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2026年8月16日 (日)

大バズりしたバンドの現在位置

Title:VS Tairiku Ondo
Musician:テレビ大陸音頭

Tvtairikuondo

2024年、ある高校生バンドの音源がネット上で大バズりして話題を呼びました。北海道を拠点に活躍するそのバンドはテレビ大陸音頭。当時高校生だった4人組によるバンドで、なんと当時の全国ネットのテレビ番組にまで出演するなど大きな話題となりました。そして、驚くのはその音楽性。この手のテレビ番組にまで出演してバズるバンドというと、一般的にはメロディーラインの優れた、いわば売れ線のバンドとなりがちですが、彼らの奏でるのはむしろ比較的、マニアックとも言えるような「アートパンク」と言われるような分野。正直なところ、決して万人受けするようなタイプの音を出しているバンドではないにも関わらず、大バズりしたことも、非常に意外性がありました。

その後も2025年にはフジロックの「ROOKIES A GO-GO」に出演するなど話題となりましたが、正直なところ、最初に比べると若干、一時期ほど注目度が薄くなった感は否めません。ただ、そんな中でもライブハウスを中心に着実に活動を進め、今年、ついにリリースされた待望のデビューアルバムが本作となります。

アルバムは、その大きな話題となった「俺に真実を教えてくれ!!」からスタート。バンドサウンドは非常にシンプルかつタイトながらもしっかりとしたグルーヴを感じられ、その一方で疾走感あるラップ気味のボーカルスタイルながらもどこかポピュラリティーと、そして歌詞からはユーモラスを感じさせます。

続く「異次元の暮らし」もギターリフを主導としたシンプルなサウンドの中に、いきなり「仲良い友達が川に流されてる/俺はそれを見てるだけ」という非常にシュールな歌詞からスタートします。「hentai」もかなりユニークな作風。ボーカルとシンクロするギターサウンドからスタートする冒頭は、どこかZAZEN BOYSを彷彿とさせつつ、途中からはサイケなギターサウンドになだれ込んだかと思いきや、最後はなんとスペーシーなエレクトロサウンドが顔を覗かせるという、かなり実験的でユニークな構成となっています。

後半の「超常現象を信じてみる。」もファンキーなギターとドラムスがハイテンポに展開する独特のリズム感覚が実にユニークな作品。そして最後を締めくくる「夜について」も、スペーシーなエレクトロのサウンドに、メランコリックなメロディーラインを前に押し出した曲調となっており、彼らのまた違った側面を垣間見れる楽曲となっています。

海外ではblack midiや、あるいはちょっと懐かしいミドリに似ているという指摘もあるようです。ただ、正直言って、ミドリのようなエッジの効いた狂気は楽曲からはあまり感じられません。むしろ、空間を聴かせるシンプルなサウンドに独自のグルーヴ感、そして意外とポップな側面も感じられる点に、個人的にはOGRE YOU ASSHOLEや、あるいはゆらゆら帝国あたりに連なる部分も感じます。ただ、そんな中でも独特のグルーヴ感や、歌詞の言語感覚、さらにはエレクトロサウンドなども取り込む自由さも感じられ、バンドとしての圧倒的な独自性を感じます。

一方で、最初知った時に高校生だった彼らも既に20歳。そして満を持したデビューアルバムがわずか7曲20分弱という内容の寡作さはちょっと気にかかります。また、最初に知った「俺に真実を教えてくれ!!」は高校生らしい若さ、初々しさを一種の武器になっていたのに対して、20歳という大人になった現在、その年齢と比して楽曲が初々しすぎないか、ということもちょっと懸念点に感じてしまいます。

そんな気になる点はありつつ、やはり圧倒的な個性を覚えるバンドなだけにこれからの活躍が非常に楽しみ。ライブに楽曲制作に、さらなる経験を重ねて、日本を代表するバンドになりそうな、そんな予感も覚える作品。これからの彼らにも注目です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

etc.works4/MONGOL800

MONGOL800が、トリビュートアルバムに参加した際にカバーした曲や他ミュージシャンへの提供曲のセルフカバー曲、未発表曲などを収録した企画盤的なアルバム。モンパチらしい軽快なパンクロックが並ぶ作品なのですが、特にユニークなのがカバー。井上陽水の「少年時代」や美空ひばりの「川の流れのように」をモンパチ流にカバーしているほか、なんと安室奈美恵with SUPER MONKEY'Sの「TRY ME~私を信じて~」のカバーも収録。最初、トランシーなイントロが流れて来て、原曲まんまな路線を無理やりカバーするのはおもしろいと思ったら、途中からバンドサウンドベースのスカのリズムによりカバーに。これはこれでおもしろかったのですが、原曲そのままなユーロビートでのカバーもおもしろかったかも(笑)。

評価:★★★★

MONGOL800 過去の作品
愛彌々(MONGOL800×WANIMA)
LAST PARADISE
愛彌々2(MONGOL800×WANIMA)

BAND-AID/The Ravens

Bandaid_ravans

Dragon AshのKj率いるThe Ravansの4枚目となるアルバム。メランコリックなメロディーラインを前面に出した作風で、メロディーラインにはインパクトも感じられれますが、全体的に似たようなタイプの曲が多く、正直、目新しさは感じません。ラテンのテイストを取り入れつつ、メランコリックなメロを前面に押し出す方向性は、ここ最近のKjっぽい感じなのですが、新機軸は感じられず、全体的に平凡な感じが否めない作品でした。

評価:★★★

The Ravens 過去の作品
ANTHEMICS
SCARECROWS

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「アルバムレビュー(邦楽)2026年」カテゴリの記事

コメント

>2014年、ある高校生バンドの音源が
とありますが、2024年のタイプミス?

投稿: | 2026年8月17日 (月) 01時02分

失礼しました。修正しました。ご指摘ありがとうございました。

投稿: ゆういち | 2026年8月19日 (水) 14時09分

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