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2025年12月

2025年12月31日 (水)

2025年ベストアルバム(暫定版)

今年も早いもので年明けまで1時間を切りました。恒例の2025年ベストアルバム(暫定版)の発表です。

邦楽

まず上半期のベスト5です。

1位 Gen/星野源
2位 観天望気/キセル
3位 Straβe/折坂悠太
4位 音のする部屋/君島大空
5位 あばら/鈴木実貴子ズ

これに続く下半期のベスト盤候補は・・・

石の糸/kanekoayano
あの道から遠く離れて/GRAPEVINE
わたしの好きな労働歌/寺尾紗穂
Tabla Dhi,Tabla Dha/U-zhaan
可愛い女子/水曜日のカンパネラ

あれ?今年はあまり不作というイメージはなかったのですが、こうやって並べると、ベスト盤候補は意外と少ないような・・・。まだ年末の新譜ラッシュのアルバムをすべてはチェックしていないので、まだまだ2025年ベストアルバム候補は増えそうな感はあるのですが、さてさて・・・。

洋楽

こちらも上半期のベスト5です。

1位 EUSEXUA/FKA Twigs
2位 Sinister Grift/Panda Bear
3位 45 Pounds/YHWH Nailgun
4位 Glory/Perfume Genius
5位 Cowards/Squid

これに続く下半期のベスト盤候補は・・・

Lotus/Little Smiz
NEVER ENOUGH/Turnstile
Tether/Annahstasia
DON'T TAP THE GLASS/Tyler,The Creator
Black Star/Amaarae
Bugland/No Joy
Baby/Dijon
Double Infinity/Big Theif
The Hives Forever Forever The Hives/The Hives
Bleeds/Wednesday
Getting Killed/Geese
Through The Wall/Rochelle Jordan

こちらは文句なしに傑作揃い。不作気味だった昨年から一転、かなり名盤の並び、10枚選ぶのが大変になりそうな予感がします。こちらも年末にかけてまだ聴き逃したアルバムも多く、さらに候補は増えそうです。

今年もまた、2025年の各種メディアのベスト盤を集計したサイトがあります。

https://www.albumoftheyear.org/list/summary/2025/

こう見ると、今年は1位と2位のアルバムが頭ひとつ出ている感がありますね。

来年もまた、多くの傑作アルバムに出会えますように。それではみなさん、良いお年を!

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2025年12月30日 (火)

2025年ライブまとめ

今年も今日を含めてあと2日を残すのみ。恒例の2025年ライブまとめです。

1/7(火)rockin'on sonic extra PRIMAL SCREAM(ダイアモンドホール)
1/8(水)rockin'on Sonic extra WEEZER(愛知県芸術劇場大ホール)
1/22(水)「玉響(たまゆら)」さだまさし・立川談春二人会(Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール)
2/28(金)女王蜂 全国ホールツアー2025「狂詩曲~ギャル爆誕~」(Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール)
3/13(木)JACK WHITE No Name Tour(ダイアモンドホール)
4/23(水)EARTH,WIND&FIRE JAPAN TOUR 2025 with Special Guest NILE RODGERS&CHIC(ポートメッセなごや 第3展示館)
4/24(木)サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025「THANK YOU SO MUCH!!」(パンテリンドームナゴヤ)
5/5(月)今池遊覧音楽祭(ボトムライン、CLUB 3STAR 今池 他)その2
5/6(火)GLAND SLAM 2025(ダイアモンドホール、SPADE BOX)その2
5/8(木)矢野顕子×上原ひろみ TOUR 2025~Step Into Paradise~(愛知県芸術劇場大ホール)
6/13(金)電気グルーヴ"the"席指定(岡谷鋼機名古屋公会堂大ホール)
6/18(水)レキシツアー2025~イルカラブストーリー101回目のイナホバケーション~(岡谷鋼機名古屋公会堂大ホール)
7/24(木)全国47都道府県ひとりコンサート 明和電機★UMEツアー2025(大垣市スイトピアセンター 音楽堂) 
8/21(木)スキヤキナゴヤ2025(TOKUZO)
8/27(水)ザゼンとおとビ(心斎橋JANUS)
9/17(水)STING 3.0 TOUR(IGアリーナ)
10/3(金)国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ マユンキキ+『クシテ』(瀬戸蔵つばきホール)
10/14(火)米米CLUB 米米大興行 人情紙吹雪~踊ってやっておくんなさい~ (愛知県芸術劇場大ホール)
10/17(金)ASIAN KUNG-FU GENERATION presents「NANO-MUGEN CIRCUIT 2025」ASH × AKG Split tour (Zepp Nagoya)
11/20(木)電気グルーヴ へびツアー(Zepp Nagoya)
11/28(金)Hideaki Tokunaga Concert Tour 2025 ALL REQUEST (愛知県芸術劇場大ホール)
12/1(月)Amit Roy + U-zhaan 北インド古典音楽ライブ (TOKUZO)
12/19(金)ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION (名古屋CLUB QUATTRO)

今年は全23本。かなり多くのライブに足を運べました。そんな中でベスト3は・・・

3位 NILE RODGERS&CHIC@EARTH,WIND&FIRE JAPAN TOUR 2025 with Special Guest NILE RODGERS&CHIC

4月に足を運んだEARTH,WIND&FIREとのツアーのゲスト。もちろんEW&Fのライブもよかったのですが、それ以上に素晴らしかったのがNILE RODGERSのステージ。彼の手掛けたヒット曲を連発するライブで、おなじみの曲ばかりで会場は大盛り上がり。もちろん、それだけヒット曲を連続すればだれでも盛り上がるのでしょうが、ただ、それだけ多くのヒット曲を彼が手掛けたという事実に驚愕。パフォーマンス自体も現役感バリバリの素晴らしいステージでした。

