても印象的に流され、東ティモールという国の希望を感じさせる構成になっていました。

またこの映画では東ティモール独立運動と日本との関わりについても紹介されています。日本はインドネシアで採掘される石油利権を守るため、残酷な独立運動についてヨーロッパ諸外国から強い批判を受ける中、一貫してインドネシアを支持し、資金供与をしていたという酷い事実が紹介されます。さらにこれによって私たち日本人が安価な石油を入手でき恩恵を受けていたという事実を紹介し、この独立運動が私たちにとっても無関係でないという事実を突きつけていました。

さらにこの映画は東ティモール独立運動について日本にも知らせたいという強い意思を感じるとともに、ティモール人を通じて「生きる」という意味を考えたかったのではないか、この日の映画の後に行われた広田監督の挨拶からもそんなことを感じましたし、映画の中からもそのようなことを感じました。

映画の中では独立運動と共に素朴なアニミズム信仰に寄り添って生きているティモール人たちの生きざまも紹介されています。特に印象的だったのは先祖代々農家をやっているというお父さんのインタビューで「田んぼが一つあれば一生飢えることはない」というお話。自然に寄り添い生きていく彼らの生き様に、(すごーーく陳腐な表現で申し訳ないのですが)日本人がなくなった何かを感じたように思いました。

この映画の後には監督の広田美津子氏の挨拶もありました。映画からの想像からするとちょっと意外な、小柄でかわいらしい方だったのはちょっとビックリ。上にも書いた生きるということに対するメッセージが印象に残りました。

そしてその後に登場したのが、エゴ・レモスという映画の中でも登場した東ティモールを代表するミュージシャンによる来日ライブ。彼がアコースティックギター一本持って登場。映画でも助監督をつとめた小向サダムがパーカッションで参加してのアコースティックなステージとなりました。

最初は「ティモールの平和」という楽曲。しんみりと伸びやかな歌声で聴かせてくれる、フォーキーな雰囲気の作品。続く曲も(「証人」というタイトルらしいです)同じくフォーキーでしんみり聴かせる曲になっていました。

しんみりと聴かせる曲が続いたかと思えば、続く曲は軽快でウキウキしてくるポップなナンバー。この曲は東ティモールでは「ABC」のアルファベットにのせてアルファベットを覚えるために歌われる曲として有名な曲とのこと。会場の雰囲気も徐々に盛り上がってきます。さらには「IT'S RIGHT TO BE FREE」という曲ではタイトル通り、自由であることを訴える力強い楽曲を聴かせてくれました。

さらにその後は「みんなで踊ろう」という曲では観客全員が立ち上がり、みんなで手をつないで会場一体となって踊りました。もちろん私も(笑)。ダンスは東ティモールでよく踊られる歌にあわせてみんなでステップを踏むだけの簡単な踊りなのですが、この曲とアンコール含めて2曲、会場全体で盛り上がりました。

そしてアンコールラストはソウルフルなボーカルで力強い歌声を聴かせるパワフルなナンバー。会場全体で彼の歌声に聴き入ります。ライブは全6曲(確か)、40分程度の短いステージでしたが、彼の楽曲はシンプルで素朴なポップスがメイン。その力強い歌声と共に非常に心に残るステージを見せてくれ、満足度の高いライブを体験することが出来ました。

スタートが19時過ぎで終了が22時半という長丁場のイベントでしたが、映画、ライブともども、メッセージや歌が私の心に強く刻まれた貴重な経験をすることが出来ました。映画は今なお全国いろいろな場所で公開されているようなので機会があれば是非。お勧めです。

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2017年4月11日 (火)

なんでもない日常にマッチした暖かい音楽たち(映画の感想も)

Title:劇場アニメ「この世界の片隅に」オリジナルサウンドトラック
Musician:コトリンゴ

2016年は映画界、特に邦画において話題作の多い1年でした。まずは話題になったのが「シン・ゴジラ」に「君の名は。」。どちらも大ヒットを記録し、大いに話題となりました。そしてそれらの映画に増して大きな話題となったのがアニメ映画「この世界の片隅に」。大手映画配給会社によって配給され大々的な宣伝も行われた「シン・ゴジラ」「君の名は。」に対して「この世界の片隅に」はいわゆるミニ・シアター系の映画。しかし口コミから徐々に話題が広がり、様々な著名人も大絶賛。いまだに上映が続いており、ミニシアター系としては異例ともいえる大ヒットを記録しています。

