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2026年5月

2026年5月31日 (日)

オリジナルに忠実に、演奏は大幅に進化

Title:RELOAD BEST
Musician:PERSONZ

女性ボーカルで、それ以外のメンバーが男性というバンド、以前はかなり王道パターンの組み合わせだったのですが、最近はかなり減ったような印象を受けます。現在活動中で、一定以上の人気のあるバンドというと、ポルカドットスティングレイとパスピエくらいでしょうか。おそらく、以前に比べて女性が自らバンドを組んだり、楽器を演奏したりというスタイルが増え、バンドの中の「アイドル」的に、ボーカルとして女性を祭り上げるようなスタイルが減ったからではないかと思われます。緑黄色社会のように、女性ボーカルでも楽器隊に女性メンバーが加わるというスタイルも増えています。

そんな女性ボーカル+男性メンバーという「王道」スタイルのバンドとして語られるのが、レベッカ、LINDBERG、JUDY AND MARY。いずれも80年代から90年代にかけて一世を風靡したバンドです。そして、今回紹介するPERSONZもそんなバンドの一組。1989年に「DEAR FRIENDS」がヒットを記録し、人気を博しました。ただ、残念ながら、女性ボーカル+男性メンバーというスタイルのバンドの中で、先の3組に比べると語られる機会がちょっと乏しい感も否めません・・・。正直なところ、アルバム単位ではヒットを続けていたのですが、シングル単位では「DEAR FRIENDS」に続く大きなヒットに恵まれなかった点もその理由かもしれません。実際、私自身、「DEAR FRIENDS」がヒットした時はリアルタイムで聴いていませんでしたし、90年代、私が中高生の頃に彼らの曲をリアルタイムではあまり聴いた記憶はありません。

ただ彼らは、一時期ほど話題になることはなくなりましたが、80年代から現在まで、途中休止することなく、現在まで活動を続けています。特に1992年にはギターの本田毅が脱退したものの、2002年より復帰。現在は再びオリジナルメンバーでの活動となっており、現在に至っているそうです。

本作は、そんな彼らの80年代から90年代にかけての代表曲を収録したベストアルバム。「RELOAD BEST」というタイトルの通り、オリジナルメンバーとなった現在のメンバーによって再録音した曲になっています。そこで感じるのはバンド全体としての演奏能力、特にボーカルJILLの歌唱力が大幅にアップしているという点。特に今回、比較検討もあって、本作にも収録されている「DEAR FRIENDS」のオリジナル音源についてもあらためて聴いてみたのですが、正直、オリジナルの方は、声の安定感もなく、正直なところ「上手い」と言えるかどうか、微妙な感がありました。ただ、今回の再録バージョンは声の安定感はもちろんのこと、そこに表現力も加わり、さらにもともと持っていた声量が加わり、間違いなく絶品と言える水準のボーカルを聴くことが出来ます。

加えて現在66歳という年齢ながらも、高音部もしっかりと出ており、年齢的な衰えは一切感じさせません。若い頃の彼女の持ち味はそのままに、年齢を経た魅力が加わった感があり、ボーカリストとして精進を続けてきた感がわかる、その声を聴かせてくれます。

一方、楽曲については、良くも悪くも80年代後半の、90年代J-POP成立直前のビートロックの王道といった感じ。ハードロックの影響を感じさせつつも、ゴリゴリのハードなバンドサウンドをポップに薄め、メロディーラインは耳なじみやすいポップなスタイルに仕上げています。今回の作品、アレンジ的にはほぼ原曲に忠実に仕上げており、音的には多少現代風にはなっているものの、大きな変化はありません。そのため、今の耳で聴くとちょっと時代性を感じてしまう部分はあるのですが、リアルタイムに聴いてきたファンからすると、懐かしさを感じるでしょう。例えば「7COLORS(Over The Rainbow)」のイントロのギターなど、まさにこの時期のJ-POPにありがちなフレーズ。今回、新曲として「DISCOVERY JAPAN 47」が収録されているのですが、こちらの曲もまんま80年代ビートロックといった感じで、良くも悪くも、あの頃のPERSONZのスタイルが続いています。私のようにリアルタイムで彼女たちの楽曲に触れてこなかった人にとっても、80年代90年代J-POPに慣れ親しんだ身としては非常に懐かしさを感じさせる曲が並んでいました。

そういう意味では、JILLのボーカルやバンドの演奏力は大幅にアップしている一方、楽曲的には目新しさを感じさせませんし、良くも悪くも時代性を感じさせる曲が並んでいます。楽曲的にも、こちらも良くも悪くも「売れ線J-POP」という印象も否めず、当時の視点からしても革新的といった印象はあまりありません。ただ、とはいえ中高生の頃からJ-POPを聴いてきたアラフィフ世代にとっては、オリジナルをリアルタイムで聴いてきていなくても懐かしさを感じさせるような曲ばかりで、非常にリスナーの壺をついたポップスが並んでいました。そういう意味で、評価は想い出補正込みの評価で。懐かしさもあって、一度、ライブも見てみようかなぁ。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

JAMBO JAPAN/ザ・クロマニヨンズ

前作から約1年8ヶ月。結成以来、ほぼ1年に1枚ペースでアルバムをリリースし続ける彼らにしては、ちょっとだけ久しぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムでは、なんとマーシーが、ザ・クロマニヨンズとしては初となるリードボーカルを担当し、話題に。全体的にはいつものクロマニヨンズ路線の、大いなるマンネリといった印象も受けるロックンロールですが、マーシーのリードボーカルでちょっとだけ変化も感じさせる作品に。マーシーボーカル曲は2曲もあるのですが、そのうち1曲「チャンバラ」では、戦国時代、三方ヶ原の戦いの徳川家康にまつわる有名なエピソードを織り込んでおり、直感的な歌詞の中にちょっとした教養が感じられる点がユニーク。いろいろな面で彼ららしさを感じさせる新作でした。

評価:★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~
GUMBO INFERNO
JUNGLE9
BIMBOROLL
ラッキー&ヘブン
レインボーサンダー
PUNCH
ザ・クロマニヨンズ ツアー PUNCH 2019-2020
MUD SHAKES
SIX KICKS ROCK&ROLL
MOUNTAIN BANANA
ザ・クロマニヨンズ ツアー MOUNTAIN BANANA 2023
HEY!WONDER

From Now to Then/SEAMO

約4年11か月ぶり、ちょっと久々となるSEAMOのニューアルバム。今回、ソニーミュージックから3度目となるメジャーデビューを果たしたそうで、新たな一歩ということもあるのでしょう、「ルパン・ザ・ファイヤー」「マタアイマショウ」「a love story」など、過去の彼の代表曲と、新曲が混在した、ベスト+オリジナルアルバムという形態になっています。結果として、ロック風な曲やエレクトロのナンバー、メランコリックな楽曲や、さらにある意味彼のルーツとも言えるエロ歌詞の曲まで、全体的にポップながらもバラエティー豊富な曲調になっています。この「バラエティー豊富」というのは、曲のジャンルというだけではなく、楽曲の出来不出来も含むので、そういう意味でもバラバラな感が。そこらへんを含んで、SEAMOらしいと言えるのでしょうが。

評価:★★★★

SEAMO 過去の作品
Round About
Stock Delivery
SCRAP&BUILD
Best of SEAMO
5WOMEN
MESSENGER
ONE LIFE
コラボ伝説

REVOLUTION
TO THE FUTURE
LOVE SONG COLLECTION

THE SAME AS YOU(SEAMO&AZU)
ON&恩&音
続・ON&恩&音

Moshi Moseamo?
Glory
Wave My Flag
PERFECT SEAMO

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2026年5月30日 (土)

森、道、市場 2026 その3

その2から

Daoko@SAND STAGE

掟ポルシェのDJを途中で切り上げて、再びSAND STAGEへ。17時50分からのDaokoのステージを見に行きます。Daokoのステージを見るのが今回はじめて。ステージは彼女と、ドラム、マニピュレーターの3名というスタイルでの比較的シンプルな構成でのステージとなっていました。

最初は「やさしいかみさま」「アクト」と軽快なナンバーからスタートし、ライブは盛り上がります。さらには「MAD」「やんやん」と、こちらはいずれも強いビートでのリズミカルなナンバー。序盤からアップテンポな曲の連続で、身体が自然に踊りだしてきます。ライブは最初からハイテンションで、非常に高揚感のあるライブとなっています。

「Affordance Remix」も、ミディアムテンポながらもリズミカルなナンバーで、こちらも心弾みます。さらには「いいよ」では、彼女のキュートな歌声を存分に聴かせるようなポップチューン。彼女の歌声は清涼感のあり、かわいらしい声が特徴的で、この曲は聴いていて、ちょっと「キュン」となるような(笑)ステージでした。

さらには「みなさまへのラブソングです」というトークから「きみ」へと続き、さらに「COMIT COMET」と、こちらはキュートなナンバーが続き、前半がリズミカルなエレクトロビート主導のクラブ色が強いナンバーになっていたのに対して、中盤から後半に至っては、Daokoのかわいらしさ、ポップスさを押し出した構成となっていました。

そして終盤には大ヒット曲で彼女の代表曲「打上花火」へ。この曲のイントロが流れると、いままで遠巻きに見ていた人たちも前へゾロゾロと移動し、ヒット曲の持つ威力を感じさせます。もちろん、ステージはその歌声をしんみりと聴かせてくれ、夕方となって涼しくなってきた海岸沿いのSAND STAGEへの雰囲気はピッタリ。その歌声にしばし聴き入ります。

さらにラストは「水星」へ。再びアップテンポなナンバーで最後に会場は盛り上がります。ちなみに最後の曲だけ写真撮影可だったので、スマホを向ける方も。

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最後まで盛り上がったステージ。クラブ系のアップテンポなナンバーや彼女のキュートな歌声を聴かせるポップなナンバーなどで、非常に楽しめたステージになっていました。今回、はじめてのライブだったのですが、また彼女のステージは是非とも見に行きたい!そう感じたパフォーマンスでした。

岡村靖幸@GRASS STAGE

そして、初日のメインステージ、GRASS STAGEのトリを飾ったのが岡村靖幸。岡村ちゃんのライブを見るのは2024年の岡村和義でのステージ以来、またワンマンとしては2011年以来、久々のステージとなりました。

メインステージの最後ということで、もちろん多くの観客がつめかける中、ライブはスタート。最初は「できるだけ純情でいたい」からスタート。最初はミディアムテンポのナンバーながらも、岡村ちゃんはキレッキレのダンスを見せてくれます。岡村ちゃんは今年還暦(!)にも関わらず、年齢を感じさせないキレキレのダンスに、まずは驚かされます。

続いては「揺れるお年頃」へと続き、さらには、スーツをきたダンサーが2人登場して3曲目・・・と思ったのですが、ここで機材トラブルが発生。打ち込みの音が途中で切れてしまいました。どうなるかと思いきや、ここで急遽MCパートへ。岡村ちゃんはワンマンの時は基本的に本人は歌に載せてしか言葉を発しない、というスタンスなので、岡村ちゃんの心の声担当(要するにMC担当)のサックスの上杉雄一のMCコーナーとなりました。

MCでは、「岡村ちゃんのライブにはじめての人~!」という問いかけ。こちらはかなりの数が手があがりました。さらに「交換日記をやったことある人~!」という呼びかけにはチラホラ。ただ「相手が異性だった人~!」はほとんど手があがりませんでした・・・本当?ただ、今時、交換日記はもう流行らないのかも・・・。

そんなMCが続いて、ようやく機材トラブルがクリア。スーツを着たダンサー2人を加えて「彼氏になって優しくなって」へ。さらに、ここでいきなりDaokoが登場し、「ステップアップLOVE」に。Daokoは直前にパフォーマンスを行っていただけに、登場は予想していたのですが、もちろん彼女の登場は大盛り上がり。この曲も大ヒットしたナンバーだけに、会場のテンションも大きくあがります。

さらに「ハレンチ」でリズミカルで聴かせて盛り上げ、再びMCに。上杉雄一が再び登場し、岡村ちゃん本人は一度舞台袖に下がります。次のMCでは次のライブのアナウンス。また、「みんなで手を振るような曲が出てくるかも」ということで、「みなさんで左からスタートさせるように一致させましょう」と練習をしました。

そして再び岡村ちゃんが登場。今回はギターをかかえてのステージとなり、往年の代表曲「おの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔をするだろう」で、さきほどの練習の通り、みんなで手を振り、盛り上がります。さらには「だいすき」と、いずれも80年代のヒット曲が続き、大盛り上がりの中でライブは一度幕を下ろします。

もちろん盛大なアンコールへ。やがて再びメンバーが登場し、アンコールへと続きます。アンコールでは小出祐介とのコラボ曲「愛はおしゃれじゃない」へ。こちらは最新の曲ということで、会場はワッと盛り上がります。さらに、アニメ「スペース☆ダンディ」の一シーンを彷彿とさせるアナウンスが流れ、「ビバナミダ」へ。会場のテンションは最高潮のうちにステージは幕を下ろしました。

岡村ちゃんのライブ、非常に楽しかったです。何よりも、岡村ちゃんのキレキレのダンスがカッコよく、現在、還暦ということが信じられないほどの現役感あふれるパフォーマンスでした。また、感心したのが今回のセットリスト、ほとんど2010年代以降の曲だったということ。アンコール2曲も2010年代以降のナンバーで、80年代から活躍している彼ですが、現在もまだバリバリの現役ミュージシャンであり、かつ若い世代にまでしっかりとアピールしていることを感じるセットリストでした。

岡村ちゃんのライブが終わった後は、帰りはシャトルバスを使うと時間がかかりそうだったため、最寄りの三河大塚駅まで徒歩で移動。20分強かかって、駅まで到着し、帰宅しました。

久々の大型フェス参加、かつ久々の「森、道、市場」への参加となりましたが、とても楽しい1日となりました。以前の森道からそうだったのですが、音楽のステージだけではなく、マーケットもメインだったため、音楽以外の部分も楽しく、さらに音楽以外のイベントも多く開催されており(一部、ラグナシアのアトラクションも稼働していました)、まさに「フェス」感のあるイベントとなっていました。

また、今回の「森、道、市場」はチケットが完売となり、そのためかなり多くの来場者であふれかえっていたのですが、会場が非常に広く、来場者が多くても、あまり不快感はありません。店も多かったため、一部の店舗では行列が出来ていたものの、店を選ばなければ、飲食にも容易にありつける状況。トイレについてもそれなりの数が設置されており、こちらもあまり多く待たされることもありませんでした。

さらにこの日の天気は、雲が多く、ほぼ終日、太陽が雲に隠れていたのですが、白い雲を通じて日は差している状況。そのため、空は明るいものの、日焼けは気にしなくてもいいような状況。気温も最高気温25度程度ということで、半袖1枚で不快なく過ごせるような状態。夜は海風がちょっと寒かったのですが、それでも半袖でも十分過ごせる程度の涼しさ。そういう意味では非常に理想的な、「フェス日和」といった感じで、1日、快適に過ごすことが出来ました。

唯一、ストレスを感じたのが、行きのバスくらい。あと気になったのは、帰りの三河大塚までの徒歩移動に関して、幹線道路沿いで、かつ歩道が狭い道を歩かなくてはいけなく、途中、信号のないところを横断している人も目立ったのですが、スタッフの誘導などがほとんどなかった点。また、広い会場なのですが、会場内で案内図などがなく、慣れないとちょっと迷ってしまいそうな感じになっているのも気にかかりました。

そこらへん、気になる分はあったのですが、総じて終日ストレスなく過ごせる、最高の環境でのとても楽しいフェスでした。向井秀徳やDaoko、岡村ちゃんのようなお目当てのライブもよかったし、はじめて見たステージでの出会いもありましたし、あらためて音楽フェスの楽しさを実感できた1日でした。また来年も行きたいです!

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2026年5月29日 (金)

森、道、市場 2026 その2

その1から

坂本美雨 With 伊藤ゴロー@MORI.MICHI.ART THEATER

次の坂本美雨のステージは、もともとラグナシアの中の「セロシアホール」と名付けられたホール。そのため、エアコンも効いた室内で、快適な環境で見ることが出来ました。ちょうどよいライブハウスみたいな感じ。

Morimichi_sakamoto

この日は坂本美雨と、ギター、ピアノでの3人のステージ。今回は坂本美雨とギタリストの伊藤ゴローとの共演というスタイルなのですが、なんとピアノで参加しているのは伊藤タローという、伊藤ゴローの息子なのだとか。親子共演のステージとなりました。

坂本美雨は(おそらく)ライブを見るのは今回がはじめて。この日は「風の谷のナウシカ」で伸びやかな歌声を披露した後、「家族の歌」という曲を披露。こちらは母親と自分と娘の歌だとか。「母親とはうまくいかないこともありましたが・・・」と、親子の関係を垣間見れるようなトークも。さらには、「子供の頃に、親が自分に残してくれた歌」ということで、「in aquascape」に。こちらは言うまでもなく坂本龍一作詞作曲の楽曲。ご存知の通り、彼女は坂本龍一、矢野顕子の娘なのですが、この2人の間の子供ということを意識した構成となっていました。

さらには今度、アルバムがリリースされる話から、新曲「食卓」へ。この曲では、歌詞で言いたいことを書きすぎてしまったため、森山直太朗に協力を依頼し、彼が清書したため、共作となったということ。2世ミュージシャン同士、仲がいいんだ・・・と思いました。

Morimichi_sakamoto2

さらには、さきほどまでステージに出ていた奇妙礼太郎が参加。2人で「ネバーエンディングストーリー」を披露してくれました。ちなみに、ラジオ番組の中で、一緒に歌おうということになったものの、事前に練習をしていなければ、曲のどのパートをそれぞれ担当するのかも決めていなかったため、正直、ちょっとグダグダな感じも。ただ、ここらへんの天然ボケが入ったやっつけな感じが、なんとなく、母親ゆずりのような印象も(?)