2位 明和電機@全国47都道府県ひとりコンサート 明和電機★UMEツアー2025

社長が「UME BOX」と名付けたスーツケースに楽器を詰め込んで、一人で全国行脚したUMEツアー。途中の工程をポッドキャストで配信したり、後日「UME日記」としてライブ工程の日記を販売したりと、ライブツアー自体が一種のドキュメンタリー風に楽しめるツアーに。また、大垣まで見に行ったそのUMEツアー自体も、トラブルも含めてエンタテイメント性あふれるステージが最高に楽しかったライブでした。

1位 Primal Scream@rockin'on sonic extra PRIMAL SCREAM

今年のライブ始めが結局、今年のベストライブ。もともとライブには定評のあるバンドでしたが、この日も最高のパフォーマンスでした。最新アルバム「Love Insurrection」からのナンバーもライブ仕様に、よりアグレッシブなアレンジで会場を盛り上げ、もちろん「Swastika Eyes」「ROCKS」など定番曲も織り交ぜる最高のパフォーマンス。文句なしに今年1番のステージでした。

他にもWEEZER、EW&F、鈴木実貴子ズ、電気グルーヴ、レキシ、ZAZEN BOYS、おとぼけビ~バ~などなど、素晴らしいパフォーマンスがたくさん見れた1年でした。来年もまた、素晴らしいライブにたくさん行けますように・・・。

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2025年12月29日 (月)

メリークリスマス、ミスターローレンス(?)

ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2025年12月19日(金) 19:00~

Zazenlive2025

ZAZEN BOYSのワンマンライブに足を運んできました。ZAZEN BOYSのライブは、夏に大阪で見てきたので、今年2度目のステージ。ただ、ワンマンライブは2012年、今回と同じクワトロで、同じ12月に実施したMATSURI SESSION以来となるので実に13年ぶり。ちょっと久しぶりとなるステージとなりました。

会場はほぼ満員。13年前のワンマンは同じ会場とはいえ、前回はもうちょっと余裕があったような記憶があるので、以前よりさらに人気が増したということでしょうか。開演時間を5分くらいまわった頃にメンバーが登場し、ライブのスタートとなります。最初は「SI・GE・KI」からスタート。ちょっと意外なスタートとなりますが、1曲終わると、「MATSURI STUDIOからやってまいりましたZAZEN BOYSです」というおなじみの挨拶から「ナゴヤシティのみなさん」と、この日は、この「ナゴヤシティ」という言葉を連発します。

その後は「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」「Honnoji」とおなじみのナンバーが続きます。さらに「Weekend」では途中、向井秀徳の「ミラーボール回転」の一言で会場天井からつり下がっているミラーボールが回り始めます。ファンキーなサウンドでリズミカルにたのしむつつ、「TANUKI」、そしてMCへ。MCでは「ちょっと先走ってメリークリスマス」という向井秀徳からの挨拶。この「メリークリスマス」もこの日のライブのキーワード(?)になりました。

続く「安眠棒」では松下敦の力強いドラムに圧倒。その後にまた短いMC。「あそこにバーカウンターが、また後ろにおてて洗いが・・・」というおなじみの向井秀徳による会場案内に。さらに「八方美人」から「サンドペーパーざらざら」「バラクーダ」へと続きます。「バラクーダ」では途中、ドラムスにトラブルも発生。こういうトラブルもライブならではですが、彼らにとっては、慣れたもので、特に問題もなく、迫力たっぷりの演奏は続きます。そして、「ナゴヤシティのみなさんにお捧げします」と代表曲「ポテトサラダ」へ。この日、一番会場が湧いた瞬間だったかもしれません。

その後のMCでは、この日が今年ライブのライブという話、さらに再び「先走ってメリークリスマス」という挨拶から、「メリークリスマス、ミスターローレンス」というMCから、なぜか坂本龍一の代表曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」をバンドサウンドで披露。繊細なピアノ曲の原曲とは全く異なる雰囲気の戦メリも、これはこれで魅力的でした。

中盤は「DANBIRA」「SAKARASIKA」「電球」とライブでは比較的珍しい曲も。さらにMCでは「腹減った」と言い出し、「腹減ったから、その気分の曲を」と「HARAHETTA」と続きます。

ここらへんからライブは徐々に終盤へ。「ブルーサンダー」から、こちらもライブでおなじみの「チャイコフスキーでよろしく」で盛り上がります。さらにMCでは観客のファンに「ハイスクールボーイの時、何部でしたか?」という唐突な質問。「剣道部」という回答から「剣道部のあたなの思い出に寄り添って」というMCから、「ブッカツ帰りのハイスクールボーイ」へ。向井秀徳のシャウトとドラムスの演奏がド迫力で、かなりインパクトの強い演奏を聴かせてくれます。

そして最後は一気に「YAKIIMO」「Whisky and Unubore」「乱土」へおなじみのナンバーが続き、本編ラストは「胸焼けうどんの作り方」で締めくくり。最後まで向井秀徳の独特なボーカルと、力強いバンドサウンドのグルーヴ感に圧倒されるステージでした。

もちろんその後はアンコールへ。ここで向井秀徳本人は、これまたなぜかサングラスをかけての登場。MCでは2月のツアーの紹介。彼らとしては珍しく全椅子席の公演だそうで、「私も観客として年齢的に・・・(椅子席じゃないと辛い)」というMCには同世代として共感してしまいました(笑)。

