ミッシェルの最後
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのデビュー30周年を記念したリマスター企画。今回はついに、2003年にリリースされた彼らの最後のアルバムの紹介となります。
Title:SABRINA HEAVEN
Musician:thee michelle gun elephant
まずこちらが2003年の3月にリリースされた、彼ら最後のオリジナルフルアルバムとなった「SABRINA HEAVEN」。
Title:SABRINA NO HEAVEN
Musician:thee michelle gun elephant
そしてこちらが、同年6月にリリースされ、彼らのラストアルバムとなった6曲入りのアルバム「SABRINA NO HEAVEN」。前作とは対となるような作品です。
まずこの2枚を聴いてみて、特に「SABRINA HEAVEN」に関して言えば、かなり終わりであることを意識したアルバムだったということを強く感じます。唯一のシングル曲である「太陽をつかんでしまった」などは、まさにこの段階のミッシェルを重ね合したかのような楽曲。12年間の活動の中で、ひとつの到達点に達してしまった、彼らはそう感じたのではないでしょうか。他にも「ヴェルヴェット」や「マリオン」、「サンダーバード・ヒルズ」のように、「行き着いた」感を醸し出している歌詞が目立ちます。
また、1曲あたりの長さも圧倒的に長いのが「SABRINA HEAVEN」の特徴で、他のアルバムが1曲あたり3~4分程度の長さに対して、本作は10曲入り約1時間。1曲あたり6分弱という長さとなっており、バンドとしての最後を惜しむかのように、力強い演奏をこれでもかというほど聴かせてくれます。
一方で、ここに来て新機軸を感じさせる曲もある点もユニークで、ジャジーな雰囲気の「マリアと犬の夜」もそうですし、「ジプシー・サンディー」ではレゲエの要素も入れており、最後の最後までバンドとしての新たな可能性を模索していた姿も感じます。これでうまくいけば、バンドを続けていこうと考えていたのか、それとも、最後だからこそ好き勝手にやろうと思ったのか・・・。
そして「SABRINA NO HEAVEN」はそんな「SABRINA HEAVEN」には収録しえなかった作品が収録されており、重厚だった「SABRINA HEAVEN」と比べて、比較的軽い雰囲気の曲が並びます。「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」や「デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ」などはまさに疾走感あって軽いガレージロック。確かに、「SABRINA HEAVEN」に入れると浮きそうな感もある一方、こういった作風のミッシェルらしい感じであり、最後の最後に、やはりライブで盛り上がりそうな、疾走感のあるガレージロックを演りたかったんだろうなぁ、と今さら感じました。
最後はピアノのインスト「夜が終わる」で締めくくり。これで終わってしまうんだなぁ、というのは、リアルタイムで聴いた時も感じたことを覚えています。ただ一方で、こうやって30年記念のプロジェクトでミッシェルの曲をまとめて聴くと、彼らがやり切った感があるのは事実。非常に美しい最後のようにも感じました。あらためて、ミッシェルが唯一無二のバンドだったということを実感できました。こういうバンドはもう2度と現れないんだろうなぁ。
評価:どちらも★★★★★
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 過去の作品
THEE GREATEST HITS
cult grass stars
High Time
Chciken Zombies
GEAR BLUES
カサノバ・スネイク
ロデオ・タンデム・ビート・スペクター
ほかに聴いたアルバム
玉置浩二の音楽世界Ⅲ
玉置浩二が他の歌手に提供した楽曲をまとめた作品集の第3弾。さすがに第3弾ともなると、良く知られたヒット曲、というのはあまりなくなってきているのですが、それでも2枚組で第3弾まで作品集としてリリースできるあたり、玉置浩二がいかに多くの歌手に楽曲を提供してきたかわかります。全体的に哀愁感あふれる歌謡曲な曲がメイン。ビートたけしの「風の街のジュウちゃん」みたいな、こんな曲があったんだ・・・みたいな曲や堀田家BANDの「サヨナラ☆ありがとう」みたいな、「そういえばあったねぇ」的な曲も。第4弾もあるのかな?
評価:★★★★
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