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2026年10月

2026年10月15日 (木)

「忘れらんねえよ」が見事2週連続の1位

今週のHeatseekers Songs

見事、2週連続の1位獲得です。

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

Heatseekers Songsは忘れらんねえよ「なんもねえ」が2週連続で1位を獲得。ただし、Hot100では63位から79位にダウンしています。


今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週1位はSnow Man「AMENITY」が獲得。もともと8月に配信で先行リリースされていましたが、このたびCDも発売。CD販売数1位、ダウンロード数及びストリーミング数2位で総合順位で初の1位獲得となりました。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上101万3千枚で1位初登場。前作「音故知新」の初動103万1千枚からは若干のダウンとなっています。

2位は先週1位のMrs.GREEN APPLE「POPS」がワンランクダウン。とはいえ、ダウンロード数及びストリーミング数は先週から変わらず1位をキープしており、まだまだヒットは続きそう。また今週「ANTENNA」が12位から9位に再びアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算78週に伸ばしています。

3位はM!LK「LOVE ENG!NE」がワンランクダウンながらも今週もベスト3をキープです。

4位以下の初登場盤ですが、6位にback number「back number "Grateful Yesterdays Tour 2026" Live at NISSAN STADIUM」が初登場。ダウンロード数3位、ストリーミング数5位。今年6月14日に神奈川・日産スタジアムで行われたライブの模様を収録したライブ盤。また、2011年にリリースしたアルバム「スーパースター」が今週再び8位にランクアップし、2週ぶりのベスト10返り咲きを果たしています。

初登場盤は以上ですが、さらに今週、返り咲きがあと1作あり、Vaundy「replica」が先週の21位から10位にランクアップ。Hot100で「しわあわせ」が映画ヒットに伴いランクアップしてきたのでその影響でしょう。実に昨年6月11日付チャート以来のベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算30週に伸ばしています。

ほかのロングヒット盤は、まずILLIT「MAMIHLAPINATAPAI」は6位から4位にアップ。これで23週連続のベスト10ヒットに。「『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』オリジナル・サウンドトラック」は5位から6位にダウン。ただ、こちらもベスト10ヒットを11週連続に伸ばしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位はいよわ「惑星直列」が初登場。2018年にデビューした中堅のボカロP。昨年12月の「ミジ子の恋」以来の1位獲得となっています。2位はNeru「ご主人様、ロックのお時間にございます」、3位ははるまきごはん「マイバッド」がそれぞれ初登場でランクインしています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年10月14日 (水)

ミセスがグッとランクアップ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

アルバムリリースの影響でミセスの曲がグッとランクアップしています。

ただ、1位は初登場曲。日韓合弁の芸能事務所、LAPONEエンタテイメント所属の男性アイドルグループKO1KEYZのデビューシングル「KO1KEYZ」がランクイン。これでコイキーズと読むそうです。CD販売数1位、ダウンロード数4位、ラジオオンエア数2位、動画再生回数10位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上46万枚で1位に初登場しています。

そして2位にはMrs.GREEN APPLE「共犯」が先週の8位からランクアップし、初登場から2週目でベスト3入り。ラジオオンエア数が2位から1位にアップした影響が大きそう。また「Brand New」も先週から引き続き7位をキープ。これで13週連続のベスト10ヒットとなりました。

3位はEBiDAN「Yes!東京」が2位から3位にダウン。これで通算10週目のベスト10ヒット、9週連続のベスト3ヒットとなっています。

4位以下の初登場曲は、まず4位にSTU48「冬服に着替えたら」がランクイン。CD販売数2位。瀬戸内を活動拠点とするAKB48の姉妹グループ。オリコンでは初動売上12万9千枚で2位初登場。前作「好きすぎて泣く」の初動12万1千枚(1位)からアップ。

5位にはAyumi Imazuの「結び」が先週の20位からランクアップ。初登場から2週目にしてベスト10初登場となりました。Ayumi Imazuは大阪出身の男性シンガーソングライター。2020年のEP「Epiphany」でデビューした、既に中堅の域に入るミュージシャン。2024年にリリースした「Obsessed」がSNSを中心に注目を集め、レコ大の企画賞を受賞しています。この「結び」は主にTikTokなどの「踊ってみた」動画で話題となり、ヒットに結び付いています。特にストリーミング数で1位を獲得。ダウンロード数16位、ラジオオンエア数及び動画再生回数8位。今後のロングヒットも期待できそうです。

8位にはKing&Princeの高橋海人ことKAITO「swim?」が初登場でランクイン。ダウンロード数1位、動画再生回数11位。ちなみに、音声合成ソフトKAITOと全く同じ名前、綴りであることが一部で戸惑いの声があがっています。

最後10位にVaundy「しあわせ」が先週の49位からランクアップし、ベスト10に初登場しています。本作はもともと2021年に配信限定シングルとしてリリースされたシングル。映画「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」主題歌。映画が大ヒットを記録しており、その影響で主題歌も大ヒットとなりそうです。

また、ベスト10返り咲き組も。アソビシステム所属の女性アイドルグループFRUiTS ZiPPER「ぱわーオブらぶ」が先週の68位から5位にアップ。7月22日付チャート以来のベスト10返り咲き。ライブでの物販の影響でしょうか。

一方、その他のロングヒット曲としてM!LK「好きすぎて滅!」は先週と変わらず9位をキープ。これで43週連続のベスト10ヒットとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年10月13日 (火)

「ラブ&ピース」を唱えた偉大なシンガー

今回は、最近見た音楽関連の映画の感想です。

「愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた」。忌野清志郎デビュー55周年記念企画だそうで、彼の生涯を追ったドキュメンタリー映画となります。監督は相原裕美。以前、このサイトでも取り上げた、加藤和彦を取り上げたドキュメンタリー映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」を手掛けた監督でもあります。

内容的には、タイトル通り、忌野清志郎の生涯を追ったドキュメンタリー。この手の音楽ドキュメンタリーにはよくありがちな構成で、基本的にミュージシャンに関係ある人物のインタビューによる証言と当時の映像を軸に進んでいく構成。インタビュアーとして、前半は主に高校時代の同級生であった三浦友和や、泉谷しげる、RC以降の後半は、RCサクセションのサポートメンバーだった梅津和時や忌野清志郎の付き人で、後にギタリストとして彼の楽曲にも多く参加した三宅伸治の証言を中心に展開していく構成となっています。

このドキュメンタリーについては比較的シンプルな構成。個人的に清志郎について隅々まで追いかけるような熱心なファン、という訳ではないので詳しくはわからないのですが、今回の映画で「よく見つけてきたな」というレア映像は少なかったようですが、それでもRCの初期の頃の映像から全盛期、さらにはソロになった後の映像など、ライブ映像もふんだんに使われており、かなり満足が出来る構成だったのではないでしょうか。

一方で賛否わかれそうなのが後半。後半では昨年8月に、梅津和時を迎えて行われたライブイベントSWEET LOVE SHOWERでの忌野清志郎トリビュートライブの模様が、準備風景を含めて収録されているほか、その後は清志郎の娘で、現在は消しゴム版画の作家として活躍している百世のインタビューと、彼女の消しゴム版画の絵を用いたMVが流れます。

ここらへんの映像については、清志郎の意思が次の世代に受け継がれているという点で重要な映像だとは思うのですが、トータル1時間近い長さの映像になっており、ちょっと長すぎるのではないか、こちらを短くしても、その分、清志郎の映像を長くしてほしいという意見も多いようです。確かに、監督の意図はよくわかりますし、特に百世のインタビューについては(本人も言っていたのですが、清志郎そっくり・・・)重要なインタビューだとは思うのですが、全体的に、もうちょっと短くてもよかったのではないか、という点は私も同感です・・・。

もうひとつ映画で気になったのは、清志郎を巡る重要な事件である、「COVERS」の販売中止問題や「君が代」問題について、あまり取り上げていなかった点。「COVERS」については、それなりに取り上げられていましたが、原発問題についてはさほど深掘りされず。「君が代」事件については、ドキュメンタリー上、全く取り上げられていませんでした。

確かに、ここらへんの取り扱いについては忌野清志郎について語る時に、実は難しい問題であるように感じます。清志郎については、よくその反骨の精神が取り上げられますが、どちらかというと本人は意図して「反骨」の精神を貫いているというよりも、「自分のやりたいように自由に歌う」というスタンスが中心になっているように感じます。実際、映画の中でも、この自分のやりたいように歌う「自由」を貫くという点が、ひとつのポイントになっていましたし、泉谷しげるの証言として「彼は自己満足でやっていた」という証言もまた、的を射ているように感じます。