アンコールではまず「永遠少女」を聴かせます。さらに再びMCへ。ここで「大事なことをいいます、メリークリスマス」と再びクリスマスの挨拶をした後、また再び「メリークリスマス、ミスターローレンス」とつぶやき、再びバンドサウンドで「Merry Christmas Mr.Lawrence」のカバーを聴かせてくれました(笑)。

そしてオーラス。「半透明少女関係」へ。途中「ラッセーラ」「ええじゃないか」「わっしょいわっしょい」のコールアンドレスポンスで会場を盛り上げ、一気に会場のテンションは最高潮にあがります。最後はメンバー全員がステージ前に集まりメンバー紹介とあいさつ。「ナゴヤシティ乾杯!」の向井秀徳の掛け声でライブは終了。約2時間10分程度のステージでした。

前述の通り、ワンマンとしては久々のZAZEN BOYSのステージ。ただ、昨年の七尾旅人との対バンを含めて、ここ1年半で3度目のステージ。毎回ながら、その力強いパフォーマンス、グルーヴ感、全体が一体となるバンドサウンドに圧倒させられます。特にMIYA参加後、このグルーヴ感の心地よさはさらに増したような感じがします。この日も文句なしに圧巻のステージでした。

選曲はワンマンらしく、お決まりのナンバーを軸としつつ、ライブでは比較的珍しいようなナンバーも披露。かなり充実したセットリストだったように思います。また、この日は、向井秀徳のMCも比較的多め。彼の機嫌がよかったのでしょうか、それとも年を取って、演奏しっぱなしでは難しくなってMCを増やしてきたのでしょうか。ただ、あの独特なMCもザゼンのライブの魅力なだけに(笑)、ちょうどよいバランスだったようにも思います。

そんな訳で、相変わらず素晴らしかったZAZEN BOYSのステージ。本当に彼らのパフォーマンスは唯一無二ですね。そのパフォーマンスに酔いしれた2時間強でした。

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2025年12月28日 (日)

oasisをめぐるシーンを網羅的に紹介

今回も最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

「オアシスとブリット・ポップ完全版」。音楽評論家の和久井光司責任編集による「完全版/攻略ガイド」シリーズの1冊。以前紹介した「ローリング・ストーンズ完全版」「ビートルズ以後のモダン・ポップ完全版」の同じシリーズとなり、本書での主役はoasisとなります。今年再結成を果たし、来日公演も行い話題となったoasisブーム便乗本の1冊と言った感じでしょうか。

ただ、oasisのアルバムだけを紹介するとボリュームが足りなかったため、本作では、oasisを主軸としつつ、彼らの音楽の直接のルーツを探り、また、oasisと同世代及びそれ以降のミュージシャンたちを紹介しています。具体的にはoasisをはじめとする、いわばブリット・ポップムーブメントの萌芽ともいえる、70年代終盤にスタートしたファクトリーレコーズをはじめとしたインディーロックからスタートし、その後のマッドチェスター・ムーブメント、シューゲイザーと続き、oasisへと流れ込み、その後はブリット・ポップのミュージシャンたちを紹介し、最後はTravisで締めくくっています。

この主に80年代から2000年代くらいまでのイギリスのインディーロックの流れの中のバンドを紹介している訳ですが、この流れについて、非常にわかりやすく解説されており、マッドチェスターやシューゲイザー、ブリットポップというインディーロックの歴史やその関係性について、あらためて非常に勉強となる1冊でした。

その要因として、書籍の構成が非常にわかりやすかったという点があげられます。以前紹介した「ビートルズ以後のモダン・ポップ完全版」では書籍の構成が統一されておらず、いまひとつわかりにくい内容になっていましたが、今回はそれぞれの時期のロックシーンについて解説したコラムの後、それぞれの時期を代表するミュージシャンたちについて項目を設けてその略歴と代表的なアルバムの紹介、さらにはその他のミュージシャンたちについてはまとめてディスクガイド的にアルバムを紹介するという流れとなっています。この構成は本書全体に統一されていたため、非常にわかりやすい構成となっていました。

また、以前の同シリーズで気になっていた、編集を担当した和久井光司のコラムですが、本書でも自分の経験談を第一に語るような、癖のある部分は若干ありましたが、以前紹介した2冊に比べると全体的にはさほど気になる程度ではありませんでした。おそらく、この80年代以降のイギリスのインディーロックやブリットポップ自体に、彼の興味が薄いんでしょうね。そのため、変な思い入れがないだけに、コラムの内容や紹介されるミュージシャンたちにも変な癖もなく非常にオーソドックスにまとまっており、それがまた本書がわかりやすくなっている大きな要因に感じました。

ただし、この時期のイギリスのロックシーンの中で大きな影響を与えたビック・ビートについては全く言及されていません。これはおそらく、和久井光司の好みの影響のような気もするのですが・・・。そのため、ケミカルブラザーズやプロディジーについては本書では取り上げられていません。確かに彼らはロックというよりはテクノのミュージシャンとも言えるので、本書のコンセプトからちょっとズレるという見方も出来るかもしれませんが・・・ここらへんのミュージシャンを省略したのは賛否がわかれるかもしれません。

一方、ちょっと気になったのは、このシリーズのコンセプトとして「完全版」となっており、必ずしも「名盤ガイド」となっていない点。これ自体は、シーンの流れを解説するために必要なアルバムをピックアップしている、という側面があるので問題ではないのですが、結果として初心者にとってはどのアルバムをまずは聴くべきなのか、というのがちょっとわかりにくかったように感じます。例えばPrimal Screamのアルバムとしては「Scremadelica」と「Give Out But Don't Give Up」が紹介されています。「Scremadelica」は文句ない名盤ですが、一方「Give Out~」については評価のわかれるアルバムであり、初心者が最初に聴くべきアルバムといった感じはしません。そこらへん、「まずは聴くべき名盤」のようなものにマークをつけるなどして、わかりやすくしてほしかったようには思いました。

