バンドサウンドを加えて深化
Title:Frozen Charlotte
Musician:Jack White
約2年ぶりとなるJack Whiteのニューアルバム。前作「No Name」ではレコードショップの紙袋の中に、こっそり新作のLPを挿入するという、ユニークかつ奇抜な方法でのリリースが話題となりましたが、今回はそんなギミックはなし。ただし、今回のアルバムは、前作と同じく、ベースにドミニク・デイヴィス、ドラマーにパトリック・キーラーというメンバーでの構成となっており、そういう意味で前作「No Name」からつながる形での新作と言えるかもしれません。
そのため、アルバム全体としては基本的に前作「No Name」からの延長線上にあるようなスタイル。まずアルバムの1曲目を飾る「G.O.D.And The Broken Ribs」がカッコいい!!ヘヴィーなギターリフからスタートする、これぞハードロックなナンバーといった作品で、ヘヴィーなバンドサウンドはレッドツェッペリンあたりを彷彿とさせてくれそう。続く「Derecho Demonico」も同じく、ヘヴィーなギターリフで聴かせるハードロックなナンバーとなっており、ガツンとくるサウンドに、ロック好きならば心踊らされるのは間違いありません。
その後も、先行シングルとなった「Dollar Bill」のようにギターリフを主導に、シャウト気味なボーカルで盛り上がりそうなナンバーや、荒々しいバンドサウンドでどこか不穏な雰囲気も漂う「I Can't Believe What I'm Hearing」、同じくギターリフを軸にしつつ、疾走感のあるハードロックナンバーとなっている「She's In A Frenzy」など、ヘヴィーなギターリフとバンドサウンド主体に、これぞハードロックといった感じの楽曲が並びます。
基本的にはシンプルな構成で、バリエーションという面では若干乏しい感もあるのですが、最後を締めくくるアルバムで最長の5分の楽曲となっている「Neighbors Blues」ではハードロック的なギターリフを主導としつつ、ボーカルパートに強いリバーブをかけて、ちょっとサイケな雰囲気も醸し出しているブルースロックのナンバーに。最後の最後でじっくりと聴かせる作品で締めくくっています。
前作「No Name」の延長線上となる本作ですが、ただ前作と変わった点がひとつあり、それがバンドサウンドを前面に押し出しているという点。ギターサウンドを前面に押し出して、バンドサウンドとしては比較的シンプルだった前作と比べると、本作ではサウンドの厚みが格段に増して、ロックバンドとしての一体感を覚えるサウンド構成になっていました。前作と変わらないバンドメンバーを擁している点、メンバーとの相性もよかったのでしょうし、それゆえにJack Whiteのソロ以上に「バンド」としての要素を押し出した作品となったのでしょう。
今回のアルバムも文句なしの傑作アルバム。前作「No Name」で示したスタイルを、バンド寄りに深化させた作品といった感じでしょうか。前作同様、かなりルーツ志向なロックなのですが、音の分厚さやどこか感じるオルタナ的な要素の影響か、古臭さを感じさせないのも大きなポイント。前作同様、ロックの魅力をこれでもかというほど感じられる作品でした。
評価:★★★★★
Jack White 過去の作品
BLUNDERBUSS
Lazaretto
Boarding House Reach
Fear of the Dawn
Entering Heaven Alive
No Name
ほかに聴いたアルバム
Spontaneous Music Live/SML
ロサンゼルスを拠点とする5人組インプロヴィゼーション・バンドの作品。本作は、長尺のライブ演奏をそのまま収録した内容になっており、即興演奏がそのまま収録。全50分弱のアルバムですが、20分以上の長尺曲が2曲のみ収録されているアルバムとなっています。広くジャンルとしては「ジャズ」ということになるのでしょうが、ファンク、アフロビート、ロック、サイケ、ノイズなど自由な演奏がダイナミックに続いていくスタイルで、スリリングな演奏が最後まで釘付けとなる作品となっています。ライブも体験したくなる、そんな臨場感あふれる作品でした。
評価:★★★★★
The Wow!Signal/MUSE
イギリスのロックバンドMUSEの約4年ぶりとなるニューアルバム。The Wow!Signalとは、1977年に地球外生命体探査プロジェクトの観測を行っていた中、ビックイヤー電波望遠鏡が受診した電波信号で、強度の強い信号が観測され、そのため、観察者がそのシグナルを赤ペンで囲って「Wow!」と記載したことに由来します。現時点においても、その信号が受信された理由は不明で、天文学における未解決案件の一つとされています。
そんな天文学的事項をタイトルとした本作は「宇宙」をテーマとした作品。いままで、ハードロックやエレクトロなどの要素を取り入れつつ、全体的にダイナミックな作風を体現化してきたMUSEですが、まさに「宇宙」というイメージにもピッタリ。今回はハードなバンドサウンドとエレクトロを融合させた、これでもかというほどスケール感のある、悪く言えば仰々しいサウンドを繰り広げられます。ある意味、非常にMUSEらしいといえる作品で、良くも悪くも圧巻といった感じ。仰々しさは感じられ、サウンド的にちょっとのべっとした印象を受ける反面、これでもかというほどのスケール感は素直に気持ちよさを感じる部分も。
評価:★★★★
MUSE 過去の作品
The Resistance
The 2nd Law(邦題 ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則)
Live at the Rome Olympic Stadium
Drones
SIMULATION THEORY
Will Of The People
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