それだけにともすれば議論を巻き起こしそうな「反原発」や「君が代」問題については、意図して避けているようにも感じました。確かに、これを取り上げる中で中途半端な取り上げ方は、どう取り上げたとしても反発を生みそうな感じもします。ただ一方では、ここから逃げるというのはちょっとズルいようにも感じてしまいました。

ただ、そんな中で、ひとつ清志郎のメッセージとして取り上げていたのは反戦というメッセージ。テレビのインタビューの中で、清志郎自身、自分のコアな部分として「反戦」をあげていましたし、ある意味、前述の通り「自己満足」で活動を行っていた彼の中での一番のメッセージや、やはりラブ&ピース、「反戦」というのは大きかったのではないでしょうか。そんなメッセージはしっかりと伝わるような内容になっていました。

ちなみに、この映画の中で一番「粋」に感じられたのはラストのクレジットロール。最後、「雨上がりの夜空」のRC時代のライブ映像で締めくくられるのですが、クレジットロールのクレジットが、ライブ映像の邪魔にならないように、画面の右端に流れていきます。ここらへん、最後にライブ映像をしっかりと見せてくれるという、監督の「粋」を感じました。

そんな感じで、後半の「次世代に与える影響」の長さや、清志郎の起こした「事件」からの「逃げ」など、ドキュメンタリーとしてちょっと物足りなさや中途半端さも感じてしまいましたが、一方では忌野清志郎の魅力はしっかりと伝えられていたと思いますし、また、数多くの彼の歌や映像から、ますます清志郎が好きになるような、そんなドキュメンタリーだったと思います。あらためて、今の時代の清志郎の不在を残念にも感じてしまうドキュメンタリー。あらためて、彼の偉大さを感じることが出来ました。

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2026年10月12日 (月)

多幸感あふれるポップス

Title:Hazel Eyes
Musician:Sam Smith

イギリスを代表するシンガーソングライターSam Smithの約3年ぶりとなるニューアルバム。2019年にノンバイナリーであることを公言した彼。前作「Gloria」は全米ビルボードチャートで1位を獲得したのですが、ノンバイナリーとトランスジェンダーを公言したミュージシャンが同チャートで1位を獲得するのは初となる快挙だったそうです。

さて、そんなSam Smith、性的マイノリティーだった影響でしょうか、いままでの楽曲の特徴として失恋や孤独をテーマとした曲が目立っていました。しかしそんな彼ですが、前述の通り、ノンバイナリーであることを公言。さらに今年、恋人でありファッションデザイナーであるクリスチャン・コーワンとの婚約を発表。まさに幸せの絶頂にいる彼ですが、今回のアルバムもそんな彼の心境を反映したような、全体的にいままでの彼の作品に比べて明るい雰囲気の作品となっています。

まず序盤のタイトルチューンの「Hazel Eyes」。ゴスペル風の分厚いコーラスも入ってゆっくり歌い上げるナンバーですが、分厚いサウンドやコーラスの影響で、全体的に多幸感あふれる作品になっています。ちなみにこの「Hazel Eyes=緑褐色の瞳」とは恋人のクリスチャン・コーワンを指すそうです。あらあら。

そしてラストを飾る「To Be Free」。こちらもシンプルなギターと分厚いゴスペルのコーラスをバックにゆっくり歌い上げる楽曲。まさにタイトル通り、自由になることを意味する楽曲で、彼が彼らしく生きることを意味していますし、また、その結果、非常に幸福感あふれる作品に仕上がっています。まさにこのアルバムの最後を締めくくるにふさわしい作品と言えるでしょう。

そしてもうひとつ本作の特徴として、全体的に比較的シンプルなアレンジで、あくまでも「歌」を聴かせる作品であるということでしょう。前作「Gloria」は様々なサウンドを取り入れたバリエーションがあふれる作品になっていましたが、本作はシンプルなアレンジで聴かせる構成に仕上がっています。

例えばアルバムの冒頭を飾る「Everlasting Love」も、アコースティックな楽器主体のアレンジとなっていますし、哀愁たっぷりに聴かせる「My Guy」も、ピアノと静かなドラムがメインの比較的シンプルなアレンジ。「Love Is A Stillness」もピアノの弾き語りでシンプルに聴かせるナンバー。Sam Smithがしんみりと歌い上げる泣きメロの歌が耳を惹きます。

レトロソウル風の「Sugar Rush」のような曲がありつつも、全体的にはソウルやフォークの要素を取り入れた、Sam Smithらしいシンプルなポップスがメインの構成。あくまでも彼の歌を聴かせるアルバムとなっており、前作に比べるとバリエーションには欠ける部分がありますが、それを上回る、純粋に歌のすばらしさが目立つアルバムになっていました。

ちなみに本作、いままでイギリスのチャートでは1位もしくは2位を必ず確保していた彼ですが、最高位21位と全く奮いませんでした。ただ、アルバムの出来としてはいままでの作品に比べて決して劣るものではなく、シンプルな作品ゆえに、Sam Smithの良さが出ていた、彼の作品としてはかなり上位の部類に入る傑作だったと思います。派手さがなかったのがいまひとつ売れなかった原因でしょうか。ひょっとしたらノンバイナリーとしての彼を前面に出しすぎたのも、好き嫌いがわかれる要因だったのかもしれません。ただ、そんなこと関係なく、ポップスアルバムとしては理想的な、幸福感あふれる傑作になっていました。ポップス好きなら文句なしにお勧めの作品です。

評価:★★★★★

Sam Smith 過去の作品
IN THE LONELY HOUR
Thrill It All
Love Goes
Love Goes: Live at Abbey Road Studios
Gloria


ほかに聴いたアルバム

fata morgana/L'Rain

ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリストで作曲家、ミュージシャンとしても活躍するTaja Cheekのソロプロジェクト、L'Rainによる新作。彼女のアルバムを聴くのは「Fatigue」以来2作目なのですが、同作同様、39分という短さに13曲という曲数が入り、さらに楽曲もソウル、R&Bを軸としつつ、アンビエントやゴスペル、ポストロック的な要素が次々と展開される作品。ハイトーンに聴かせるボーカルは意外とポップで、全体的にはドリーミーな味付けがほどこされており、独特な世界に没入できるような作品に。実験的な作風ながらも、その展開に最後まで飽きさせない、そんな作品でした。

評価:★★★★★

L'Rain 過去の作品
Fatigue

Destroys Anaheim '76(Live At Anaheim Stadium,Anaheim,California-August 20,1976)/KISS

1976年8月20日にカリフォルニア州アナハイム・スタジアムで行われた、アメリカのハードロックバンドKISSのライブを完全収録したライブアルバム。1976年の頃のKISSと言えば、まさにスタジアムバンドとして大きく飛躍していくという、まさにもっとも勢いがあったころ。この前年のライブの模様を収録した「地獄の狂獣 キッス・ライヴ」は、ライブアルバムの名盤として知られる作品で、本作もそんなまさに脂ののりまくっているころのKISSのステージを収録した作品。力強いバンドサウンドが臨場感たっぷりに収録されており、KISSのライブバンドとしての魅力をしっかりと感じられる作品になっています。まさに偉大なロックバンドの貴重な記録と言えるライブ盤です。

評価:★★★★★

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2026年10月11日 (日)

初期弾き語り作品を集めたベスト盤

Title:GOLDEN☆BEST よしだたくろう ひきがたり
Musician:吉田拓郎

日本のシンガーソングライターの草分け的存在であり、フォークソングの代表的ミュージシャンであり、また一部では「J-POPの開祖」とも呼ばれているミュージシャン、吉田拓郎。間違いなく日本ポップス史を代表するミュージシャンのひとりですが、本作はそんな彼の主に弾き語りで歌われた曲を集めたベストアルバムとなります。ここでも何度か紹介しているレコード会社を横断してリリースされた廉価版ベスト企画「GOLDEN☆BEST」シリーズの一環。もともと2002年にリリースされたものが、今年に入り、Blu-spec CD2で再発されたアルバムとなります。

本作は、彼の初期から中期の作品を、タイトル通り「弾き語り」に焦点をあつめたコンピレーションアルバム。そのため、楽曲は基本的にアコギ1本でのシンプルな弾き語りがメインとなっています。さらに、本作はソニーミュージックからのリリースなのですが、ソニーの音源だけではなく、エレックやフォーライフ時代の音源も収録。また、終盤の曲はライブ音源となっており、単なる寄せ集め的な編集版とはまた異なる、企画アルバムに仕上がっています。

