今、最も人気のあるSSW
Title:The Art Of Loving
Musician:Olivia Dean
今回紹介するのはオリヴィア・ディーンというイギリスのシンガーソングライターによる2枚目のアルバム。日本では、まだその名前はほとんど知られていませんが、おそらく現時点において、もっとも人気のあるシンガーの一人で、本国イギリスでは本作に収録されている「MAN I NEED」がチャート1位を獲得しているほか、複数の楽曲がシングルチャートに同時ランクイン。「MAN I NEED」はアメリカビルボードのHot100でも最高位4位を記録しています。もちろん、本作も、イギリスのナショナルチャートで1位を獲得。アメリカビルボードでもベスト10入りを果たすなど高い人気を誇っています。
彼女の歌う楽曲は基本的にちょっとレトロな雰囲気を漂わせるソウル/R&Bの楽曲。前述の大ヒットした「MAN I NEED」はエレピのサウンドも暖かく聴かせる、ゴスペル風のコーラスも爽やかな効果を醸し出す、軽快なR&B風のポップチューン。同じく大ヒット中の「So Easy(To Fall In Love)」もボッサやジャズ風のアレンジが入り、ちょっとレトロな懐かしさのある暖かい作品に仕上がっています。
その他にも、スモーキーなボーカルで、ムーディーでファンキーなレトロポップを聴かせる「Lady Lady」や感情たっぷりに聴かせる、ある意味、王道とも言えるバラードナンバー「Let Alone The One You Love」、アコギアルペジオで哀愁たっぷりに聴かせる「Loud」などが続き、最後はフォーキーな雰囲気で暖かい余韻を残しつつアルバムを締めくくる「I've Seen It」へと続いていきます。
懐かしさも感じられるポップは耳なじみやすく、確かに絶大な支持を得ている理由もわかるように思います。ただ一方、賛否がわかれる部分もあるようで、確かに彼女の歌は、懐かしいという感覚の裏返しなのかもしれませんが、一方では「どこかで聴いたことある」ような曲が少なくありません。前述の「So Easy(To Fall In Love)」も、レトロなポップは70年代あたりの曲で、どこか似たような曲があったような・・・(思い出せませんが。ただ、ちょっとカーディガンズっぽい部分も・・・)。目新しさという部分では乏しい感は否めません。
とはいえ、そんな部分を差し引いても、ノスタルジーを彷彿とさせるメロやサウンド、彼女の時にはスモーキーに、時にはチャイルディッシュですらあるボーカル、そしてポップなメロは非常に魅力的であり、「どこかで聴いたことある」というマイナス点を補って余りある作品に仕上がっていると思います。
日本では残念ながら知名度は低く、楽曲もほとんど知られていません。正直、どうしても目新しさがない、という部分は洋楽を聴くインセンティブとして低くなってしまうため、日本では広まりにくいのかもしれません。ただ、それでもこの暖かく懐かしいポップな楽曲は非常に魅力的で、日本人の琴線にも触れそう。興味がある方は一度是非チェックしてみてください。
評価:★★★★★
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