さて、そんな坂本美雨、今回はじめてステージを見たのですが、その清涼感あふれる歌声に耳を奪われました。とにかく、その歌声が美しくて魅力的。彼女は前述の通り、いわば2世タレント。一時期、この有名ミュージシャンの2世タレントが多くデビューし、そしてほとんど消えていったのですが、そんな中、彼女は数少ない生き残り。ただ、この歌声を聴くと、なんで彼女が生き残ったのか、かなり納得が出来た、そんな魅力的なステージでした。

ピーナッツくん@遊園地STAGE

で、次は掟ポルシェを見ようと、DISCO STAGEに移動したのですが、ちょうど遊園地STAGEでピーナッツくんのステージの最中だったので、せっかくだったので見てみることにしました。ピーナッツくんは、もともとVTuberらしいのですが、この日は大きなピーナッツの着ぐるみを着てのステージ。そこにDJがひとり加わるというスタイルでした。

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私が会場についた時に演奏していたのは、ソウルでメロウな雰囲気の曲。終わった後に、「まるで夜みたいだったでしょ、夜遊びしているみたいだったでしょ」というMCから、YOASOBIといえば・・・ということで、幾田りらとコラボした「TIME TO LUV」へ。もちろん、幾田りらはこれず、彼女のパートは録音でしたが、必死に「幾田りらを感じて~~!」とユーモラスに叫んでいました。

途中参加だったので、3、4曲程度しか聞けなかったのですが、ピーナッツくん自体のボーカルに、強いエフェクトをかけて、さらに強いビートをのせた、今風のビートミュージックといった感じ。全体的にメロウでポップな感じの曲調となっていて、コミカルな外見に反して、かなり「大人」な雰囲気の強いミュージシャンでした。一応、ピーナッツくんという名前くらいは知っていたという程度で、音は今回はじめて聴いたのですが、思っていたよりいい感じで楽しめました。こういう出会いがあるのが、この手の音楽フェスのいいところですね。

BBBBBBB@MORI.MICHI.DISCO STAGE

その後は小腹が空いたので、カレーを食べつつ、ビールを飲んで、心地よく腹を満たします。その時、DISCO STAGEから聴こえてきたのが、BBBBBBBというバンドのステージでした。

Morimichi_bbbbbbb

見ての通りの、かなり怪しいいで立ちの男性2人組ユニット(ちなみに、こちらは終盤の模様なので、バックでは次の掟ポルシェが準備をしています)。楽曲はデジタルハードコアといった感じで、これでもかというほどの強烈なデジタルのビートに、この怪しい2人組がシャウトしまくっている感じのステージ。インパクトだけはとにかく強いステージで、印象に残りまくったステージ。最後の方の1、2曲を見ただけですが、非常に印象に残るパフォーマンスでした。

掟ポルシェ@MORI.MICHI.DISCO STAGE

そのままDISCO STAGEの掟ポルシェへ。最初、同時間帯にGRASS STAGEで行われていたKroiのステージと迷ったのですが、こちらがおもしろそうだったので参加。ただし、Daokoのライブも見たかったので、途中までとなりましたが。

Morimichi_okite1

その掟ポルシェはDJプレイとなった訳ですが、「これからの時代はDJだ!」と叫んだかと思うと、さらに「人の曲でごめんなさい」「おわびにアルフォードを持ってきました!」といって、ビニール袋からアルフォードを取り出して、観客にお菓子を投げ始めました。

Morimichi_okite2

プレイした楽曲は、アイドルソングやアニメソングで、特に「電波ソング」と呼ばれるような癖の強い曲を、大音量で流しまくります。わかった範囲では、ミニモニ。の「アイ~ン体操」や、ふなっしーの曲が流れていました。さらに、その曲の最中、掟ポルシェはお菓子を配ったり、さらに下に降りてきて、客を煽りまくったりと、とにかく、ユーモラスなパフォーマンスが魅力的。終始、テンションあがりまくりのステージで、とにかく楽しい!かなりユーモラスで楽しめたDJプレイでした。また、彼のDJに、参加してみたいなぁ。

その3へ

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2026年5月28日 (木)

BTS、HANAは今週もベスト3に

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

まずBTSとHANAは今週もベスト3をキープ。

BTS「ARIRANG」は今週も1位獲得。これで10週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒット&通算8週目の1位獲得。ストリーミング数も10週連続で1位となっています。一方、HANA「HANA」は3位にダウン。ただし、これで13週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒット。ストリーミング数も10週連続の2位と、特にストリーミング数は10週連続、BTSとHANAが1位2位で並ぶ結果となっています。

一方、その間を縫うように2位に初登場したのがRyosuke Yamad「Are You Red.Y?」。Hey!Say!JUMPの山田涼介による2枚目のソロアルバム。CD販売数1位、ダウンロード数2位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上11万7千枚で1位初登場。前作「RED」の初動11万5千枚(1位)から微増。

4位以下の初登場盤は韓国の男性アイドルグループZEROBASEONE「Ascend-」が5位初登場。日韓合弁の芸能事務所LAPONEエンタテイメント傘下のLAPONE GILRS所属の女性アイドルグループIS:SUEのデビューアルバム「QUARTET」が7位に初登場しています。

一方、ロングヒット盤では「超かぐや姫!」が2ランクダウンの6位。これで16週連続のベスト10ヒット。ヨルシカ「二人称」も2ランクダウンの8位。こちらは12週連続のベスト10ヒット。King&Prince「STARRING」も2ランクダウンの10位。こちらも通算21週目のベスト10ヒットとなりました。一方、Mr.Children「産声」は12位にダウンし、ベスト10ヒットは8週連続でストップ。また、Mrs.GREEN APPLE「ANTENNA」も11位にダウンし、ベスト10ヒットは通算68週で再びストップとなりました。

なお、先週ベスト10入りしたサカナクション「sakanaction」は今週も同順位の9位をキープ。こちらもロングヒットとなっていくのでしょうか。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

Heatseekers Songsは先週に引き続きOddRe:「睡る君」が1位獲得。ラジオオンエア数は今週1位にアップ。Hot100も30位までアップしてきています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

ボカロチャートもピノキオピー「歌姫失格」が2週連続で1位を獲得。ただ、2位はMIMI「ソラの議事録」、3位はEZFG「サンバーサンダーサイダー」と、いずれも初登場作がランクインしています。3位のEZFGは、今年4月に虫垂がんのため亡くなったことが先日、公表されました。本作は2011年に投稿され、再生回数380万回を超えるヒット作となった彼の代表作。追悼の意味も込めて注目が集まり、再度のヒットとなった模様です。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年5月27日 (水)

上位に食い込むサカナクション

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週、上位に躍進したサカナクション。今週の動向も気にかかりますが・・・

まず1位は秋元康系女性アイドルグループ日向坂46「Kind of love」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数6位、ストリーミング数15位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上44万8千枚で1位初登場。前作「クリフハンガー」の初動47万3千枚(1位)からダウンしています。

そして3位にはスターダストプロモーション所属の女性アイドルグループ超ときめき♡宣伝部「どりーむじゃんぼ」が初登場。CD販売数2位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上8万枚で2位に初登場しています。前作「ハートな胸の内♡」の初動8万2千枚(2位)より若干のダウンとなっています。

そして、この2作の女性アイドル系の新譜に挟まれる形で今週も2位をキープしたのがサカナクション「夜の踊り子」。ストリーミング数及び動画再生回数は2週連続の1位、ダウンロード数は2週連続の3位、さらにラジオオンエア数も12位まであがっていました。2012年の楽曲ですが、このまま今年を代表するヒット曲となるか?

4位以下初登場は9位にTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE「BLACK TOKYO」。CD販売数4位、ラジオオンエア数5位。オリコンでは初動売上1万2千枚で3位初登場。前作「BREAK IT DOWN」の初動1万9千枚(2位)よりダウンしています。

また今週、ベスト10返り咲き組も。King Gnu「AIZO」が先週の12位からランクアップし、4週ぶりのベスト10返り咲き。通算17週目のベスト10ヒットを記録。ストリーミング数は2週連続の8位を記録しています。

他のロングヒット曲はM!LK「好きすぎて滅!」が先週と変わらず4位をキープ。一方「爆裂愛してる」は3位から5位にダウン。「好きすぎて滅!」はストリーミング数が4位から2位にアップ。一方「爆裂愛してる」はストリーミング数が2位から4位にダウンと、両者が入れ替わる結果となりました。また、「好きすぎて滅!」はカラオケ歌唱回数が今週も1位となり、10週連続1位獲得を記録。これで「好きすぎて滅!」は25週連続、「爆裂愛してる」は15週連続のベスト10ヒットとなります。

米津玄師「IRIS OUT」は5位から6位にダウン。ストリーミング数3位、動画再生回数4位は先週から変わらず。これで36週連続のベスト10ヒットとなります。

Mrs.GREEN APPLE「lulu.」は9位から8位にアップ。こちらは通算17週目のベスト10ヒット。ただし「風と町」は今週12位にダウンしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年5月26日 (火)

久々の大型フェス参加!

森、道、広場 2026

日時 2026年5月22日(金) 会場 ラグーナビーチ/ラグナシア

久しぶりに大型の音楽フェスの参加してきました!愛知県蒲郡市にあるリゾート施設、ラグーナテンボスで毎年開催されている大型の音楽フェス、森、道、広場。このイベント自体、2012年の2回目、2013年の3回目、いずれもまだ、三ヶ根山ロープウェイ山麓駅跡周辺で開催されていた頃に足を運んだことがあったのですが、それ以来、実に13年ぶりとなる参加。中止になった4回目を挟んで、5回目以降、会場をラグーナテンボスに移しての開催となっていたのですが、そのラグーナテンボス移動後、初の参加となりました。

この日は12時半の君島大空のライブから行きたい、と思って会場に向かい、蒲郡駅についたのが11時頃。既に大勢の人がシャトルバスに並んでいたのですが、いままでの経験から、まあ30分くらいでバスには乗れるだろうなぁ・・・と思っていたのですが、思ったよりバスの本数が少なく、バスにのれたのが約1時間後・・・。さらに今回、初参加だったのですが、会場が思った以上に広い!!特に最初、SAND STAGEに迷ってしまい、なんとかSAND STAGEに到着した頃には既にライブははじまっていました・・・。

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君島大空@SAND STAGE

君島大空のライブは2023年のBABY Qで見て以来、これで2度目。この日もアコースティックギター1本でのステージとなっていました。しんみりとメランコリックなメロディーラインと、静かで美しい清涼感のあるハイトーンボイスの組み合わせが魅力的。SAND STAGEはラグーナビーチの砂浜を観客席として設置したステージで、すぐ後ろに海が見えるようなステージだったのですが、そんな環境にもピッタリくるような、爽やかさのあるパフォーマンスを聴かせてくれました。

ただ、そんなパフォーマンスと裏腹の超絶なアコギのテクニックを聴かせてくれるシーンなどもあり、これには観客からも大きな歓声も。途中、MCを挟みつつのステージだったのですが、ちょっと残念だったのが、MCの声がか細すぎて、ちょっと聴き取れないような部分も・・・。ここらへんも含めて、静かなパフォーマンスが君島大空らしい、といった感じなのでしょうか?

ステージは40分程度。タイムテーブルを見ると、13時20分頃までのステージの予定だったのですが、13時頃に「最後の1曲です」というMCに。もう終わりか・・・と思ったのですが、最後の1曲が長い・・・。ただ、あとでセットリストを見ると、「エルド」と「沈む体は空へ溢れて」の2曲を聴かせてくれていたらしく、結果、タイムテーブル通り、13時20分頃にライブは幕を下ろしました。

この段階で13時を過ぎていたので、いい加減お腹も空いて、昼食を。森、道、市場は、その名前の通り、音楽のみがメインではなく、「市場」もメインで、いろいろなお店が並んでいます。昔参加した時は、服や雑貨の店ばかりで、飲食系の屋台が少なかったのですが、さすがにこの日は飲食系の屋台もたくさん・・・なのですが、久々のフェス参加で以前の感覚よりも値段が爆上がりしており、高い(!!)。とりあえずはベトナムフォーとビールの組み合わせで昼食にありついたのですが、合計で2,400円也。うーん。ただ、とてもおいしかったのですが・・・。

で、次は13時半頃からHILL STAGEで大友良英のライブの予定だったのですが、HILL STAGEまで足を運ぶと、なんと、交通事情の影響で16時半に変更というアナウンスが。残念!次の向井秀徳アコースティック&エレクトリックまで、ちょっと時間をつぶします。

向井秀徳アコースティック&エレクトリック@SAND STAGE

一応、タイムテーブルの開始時間にあわせて、ちゃんとビールも確保してSAND STAGEに戻って来たのですが、残念ながらどうも既にステージはスタートしてしまった後のようで、最初の数曲は聴き逃してしまいました。で、私がステージに来たタイミングで、なんとナンバガ時代の代表曲「透明少女」を披露。これにはいきなりテンションがあがります。

もちろんその後は「祭りスタジオからやってきました/This Is 向井秀徳」とおなじみの自己紹介から、KIMONOSのナンバー「Yureru」、さらには「SAKANA」へと続き、独特のグルーヴ感に身体を揺らします。さらにその後のMCではおなじみのバーカウンターのアナウンスですが、この日は「バーカウンターはそこらじゅうにありますのでご安心ください」というアナウンスになっていました(笑)。

その後も「The Days of NEKOMACHI」と続き、再び「祭りスタジオから~」というアナウンスへ。さらにZAZEN BOYSの「はあとぶれいく」と続き、テンションも上がります。そして、ラストはなんとYUIの「CHE.R.RY」のカバーという意外すぎる選曲。シャウト気味の向井秀徳のボーカルもユニークなカバーだったのですが、この日、一番盛り上がったのがこの曲だった、というのはちょっと複雑な印象も・・・(苦笑)。ただ、向井秀徳らしい、独特の空気の中でのステージがとても楽しく、大満足のパフォーマンスでした。

奇妙礼太郎 with 野村友里@HILL STAGE

続いてはHILL STAGEに移動して、奇妙礼太郎のステージへ。奇妙礼太郎は2019年にあいちトリエンナーレのイベントで見た以来、ステージを見るのはこれが2度目となります。こちらも海をバックとしたステージで、芝生の上に座ってのんびりとした鑑賞となりました。

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奇妙礼太郎はちょっとくすんだ優しい雰囲気の歌声が魅力的。最初、彼がひとりでアコギをかかえてのステージ、と思ったのですが、ちょうどカーテンに隠れた後ろに、野村友里がパーカッションなどで参加していました。

ステージではまず奇妙礼太郎の「Life is Beautiful」「思い出の店」を聴かせてくれます。その後はカバー曲へ。最初「マイナーなバンドの曲をやります。ビートルズというバンドです」というユニークなMCから「Don't Let Me Down」へ。さらに同じく「マイナーなバンドの曲です。RADIOHEADというバンドです」という紹介から「No Surprises」へ。こちらは日本語詞でのカバーとなり、原曲のメロディーラインの良さを存分に生かしたメランコリックなカバーになっています。

さらには「マイウェイ」へと続きます。その後のMCでは「春だね~!夏だね~!間か??」という5月下旬の、暑くなってきたころならではのユニークな掛け声から「赤いスイートピー」のカバー。最後のサビの部分はみんなに合唱させます。さらに「私の青空」「オーシャンゼリゼ」のカバーと続きます。いずれも彼の優しい歌声を生かしたメランコリックなカバーになっており、しんみりと聴き入ります。最後の「オーシャンゼリゼ」では途中、「どんぐりころころ」や「カエルの歌」もはさむユーモラスもあふれるカバーになっており、最後まで非常に楽しめたパフォーマンスでした。

呂布カルマ VS トリプルファイヤー吉田 DJ:刃頭@LVRRY X BLH STAGE

で、この後は坂本美雨のステージに向かったのですが、その途中、LVRRRY ×BLH STAGEという場所で呂布カルマとトリプルファイヤー吉田というラップバトルが行われるということを知り、ちょっと興味がわき、その場所に向かっていました。

Morimiti_2026_3

ただ、ついてみると超満員。なんとか向こうの方にステージが見えるという程度。さらに予定時間がおくれており、16時頃にようやく出演者が登場し、ラップバトルとなりました。

そんな訳で、次の坂本美雨のステージを見るために、ちょっとだけしか見れなかったのですが・・・素人目から見ても、呂布カルマのフリースタイル、上手い!SNSの微妙な発言で、最近、時々炎上している彼ですが、ラッパーとしてのスキルはさすがな感じ。短い時間でしたが、あらためてラッパーとしての呂布カルマを見直したバトルでした。

その2へ

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ポピュラリティーと実験性のバランスが絶妙

Title:Girlfriend
Musician:Grace Ives

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アメリカはニューヨーク出身のシンガーソングライター、Grace Ivesの3枚目となるアルバム。前作「Janky Star」が高い評価を受け、約4年ぶりのニューアルバムとなる本作でも高い評価を受けているようです。そして、確かに本作は、そんなメディアの高い評価も納得の、ポップのアルバムとして理想的なバランスを保った作品に感じました。

ポップのアルバムとして理想的なバランス・・・というのは、要するに挑戦的なスタンスを保ちつつも、一方では広いリスナー層を惹きつけるポピュラリティーを持っている、という点でした。まず、アルバムを聴き始めると、いい意味で聴きやすいポップな曲調がまずは印象に残ります。オープニングを飾る1曲目「Now I'm」はドリーミーでフォーキーな楽曲で、まずその美しくもメロディアスな雰囲気に耳を惹かれます。それに続く「Avalanche」も軽快でポップなエレクトロチューンとなっており、メロディーラインはポップでインパクトある作品に仕上がっています。

中盤の「My Mans」もストリングスやピアノが入り、スケール感のあるサウンドでメロディアスに聴かせるナンバーとなっており、ポップチューンとしてのインパクトも十分。後半の「Trouble」などもリズミカルでキャッチーという表現がピッタリと来るようなポップチューンとなっています。

一方では中盤の「Drink Up」ではポップなメロが流れつつも、ちょっと不穏さを感じるビートと破壊的なサウンドが加わるサイケ風な楽曲。「Neither You Nor I」もダウナーなサウンドで淡々と聴かせるアートポップ寄りの作品と、挑戦的なサウンドを取り入れた楽曲が目立ち、前述のポップなナンバーにしても、エレクトロやバンドサウンドを取り入れた複雑なサウンド構成に耳を惹かれる作品に仕上がっています。

実際、このアルバムの歌詞の内容自体、彼女が「本当のどん底」と表現した時期を経て生まれてきた作品で、もともとアルコールに逃避していた彼女が、「逃避から探求へ」と変化し「自分の居場所を確保」した結果、生まれたアルバムだとか。そのため、タイトルそのまま「Drink Up」のように、飲酒に溺れていく自分の姿を描いたり、後悔や自己嫌悪を表現した作品があったりと、ポップな作風に反して、ヘヴィーな表現が目立つそうです・・・英語なのでこの点は聴いただけではわかりませんが・・・ここらへんの彼女の曲に対するスタンスもまた、単純なポップとは異なる複雑なサウンドを生み出しているのでしょう。

そしてラストを飾る「Stupid Bitches」がまさに最後にして本作を象徴するような作品に感じます。メロディーラインは至ってポップでキャッチーと表現できそうなもの。一方、ダイナミックなビートに、サイケで歪んだ感のあるエレクトロサウンドが楽曲を覆う、まさにポップと実験性を両立させたナンバー。まさに本作を代表するような作風の曲で締めくくられています。

ポップス好きにも、実験的なアートポップ好きにも訴求できそうな、魅力的なアルバム。前作も聴いていて気持ちよさを感じさせるポップが魅力的でしたが、今回のアルバムも心地よさ以上に癖になりそうなサウンドが魅力的な傑作でした。文句なしに、これからの活躍にも注目したいシンガーソングライターです。

評価:★★★★★

Grace Ives 過去の作品
Janky Star


ほかに聴いたアルバム

Trying Times/James Blake

メジャー契約が終了し、自身のレーベル「Good Boy Records」からのリリースとなった新作。え?メジャー契約打ち切り?と思ったのですが、本作も全英チャートで3位を記録し、その人気は変わらず、おそらく自由な作品作りを求めての移籍なのでしょう。今回のアルバムタイトル「Trying Times=困難な時代」は現在のイギリスの状況を皮肉的に描写したタイトルのようで、彼の問題意識をより反映させた作品作りになっているようです。

ただ、楽曲的にはここ最近のメロディアスな歌を聴かせる路線を強く感じさせる作品に。ファルセットボーカルをメインに、メランコリックでドリーミーに聴かせるような作品が目立ちます。一方では前作「Playing Robots Into Heaven」は原点回帰を感じさせるような作品となっており、今回の作品にも、原点回帰を感じさせるアンビエントやソウル、エレクトロなどを基調にした作品も目立つ作品に。ここ最近の歌モノ路線をメインとしつつ、ちゃんと初期からの彼ららしい実験性も取り入れた、そんなバランスのよい作風に仕上がっていました。

評価:★★★★★

JAMES BLAKE 過去の作品
JAMES BLAKE
ENOUGH THUNDER
OVERGROWN
The Colour In Anything
Assume From
Covers
Friends That Break Your Heart
Playing Robots Into Heaven
Bad Cameo(James Blake,Lil Yachty)

TIGRAY FUNK/Sideshow

Sideshow

エチオピアのティグライ出身で、現在はアメリカで活動を行っているラッパーの新作。アンダーグラウンドHIP HOPシーンで注目を集めているそうです。全体的にはアンダーグラウンドな雰囲気を感じられる、歪んだ音色のトラックやサイケな雰囲気の音響、今時のビートミュージックを取り入れたリズムやソウルやジャズなどのサウンドの断片を取り入れた手法などが特徴的。1時間強という長さながらも、全32曲というトラックのため、次々と展開していくテンポよさを感じさせる一方、それが32曲にもわたって続くため、若干間延びしてしまっている印象も。

評価:★★★★

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2026年5月25日 (月)

異なるセットリストによる2作同時シリーズのライブアルバム+お知らせ

今回は2作同時リリースとなった斉藤和義のライブアルバムの紹介です。

Title:KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2025 DOUBLE SETLIST 〜カモシカDAY〜 Live at Sagami Women’s University Green Hall 2025.07.12
Musician:斉藤和義

Title:KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2025 DOUBLE SETLIST 〜オオカミDAY〜 Live at Sagami Women’s University Green Hall 2025.07.13
Musician:斉藤和義

