爆風スランプの現在形
Title:今こそ!爆風スランプ
Musician:爆風スランプ
2024年3月にデビュー40周年を機に再始動。その後、ライブツアーも行い、新曲の発表、ベストアルバムのリリースも行いましたが、今年8月11日に実に35年ぶりとなる日本武道館公演を行いました。爆風スランプと日本武道館と言えば、彼らの代表曲「大きな玉ねぎの下で~はるかなる想い」の舞台ともなったゆかりの場所。日本武道館最寄りの九段下駅の発車メロディーに同曲が採用されるなど、彼らと日本武道館は切っても切れない関係にあります。そして、その武道館ライブに先駆けてリリースされたのがこのアルバム。基本的には過去の曲のリメイクとなるのですが、本格的な再始動の次の一歩とも言える作品となっています。
今回のアルバム、まず1曲目が大きなインパクトとなっています。「よしおと爆風の、ええじゃないか盆踊り~武道館で編」という曲で、元となっているのは爆風スランプが結成直後に作られた「ええじゃないか」という曲。その後、音源は発表されていませんでしたが、今回、正式にレコーディング。なんとあの小島よしおがゲストとして参加しています。
基本的には「ええじゃないか」という歌詞が続くシンプルな曲なのですが、「ネガティブをポジティブへ。世の中の不安を祭りに変え」と紹介されているように、まさに「今の時代に聴かせたい」というある種のメッセージ性の強い選曲となっています。そこに小島よしおという「異物」を参加させている点がユニーク。力強い本格的なバンドサウンドの演奏にユニークな小島よしおというアンバランスさがまた、爆風スランプらしさを感じます。
現在に対するメッセージ性という意味では、今回「東の島にブタがいたVol.3」をリメイクしている点にもあらわされています。こちらはかなりメッセージ性の強いナンバーで、ストレートな反戦歌になっている点が特徴的。ウクライナやイランと世界各地で戦争が生じており、日本でも武器輸出の制限が緩和されるなど、戦争に巻き込まれるリスクが高くなってきています。そんな中、あえてこの曲をリメイクするあたり、彼らの強いメッセージ性を感じさせますし、「ええじゃないか」と合わせて、今回のセルフカバーが、単なるノスタルジックなセルフカバーではなく、現在の社会と強くリンクさせた選曲であることを感じさせます。
また、バンドサウンドもグッと分厚いサウンドとなり、音圧を含めて「今風」な感じに。バンドとしての臨場感も増して、武道館でのライブを前提としたアレンジとなっており、現在の爆風スランプを強く意識したようなサウンドとなっています。そういう意味でもこのアルバムが、単なるリメイクではなく、現在の爆風スランプを意識した作品となっていると言えるでしょう。
楽曲でも、バラードやラテン風の「東京ラテン系セニョリータ 2026」、ギターロックの作品など、爆風スランプの音楽性を網羅的に選曲しているあたり、このアルバムではじめて爆風スランプを聴いた方にも、彼らがどんなミュージシャンなのか理解できるような選曲にもなっています。そんな点を含めて、活動再開後、最初の1枚としてはよく出来た作品になっていました。武道館ライブにはいけなかったけど、以前足を運んだライブも素晴らしかったし、来年のツアーも足を運びたいなぁ。次はすべて新曲の新譜も是非!
評価:★★★★★
爆風スランプ 過去の作品
40th Anniversary BEST ALBUM IKIGAI 2024
ほかに聴いたアルバム
BEST OF MIXCD Vol.3/KREVA
KREVAの楽曲のトラック部分のみを収録したアルバムの第3弾。2017年から2025年にリリースした作品の中から選曲されています。全体的にはエレクトロなサウンドで、メロウな雰囲気の、アンビエントの要素も強い作風となっていますが、トラックのみでありつつもそれなりにインパクトがあり、またメロディアスでインパクトある内容になっているのが特徴的。トラックだけでもしっかりとインパクトを出してきているあたり、KREVAの実力も感じさせる作品でした。
評価:★★★★
KREVA 過去の作品
心臓
OASYS
GO
BEST OF MIXCD NO.2
SPACE
SPACE TOUR
KX
嘘と煩悩
存在感
成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~
AFTERMIXTAPE
LOOP END/LOOP START
Project K
Something True/坂本美雨
オリジナルアルバムとしては約5年ぶりとなる新作。森山直太朗、伊藤ゴロー、原 摩利彦という3人のミュージシャンが、それぞれ別々の作品をプロデュースするスタイルが特徴的。ただ、アルバム全体としてはピアノやストリングスを取り入れたアコースティックなスタイルのポップスで統一感がとられています。基本的に坂本美雨の魅力といえば、その清涼感あふれる歌声だと思うのですが、アコースティックベースの楽曲のため、その歌声を最大限生かしたようなプロデュースワークに。まずはその歌声に魅了される1枚でした。
評価:★★★★
坂本美雨 過去の作品
miusic ~The best of 1997-2012~
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