さて、最近、このソニーからのGOLDEN☆BESTシリーズが再発された影響で、70年代あたりに活躍したミュージシャンのベストアルバムをよく聴いているのですが、その中でも吉田拓郎に関しては、文字通りのレベルの違いを感じてしまいました。特にこれらの初期の弾き語り作品に関しては、当時の若者たちの日常風景の描写、日々の日常の中での苛立ちが表現されているのですが、50年以上を経た今でも通じるような普遍的な心理描写が魅力的で、若者でもない私にとっても非常に胸に響くものがあります。

冒頭を飾る「高円寺」も、当時の若者の日常や女の子との関係をめぐる心理描写が上手く表現されていますし、「長い雨の後に」も同じく、夫婦の間の心理を上手く描写した曲になっています。また、当時コンビを組んでいた作詞家の岡本おさみの曲も印象的で、こちらは「蒼い夏」や「リンゴ」のように、より風景描写を上手く使いつつ、恋人や夫婦の間の日常を印象的に描いた作品が印象に残ります。

また、吉田拓郎の歌詞にはメッセージ性の強い作品も目立ちます。彼の書く歌詞は、当時のフォークミュージシャンの歌詞としては政治性がなく、内省的な歌詞が多いために叩かれたりしたそうですが、今から聴くと、確かに政治的な歌詞はないものの、社会性のあるメッセージ性高い曲が耳に残ります。当時の若者の生きざまが描写された「青春の詩」は、若さゆえの生き方の自由さが強いメッセージとなっていますし、彼の代表曲として有名な「今日までそして明日から」も、こちらも若者の自由さを伝えるメッセージ性を感じます。ボブディランの社会派なフォークソング「BLOWIN' IN THE WIND」のカバーも収録していますし、吉田拓郎というミュージシャンが強いメッセージ性を持ったミュージシャンだった、ということがこのアルバムでよくわかります。

メロディーラインももちろん大きな魅力。弾き語りというシンプルなスタイルだからこそ、決して派手さはないものの、メッセージのしっかり伝わってくるシンプルで、でもメロディアスで心に残るメロディーラインが魅力的。間違いなく、このメロディーの良さも吉田拓郎の大きな魅力に感じます。

いまではいわば「レジェンド」と言われても不思議ではない彼ですが、そんな理由もはっきりと理解できるベストアルバムだったと思います。弾き語りを中心に集めるという企画もおもしろいですし、より吉田拓郎の「コア」な部分を伝えていたベストアルバム。今の若い世代でも心に響く人は多いのではないでしょうか。時代を超えた名曲が集まった作品でした。

評価:★★★★★

吉田拓郎 過去の作品
ah-面白かった


ほかに聴いたアルバム

GOLDEN☆BEST 桑名正博-MASAYAN 40Years-/桑名正博

主に70年代から80年代にロックミュージシャンとして活躍し、そのほか、タレントや俳優としても活躍していた桑名正博の、1976年から86年までの楽曲をまとめたベストアルバム。彼の代表曲として知られる大ヒットナンバー「セクシャルバイオレットNo.1」も収録。この曲のヒットで、いわゆる「ロック歌謡」というジャンルが注目を集め、実際、彼の曲もロックと歌謡曲を融合させたような曲が目立つ一方、本格的なロックンロールやブルースの要素を入れた楽曲、ファンキーなリズムを聴かせる曲などもあり、洋楽テイストの強いナンバーも。そんな本格的な曲が売れず、歌謡曲っぽい曲が売れるというのは、良くも悪くも日本らしいといった感じもするのですが・・・。

評価:★★★★

OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE at STADIUM 2025/Official髭男dism

2025年6月1日に横浜・日産スタジアムで行われたスタジアムライブの模様を収録したライブ盤。勢いのある彼らのベスト盤的な内容になっており、大ヒットした「Pretender」はもちろん「ミックスナッツ」「Same Blue」「TATTOO」「Subtitle」「I LOVE...」など大ヒット曲が連発しており、ファンでなくても楽しめるような内容に。ヒゲダンがどんなバンドか総括的に理解できるライブ盤になっています。正直、最近、一時期に比べると目立ったヒットが出なくなってきていますが、そろそろ奮起して新たなヒット曲をリリースしてほしいところなのですが。

評価:★★★★★

Official髭男dism 過去の作品
エスカパレード
Traveler
TSUTAYA RENTAL SELECTION 2015-2018
Official髭男dism one-man tour 2019@日本武道館
Traveler-Instrumentals-
HELLO EP
Editorial
ミックスナッツEP
one-man tour 2021-2022-Editorial-@さいたまスーパーアリーナ
Rejoice
Official髭男dism Arena Tour 2024 -Rejoice-

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2026年10月10日 (土)

久々の「色」アルバム

Title:Weezer(The Gold Album)
Musician:Weezer

日本人の琴線にも触れるその泣きメロで、日本でも高い人気を誇るロックバンド、Weezer。直近作は「SZNZ」と名付けられた4作のEPシリーズだったので、純粋なオリジナルアルバムとしては2021年の「Van Weezer」以来、約5年ぶり。ご存知、「色」シリーズとしては2019年の通称Black Album以来、6作目のアルバムとなります。

まず今回のアルバム、久々にセルフタイトルの「色」シリーズに戻ったということもあるのですが、本作は原点回帰の色合いの強い作品に仕上がっています。まずは1曲目の「Say Yes」。日本人だと違う楽曲を想像しちゃうのですが(というか、作詞作曲を担当したリヴァース・クオモは奥さんが日本人で日本好きなので、意識している可能性も高いのですが)、まさにWeezerの王道を行くような泣きメロのギターロック。Weezer好きならワクワクするようなスタートではないでしょうか。

続く「Shine Again」も、これでもかというほど分厚いギターサウンドを聴かせてくれるWeezerらしいパワーポップ。ちなみに本作、作詞作曲をパトリック・ウィルソンが手掛けています。彼はデビュー作の中でも数曲、作詞作曲を手掛けたことがあるのですが、今回は久々の楽曲提供となるそうで、こちらもこれでもかというほどの分厚いサウンドにポップなメロの組み合わせというのが実にWeezerらしい作品となっています。

ちなみに本作はデビューアルバムの「The World Has Turned And Left Me Here」を彷彿とさせるナンバー。こちらもパトリックが作曲に参加しており、そういう意味では彼らしい作品と言えるでしょうし、こういう曲を再び収録してくるあたりも「原点回帰」を意識した、と言えるかもしれません。

また「We Might as Well Be Strangers」はアメリカのインディーロックバンドWednesdayのKarly Hartzmanが参加。女性ボーカルの参加で、楽曲に幅を持たせており、中盤のハイライトに。楽曲的にはWednesdayらしいというよりは、完全にWeezerらしい力強いパワーポップの作品となっています。

中盤の「C.E.O.」も魅力的。ちょっとメランコリックな語りとしんみり聴かせるメロディーラインという組み合わせは、こちらもデビューアルバムの「Undone(The Sweater Song)」を彷彿とさせる楽曲。こちらも先ほどの「Shine Again」と「The World Has~」との関係と同様、原点回帰という側面を意識したのかもしれません。

後半も、軽快でポップなパーティーチューン「The Show Must Go On」や、アコースティックなサウンドからスタートし、後半になるにつれスケール感あるサウンドへと変化していく「Up In the Clouds」など、最後まで分厚いバンドサウンドとポップなメロのWeezerらしいパワーポップを楽しませてくれます。ある意味、非常に彼ららしい作品となっていました。

そんな原点回帰の意図も込めた本作。ポップなメロといい、分厚いサウンドといい、間違いなくWeezerが好きならば気に入りそうな傑作だったと思います。ただ一方、過去の作品と比べるとどうか、と言われると、いまなお現役感あふれて若々しさすら感じられるロックバンドとしての彼らの演奏は魅力的であったのですが、初期のような勢いはちょっと欠け、メロディーラインのインパクトに関しても、初期の作品と比べると物足りなさは感じてしまいます。そういう意味では、初期の勢いを取り戻したかのような、彼らの最高傑作・・・という訳にはいかなかったかな、というのは正直な感想。とはいえ、さきほども書いた通り、Weezerが好きなら気に入りそうなアルバムなのは間違いありません。若干一本調子で「大いなるマンネリ」感は否めませんが、そういう意味を含めて、安心して楽しめる作品でした。

評価:★★★★★

WEEZER 過去の作品
WEEZER(Red Album)
RADITUDE
HURLEY
DEATH TO FALSE METAL
Everything Will Be Alright in the End
WEEZER(White Album)
Pacific Daydream
Weezer(Teal Album)
Weezer(Black Album)
OK HUMAN
Van Weezer
SZNZ:SPRING
SZNZ:SUMMER
SZNZ:Autumn
SZNZ:Winter
Weezer 30


