URCを現代に歌いつぐカバーが秀逸
Title:Timeless URC Classics-時を超える名曲-
1969年に設立され、「日本初のインディーレーベル」と呼ばれ、主にフォーク系ミュージシャンを中心に数多くの名盤をリリースしたアングラ・レコード・クラブ、略称URC。2013年に販売権をソニーミュージックが取得し、その後、「名盤復刻シリーズ」として復刻版が次々とリリースされました。まあ、URCの復刻は、何度も行われており、再発音源自体の希少性はあまりないのですが、そんな「名盤復刻シリーズ」の中で、URCの名曲を企画ごとに集約したオムニバスアルバムがリリースされており、本作はそんなシリーズの1作となります。
今回のオムニバス盤のコンセプトは、「時を超える名曲」と題して、URCの名曲のカバー曲を収録。それに対応するオリジナル音源を収録した2枚組のアルバムとなっています。カバー曲は井上陽水の「サルビアの花」、原田知世の「あなたから遠くへ」など数多くのミュージシャンのカバーを収録。有名どころはもちろん、渋さ知らズの「自衛隊に入ろう」など、ちょっとマニアックなレパートリーも。基本的にURCの名曲ばかりなので、URCのベスト盤的な楽しみ方もできるアルバムとなっています。
そして、このカバーの方がなかなかの秀逸曲揃い。和田アキ子の「悩み多き者よ」では、非常にソウルフルで力強いボーカルを聴かせてくれており、和田アキ子のボーカリストとしての実力をあらためて実感させられる名カバー。CARNATIONの「春よ来い」なども、基本的に原曲準拠ながらも、よりパワフルな演奏を聴かせてくれるカバー。はっぴいえんどの「ロック」な側面をより強調したカバーとなっています。
前述の原田知世の「あなたから遠くへ」も彼女の優しいボーカルを生かした、ほんわか優しい雰囲気のカバーに仕上がっていますし、ラストを締めくくる辻香織の「一本道」も秀逸。彼女の曲はこれがはじめて聴いたのですが、キュートながらも郷愁感のあるボーカルが曲にもマッチし、印象に残ります。
ユニークなところではつじあやのの「プカプカ」のカバーでしょうか。原曲はザ・ディランⅡによるくすんだ雰囲気の楽曲になっているのですが、つじあやののカバーは彼女らしいウクレレによる、いつものつじあやのらしい爽快なポップスに。歌詞の雰囲気とは真逆とも言えるカバーながらも、なぜかちゃんとマッチするのはつじあやのの実力でしょう。
ちなみにカバー曲に関しては基本的に既発音源で、今回新録のものはなく、そういった意味での珍しさはありません。ただ、キリンジの「遠い世界に」はオムニバスアルバム「家族時間〜NHKみんなのうたカバー集〜」のみに収録している曲だったり、カーネーションの「春よ来い」はシングル「恋するためにぼくは生まれてきたんだ」のカップリングだったりと、レア音源も収録されています。もっとも、基本的にサブスクで聴けてしまったりするのですが・・・。まあ、こうやって過去のレア音源がサブスクで簡単に聴けるのはいいことではあるのですが。
オリジナルの方も名曲が揃っていますし、カバーもなかなか秀逸な音源揃い。カバー曲に参加しているミュージシャンのファンはもちろん、URCに興味がある方の入門盤的にもお勧めのアルバムです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
FYOP/B'z
2024年の紅白でのパフォーマンスが大きな話題を呼んだB'zが、満を持してリリースした約3年ぶりのニューアルバム。紅白でも歌われた「イルミネーション」も収録。ちなみに「FYOP」とは"Follow Your Own Passion(自分自身の情熱に従え)"の略だそうです。ただ、注目の中でのリリースだったのですが、内容的にはかなり肩透かし気味。前作「Highway X」も歌謡曲路線が強く出た曲調でしたが、本作もあまり彼らの持ち味であるハードロック路線は前に押し出されず、全体的に聴かせるタイプの曲がメイン。ただ、それもいまひとつインパクトも薄く、全体的にはかなり物足りない内容になっていました・・・。紅白であれだけのパフォーマンスを見せながら、新曲についてはそれが反映されていないのが残念な感じ。もっとゴリゴリのハードロック路線も聴きたいのですが。
評価:★★★
B'z 過去の作品
ACTION
B'z The Best "ULTRA Pleasure"
B'z The Best "ULTRA Treasure"
MAGIC
C'mon
B'z-EP
B'z The Best XXV 1988-1998
B'z The Best XXV 1999-2012
EPIC DAY
DINOSAUR
NEW LOVE
FRIENDSIII
Highway X
Original/LEX
約1年4ヶ月ぶりとなるニューアルバム。今風のトラップなビートにエレクトロサウンドを加えつつ、メロディアスなフロウで歌モノの曲も目立つ作品。「Leave Me Alone」はテクノ風、「普通の人間だって言えないよ」はロック、「昔のように話せるかい?」ではかのイギリスのロックバンドColdplayを彷彿とさせるようなアレンジも。リリックはまさに「Leave Me Alone」「普通の人間だって言えないよ」のように孤独をかかえつつも、「完璧だ」のような、自己を肯定し、自分を鼓舞するようなリリックが目立ちます。どこか自己の弱味も見せたリリックのため、ラッパーによくありがちな、とにかく自分を大きく見せて自慢しようとするような感じでもなく、聴いていて共感できるような内容だったのも印象的でした。
評価:★★★★★
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