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2026年9月26日 (土)

「ファミリー」が集結した50周年のアルバム

Title:生きものたちへ
Musician:矢野顕子

ソロデビュー50周年を迎えた矢野顕子のニューアルバム。「ソロデビュー」という言い方をするのは、デビュー作である1976年の「JAPANESE GIRL」リリース前に、キャラメル・ママのセッションに参加するなど、音楽活動を行っていたから。ただ、本人がインタビューで述べていることとして、50周年を記念した特別な作品・・・という訳ではないようです。

ただ、そうは言いながら、冒頭を飾る「海男の瑠璃亜」では細野晴臣と林立夫というキャラメル・ママのメンバーが編曲で参加した作品に。細野晴臣はボーカルとベースでも参加しており、ブギウギ調の曲調は、長年の気の置けない仲間とのセッションということで、2人のボーカルのやり取りも息のあった、軽快なセッションとなっています。

今回はそんな冒頭のナンバーをスタートに、彼女の気の置けない仲間たちとの共演を中心とした、ある意味、矢野顕子の「ファミリー」が集結したような作品に仕上がっています。「DO YOU LOVE ME?(愛されたいおれら)」は作詞で糸井重里が参加。人間のサガをユーモラスに綴った歌詞は、いろいろと言われながらも(最近では「ちいかわ」関連で叩かれていましたし)ライターとしての糸井重里の才能を感じます。

続く「うちゅうから」は、宇宙飛行士の野口聡一の娘が子供の頃に書いた作文にそのまま歌詞をつけた曲だとか。アルバム「君に会いたいんだ、とても」で共同制作を行って以降、野口聡一とは家族ぐるみの交流を行っているそうですが、それが反映された曲に。ちなみに、その次の「THREE ROCKETS」もそんな野口一家との交流を元に作成された曲だそうです。

その後もフォーキーでメランコリックな「YOU ARE SPECIAL TO ME」ではボーカルに松たか子が参加。矢野顕子とのデゥオを聴かせてくれているほか、今回のアルバム、演奏で佐橋佳幸や小原礼といったメンバーも参加。彼女は様々なミュージシャンたちとコラボをしているので、全員集合!という訳にはいきませんが、50周年を迎えたアルバムということで、様々な彼女の「ファミリー」が集結したアルバムとなっていました。

その一方でちょっとおもしろいのは今回のアルバムで北村蕗という23歳の新進気鋭のトラックメイカーが参加している点。「うちゅうから」「THE RIVER」の2曲にアレンジャーとして参加しています。現在、70歳を彼女ですが、新しい才能も積極的に取り入れている点、ミュージシャンとしてまだまだ現役であり、かつその若々しさも感じます。ちなみに彼女のサウンドはレイハラカミからの影響も感じさせるような柔らかい音が魅力的なエレクトロミュージシャンで、レイハラカミと言えば矢野顕子とyanokamiというユニットを組んでいました。ひょっとしたら、レイハラカミを意識した参加なのかもしれません。

そんな訳で、ソロデビュー50年の集大成的である一方で、まだまだ現役、新たな一歩を踏み出そうとする彼女も感じさせるそんなアルバムになっていました。まだまだ彼女の活躍は続きそうです。

評価:★★★★★

矢野顕子 過去の作品
akiko
音楽堂
荒野の呼び声-東京録音-
Get Together~LIVE IN TOKYO~(矢野顕子×上原ひろみ)
矢野顕子、忌野清志郎を歌う
飛ばしていくよ
JAPANESE GIRL - Piano Solo Live 2008 -
さとがえるコンサート(矢野顕子+ TIN PAN)
Welcome to Jupiter
矢野顕子+TIN PAN PARTⅡ さとがえるコンサート
(矢野顕子+ TIN PAN)
矢野山脈
Soft Landing
ラーメンな女たち(
矢野顕子×上原ひろみ)
ふたりぼっちで行こう
音楽はおくりもの
君に会いたいんだ、とても(
矢野顕子・野口聡一)
Step Into Paradise -LIVE IN TOKYO-(矢野顕子×上原ひろみ)
AKIKO YANO TRIO featuring Will Lee&Chris Parker Live at Blue Note Tokyo 2025.09.04


ほかに聴いたアルバム

CIRCUS TOWN(50th Anniversary Edition)/山下達郎

1976年にリリースされた山下達郎のソロデビュー作の50周年記念盤。日本ポップス史に残る名盤が、最新リマスタリングで蘇る作品。リマスタリングは24年ぶりとなるそうです。オリジナル音源の8曲に、今回は次回作「SPACY」に収録されている「言えなかった言葉を」のニューヨークバージョンが収録。もともと、本作と同時にニューヨークで録音されたものの、お蔵入り。「SPACY」では別アレンジのバージョンが収録されたそうです。いわば本作と次回作「SPACY」の橋渡し的な作品となっており、ファンとっては注目の収録曲となっているそう。また、加えてオリジナルカラオケ5曲が収録。こちらも単なるカラオケというよりも「インストバージョン」という意味合いが強く、ファン注目の収録曲に。まあ、ここらへんの追加音源については熱心なファン向けの音源なのですが、オリジナル8曲については、まさに今聴いても色衰えることないシティポップの名曲が揃っており、最新リマスタリングということで、是非ともチェックしておきたい名盤と言えるでしょう。

評価:★★★★★

山下達郎 過去の作品
Ray of Hope
OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~
MELODIES(30th Anniversary Edition)
SEASON'S GREETINGS(20th Anniversary Edition)

Big Wave (30th Anniversary Edition)
COME ALONG 3
POCKET MUSIC (2020 Remaster)
僕の中の少年 (2020 Remaster)
ARTISAN 30th Anniversary Edition
SOFTLY

2000%HIP HOP/般若

約1年ぶり。相変わらず積極的な活動が目立つ般若のニューアルバム。「2000%HIP HOP」というタイトルもそのままですが、ジャケット写真も札束風呂に女性を両脇にかかえてという、いかにも的なスタイルとなっています。ただ、そういう外見からすると内容的には仲間や家族、また内省的なリリックがメインとなっている作品に。まあ、ここらへんもHIP HOP的といえばHIP HOP的なのですが、ただ現在47歳という彼らしい、「仲間や家族」と言っても大人らしい落ち着いたリリックとなっています。そのため、インパクトという面は若干弱さは感じられてしまうのですが、般若らしさもしっかり感じられる作品になっていました。

評価:★★★★

般若 過去の作品
ドクタートーキョー
HANNYA
グランドスラム
THE BEST ALBUM
話半分
般若万歳II
IRON SPIRIT
12發
笑い死に
ラストアンサー

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