ほかに聴いたアルバム

Somewhere Over The Rainbow/Nino Paid

Somewhereovertharainbow_ninopaid

アメリカ・メリーランド州出身のラッパーによる3枚目となるアルバム。内省的で自伝的なリリックが特徴的なラッパーらしく、それに沿ったようなメロディアスなフロウと、トラックの方もトラップベースのリズムながらも、暖かみのあるトラックが魅力的。曲により、女性ボーカルが入ったり、ダウナーなトラックになったりバリエーションもあり、全19曲40分強という比較的短めな構成なだけに、いい意味でポップスさも感じられる、そのサウンドが心にしみてくるようなそんなアルバムでした。

評価:★★★★★

petal/Ariana Grande

約2年ぶりとなるニューアルバム。アリアナ・グランデと言えば、その力強いボーカルとポップなメロが魅力でしたが、本作は、その力強いボーカルはちょっと抑えめ。UKガラージ的なリズムを取り入れた、クラブ志向のエレクトロサウンドを多く用いて、全体的には「歌」というよりもサウンドを含めて自身を表現した作品になっていました。もちろん、メロウなボーカルやメランコリックなメロディーラインなど、アリアナらしい魅力は健在だったのですが、ミュージシャンとして「歌」だけに頼らないあらたな一歩を模索した感のある作品に。この挑戦が次回作以降、どのようにつながるのか、注目です。

評価:★★★★

Ariana Grande 過去の作品
My Everything
The Best
Sweetener
thank u,next
Positions
eternal sunshine
eternal sunshine deluxe:brighter days ahead

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2026年10月 9日 (金)

前作よりアメリカーナ/フォーク寄りに

Title:Big World
Musician:Hovvdy

アメリカはオースティン出身のシンガーソングライターデゥオによるニューアルバム。セルフタイトルだった前作「Hovvdy」が個人的にはかなり壺にはまり、2024年の年間私的ベストアルバムの2位に並ぶなど、かなりお気に入りの1枚となりました。本作は、それに続く、約2年ぶりのニューアルバムとなります。

さて、そんな彼らのニューアルバムですが一番特徴的だったのは前作に比べてフォークやアメリカーナ寄りの作風にシフトしたという点でしょう。もちろん、前作においてもフォークやアメリカーナな曲も見受けられました。特にメンバーのWill Taylorの書く曲はアメリカーナの色合いが強く、郷愁感を帯びた暖かみのあるメロディーラインが、彼らの魅力のひとつともなっていました。

今回のアルバムに関しても、特にTaylorの書く曲に関しては、アメリカーナ的な色合いを強く感じさせます。まず序盤、2曲目の「Way Down」はまさに、カントリーの色合いの強い作風。おなじく前半に配された「What I Had」も郷愁感を帯びたカントリーな作品になっていますし、終盤の「Give It Away」についても、日本人にとってもどこか懐かしさを感じさせる、カントリー的な要素の強い作品に仕上げています。

一方、今回の本作に関してはCharlie Martinの書く楽曲も、シンプルなアコースティックのアレンジが施されたフォーキーな作風の曲が目立ちます。アルバム冒頭を飾る「Life So Wide」も、アコギで聴かせるフォーキーな作風となっていますし、中盤の「Starry」も、ピアノをバックに哀愁感たっぷりに聴かせるフォーキーな作品に仕上げています。

とはいえ本作でも美メロは健在で、特に前回のアルバムでも書いたように、どこかTeenage Fanclubを彷彿とさせるようなMartinの曲は個人的に、心の琴線に触れてきます。前半の「JJ」は、まさにそんな美しいメロディーラインが耳を惹く作品になっていますし、今回のアルバムでは珍しい、バンドサウンドを入れてきた「Blast」も、メランコリックなメロが耳を惹きます。また、2人の共作である「Try Try Try」も、このアルバムの中では分厚いサウンドが特徴的なロック寄りの作品で、軽快でポップなメロが魅力的でした。

正直言ってしまって、今回のアルバムは前作に比べるとかなり地味な印象は否めません。前作でもインパクトになっていたような電子音はほとんどなく、基本的にシンプルなアコースティックのサウンドがメイン。メロディーラインを含めて、フックが弱くなってしまった感は否めません。ただ、それでも美しいメロディーラインは本作でも健在ですし、聴き進めていく中で、地味だと思っていたメロディーも徐々に魅力的に響いてきます。そういう意味で今回のアルバムも文句なしに傑作と言えるでしょう。今回も、この魅力的なメロディーラインにはまってしまいそうです。

評価:★★★★★

Hovvdy 過去の作品
Hovvdy


ほかに聴いたアルバム

One Assassination Under God – Chapter 2/Marilyn Manson

2024年にリリースされた「One Assassination Under God -Chapter 1」の続編的となるアルバム。ただ、比較的攻撃性の強かった前作と比べると、ミディアムチューンで聴かせるタイプの曲が多く、全体的に抑制的な印象も。基本的にはいままでのマリリン・マンソンの音楽の延長線上といった感じで目新しさもありませんし、攻撃性も低いためインパクト面も弱いのは残念な感じ。悪いアルバムではないのですが、いまひとつ印象に残らない作品でした。

評価:★★★

Marilyn Manson 過去の作品
THE HIGH END OF LOW
Heaven Upside Down
WE ARE CHAOS
One Assassination Under God -Chapter 1

XXXXX/Arca

実験的な作風が特徴的で、Bjorkやマドンナなど数多くのミュージシャンとのコラボでも知られる、ベネズエラ出身のミュージシャンにより約5年ぶりのフルアルバム。インダストリアル的な要素も詰め込んだ、実験的なエレクトロサウンドが大きな特徴となっていますが、前作「KICK」シリーズでは、その中でも比較的「ポップ」さを前面に押し出した作品になっていました。それに対して本作は、グッと実験性を前に出してきた作品に。メタリックなエレクトロサウンドがアバンギャルドに来る広げられる作品。かなり刺激的に感じられる一方で、ただ、とはいってもさすがに最初に聴いたころの作品と比べると、慣れてきたのか、そこまでのアバンギャルドさは感じられる、どこかメランコリックさも感じるエレクトロトラックには、メロディーセンスすら感じさせる部分も。とはいえ、今回も傑作なのは間違いない作品。その音世界に圧巻される作品です。

評価:★★★★★

Arca 過去の作品
Xen
Sheep(Hood By Air FW15)
Mutant
Arca
KiCk
Madre
KICK ⅱ
KicK ⅲ
kick iiii
kiCK iiiii

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2026年10月 8日 (木)

1位は「忘れらんねえよ」

今週のHeatseekers Songs

話題のアニメのオープニング曲が1位獲得です。

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週1位は、忘れらんねえよ「なんもねえ」が獲得。テレビアニメ「ヤニねこ」の主題歌として、アニメ自体はもちろん、アニメの内容に沿った「底辺」を描かれたMVや、曲自体も大きな話題に。以前からHeatseekers Songsの上位をウロウロしていましたが、ここに来て先週の9位から大きくランクアップし、初の1位獲得となりました。Hot100では63位に初登場。個人的に忘れらんねえよは以前から応援していたバンドなので、こうやって注目集めるのはうれしいところです。

ちなみに先週1位だったちいかわ映画の主題歌「机さする」は今週10位まで大きくダウン。映画自体はまだヒットを続けているようですが、楽曲の方の勢いはちょっと下落傾向のようです。


今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

アルバムも大注目の1枚が1位獲得です。

今週1位はMrs.GREEN APPLEの約3年2ヶ月ぶりのニューアルバム「POPS」が獲得。CD販売数、ダウンロード数及びストリーミング数でいずれも1位を獲得。その強さを見せつけました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上64万5千枚で1位初登場。直近のベストアルバム「10」の初動76万枚よりはダウン。ただ、オリジナルアルバムとしては前作「ANTENNA」の初動6万枚(2位)を大きく上回る結果となりました。

なお、先週までベスト10にランクインしていた「ANTENNA」は12位に、「Attitude」は18位にダウン。いずれもベスト10ヒットは通算77週、通算36週で再びストップとなりました。

2位はM!LK「LOVE ENG!NE」が先週から同順位をキープ。3位は先週4位のSnow Man「AMENITY」がワンランクアップ。2週ぶりのベスト3返り咲きとなっています。

4位以下の初登場盤は、4位に韓国の男性アイドルグループBOYNEXTDOOR「HOME」が初登場。CD販売数5位、ダウンロード数13位、ストリーミング数6位。フルアルバムとしては本作が初となります。7位には小田和正「きっと!」が初登場でランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数4位。新曲「きっと!」と2025年に行われた横浜アリーナのライブの模様を収録したアルバム。8位初登場は旧ジャニーズ系男性アイドルグループA.B.C-Z「The Way of L.O.V-E」。CD販売数3位、ダウンロード数10位。

