珠玉のポップソングが並ぶ
Title:The Roger Nichols Songbook
主に60年代から70年代にかけて活躍。カーペンターズの「Rainy Days and Mondays(雨の日と月曜日は)」や「We've Only Just Begun(愛のプレリュード)」などのヒットで知られ、自らも「Roger Nichols & The Small Circle of Friends」というアルバムをリリースしたことでも知らエル作曲家、ロジャー・ニコルス。昨年5月、84歳でこの世を去りましたが、そんな彼の作品を集めた「ソングブック」がリリースされました。
ロジャー・ニコルスは、特に日本で高い人気と評価を受けており、「ロジャニコ」の愛称で知られ、本作も日本独自企画のアルバムとなります。リリース時期は彼への追悼のような形となってしまいましたが、もともとはロジャー・ニコルスの生前から、生誕85周年の記念の企画として進められていたそうで、企画は、ロジャー・ニコルスとも公私ともに親交のある音楽ライターの濱田高志が手掛け、選曲にはロジャー・ニコルス本人も関与。初となる「公認の」ソングブックとなるそうです。
ロジャー・ニコルスについては、もちろんカーペンターズのヒット曲は知っていますし、アルバム「Roger Nichols & The Small Circle of Friends」についても聴いた事があります。ただ、こうやってロジャー・ニコルスの楽曲と認識した上で彼の楽曲をまとめて聴いてみるのははじめて。あらためて、その甘く美しいメロディーラインに魅了されました。
メロディアスでキュート、爽やかながらもちょっとメランコリックさを織り込んだメロディーラインが実に秀逸。今となってはちょっとレトロさを感じさせる曲も少なくありませんが、そこに感じる郷愁感もまた、メロディーの大きな魅力となっています。今回の収録曲の中で、特に気に入ったのが、例えばクロディーヌ・ロンジェの「It's Hard To Say Goodbye (さよならはつらいもの) 」で、ロジャニコの書く優しくメランコリックなメロと、クロディーヌの、切なさを感じる優しいボーカルがマッチし、切なく、心に響いてくる名曲に仕上がっています。それに続く The Sand Pipersの「To Put Up With You (可愛いおまえ) 」も、郷愁感のあるメロが魅力的。抑えめで、ささやくようなコーラスラインにもよくマッチしています。
ちなみにNina Showの「Love So Fine」は軽快なリズムのアレンジが完全にピチカート・ファイヴで、小西康陽の元ネタはここだったのか・・・と感じてしまいます。また、カーペンターズの提供したヒット曲「Rainy Days and Mondays(雨の日と月曜日は)」「We've Only Just Begun(愛のプレリュード)」も収録されていますが、歌うのはカーペンターズではなく、「愛のプレリュード」はオリジナルの方なのですが「雨の日と月曜日は」はカバーバージョンを収録。カーペンターズの曲が収録されなかったのは、許諾が得られなかったからでしょうか。カーペンターズの曲がこの手のオムニバスに入っているケースはかなりレアなので。
全2枚組のアルバムで、基本的にDisc1は60年代、Disc2は70年代の楽曲が収録されています。もちろんどちらも珠玉のポップスが詰まっていますが、個人的にはDisc1収録曲の方が、よりキュートでポップで印象に残ったようにも思います。ちなみに日本独自企画ということで、森山良子が歌う「変わらぬ心」や、トワ・エ・モワが歌う「そよ風と私」のような日本人ミュージシャンが歌う曲も収録。ロジャニコの日本での人気の高さも伺わせます。
本当に珠玉のポップソングがつまったソングブックで、全ポップリスナー必聴のアルバムだと思います。転調を自然に取り入れたメロディーラインもまた、J-POPへの影響も感じられ、日本人の琴線に触れる部分なのかもしれません。あらためて、ロジャー・ニコルスの才能を感じさせる作品集でした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
From The Pyre/The Last Dinner Party
前作「Prelude to Ecstasy」が日本でも話題となったロンドン出身の5人組バンド、The Last Dinner Partyの2枚目となるアルバム。ピアノやストリングスを入れて荘厳な雰囲気を醸し出したゴシック風のポップが特徴的なバンド。今回のアルバムについても同様に、ゴシックな雰囲気のサウンドとポップなメロが特徴的。基本的には1枚目の延長線上の作品となっていますが、個人的には前作よりも聴きやすくなったような印象があります。
評価:★★★★
The Last Dinner Party 過去の作品
Prelude to Ecstasy
JAPANESE SINGLES COLLECTION-GREATEST HITS-/THE BANGLES
ここでも何度か紹介している、主に80年代に人気のあった海外のミュージシャンの、日本でのシングル曲をまとめたシリーズ「JAPANESE SINGLES COLLECTION」。今回は89年にヒットした「胸いっぱいの愛」で知られる、アメリカの4人組ガールズロックバンド、THE BANGLESのシングル集。彼女たちの曲をまとめて聴いた事はないのですが、「胸いっぱいの愛」は私も聴き覚えのあるヒット曲。楽曲も、いかにも90年代初頭あたりのJ-POPが強く影響を受けたようなポップスが並んでおり、日本人にも耳なじみやすそうな楽曲が並びます。プリプリやレベッカ、LINDBERGあたりが好きならかなりお勧めできそうなシングルコレクションです。
評価:★★★★
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