バンドサウンドがより前面に
Title:physical mind
Musician:マカロニえんぴつ
個人的に、ここ最近のミュージシャンで、ポップなメロで比較的、広いリスナー層に最も薦められるミュージシャンといったら、彼らマカロニえんぴつをあげます。例えば私と同世代くらいの友人にこのような質問をされた場合、いまさら米津玄師や藤井風あたりはさすがにみんな知っていますし、かといって最近はまっている鈴木実貴子ズだと人を選びそう。あえて言えば、水曜日のカンパネラあたりも比較的広い層に薦められそうなミュージシャンでもあるのですが・・・いい意味で、万人受けしそうな癖のないポップスを奏でる、という観点では、やはりマカロニえんぴつが、まずはお勧めの候補としてあげられるミュージシャンとなりそうです。
特にフルアルバムとしては前作となる「大人の涙」では、まさに脂ののったバンドが一番勢いのある時期にリリースしそうな、彼らの持ち味がピッタリとはまった傑作に仕上がっていました。その傑作から約2年4ヶ月ぶりとなる新作。今回も当然、彼ららしいポップスアルバムを聴かせてくれるものと、非常に期待した作品となります。
そんな彼らの新作は、「physical mind」というタイトルの通り、フィジカル色が強い、要するにバンドサウンドを前に押し出したサウンドが特徴的でした。アルバムの冒頭を飾る「パープルスカイ」もいきなりヘヴィーなギターノイズからスタート。力強いバンドサウンドが特徴的な作品になっています。映画「FLY!」日本版の主題歌となっている「月へ行こう」も、途中からバンドサウンドが主導する作品となっています。
ここ最近のシングル曲でも、アニメ「忘却バッテリー」主題歌となっている「忘レナ唄」も、ちょっと郷愁感あるインパクトあるポップなメロが彼ららしい一方、しっかりと力強く聴かせるバンドサウンドが特徴的。同じくアニメ「アオのハコ」オープニングテーマとなっている「然らば」も、ちょっと切ないメロが印象的ながらも、分厚いバンドサウンドにも耳の行く楽曲となっています。
ちょっとユニークなのが中盤の「NEVERMIND」で最初、四つ打ちのリズムのエレクトロチューンからスタート。ただ途中からヘヴィーでダイナミックなギターリフが登場。なかなか挑戦的でユニークな作品に仕上がっています。
もちろん、マカロニえんぴつらしいポップなメロも健在。「ロング・グッドバイ」ではメランコリックなメロが印象的な作品なのですが、こちら作曲は田辺由明が担当。はっとり以外のメンバーもしっかりとマカロニえんぴつらしいポップチューンを書けることが主張されています。また終盤の「NOW LOADING」も印象的。ポップなメロを聴かせるオルタナ系のギターロックチューンとなっていますが、微妙にピアノのサウンドが隠し味的に入っており、ポップな作品の中でも一ひねりを感じさせる作品となっています。
正直言って、全体的なアルバムのインパクトという点では前作「大人の涙」の方が強かったような印象を受けます。いまなお勢いがあることは間違いないかとは思いますが、脂ののりまくっていた前作と比べると、ちょっとインパクトという面では弱くなってしまった感も否めません。ただ、それでも本作も彼ららしいポップなメロは健在。加えて、力強いバンドサウンドがよりアルバムに勢いを加えており、ちょっと弱くなってしまったメロディーのインパクトを補完しているように思います。前作ほどではなかったのですが、本作も十分傑作と言えるアルバムに。ロックバンドとしてのマカロえんぴつの魅力をより感じたアルバムでした。
評価:★★★★★
マカロニえんぴつ 過去の作品
season
hope
愛を知らずに魔法は使えない
ハッピーエンドへの期待は
wheel of life
大人の涙
ぼくらの涙なら空に埋めよう
いま抱きしめる 足りないだけを
ほかに聴いたアルバム
Mine or Yours/宇多田ヒカル
6曲入りのEP盤である本作は、基本的にタイトルチューン「Mine or Yours」と、そのリミックスバージョン、THE FIRST TAKEでのバージョン及びインスト版の計6トラックが収録されている内容。タイトルチューンはメロウな作風の、宇多田ヒカルらしい作品になっているのですが、「多様性」をテーマとした内容が特徴的。「令和何年になったらこの国で/夫婦別姓OKされるんだろう」というストレートな歌詞も話題となりました。この手の「価値観が異なるカップル」というテーマは、ドリカムの「go for it」を個人的には思い出したのですが・・・。ちなみに、リミックスは全体的にエレクトロのトラックがメイン。当サイトでも紹介したことのあるYaejiがリミキサーとして参加しています。楽曲的にはメロウな、比較的、彼女にとっては王道的なスタイルで目新しさはありません。ただ、今、あえてこういう歌詞の曲をリリースするあたりに彼女の主張も感じ取れる1曲になっていました。
評価:★★★★
宇多田ヒカル 過去の作品
HEAT STATION
This Is The One(Utada)
Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2
Fantome
初恋
One Last Kiss
BADモード
Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios
SCIENCE FICTION
HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024
Electricity Remixes
After All,All Mine/大比良瑞希
シンガーソングライター大比良瑞希の5枚目となるアルバム。彼女は2015年デビューというから、既に中堅の域となるシンガーソングライター。デビューした年にはフジロックにも出演経験があるそうです。今回、ミュージック・マガジン誌の年間ベストアルバム「J-POP/歌謡曲」部門で1位となっていたので後追いで聴いてみた作品。彼女の音源を聴くのは今回はじめてとなります。アコースティックな楽器をメインとしたサウンドに、ちょっと気だるさのあるボーカルが特徴的。暖かみがありつつ、ちょっと鼻にかかったようなボーカルはBonnie Pinkっぽい感じも?ただ、ダウナーなボーカルとサウンドには、どこかHIP HOPからの影響を感じつつも、独特の浮遊感もあり、非常に個性的にも感じます。後半は、よりメロウに、R&Bからの影響も強い作風に。決して派手ではないものの、独自の音楽性が耳に残る、確かに年間1位というのも納得が出来るような傑作でした。
評価:★★★★★
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