また、ベスト10返り咲き組として9位にTaylor Swift「The Life of a Showgirl」がランクインし、昨年10月29日付チャート以来のベスト10返り咲き。これは同作のデラックス・エディション「The Life of a Showgirl:The Encore」がリリースされた影響となります。

ロングヒット盤としては、「『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』オリジナル・サウンドトラック」が3位から2ランクダウンの5位にランクイン。残念ながらベスト3陥落となりましたが、これで10週連続のベスト10ヒットに。ILLIT「MAMIHLAPINATAPAI」は5位から6位にダウン。こちらは22週連続のベスト10ヒットとなります。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

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ボカロチャート1位はOrangestar「楽園」が初登場でランクイン。Orangestarは2013年にデビューしたベテランのボカロP。ただ、当サイトで1位獲得はこれが初となります。2位はピノキオピー「えねみぃ」がこちらも初登場。3位には先週まで1位だったアボガド6「デビットピット」が2ランクダウンとなりました。

今週のHot Albums&Heatseekers Songs&ボカロチャートは以上!チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年10月 7日 (水)

新譜ラッシュ

今週のHot100

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今週はベスト10に新譜がズラリと並びました。

まず1位は秋元康系。日向坂46「イチャイチャ虫」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数11位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上44万1千枚で1位初登場。前作「Kind of love」の初動44万9千枚(1位)から若干のダウン。

2位はEBiDAN「Yes! 東京」が先週の3位からアップ。CD販売数7位、ストリーミング数及び動画再生回数1位。今週で通算9週目のベスト10ヒット、8週連続のベスト3ヒットとなりました。

3位にはスターダストプロモーション所属の女性アイドルグループ超ときめき♡宣伝部「大盛りハッピー」が初登場。CD販売数3位、ラジオオンエア数14位。オリコンでは初動売上12万3千枚で3位初登場。前作「どりーむじゃんぼ!」の初動8万枚(2位)よりアップ。

4位以下も初登場が並びます。4位にはモーニング娘。'26「Lonely...But not Alone」が初登場。CD販売数4位、ラジオオンエア数8位。オリコンでは初動売上8万7千枚で4位初登場。前作「てか HAPPYのHAPPY!」の初動7万6千枚(1位)からアップ。

5位にはアソビシステム所属の女性アイドルグループCANDY TUNE「総意♡So Free」が初登場でランクイン。CD販売数2位。オリコンでは初動売上19万6千枚で2位初登場。前作「HAPPY BOUNCE BIRTHDAY」の初動15万2千枚(2位)からアップ。

6位初登場は吉本興業所属の男性アイドルグループOWV「Lovey-Dovey」がランクイン。CD販売数5位、ラジオオンエア数7位。オリコンでは初動売上5万5千枚で5位初登場。前作「ROCKET MODE」の初動5万枚(2位)からアップ。

最後、8位にはMrs.GREEN APPLE「共犯」がランクイン。今週、アルバムチャートでは彼らのニューアルバム「POPS」のランクインが予想されますが、本作はMVも作成された同作のリード的な楽曲。ストリーミング数4位、ラジオオンエア数2位。ちなみに彼らの曲は「Brand New」が先週の6位から7位にダウン。こちらは12週連続のベスト10ヒットに。この「POPS」リリースの影響で、ミセスは15位に「ア・ボステリオリ」、17位に「シンデレラ」、19位に「Variety」がランクインし、さらに「lulu.」が18位から11位にアップ。ベスト20に6曲が同時ランクインという結果となっています。

ほかのロングヒット曲はM!LK「好きすぎて滅!」が新譜ラッシュの影響で4位から9位にダウンしているもののベスト10をキープ。これで42週連続のベスト10入り。一方、「爆裂愛してる」は13位にダウン。ベスト10ヒットは通算30週で再びストップとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年10月 6日 (火)

はじめての谷山浩子

谷山浩子ソロライブツアー2026

会場 電気文化会館 ザ・コンサートホール 日時 2026年10月2日(金) 18:30~

Taniyama2026

今回は谷山浩子のライブに足を運んできました。会場は電気文化会館のコンサートホール。「でんきの科学館」の下にあるホールです。基本的にはクラシック用のホールということで、コンサートホールがあるということは知っていましたが、今回、はじめて足を運びました。キャパは395名だそうで、クワトロよりもちょっと小さいといった感じでしょうか。この日は満員でソールドアウト。ファンは彼女の同世代くらいがメイン。男性対女性は2:1くらいでしょうか。予想していたよりも女性のファンも多かったような印象を受けます。

定時の18時半に谷山浩子が登場してライブがスタート。この日はステージの真ん中にグランドピアノがひとつあるだけで、彼女1人だけのピアノの弾き語りのライブでした。1曲目は「愛をもういちど」。「未来少年コナン」の映画版の主題歌で、もともと研ナオコに提供した曲のセルフカバーだそうです。ピアノの譜面台にはiPodが設置されており、このiPodの中に彼女のすべての曲の歌詞がおさめられているようで、それを見ながらのステージとなっていました。

そして最初のMC。この弾き語りコンサート、もう25年も演っているそうで、毎回テーマを決めているそうですが、もうネタがつきてきたそうで、今回は愛知県ということで「あ」が最初につく曲でセットリストを決めたとか。確かに、ネタ切れの感が・・・(笑)。また、1曲目の「愛をもういちど」について、かつてこの曲が大好きだった女子高生がいたそうで、いつもこの曲を演ると、彼女が立ち上がって踊るそうで、あまり立って踊る人のいない彼女のライブの中で目立っていて、印象に残っていたそうです。

その後は「あ」のつく曲ということで、「アリス」「アーク~きみの夢をみた」「会いたくて」と「あ」のつく曲が続きます。そして、再びMCへ。毎回リクエストのコーナーがあるそうで、チケットの半券の裏にリクエスト曲を書いてもらって、くじ引きで決めているとか。「本当に書いている曲を演ってるの?」と疑問に思う人もいるそうで、この日はリクエストを書いた人の座席がわかるので、直接確認をしていました。完全にアドリブのようで、歌詞を見ながらとはいえ、いきなりライブで披露できるというのはすごい!

リクエスト1曲目は「双子の鳥」。ただ、この曲を歌っていると、彼女が感極まって、途中演奏がストップ。なんでも、この曲は双子の友達のひとりが亡くなった時の歌で、ちょうど彼女の夫が亡くなった時期と重なったようで、その時のことを思い出してしまうそう。再度、やり直し、やはり感極まりつつだったのですが、なんとか歌い切りました。その後は「穀物の雨が降る」「催眠レインコート」「さよならDINO」とリクエストナンバーが続きます。

ここまで約1時間程度のパフォーマンス。ここで一度休憩に入ります。15分の休憩を経て再びスタート。この日は「あ」のつく曲をテーマのセットリストなのですが、彼女がそれでよいか、「ちゃ太郎」と名付けているChatGPTに聴いたのですが「代表曲もやった方がいいよ」という回答があったそうで、彼女の代表曲「まっくら森の歌」、そして「カントリーガール」と続きます。谷山浩子初心者の私にとっては、「あ」のつく曲はほとんどはじめて聴いた曲が多く、また、この2曲は是非とも聴いてみたかったので、これはうれしい選曲。じっくりと歌の世界に入り込みます。

その後のMCでは雑談のコーナーということで、最近、幕末の歴史小説に挑戦しているという話。また、三国志にはまっていたそうで、昔、中国で制作された「三国志演義」というドラマのネタも。メインキャラを演じていた役者が、そのキャラが死んだあと、違うキャラの役で再登場したり、逆に同じ人物を3人の役者が入れ替わりで演じていたりと、かなりゆるい感じ部分もあったドラマのようで、その魅力についても語ってくれました。

そして後半戦は再び「あ」のつく曲ということで「青色帽子ツアー」「あたしの恋人」。さらに9月にリリースされた「年代別コレクションアルバム」の「HIROKO TANIYAMA 2010s」の紹介と、そのアルバムに収録されている「朝ごはんの歌」へと続きます。

さらに、「自分は同じような曲を並べるのは嫌で、曲に『傾斜』をつけたい」という話から、ちょっとドリーミーな感じの「秋ぎつね」と、そこから哀愁感たっぷりの「あやつり人形」とタイプの違う曲を並べて聴かせます。そしてラストは「あかり」で本編を締めくくりとなります。

もちろん、その後はアンコールへ。やがて再びステージに登場し、最後は「アトカタモナイノ国」で締めくくり。最後まで「あ」の曲を貫き、しっかりとその歌声を聴かせてくれてステージは幕を下ろします。約2時間10分程度のパフォーマンスでした。

