よりポップにシフト
Title:The Life of a Showgirl
Musician:Taylor Swift
相変わらず絶大な人気を誇るポップミュージシャン、テイラー・スウィフト。本作は、アメリカで初週に400万枚以上を売り上げ、アデルの「25」が所持していた初動アルバム売上記録を更新するという結果を記録。さらにHot100でも同作収録曲が軒並み上位にランクインするなど、他のミュージシャンを寄せ付けない圧倒的な人気を誇っています。また、リリース間隔としても前作「The Tortured Poets Department」から、わずか1年半というインターバルでのリリース。積極的なリリースに、彼女の止まらない勢いも感じさせます。
テイラーというと、もともとカントリーのミュージシャンとしてデビューし人気を確保。その後、2020年代以降、インディーポップ寄りにシフトし、旧来のカントリー寄りのファンからはともかく、一般的には非常に高い評価を受けました。ただその後は再びポップ寄りにシフト。前作も、その方向性が明確になったアルバムとなっていましたが、今回のアルバムもさらにその傾向が顕著な、非常にポップなアルバムに仕上がっています。
例えば冒頭を飾る「The Fate of Ophelia」は、様々に展開していく構成もユニークな、インパクトあるポップチューンになっていますし、「Opalite」も、軽快でリズミカルな、透明感のあるサビはインパクト十分なポップチューンに。後半の「Wood」も、軽快なギターサウンドが心地よい、インパクトあるギターポップのナンバーに仕上がっています。
さらに特に今回のアルバムでは、比較的初期のアルバムを彷彿させるような作品も収録されており、序盤の「Elizabeth Taylor」や甘い雰囲気のメロディーラインが特徴的な「Honey」などは、まさに2010年代前半あたりのテイラーの楽曲を彷彿とさせる楽曲となっています。一方ではエレクトロサウンドを入れてきたり、「Wi$h Li$t」のような、トラップ的な要素も感じさせる曲もあったりと、決して初期のような「カントリーミュージシャン」の枠組みには収まらないような音楽性もしっかりと感じられ、その点、様々な時期を経た今だからこそリリースできる、2025年のテイラー・スウィフトの音楽性もしっかりと感じさせます。
ただ一方で、全体的にポップなメロを前面に押し出したような音楽性は、インパクトもあって聴きやすい反面、ポップであるが故の作品としての「軽さ」も感じてしまいました。その点、実際に同作の評価として賛否両論があるようで、確かに、例えば「folklore」や「evermore」あたりの作品と比べると、物足りなさも感じてしまった点は否定できません。
とはいえ、その点を差し引いても、一度聴いたら忘れられず、また、ついつい引き寄せられアルバムを聴き進めてしまうポップなメロディーラインは実に魅力的で、やはり勢いもあります。なによりもインパクトあるメロディーラインには、トップミュージシャンとしての実力を感じざるをえません。前作は、完全版が収録時間が長すぎたためちょっとダレてしまったのですが、今回は全12曲41分とちょうどよい塩梅。傑作アルバムであることは間違いないかと思います。ポップミュージシャンとしての彼女の魅力により触れることのできたポップアルバムでした。
評価:★★★★★
TAYLOR SWIFT 過去の作品
FEARLESS
RED
1989
REPUTATION
Lover
folklore
evermore
Fearless (Taylor's Version)
RED(Taylor's Version)
Midnights
Speak Now(Taylor's Version)
1989(Taylor's Version)
THE TORTURED POETS DEPARTMENT:THE ANTHOLOGY
ほかに聴いたアルバム
Here For It All/Mariah Carey
実に約7年ぶり、かなり久しぶりとなるマライア・キャリーのニューアルバム。ソウルやR&Bを軸に、楽曲によってはHIP HOPの要素も取り入れてポップにまとめあげた作風なのですが、その中で今回は80年代風を感じさせるような曲がチラホラあり、全体的にはちょっと懐かしさを感じさせるようなアルバムになっています。一方、タイトルチューンであるラスト「Here For It All」はいかにもマライアらしいバラードナンバーで締めくくり。ベテランの彼女らしい、しっかりとリスナーの壺をついた作品に仕上がっていました。
評価:★★★★
Mariah Carey 過去の作品
Memories Of An Imperfect Angel
Merry Christmas II You
Me.I Am Mariah...
Caution
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