またミュージシャンによって、90年代頃のアルバムしか取り上げらていないミュージシャンと、直近作まで取り上げられているミュージシャンがいて、そのバラツキも気になりました。特にPrimal Screamなどは、「Give Out~」の後も音楽性をいろいろと変化させており、この2枚だけではバンドを語るには物足りなさを感じますし、一方でSuedeやTravisなどは直近作まで取り上げられており、そのアンバランスさが気になりました。

ちなみにoasisに関しては、ソロ作含めてすべてのアルバム及びシングルも紹介。初心者にとってもうってつけのディスクガイドになっていますし、ファンにとってもあらためて彼らの作品を網羅的に知るには、そのボリュームも含めてちょうどよい内容となっています。また、シーンの最後に紹介されているのがTravisになっています。それはそれでなんとなくわかるような気もするのですが、個人的には終着点はColdplayのような気がするなぁ。これは完全に個人的な感想になるのですが。

そんな訳で、ちょっと気になる点はありつつも、80年代90年代のイギリスのインディーロックやブリットポップを知るのは必要な情報がちょうどよくまとまっており、非常によくできた1冊だったと思います。また、今回のブームでoasisを知った若い世代にとっても、oasisがどんな作品をリリースしているのか、またoasisがどのようなシーンの位置づけられるバンドなのか、oasisの次にはどんなミュージシャンを聴けばよいのか、よくわかる1冊となっており、入門書としてもお勧めできる1冊になっていたと思います。oasisファンやブリットポップ好きにも文句なしにお勧めできる1冊。個人的にもあらためて勉強になりました。

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2025年12月27日 (土)

カネコアヤノの2つの側面

今回はシンガーソングライター、カネコアヤノがリリースした2枚のアルバムです。

Title:石の糸 ひとりでに
Musician:カネコアヤノ

まずは毎回おなじみ、カネコアヤノがオリジナルアルバムの後にリリースする弾き語りアルバム。4月にバンドkanekoayano名義のアルバム「石の糸」をリリースしましたが、予想通り、その弾き語りバージョンのアルバムが、カネコアヤノ名義でリリースされました。

バンド名義でのリリースだったため、オリジナルではバンドサウンドを前面に押し出したアレンジとなっていました。それだけに弾き語りバージョンとの違いがより際立つことも予想され、本作のリリースも期待していたのですが、ある意味予想通り、オリジナルと異なりギター弾き語りのシンプルな演奏で、カネコアヤノの楽曲のコアな部分、歌詞とメロディーがむき出しにされた作品に仕上がっていました。

特にギターロックの色合いが強かった曲はその違いが顕著で、例えば「僕と夕陽」「WALTZ」などはギターロック色が前面にオリジナルに比べて、本作ではシンプルなアコギ弾き語りというスタイル。シンプルが故にその歌をしっかりと聴かせるアレンジとなっており、歌詞やメロディーの持つ良さが前に押し出された内容となっています。

ただユニークなのは、単純にシンプルな弾き語りに置き換えた、というだけではなく、曲によってはむしろ「ひとりでに」の方がサイケさが増した曲もあり、例えば1曲目「noise」。こちらはオリジナルの方がシンプルなアコギ弾き語りスタイルなのに対して、「ひとりでに」ではギターにリバーブをたっぷりとかけたサウンドとなっており、かなりサイケなアレンジに仕上がっています。ラストを締めくくる「水の中」も、オリジナルではエレピで静かなアレンジとなっているのに対して、「ひとりでに」ではバンドサウンドが入ってくるアレンジに。こちらは「ひとりでに」の方がより歌を聴かせるアレンジとはなっているものの、シンプルな弾き語りスタイルにしなかったのはユニークなところでしょう。

そんなこのアルバムですが、全体的に言えるのは、やはり一人での弾き語りアルバムということでカネコアヤノの自由度が増しているという点。kanekoayanoではバンドがゆえに試せなかったスタイルを、弾き語りアルバムでは試した、そんな印象を受ける作品になっていました。「石の糸」と並んでチェックしておきたいアルバムです。

評価:★★★★★

Title:LIVE 2025 kanekoayano
Musician:kanekoayano

Live2025kanekoayano

そしてこちらはkanekoayano名義でリリースされたライブアルバム。今年5月から9月にかけておこなわれたライブツアーの模様を収録されたアルバムとなっています。バンド名義のライブということもあり、カネコアヤノのライブに比べてもバンド色を前面に押し出したステージに。力強いサウンドが大きな魅力のステージとなっており、ライブの迫力は、この音源を通しても伝わってきます。

基本的にセットリストは、直前にリリースされたkanekoayano名義のアルバム「石の糸」の楽曲が中心となっているのですが、カネコアヤノでリリースされた楽曲もチラホラ楽曲に加わっています。「石の糸 ひとりでに」が「石の糸」を弾き語りスタイルでカバーしているアルバムだったのですが、本作はある意味、その逆。カネコアヤノ名義の楽曲をバンドアレンジでカバーし、楽曲の新たな一面を生み出しているアルバムともなっています。

例えば「セゾン」なども、バンドアレンジとなりオリジナルに比べるとサウンドの分厚さが増し、迫力ある作品となっていますし、「やさしい生活」もシンプルなオリジナルから一転、バンドアレンジでの楽曲となり、かなり雰囲気が異なっています。バンドアレンジとなり、生まれ変わった楽曲が聴けるアルバムとしても興味深い作品にもなっていました。