実は私が、ここ最近で音楽系映画以外で唯一見た映画が本作。そして例にたがわず映画に感動し大泣きしてしまいました(^^;;そしてその感動の余波を味わおうと、遅ればせながら聴いてみたのがこのサントラ盤。音楽を担当しているのはコトリンゴ。KIRINJIの一員としても活躍している女性シンガーソングライターです。

全33曲入りのサントラで、そのうち4曲が歌入り。まずこのコトリンゴのボーカルが実に「この世界の片隅に」が描く世界にマッチしています。彼女のボーカルはほわっとした優しい雰囲気を持っており、力が抜けたボーカルが魅力的。ある意味「天然」ともいえるかもしれません。しかし一方でその根っこの部分には決して折れないような力強さも同時に感じます。この一見天然だけどその奥には芯の強さを感じるという女性像は、この映画の主人公のすずさんにも通じるところがあるのではないでしょうか。もともと同作の監督、片渕須直の手掛けた前作「マイマイ新子と千年の魔法」の主題歌を彼女が手掛けた縁で抜擢されたようですが、偶然にもこの映画にとって非常に最適な人選になっていたと思います。

このアルバムに収録されている歌モノ4曲はいずれも強い印象に残る作品ばかり。「悲しさ」と「やさしさ」を同時に内包した「悲しくてやりきれない」やすずのテーマ曲ともいえる歌詞が印象的な「みぎてのうた」。戦時歌謡の代表的な楽曲でもある「隣組」(「ドリフの大爆笑」のテーマとしてもおなじみですね)も戦時色を感じない軽快なカバーになっていますし、エンディングテーマ「たんぽぽ」も次へと進む明るさを感じさせるポップスをコトリンゴが優しく歌い上げています。

歌入りの4曲以外に関しては劇中に使われたBGMが収録されています。「この世界の片隅に」は戦時中を描いた映画ながら戦争そのものよりも戦時下を生きる人々の日常生活に焦点をあてた作品となっています。そのためか収録曲に関しても戦争映画のような悲劇性を感じさせるような悲しい曲はあまりありません。こちらの曲に関してもほっこりとした雰囲気の力の抜けた楽曲が多く収録されています。ピアノやストリングスをメインとしたいかにも映画音楽的な楽曲が多いのですが、ちょっとコミカルさも感じる楽曲の数々は、映画の中の様々なシーンを思い起こさせてくれます。

歌入りの4曲については文句なしでお勧めですし、他の曲に関しても映画の世界を上手く表現させた曲ばかりでコトリンゴの実力を感じます。ただ、1曲あたり1分に満たないような曲がメインのサントラ集なので映画を見ていない方にはそのままお勧めできる作品ではないかも。一方で映画ではまった方なら音楽の側面から映画の世界を再度楽しむにはうってつけのサントラだと思います。映画音楽も実に魅力的な作品でした。

評価:★★★★

(以下、当サイトは音楽レビューサイトですが、せっかく見た映画のため映画の感想も書いてみました。サイトの趣旨と関係ないのと、決定的なネタバレはないのですが、若干のネタバレを含むので別ページに。単なる一鑑賞者の感想の駄文ですが、ご興味あるかたは下のリンクをクリックしてください)

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2017年1月17日 (火)

偉大なるバンドのドキュメンタリー

久しぶりに音楽ドキュメンタリーの映画を見てきました。それがこれ!

Oasis_supersonic

ご存じ90年代後半から2000年代にかけて一世を風靡したイギリスのロックバンドoasis。その彼らを追った初となるドキュメンタリー映画「oasis:supersonic」。昨年末から全国で公開されていたのですが、ちょっと遅ればせながら見に行きました。

で、その感想なのですが・・・

めちゃくちゃおもしろかった!!

