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2026年8月 9日 (日)

音楽で登山

Title:スーパー登山部
Musician:スーパー登山部

今回紹介するのは名古屋を拠点に活動し、現在、もっとも注目を集めているインディーポップバンドと言えるスーパー登山部。「登山部」という名前の通り、全員が実際に登山を行い、山小屋などでもライブを行うなど、その活動のユニークさでも注目を集めているようです。ただ一方、音楽性でも高い評価を受けており、特に本作に収録されている「燕」はかの蔦谷好位置が年間ベストとして選んだことでも話題となるなど、現在、高い注目を集めています。

そんな彼女たちの奏でる楽曲は、ソフトロックやシティポップ、フォークを基調とした爽快なポップチューン。そんな楽曲を歌うボーカルHinaの透明感あふれる声が大きな魅力となっています。前述の「燕」はピアノや軽快なドラムのリズムで爽やかなポップチューン。爽快感ある楽曲ともマッチするような前向きな希望に満ちた歌詞も特徴的。「意志拾い」は男女デゥオでフォーキーな作風となっていますし、「ITAI」ではピアノ中心にミディアムテンポで聴かせつつ、後半では美しい歌声で力強く歌い上げるスケール感あるナンバーになっています。

かと思えば「ハイライト」は疾走感あるバンドサウンドを聴かせる比較的ロック色の強いナンバーなどもあったり、TENDREが参加している「樹海」は、メロウなR&B風の曲になったり、さらに、終盤の「スーパー銭湯もある」では裏打ちのリズムで脱力感のある楽曲となったりとバラエティー豊富に展開。前述の通り、ソフトロックやシティポップ、フォークなどを軸につつつも、バラエティーある展開に、彼女たちの音楽性の広さを感じさせます。

さらにこのアルバムでユニークなのは、アルバム全体を通じて、音楽で登山を体験できるような構成になっている点でしょう。1曲目はオープニング的な「Departure」でスタート。続く「Breathe」で一息ついた後、山道でみかけた「燕」に元気をもらいながら、「頂き」にたどり着きます。ただ、「頂きと思って近付くと/道まだ続く」といっており、この登山はまだまだ続くことを感じさせます。

そして中盤には「ハイライト」と続き、「樹海」はもう帰り道でしょうか。ちょっと寒い季節のようで「木枯らし」に出会った後、山から下りた後は、まさに「スーパー銭湯もある」で疲れた身体を癒す、といった感じでしょう。最後は「風を辿る」でこの登山の総括といった感じ。楽曲的にも爽やかなソフトロックで、このアルバムを通じて感じるスーパー登山部らしさを体現化した曲となっています。

今回のアルバムは基本的に彼女たちがいままで発表してきた曲を収録した内容となっており、いままでの活動の集大成的なアルバムになっているそうです。どの曲も非常に爽やかなポップが並んでおり、まさに優しい木陰の下で、山頂に向かってピクニックしているような、そんな雰囲気を感じさせます。ここでも何度か紹介している鈴木実貴子ズといい彼女たちといい、名古屋では今、生きのいいインディーバンドが続々と出てきているようですね。地元ということでも応援したいところですが、それを差し引いても文句なしに注目したいバンドなのは間違いありません。本作も年間ベストクラスの傑作。これから、もっともっと注目が集まりそうな予感のする傑作でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

三者山羊/Chevon

最近、注目をあつめている3ピースバンドChevonのメジャーデビュー作。バンド名「Chevon」とは「成熟したヤギの肉」の意味だそうで、このバンド名といい、やけに「ヤギ」がらみが多いのはボーカルの名前が谷絹(ヤギヌ)茉優だからみたいです・・・。今回はじめて聴いたのですが、基本的にメランコリックなメロディーラインが特徴的。バンドサウンドはファンキーな曲やちょっとメタル入ったヘヴィーな曲までバラエティー富んでいる点はユニーク。和風な味付けをされた曲もあったりと、サウンドの面白さを感じます。ただ一方、メロディーラインについてはちょっと哀愁メロに頼りすぎで一本調子な部分も。ここらへん、今後の成長に期待したいところです。

評価:★★★★

1996 30th anniversary edition/坂本龍一

坂本龍一の過去の作品をピアノ、ヴァイオリン、チェロによるトリオ編成で再録音したコンピレーションアルバム。タイトル通り、1996年にリリースした作品で、リリース30周年を記念してリマスタリングが行われ、再発されました。2012年にアメリカでリマスター盤がリリースされ、その際、16曲目が坂本龍一本人の意向で「Bring them home」から「Self Portrait」に入れ替わっていますが、本作も基本的にそのリマスター盤に沿った内容となっています。

「Merry Christmas Mr.Lawrence」など、おなじみの楽曲も収録されたコンピ盤で、全面的にピアノとストリングスによるメランクリックでメロディアスな作品が特徴的。おそらく、坂本龍一を詳しく知らない人は、坂本龍一といったら、こういう作品かYMOの楽曲を思い起こしそうな感じなのですが、それはそうとして、やはり教授の書くメロディーラインは非常に美しくて魅力的。もちろん、文句なしの傑作アルバムと言えるでしょう。

評価:★★★★★

坂本龍一 過去の作品
out of noise
UTAU(大貫妙子&坂本龍一)
flumina(fennesz+sakamoto)
playing the piano usa 2010/korea 2011-ustream viewers selection-
THREE
Playing The Orchestra 2013
Year Book 2005-2014
The Best of 'Playing the Orchestra 2014'
Year Book 1971-1979
async
Year Book 1980-1984

ASYNC-REMODELS
Year Book 1985-1989
「天命の城」オリジナル・サウンドトラック
BTTB-20th Anniversary Edition-
BLACK MIRROR : SMITHEREENS ORIGINAL SOUND TRACK
Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020
12
サウンドトラック「怪物」
TRAVESIA RYUICHI SAKAMOTO CURATED BY INARRITU
The Best of Tohoku Youth Orchestra 2013~2023(東北ユースオーケストラと坂本龍一)
Opus
エナジー風呂(U-zhaan&Ryuichi Sakamoto feat. 環ROY×鎮座DOPENESS)

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