タイトル通り、2025年7月12日と13日に、相模女子大学グリーンホールで行われたライブの模様を収録したアルバム。それぞれ2枚組となっており、それぞれ22曲(CDの初回盤は24曲)が収録されています。彼はライブツアーを行った後、必ずDVDと、それに伴うライブアルバムをリリースしていますが、今回のアルバムもそんな「いつもの」ライブアルバとなっています。

今回のライブツアーのユニークな試みとして、「ダブルセットリスト」として2つの異なるセットリストを携えた点。彼の定番曲にレア曲を加えて、「カモシカDAY」では比較的聴かせるようなタイプの「シンガーソングライター」としての斉藤和義を前面に押し出した曲をセレクト。「オオカミDAY」ではバンドサウンドを前に押し出した「ロックミュージシャン」としての斉藤和義を前面に押し出した曲をセレクトした内容となっています。

代表曲も両者に散らばっているような構成なのですが、「カモシカDAY」ではアンコールのラストが「ずっと好きだった」と比較的聴かせるタイプの曲で、「オオカミDAY」は「歩いて帰ろう」と軽快で盛り上がるようなナンバーで締めくくられてるなど、それぞれのコンセプトに沿った構成になっているのも特徴的です。

ただ、とはいっても正直なところ、「カモシカDAY」では「俺たちのロックンロール」と、確かに歌詞を聴かせるタイプの曲ではあるものの、力強いバンドサウンドからのスタートとなっていたり、逆に「オオカミDAY」でも「天使の遺言」をしんみりと聴かせたりと、必ずしも明確に、両者の色分けがされている感じでもありません。おそらくどちらか1日だけ足を運んだファンも少なくないとは思うのですが、ちゃんとどちらの日でも斉藤和義の「シンガーソングライター」としての側面も、「ロックミュージシャン」としての側面も楽しめるような構成にもなっていたと思います。

アルバムリリース後のツアーではないため、全体的にベスト盤的な構成のセットリストで、どちらの日も聴かせる曲から盛り上がる曲までバラエティーもって構成されており、CDで聴いてもその楽しさが伝わってくるようなライブアルバム。それぞれ2時間近くに及ぶボリュームのライブアルバムでしたが、しっかりと楽しめる作品でした。

評価:どちらも★★★★★

さて、最後にお知らせです。いつもアルバム評の後に「過去の作品」として、紹介したミュージシャンの過去のCD評のリンクを貼っているのですが、せっちゃんに関しては、オリジナルアルバムに加えてライブアルバムのリリースが多く、「過去の作品」の一覧だけでかなりの長さになってしまいました・・・。そこで今回からは、別途ページを作成し、そちらに「過去の作品」の一覧を掲載し、アルバムリリース毎に、同サイトのリンクを貼っていくことにしました。また、いままで単純にリリース順に掲載していたものを、アルバムの形態別に記載することにしました。よかったら、過去のCD評ものぞいてやってください。ちなみにせっちゃん以外にも、「過去の作品」が膨大になっているミュージシャンは、適時、別途ページを作成する予定です。

斉藤和義 過去の作品


ほかに聴いたアルバム

シングル・マン [デラックス・エディション]/RCサクセション

1976年にリリースされたRCサクセションの3rdアルバム「シングル・マン」の、RCサクセションデビュー55周年を記念してリリースされたリマスター版。以前リリースされたリマスター版「シングル・マン+4」を既に紹介済なので、「シングル・マン」自体の感想や、「シングル・マン」を語る時に欠かせない、リリースまでの紆余曲折のエピソードはそちらに譲るとして、今回のリマスター版で特に聴きごたえがあったのが、Disc2に収録されているライブ音源。1976年4月25日に行われた、tvk「ヤング・インパルス」のスタジオライブの模様を収録した音源なのですが、デビュー間もない彼らの、若々しくも荒々しく、生々しい音源が収録。特にキヨシローのソウルフルで力強いボーカルが強いインパクトを残しています。本編はもちろんのこと、このライブ音源だけでも聴く価値ありなリマスター版でした。

評価:★★★★★

RCサクセション 過去の作品
悲しいことばっかり
シングル・マン+4
SUMMER TOUR '83 渋谷公会堂~KING OF LIVE COMPLETE~
COMPLETE EPLP~ALL TIME SINGLE COLLECTION~
RHAPSODY NAKED Deluxe Edition
ロックン・ロール~Beat, Groove and Alternate~

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2026年5月24日 (日)

新たな椎名林檎像を模索か?

Title:禁じ手
Musician:椎名林檎

椎名林檎というミュージシャンは、もともと、非常に挑戦精神の強いミュージシャンでした。大ヒットして注目をあつめたデビューアルバム「無罪モラトリアム」に続く2枚目「勝訴ストリップ」は曲調をかなり変えてきていますし、さらに3枚目「加爾基 精液 栗ノ花」はアルバムタイトルもさることながら、中身もかなり実験精神あふれる作風になっており、当時はかなり賛否のわかれる作品となりました。

「無罪モラトリアム」でブレイクしたころに、インタビューで「椎名林檎はアルバム3枚で終わり」という発言をして一部で騒がせ、その発言の通り、アルバム3枚リリース後は、バンド東京事変を立ち上げています。東京事変活動休止後は、「椎名林檎らしい」アルバムをリリースしているものの、前作「放生会」は女性ミュージシャンとのコラボという形をとっていますし、その前の作品はリミックスアルバムでしたし、手を変え品を変え、新作をリリースしているというイメージがあります。

デビュー当初からという話ではあるのですが、椎名林檎というミュージシャンは、強烈にその個性的なキャラクター設定を前に出していますし、また、そのキャラクターを「売り」にしている点は間違いないでしょう。ただ、それゆえに椎名林檎というミュージシャン像が固定されてしまっており、そんな中でどのような挑戦を行うのか、特にここ最近のアルバムに関しては試行錯誤しているような感じがします。

「禁じ手」と名付けられた今回のアルバムはまさにそんな試行錯誤の一環のように感じました。今回のアルバムの大きな特徴は作曲をすべて他のミュージシャンにゆだねたという点。ソングライターという立場を離れて、あくまでもシンガーとしてふるまい、作曲をあえて他のミュージシャンに任せることにより、新たな椎名林檎像を模索しようとした、そんなアルバムに感じました。

ただ、そんな中でもどうしても作曲家の側でも椎名林檎というイメージが強く、楽曲的には総じてよく出来ているのですが、新たな椎名林檎像という意味では微妙だった感は否めません。特にアルバム冒頭、三宅純が手掛けた「至宝」はムーディーな曲調が椎名林檎のイメージそのものでしたし、伊澤一葉が手掛けた「芒に月」も、やはり元東京事前のメンバーだから、という点はあるのでしょうが、基本的に椎名林檎らしい作品になっています。

「禁じ手」というタイトルに反して、基本的に椎名林檎らしい楽曲が多かった本作ですが、ただ、そんな中で椎名林檎のイメージから離れるような作品も見受けられました。まず1曲目が向井秀徳が手掛けた「SI・GE・KI」。これは椎名林檎らしい、というよりも、楽曲タイトルもそのままですが、まさに向井秀徳そのままな作品(笑)。椎名林檎と違う個性がそのまま持ち込まれ、それが椎名林檎という配慮が全くなく楽曲を提供してしまうあたり、向井秀徳らしさを感じますが、これはこれでいつもの椎名林檎のスタイルとは異なっていたため、非常に新鮮に感じました。

もう1曲がBIGYUKIの提供した「秘め初め」。トライバルな要素も加味された、ヘヴィーなエレクトロビートが印象的なナンバーで、非常に実験テイストの強い作風。あえていえば、初期の頃の椎名林檎を思い出させるようなナンバーですが、ここ最近の彼女からはあまり感じられなかった挑戦心も感じさせます。

また、新たな椎名林檎とはちょっと異なるかもしれませんが、ラストの、こちらも三宅純が手掛ける「憂世」は、ボーカリスト椎名林檎の魅力が発揮された楽曲。ムーディーな作風の曲に感情的に歌い上げる椎名林檎のボーカルが魅力的で、ソングライターではなく、ボーカリストとしての椎名林檎の実力を再認識させてくれる作品となっています。

全体的には結果として本作も椎名林檎のキャラクターが勝ってしまった感はありますが、そんな中で作曲家を他の人に任せたからこそ感じられるような、椎名林檎の「別の魅力」も感じることの出来るアルバムだったと思います。アルバム全体としては純粋によくできたアルバムだったと思いますが、「実験」としてみた場合には、「半分成功」といった感じだったかな・・・とも思ってしまいました。

ただ、もっとも椎名林檎ほど強いキャラクター像を持っているからこそ、逆に新たな挑戦をするのは簡単で、その一般的に椎名林檎にイメージされるキャラクター像の逆のことを行えばいいだけのこと。実際に、1枚目から3枚目のオリジナルアルバムに関しては、それに近いことを行っていました。現在の彼女が、そこまで大きな変化に踏み出せないというのは、残念ながら彼女がそれだけ保守的になってしまった、といった感は否めません。ここらへんでそろそろ、それこそ一部のファンが離れてしまうような変化も見たいような気がするのですが。

評価:★★★★★

椎名林檎 過去の作品
私と放電
三文ゴシップ
蜜月抄
浮き名

逆輸入~港湾局~
日出処
逆輸入~航空局~
三毒史
ニュートンの林檎~初めてのベスト盤~
百薬の長
放生会


ほかに聴いたアルバム

キラーパス/礼賛

ご存知川谷絵音が、お笑いコンビ、ラランドのサーヤや、ゲスの極み乙女の盟友、休日課長と組んだバンド礼賛のミニアルバム。基本的に前作「SOME BUDDY」の延長的なスタイルのミニアルバムで、シティーポップ風の楽曲に、HIP HOPの要素も入り、懐かしさと今風を交互に行きかうようなスタイル。サーヤことCLRの気だるさのありつつバタ臭いボーカルも、都会的な作風にピッタリとマッチしています。次のフルアルバムも楽しみです。

評価:★★★★

礼賛 過去の作品
SOME BUDDY

uku/藤原さくら

前作から約1年10ヶ月ぶりとなる藤原さくらの新作。前作作成以降、自身の耳や喉の不調により、好きだった音楽を怖いとすら感じ、距離を置いていた時期があったそうで、そんな時期を乗り越えてリリースされた本作は、「解放」がテーマとなっているそうです。前作に続き、石若駿がプロデュースを手掛けた音楽は、オーガニックな雰囲気でしんみり聴かせるジャズテイストの強いナンバー。全体的にはダウナーな雰囲気の曲が多く、「解放」がテーマのような軽やかやポップというイメージはありません。ただ、どこか肩の力の抜けた部分も感じ、彼女が一歩前に進んだということも感じさせる、そんなアルバムでした。

評価:★★★★★

藤原さくら 過去の作品
PLAY
green
red
SUPERMARKET
AIRPORT
wood mood

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2026年5月23日 (土)

6年のスパンを経て実施された対バンライブ

Suchmos The Blow Your Mind TOUR 2026

Guest:GLIM SPANKY

会場 Zepp Nagoya 日時 2026年5月20日(水) 19:00~

2021年に人気絶頂の中、活動を休止。その後、2024年に活動を再開し、話題となったSuchmos。今回、足を運んだツアーはもともと2020年に予定されていながら、新型コロナの影響で中止になってしまった対バンツアー。Suchmosも一度ライブを見たいなぁ、と思いつつ、正直、活動開始直後の、さらにライブハウスでのツアーということでチケットが取れるとは思っておらず、抽選に申し込んだことも忘れていたくらいなのですが、なんと無事当選。足を運んできました。

会場はもちろん超満員。世代的には30代あたりが一番多い印象で、大ヒットした「STAY TUNE」や「VOLT-AGE」あたりに20代前半だった世代が多い感じでしょうか。もちろん、20代や40代以上の世代もチラホラいましたが、全体的に落ち着いた「大人」な印象も受ける客層でした。

ライブはほぼ19時ちょうどにスタート。最初はゲストのGLIM SPANKYの登場となります。まず最初は「第六感」からスタート。かなり分厚いヘヴィーなライブ演奏が印象的。ルーツ志向なエッジの効いた演奏というよりは、シンセなども入って空間を埋めて音の迫力で聴かせるようなステージが印象に残ります。その後も「大天使」と続き、ワンピースの映画主題歌で彼女たちの代表曲でもある「怒りをくれよ」では会場全体が大盛り上がりとなりました。

続くMCではGLIM SPANKYの松尾レミとSuchmosのYONCEが大学時代からの知り合いという話で、まだお互い売れていない時代に、小さなライブハウスでSuchmosの前のバンドと対バンというエピソードも語ってくれました。

その後は「こんな夜更けは」「Glitter Illusion」というミディアムテンポのナンバーが続きます。「Glitter Illusion」では「みんな好きに揺れてくれよ」という松尾レミの呼びかけに合わせて、心地よいグルーヴに身体を揺らします。続く「Hallucation」では一転、会場ではミラーボールもまわり、みんなで踊り、盛り上がりました。

亀本寛貴によるMCを挟み、後半はレッドツェッペリンばりのゴリゴリのハードロックを聴かせる「衝動」、そして一転ポップなナンバー「春色ベイビーブルー」と会場のテンションは一気に上がります。そして、最後は「小さなライブハウスの頃から演っているナンバー」ということで「大人になったら」をしんみり聴かせ、ライブは締めくくり。約40分強程度のステージでした。

その後、セットチェンジを挟み、20時5分頃から待望のSuchmosのステージがステージ。メンバーの多くは白いTシャツにズボンという実にラフな格好で、なんとなくSuchmosらしさを感じます。最初は「Mint」からスタート。Suchmosらしい心地よいグルーヴ感に身体を揺らしつつ、「Alright」「Whole of Flower」へと続いていきます。

「Eye to Eye」「TABACCO」とメロウなグルーヴを聴かせる曲が続きます。さらにここで新曲へ。リズミカルなビートにメロウな歌が重なるというSuchmosらしいナンバーで、これからの彼らの活動も楽しみになってくるような1曲でした。ただ、この日はどちらかというとZeppの影響でしょうが、低音部の音がちょっと悪く、Suchmosのグルーヴ感あるサウンドが十分生かし切れていない印象が・・・。もっと音のよい会場だったら心地よいグルーヴを感じられるんだろうなぁ、とちょっと残念にも感じました。

ここでMCへ。GLIM SPANKYの「大人になったら」を、昔のライブハウス時代に聴いていたが、大人になると印象が変わるね、という感想。さらには中止になってしまったツアーから6年がたち、いろいろと変わったよね、という話もしていました。そして、「A.G.I.T」へ。この曲、ライブを聴いて、オリジナルと比べて印象がかなり変わりました。ヘヴィーなサウンドをゴリゴリと聴かせるグルーヴ感たっぷりのナンバーで大迫力。この曲に関してはZeppの音響は問題にならず(むしろZeppはこういうヘヴィーなサウンド向けの音響なんだ、ということに気が付かされました)、ゴリゴリの音にカッコよさを感じさせる、この日一番のパフォーマンスだったように思います。

その後「YMM」から、大ヒット曲「STAY TUNE」へ。もちろん会場からは大歓声があがり、大盛り上がりに。さらに「GAGA」へ続き、ダンサナブルな楽曲で会場は大盛り上がりとなるのですが、この曲に入る前に「ガキ、ジジイ、ババア、右翼、左翼、ダンス!!」と叫び、分断が叫ばれる中、音楽での統合を目指すというYONCEらしいメッセージを感じました。ちなみに「GAGA」では途中、歌詞の「茅ヶ崎」の場所が「名古屋」に変わるというお約束(?)も。そして本編ラストは「VOLT-AGE」に。おなじみのヒット曲で会場のテンションは最高潮にあがり、本編は幕を下ろします。

その後はもちろんアンコールへ。アンコールではまずMCで今度のアリーナツアーの紹介。「このツアーの入りで、自分たちがうぬぼれていたかどうかがわかる」という自虐的(?)でユニークなMCで、みんなに来てほしいとよびかけていました。さらにここでGLIM SPANKYのメンバーが再登場。松尾レミとYONCEのデゥオで「スローなブギにしてくれ」のカバーに。GLIM SPANKYとSuchmosの合奏で非常にグルーヴィーなカッコいいステージを見せてくれます。

そして本編ラスト「Life easy」へ。最初、メンバーが集結し、タイミングを合わせて同時に音を出してスタートとなるのですが、この瞬間が震えるほどカッコよかった・・・。最後までSuchmosらしいグルーヴ感を聴かせてくれ、ライブは21時40分頃に終了。1時半半程度のステージでした。

GLIM SPANKY、Suchmosどちらも素晴らしい、楽しめたステージでした。GLIM SPANKYはルーツ志向を前面に、というよりは、ある意味「音を埋める」ようなヘヴィーなサウンドは今風でもあるのですが、一方、曲のインパクトはこれでもかというほどに強く、ファンでなくても文句なしに盛り上がれる曲の連続でした。

Suchmosは前述のように、低音部の音響がちょっと残念だったのですが、彼らの高い演奏力を感じさせるグルーヴ感あるステージが印象的。あと、YONCEのダンスが微妙に気持ち悪かったのも印象に残りました(笑)。ただ、あらためて彼らの曲の魅力を強く感じることが出来る、文句なしのパフォーマンス。あらためてSuchmosの魅力を実感できました。

そんな訳で、2時間40分という長丁場ながらも満足感の強い、あっという間のステージ。GLIM SPANKYもまたステージを見てみたいな。Suchmos、次はワンマンも見てみたいかも。どちらもライブバンドとしてパフォーマンス力も高く、惹きつけられるパフォーマンスでした。

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2026年5月22日 (金)

オルタナ精神、いまだ衰えず

Title:PLAY ME
Musician:Kim Gordon

80年代以降のアメリカ・インディーロックシーンを代表するロックバンド、SONIC YOUTH。現在、活動休止中のこのバンドでベースとボーカルを担当していたのが彼女、キム・ゴードン。いわば「レジェンド」とも言っていい存在ですが、そんな彼女も現在72歳。失礼ながら「おばあちゃん」とも言っていい年齢ですが、積極的に活動を続けています。本作は、そんな彼女のキム・ゴードン単独名義ではソロ3作目となるアルバムです。

そんなまさに大ベテランのレジェンドである彼女ですが、このアルバムで一番驚くべき内容は、現在のサウンドを積極的に取り入れた、実に挑戦的なアルバムになっているという点でしょう。タイトルチューンである「PLAY ME」から、いきなりブーンバップ風のHIP HOPなトラックからスタート。彼女のボーカルはラップというよりもポエトリーリーディングに近いものですが、ポストロック的な嗜好もある、今風のビートミュージックとなっています。

ほかにも1分30秒程度の短いナンバーながらも「BLACK OUT」はトラップを取り入れたような今風なHIP HOPの曲調となっていますし、同じく「SQUARE JAW」もトラップ的なサウンドのHIP HOP風な曲。最後を飾る「BYEBYE25!」に至っては、インダストリアル的な要素を入れた不穏なビートを前面に押し出したサウンドと彼女のラップ的なボーカルで、アンダーグラウンドHIP HOPの1曲、と言われても全く違和感のない作品に仕上がっています。

全体的に非常に今時な、ビートミュージックに沿った作風になっている今回のアルバム。前作も今風のサウンドを取り入れてHIP HOP寄りになった作風でしたが、今回はその方向性がより強くあらわれた作品になっていました。これを演じるのが彼女の年齢が72歳ということを考えると、新しいものを取り入れようとする好奇心や柔軟さに驚かされます。職業柄、様々な世代の方とお会いすることが多いのですが、周りに素直に耳を傾けて、新しいものを積極的に取り入れようとする方は、大体40代まで。50代以降、特に成功された方は、やはり自分の成功体験からか、新しいもの積極的に取り入れるのに抵抗感を覚える方がほとんどです。そんな中、先日もAIを取り入れたユーミンのアルバムを紹介しましたが、やはり才能があり、なおかつ現在も現役で活動する方というのは、年齢に関係なく好奇心旺盛で、新しいものでも否定することなく取り入れていくんだな、ということを実感します。また同時に、私も50代を間近に控えて、新しい事業にも柔軟に対応していきたい、と自戒させられました。