まあ単純に私がoasisの大ファンであるということも理由のひとつなんですけどね。その点を差し引いても音楽ドキュメンタリー映画として非常によく出来た、oasisの熱心なファンでなくても楽しめる映画となっていました。

映画はoasisの歴史について、1996年8月に、2日間で25万人を集めたというネブワースでの野外ライブまでを描いた内容。いわばoasisが急激に世界的なビックバンドになっていく過程を追ったドキュメンタリーとなっています。

今回、この映画がおもしろかったのはその作り方。この手のドキュメンタリー映画は(特に海外のは)得てして関係者をウエストアップかバストアップで撮りつつその証言を流すという手法を良くとられます。それはそれで興味深い発言が聴けますしおもしろいのですが、絵としてはちょっと退屈に感じられるケースが少なくありません。

今回の映画も関係者の証言を中心とした構成となっているのですが、「絵」としては貴重な映像、写真をつなぎあわせるスタイル。途中、映像や写真のない部分はアニメーション的な手法を用いており、映画として見ていて飽きません。また証言を行うのもなによりメインとなるのはノエル・ギャラガー、リアム・ギャラガーという張本人たち。その2人がそれぞれoasisの活動を振り返っているわけですから、ファンとしてワクワクせざるを得ません。

以下ネタバレの感想

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2016年1月16日 (土)

意外とオーソドックス

Denki_movie1

公開が決まって以来、非常に楽しみにしていた音楽ドキュメンタリー映画を観てきました。「DENKI GROOVE THE MOVIE?-石野卓球とピエール瀧-」。電気グルーヴのドキュメンタリー映画を映画「モテキ」などで知られる映画監督の大根仁によって録られた作品。年末年始のわずか2週間のみの限定公開(一部では1週間延長されたそうですが)だったので、見れるかどうか不安だったのですが、なんとか時間をつくって見に行きました。

今回見たのは、平日の20時15分スタートの回。平日なのですが会社帰りのサラリーマンも多く(というか私もそうですし)、会場は8割程度の入り。客の入りは好調のようで、さすがの人気を感じさせます。

さて、その映画の内容なのですが、予想以上にオーソドックスな構成。基本的に2014年のフジロックのステージを主軸にしつつ、デビュー当初から丹念に彼らの歩みを追ったスタイル。その当時の貴重なライブ映像やオフショット映像に関係者のインタビューから電気グルーヴというミュージシャンがどんなミュージシャンなのか追いかけています。

ライブ映像はかなり貴重な映像も満載。なんといっても大阪ファンタンゴでのデビューライブの模様までおさめてあり、今とは全く雰囲気もスタイルも異なるステージングに電気の長い歴史を感じます。残念ながら貴重なライブ映像は短め。まあ、撮影状況がかなり悪いので、長く見せられても厳しいものもあるのですが・・・機会があればもうちょっと長い映像を見たいな。

インタビューも、電気と深い関係を持つ人たちにきちんと話を聴いており、最適な人選といった感じ。特にCMJKとまりんこと砂原良徳といった元メンバーの証言はかなり貴重で、2人それぞれ電気を脱退した理由も語られており、この脱退の理由(CMJKはこれから大スターになる他の2人と一緒に活動していく絵が思い浮かばなかったから、まりんは同じテクノでもドイツ寄りの卓球とイギリス寄りの自分に音楽的な違いが出てきたから)も納得いくものでした。

映画では電気グルーヴのその時々の音楽の方向性、彼らが目指したものが関係者の証言により語られており、リアルタイムで彼らの活動を追っていた私も、あらためて彼らの歩みを体系立ててなぞれるような内容になっており、映画を観ていると、あらためて過去に戻って彼らのアルバムを聴いてみたいような衝動にもかられました。

Denki_movie2

ちなみにナレーションは全部英語で、字幕付。おそらくナレーションを入れることにより、変な「色」がつくことを避けたのでしょう。その試みは成功していた反面、映画を観ていて字幕を読まなくてはいけないため、映像に集中できない、という面ではマイナス面も感じました。また、電気グルーヴがどんなミュージシャンで音楽的にどんな方向を目指していたのかを、ナレーションで全部説明している、いわば「説明過多」な状況なのもよくも悪くもいかにも日本映画といった感じ。まあ、これに関しては、ドキュメンタリーという性質上、「わかりやすい」というプラスの面が多かったように思いますが。

そんな電気グルーヴの魅力をきちんととらえた内容になっているため、電気グルーヴ入門としても最適な映画だったと思いますし、長年のファンにとっても、あらためて彼らの実力を再認識できた内容でした。映画として目新しさはなく、良くも悪くも無難な内容なのですが、それだけに電気グルーヴがどんなバンドなのか知るにはムダのない内容だったように思います。もうおそらく公開は終わってしまいましたが、貴重な映像も多いだけに、DVDでリリースされたらファンなら要チェックの作品だと思います。大満足の2時間でした。

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2014年8月24日 (日)