そんな訳で、今回はじめて足を運んだ谷山浩子のコンサート。谷山浩子初心者の私にとっては、はじめて聴いた曲もかなり多かったのですが、それでも十二分に楽しむことが出来ました。彼女についてはもちろん高校生の頃から名前は知っていたのですが、ちゃんと曲を聴いたのはここ最近。実は自分が好きなタイプのミュージシャンだったんだ、と遅ればせながら気が付きました。もっとも、おとなしいタイプの曲が多いので、高校時代に聴いていても、その時は気に入っていたかどうか、微妙なのですが。

失礼ながら大ベテランの彼女。ステージ上に立って話をするときに、ピアノに手をかけながら話をしていたりするのがちょっと心配だったのですが、ただ声に関しては年齢を感じさせない若々しさがあり、その歌声にも魅了されるステージでした。特にリクエストコーナーなど、アドリブでの選曲でありながらも、ちゃんと問題なく歌いきれるのがすごい!さらに「あ」がつく曲という、訳のわからない(笑)コンセプトでありながらも、コンサート1回分、出来てしまうだけの持ち歌があるという点も、さすがといった感じです。

予想していたよりも楽しいステージで、また是非とも足を運びたくなりました。こういう弾き語り形式もよかったですし、今後はバンド形式でのライブがあれば見に行きたいかも。谷山浩子に、いまさらながら魅了されたステージでした。

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2026年10月 5日 (月)

3人の男性との別れと出会い

Title:Lost Weekend
Musician:Phoebe Bridgers

アメリカ・ロサンジェルス出身の女性シンガーソングライターによる、実に約6年ぶりとなるニューアルバム。ただ、彼女自身、boygeniusのメンバーとしても活躍しており、boygeniusとしては2023年にアルバム「the record」をリリース。グラミー賞も獲得するなど、大きな成功をおさめ、活躍を続けています。

さて、そんなソロとしては久々となる新作ですが、個人的に特徴と感じるのが2点あって。まずは全体的にメランコリックな美しいメロが特徴的という点。例えば「Lost Boys」などもメランコリックな美メロが印象に残る作品ですし、カントリー風の「Liberty Tree」もメランコリックなメロが耳を惹きます。もともとメランコリックな美しいメロディーラインが特徴的だった彼女でしたが、今回の作品も、そんな彼女の魅力が存分に発揮されていました。

特にこの6年間、彼女にも様々な出来事がおそいかかったそうで、父親の死や婚約の破断なども楽曲に大きな影響を与えています。特に父親の死に関しては「Never Going Back!」では楽曲の中で父親のボイスメールを用いているなど、その想いを強く感じます。ただ一方、新たな恋人との出会いもあったようで、この3人の男性を軸に作品は展開していっているということ。メランコリックな中でも清涼感もあり、どこか明るさも感じられる点は、やはり新しい恋人の存在が大きいのでしょうか。

もうひとつ大きな特徴である点は、全体的にフォーキーな色合いが強いという点。例えば序盤の「Lost Boys」も、それに続く「Kill Me」「The Governor's Waltz」も、アコギを静かに奏でるフォーキーなサウンドからスタートします。その後も「Haunted」や「Still Standing」など、アコギを用いたフォーキーなサウンドに、メランコリックなメロを美しく聴かせるような曲が目立ちます。

ただ一方おもしろいのは、特に最初はフォーキーなサウンドでスタートしつつも、途中から音数を増やして、徐々に変化していく曲も多く、アルバム全体としては、むしろ前作以上のバラエティーに富んだ内容になっていたという点でした。例えばさきほど紹介した「Kill Me」も後半はバンドサウンドが入ってサイケな雰囲気に曲調が変化していきますし、「Liberty Tree」も前半はカントリー風のサウンドながらも、終盤にはシンセの音色が加わり、幻想的な雰囲気の中、楽曲は幕を下ろします。

そういう意味ではアルバムを象徴するとも言えるのが、アルバムのタイトルチューンでもある「Lost Weekend」。序盤は静かなシンセのサウンドの中、清涼感のある美しいメロディーラインで静かに淡々と歌う彼女の歌声が魅力的な、フォーキーな雰囲気でのスタートとなっています。ただ、終盤は徐々に音数を増やし、ストリングスやエレクトロサウンドでダイナミックかつドリーミーな曲調に展開。壮大なスケールすら感じられる展開となり作品は幕を下ろしています。この曲、歌詞も別れた恋人を思って歌った曲であり、アルバムを象徴しているのと同時に、メランコリックなメロディーやダイナミックな楽曲展開も、このアルバムを象徴するような作品となっていました。

そんな訳で、メランコリックで美しいメロディーラインで、清涼感ある彼女の歌を主軸として置きつつ、フォーキーでありつつもバラエティー富んだ展開が楽しめる傑作アルバム。boygeniusとしての作品を含め、毎回外れのない彼女ですが、今回も申し分ない、年間ベストクラスの傑作です。

評価:★★★★★

Phoebe Bridgers 過去の作品
Punisher


ほかに聴いたアルバム

(The Best Of & The Rest Of) New Order/New Order

1980年代から、途中活動休止期間を挟みつつ活動を続けるロックバンド、New Orderが、1994年にリリースしたベストアルバム「The Best Of New Order」と、リミックス盤「The Rest Of New Order」をまとめ、かつ未発表音源やリミックス曲を追加した4枚組のコンピレーションアルバム。全47曲、実に約5時間にわたる、かなりボリューミーな作品ながらも、ニューウェーブ的な楽曲からその後のエレクトロ、ハウス、ディスコなど様々な音楽性を取り込んでいくNew Orderの歩みがわかるアルバムで、ある意味、New Orderというバンドを網羅的に捉えた作品といっていいかもしれません。さすがにかなりボリューミーなだけに、これがはじめてのNew Orderという方には手を出しずらいかもしれませんが、基本的にポップなメロを聴かせてくれるバンドなので、5時間もあっという間かと。New Orderがどんなバンドなのか、よく理解できるアルバムでした。

評価:★★★★★

New Order 過去の作品
Music Complete

Vol.Ⅱ/Angine de Poitrine

カナダ・ケベック州出身の2人組バンド。本人たちは匿名性を保っており、巨大な鼻のついた紙製マスクと水玉模様の衣装という奇抜なスタイルで演奏しています。また、楽曲自体もかなり奇抜で、変拍子のリズムや、マイクロトーナリティ(微分音)と呼ばれる、12音階の間にあるような音を使った、かなりアバンギャルドな作風が特徴的。一方で、ファンキーでリズミカルなビートは、ストレートに身体を揺らされる魅力がありますし、この外見からわかるようなコミカルさもポピュラリティーに手を貸している感じ。基本的に楽曲に流れるメロはポップであるため、比較的聴きやすさも感じられます。アバンギャルドさとポップスさを両立させようとした結果、若干、どちらも中途半端的に終わってしまっている感も否めませんが、非常に個性的で、これからの活躍も楽しみになるグループです。

評価:★★★★★

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2026年10月 4日 (日)

ポップス職人の軌跡を追ったコンピ

Title:あの音にこの職人②:キャロル・ケイ編 60'sポップスを支えたセッションの女王

今回紹介するアルバムは、オールディーズ・レコードからリリースされたコンピレーションアルバム。ロサンゼルスのスタジオミュージシャンとして活躍し、ビーチボーイズやフィル・スペクターの周辺のシンガー、さらにはレイ・チャールズからフランク・シナトラまで様々なミュージシャンたちのレコーディングに参加した、表題通り、まさに「60年代ポップスを支えたセッションの女王」、ベーシストのキャロル・ケイの参加曲を集めたコンピレーションアルバムとなっています。

オールディーズ・レコードは、老舗のインディーズレコードショップ芽瑠璃堂の創業者、長野和夫がスタートさせたインディー・レーベル「クリンク・レコード」が流通・販売を手掛けるレーベルで、タイトル通り、1950年代から70年代の洋楽の名盤やレア音源の復刻を手掛けるレーベル。以前から、このようなコンピ盤を多くリリースしてきているようですが、「CD+BOOK」形式となっており、コンピレーションアルバムに、内容を説明する書籍がセットになった企画盤となっています。

まず正直言ってしまって、「BOOK」の方に関しては期待していたほどではありませんでした。確かに、キャロル・ケイがどのようなミュージシャンなのか、という紹介や、収録曲各曲の説明が載っており、それなりに読ませる内容になっています。ただ、冊子としてはかなり薄っぺらく、また、対象とするリスナーが老眼の人たちばかりのためか(苦笑)、文字の大きさはかなり大きく、記載量は少な目。正直、文字を小さくすれば、普通のCDのライナーツノートレベルの内容となっており、これを「BOOK」として売り出すのはかなり無理があるような・・・。