また、「SUBCON」のようなインダストリアル的な作風も目立ちのも特徴的。「NOT TODAY」のようなメロディアスなギターロックナンバーもあり、ソニックユース時代からのリスナーにとってもここらへんは聴きやすいかもしれません。全体を通じてのゴツゴツとした感じのサウンドメイキングはソニックユースに通じるものも感じます。ソニックユースをリアルタイムで聴いていたようなリスナー層にとって、彼女の今奏でる音楽は戸惑うかもしれませんが、ソニックユースが80年代に奏でていたようなオルタナティブな立ち位置にいるミュージシャンたちが今、奏でている音楽はこのような「音」なのかもしれません。そういう意味でも彼女のオルタナ精神がいまだに衰えていないことを強く感じます。

さらに、彼女の衰えないオルタナ精神を感じさせる点として、本作の歌詞も上げられるでしょう。本作ではかなりストレートな社会派な歌詞が目立ちます。「DIRTY TECH」は、タイトル通り、GAFAMのような巨大なテックカンパニーを強烈に皮肉っているような曲ですし、「POST EMPIRE」という、現在をあらたな帝国主義になぞらえるような曲もあります。そして一番インパクトが大きいのは最後の「BYEBYE25!」で、"Immigrants"(移民)、"Diversity"(多様性)、"Transgender"(トランスジェンダー)など、トランプ政権下でタブーとされている「単語」をただ羅列していく歌詞。そして最後に"Bye-bye Bye-bye"と締めくくられており、現代社会に対する強烈な皮肉となっています。前述の通りのアンダーグラウンドHIP HOP的な不穏なトラックにのって、彼女はただ淡々と語るのみ、というボーカルスタイルも実に不気味なナンバー。強烈なインパクトを残しての締めくくりとなっています。

かなりストレートな社会派的な歌詞は賛否もあるようですが、今の時代、ここまで言わざるを得ないという彼女の力強い意思も感じられます。サウンドの面からも歌詞の面からも、72歳、全く衰えない現役オルタナミュージシャン、キム・ゴードンの力強さを感じさせる傑作。ある意味、この時代を反映された作品という意味でも、今年を代表する1枚と言えるかもしません。オルタナ精神、いまだ衰えず。そう実感させられる作品でした。

評価:★★★★★

Kim Gordon 過去の作品
The Collective


ほかに聴いたアルバム

BIG MAMA/Flying Lotus

Flyign Lotusの新作は、7曲入り13分というかなり短いEP盤。ちょっと意外なことに、自身のレーベル、Brainfeederから初のリリースとなる作品だそうです。短い作品ではあるものの、様々なアイディアが詰め込まれた実験的な作風が特徴的。かつ、ゲーム音楽のサントラ的と評されるように、リスナー的にはゲーム音楽っぽさを感じる作風となっており、そのため、実験的な作風でありつつも非常にポップで耳なじみやすく聴きやすい作品となっていました。この遊び心あふれる実験音楽精神は彼らしさを感じますし、初心者が聴くにはピッタリの作品かと。もちろん、熱心なファンにとってもうれしい新作です。

評価:★★★★★

Flying Lotus 過去の作品
Cosmogramma
PATTERN+GRID WORLD
UNTIL THE QUIET COMES
Flamagra
YASUKE

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2026年5月21日 (木)

こちらにもサカナクションが(!)

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

Hot100ではサカナクションの「夜の踊り子」が2位に躍進してきましたが、なんと、Hot Albumでも同曲が収録されたアルバム「sakanaction」が18位から9位にアップ。特にストリーミング数が9位にランクイン。2013年にリリースされた同曲は、当時はベスト10入りしていませんでしたので、これが初のベスト10ヒットとなりました。まさに驚きの結果です。

1位はBTS「ARIRANG」が先週から変わらず。2位にはHANA「HANA」が3位からアップと、再びこの2作が1位2位に並びました。ストリーミング数もBTSが1位でHANAが2位。「ARIRANG」はこれで9週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒット&通算7週目の1位。「HANA」はこれで12週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒットとなりました。また、3位には韓国の女性アイドルグループILLIT「MAMIHLAPINATAPAI」が先週の5位からアップ。チャートイン2週目にしてベスト3ヒットを記録しています。

4位以下には今週、初登場盤はなし。ベスト10返り咲きとしてMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週の11位からアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きで、ベスト10ヒットを通算68週に伸ばしています。

ロングヒット盤では「超かぐや姫!」は7位から4位に再びアップ。これで15週連続のベスト10ヒット。今週、Mr.Children「産声」が5位にランクインし、8週目のベスト10ヒットに。根強い人気を見せつけています。ヨルシカ「二人称」も9位から6位にアップ。こちらは11週連続のベスト10ヒット。さらにKing&Prince「STARRING」が10位から9位にアップ。ベスト10ヒットを通算20週に伸ばしています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週、Heatseekers Songsで1位を獲得したのはOddRe:「睡る君」が1位獲得。これで「オドレ」と読む、2024年にデビューした3人組バンド。YUIや絢香、家入レオを輩出した音楽塾ヴォイス出身で、なんとなく同系統といった感じの音がします。Hot100では32位にランクイン。全国45のラジオ局で5月のパワープレイに選出されており、その影響でラジオオンエア数で4位を獲得。Heatseekers Songsで見事1位獲得となりました。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位にはピノキオピー「歌姫失格」が初登場でランクイン。ピノキオピーは2009年から活動を続けて高い人気を誇る、ベテランのボカロP。2位はなみぐる「ド七五サンバ」が先週の3位からランクアップ。3位にはサツキ「メズマライザー」が実に2月18日付チャート以来のベスト3返り咲きを果たしています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年5月20日 (水)

なんと、サカナクションが・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

なんと、サカナクションが上位に躍進です。

まず1位はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ、超特急「ガチ夢中!」がランクイン。CD販売数1位、ラジオオンエア数3位、動画再生回数19位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上47万枚で1位初登場。前作「NINE LIVES」の28万7千枚(1位)より大幅アップ。

さらに3位も男性アイドルグループ、M!LK「爆裂愛してる」が先週の5位からアップ。5週ぶりにベスト3返り咲き。ただ、動画再生回数は3位から2位にアップしたものの、8週連続で1位を獲得していたストリーミング数は2位にダウン。ただ、これで14週連続のベスト10ヒット&通算7週目のベスト3ヒットとなりました。また「好きすぎて滅!」も6位から4位にアップ。こちらはカラオケ歌唱回数は9週連続の1位となりましたが、ストリーミング数は2位から4位にダウン。これで24週連続のベスト10ヒットとなりました。ちなみに先週までベスト10をキープしてきた「アイドルパワー」は今週11位にダウンしています。

そして今週なんと、先週ベスト10入りしたサカナクション「夜の踊り子」が2位にランクアップ。特にストリーミング数では、なんと8週連続の1位だった「爆裂愛してる」を下しての1位獲得。動画再生回数も見事1位獲得となっています。この曲がネットミーム化して話題を呼んでいるようですが、この手のネットで話題となった曲が、ここまで一気に順位を伸ばすのはちょっと珍しい感じもします。今年に入って、アイドル系以外、「IRIS OUT」のほかにこれといったヒット曲が出現しておらず、チャート全体もいまひとつ停滞気味に感じられていただけに、ひょっとしたら、多くのリスナーが新たなヒット曲を渇望していたのかもしれません。この勢いが来週以降も続くのか、注目されます。

4位以下の初登場曲は、まず6位に旧ジャニーズ系男性アイドルグループAぇ!group「でこぼこライフ」がランクイン。映画「おそ松さん 人類クズ化計画!!!!!?」の主題歌。ダウンロード数1位、ラジオオンエア数2位。6月24日販売予定のシングルからの先行配信となります。

7位には宇多田ヒカル「パッパパラダイス」が先週の19位からランクアップし、ベスト10初登場。ダウンロード数10位、ラジオオンエア数1位。フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」エンディングテーマ。タイトル的にはいかにも「ちびまる子ちゃん」っぽいのですが、楽曲的にはちゃんと宇多田ヒカルの曲となっています。

8位には韓国の女性アイドルグループILLIT「It's Me」がこちらも先週の17位からアップしベスト10初登場。ストリーミング数6位、動画再生回数7位。かなり強いビートのテクノチューンは、かつて日本でも人気を博した韓国の大衆歌謡、ポンチャックを彷彿とさせるような??

さらに今週、ベスト10返り咲きとしてMrs.GREEN APPLE「lulu.」が11位から9位にランクアップ。2週ぶりのベスト10入りで、通算16週目のベスト10ヒットに。また「風と町」も今週10位にランクインしており、2曲同時ランクイン。ただ、先週ベスト10入りした大森元貴「催し」は今週21位までダウンしています。

ロングヒット曲では、まだまだ強い米津玄師「IRIS OUT」が7位から5位にアップ。これでベスト10ヒットは35週連続に。ただし、動画再生回数は5位から4位にアップしたものの、ストリーミング数は2位から3位にダウンしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年5月19日 (火)

音楽史を深堀り

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の感想です。

「名曲のたくらみ 音楽史から解き明かす10章」。朝日新書から出版された1冊で、京都出身、愛知県立芸術大学で声楽を学び、現在はロンドン大学ゴールドスミス校音楽学部準教授として、音楽史概説などの講義を担当している松本直美による著書となります。

この曲は、タイトル通り、主にクラシック音楽の名曲を取り上げて、その曲にまつわる背景について様々に物語っている1冊となります。紹介されている名曲は、誰もが知っているヴィヴァルディの「四季」からはじまり、ショパン、バッハ、ベートーヴェン、モーツアルトなどといった超有名な作曲家勢から、知名度は高いものの、「通」の間では「名曲」に「」書きがつくような「乙女の祈り」、さらに最後にはあのQueenの名曲「ボヘミアンラプソディ」まで名前を連ねています。

まずこの各曲の「物語」について、かなりおもしろく、興味深く読むことが出来ました。この手のクラシック音楽の「エピソード集」というのは、「クラシック入門」的な書籍でよくありがちです。ただ、大抵は曲にまつわるエピソードや、作曲家のエピソードなどについて、ありきたりな逸話集的に軽く載せる程度で終了してしまうケースがほとんどです。ただ、本書に関しては、その曲に関するエピソードを、音楽史にからめてしっかりと深堀りされています。例えばバッハの「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」では、クラシックにまつわる真作と贋作のエピソードが、音楽史にからめて語られていますし、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの「おお、貴方の教会」では、クラシック音楽と女性作曲家にまつわる話を、こちらも音楽史にからめて語られています。単純なエピソード集ではなく、その曲を通じて音楽史がしっかりと語られており、曲そのものに加えて、それにまつわる多面的な側面が切り取られており、非常に興味深く読み進めることが出来ました。

また、この著書で興味深く感じられるのが、まずクラシックとポピュラーミュージックとのかかわりが随所で語られる、という点でした。ヴィヴァルディの「四季」の項目では、ディープパープルの「ハイウェイ・スター」がバロック音楽からの影響を受けている点を指摘したり、前述の通り、最後の章ではQueenの「ボヘミアンラプソディ」を取り上げたりと、著者自身がポピュラーミュージックにもそれなりに造詣が深いようで、本書の中ではポピュラーミュージックについても語られています。ここらへん、特にポップス系の音楽評論家は、概してクラシックへほとんど造詣がないため、ポップスとクラシックとの関わりについてほとんど語られることがないために、本書で語られるポップスとクラシックとの関わりについては非常に新鮮で、興味深く読むことが出来ました。

さらに本書で魅力的なのは楽曲の音楽的な側面の分析と、エピソード的な話が、ほどよいバランスで取り上げられているという点でした。前述のような「クラシック入門」的な書籍では、正直、クラシック初心者に対するエピソードに終始されており、音楽的な側面を語られることがほとんどありません。逆に、もうちょっと専門的な書籍となると、クラシックの音楽的な部分が詳しく記載されているものの、素人にはどうにも理解しずらい部分が少なくありません。本書ではその両者がバランスよく書かれており、初心者から、ある程度「音楽的な知識」があるような層まで楽しめるような構成になっていました。

そんな訳で、よくありがちな入門書的なクラシック音楽のエピソード集とはちょっと異なる、より音楽史の観点から深堀して、クラシック音楽を楽しめる1冊になっています。「ボヘミアンラプソディ」が取り上げられている通り、ポピュラーミュージックが専門のリスナーでも興味深く読むことが出来る1冊ではないでしょうか。かなり興味深い記述の連続に、グイグイと読み進めることが出来た1冊。クラシック音楽の様々な歴史を知ることが出来、より音楽への興味が深まりました。

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2026年5月18日 (月)

レミオロメンに思う徒然

Title:SINGLES BEST+
Musician:レミオロメン

レミオロメンの再結成というニュースは、2025年の大きな音楽ニュースのひとつに挙げられるでしょう。2003年にデビューした彼らは徐々に人気をあげ、特に2005年にリリースされた「粉雪」は、ドラマ主題歌ともなり大ヒットを記録。その後も安定した人気を保ちましたが、2012年に活動を休止しています。

その後もメンバー同士の交流はあり、そんな話題も垣間見れただけに、再結成の期待もたびたび語られたものの大きな動きはなく、特に2018年にはボーカルの藤巻亮太が、デビュー以来所属していたOORONG MANAGEMENTから独立というニュースもあったために、レミオロメンの再結成は難しいのか・・・とも一部では目されていました。

しかし、2025年にはインスタやX、TikTokでレミオロメンのオフィシャルアカウントが出現。一気に再結成の期待が高まり、さらに12月にはついに再結成を発表。活動再開のツアーを行い、さらにこの2枚組のベストアルバム「SINGLES BEST+」がリリースされました。

個人的にはレミオロメンについては、デビュー直後からライブに足を運び、アルバムも毎作購入するなど、積極的にその活動を追いかけていました。ただ、一方でブレイク後の楽曲については複雑な思いも少なくありませんでした。というのも彼らはデビュー当初から小林武史をプロデューサーとして迎えていました。最初はそれが上手く機能していたように感じたのですが、ブレイクした後くらいから徐々に小林武史のアレンジがオーバーアレンジ気味にシフトしていきます。

特にレミオロメンの初期の作品については、素朴な日常風景を描いたシンプルな作風が特徴的で、アレンジもそれに沿ったシンプルなギターロックがメインでした。そんな中での小林武史のアレンジは曲にスケール感を与えるような過剰気味とも言えるアレンジが多く、そこに曲とのギャップを感じることが少なくありませんでした。

この回のベストアルバムは、タイトルの通り、彼らのシングル曲を販売順に並べ、その後にカップリング曲も販売順に並べた作品。初期の作品から活動休止前までの作品を時系列順に聴ける作品になっています。当時は、やはりレミオロメンは初期の曲が良くて、売れてからの曲はいまひとつ、なんて粋がって聴いていましたが、年月を経てあらためて聴くと、単なる若いゆえの・・・・・・・・・なんて思うことはなく、あらためて聴いても、やはりシンプルなメロと歌詞にシンプルなアレンジが載った初期のレミオロメンの曲が彼らの良さをもっとも引き出していたと思うし、その後、ストリングスをこれでもかというほど分厚く入れた曲がオーバーアレンジ気味でいまひとつ、という印象は、このベストアルバムで久しぶりに彼らの曲を聴いても変わりませんでした。

ただ、その上でひとつ思ったのは、いまひとつだったのはコバタケのプロデュースもあったけども、純粋に藤巻亮太の書く曲の勢いが、初期に比べて徐々に衰えていった、という点も少なくなかったのかな、という印象も受けます。基本的にレミオロメンの曲はシンプルで、バリエーションも決して多くなく、飛び道具的なギミックを用いることもありません。それだけに純粋にメロの良さが曲に反映されてしまいます。初期の彼らの作品に比べると、ブレイク後の曲にはメロを一発で覚えるようなキラーチューン的な曲があまりありません。結局、ここらへんの勢いの衰えが2012年の活動休止につながったのかな、という印象は受けました。

そんな中、今回、新曲が2曲、冒頭に収録されています。どちらも小林武史プロデュースという点に不安は感じました。ただ、1曲目「さあはじめよう」は比較的シンプルなギターロックのナンバー。「100億の承認欲求」はコバタケらしいストリングスアレンジとなっているのですが、バラード曲のため、ストリングスはあまり不自然ではありません。どちらも前向きにこれからの音楽活動を捉えたような曲調で、今後の動向にも期待できます。ただ、メロディーラインという点ではどちらも悪くはないものの、キラーチューンというほどではなく・・・若干気になる部分はあります。

もっとも、藤巻亮太の直近のソロアルバムは、彼らしいメロディアスなポップが連続となっており、メロディーメイカーとしての勢いが戻ってきていることを感じます。ひょっとしたら、そこらへんの自信が、今回のレミオロメン活動再開につながったのかもしれません。そういう意味では期待半分、不安半分といった感じ。とりあえず、今後は本格的に活動を再開しそうなだけに、これからの動向にも注目したいところです。来るべき久々のオリジナルアルバムも楽しみにしたいところです。

評価:★★★★

レミオロメン 過去の作品
風のクロマ
レミオベスト
花鳥風月
“Your Songs”with strings at Yokohama Arena


ほかに聴いたアルバム

宮川泰 ヒットパレード

昭和を代表する偉大な作曲家であり、ザ・ピーナッツの楽曲を多く手掛けたことから、ザ・ピーナッツの育て親とも言われた作曲家の宮川泰。本作はそんな彼の代表作をまとめた5枚組のボックスCD。ザ・ピーナッツのヒット曲をはじめ、数多くのヒット曲が収録された本作。ムード歌謡曲や演歌がメインながらも、軽快なバタ臭いポップチューンなども聴かせてくれ、プロらしい、いい意味であまり手癖のない、幅広いタイプの楽曲が並んでいます。ただ、私たちくらいの世代(といってももうアラフィフですが・・・)だと、「宇宙戦艦ヤマト」のテーマ曲や、「『ズームイン!!朝!』のテーマ」が一番なじみがあるかも。以前、宮川泰のヒット曲集としてテレビに使われた曲をまとめた「宮川泰 テレビテーマ・ワールド」を紹介しましたが、ひょっとしたら、リアルタイムでは「テレビテーマ・ワールド」に収録された曲の方がなじみがあるかも。

評価:★★★★

スタジオジブリトリビュートアルバム「ジブリをうたう その2」

2023年にリリースされた、武部聡志プロデュースによるスタジオジブリトリビュートアルバム第2弾。スタジオジブリの映画で使われた曲を、様々なミュージシャンたちがカバーしたアルバムの第2弾となります。さて、このトリビュートアルバムに関して、ちょっとニュースになった出来事がありました。それは、当初、参加を予定していたくるり岸田繁が急遽、不参加になったという点。これに関して、不参加になった経緯について、岸田繁がXに批判的に投稿しており、話題となりました。

詳しい事情は不明なのですが、素直に解釈すれば、おそらく最後の最後の段階で、岸田繁のアレンジが気に入らない上層部の誰かの鶴の一声で、岸田繁の楽曲がお蔵入りになったのでしょう。そのまま考えれば、スタジオジブリか日テレの上層部の誰かの意向と思われるのですが・・・どんなアレンジがほどこされたのか非常に気になるところなのですが、今回のアルバムで一番楽しみにしていたのは(前作に引き続き)岸田繁だっただけに非常に残念です。

そんな「意向」があったから、かわかりませんが、アルバム全体としてはおとなしく素直なカバーが並んでいます。その中でも比較的耳を惹いたのはGLAM SPANKYの「ひこうき雲」のカバーと、ボカログループのロクデナシのボーカル、にんじんによる「さよならの夏~コクリコ坂から~」でしょうか。前者はGLAM SPANKYらしい、非常に渋さが魅力的なカバーになっていますし、後者は切なさを感じさせるボーカルが耳に残るカバーとなっていました。良くも悪くも、ジブリの楽曲をほどよく調理できていますし、ジブリのファンにとっては、苦みを感じさせずに素直に楽しめるカバーアルバム。そんな中で岸田繁の楽曲がどういう味付けを行っていたのか気になるのですが・・・いつか解禁されないかなぁ。

評価:★★★★

スタジオジブリトリビュートアルバム「ジブリをうたう」

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2026年5月17日 (日)