この2枚のアルバム、カネコアヤノというミュージシャンの音楽的な幅広さと、その実力を知れる最適な作品。弾き語りの企画盤とライブ盤という作品ですが、オリジナルアルバムと同様、要チェックのアルバムなのは間違いないでしょう。今後もバンドとしてのkanekoayanoと、ソロシンガーカネコアヤノの両輪での活躍が続くのでしょうか。今後の活動にも注目していきたいところです。

評価:★★★★★

カネコアヤノ 過去の作品
燦々
燦々 ひとりでに
よすが
タオルケットは穏やかな
カネコアヤノ 単独演奏会 2022 秋 - 9.26 関内ホール
タオルケットは穏やかな ひとりでに
よすが ひとりでに
カネコアヤノ Billboard Live ワンマンショー 2023 - 12.15 Billboard Live OSAKA
石の糸(kanekoayano)


ほかに聴いたアルバム

My name 〜TOUR 2024〜/家入レオ

昨年12月13日にLINE CUBE SHIBUYAで行われたライブの模様を収録したライブ盤。自身30歳の誕生日に行われたライブだそうですが、彼女はデビューした時に「若干17歳」ということが大きな売り文句になっていただけに、もう30歳か・・・と月日が経つことの早さに感嘆してしまいます。直近作「My name」からの曲がメインのため、全体的にマイナーコード主体のメランコリックなちょっと大人な曲が目立ちつつ、デビュー当初の彼女を彷彿とさせるようなテンポよく盛り上がるような曲も多く、ライブは楽しそうという印象。

評価:★★★★

家入レオ 過去の作品
LEO
a boy
20
WE
5th Anniversary Best
TIME
DUO
Answer
10th Anniversary Best
Naked
NAKED~TOUR2023~
My name

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2025年12月26日 (金)

一つの時代の終わりと始まり

今回は、最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

何度かこのサイトでも紹介しているMUSIC MAGAZINE増刊アルバム・セレクションシリーズの最新刊「80年代ブリティッシュ・ロック」。いままで、「60年代ブリティッシュ・ロック」「70年代ブリティッシュ・ロック」とシリーズで続いていたので、それに続くシリーズとなります。監修は、「60年代ブリティッシュ・ロック」と同様、音楽評論家の大鷹俊一。ちなみに、「70年代ブリティッシュ・ロック」では彼ひとりの著述となっていましたが、本作では「60年代」同様、監修という立場に戻り、基本的に複数のライターがかき分けているスタイルとなっています。

スタイルとしてはいままでの「アルバム・セレクションシリーズ」と同様、前半は代表的なミュージシャンを取り上げて、その略歴と代表的なアルバムの紹介、後半は年代を区切って、それぞれの時期の代表的なアルバムの紹介というスタイルとなっています。

さて、この80年代のロックについて、大鷹俊一は同書の冒頭でこう記載しています。「ブリティッシュ・ロックにおける1980年代とは、一つの終着点であり転換点であった」。確かに私も、80年代以前と以降において、ロックというジャンルに大きな変動があったように思います。

ご存じの通り、先日、再結成したoasisが日本に来日し大きな話題となりました。その中で、ライブに来場したファン層の世代が非常に若かったという点がニュースになりました。これはもちろん、再結成が大きなニュースとなり、それをきっかけに若い世代が押し寄せた、という点もあるのでしょう。ただ一方で、現在日本で人気を集める多くのロックバンドが、oasisをはじめとした90年代の、いわゆるオルタナ系ロックバンドの影響を強く受けており、oasisの奏でるサウンドが若い世代においても耳なじみやすかった、という点も大きいのではないでしょうか。

実際、このアルバムで紹介されている80年代以前に活躍したバンドについては、そのサウンドについて「昔の音」という印象を受けてしまいます。一方で、90年代以降のオルタナ系バンドの音は、今聴いても「今の音」として違和感なく楽しむことが出来ます。逆に言うと、90年代以降、ロックというジャンルに大きな地殻変動が起きていない、というネガティブな評価も出来てしまうのですが、確かに80年代という時代は、それまでのロックにおける終着点であり、そしてそれ以降のロックへの転換点ということを強く感じます。

そして、今回、冒頭の「ARTIST PICKUP」で取り上げられているバンドたちは、いわば80年代以前のバンドが比較的多かったように感じます。THE SMITHSやCOCTEAU TWINSのように、それ以降のシーンに大きな影響を与えているバンドも取り上げられていますが、一方で90年代以降に大きな影響を与えたMy Bloody ValentineやTHE STONE ROSESは年代別のコーナーで1枚アルバムが紹介されているのみ。もちろん、マイブラにしろローゼズにしろ、紹介するアルバムが(80年代には)1枚しかなかった・・・という点も大きいのかもしれませんが、全体的には90年代を見据えて、というよりも、これぞ80年代、というバンドがより前面に押し出されていたように感じました。

本書の構成としてそんな特徴を感じつつも、一方では全体的に取り上げているミュージシャン、アルバム共に、非常にオーソドックスに感じます。もともとこのシリーズ自体、比較的癖のない、王道的な内容という点も特徴的でした。ただ前作「70年代ブリティッシュ・ロック」に関しては、大鷹俊一ひとりの著述だったため、良くも悪くも彼の好みが前面に出ていた内容になっていました。それに対して本作では彼が監修の立場に戻ったことにより、より癖のない、入門書的にもピッタリな構成になっていたと思います。もちろん、ある程度詳しい方にとっても、シーンを捉えなおすという意味でもお勧めのアルバムだったと思います。あらためていろいろと聴いてみたいと思うミュージシャン、アルバムにたくさん出会えた1冊でした。

