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2025年12月 7日 (日)

インディーズ時代の音源を再録

Title:瞬間的備忘録
Musician:鈴木実貴子ズ

昨年、ライブサーキット今池遊覧音楽祭でそのライブをはじめてみて、完全にはまった男女2人組バンド、鈴木実貴子ズ。昨年、結成から12年を経て、メジャーデビューとなり、メジャーデビュー作「あばら」も傑作アルバムに仕上がっていました。それに続く本作は、インディーズ時代の作品を再録したアルバム。DVDと2枚組となっており、DVDの方は6月28日に行われた下北沢シェルターでのワンマンライブの模様がノーカットで収録されています。

今回、収録されたインディーズ時代の楽曲は5曲。どの曲も鈴木実貴子ズらしい、インパクトある歌詞が印象的な曲が並びます。やはり彼女たちの曲の大きな特徴と言えば、なかなか上手くいかない現実の中で、もがき苦しみ、それでも前に進んでいこうとする決意を、比較的ストレートでわかりやすい歌詞で綴り、そして鈴木実貴子の力強いボーカルで歌い上げるスタイルでしょう。

特に彼女たちらしい歌詞といえば「あきらめていこうぜ」で、タイトルそのまま、まさに「最初から僕は期待なんてされてなかったし」と自己を卑下しつつ、「光はいつだって暗闇にあるんだぜ」と非常に前向きなメッセージを綴っているのも大きな特徴。また、「最終目標、正々堂々、死亡」と歌う「正々堂々、死亡」も、まさに現実にもがきつつ、前向きに力強く進んでいこうとする彼女たちの力強いメッセージを感じます。

「都心環状線」も印象的な作品で、「パンクバンドは嫌いだ」「フォークバンドは嫌いだ」と、ネガティブな感情を吐き出しつつ、音楽を聴きつつ、都心環状線を、まさに悩み悩んで答えの出ない自分を象徴するかのように、グルグルと回り続ける歌詞が強い印象に残りますし、どこか共感を覚える方も多いかもしれません。

そんなインパクトの強い歌詞も印象的な鈴木実貴子ズですが、そんなメッセージを載せた、力強いサウンドもまた大きな魅力ともなっています。鈴木実貴子ズ自体、ギターボーカル+ドラムスの2人組バンドというスタイル。メジャーデビューアルバムとなった直近作「あばら」ではサポートメンバーも入れたバンド形態での音源でしたが、今回の音源は基本的にドラムスとギターのみという、バンドとしてミニマムまで絞ったスタイル。非常にタイトな演奏なだけに、バンドサウンドとしても迫力があり、歌詞に見合ったような、鬼気迫るのような演奏を聴くことが出来ます。このバンドサウンド自体も彼女たちの大きな特徴であり、また魅力であることは間違いないでしょう。

また、本作に同時収録されているライブDVDも必見。こちらもメンバー2人だけでのライブなのですが、緊迫感あふれる演奏も大きな魅力。彼ら、離婚した元夫婦という間柄だそうですが、そのお互い十分すぎるほど理解しつつも、一方で一定の距離があるという微妙な緊迫感もまた、演奏の迫力を増している大きな要素となっています。MC含めて収録されており、彼らのライブの魅力を感じさせるDVDとなっていました。

知名度の面ではまだまだの彼女たちですが、これだけインパクトある曲を書き続けていれば、おそらく徐々に注目を集めてくるのではないでしょうか。今後はワンマンライブにも足を運んでみたいところ。是非、この歌詞の世界を味わって、彼女たちの魅力にはまってほしい、そのとっかかりとなりそうなアルバムでした。

評価:★★★★★

鈴木実貴子ズ 過去の作品
あばら


ほかに聴いたアルバム

THIS IS MY HOMETOWN/コブクロ

コブクロの最新作は、大阪万博のテーマソング「この地球の続きを」や、大阪マラソンのテーマソング「42.195km」などを収録した、彼らのふるさと、大阪をテーマとした全7曲入りのミニアルバム。ミニアルバムのリリースは、メジャーデビュー以降は初となるそうです。基本的にコブクロらしい作品が並んだアルバム。彼らの故郷、大阪に対する想いを感じさせると同時に、大阪特有の、ちょっとコッテリとした暑苦しさを感じてしまうあたりは、私にはちょっと苦手な部分も。

評価:★★★

コブクロ 過去の作品
5296
CALLING
ALL COVERS BEST
ALL SINGLES BEST2
One Song From Two Hearts
TIMELESS WORLD
ALL TIME BEST 1998-2018
Star Made
ALL SEASONS BEST
QUARTER CENTURY

18/cali≠gari

オリジナルアルバムとしてはタイトル通り18枚目となるcali≠gariの新作。最近は比較的ストレートなギターロック路線の作品が続いていますが、今回のアルバムもそんな路線を引き継いだもの。特に80年代や90年代のJ-POPやギターロックからの影響は顕著。「"Hello,world!"」のようなアバンギャルド色の強い作品もあるのですが、全体的にシンプルなギターロックが目立ちます。いい意味で聴きやすさはある一方、正直、cali≠gariとしては物足りなさも感じてしまいました・・・。もうちょっと変態路線も聴きたいのですが・・・。

評価:★★★★

cali≠gari 過去の作品
10
cali≠gariの世界

11
12
13
この雨に撃たれて
ブルーフィルム-Revival-
15
16
17
17.5

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