本格的にブレイク

Title:Fancy That
Musician:PinkPantheress

イギリスで、現在、もっとも注目を集めているシンガーソングライターの一人と言えるPinkPantheress。2023年にリリースしたデビューアルバム「Heaven Knows」で大きな注目を集め、BBCの「Sound Of 2022」を獲得。一躍、注目のシンガーソングライターとしてその名を知られるようになりました。

本作は、そんな注目作に続く新作。内容的には全9曲入りで、MixTapeという扱いにしているようです。注目を集めた前作から約2年ぶりと、注目作直後の作品としてはちょっと間を空けてしまって、かつ収録曲も9曲(うち1曲は短いインターリュードなので、事実上8曲)という少な目な点、プレッシャーによって新曲がなかなかできなかったのか?という心配もしてしまうのですが、そんな心配が杞憂に終わるような傑作に仕上がっていました。

前作「Heaven Knows」の特徴的だったのが、ちょっと懐かしいドラムンベース的なリズムを取り入れつつ、ウィスパー気味のキュートなボーカルでポップに聴かせるスタイルでした。今回のアルバムに関しても、基本的にその方向性を踏襲した作品となっています。1曲目に収録されている「Illegal」がまさにその方向性を明示した作品に。ちょっと懐かしいドラムンベース的なリズムでスペーシーに聴かせるサウンドに、ウィスパー気味で気だるさも感じられる彼女のボーカルが印象に残る作品に。全体的にはポップでキュートな作風に仕上がっており、PinkPantheressらしい作品となっています。

キュートなポップと言えば、先行シングルとなっている「Tongiht」も印象的。UKガラージのサウンドを取り入れた、リズミカルな疾走感あるビートに、キュートな彼女のボーカルが乗るインパクトあるポップチューンが魅力的。クラブ寄りのサウンドづくりをしつつ、楽曲全体としては広いリスナー層にアピールできるポピュラリティーあるものに仕上がている点に彼女の特徴が感じられます。

基本的にドラムンベースやUKガラージなどのリズムを取り入れたポップチューンが収録された楽曲となっていますが、ラストの「Romeo」はストリングスを取り入れてスケール感のある楽曲に。クラブ系のリズミカルなトラックを取り入れつつも、ある意味、クラブを抜け出し、広い世界に飛び出していくような、そんなラストと言えるかもしれません。

前作「Heaven Knows」は注目されつつ、イギリスのチャートでは最高位28位と大ブレイクとまでには至りませんでした。しかし、今回のアルバムはイギリスの公式チャートで最高位3位と名実ともにブレイクした作品になりました。さらに今、本作にも収録されている「Stateside」の、Zara Larssonと組んだバージョンがアメリカのビルボードチャートHot100で大ヒットを記録。まさに世界規模でのブレイクを果たしています。こちらも彼女らしいダンサナブルでポップなナンバー。ある意味、PinkPantheressの王道を行くような曲がブレイクした、ということは今後のキャリアでも順調に人気を伸ばしていくような感じがします。

彼女のキュートなルックスといい、ポップなメロディーラインといい、日本でももっともっと知名度が高まりそうな予感もあるアルバム。今後のさらなる活躍に期待したくなる傑作でした。

評価:★★★★★

PinkPantheress 過去の作品
HEAVEN KNOWS


ほかに聴いたアルバム

Croak Dream/Puma Blue

ロンドン出身でアトランタを拠点に活動を行っているジェイコブ・アレンのソロプロジェクトによる約2年半ぶりとなるフルアルバム。ジャズやトリップポップ、ソウル、エレクトロなどの要素を取り入れたローファイなサウンドに、彼女のムーディーなボーカルが加わる作品。全体的にウェット気味で影を帯びた楽曲が耳を惹く作品。全体的には派手さはなく、淡々と進行するような作品なのですが、メロウな彼女の歌声を相まって、耳の離せない独特の世界が繰り広げられる作品となっています。

評価:★★★★★

I'm a Stranger Here Myself-Wainwright Does Weill/Rufus Wainwright

アメリカのシンガーソングライター、ルーファス・ウェインライトの新作は、ドイツの作曲亞、クルト・ヴァイルへのトリビュートアルバム。日本では主に「三文オペラ」の作曲家として知られる彼ですが、ポピュラーミュージックへ与える影響も大きく、レナード・コーエンやドアーズ、デビット・ボウイなどもその影響を受けているそうです。Pacific Jazz Orchestraとの共演となっている本作は、基本的にストリングスアレンジでムーディーに聴かせる曲が多く、大人のポップスといった印象も強い落ち着いた雰囲気の作品に。良くも悪くも「安心して楽しめる」といった印象のポップアルバムとなっていますが、魅力的なメロディーを楽しめる作品となっていました。

評価:★★★★

Rufus Wainwright 過去の作品
Unfollow The Rules

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2026年5月16日 (土)

GRAND SLAM 2026 その2

前へ

EARTHISTS.の後は、体力温存のため、1時間ほど近くの喫茶店で休憩。ちょっとのんびりと体力を回復した後、再びダイホに戻りました。

バックドロップシンデレラ@ダイアモンドホール

ダイホに戻ると次のバックドロップシンデレラがリハーサル中。リハーサルなのにいきなりダイブが飛び出します。また、リハーサルでは、さきほどの打首のステージで演奏された四星球の「クラーク博士と僕」も演奏し、会場を盛り上げます。

メンバーは一度ステージからはけて、予定時刻の18時40分にライブスタート。ちなみに彼らのステージに関してはスマホによる撮影は自由。SNSなどで自由に拡散させてほしい、ということでした。

Backdroplive1

ステージはスタートそうそう大盛り上がり。1曲目からいきなりダイバーも出現。ちなみに2曲目は「魔法使いサリー」で会場全体大盛り上がりとなります。

MCの後は「フェスだして」「とんでけ鳥」で大盛り上がり。「とんでけ鳥」では、ダイアモンドホールの真ん中あたりの柵までボーカルのでんでけあゆみがダイブで進み、柵の上に立ち上がってファンをあおります。

Backdroplive2 

それから、この(上の写真)の状況から、なんとバク宙してファンの中にダイブ!これにはかなりビックリして、おもわず「スゲー」とつぶやいてしまいました。ライブ歴もう30年近いですが、観客席でバク宙してダイブで飛び込んだミュージシャンははじめて見ました・・・。

その後も「スーダラ節」や「ただそんな日々が続いて」さらには「月あかりウンザウンザを踊る」など盛り上がるナンバーが続き、会場は終始テンションが高いままライブは続きます。

Backdroplive3

最後は「さらば青春のパンク」で締めくくり。最後まで会場は大盛り上がり。ハイテンションでのライブを楽しませてくれました。

SPARK!!SOUND!!SHOW!!@SPADE BOX

そして再び地下のSPADE BOXへ。SPARK!!SOUND!!SHOW!!というバンド。完全に初耳のバンドだったのですが、SPADE BOXはほぼ満員という盛り上がり。定時の19時15分にライブがスタートとなったのですが、「機材トラブルが発生している」そうで、「みんなで盛り上げてくれ」というMCからスタート。ただ、ライブがスタートすると、特にあまりトラブルは感じられなかったのですが。

楽曲はハードコアなサウンドに語りのようなラップ気味のボーカルというスタイル。ジャンル的にはメロディック・ハードコアとなるようです。打ち込みのサウンドが入って、これでもかという轟音が会場を包み込むようなライブとなっていました。

途中「ファックユーベイビーアイラブユー」という曲でファンとコールアンドレスポンスを行い盛り上げたり、エレクトロサウンドを前面に押し出したテクノ色の強いダンスチューンがあったりと、観客をとことん盛り上げたステージ。とにかく分厚いサウンドでとことん轟音を押し出して盛り上げるステージパフォーマンスとなっていました。

四星球@ダイアモンドホール

次の四星球を見るために、SPARK!!SOUND!!SHOW!!はちょっと早めに切り上げて、再びダイホへ。またリハーサルを行っており、広末涼子の「大スキ」、さらにはCANDY TUNEの「倍倍FIGHT!」のパンクロックカバーで盛りあげていました。

リハーサル後、定時の19時50分で本編スタート。四星球も、昨年のGRAND SLAMに続いてライブを見るのはこれで2度目。段ボール工作を用いた「ネタ」をつかって観客を笑わせるコミカルなステージが特徴のコミックバンドで、この日はどんなネタで来るのかな、と思ったのですが、「GW、どこか行きましたか?」「名古屋といえばジブリパーク」というネタから、千と千尋の神隠しの主題歌が流れてきて、メンバーが千のコスプレで登場してくる・・・かと思いきや、登場してきたのは釜爺というちょっと意外なキャラのコスプレで登場。さらにギターのまさやんが宮崎駿本人のコスプレで登場。次にまっくろくろすけが登場したかと思えば、真っ黒つながりでコナンの犯人が登場というオチになっていました。

ライブは「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」からスタート。「ちょんまげマン」ではボーカルの北島康雄がちょんまげマンの姿で登場。一応、別人キャラという扱いらしいです・・・。「どんな問題」では、途中でとなりのトトロに関するクイズを観客に出します(これがライブの恒例のようです)。さらに、この日3回目となる「クラーク博士と僕」で観客のテンションもさらに上がり、ここでメンバーがダイブ。さらに、デラックス×デラックスのボーカルが登場。巨漢の彼女(?)が観客席にダイブする、というとんでもない挑戦も行われました。

新曲の「いい意味で」を披露した後は「Mr.Cosmo」へ。UFOが登場し、ボーカルが宇宙人のコスプレ、と思いきや、スガキヤのキャラクター、スーちゃんのコスプレで登場し、会場を笑わせて沸かせます。そして「薬草」へと続き、本編は一度幕を下ろします。

その後、アンコールではすぐにメンバーが登場。リハーサルで披露した「倍倍FIGHT!」のカバー。さらに「UMA WITH MISSION」へと続き、ラストはこちらもリハで披露した広末涼子の「大スキ」のカバーへ。ここでこの段階で会場に残っていた出演者全員がステージ上に呼び出され、みんなで大盛り上がり。イベントの最後にふさわしい、大団円での締めくくりとなりました。

そんな訳で、昨年から2年連続で参加したGRAND SLAM。お目当ての打首獄門同好会は本調子でなかったのはちょっと残念でしたが、それでも楽しむことが出来ましたし、2度目の四星球も楽しかった!昨年も思ったのですが、一度ワンマンにも行きたいなぁ。バックドロップシンデレラも今回2度目でしたが、こちらも思いっきり盛り上がり、楽しいパフォーマンスでした。

ただ一方、セッティング上の偶然かもしれませんが、ハードコアもしくはヘヴィーメタル的なサウンドに打ち込みを入れて、メロディーは意外とポップ、というスタイルのバンドがやけに多かった印象が・・・。

また、基本的にヘヴィーなロックバンドがメインのイベントで、観客のメインは20代あるいは30代だったのですが、意外と自分よりも上の50代、へたすれば60代くらいの観客も男女問わずチラホラ・・・。個人的に私くらいの年代が参加しても浮かなかったのはよかったのですが、まあ、ミッシェルとかナンバガの全盛期に20代だった世代が、もう50代くらいですからね・・・。

今回はほぼスタートから最後までの参加だったので、体力面でちょっと不安だったのですが、途中、体力温存しながら楽しんだだけに、最後まで疲れ果てることなくライブを楽しむことが出来ました。また来年も出来れば参加したいなぁ。とても楽しめたライブサーキットでした。

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2026年5月15日 (金)

2年連続の参加!

GRAND SLAM 2026

会場 ダイアモンドホール、SPADE BOX 日時 2026年5月4日(月)

昨年からはじまったゴールデンウィーク中のライブサーキット、GRAND SLAM。昨年も参加したこのイベントですが、今年も参加してきました。ただ、個人的な都合上、4日間の開催のうち1日のみの参加となります。

Grandslum1

会場は新栄にあるダイアモンドホールと、同じビルの地下にあるSPADE BOXの2会場。今回はスタートから参加する予定だったのですが、その前の予定の都合で遅れてしまって、会場に到着したのは14時半頃。ちょうどダイホ1番手超能力戦士ドリアンの演奏中でした。1曲だけ後ろの方で聴いていました。

タイムスケジュール上、ダイホとSPADE BOXと2会場交互でライブを行うため、基本的に全ステージが見れる構成となっているのですが、ダイホがビルの5階で、SPADE BOXが地下1階。最後まで立ちっぱなしで、かつ階段の上り下りがある、というのは年齢的に厳しくて、次のSPADE BOXのライブは見送り、そのまま、ダイホの2番手、デラックス×デラックスのステージまで待って体力温存です。20代の頃なら、おそらく全ステージ見たんでしょうけどね・・・。

デラックス×デラックス@ダイアモンドホール

デラックス×デラックスは、名前の通り、マツコ・デラックスのようなボーカルをはじめとした巨漢4人のバンド隊と、(設定上は)SPを自称するダンサー2人+DJ1名によるバンド。名前だけは知っていましたが、ライブはもちろん、音を聴くのも今回はじめてとなります。

1曲目はいきなり荻野目洋子の代表曲「ダンシングヒーロー」からスタート。基本的にそれ以降もダンサナブルなナンバーがメインとなります。楽曲的にはハードコアにトランスを混ぜたようなタイプの曲調。途中、新曲という「ギギギギルティ」という曲や、ソーラン節的な要素を取り入れた曲なども。また、最後の曲は「セクシー★ダイナマイト」という曲だそうで、最後まで踊れる曲が続きました。

巨漢のバンドメンバーと、やせ型のダンサー2人+DJという対比もなかなかユニークでしたし、曲自体もダンサナブルな曲がメインで、初見で曲を知らなくても楽しめたステージでした。ただ、それなりに激しいステージパフォーマンスで、あの体重を維持するのは逆に大変そうですが(笑)。いろいろな意味でインパクト十分なステージ。また機会があれば見てみたいです。

打首獄門同好会@ダイアモンドホール

また、この後も体力温存でダイホのロビースペースで休憩。ダイホ3番手となるのは打首獄門同好会。今回のお目当てでしたし、5月4日に参加した大きな理由は彼らを見れるから、ということにありました。

さて、この日のイベント、セットチェンジのサウンドチェックでバンドメンバーが出てくるのですが、サウンドチェックでは軽く「きのこたけのこ戦争」と「布団の中から出たくない」を演奏。バックにはスクリーンが張られ、そこにはPVも流されていたのですが、本番さながらに盛り上がります。

そして16時20分から本番スタート。「私を二郎に連れてって」「死亡フラグを立てないで」と続き盛り上がります。上にも書いた通り、バックのスクリーンでは楽曲のPVや、歌詞も流れて、会場を盛り上げます。さらに「歯痛くて」に、GWらしく(?)彼らの代表曲「働きたくない」と続いていきます。

ここでMCとなるのですが、ボーカルの大澤敦史曰く、喉の調子が本格的に悪いそうで、この日のセットリストは彼らとしては珍しい構成で、女性ボーカルパートが多い曲が並んでいるそうです。また、彼らのライブでは曲中に観客にスクワットをやらせる場面があるそうですが、この日はなし。本人曰く、コアなファンほど違和感を抱くようなセットリストになっていたそうです。

ただ、ここまで来てネタ切れになったそうで、みんなで歌って助けてもらうように、誰もが知っている「踊るポンポリコン」へ。ただ、これはかなり盛り上がり、全員で大合唱。さらにダイバーも出現していました。さらにそれでも時間が持たないということで、ヘルプを呼びかけると、この日のトリで予定されている四星球のメンバーが登場。四星球の代表曲「クラーク博士と僕」を急遽、四星球と一緒に演奏し、会場を盛り上げます。

そんな感じでなんとか時間をつなぎつつも、ただ、最後はやはり打首の曲で終わらなければいけないでしょう、ということで彼らの代表曲「日本の米は世界一」で締めくくり。なんだかんだ言っても大盛り上がりの中でライブは幕を下ろします。

打首獄門同好会のステージを見るのが今回がはじめて。やはり楽曲的にはインパクト強い曲が多く、ヘヴィーメタル的な部分と、ポップな部分のバランスもうまくて、やはりこの日のステージの中では一番人気という理由も非常によくわかるような気がします。ただ、通常のライブとはかなり異なるセットリストになっていたそうで、その点は残念。それなりに代表曲も聴けて楽しめるステージだったのは間違いないのですが・・・また、今度は本調子の時に、彼らのステージにも足を運びたいです。

Earthists.@SPADE BOX

で、ここではじめて地下のSPADE BOXへ移動。Earthists.というバンドのステージです。読みにくい名前ですが、「アーシスツ」と呼ぶグループだそうで、4人組のバンド。「ボカロ、テクノ、メタルを融合させたサウンドとメロディアスなボーカルが特徴」というバンドだそうです。

楽曲は、どちらかというとデス声も飛び出して、ヘヴィーメタル的というよりはハードコア的な印象が。ヘヴィーなサウンドにポップなメロディーラインが印象的で、ボーカルの三つ編みスタイルもちょっと奇抜で印象的でした。ヘヴィーなサウンドにシンセを取り入れた感じのサウンドは、マドカプを彷彿とさせるような部分も。モッシュやサークル、ダイブも多く発生していて、盛り上がるステージとなっていました。

圧倒的な爆音と、意外とポップなメロが楽しめたステージで、個人的にも盛り上がりました。ただ、マドカプを彷彿と書いた通り、あと一歩、彼ららしいスタイルはほしかったかも。ボカロを融合といっても、ボカロっぽさはあまり感じなかったし・・・。今後に期待といった感じでしょうか。

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2026年5月14日 (木)

3週ぶりの1位返り咲き

今週のHot Albums

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3週ぶりの1位返り咲きとなります。

今週1位はBTS「ARIRANG」が先週の2位からランクアップし、3週ぶりの1位返り咲き。今週で8週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒット。1位もこれで通算6週目となります。

2位も韓国の男性アイドルグループTWS「NO TRAGEDY」が初登場で獲得。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上22万枚で1位初登場。前作「play hard」の13万9千枚(1位)からアップしています。

そして3位にはHANA「HANA」が先週から同順位をキープ。こちらは11週連続のベスト10&ベスト3ヒット。ストリーミング数は8週連続の2位となっています。

4位以下の初登場盤は4位に韓国の男性アイドルグループCORTIS「GREENGREEN」が初登場。5位には同じく韓国の、こちらは女性アイドルグループILLIT「MAMIHLAPINATAPAI」が初登場でランクイン。6位にも同じく韓国の女性アイドルグループBABYMONSTER「[CHOOM]」がランクインと、Hot100同様、6位までアイドル系。かつ、HANAを除いてすべてK-POP勢という結果となっています。

ロングヒット盤は「超かぐや姫!」は4位から7位にダウン。14週連続のベスト10ヒット。ヨルシカ「二人称」は7位から9位にダウン。こちらは10週連続のベスト10ヒット。先週ベスト10に返り咲いたKing&Prince「STARRING」は9位から10位にダウンながらベスト10をキープ。これで通算19週目のベスト10ヒット。一方、同じく先週ベスト10に返り咲いたMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」は11位にダウン。ベスト10ヒットは通算67週で再びストップです。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週1位はHot Albumsでアルバムがベスト10ヒットを記録した韓国の男性アイドルグループCORTIS「REDRED」が獲得。ラジオオンエア数7位。Hot100でも32位にランクインしています。アルバムでベスト10入りしていて、こちらにランクインするのはHeatseekersの趣旨と違うような感じはするのですが、ルールなので仕方ありません。一方、先週まで1位を続けていたクレイジーウォウウォ!!「トンツカタンタン」は2位にダウンしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位はぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ「『ヒトグイ、」が獲得。もともと2月に公表され、「ボカコレ2026冬」で9位を獲得。4月15日付チャートで3位を獲得し、それ以来のベスト3返り咲き及び初の1位獲得となっています。タイトル通り、ホラーテイストのある不気味な楽曲。2位はSohbana「個々々々々々人」が先週と同順位をキープ。3位にはなみぐる「ド七五サンバ」が初登場しています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年5月13日 (水)

上位には男性アイドル勢がズラリ・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は上位に男性アイドル勢がズラリと並ぶ結果となっています。