ただ、コンピレーションアルバムの方はかなり充実の内容。The Beach Boysの「Sloop John B」やThe Supremesの「Love Is Here and Now You're Gone」(邦題「恋ははかなく」)、ロネッツ、レイチャールズ、アイク&ティナ・ターナ、モンキーズなど60年代を彩る大物がズラリ。特に大物ミュージシャンたちの曲は、この手のコンピ盤になかなか収録されなかったりするので、そんなメジャーどころまでしっかりと抑えている内容には驚かされます(ちゃんと許可は取っている・・・・・・・んだよね???)。

さて、そんな彼女の奏でるベースは、今回のコンピレーションに収録されている曲でもしっかりと目立って聴こえます。まず特徴として感じられるのは、一度聴いて彼女のベースだ、とわかるような、リズムの取り方などに変な癖はありません。ある意味、淡々と、曲に沿ったベースラインを演奏していく、そんなスタイルでしょうか。おそらく、ベーシストとして、その演奏に変な癖がなく、様々なミュージシャンのスタイルに合わせられるからこそ、多くのミュージシャンたちにセッションミュージシャンとして重宝されたのでしょう。

一方、それとは逆に、彼女のベースの音は、楽曲の中でクリアに聴こえてきます。通常、ベースの音は楽曲の中で必ずしも目立つ訳ではありません。もちろん、ベースが前面に押し出されている曲もありますが、よくよく聴かないとベースの音がわかりにくいという曲も少なくありません。そんな中で彼女のベースは、曲の中ではっきりと聴こえてくるような、しっかりとした輪郭を持ったベースの音を聴かせてくれています。だからこそ、曲によってはベースのリズムが楽曲の推進力になったりもしています。また、そういうベースだからこそ、多くのミュージシャンたちに求められたのでしょう。

最近は、サブスクの普及で過去の曲も容易に聴けるようになったため、このようなコンピが少なくなってきているように感じます。ただ、楽曲の説明もついた、こういうアルバムとしてのテーマを持ったコンピをもっと聴きたいところ。なにより本作、税抜1,000円という安さも魅力的。今後も同じような企画のコンピ盤がリリースされるようなので、また是非とも聴いてみたいです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

The Real Me/Future

トラップの第一人者でもあるアメリカのラッパー、Futureによる約4年ぶりの新作。HIP HOPもトラップも、一時期に比べると落ち着いた感はあるのですが、本作は見事ビルボードチャートで1位を獲得し、なんだかんだいってもまだまだ強い人気を感じさせる結果となりました。さて、そんな本作の大きな特徴は、客演ゼロですべてFuture1人のみで作りあげた作品ということ。「The Real Me」というアルバムタイトル通り、「本当の自分」を見せようとするアルバムとなっています。ただ、結果としては新しいアルバムというよりは、いままでのFutureらしさの集大成的なアルバムといった感じに。正直、目新しさは感じませんでしたし、無難にまとまっているという印象も。こういう作品も、次の一歩のために必要な1枚・・・だったということでしょうか。

評価:★★★★

Future 過去の作品
WE DON'T TRUST YOU(Future&Metro Boomin)
WE STILL DON'T TRUST YOU(Future&Metro Boomin)

Vanishing Point(Extended Edition)/Primal Scream

イギリスのロックバンド、Primal Screamが1997年にリリースした彼ら5枚目のアルバム。本作と次回作「XTRMNTR」、次々回作「Evil Heat」は、ロンドンに制作した自前のスタジオ「The Bunker」で制作され、革新的なスタイルが高い評価を受けたため、今回、この3作が「The Bunker Trilogy」としてリマスターされ再発。その第1弾アルバムとなります。

4枚目「Give Out But Don't Give Up」はブルースやロック寄りにシフトした作品だったのですが、正直、評価は芳しくなく、本作は名盤の誉れ高い3枚目「Screamadelica」の作風に戻しつつ、エレクトロサウンドの要素を取り入れた、次作「XTRMNTR」との橋渡し的ともなっている作品。「Screamadelica」で聴かせてくれたグルーヴ感と、「XTRMNTR」の高揚感を兼ね備えたような作品。その結果、ちょっと中途半端な部分もあり、「Screamadelica」「XTRMNTR」ほどの傑作とまでは言っていませんが、これはこれで、ある種、過渡期の作品として聴きごたえのある傑作に仕上がっています。

今回はB面曲やレア音源を加えたバージョンとなるのですが・・・ただ、当初配信リリースされた「Extended Edition」の一部の曲は配信中止となり、現在、配信されているバージョンはちょっと異なった内容になっています。なぜだ?配信スタートさせたはいいけど、権利の関係で問題になって差し替えたのか?今ひとつ、ここらへんのはっきりした情報がなく不明なのですが、ここらへん、勝手に曲を入れ替えられて、配信停止になってしまうあたりがストリーミングの大きな問題点。せめて、アナウンスが欲しいのですが・・・。

評価:★★★★★

primal scream 過去の作品
Beautiful Future
Screamadelica 20th Anniversary Edition
More Light
Chaosmosis
Give Out But Don't Give Up:The Original Memphis Recordings
MAXIMUM ROCK ‘N’ ROLL: THE SINGLES
Demodelica
Live at Levitation
Come Ahead
Come Ahead: The Remixes Vol 1 (Vocals)
Come Ahead:The Remixes Vol.2(Dubs)

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2026年10月 3日 (土)

メロディアスな歌に聴き惚れたステージ

VK Blanka Joyride to 10th Tour

会場 Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール 日時 2026年9月25日(金) 19:00~

Vk_live10th

以前から一度、ライブに足を運びたいと思っていたビッケブランカのライブ。ようやくスケジュールも合い、足を運ぶことが出来ました。会場は市民会館のビレッジホール(中ホール)。予想はしていたのですが、ファン層は女性が8割程度。ただ一方、熱心な男性ファンもちらほら見受けられ、ファン層の広さも感じられました。

ライブはほぼ定時の19時にスタート。最初はステージ前に張られたスクリーンに映像が映し出されます。「Joyride」というツアータイトルに沿った形で、ハイスピードで走る車の運転席から撮った映像。街中をすごいスピードで走り、てっきり車に乗っているのがビッケブランカかと思いきや、最後に道をわたるビッケブランカが車にひかれそうになり、驚いたビッケの顔にアップが映し出されて映像が終了し、ライブがスタートします。

ライブがはじまると、ステージ中央におかれたドラムをビッケブランカが激しく叩くという、意外なドラムソロからスタートします。1曲目は「Get Physical」からスタート。その後は「ココラムウ」や「Death Dance」など、アップテンポな曲が続き、まずは会場の空気を暖めます。もちろん、序盤から会場は高いテンションになり、盛り上がりっていきます。

そして最初のMCに。まずは地元出身の彼。「凱旋公演です」という話から、昔からよく行っていたスパゲティー屋にバンドメンバーを連れて行ったという実に地元らしい話を披露してくれました。

アップテンポな曲が続いた序盤に対して、そこからは「さよならに来ました」「繋がりSUNSET」とミディアムテンポの聴かせるナンバーが続き、また違うビッケの歌の魅力を聴かせてくれます。さらにMCで、10周年ということで聴いてほしい曲を矢継ぎ早にやります、ということで、メドレー形式で「キロン」や「Last Summer」「Save This Love」など、過去のナンバーをダイジェストで披露。もちろん、会場は多いに盛り上がります。

さらにその後は一転、ピアノの弾き語りで「まっしろ」をしんみり聴かせ、さらに「今ここで逢えたら」と続きます。それに続いて再びMCへ。ここのMCでは最初、狭い部屋で曲をつくっていた、という昔語りに。10周年の記念ツアーということもあり、彼自身が過去を振り返るMCとなりました。

そしてここからライブは後半戦へ。「雷、嵐、雪崩を全部曲にして襲い掛かってくる曲」という「THUNDERBOLT」からスタートし、「Great Squall」「Avalanche」などと続いていきます。さらに「友人の曲」ということで、岡崎体育の「おっさん」をカバー。ちょっと意外なセレクションでしたが、歌詞はともかく、メロディーラインは意外とビッケの曲の中に入れても違和感ない感じ。ビッケのボーカルだったからでしょうか?