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2025年12月25日 (木)

今年最後のチャート評

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

本年最後のチャート評となります。

1位はNumber_i「No.Ⅱ」が2週連続で1位獲得。ストリーミング数も2週連続で1位となっています。これで13週連続のベスト10ヒット&通算10週目のベスト3ヒット&通算4週目の1位獲得となりました。

2位はTOBE所属の男性アイドルグループIMP.「MAGenter」が獲得。CD販売数及びダウンロード数1位、ストリーミング数19位。前作「DEPATURE」はオリコンでは集計対象外でしたが、今回は初動売上5万8千枚で1位に初登場しています。

3位はRADWIMPSへのトリビュートアルバム「Dear Jubilee-RADWIMPS TRIBUTE-」がワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。

以下、ベスト10初登場盤は、10位に「ズートピア2(オリジナル・サウンドトラック)」がランクイン。タイトル通り、大ヒット中のディズニー映画「ズートピア2」のサントラ盤。ストリーミング数が9位にランクインし、総合順位もベスト10入りを果たしています。

ベスト10返り咲き組ではHey!Say!JUMP「S say」が先週の12位から8位にランクアップ。4週ぶりのベスト10返り咲き。これは配信及びストリーミングが解禁になった影響で、ダウンロード数12位、ストリーミング数8位にランクインしています。また、Mrs.GREEN APPLE「ANTENNA」も11位から9位にアップ。こちらは6週ぶりのベスト10返り咲き。通算58週目のベスト10ヒットに。またミセスは「10」も先週から変わらず4位をキープ。こちらは連続24週目のベスト10ヒットとなっています。

他のロングヒット盤は男性アイドルグループBE:FIRSTのベスト盤「BE:ST」が5位にランクイン。これで連続8週目のベスト10ヒットに。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」も今週は6位をキープ。こちらも24週連続のベスト10ヒット。藤井風「Prema」は3位から7位にダウン。こちらは16週連続のベスト10ヒットになっています。

一方、Snow Man「THE BEST 2020-2025」は今週11位にダウン。ベスト10ヒットは通算32週で再びストップ。またRADWIMPS「あにゅー」も9位から13位にダウン。こちらもベスト10ヒットは通算9週でストップとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週もHeatseekers Songsの1位はThis is LAST「シェイプシフター」が獲得。これで6週連続の1位となりました。ただ、Hot100では100位圏外にダウンしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週も1位は藤原ハガネ「にゅー!支配者のキャロル」が2週連続で1位を獲得。2位はサツキ「メズマライザー」がランクアップ。3位はTAK「PPP」がランクイン。ちなみにTAKは韓国人のボカロPだそうです。ボカロもついに海外に浸透してきたということでしょうか。

今年最後となるチャート評は以上。新年初のなるチャートは、ビルボードの更新予定が不明なので、次回、更新され次第ということになるのですが・・・おそらくオリコンのスケジュールに従うと、1月6日、7日あたりに一挙2週分更新になりそうです。

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2025年12月24日 (水)

新譜が上位に並ぶ中・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今年の暮れになった今、今年最大のヒットとなりつつあります。

今週1位は米津玄師「IRIS OUT」が2週ぶりの1位返り咲き。これで通算11週目の1位獲得。14週連続のベスト10&ベスト3ヒット。ストリーミング数も14週連続の1位獲得。今週は動画再生回数も3週ぶりに1位に返り咲いていますし、まさに他を圧倒するヒットとなっています。また、米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」は今週も7位をキープ。こちらは13週連続のベスト10ヒットに。今年はほぼミセスと、HANAがヒットを独占していた状態でしたが、最後の最後に米津玄師が大ヒットを飛ばしてきました。今年の紅白出場も決定した彼。この曲のヒットはまだまだ続きそうです。

2位以下は4位までアイドル系が初登場。2位は僕が見たかった青空「あれはフェアリー」がランクイン。CD販売数2位、ラジオオンエア数3位。秋元康プロデュースによる女性アイドルグループ。オリコン週間シングルランキングでは初動売上7万9千枚で2位初登場。前作「視線のラブレター」の初動6万4千枚(2位)からアップ。

3位初登場は男性アイドルグループパンダドラゴン「Winter Song 防衛隊」。CD販売数1位。オリコンでは初動売上12万1千枚で1位初登場。前作「マジ☆まじない」の初動7万7千枚(1位)からアップ。

そして4位にはOCTPATH「スターライトランデブー」が初登場でランクイン。CD販売数3位。吉本興業所属の男性アイドルグループ。オリコンでは初動売上6万2千枚で3位初途上。前作「また夏に帰ろう」の初動4万5千枚(3位)からアップしています。

また今週はベスト10返り咲きも。8位には男性アイドルグループM!LK「好きすぎて滅!」が先週の13位からランクアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。特にストリーミング数が11位から8位にアップしています。

他のロングヒット曲では、HANA「Blue Jeans」が先週からワンランクダウンの10位にランクイン。ストリーミング数は3週連続の3位。これで通算21週目のベスト10ヒットに。なおHANAは「NON STOP」がワンランクダウンながらも今週も5位にランクインし、今週も2曲同時ランクインとなっています。

今年最後のHot100は以上。明日は、今年最後となるHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年12月23日 (火)

ミッシェルの最後

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのデビュー30周年を記念したリマスター企画。今回はついに、2003年にリリースされた彼らの最後のアルバムの紹介となります。