1位はまず旧ジャニーズ系。Snow Manの「BANG!!」が先週の2位からランクアップし、ベスト10ランクイン2週目にして1位獲得となっています。CD販売数は1位から3位にダウンしていますが、動画再生回数が8位から2位に大幅ランクアップしています。

2位はBE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」が先週の41位からランクアップ。7週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。ダウンロード数がベスト50圏外から6位に返り咲いているほか、動画再生回数が10位にランクアップ。5月11日に、同シングルに収録されている「Rondo」のダンスプラクティス動画が公開され、話題になった影響の模様です。

3位はDOMOTO「またね」が初登場。CD販売数1位、ダウンロード数2位。ご存知Kinki Kidsの改名後のグループで、シングルとしてはDOMOTO名義で初となります。オリコン週間シングルランキングでは初動売上15万4千枚で1位初登場。前作「シュレーディンガー」の初動17万9千枚(1位)からダウン。

4位以下も、まずM!LKが「アイドルパワー」4位、「爆裂愛してる」5位、「好きすぎて滅!」6位と、4位から6位までを占拠。「爆裂愛してる」はストリーミング数が8週連続の1位でベスト10ヒットは13週連続に。「好きすぎて滅!」はカラオケ歌唱回数が8週連続、動画再生回数も2週連続1位で、23週連続のベスト10ヒットとなっています。

一方、4位以下初登場はいずれも非アイドル系。まずMrs.GREEN APPLEのボーカル大森元貴「催し」が13位から8位にランクアップ。ランクイン2週目にしてベスト10入りとなります。ミセスとは変わってロック色の強いナンバーが特徴的。一方、Mrs.GREEN APPLEは「風と町」が今週も9位にランクインしている一方、「lulu.」が11位にダウン。ベスト10ヒットは通算15週で再びストップとなりました。

さらに10位にはサカナクション「夜の踊り子」がベスト10入り。本作はもともと2012年8月にリリースされたシングル曲でしたが、インドネシアの少年によるボート上でのダンス動画に使われて話題となりネットミーム化。ストリーミング数が5位にランクインし、総合順位でもベスト10入り。リリース時にはベスト10ヒットを記録していませんでしたので、これがHot100では初のベスト10ヒットとなりました。

ほかには米津玄師「IRIS OUT」が9位から7位に再度アップ。特にストリーミング数は5週連続の2位を記録。これで34週連続のベスト10ヒットとなり、まだまだ強さを見せつける結果となりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年5月12日 (火)

クラブ系寄りだが、ポップスセンスは健在

Title:Kiss All The Time.Disco,Occasionally
Musician:Harry Styles

もともとはイギリスの男性アイドルグループ、ワン・ダイレクションのメンバーとして活動し、解散後はソロとして、俳優活動に音楽活動に、積極的な活動をみせるハリー・スタイルズ。特に音楽活動においては、シンガーソングライターとして積極的に活動を進め、前作「Harry's House」が各種音楽メディアなどでも高い評価を受けるなど、その評価を確固たるものとしています。

そんな彼の約4年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムは、タイトルからしてもわかりやすいのですが、エレクトロサウンドを全面的に取り入れた、クラブ寄りのディスコテイストの強い作品になっています。作品はいきなりビルボードのHot100で1位を獲得した「Aperture」からスタートしますが、エレクトロサウンドを聴かせるミニマルテイストの強い作品。続く「American Girls」も先行シングルで、こちらは比較的、いままでの彼の作風を引き継ぐようなメロディアスでメランコリックなポップチューンとなっていますが、続く「Ready,Steady,Go!」が、まさにこのアルバムの方向性を決めるとも言える、ファンキーでリズミカルなディスコチューン。徐々に力強いサウンドで盛り上がっていき、ライブでも盛り上がりそうな作品となっています。

その後も郷愁感あふれるエレクトロポップの「Taste Back」や、80年代風のエレクトロポップチューンでもある、その名もそのまま「Pop」という作品、さらにタイトルそのまま「Dance No More」は、こちらもいい意味でベタさもあるディスコナンバーに。ただただ音楽にゆだねて踊ろうというストレートな音楽に対するメッセージ性ある歌詞も印象的なナンバーになっています。

そしてラストの「Carla's Song」は最初、抑え気味なバラード風の作風からスタート。後半になるにつれて徐々にハイテンポになり、最後は軽快なエレクトロダンスチューンになって締めくくりと、このアルバムのラストを飾るにふさわしい、大団円的な作品で締めくくられています。

まず、アルバム全体を聴いて感じるのは、とにかくポップで聴きやすい、という点。メロディアスでインパクト十分なポップチューンの連続で、すんなりリスナーの耳に入り、素直に楽しませてくれるような楽曲が並びます。ここらへん、高いエンタメ性を求められるアイドル時代に彼に身に付いた実力なのかもしれません。一方でポップとはいえ単純に流行を追うようなサウンドを追求するのではなく、ハリーならではの個性もしっかり感じられる点も魅力的。ここらへんのメロディーセンスは彼の才能と言えるでしょう。

また、基本的にエレクトロなダンスチューンがメインとなっているアルバムですが、オーケストラアレンジを入れて、スケール感のあるサウンドを聴かせる「Coming Up Roses」や、アコギでしんみりフォーキーに聴かせる「Paint By Numbers」など、ある意味、エレクトロ主体のアルバムの中で、ちょうどよい隠し味のようなポップチューンも入れて、アルバムにインパクトを与えています。ここらへんのアルバム全体の統一感を崩さない程度で入っている、アルバムにとってのスパイスのようなバリエーションのバランス感覚の良さも彼の才能と言えるのかもしれません。

いろいろなタイプの方にとって素直に楽しませてくれる、前作同様、非常に魅力的なポップのアルバムに仕上がっていました。日本でももっと人気が出てもよいタイプのシンガーのようにも思います。幅広いリスナー層にお勧めできる、聴いていて素直に楽しめる、そんなポップな傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

Harry Styles 過去の作品
Harry's House


ほかに聴いたアルバム

TRON Ares:DIvergence/NINE INCH NAILS

昨年リリースされた映画「TRON Ares」のサントラ盤をリミックス、再構築したアルバム。文字通り、映画のスコアだったサントラ盤に比べると、ここにNINE INCH NAILSらしい解釈を加えて、雰囲気もグッと変化。特にインダストリアル色が強い作品となり、いい意味でNINE INCH NAILSらしい作品となっています。さらにArca、Boys Noizeなどといった豪華ミュージシャンがリミキサーとして参加し、NINE INCH NAILSらしいインダストリアル的な作品を軸としつつも、新たな音楽性を広げた作風。サントラ盤のリミックス、というよりもサントラ盤を素材として使ったNINE INCH NAILSの新作、といっていい傑作アルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

NINE INCH NAILS 過去の作品
GhostI-IV
THE SLIP
Hesitation Marks
Not The Actual Events
Add Violence
Bad Witch
Ghosts V:Together
Ghosts VI:Locusts
TRON:Ares(Original Motion Picture Soundtrack)

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2026年5月11日 (月)

元CHAIの双子姉妹による新ユニット

Title:DEBUT
Musician:OKAME

Debut_okame

2016年にデビューし、「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり」をコンセプトに、独自の音楽性、個性的な歌詞で高い評価を受けたロックバンドCHAI。2017年にリリースされたデビューアルバム「PINK」は日本だけではなく海外でも高い評価を受け、Pitchforkでは「BEST NEW ALBUM」という評価を受けた上に、年間ベストアルバムにもランクインしてきました。その後はイギリスのSUB POPと契約を結ぶなど、海外進出を視野に活動を続けてきましたが、2024年に残念ながら解散してしまいました。

今回紹介するアルバムは、そのCHAIの双子のボーカリスト、マナとカナによるニュープロジェクト。昨年9月に活動を再開し、シングルをリリース。そして今回、8曲入りのEP盤という形でアルバムデビューを飾っています。

まず楽曲的にはCHAIのサウンドを継承しています。ちょっとヘタウマ的な、マナとカナのユニゾン気味のボーカルがメインにしつつ、比較的シンプルなエレクトロアレンジ中心の、ちょっとドリーミーな雰囲気のアレンジが特徴的となっています。CHAIのサウンドでもエレクトロ主導となった後期の作風がメインなので、前期のバンドサウンド中心の作風に惹かれたリスナーにはちょっと残念に感じるかもしれませんが、一方で、タイトなサウンドづくりは初期のCHAIに通じるものがあり、また、後期のCHAIに感じられた、変に今風を志向したようなR&B路線はなくなり、そういう意味で、マナとカナが本来やりたかった音はこうだったのかな、といった印象も受ける内容となっています。

メロディーラインについては、CHAIの楽曲に比べるとよりポップス感が増した感じがします。特に歌謡曲からの影響は強く感じられ、アルバム冒頭の「おかしなきもち」はレトロな歌謡曲っぽい内容。「たまや」もギターも入って切ないメロディーラインが印象的で、こちらも歌謡曲からの影響を感じさせますし、「それいけ!シンデレラ」も打ち込みのサウンドを含めて80年代歌謡曲といった印象を受ける曲調になっています。もっとも、このポップ路線については、タイアップシングルなどではCHAI時代でも顔を覗かせていた部分ではあり、タイトなサウンドとマッチして、おそらくCHAIの曲が気に入っている方ならば、大きな違和感は覚えないのではないかと思います。

一方、CHAIと比べるとかなり大きな変化があったのはやはり歌詞の部分。もともとCHAIの歌詞はベースのユウキが担っていたということもあり、ルッキズムにとらわれない自分らしさの追求といったCHAI時代の歌詞に比べるとかなりコンセプトが異なり、率直に言うと、普通のラブソングとなっています。特に2023年にカナが結婚したそうで、そこらへんの心境の変化も大きかったのではないでしょうか。ただ、独自性があって、女性はもちろんのこと、自分らしさの追求という点で男性にもある種の共感を覚えた歌詞がなくなってしまった点はちょっと残念にも感じました。

CHAIの良さや個性も残っており、サウンドには独特なものがあるだけに、今後が楽しみな一方、全体的に打ち込みのサウンドはチープさもあり(ひょっとしたらわざとかもしれませんが)、歌詞も含めて圧倒的な個性という面ではCHAIの後継としては物足りなさを感じてしまったのも事実。ただ、CHAIも活動休止前は音楽性がいまひとつ定まらず、迷走していた感もあるので、あらためてマナ&カナがやりたい音楽、ということで方向が定まったという意味も大きいのでしょう。とりあえずは今後に期待、といった感じで。今後もその活動に注目していきたいところです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days~YONMARU~-LIVE-/TM NETWORK

昨年10月から、7ヶ月連続でサブスク解禁されているTM NETWORKのライブアルバム第5弾。40周年プロジェクトファイナルシリーズとなるライブの模様を収めたアルバム。このライブツアーに関しては、私も2014年、大阪公演に参加しており、セットリストについては基本的にその時とほぼ同じ。その時のライブレポにも書いたのですが、セットリストは、1980年代90年代の楽曲のうち、知る人ぞ知る的な曲も多く、ちょっとマニアックな感。それがまた40周年の締めくくりにふさわしいと言えるかもしれません。何気に熱心なファンにはうれしい内容となっているセットのライブアルバムでした。

評価:★★★★★

TM NETWORK 過去の作品
SPEEDWAY
TM NETWORK THE SINGLES 1
TM NETWORK THE SINGLES 2
TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999
DRESS2
QUIT30
GET WILD SONG MAFIA
GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition
Gift from Fanks T
Gift from Fanks M
LIVE HISTORIA T 〜TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015〜
LIVE HISTORIA M〜TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015〜
DEVOTION
40+ ~Thanks to CITY HUNTER~
How Do You Crash It?
TM NETWORK TOUR 2022"FANKS intelligence Days"at PIA ARENA MM-LIVE-
TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days~DEVOTION~-LIVE-
TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days 〜STAND 3 FINAL〜

ケツメイシ14/ケツメイシ

2025年5月にDJ KOHNOが脱退。3人組となってから初となる決明子のニューアルバム。基本的にレゲエ+HIP HOP的なスタイルはいつも通りながらも、エレクトロを取り入れてスペーシーな作品や、同じくエレクトロなダンスチューン、ハワイアン的な要素を取り入れた曲などバラエティーは豊富。ユーモラスをまじえた大人の応援歌的な内容は相変わらずで、3人組になってもいつものケツメイシという路線は変わりません。目新しさはありませんが、良くも悪くも安心して聴ける1枚でした。

評価:★★★★

ケツメイシ 過去の作品
ケツノポリス5
ケツノポリス6
ケツノポリス7
ケツの嵐~春BEST~
ケツの嵐~夏BEST~
ケツの嵐~秋BEST~
ケツの嵐~冬BEST~

KETSUNOPOLIS 8
KETSUNOPOLIS 9
KTMusic(KTMusic)
KETSUNOPOLIS 10
ケツノポリス11
ケツノパラダイス
ケツノポリス12
ケツノポリス13

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2026年5月10日 (日)

平安時代から続く「ステージ」

熱田神宮舞楽神事

会場 熱田神宮 日時 2026年5月1日

今回のライブレポート(?)はちょっと毛色が違います。以前、ここで日本古来の音楽、雅楽についての本を紹介しましたが、そこでも紹介されていた、地元熱田神宮で行われる雅楽の神事、「舞楽神事」。毎年5月1日に行われているということで、前述の本で興味を持ったため、出かけてきました。

神事自体は朝10時40分からスタートしているのですが、午前中は仕事をして、午後から熱田神宮に足を運びます。場所は本殿向かって左にある祈禱殿・長床。その長床を舞台として、客席としてテントも設置し、椅子も容易されていました。まずは本殿にお参りをした後、会場へ。椅子はほぼ埋まっていましたが、いくつか空きもある状況。パラパラと立見の人もいるものの、自分の席も確保し、思ったよりも楽な状態で神事を見ることが出来ました。

自分がついた時は、ちょうど午後一の演舞がスタートしたところ。「新靺鞨」という題目だそうで、演舞がはじまる前に内容についての簡単な解説も行われました。

Sinmaka1

このように、正座して再拝したり

Shinmaka2

横になって、手を挙げて孤を描くなど、ユニークな振りが特徴的な演舞で、もともと、題目の靺鞨とは中国東北部のツングース系部族の名前だそうで、そこの舞踏をあらわしているということ。他の演舞とはちょっと異なる雰囲気を楽しめる演舞となっているそうです。

そして続く演目は「胡蝶」。

Kocho

女性4人の踊り子による、優雅な舞が特徴的な演目。「童舞」ということで、子供の舞のようですが、この日は20代くらいの女性4人による踊りでした。

この日の演目の中で、この「胡蝶」が一番有名な演舞だったこともあり、この演舞が終わった後、会場を立ち去る人もチラホラいました。

続いては「抜頭」という演目。

Batou

猛獣によってかみ殺された親の仇を山にわけいって見事に果たし、喜び勇んで山を駆け降りるさまを舞にしたそうで、なかなか激しい舞を見せてくれました。

そして、これに続くのが「還城楽」という演目。蛇を好んで食べる胡国の人が蛇を見つけて喜ぶさまを舞にしたそうで、

Genjoraku1

天狗のようなお面をつけた胡国の人に扮した踊り手が、舞を見せてくれます。さらに途中から「蛇」も登場。

Genjoraku2

左にいる「蛇」の被り物としているのが「蛇」に扮した人。蛇の置物をもって登場し、置物を置いて去っていきます(写真をクリックすると拡大するので、蛇の置物もわかるかと思います)。

この「蛇」を胡国の人が見つけるのですが、その時は、両手と片足を大きく振り上げて、いかにも(というかちょっとベタに)喜んでいる様をあらわした演舞がかなりユニーク。全体的にコミカルさがある演舞で、見ているだけで楽しめました。

最後は、「長慶子」という、舞はない音楽だけの演奏で締めくくり。

Tyogeisi

こんな感じで舞台袖で演奏者が、和楽器を演奏しています。最後の演奏は比較的短く、15時頃に幕を閉じました。

そんな訳で、いつものライブレポートとはちょっと異なりますが、まさに日本古来からの「ライブステージ」ということで、ここでも取り上げてみました。ちょっと堅苦しいイメージもある雅楽ですが、優雅な舞が楽しめる他、演目によってはコミカルな舞もあり、当日は解説を記載した紙も配られたり、またアナウンスも流されたりと、思った以上に楽しめた内容でした。ちなみに平安時代から続く古式ゆかしい行事ということで、毎年5月1日に行われています。来年も来ようかなぁ~。

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2026年5月 9日 (土)

ちょっと意外な約10年ぶりの新作

Title:The Romantic
Musician:Bruno Mars

前作「24K Magic」以来、実に約9年3か月ぶりとなるブルーノ・マーズのニューアルバム・・・と書くと、意外に感じる方も多いでしょう。2021年にシルク・ソニックとしてのアルバムをリリースしているほか、2024年にはLady Gagaと組んだ「Die With a Smile」が大ヒットを記録。さらにおなじ2024年には、ROSEと組んだ「APT.」が日本でも大ヒット。ここ数年、ブルーノ・マーズの名前を聴く機会が多かっただけに、彼のオリジナルアルバムが10年近いスパンが空いているというのは、ちょっと意外に感じてしまいます。

さて、そんなヒット曲が続いてブルーノ・マーズの新作ですが、久々のリリースながらも、全9曲入り31分という比較的コンパクトな内容に。さらに彼らしいレトロなソウルやラテンの要素を取り入れた、比較的シンプルな作品に仕上がっています。

アルバムはいきなりバラードナンバー「Risk It All」からスタート。ラテンフレーバーなバラードナンバーからスタートという展開はちょっと意外性もありますし、ちょっと地味目な楽曲からのスタートというのは、彼のアルバムに対する自信のあらわれかもしれません。続く「Cha Cha Cha」はタイトルそのまま、キューバ発祥のラテンダンスナンバーチャ・チャ・チャのナンバー。メランコリックながらも軽快なラテンらしい楽曲となっています。

そして、全米1位も記録した先行シングル「I Just Might」へ。70年代風のディスコナンバーで、軽快なインパクト十分なナンバー。間違いなくアルバムの核となっています。その後もラテンのリズムも加えたソウルバラードの「God Was Showing Off」や、70年代風の軽快なソウルチューン「On My Soul」などが続き、ラストはメロウなソウルバラード「Dance With Me」へ。切なさを感じられる胸キュンのメロが耳に残ります。

全体的にはブルーノ・マーズらしい、ルーツ志向のソウルナンバーがメインながらも、ラテンの要素を取り入れた楽曲も目立つ作品。正直、目新しい作品はないですし、そういう意味では賛否はわかれる作品になっているようです。ただ一方で、先行シングルとなった「I Just Might」のような、アルバムの核となるようなインパクトある曲もありますし、ラストのバラード「Dance With Me」もインパクト十分。ブルーノ・マーズの魅力をしっかりと感じられる作品だったと思いますし、いい意味で、ブルーノ・マーズがちゃんと彼の求められる魅力をしっかり提示した作品になっていたと思います。

ちなみに、「Die With a Smile」も「APT.」も未収録。ここらへん、昔だったら、国内盤のボーナストラックに収録されそうなんですけどね。ここらへんを目当てに聴いてみるとガッカリするかも・・・って、サブスクだから、今の時代、難なく楽曲は聴けるのですが。「APT.」ではじめてブルーノ・マーズを知った方が最初に聴くにもピッタリな、ブルーノ・マーズらしい傑作でした。

評価:★★★★★

Bruno Mars 過去の作品
Doo-Wops & Hooligans
Unorthodox Jukebox
24K Magic
An Evening With Silk Sonic(Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic)


ほかに聴いたアルバム

Prizefighter/Mumford&Sons

前作からわずか11ヶ月というスパンでリリースされたMumford&Sonsの新作は、ニューヨークのスタジオでわずか10日という短さで完成させたという作品。前作はアコースティックな作品とバンドサウンドを取り入れた曲を共存させた作風でしたが、今回のアルバムではフォークに回帰させた、アコースティックメインのシンプルな作風の構成に。短期間で制作された内容だからこそ、よりシンプルな内容になったのでしょうか。原点回帰的な作品で目新しさはありませんが、Mumford&Sonsらしさが強調された、そんな作品になっていました。

評価:★★★★

Mumford&Sons 過去の作品
Sigh No More
Babel
Wilder Mind
Delta
Delta Tour EP
Rushmore

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2026年5月 8日 (金)

サウンドと映像のリンクも楽しいステージ

KRAFTWERK MULTIMEDIA TOUR 2026

会場 Zepp Nagoya 日時 2026年4月27日(月)

最近、レジェンドクラスのミュージシャンのライブに積極的に足を運んでいるのですが、今回、足を運んだライブはクラフトワーク。テクノポップの先駆者として知られている彼ら。とはいえ、クラフトワークのライブを見るのは今回がはじめてではなく、以前、エレクトラグライドで来日した時に見たことがあります。彼らがエレグラで来日したのは2002年だったらしいので、実に24年ぶりに見たステージとなりました。

ライブは19時ちょうどにスタート。ステージ上は、4つセットされたパソコンを設置された机のみという、クラフトワークらしいシンプルなステージ。そこに4人が並んで登場し、ライブがスタートとなります。

Kraftwerklive1

ライブは「Numbers」からスタート。曲にあわせてバックのスクリーンでは「1 2 3 4・・・」と数字が強調されます。英語やドイツ語の他、日本語で「いち、に、さん、し」という言葉が流れるシーンもあり、このシーンでは会場から歓声もわきました。

音楽だけではなく、バックのスクリーンに流れる映像も見ているだけで楽しいものがあり、2曲目「Home Computer」に続く「Spacelab」では、宇宙からUFOがやってくる設定だったのですが、UFOが降り立った町が名古屋(!)。最後はZepp Nagoyaの前に降り立つという演出まで見せてくれました。海外のミュージシャンのライブで、ここまでピンポイントな映像を用意してくれるのはうれしいですね!

