オリジナルに忠実に、演奏は大幅に進化
Title:RELOAD BEST
Musician:PERSONZ
女性ボーカルで、それ以外のメンバーが男性というバンド、以前はかなり王道パターンの組み合わせだったのですが、最近はかなり減ったような印象を受けます。現在活動中で、一定以上の人気のあるバンドというと、ポルカドットスティングレイとパスピエくらいでしょうか。おそらく、以前に比べて女性が自らバンドを組んだり、楽器を演奏したりというスタイルが増え、バンドの中の「アイドル」的に、ボーカルとして女性を祭り上げるようなスタイルが減ったからではないかと思われます。緑黄色社会のように、女性ボーカルでも楽器隊に女性メンバーが加わるというスタイルも増えています。
そんな女性ボーカル+男性メンバーという「王道」スタイルのバンドとして語られるのが、レベッカ、LINDBERG、JUDY AND MARY。いずれも80年代から90年代にかけて一世を風靡したバンドです。そして、今回紹介するPERSONZもそんなバンドの一組。1989年に「DEAR FRIENDS」がヒットを記録し、人気を博しました。ただ、残念ながら、女性ボーカル+男性メンバーというスタイルのバンドの中で、先の3組に比べると語られる機会がちょっと乏しい感も否めません・・・。正直なところ、アルバム単位ではヒットを続けていたのですが、シングル単位では「DEAR FRIENDS」に続く大きなヒットに恵まれなかった点もその理由かもしれません。実際、私自身、「DEAR FRIENDS」がヒットした時はリアルタイムで聴いていませんでしたし、90年代、私が中高生の頃に彼らの曲をリアルタイムではあまり聴いた記憶はありません。
ただ彼らは、一時期ほど話題になることはなくなりましたが、80年代から現在まで、途中休止することなく、現在まで活動を続けています。特に1992年にはギターの本田毅が脱退したものの、2002年より復帰。現在は再びオリジナルメンバーでの活動となっており、現在に至っているそうです。
本作は、そんな彼らの80年代から90年代にかけての代表曲を収録したベストアルバム。「RELOAD BEST」というタイトルの通り、オリジナルメンバーとなった現在のメンバーによって再録音した曲になっています。そこで感じるのはバンド全体としての演奏能力、特にボーカルJILLの歌唱力が大幅にアップしているという点。特に今回、比較検討もあって、本作にも収録されている「DEAR FRIENDS」のオリジナル音源についてもあらためて聴いてみたのですが、正直、オリジナルの方は、声の安定感もなく、正直なところ「上手い」と言えるかどうか、微妙な感がありました。ただ、今回の再録バージョンは声の安定感はもちろんのこと、そこに表現力も加わり、さらにもともと持っていた声量が加わり、間違いなく絶品と言える水準のボーカルを聴くことが出来ます。
加えて現在66歳という年齢ながらも、高音部もしっかりと出ており、年齢的な衰えは一切感じさせません。若い頃の彼女の持ち味はそのままに、年齢を経た魅力が加わった感があり、ボーカリストとして精進を続けてきた感がわかる、その声を聴かせてくれます。
一方、楽曲については、良くも悪くも80年代後半の、90年代J-POP成立直前のビートロックの王道といった感じ。ハードロックの影響を感じさせつつも、ゴリゴリのハードなバンドサウンドをポップに薄め、メロディーラインは耳なじみやすいポップなスタイルに仕上げています。今回の作品、アレンジ的にはほぼ原曲に忠実に仕上げており、音的には多少現代風にはなっているものの、大きな変化はありません。そのため、今の耳で聴くとちょっと時代性を感じてしまう部分はあるのですが、リアルタイムに聴いてきたファンからすると、懐かしさを感じるでしょう。例えば「7COLORS(Over The Rainbow)」のイントロのギターなど、まさにこの時期のJ-POPにありがちなフレーズ。今回、新曲として「DISCOVERY JAPAN 47」が収録されているのですが、こちらの曲もまんま80年代ビートロックといった感じで、良くも悪くも、あの頃のPERSONZのスタイルが続いています。私のようにリアルタイムで彼女たちの楽曲に触れてこなかった人にとっても、80年代90年代J-POPに慣れ親しんだ身としては非常に懐かしさを感じさせる曲が並んでいました。
そういう意味では、JILLのボーカルやバンドの演奏力は大幅にアップしている一方、楽曲的には目新しさを感じさせませんし、良くも悪くも時代性を感じさせる曲が並んでいます。楽曲的にも、こちらも良くも悪くも「売れ線J-POP」という印象も否めず、当時の視点からしても革新的といった印象はあまりありません。ただ、とはいえ中高生の頃からJ-POPを聴いてきたアラフィフ世代にとっては、オリジナルをリアルタイムで聴いてきていなくても懐かしさを感じさせるような曲ばかりで、非常にリスナーの壺をついたポップスが並んでいました。そういう意味で、評価は想い出補正込みの評価で。懐かしさもあって、一度、ライブも見てみようかなぁ。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
JAMBO JAPAN/ザ・クロマニヨンズ
前作から約1年8ヶ月。結成以来、ほぼ1年に1枚ペースでアルバムをリリースし続ける彼らにしては、ちょっとだけ久しぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムでは、なんとマーシーが、ザ・クロマニヨンズとしては初となるリードボーカルを担当し、話題に。全体的にはいつものクロマニヨンズ路線の、大いなるマンネリといった印象も受けるロックンロールですが、マーシーのリードボーカルでちょっとだけ変化も感じさせる作品に。マーシーボーカル曲は2曲もあるのですが、そのうち1曲「チャンバラ」では、戦国時代、三方ヶ原の戦いの徳川家康にまつわる有名なエピソードを織り込んでおり、直感的な歌詞の中にちょっとした教養が感じられる点がユニーク。いろいろな面で彼ららしさを感じさせる新作でした。
評価:★★★★
ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~
GUMBO INFERNO
JUNGLE9
BIMBOROLL
ラッキー&ヘブン
レインボーサンダー
PUNCH
ザ・クロマニヨンズ ツアー PUNCH 2019-2020
MUD SHAKES
SIX KICKS ROCK&ROLL
MOUNTAIN BANANA
ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA 2023
HEY!WONDER
From Now to Then/SEAMO
約4年11か月ぶり、ちょっと久々となるSEAMOのニューアルバム。今回、ソニーミュージックから3度目となるメジャーデビューを果たしたそうで、新たな一歩ということもあるのでしょう、「ルパン・ザ・ファイヤー」「マタアイマショウ」「a love story」など、過去の彼の代表曲と、新曲が混在した、ベスト+オリジナルアルバムという形態になっています。結果として、ロック風な曲やエレクトロのナンバー、メランコリックな楽曲や、さらにある意味彼のルーツとも言えるエロ歌詞の曲まで、全体的にポップながらもバラエティー豊富な曲調になっています。この「バラエティー豊富」というのは、曲のジャンルというだけではなく、楽曲の出来不出来も含むので、そういう意味でもバラバラな感が。そこらへんを含んで、SEAMOらしいと言えるのでしょうが。
評価:★★★★
SEAMO 過去の作品
Round About
Stock Delivery
SCRAP&BUILD
Best of SEAMO
5WOMEN
MESSENGER
ONE LIFE
コラボ伝説
REVOLUTION
TO THE FUTURE
LOVE SONG COLLECTION
THE SAME AS YOU(SEAMO&AZU)
ON&恩&音
続・ON&恩&音
Moshi Moseamo?
Glory
Wave My Flag
PERFECT SEAMO
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