さらに終盤は「Slave of love」からこの日、一番聴きたかった「Ca Va?」へ。もちろん、会場のテンションは最高潮へ。ライブバージョンの「Ca Va?」は原曲よりも、バンドサウンドがかなり分厚く、よりテンポが速い演奏になっていて、もっとロック寄りのアレンジになっていました。そして本編ラストは、これまた代表曲の「ウララ」へ。最後は会場全体が一体となって大盛り上がりの中で本編は終了しました。

その後はもちろん盛大なアンコール。やがてビッケが戻ってきて、最初はいきなり、なぜか「アンニョハセヨ」と韓国語であいさつ(笑)。韓国のドラマにはまっているらしいです。その後、バンドメンバーが入場し、メンバー紹介。さらにグッズの紹介なのですが、入荷量を間違えたのか、多くのグッズが売り切れになってしまったらしく、ファンの熱狂ぶりがうかがえます。

そしてアンコールは新曲「完璧のペキ」。こちら、アニメ「ドラゴンボール超 ビルス」のエンディングテーマとなったそうで、10月リリース予定のシングルの初披露となります。もちろんはじめて聴いたナンバーですが、ビッケらしいマイナーコードの曲のメロディアスでリズミカルなナンバーで、ライブ初披露にも関わらず会場は大盛り上がり。最後はビッケが軽く挨拶した後、バンドメンバーがステージ中央にあつまって挨拶。その後、再びビッケがステージに戻ってきて、客席にタオルを投げ入れた後、最後の挨拶をし、ライブは幕を下ろしました。約2時間弱のステージでした。

今回、はじめてビッケのライブを見たのですが、非常に楽しめたステージで、2時間があっという間でした。正直、彼のステージは、CD音源とは異なる圧倒的なライブパフォーマンスを見せてくれる、という訳ではありませんし、また、ユーモラスなトークでエンタテイメント性あふれるステージを見せてくれる、という訳でもありません。ただ、今回のライブに先立って、彼の過去の代表曲を「予習」したのですが、その際あらためて、彼の書くメロディーって、本当に私の壺にはまっている、ということに気が付いたんですよね。今回のライブも、彼の歌の良さをあらためて実感させられたパフォーマンス。その歌に聴き惚れた2時間でした。あらためて、ビッケブランカの魅力を再認識したライブパフォーマンスで満足して会場を後にしました。

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2026年10月 2日 (金)

「ファンクの教科書」にふさわしい圧巻のディスクガイド

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

「ファンク超大全 The Ultimate Guide to FUNK」。レビューサイトを運営されているFUNK OF AGESによる監修によるファンクのディスクガイド。基本的にはファンクの名盤をズラリと並べている1冊となりますが、内容は5章にわかれており、Chapter1は「ファンクの革新者たち」として、ファンクの代表的な4人のミュージシャン、ジェイムス・ブラウン、スライ・ストーン、ジョージ・クリントン、プリンスを紹介し、その歩みを紹介すると共に、彼らに関係するアルバムを紹介。その後は時代別に1960~70年代、1980年代、1990~2000年代、2010~2020年代と章をわけて紹介しています。

まず圧巻なのが本書のボリューム量。全368ページからなる本書に、1,500枚を超えるアルバムを紹介。まさにフルボリュームと言える内容に、これでもか、というほどのファンクに関連するアルバムが紹介されています。本書の帯にジョージ・クリントンからの推薦文が記載されており、日本語の本書を、本当にジョージ・クリントンが読んだのか、かな~り怪しいのですが、「これはファンクの教科書だ」と記載されていますが、まさに、そんな推薦文もピッタリとくる、ファンクを隅から隅まで網羅したディスクガイドになっています。

そして、この紹介されているアルバムの範囲もまた圧巻のひとこと。Chapter1で紹介されている、ファンクの大御所たちのアルバムはもちろんのことEarth Wind&Fire、Ohio Players、The Isley Brothers、Chicあたりのミュージシャンたちはもちろんのこと、最近のミュージシャンたちも、D'Angeloやフジロックに出演して注目を集めたVulfpeck、Bruno Marsに、Saultまで網羅。まさに「ファンクの教科書」にふさわしい、「ファンク」と呼ばれるようなアルバムを幅広く紹介しています。

さらに本作がおもしろいのは、一般的に「ファンク」と呼ばれるジャンルだけに留まらず、「ファンク」のリズムを奏でているアルバムを幅広く収録している点でしょう。Mile Davisの「On The Corner」のようなジャズからブルース、ソウル、R&Bなどなど。「ファンク」と一言で言っても、私たちを魅了するこのリズムが、ジャンルを超えて様々な音楽に影響を与えていたということがよくわかります。また、洋楽だけではなく邦楽のアルバムも紹介されており、在日ファンクや、さらには堂本剛のソロプロジェクト、ENDRECHERIのアルバムまで紹介されており、実に幅広いアルバムを網羅したディスクガイドとなっています。

まさにファンクのディスクガイドとして圧巻と言える1冊。非常に読み応えのある内容であり、ファンクの魅力が存分につたわってくる1冊でもありました。ただ、一方、読んでいてちょっと気になった点として、アルバムの並び方として発売順に並んでいるのですが、アルバムの並びがちょっと雑然としすぎている感も受けました。特に、同じミュージシャンのアルバムが、1冊の中で様々な箇所にバラバラに並んでいるため、どんなミュージシャンなのかわかりにくくなっている感じも。ミュージシャン毎に紹介されているのは、Chapter1の5人だけだったのですが、個人的には、アルバムの並びを発売順にするのならば、クローズアップするミュージシャンはもっと増やした方がよかったようにも思いました。

また、邦楽のアルバムも紹介されていたのですが、こちらはもうちょっとボリュームアップしてほしかった感じも。特に洋楽の中に混ぜるよりも、独立したひとつのChapterとして、邦楽の中でのファンクの影響を紹介してほしかったかもしれません。

そんな気になる部分はありつつも、ただ、前述の通り、「ファンクの教科書」という推薦文にふさわしい、ファンクのことがよくわかる圧巻のディスクガイド。ファンクというジャンルが、いかに様々な音楽の中に浸透しているのか、あらためて実感でき、また、ファンクというキーワードに基づいて、いろいろなアルバムを聴きあさりたくなる、そんな1冊でした。

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2026年10月 1日 (木)

ちいかわ再び

今週のHeatseekers Songs

ふたたび映画ちいかわ関連曲が1位獲得です。

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

先週はついに1位から陥落した「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」エンディングテーマが青木遥「机さする」2週ぶりに1位返り咲き。Hot100では71位にランクインしています。ただし、ちいかわ映画関連曲のベスト10入りはこの1曲のみとなっています。


今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週1位も上位には男性アイドル勢が並んでいます。

今週1位は男性アイドルグループ&TEAMのミニアルバム「Make on Me」がランクイン。韓国の芸能事務所HYBE傘下のYX LABELS所属による日本人7名、台湾人1名、韓国人1名によるグループ。CD販売数1位、ダウンロード数2位、ストリーミング数14位。CDリリースによりCD販売数で1位を獲得し、先週の9位からランクイン。オリコン週間アルバムランキングでは、リリース日の都合上、先週までベスト100圏外だったものの、今週51万1千枚を売り上げて1位ランクイン。直近のEP「We on Fire」の初動55万9千枚(1位)からはダウンしています。

2位は先週1位のM!LK「LOVE ENG!NE」がワンランクダウンでベスト3キープ。そして3位には「『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』オリジナル・サウンドトラック」が先週と同順位をキープ。これで9週目のベスト10ヒット。ベスト3ヒットも通算8週目となりました。

続いて4位以下ですが、今週、初登場盤はなし。ただ、ベスト10圏外からの返り咲きが3作。まずMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が11位から6位、「Attitude」が12位から10位にランクアップしています。ただ、ストリーミング数が「ANTENNA」が8位から5位、「Attitude」は先週から変わらず9位ですので、初登場盤が少なかった影響か。「ANTENNA」は3週ぶりのベスト10返り咲き、「Attitude」は2025年8月7日以来のベスト10返り咲きとなります。これで「ANTENNA」は通算77週、「Attitude」は通算36週目のベスト10ヒットとなりました。

さらにback number「スーパースター」が今週13位から9位にアップ。2025年1月8日付チャート以来のベスト10返り咲き。今年6月24日付チャート以来、ベスト20をキープしており、徐々にヒット。ついにベスト10返り咲きを果たしています。

ロングヒット盤はほかにILLIT「MAMIHLAPINATAPAI」が4位から5位にダウン。これでベスト10ヒットは21週連続となりました。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

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今週もアボガド6「デビットビット」が1位獲得。これで5週連続で1位獲得となりました。2位はサツキ「ヘレディティ」が、3位にはいよわ「熱異常」が、それぞれ初登場でランクインしています。

今週のHot Albums&Heatseekers Songs&ボカロチャートは以上!チャート評はまた来週の水曜日に!

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