Title:SABRINA HEAVEN
Musician:thee michelle gun elephant

まずこちらが2003年の3月にリリースされた、彼ら最後のオリジナルフルアルバムとなった「SABRINA HEAVEN」。

Title:SABRINA NO HEAVEN
Musician:thee michelle gun elephant

そしてこちらが、同年6月にリリースされ、彼らのラストアルバムとなった6曲入りのアルバム「SABRINA NO HEAVEN」。前作とは対となるような作品です。

まずこの2枚を聴いてみて、特に「SABRINA HEAVEN」に関して言えば、かなり終わりであることを意識したアルバムだったということを強く感じます。唯一のシングル曲である「太陽をつかんでしまった」などは、まさにこの段階のミッシェルを重ね合したかのような楽曲。12年間の活動の中で、ひとつの到達点に達してしまった、彼らはそう感じたのではないでしょうか。他にも「ヴェルヴェット」「マリオン」「サンダーバード・ヒルズ」のように、「行き着いた」感を醸し出している歌詞が目立ちます。

また、1曲あたりの長さも圧倒的に長いのが「SABRINA HEAVEN」の特徴で、他のアルバムが1曲あたり3~4分程度の長さに対して、本作は10曲入り約1時間。1曲あたり6分弱という長さとなっており、バンドとしての最後を惜しむかのように、力強い演奏をこれでもかというほど聴かせてくれます。

一方で、ここに来て新機軸を感じさせる曲もある点もユニークで、ジャジーな雰囲気の「マリアと犬の夜」もそうですし、「ジプシー・サンディー」ではレゲエの要素も入れており、最後の最後までバンドとしての新たな可能性を模索していた姿も感じます。これでうまくいけば、バンドを続けていこうと考えていたのか、それとも、最後だからこそ好き勝手にやろうと思ったのか・・・。

そして「SABRINA NO HEAVEN」はそんな「SABRINA HEAVEN」には収録しえなかった作品が収録されており、重厚だった「SABRINA HEAVEN」と比べて、比較的軽い雰囲気の曲が並びます。「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」「デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ」などはまさに疾走感あって軽いガレージロック。確かに、「SABRINA HEAVEN」に入れると浮きそうな感もある一方、こういった作風のミッシェルらしい感じであり、最後の最後に、やはりライブで盛り上がりそうな、疾走感のあるガレージロックを演りたかったんだろうなぁ、と今さら感じました。

最後はピアノのインスト「夜が終わる」で締めくくり。これで終わってしまうんだなぁ、というのは、リアルタイムで聴いた時も感じたことを覚えています。ただ一方で、こうやって30年記念のプロジェクトでミッシェルの曲をまとめて聴くと、彼らがやり切った感があるのは事実。非常に美しい最後のようにも感じました。あらためて、ミッシェルが唯一無二のバンドだったということを実感できました。こういうバンドはもう2度と現れないんだろうなぁ。

評価:どちらも★★★★★

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 過去の作品
THEE GREATEST HITS
cult grass stars
High Time
Chciken Zombies
GEAR BLUES
カサノバ・スネイク
ロデオ・タンデム・ビート・スペクター


ほかに聴いたアルバム

玉置浩二の音楽世界Ⅲ

玉置浩二が他の歌手に提供した楽曲をまとめた作品集の第3弾。さすがに第3弾ともなると、良く知られたヒット曲、というのはあまりなくなってきているのですが、それでも2枚組で第3弾まで作品集としてリリースできるあたり、玉置浩二がいかに多くの歌手に楽曲を提供してきたかわかります。全体的に哀愁感あふれる歌謡曲な曲がメイン。ビートたけしの「風の街のジュウちゃん」みたいな、こんな曲があったんだ・・・みたいな曲や堀田家BANDの「サヨナラ☆ありがとう」みたいな、「そういえばあったねぇ」的な曲も。第4弾もあるのかな?

評価:★★★★

玉置浩二の音楽世界
玉置浩二の音楽世界Ⅱ

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2025年12月22日 (月)

野田洋次郎らしさとRADWIMPSらしさがほどよく調和

Title:あにゅー
Musician:RADWIMPS

最近は映画のサントラ盤が続いたため、オリジナルアルバムとしては約4年ぶりとなるニューアルバム。前作以降、ギターの桑原彰が不倫騒動の末に脱退。さらには脱退後、バンドや野田洋次郎に対する不満を証明するなど、ちょっとゴタゴタ感もあった彼ら。現在、ドラムの山口智史も事実上、活動休止中で、事実上、2人組となっているなど、バンドとしてなかなか大変な状況が続いています。

そんな状況の中リリースされた今回のアルバム。ここ数作のRADWIMPSのアルバムがそうでしたが、今回のアルバムも簡単に言ってしまうと、理屈っぽい歌詞の世界や、様々なジャンルへ手を広げた音楽性など、野田洋次郎らしさが出ているアルバムになっていました。

まず今回も様々なタイプの楽曲が並んでおり、野田洋次郎のソロでの活動がRADWIMPSにフィードバックされているようにも感じます。アコギでファルセットボーカルで美しき聴かせる「なんていう」や、ピアノとエレクトロサウンドでポストロック風の「Odakyu Line」、ダイナミックな打ち込みのビートが入って、デジタルロック風の作品である「成れの果てで成れ」などはそうでしょう。特にアルバム後半になるにつれて、このようなバンドに留まらないジャンルの曲が目立ったように感じます。

