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2026年2月27日 (金)

2作同時リリースのライブ盤

槇原敬之が配信限定でライブアルバムを2作同時リリースしました。今回は、その感想です。

Title:マキハラボ
Musician:槇原敬之

Makiharabo

まずはデビュー35周年イヤー企画の第1弾として、2024年の11月12月に行われたライブ「マキハラボ」の模様を収録したアルバム。ピアノやストリングス、パーカッションなど、すべて生楽器という編成でのライブで、タイトル通り、彼の音楽を生楽器で演奏して「実験する」というスタイルでのライブとなっていました。

Title:Makihara Noriyuki Concert 2025 Buppu Label 15th Anniversary "Showcase the Live!"
Musician:槇原敬之

Showacethelive

こちらは2025年3月から7月に行われた同タイトルの全国ツアーの模様を収めたライブアルバム。2月に、彼の個人レーベル「Buppu Labal」設立15周年を記念して、「Buppu Label」設立以降の楽曲を収録したベスト盤「Showcase!」がリリースされましたが、同作リリースに合わせて行われたライブツアーの模様を収録したライブアルバムとなります。

さて、まず「マキハラボ」の方ですが、こちらで歌われたのはオールタイムベスト的な内容。「冬がはじまるよ」「今年の冬」と初期のナンバーからスタートし、「彼女の恋人」「Hungry Spider」など初期の作品や、「ミタテ」「林檎の花」など、比較的最近の作品も歌われています。ただし「もう恋なんてしない」や「どんなときも。」は歌われていないようですが・・・。

ただ、正直言って、「実験」をコンセプトといっても、原曲からのイメージはほとんど変化ありません。もともと槇原敬之の曲は歌メインであり、アレンジ面はバンドサウンドやシンセが入ったとしても控えめ。これをアコースティックな楽器に置き換えたところで、楽曲自体の雰囲気はほとんど変わりません。あえて言えば「彼女の恋人」はアコースティックアレンジになってグッと雰囲気が変わっていたくらいでしょうか。

これは最初から分かり切っていたことで、「実験」をコンセプトにするならば、もうちょっと大胆なアレンジを施してほしかったように思います。ともすれば彼の歌自身にまで切り込んで、声も楽器の一部としてしまうようなエレクトロ路線に持っていくとか、インスト曲にして、大胆なロックアレンジを施すとか。もっとも、あまりにやりすぎると観客にとっては不評を買うかもしれませんが、全体の曲の中で数曲は、そういう大胆なリアレンジを施した曲があってもおもしろかったのではないでしょうか。

もっとも逆に原曲からイメージがほとんど雰囲気が変わらないために、純粋なオールタイムベスト的には楽しめるアルバムになっていたと思います。そういう観点では十二分に楽しめた内容だったのですが・・・ただ、「実験」という観点で考えると、ちょっと残念にも感じてしまうライブアルバムでした。

一方、「Showcase the Live!」については、「Showcase!」リリースに伴うツアーということで、基本的にほぼ「Buppu Label」設立後の曲のみのセットリストとなっています。彼に限らず、大ベテランのミュージシャンというのは、ファンは全盛期の頃の楽曲を求めがちで、「Buppu Label」設立以降は大きなヒット曲もないだけに、セットリスト的には特に初期からのファンにとってはかなり厳しい内容となっています。

そんなセットリストにも関わらず、このツアー、東京ではキャパ5,000名の東京国際フォーラムホールAの2Daysに、さらにキャパ8,000名の東京ガーデンシアター2Daysを埋めているのは驚かさせます。最近、大きなヒット曲に恵まれていないマッキーですが、いまだ衰えないその人気のほどがうかがえます。

そして、これは「Showcase!」のレビューでも書いたのですが、ここ最近の曲でも、全盛期に負けず劣らずの名曲も少なくなく、今回のセットリストでもライブアルバムとしてかなり楽しめる作品となっていました。彼みたいなタイプのポップミュージシャンはライブでガラリと曲の雰囲気が変わる、というケースは稀ですが、それでも時には明るく、そして時にはしんみり切ないメロで会場を盛り上げるステージの魅力は、会場の雰囲気と共に、しっかりとライブアルバムを通じても伝わってきたように思います。

いままでマッキーのライブは1度しか行ったことがないのですが、また一度ライブへ行きたいと感じさせてくれるには十分な魅力的なライブアルバム。まだまだ彼は魅力的な曲をたくさん作ってくれそうです。

評価:
マキハラボ ★★★★
Showcase the Live! ★★★★★

槇原敬之 過去の作品
悲しみなんて何の役に立たないと思っていた
Personal Soundtracks
Best LOVE
Best LIFE

不安の中に手を突っ込んで
NORIYUKI MAKIHARA SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT CELEBRATION 2010~SING OUT GLEEFULLY!~
Heart to Heart
秋うた、冬うた。
Dawn Over the Clover Field

春うた、夏うた。
Listen To The Music 3
Lovable People
Believer
Design&Reason
The Best of Listen To The Music
宜候
Bespoke
Buppu Label 15th Anniversary “Showcase!”
Makihara Noriyuki Concert 2024 “TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season ~Yesterday Once More~


ほかに聴いたアルバム

夜空に架かる虹/a flood of circle

今年5月6日に、初となる日本武道館ワンマンが決定したa flood of circle。彼らにとって大きな到達点となるステージですが、本作のタイトルチューンはまさに初の武道館ワンマンへの思いを歌った曲で、「5月6日 武道館/目を開けて夢を見ている」というあまりにそのままな歌詞も登場します。ここまでストレートに武道館ワンマンを曲に綴った歌詞ははじめて聴いたかも・・・。

ただ、全体的にはa flood of circleらしいガレージロックを軸とした楽曲がメインな一方、「マイ・モーターサイクル・ダイアリー」ではデジタルロック的な要素を入れてきたり(マドカプっぽいけど・・・)、「キメラファンク(FLY!BABY!FLY!)」ではホーンを入れてファンクに挑戦したりと、あらたなサウンドへの挑戦も感じさせる作品。メロは相変わらずポップながらも、以前のように佐々木亮介の端正なボーカルゆえの「ベタなJ-POP歌謡曲」的には陥っておらず、ちゃんとガレージロックバンドとしての軸足を感じられるため、サウンド的に挑戦してもちゃんとa flood of circleらしさが維持されています。ちゃんと武道館クラスのバンドだな、ということを実感できるアルバム。評価はご祝儀的な意味合いも込めて。

評価:★★★★★

a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER
I'M FREE
GOLDEN TIME
ベストライド
"THE BLUE"-AFOC 2006-2015-
NEW TRIBE
a flood of circle
CENTER OF THE EARTH
HEART
2020
GIFT ROCKS
伝説の夜を君と
花降る空に不滅の歌を
CANDLE SONGS
WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース

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