Kraftwerklive2

↑ UFOは上のように、最初、栄のテレビ塔とオアシス21に降り立ちます。なかなか粋な演出です。

さらに、「Airwaves」「Tango」と続き、彼らの代表曲のひとつ、「The Man-Machine」へ。ここでもやはり観客席からは歓声があがりました。

Kraftwerklive3

その後は「Electric Cafe」「Autobahn」と代表曲が続きます。「Autobahn」ではおなじみのマークにこちらも歓声が。

Kraftwerklive4

ここらへんから会場のテンションはどんどんと上がっていきます。「Computer Love」「The Model」と続き、「Neon Lights」では手拍子で盛り上がります。

そして、ここではじめてで唯一のMC。2023年に亡くなった坂本龍一との思い出を語ります。坂本龍一が主催し、クラフトワークも出演した反原発フェス「NO NUKES」の思い出も語られ、バックには坂本龍一との写真が映し出されます。

Kraftwerklive5

さらにここで坂本龍一の「Merry Christmas Mr.Lawrence」へ。ご存知戦メリの主題歌をしんみりと聴かせてくれます。この坂本龍一への追悼、2024年のフジロックでもライブの中に組み込まれていたそうで、日本オンリーのいわばサービスかな、と思いきや、海外の彼らのライブのセットリストを見る限りでは、この曲も演奏されている模様。それだけクラフトワークの坂本龍一への思いの強さを感じます(と同時に、世界でも通用する坂本龍一の知名度をあらためて驚かされます)。

その後は彼らの代表曲「Radioactivity」へ。途中、広島や福島など、放射能の被害にあった地域の名前を具体的にあげて、日本語で「はやくやめろ」と、かなりストレートで明確な反原発のメッセージも流します。さらに「Tour de France」「Trans-Europe Express」と彼らの代表曲が続き、会場は盛り上がります。

Kreftwerklive6

終盤は「Pocket Computer」「La Forme」「Planet of Visions」と盛り上がり、軽快な「Boing Boom Tschak」から「Musique Non Stop」へ。最後はメンバーが一人ひとり順番にお辞儀しつつステージ上から去り、最後にボーカルのライフ・ヒュッターがお辞儀をし会場を去り、本編は終了となりました。

アンコールはあるかな?と思いつつ、客電も明るくならなかったため、会場からは大きなアンコールが起きます。アンコールは「The Robot」。メンバーそれぞれを模したロボットの映像が流れながら、最後の最後まで会場は大盛り上がりとなります。

Kreftwerklive7

最後はメンバー全員、ステージ前に出て深々とお辞儀し、ライブは終了。アンコール込みでほぼ2時間のステージでした。

Kreftwerklive8

冒頭に書いた通り、これが2度目となるクラフトワークのライブ。文句なしに大満足の非常に楽しいステージでした!バックに映し出される映像と楽曲とのマッチも見ているだけで楽しいものでしたし、そこに流れるリズミカルなエレクトロチューンも、なによりもポップで楽しく、かつ、思わず身体も踊り出すリズミカルなビートが心地よいステージ。なによりも彼らが奏でるメロディーラインが非常に魅力的であるということを、今回のライブであらためて実感しました。

彼らもかなりベテランのミュージシャンなだけに、次の来日公演があるのか不明な部分があるのですが・・・音はまだバリバリの現役。それだけに、まだまだ積極的な活動は続きそう。次の来日公演にも、是非とも足を運びたいです!とてもワクワクした2時間のステージでした。

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2026年5月 7日 (木)

2位3位は変わらず

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2位3位はまだまだヒットが続きそうです。

まず1位は旧ジャニーズ系。timeleszのアルバム「MOMENTUM」が初登場でランクイン。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上32万7千枚で1位初登場。前作「FAM」の初動61万9千枚(1位)からダウンしています。

2位はBTS「ARIRANG」が先週から同順位をキープ。ストリーミング数も7週連続の1位を獲得しています。また3位はHANA「HANA」が、こちらも先週から同順位をキープ。ストリーミング数は7週連続の2位。こちらは10週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒットに。この2作はしばらくヒットが続きそうです。

4位以下の初登場盤は、まず5位に3SKM「Nighthawks」がランクイン。にじさんじ所属のVTuberによるアルバム。8位にはLDK所属の男性アイドルグループBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「BEAT」が初登場でランクインしています。

また、今週ベスト10返り咲きとして、King&Prince「STARRING」が先週の12位から9位にランクアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算18週に伸ばしています。さらにMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週の13位から10位にランクアップ。こちらは2月25日付チャート以来10週ぶりのベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算67週に伸ばしています。

他のロングヒット盤では「超かぐや姫!」が6位から4位にアップ。ベスト10ヒットは13週連続に。じわりと人気を伸ばしていています。またヨルシカ「二人称」は8位から7位にアップ。これでベスト10ヒットは9週連続となりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週もクレイジーウォウウォ!!「トンツカタンタン」が2週連続で1位を獲得。通算7週目の1位獲得となりました。ただし、Hot100は70位から74位にダウンしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位は流星P「magnet-recall-」が初登場で1位を獲得。流星Pは湊貴大の名前で活躍しているミュージシャン。本作はもともと2009年にリリースされたヒットした「magnet」のリメイク作。オリジナル版の投稿17周年となる5月1日に公開されたそうです。2位はSohbana「個々々々々々人」が再浮上。4月1日付チャート以来のベスト3返り咲き。3位はDECO*27「ラブパラ」が初登場で3位獲得です。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2026年5月 6日 (水)

1位返り咲き

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

13週ぶりの1位返り咲きとなります。

今週1位はNumber_i「3XL」が2月4日付チャート以来、13週ぶりの1位返り咲き。4月27日にCDがリリースされた影響で、先週の42位から大幅にランクアップ。CD販売数2位、ダウンロード数1位、ストリーミング数10位、ラジオオンエア数2位で、総合順位で1位を獲得しています。例のごとくTOBE通販限定販売のため、オリコン週間シングルランキングではランキング対象外となっています。

2位は旧ジャニーズ系男性アイドルグループSnow Man「BANG!」が初登場。映画「SAKAMOTO DAYS」主題歌。CD販売数1位、動画再生回数8位。オリコンでは初動売上90万6千枚で1位初登場。前作「SERIOUS」の初動88万3千枚(1位)からアップ。

3位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループONE N' ONLY「WARAiNA」が初登場。CD販売数3位。オリコンでは初動売上16万2千枚で2位初登場。前作「BLAST」の初動12万2千枚(2位)からアップしています。

4位以下初登場曲は、まず5位にSHOW-WA&MATSURI「ジューンブライド」が初登場。秋元康プロデュースによる昭和をコンセプトとした男性アイドルグループですが、ここに来て、完全にM!LKにお株を取られた感は否めません。CD販売数4位。オリコンでは初動売上12万1千枚で3位初登場。SHOW-WAとしては、前作「東京ジャンクション」の初動9万1千枚(1位)からアップ。MATSURIとしては、前作「アガベの花」の初動5万3千枚(3位)からアップ。SHOW-WA&MATSURI名義としては、前作「僕らの口笛」の初動9万3千枚(3位)からアップしています。

そして、そのM!LKの「アイドルパワー」が6位に初登場。配信限定シングルで、ダウンロード数2位、ストリーミング数4位、ラジオオンエア数7位、動画再生回数15位。ちなみにM!LKは「爆裂愛してる」が7位、「好きすぎて滅!」が8位と、6位から8位に3曲並ぶ結果となっています。「爆裂愛してる」はストリーミング数が7週連続1位で、12週連続のベスト10ヒット、「好きすぎて滅!」はカラオケ歌唱回数が7週連続1位、動画再生回数も2位から1位に再度アップし、22週連続のベスト10ヒットとなっています。

一方、ロングヒット勢は、まず米津玄師「IRIS OUT」が6位から9位にダウン。ただし、ストリーミング数は4週連続の2位。動画再生回数もここに来て4位から3位にアップしています。これで33週連続のベスト10ヒット。

Mrs.GREEN APPLE「lulu.」も先週から変わらず10位をキープ。これで通算15週目のベスト10ヒット。また「風と町」も2ランクダウンながらも4位をキープし、今週も2曲同時ランクインとなっています。

一方でしぶとい人気を見せていたKing Gnu「AIZO」は今週11位にダウン。ベスト10ヒットは通算15週で再びストップとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2026年5月 5日 (火)

隠遁生活している女性が主人公

Title:Nothing's About to Happen to Me
Musician:Mitski

三重県出身の日系アメリカ人のシンガーソングライター、Mitskiの、約2年5ヶ月ぶりとなるニューアルバム。2022年にリリースされたアルバム「Laurel Hell」はビルボードチャートで最高位5位を記録するなど大ヒットを記録。一方、それに続く前作「The Land Is Inhospitable」は最高位12位と残念ながらベスト10落ちしてしまっていましたが、今回のアルバムでは最高位10位と、再びベスト10ヒットを記録しています。

今回のアルバムに関して、まず感じてしまうのは全体的に地味なアルバム、という点でした。この点に関しては前作「The Land Is Inhospitable and So Are We」も同じようなことを感じたので、基本的にその路線を引き継いだ作品と言えるのかもしれません。アルバムの冒頭を飾る「In a Lake」から、いきなりバンジョーの音色からスタートする、カントリーテイストの強いナンバーになっていますし、「Cats」もストリングスでフォーキーに聴かせるナンバー。中盤の先行シングルになった「I'll Change for You」も、ストリングスとホーンセッションで、優雅に聴かせるような楽曲に。終盤の「Charon's Obol」もフォーキーに聴かせる楽曲に仕上げているなど、全体的におとなしいサウンドでメロを聴かせるタイプの曲が並んでいます。

ここらへん、全体的に聴かせるタイプの曲が並ぶのは、アルバムのコンセプトに依る部分も大きいでしょう。今回のアルバムのコンセプトとして、「荒れた家に住む隠遁生活を送る女性の主人公」がテーマだそうで、「家の外では彼女は異端者だが、家の中では自由」というテーマ性の下でのアルバムとなっているそうです。今回、しっかりと聴かせるナンバーが多いのは、主人公の内面を描いたような曲が多いから、という理由なのでしょう。

もちろん、これらの作品についても全体的におとなしく、地味な作風とはいえ、美しく聴かせるメロディーラインは、ソングライターとしてのミツキの実力を存分に感じられるもの。前述の先行シングル「I'll Change for You」も伸びやかな彼女のボーカルを生かしたメロウなメロディーラインが魅力的ですし、軽快なカントリー調の「Rules」も、楽しげなポップなメロが印象的。「Charon's Obol」もシンフォニックなサウンドも取り入れて、美しく聴かせるメロも強いインパクトを持った曲となっています。

一方で、初期の彼女を彷彿とさせるようなギターサウンドを前に押し出したような曲も少なくなく、例えば「Where's My Phone?」もヘヴィーでノイジーなギターを前に押し出した楽曲。「That White Cat」も力強いバンドサウンドを聴かせるロックチューンとなっていますし、最後を締めくくる「Lightning」もバンドサウンドを中心に分厚いサウンドを構成しており、最後にふさわしいダイナミックな曲調とサウンドに仕上げています。

そんな訳で、全体的に地味な印象はぬぐえないアルバムなのですが、カントリーやフォークを取り入れたサウンドやメロディーは美しく、心に残り、また、時折聴かせてくれるバンドサウンドのダイナミックなロックチューンは、アルバムの中でちょうどよいインパクトとなっているように感じました。今回も申し分ない傑作アルバム。シンガーソングライターとしていい意味で安定感も覚える作品でした。

評価:★★★★★

Mitski 過去の作品
Be the Cowboy
LAUREL HILL
The Land Is Inhospitable and So Are We


ほかに聴いたアルバム

Days of Ash/U2

Days_of_ash

U2が急遽リリースした6曲入りのEP盤。「急遽リリース」というのは理由があって、いずれの曲も社会派な曲で構成されており、非常に強い政治的メッセージが込められた曲が並びます。「American Obituary」は、アメリカICEによって射殺されたレネー・グッドに捧げる曲ですし、「Song Of The Future」は、マフサ・アマニ抗議運動に参加し、当局に殴打されて死亡した、16歳のイラン人女子学生に捧げた曲。ラストの「Yours Eternally」は、かのエド・シーランが参加したことでも話題ですが、ウクライナの歌手から兵士になったタラス・トポリアがゲストボーカルとして参加。ウクライナの戦争について歌った歌となっています。

メロディーラインやアレンジは、ある意味シンプルなギターロックとなっており、いつものU2といった感じで目新しさは覚えません。ここらへん、楽曲の完成度よりも、その伝えたいメッセージの適時性を優先させたのでしょう。ある意味U2らしいですし、こういう行動をすぐに行えるあたりもミュージシャンとしての頼もしさを感じます。純粋に楽曲としての出来ならば★4つですが、そのメッセージに敬意を表して、★1つ追加で。

評価:★★★★★

U2 過去の作品
No Line on the Horizon
Songs of Innocence
Songs Of Experience
The Virtual Road – U2 Go Home: Live From Slane Castle Ireland EP
Live At Red Rocks: Under A Blood Red Sky EP
The Virtual Road – PopMart Live From Mexico City EP
The Virtual Road – iNNOCENCE + eXPERIENCE Live In Paris EP
Songs Of Surrender
ZOO TV Live In Dublin 1993 EP
How To Dismantle An Atomic Bomb(Re-Assemble Edition)

Green Mind (Expanded Edition)/Dinosaur Jr.

アメリカのロックバンド、ダイナソーJr.が1991年にリリースし、オルタナティヴ・ロックを代表する名盤とされる作品。2019年に、B面集&シングル集と、ライブ音源を加えた2CDのデラックス拡張盤がリリースされましたが、本作は、同作にリマスターを加えた再発盤となります。オルタナティヴ・ロックの、ある意味「手本」的なオリジナルの傑作ぶりはもちろんなのですが、本作の聴きどころはやはりDisc2のライブ音源。1991年6月14日に、ハリウッドのパラディウムでのライブの模様を収録しているのですが、かなり荒々しい音源となっており、ダイナソーJr.のコアな部分が如実にあらわれた音源になっています。彼らの「本質」に触れるにはうってつけの音源になっていました。

評価:★★★★★

Dinosaur Jr. 過去の作品
beyond
Farm
Give a Glimpse of What Yer Not
SWEEP IT INTO SPACE

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2026年5月 4日 (月)

「死」をテーマとしたコンセプチュアルな作品

Title:The Moutain
Musician:Gorillaz

約3年ぶりとなるGorillazのニューアルバム。いまやすっかりデーモン・アルバーンにとってのメインプロジェクトとなってしまっていますが、今回のアルバムも、全英チャートで1位を獲得した他、アメリカのビルボードチャートでも7位となるなど、人気面でも相変わらず高い評価を維持しています。

さて、Gorillazといえば、毎回、主にデーモンの幅広い音楽的な興味が反映されたようなアルバムとなっていますが、今回のアルバムについてもその特徴は顕著。まず目立つのは全体的にシタールやタブラなどといったインド古典音楽からの影響。オープニングを飾るタイトルチューンでもある「The Mountain」では、シタールの響きでスピリチュアルな雰囲気を醸し出していますし、「The Empty Dream Machine」でもイントロではシタールの音色が。「The Shadowy Light」では、インドの古典音楽で使われる弦楽器、サロードの奏者であるAyaan Ali Bangashがゲストで参加しています。

もちろん取り入れている音楽はインド音楽に限定されず、エレクトロサウンドを取り入れてポップに仕上げた「Orange County」、IDLESが参加した「The God of Lying」はポストパンク的な作品となっていますし、もちろん今回のアルバムでもHIP HOP的な要素が随所に見られます。相変わらずデーモンの幅広い音楽的な興味が反映された自由な音楽性を聴かせてくれる作品となっています。また、使われている言語も英語だけではなく、アラビア語や

そして今回のアルバムで一番大きなポイントとなっているのは本作のコンセプト。今回のアルバムでは「死、悲しみ、そして死後の世界」がテーマとなっており、これは制作中にデーモン・アルバーンやジェイミー・ヒューレットの近親者の死を経験したことが大きなインスピレーションになっているそうです。

そのコンセプトがわかりやすいのが、まず、故人のミュージシャンによる音源を多く用いていること。「The Hardest Thing」では2020年に亡くなったトニー・アレンが参加しているほか、「The Manifesto」では2006年に亡くなった、HIP HOPグループD12のメンバーでもあったProofの音源が用いられていたり、「Delirium」では2018年に亡くなった、ポストパンクバンドThe Fallのメンバー、Mark E.Smithが参加していたりと、まさに死後の世界と現世をつなぐような参加ミュージシャンとなっています。

楽曲的にもアルバムの冒頭を飾る「The Mountain」は死後の世界を彷彿とさせるような幽玄な雰囲気を醸し出していますし、続く「The Moon Cave」でも"If You're Leaving/Don't make it harder than it is/Let me Know"(もし君が去る時は、これ以上複雑にしないでください。ただ私に知らせてください。)と、死を彷彿させるようなフレーズが登場します。またラストを飾る「The Sad God」も荘厳な曲調に仕上がっており、"Even if they let me into heave/I would prolly just move back soon"(もし彼らが天国に私を受け入れても、すぐに戻るつもりです)と、死と、その先にある再生を示唆するような歌詞を聴かせてくれています。

そもそもインド音楽の要素を多く取り入れているのも、特にデーモンのようなイギリス人にとっては、インド音楽でイメージされる幽玄な音楽性が死や死後の世界をイメージさせるのでしょう。日本人にとっても同じようなイメージはありますが、特に西洋的な価値観と、インドのような東洋的な価値観のギャップは、おそらく私たち日本人がイメージするよりも大きく作用しているのではないでしょうか。

全体的には様々な音楽性を取り入れた作品となっており、決して派手でわかりやすいポップなナンバーはありません。いままでの作品以上に音楽面ではデーモンのパーソナルな作品になっているようにも感じました。ただ一方、「死」をテーマとしたコンセプトがあった影響で、アルバム全体の統一感が生まれたようにも感じました。

そんな訳で、デーモンのパーソナルな作品という意味でちょっと地味な印象も受ける一方、アルバム全体としての流れもしっかりと感じられ、その多彩な音楽性を合わせて、文句なしの傑作アルバムに仕上がっていたと思います。デーモンの幅広い音楽的な興味もあわせて楽しめる作品でした。

評価:★★★★★

GORILLAZ 過去の作品
D-Sides
Plastic Beach
THE FALL
The Singles Collection 2001-2011
Humanz
The Now Now
Song Machine: Season One – Strange Timez
Cracker Island


