カネコアヤノの2つの側面
今回はシンガーソングライター、カネコアヤノがリリースした2枚のアルバムです。
Title:石の糸 ひとりでに
Musician:カネコアヤノ
まずは毎回おなじみ、カネコアヤノがオリジナルアルバムの後にリリースする弾き語りアルバム。4月にバンドkanekoayano名義のアルバム「石の糸」をリリースしましたが、予想通り、その弾き語りバージョンのアルバムが、カネコアヤノ名義でリリースされました。
バンド名義でのリリースだったため、オリジナルではバンドサウンドを前面に押し出したアレンジとなっていました。それだけに弾き語りバージョンとの違いがより際立つことも予想され、本作のリリースも期待していたのですが、ある意味予想通り、オリジナルと異なりギター弾き語りのシンプルな演奏で、カネコアヤノの楽曲のコアな部分、歌詞とメロディーがむき出しにされた作品に仕上がっていました。
特にギターロックの色合いが強かった曲はその違いが顕著で、例えば「僕と夕陽」や「WALTZ」などはギターロック色が前面にオリジナルに比べて、本作ではシンプルなアコギ弾き語りというスタイル。シンプルが故にその歌をしっかりと聴かせるアレンジとなっており、歌詞やメロディーの持つ良さが前に押し出された内容となっています。
ただユニークなのは、単純にシンプルな弾き語りに置き換えた、というだけではなく、曲によってはむしろ「ひとりでに」の方がサイケさが増した曲もあり、例えば1曲目「noise」。こちらはオリジナルの方がシンプルなアコギ弾き語りスタイルなのに対して、「ひとりでに」ではギターにリバーブをたっぷりとかけたサウンドとなっており、かなりサイケなアレンジに仕上がっています。ラストを締めくくる「水の中」も、オリジナルではエレピで静かなアレンジとなっているのに対して、「ひとりでに」ではバンドサウンドが入ってくるアレンジに。こちらは「ひとりでに」の方がより歌を聴かせるアレンジとはなっているものの、シンプルな弾き語りスタイルにしなかったのはユニークなところでしょう。
そんなこのアルバムですが、全体的に言えるのは、やはり一人での弾き語りアルバムということでカネコアヤノの自由度が増しているという点。kanekoayanoではバンドがゆえに試せなかったスタイルを、弾き語りアルバムでは試した、そんな印象を受ける作品になっていました。「石の糸」と並んでチェックしておきたいアルバムです。
評価:★★★★★
Title:LIVE 2025 kanekoayano
Musician:kanekoayano
そしてこちらはkanekoayano名義でリリースされたライブアルバム。今年5月から9月にかけておこなわれたライブツアーの模様を収録されたアルバムとなっています。バンド名義のライブということもあり、カネコアヤノのライブに比べてもバンド色を前面に押し出したステージに。力強いサウンドが大きな魅力のステージとなっており、ライブの迫力は、この音源を通しても伝わってきます。
基本的にセットリストは、直前にリリースされたkanekoayano名義のアルバム「石の糸」の楽曲が中心となっているのですが、カネコアヤノでリリースされた楽曲もチラホラ楽曲に加わっています。「石の糸 ひとりでに」が「石の糸」を弾き語りスタイルでカバーしているアルバムだったのですが、本作はある意味、その逆。カネコアヤノ名義の楽曲をバンドアレンジでカバーし、楽曲の新たな一面を生み出しているアルバムともなっています。
例えば「セゾン」なども、バンドアレンジとなりオリジナルに比べるとサウンドの分厚さが増し、迫力ある作品となっていますし、「やさしい生活」もシンプルなオリジナルから一転、バンドアレンジでの楽曲となり、かなり雰囲気が異なっています。バンドアレンジとなり、生まれ変わった楽曲が聴けるアルバムとしても興味深い作品にもなっていました。
この2枚のアルバム、カネコアヤノというミュージシャンの音楽的な幅広さと、その実力を知れる最適な作品。弾き語りの企画盤とライブ盤という作品ですが、オリジナルアルバムと同様、要チェックのアルバムなのは間違いないでしょう。今後もバンドとしてのkanekoayanoと、ソロシンガーカネコアヤノの両輪での活躍が続くのでしょうか。今後の活動にも注目していきたいところです。
評価:★★★★★
カネコアヤノ 過去の作品
燦々
燦々 ひとりでに
よすが
タオルケットは穏やかな
カネコアヤノ 単独演奏会 2022 秋 - 9.26 関内ホール
タオルケットは穏やかな ひとりでに
よすが ひとりでに
カネコアヤノ Billboard Live ワンマンショー 2023 - 12.15 Billboard Live OSAKA
石の糸(kanekoayano)
ほかに聴いたアルバム
My name 〜TOUR 2024〜/家入レオ
昨年12月13日にLINE CUBE SHIBUYAで行われたライブの模様を収録したライブ盤。自身30歳の誕生日に行われたライブだそうですが、彼女はデビューした時に「若干17歳」ということが大きな売り文句になっていただけに、もう30歳か・・・と月日が経つことの早さに感嘆してしまいます。直近作「My name」からの曲がメインのため、全体的にマイナーコード主体のメランコリックなちょっと大人な曲が目立ちつつ、デビュー当初の彼女を彷彿とさせるようなテンポよく盛り上がるような曲も多く、ライブは楽しそうという印象。
評価:★★★★
家入レオ 過去の作品
LEO
a boy
20
WE
5th Anniversary Best
TIME
DUO
Answer
10th Anniversary Best
Naked
NAKED~TOUR2023~
My name
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