イメージそのまま

Tokyofantasy

昨日紹介した映画「黄金のメロディー マッスル・ショールズ」を見に行ったところ、ちょうど同じ映画館でSEKAI NO OWARIを描いたドキュメンタリー映画「TOKYO FANTASY」を上映しました。ちょっと興味があったので一緒にチケットを購入。このドキュメンタリー映画も見てみることにしました。

で、開演前の入場列をみてちょっとビックリ。セカオワの客層ってこんなに若かったんですね(^^;;中高生がメインということは予想はしていたのですが、生がメインといった感じ。好奇心からチケットを購入して若干後悔(笑)。もっと上の世代もいないわけじゃなかったけど・・・。まあ「中二病バンド」の代表格である彼らだからこそ、そういった客層は納得ではあったのですが。

そしてその肝心な中身なのですが、セカオワというバンドがどんなバンドなのかということを描いたドキュメンタリー・・・なのですが、SEAKAI NO OWARIというバンドに対して一般的に抱かれているようなイメージから1ミリもはずれていない内容になっています。

そのため、おそらくSEKAI NO OWARIの描く世界観についてまったく疑いなく受け入れているようなファンにとっては文句なしに楽しめる作品の反面、彼らについてどこか斜めから見ている部分がある人、私のように少々疑問を感じつつも興味を抱いている人にとっては、SEKAI NO OWARIというバンドに抱いている違和感を広げられる結果になるドキュメンタリーだと思います。そういう意味では完全にファン向けのファンズアイテム。ファンの方には無条件でお勧めできる内容の反面、そうでなければかなり辛い作品、と言えるかもしれません。

以下、ネタバレの感想

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2014年8月23日 (土)

名曲のふるさと

Muscleshoals

先日、映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」を見てきました。東京では7月上旬から公開されていましたが、名古屋では8月中旬になってようやく公開。待ちに待ったといった感じで見に行った映画館。やはり同じ思いの方は多かったのか、朝一番でのロードショーにもかかわらず映画館はほぼ満員という人の入りでした。

マッスル・ショールズはアメリカ・アラバマ州の小さな街。この街には小さなふたつのスタジオ、フェイム・スタジオとマッスル・ショールズ・スタジオがあり、60年代から70年代にかけて多くのソウル、ロックの名曲を産みだしてきたソウル、ロックファンにとってはまさに「聖地」ともいえるような場所。この映画では、そのフェイム・スタジオの創立者であるリック・ホールのインタビューを軸に、マッスル・ショールズの2つのスタジオの歴史を紐解いたドキュメンタリーです。

映画は、この手のドキュメンタリーによくありがちなのですが、主に関係者によるインタビューを軸に進んでいきます。ただ、基本的にマッスル・ショールズの歴史を振り返るような内容で、「基本的」ともいえる内容。おそらくここらへんの歴史に詳しい方なら普通に知っていそうな内容かもしれません。それを関係者のインタビューや当時の映像や写真、また今のスタジオの風景と重ねながら撮られている点が感動的な訳で・・・。一方で、そんな基本的な歴史をつづった内容なだけに、「マッスル・ショールズ」という言葉でピンとくる程度の初心者レベル(ていうか私もその程度の知識なのですが(^^;;)の方にとっても十二分に楽しめる内容になっていました。

以下ネタバレの感想

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2014年4月 5日 (土)

それでも夜は明ける

ちょっと前の話なのですが、一見するとなにげない経済ニュースなのに、とても不気味さを感じさせたニュースがありました。テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の中の特集で、ミャンマーに進出する日本企業を支援するコンサルの話が取り上げられていたのですが、そのコンサルの説明会の中で、ミャンマーの人件費の話が取り上げられ、参加した日本企業への売り文句として、人件費が中国の4分の1であるという事実が、人型のグラフを用いて説明されていました。

もちろんコンサルに中国人やミャンマー人への差別的な意図は全くありません。ミャンマーの人件費が安いという事実を淡々と説明したにすぎません。しかし、そこには「人件費」の向こうに生きている人間がいるという事実がまったく無視されています。「人件費」という数字だけをみつめて、その「数字」をカットすることだけを考えている彼らの模様を映したニュースに、非常に不気味なものを感じました。