ほかに聴いたアルバム

Xavier/xaviersobased

Xavier

アンダーグラウンドHIP HOPの中で、今、最も注目を集めるミュージシャンのひとり、xaviersobasedの最新アルバム。終始、エレクトロをベースとしたサウンドが流れ、全体的に浮遊感を覚えるビートも特徴的。そこにxaviersobasedのオフビート気味のラップがのり、独特の雰囲気を醸し出しているアルバム。前作「keep it goin xav」ではラップのメランコリックなフロウが特徴的で、本作でもそんなフロウを聴かせてくれる曲はあるものの、全体的には1曲あたり2、3分と短いものの、次から次へと繰り広げられるトラックメイキングの妙がおもしろい作品になっていました。

評価:★★★★

xaviersobased 過去の作品
keep it goin xav

As Of Now/LORD JAH-MONTE OGBON

Asofnow

アメリカ・ノールカロライナ州はシャーロット出身のラッパーによる新作。最近、アンダーグラウンド・ヒップホップでは注目を集めているラッパーだそうで、本作も高い評価を得ています。サウンド的にはいわゆるブーンバップ系で、暖かみのあるソウルやジャズの要素を入れたトラックが魅力的。トラップ的な、今時のリズムを取り入れつつも、ムーディーに聴かせるトラックにローファイ気味の独特のラップが楽しめる作品になっています。高い注目も納得の、そのソウルなトラックが強い印象に残る作品でした。

評価:★★★★★

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2026年5月 3日 (日)

あの頃の電気グルーヴ

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

「オールナイトロングー私にとっての電気グルーヴのオールナイトニッポンとその時代ー」。1990年代初頭に一世を風靡した、電気グルーヴの深夜ラジオ放送「オールナイトニッポン」で放送作家としてデビューし、現在も活躍している椎名基樹による著書。タイトル通り、彼が描く、初期の電気グルーヴの軌跡を追った内容となっています。この椎名氏、石野卓球の後輩で、電気グルーヴの前身でもある伝説的なグループ、人生のメンバーでもあったそうで、単なる電気グルーヴのラジオ番組を担当したスタッフ、という間柄ではなく、電気グルーヴのメンバーと長く深いつながりを持った、ある意味、電気グルーヴを語るにふさわしい一人による著作となっています。

そして、これは電気グルーヴのファンはもちろん、90年代のサブカルシーンがどういう時代だったのか、興味がある方にとっては必読とも言える非常に興味深く、そして楽しんで読める1冊となっていました。本書は、静岡時代の石野卓球、ピエール瀧にまつわるエピソードから人生の結成・解散から電気グルーヴの結成、東京進出、そして物語のメインとなる電気グルーヴの「オールナイトニッポン」の物語、そしてWIREに至る物語となっています。ここらへんの主な電気グルーヴの歩みについては、以前も映画「DENKI GROOVE THE MOIVE?」でも取り上げられたりしているため、電気のファンなら概ねなじみのある話ではないでしょうか。ただ、物語としては、彼らの後輩である椎名氏の視点から書かれており、この「後輩」という距離感から描かれる石野卓球とピエール瀧の少年から青年時代の物語は、ファンにとっても興味深く、新鮮味があるものではないでしょうか。

さらに本書を読んでいてもっとも興味深く感じたのは、前のパラグラフでも書いた通り、80年代及び90年代のサブカルチャーがどのようなシーンだったのか、どのような時代だったのか、さらにそのようなサブカルシーンの中での電気グルーヴの立ち位置はどのようなものだったのか、実際にサブカルシーンの真っただ中にいた椎名氏の視点から、具体的な体験談として描かれているという点でしょう。

この80年代、90年代サブカルについては、ちょっと前に一部で大きな話題となりました。例の東京オリンピックを巡るコーネリアス小山田圭吾の「いじめ発言」騒動です。この時、小山田圭吾が雑誌で、いじめを行ったことを告白した背景として、90年代サブカルチャーの露悪趣味について話題となり、その時代性があらためて取り上げられました。

本書では、実際にそのサブカルシーンの中にいた著者によって、その時代の空気感、そして電気グルーヴの行動と、それがサブカルシーンの中でどのような意味があったのか、ということを描き出しています。そういう意味では、小山田圭吾の騒動の時に話題となった90年代サブカルを別の視点で理解できると共に、映画で描かれた電気グルーヴの「表の歴史」に対して、本書では電気グルーヴのいわば「裏の歴史」を描いていると言えるかもしれません。

この本で感じるこの時代のサブカルチャーというのは、いわば権力や世間の常識に対して「おちょくる」という姿勢を感じます。それは、それ以前の時代、70年代に見られた、明確な政治権力に対して異を唱えるような、文字通りの「反権力」とも異なりますし、逆に、現在に見られるような権力を容易に容認したり、場合によっては自らが「権力側」にいるようにふるまうような姿勢とも異なりますし、ある種の「反権力」が行き過ぎて、「陰謀論」に陥るような現代の風潮とは異なります。私の世代に近いから特に感じるのかもしれませんが、この時代のスタンスは、「権力」「反権力」に対して、ちょうどよいスタンスのようにも感じられます。

もうひとつ本書で感じたのは、「渋谷系」や「クラブ」のような、いわば都会的で洒落たと捉えられていたサブカルチャーと、漫画、アニメのような「おたく」的なサブカルチャーが、意外と近い距離で受け入れられていたんだな、ということでした。本書でかなり意外だったのは、当時、「おたく」カルチャーのアイコン的な存在だった宅八郎と、電気グルーヴに交流があり、特にピエール瀧と一緒に深夜、ドライブをしたというエピソードはかなり意外に感じます。もっとも宅八郎自体、実際には文字通りの「おたく」ではなく、ファッションにも精通した側面を持っていたそうですが、本書でもサブカルチャーの括りで「おたくの聖地」ともいえる「まんだらけ」の話も飛び出しており、現在、ルサンチマン的な感情で、90年代はアニメ・漫画は迫害されてきたという意見が散見されますが、しかし、アニメ・漫画もおなじサブカルチャーとして受け入れられてきたという事実も知ることが出来ました。

そして、この80年代90年代のサブカルシーンに身を置きながら、当時のスタンスをほぼ維持しつつも、全くバッシングを受けない電気グルーヴのバランス感覚の良さには驚かされます。例えば前述の宅八郎は、結局この頃のスタンスを維持した結果、社会から受け入れられなくなりフェイドアウトしてしまいました。本書でも語られるサブカルシーンの中心で活躍していた香山リカは、いまやリベラル系の論客として、どちらかというと「優等生的」な言説を述べる立ち位置にかわっています。かと思えば前述の通り、小山田圭吾は90年代に残してきた「傷」によって大バッシングを受ける結果となっています。しかし、電気グルーヴは、その頃の立ち位置を変えることなく、さらには当時の言動がバッシングを受けることなく、現在まで活動を続けています。特にピエール瀧が麻薬で捕まった時、石野卓球がTwitter(当時)で取った態度は、「権力」とおちょくるという当時のサブカルのスタンスを貫き、一部メディアには叩かれたものの、ネットを含め世間全般的には概ね好意的に取られました。この電気グルーヴの絶妙なバランス感覚の良さに、彼らの「頭のよさ」と「センスのよさ」を強く感じさせられました。

なお、本書はどちらかというと椎名氏の自叙伝という体裁も強いため、最後の章についてはどちらかというと椎名氏にまつわるエピソード、身近な人物との別れがテーマとなっています。この点は電気グルーヴのファンにとっては求めるものが違うのかもしれませんが、この時代のサブカルシーンの渦中にいた人物が、比較的早くなくなっている点、特にうつ病で亡くなる方が多い点は気になりました。おそらく、世間のいろいろな事象に敏感であるというのは、同時にデリケートな性格の持ち主である、ということなのかもしれません。この最後の章もしっかりと読ませ、そしてその時代のシーンの背景がわかるような章になっていたと思います。

そんな訳で、電気グルーヴというバンドが、80年代90年代のサブカルシーンの中でどのような立ち位置だったのか、どのような活動を行っていたのか、非常によくわかる1冊。電気グルーヴのファンならば、間違いなく読むべきかと思います。個人的に、この時期のサブカルシーンについての理解がクリアになったようにも感じます。椎名氏の文体もとても読みやすい内容でしたし、文句なしにお勧めの1冊です。

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2026年5月 2日 (土)

カントリールーツの郷愁感あるメロが魅力のパンクバンド

Title:Blame The Clown
Musician:Twisted Teens

Blametheclown  

アメリカはニューオリーンズ出身のボーカルCaspian Hollywellと、ペダルスティールのRJ Santosの2人組によるパンクロックバンド、Twisted Teensの2枚目となるアルバム。この2人のメンバーに、流動的なメンバーを加えてバンド形態となるそうですが、ちょっとユニークなのは、そのメンバーにペダルスティールの奏者がいるという点。ペダルスティールはカントリー音楽に典型的に用いられる楽器となりますが、その楽器が示す通り、ガレージパンクにカントリー的を融合したという点が大きな特徴のバンドだそうです。

ただ、そのパンク+カントリーという要素、パンクロックの破壊的な音楽に、カントリーという郷愁感という、ある意味、真逆の要素が加わることにより生じる独特な音楽性が、実に魅力的に感じさせてくれます。まず惹きつけられたのが1曲目「Is It Real?」のイントロ。ガレージパンク風のノイジーなギターリフのバックに流れてくるギターのフレーズが非常にメランコリック。なんか、このイントロ、聴いたことあるな・・・と思ったんですが、これ、すごくthe pillowsっぽいんです!確かにthe pillowsも、ガレージロックにどこか郷愁感のあるメロが特徴的でしたが・・・全く関係ないバンド同士に偶然の一致を感じさせます。

そんなパンク+カントリー的要素が魅力的なのが2曲目「Wild Connection」で、ノイジーなギターが鳴り響く中、どこか暖かみのある郷愁感あるボーカルとメロ、そしてそのバックに流れるペダルスティールの郷愁感あるメロがこれがまたいいんです・・・。続く「I Operate」は軽快なリズムで、こちらはパンク色は薄く、カントリーの色合いが強いナンバーに。カントリーという彼らのルーツが前に押し出された曲になっています。

その後も「Little Seed」「100 Bill Is Gone!」のような、パンク色が強いナンバーながらも、カントリールーツのような、郷愁感ある切ないメロが魅力的な曲が続いたり、逆に「Peekaboo Hand」のような、ペダルスティールを前に押し出したカントリー色の強い曲があったり、後半には逆に「Circus Clown」のようなパンクの色合いが強い曲があったりと、パンクロックとカントリーを上手く融合させたような曲が続きます。

バリエーション的には、パンクを前に押し出してメランコリックなメロを聴かせるか、カントリーを前に押し出すか、という2パターンであり、シンプルな形態であるものの、全12曲入り30分という短さもあって、あっという間に聴けてしまうため、中だるみ感もありません。パキッシュな勢いが最後まで保たれた作品となっています。

ただ、例えば最近注目のバンドWedesdayなどもシューゲイザーにカントリーの要素を入れたバンドだったり、どちらかというとオールドファッションというイメージのあったカントリーを積極的に取り入れるオルタナ系のバンドが増えているような印象があります。日本人にとって、歌謡曲的なメロが、ある種の郷愁感を誘い、最近では、以前は忌避されていた歌謡曲的な要素を肯定的に取り入れるミュージシャンが増えてきたように、アメリカ人にとってもカントリーがある種の郷愁感を誘い、そのため積極的に取り入れるバンドが増えてきたのでしょうか。

カントリーというと、決して日本では人気のあるジャンルではありません。しかし、これが不思議なことに、彼らの曲については、カントリー的な要素がちょうどよい郷愁感となって、日本人にとってもどこか心の琴線に触れるようなメロディーが流れてきます。純粋なカントリーミュージシャンは日本人にとって「受け」はよくないのですが、こうやってパンクロックといった要素を混ぜると、カントリーミュージックの中にある、日本人受けしない「癖」みたいなものが薄れるのかもしれないですね。

個人的にはこのメロも含めて、かなりツボにはまった1枚。年間ベスト候補の1枚にあげさせてもらえる作品だったと思います。とても心地よく最後まで楽しめた傑作でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Wuthering Hights/Charli XCX

前作「BRAT」が各種メディアで軒並み年間チャート上位にランクインし、大きな話題となったCharil XCXの新譜。ただ、今回のアルバムは純粋なオリジナルアルバムではなく、同タイトルの映画のサントラ盤。正直、そのため、前作のイメージで聴くとかなり拍子抜けする作品になっています。全体的にストリングスとエレクトロサウンドで荘厳さ、ダイナミックさを表現した曲が並んでおり、ある意味、いかにも映画音楽といった感じの作品に。日本のサントラ盤によくありがちな、ワンアイディアの断片の羅列、といった感じではないため、1つのアルバムとしても楽しめますが、残念ながら印象はかなり薄いアルバムでした。

評価:★★★

Charli XCX 過去の作品
BRAT

Peanut/Otto Benson

Peanut_ottobenson

アメリカはニューヨーク、ブルックリンを拠点として活動するインディーミュージシャンによる新作。いままで、エレクトロサウンドを中心とした音楽づくりを続けてきたそうですが、本作ははじめて本格的にボーカルを導入したアルバム。全体的にローファイ気味の作風で、ギターでダウナーにしんみり聴かせるフォークや、あるいはアンビエント的な作風の多い作品。ただ、所々にエレクトロサウンドも取り入れているのですが、今回はじめて彼の作品を聴いたのですが、本来の彼の路線はこちらだったのでしょうか?かなり地味な感じで渋い作風の楽曲。DIYテイストも強く、派手さはないものの、しっかりと、その歌を聴かせてくれる作品でした。

評価:★★★★

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2026年5月 1日 (金)

客席が一体となったパフォーマンス

aiko Live Tour「Love Like Pop vol.25」

会場 Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール 日時 2026年4月23日(木)18:30~

今回はaikoのワンマンライブに足を運んできました。aikoのライブに行くのは、今、調べたら2002年に行われた、同じ「Love Like Pop」シリーズのvol.7以来、実に24年ぶり(!)という、かなり久しぶりに足を運んだライブとなりました。いままでも行こう行こうとは思っていたのですが、なかなか取れないからね、aikoのライブチケット・・・。会場はもちろんこの日もソールドアウト。この日も市民会館4階席というほぼ最高列に近い席でした。

観客は若干女性の方が多い感じですが、男女半々というイメージ。年代的にはやはり40代~50代がメインですが、20代や30代の若いファンも少なくありませんでした。ライブは18時35分頃にスタート。ライブメンバーとaikoが登場。まず感じたのはaikoに対する掛け声がやたら多い・・・。男性ファンはもちろん、女性ファンからも多くの掛け声がかかり、いきなり会場は盛り上がります。最初は「星の降る日に」からスタート。ここから序盤は「Smooch!」まで一気に展開。さらにMCでは、「将来は元気になるサプリを販売したい」「それをねずみ講で売る」みたいなトークを挟んで「透明ドロップ」ではかなりロックな演奏を聴かせ会場を盛り上げ、「Skirt」まで、アップテンポな曲が続き、まずは会場の空気は一気に湧いていきました。

その後のMCでは、aikoは積極的に会場のファンと会話し、いわば客いじり的に、延々とファンとのやり取りを行うようなMCに。これ、あらためて2002年のライブレポートを読むと、その時も同じようなことが書いてあったので、このMCのスタイルは当時から変わらないんですね。また、ライブでやけにファンからの掛け声が多かったのも、このファンとaikoの距離の近さに寄るんでしょうね。

で、ここで雰囲気が一転。ステージ中央にエレピが1台置かれて、ここからはaikoのピアノの弾き語りで、「三国駅」をしんみり聴かせます。ここではバックに曲の歌詞が映り、歌詞の内容もかみしめながら、しばし彼女のバラードを聴き入ります。さらに「あかときリロード」「大切だった人」とバラードナンバーをピアノ弾き語りでしんみり聴かせる曲が続きました。

そして、次の曲に入る前にMCとなったのですが、ここで途中入場してくる人にaikoが気が付いて「どうしたの?」と声を掛けると「人身事故で・・・」という答えが(この日、名鉄線で人身事故があったようです)。それはかわいそう!ということで、なんとここでaikoがこの日演奏した最初の楽曲から、ダイジェスト版で全部再度披露というサービスを!彼女が敬愛するミュージシャン、KANのライブでは、アンコールで必ず、その日演奏した曲をすべてダイジェストで演奏する「全曲つなげ」なるコーナーが必ずあったのですが、まさにaiko版のここまでの「全曲つなげ」を即興で披露。曲の間をむりやり、ユーモラスにつなげるシーンなども楽しめましたし、途中、なぜか「オールウェイズラブユー」が挟まるシーンも。即興で対応できるバンドメンバーの実力もさすがですし、なによりも、遅れてきたファンのためのこのサービスにaikoのファンを想う優しさを感じました。そして、この想定外のサービスに会場は大興奮となりました。

ここからライブは後半戦へ。「消しゴム」から再びアップテンポな曲となり、会場のテンションは一気にあがっていきます。aikoもステージ狭しと駆けずり回り、観客席の横に設置されていた「花道」のような通路もフルに使い、まさにステージの右から左へと、行ったり来たりして会場を盛り上げます。

「ストロー」では後ろのスクリーンで、バンドのメンバー紹介。「キラキラ」では客席に紙吹雪も舞います。さらに最後のMCを挟んでラストの「Cry High Fly」へ。最後は銀テープも舞います。ここでうれしかったのは、普通、銀テープが届かないような4階席でもスタッフが銀テープをファンに配っていたこと。この心配りがうれしいですね。本編ラストが新曲というのもちょっと珍しい展開ですが、しっかりと盛り上がり、本編が終了となりました。

ここまででちょうど2時間のステージだったのですが、ここからのアンコールが長い(笑)。もちろん、盛大なアンコールの後、再びメンバーが登場し、アンコールは「青空」「KissHug」そして「オレンジ」へと続きます。ここで1回目のアンコールが終了し、メンバーが再びステージからはける・・・かと思いきや、メンバーがそのままステージ上に残り、みんなで集合し、ちょっと時間をつぶした後、そのまま2度目のアンコールの体でライブ再開。多分、途中、「ダイジェスト版」披露で時間をつかったので、ダブルアンコールの呼び出しの時間を省略した・・・のではないかと思われます。

ダブルアンコールは「未来を拾いに」からスタート。ここからは再びアップテンポなナンバーが続き会場を盛り上げます。ダブルアンコールも、その後「エナジー」「二人」「beat」とたっぷりと曲を披露し、最後は「be master of life」。最高に盛り上がるナンバーで会場のテンションも最高潮に。曲の途中、いきなりaikoがステージ上で寝転んでごねだし「ライブ、おわりたくない~」と叫びだすかわいらしい(?)シーンなども挟みつつ、ライブは幕を下ろします。最後はメンバーの簡単な挨拶もあり、バックのスクリーンでクロージングが流れ、約3時間15分。かなり長丁場でボリューミーなステージが終わりました。

冒頭にも書いたように、かなり久しぶりとなったaikoのライブですが、一言で言って非常に楽しいステージ。彼女の曲をたくさん浴びて、個人的に思っているよりもaikoの曲が好きなんだな、と実感したステージでした。ステージは、前半分が広くベアのステージとなっており、バンドメンバーは後ろにちょっと引っ込んだ形。この比較的広くとられたベアの空間で、aikoが右に左に音楽にあわせて踊ったり駆けまわったりするパフォーマンス。それだけ駆け回りながらも、ボーカルとして非常に安定感のあるもので、あらためて彼女の歌の上手さを実感したライブでした。

ちなみにMCでは観客とのやり取りが頻繁におこなわれており、aikoとファンの距離の近さを感じます。ライブの最中、aikoに対する掛け声がやたら多いのは、aikoがよくこの掛け声を拾って、ファンと会話するからなんでしょうね。比較的広い会場ながらも、会場全体に一体感も覚えるようなステージで、彼女のライブの人気が高いのも納得。彼女のチケットは相変わらずなかなか取れないのですが、また是非とも足を運びたいなぁ。

↓ 最後はライブでは珍しく、その日のセットリストが掲示されていました。こういう心配りもうれしいですね。

Aikolive

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