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2026年1月31日 (土)

エレクトロサウンドが目立つ

Title:Touch
Musician:Tortoise

アメリカのポストロックバンドの重鎮とも言えるTortoiseの、実に9年ぶり、久々となるニューアルバム。かつてはメンバー全員が共同生活を送り、セッションの中であらたなサウンドを作りあげてきた彼らですが、現在、メンバーはロサンゼルス、ポートランド、そして彼らの故郷であるシカゴと別々に居住。そんな別々の場所で録音されたサウンドを統合させたのが、今回のアルバムの特徴となっています。

とはいえ、本作に関しても、様々なサウンドを重層的に取り上げたインストサウンドという点は以前の彼らのスタイルからは大きく変化はありません。ただ、本作に関してまず感じたのは、比較的エレクトロのサウンドが目立ったという点。例えば序盤の「Layered Presence」も、様々な音が重なり合う、ある意味、いかにも「ポストロック」的な作品ですが、楽曲全体としてシンセのエレクトロな音が目立ちますし、続く「Works and Days」も、ちょっとアンビエント的とも言える電子音が楽曲に流れています。特に特徴的だったのがそれに続く「Elka」で、リズミカルな打ち込みのテクノチューンに。その後も「Axial Seamount」では打ち込みのビートが流れていますし、映画的なサウンドでダイナミックに締めくくるラストの「Night Gang」でもシンセが効果的に用いられているなど、アルバム全般としてエレクトロなサウンドが目立つように感じます。

そしてもうひとつの特徴として感じたのは、比較的ポップで聴きやすい、という点。例えば前述の「Layered Presence」にはメロディアスなフレーズが流れていますし、「Axial Seamount」もテンポよい打ち込みのリズムとギターサウンドで聴きやすいポピュラリティーを感じる作風に。「A Title Comes」もストリングスの音色がメロディアスに流れる楽曲となっています。まあ、もっともこの点については、Tortoiseのようなポストロックバンドが数多く出てきた中で、彼らのようなタイプのサウンドにすっかり聴きなれてしまったから、という要素も大きそうですが・・・。

全体的に比較的、耳になじみやすいエレクトロのビートと、ポップなメロディーラインでいい意味で聴きやすいアルバムになった本作。他にも力強いドラムのビートが印象的な「Rated OG」やちょっと怪しげな雰囲気が特徴的な「Oganesson」など、バラエティーもある構成になっており、今回、メンバーが様々な地域に散らばって、様々なエリアで録音した影響を指摘する記事もあったのですが・・・ただ、そう言ってしまうほどバラエティーがあったか、と言われると微妙で・・・この点は全体的にTortoiseらしい楽曲にまとまっていたような印象も受けます。

エレクトロサウンドにメロディアスなフレーズ、ギターやダイナミックなバンドサウンドも加わり、Tortoiseらしい聴きどころも多い傑作アルバム。一方で、かつてのような聴いていて衝撃を感じる独自性があったか、と言われると微妙な感じで、そういう意味では「傑作」であることは間違いないのですが、それなりにベテランバンドらしい、良くも悪くも「まとまり」を感じるような作品になっていました。とはいえ、いいアルバムには間違いありません。ロックリスナーはもちろん、広く音楽好きにお勧めできる1枚です。

評価:★★★★★

TORTOISE 過去の作品
IT'S ALL AROUND YOU
Beacons Of Ancestorship
Why Waste Time?
The Catastrophist


ほかに聴いたアルバム

EP #2/KINGS OF LEON

Ep2kingsofleon

アメリカのロックバンド、KINGS OF LEONの4曲入りとなる、タイトル通りのEP盤。毎回、比較的正統派なロックを聴かせてくれる彼らですが、今回のアルバムもまた同様。4曲のみなので、彼らの本領発揮、といった感じではないのですが、ラストの「The Wolf」ではシンセを入れて、今風のサウンドを取り入れつつも、基本的にシンプルで骨太なロックを聴かせてくれます。ロックが好きならいい意味で安心して聴ける良作です。

評価:★★★★

KINGS OF LEON 過去の作品
Only By The Night
COME AROUND SUNDOWN
WALLS
When You See Yourself
Can We Please Have Fun

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