アカデミー賞作品賞を受賞して日本でも一躍話題となった映画「それでも夜は明ける」を、見ました。自由黒人であった主人公が(この北部での自由黒人という制度自体、この映画ではじめて知ったのですが)南部に誘拐され奴隷にさせられるも、奇跡的に救出される実話を描いた作品。監督はイギリスの黒人映画監督、スティーヴ・マックイーンで、黒人の映画監督の作品としてはじめてアカデミー作品賞を授賞したことでも話題となりました。

そして、私が冒頭に取り上げたニュースは、まさにこの映画を見ているうちに思い出したニュースでした。

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2014年1月24日 (金)

音楽ファンにとっては幸せな90分

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音楽ファン、とりわけソウルリスナーの間で話題のドキュメンタリー映画「バックコーラスの歌姫たち」を見てきました。

タイトル通り、大物ミュージシャンたちのヒット曲の後ろでコーラスとして参加した女性シンガーたちにスポットをあてたドキュメンタリー。かつてブロッサムズというコーラスグループを結成し、フィル・スペクターにその歌唱力を認められるも、自身の曲を「クリスタルズ」の曲として発表させられてしまったダーレン・ラヴ。ご存知ストーンズの「ギミ・ア・シェルター」でコーラスをつとめたメリー・クレイトンに、グラミー賞受賞経験もあるリサ・フィッシャー、マイケル・ジャクソンの追悼式でステージにたち話題となったジュディス・ヒルなどといったシンガーたちにスポットをあてながら話は進んでいきます。

さらに、ミック・ジャガーやスティング、ブルース・スプリングスティーンにスティーヴィー・ワンダーという驚くほど豪華なミュージシャンへインタビューが行われ、彼女たちとのエピソードや、バックコーラスとメインシンガーとの大きな違い(これがなかなか辛烈でしたが)についても述べられていました。

以下 ネタバレ込の感想です。

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2013年11月 5日 (火)

伝説の野外ロックフェス

先日、映画「ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987」を見てきました。

この映画は、1987年、熊本県の阿蘇山にある野外ステージ「アスペクタ」で行われたオールナイトロックフェス「BEATCHILD」を追ったドキュメンタリー。「BEATCHILD」はブルーハーツにBOOWY、尾崎豊に渡辺美里、さらにはHOUND DOG、ストリート・スライダーズ、岡村靖幸など、まさに80年代後半を代表するロックミュージシャンがズラリと顔をそろえたイベント。最近の日本でもすっかり定着したロックフェスの先駆け的存在の伝説的なイベントです。

そしてこのロックフェスを「伝説」たらしめたのはこの豪華な面子だけではありません。この日は夜から雷を伴う豪雨が会場を襲いました。びしょ濡れになる観客やミュージシャンたち。しかし、ライブは最後まで決行されたそうです。そんな過酷な環境の下で行われたライブは良くも悪くも伝説になってしまいました。

いままでこのイベントについては、一部の映像は公開されていましたが、多くの映像や音源が紛失しており、映像化は難しいと思われていました。しかし今年の5月、その映像と音源が発見されたそうで、今回この映画化となったそうです。

面子を並べただけでも実に豪華な参加ミュージシャンたちなのですが、そんな彼らの脂が載った時期のステージ。それをたっぷりと味わうことが出来る映画でした。80年代後半に青春を過ごした方なら絶対楽しめるはず!DVD化されないそうなので、まだ上映中ならば映画館へ急げ!!

続きはネタバレの感想。

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2013年8月23日 (金)

生涯現役歌手のドキュメンタリー

Batayan

今年4月、享年94歳でこの世を去った、昭和を代表する歌手バタヤンこと田端義夫。その彼の、遺作となったドキュメンタリー映画「オース!バタヤン」が名古屋でも公開されたので見に行きました。

先日、この映画のサントラ盤について紹介しました。もともと、映画の存在自体は公開前から知っていたのですが、ソウルフラワーユニオンがライブで彼の「島育ち」を取り上げたことから興味を持ち(中川敬も映画の中で登場しています)、もともとから、ここ最近、昭和歌謡曲に興味があったことから、映画館に見に行きました。

場所は駅西のシネマスコーレというミニシアター。サブカル文脈で紹介される映画なだけに客層はどんなもんかなぁ、と思ったのですが、見事なまでのジジババばかり(^^;;30代の観客は私だけ。昭和歌謡曲の再評価が久しいのですが、結局、若い世代はクレイジーケンバンドくらい止まりで、実際の昭和歌謡曲には興味がないってことなんでしょうか。ちょっと寂しい気持ちになりました。

以下、ネタバレの感想

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