一方では今回のアルバム、特に前半においてバンドサウンドを前面に押し出した曲も多く、1曲目「命題」からして、バンドサウンドを前に押し出した楽曲。続く「まーふぁか」などは、まさにヘヴィーなロックサウンドを前に押し出した作品に。中盤でも、アジカン、エルレ、バンプといった、彼の盟友とも言えるバンドが登場する「MOUNTAIN VANILLA」も、そんなバンドのサウンドに共通する、オルタナ系ロックの色合いが強い作品に仕上がっています。

特にアルバム後半に、様々なジャンルへ挑戦したような曲が並ぶため、アルバム全体としてはバンド色があまり強くなったような感はしないのですが、ただ、特に前半に関しては、かつてにRADWIMPSを彷彿とさせるようなバンドサウンドを前に押し出したような作品も目立ちます。

また、歌詞についても野田洋次郎らしさ炸裂しているのはいつも通りといった感じ。かなり情熱的とも言える歌詞の内容が印象的なラブソング「ワールドエンドガールフレンド」などはまさに野田洋次郎らしいといった感じですし、

「君のベロと僕のベロが天文学的確率で
触れ合うなんてことが もしも起こったとしたなら」
(「DASAI DAZAI」より 作詞 野田洋次郎)

なんて歌詞は、一歩間違えたら、かなりキモイという感じもする歌詞すらあるあたりも、まさに野田洋次郎らしいといった感じ。生と死を描いた「命題」などもそうですが、全体的に情熱的であるものの、かなり理屈っぽさを感じてしまうのも、野田洋次郎らしさが炸裂しているといった感じでそう。

ただ、今回のアルバムで、特に歌詞の面で一番印象的だったのは「筆舌」「生きてりゃ 色々あるよな」と歌われるこの曲は、まさにこの歌詞の通り、40代となった野田洋次郎がおそらく経験したであろう、時の流れの速さとそれに伴う身の回りの変化についてしみじみと歌い上げたもので、同じく40代(といってもそろそろアラフィフ)の自分にとっても、かなり心に響いてくる内容となっています。ある意味、大人になった野田洋次郎だからこその歌詞といった感じでしょうか。

今回のアルバムに関しては、そんな「大人になったから」こそのアルバムだったという点は随所に感じられまず。例えば前述の、野田洋次郎のソロの延長戦のような、様々な音楽性への挑戦にしても、ここ数作、その結果、若干バンドを蔑ろにしたのではないかとも感じる独りよがりな作風が目立ちましたが、今回のアルバムに関してはそういう感じはなく、野田洋次郎のやりたいこととRADWIMPSとしての折り合いをちゃんと付けたように感じる内容になっていました。

歌詞にしても、ここ数作、「社会派」と言いながら、どこか独善的な歌詞がアルバムの中に収録されていましたが、今回のアルバムに関しても「ピリオド。」のような、毒を吐いたような作品はありつつ、もうちょっと内省的な穏やかな方向性となっており、「痛々しさ」は薄れています。サウンドの面でも歌詞の面でも、いい意味で野田洋次郎が大人になった、という印象を受けるアルバムになっていました。

結果として、野田洋次郎らしさとロックバンドRADWIMPSのポピュラリティーがちょうどいいバランスを保っており、個人的にはちょっと暴走気味だったここ数作の中では一番の出来だったように感じます。大人になって、いい意味で変化していく彼らの今後にも注目したいところです。

評価:★★★★★

RADWIMPS 過去の作品
アルトコロニーの定理
絶対絶命
×と○と罰と
ME SO SHE LOOSE(味噌汁's)
君の名は。
人間開花
Human Bloom Tour 2017
ANTI ANTI GENERATION
天気の子
天気の子 complete version
夏のせいep
2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs
FOREVER DAZE
余命10年~Original Soundtrack~
すずめの戸締り(RADWIMPS/陣内一真)


ほかに聴いたアルバム

三木たかし ソングブック

主に70年代から90年代にかけて「津軽海峡冬景色」「時の流れに身をまかせ」など、数多くのヒット曲を手掛けたヒットメイカー三木たかしの作品集。他にもテレサ・テンの「つぐない」や西城秀樹の「ブーメラン ストリート」、わらべの「めだかの兄妹」など、数多くのヒット曲を収録。異色なところでは「アンパンマンのマーチ」の作曲を手掛けており、本作にも収録されています。ただ、全般的には演歌、ムード歌謡曲がメインであり、その点、若干好みからは外れるのですが、ただ、この年になるとこういう「歌謡曲」を聴いても素直に良いと感じるようになってくるんですね・・・。特にテレサ・テンなどは、彼女の歌手としての魅力の部分も大きいのでしょうが、非常に心に染み入ってきます。ヒット曲が多数収録されている、聴きどころも多い作品集でした。

評価:★★★★

BEST OF UMA NO HONE 2005-2025/馬の骨

堀込泰行が、2005年にキリンジを脱退後、スタートさせたソロプロジェクト、馬の骨。ただ、その後アルバムを2枚したのみで活動はストップ。その後は堀込泰行名義でのリリースが続いており、完全に「過去のもの」になった感があったのですが・・・なんとここに来てベスト盤をリリース。さらに実に16年ぶりの馬の骨名義での新曲「Let's Get Crazy」も収録されています。

ただ、当時も、キリンジ脱退後、なかなか堀込泰行としての方向性をつかみ切れておらず、彼の作品としてはちょっと物足りなさも感じてしまいました。今回のベスト盤は、過去2枚の作品から、彼が気に入っている楽曲をピックアップ。そのため、ブルースの要素を入れつつメランコリックに聴かせる作風は、彼の実力をしっかりと感じさせるのですが・・・やはりそれでも、キリンジ時代の作品、さらには堀込泰行名義となってからの作品と比べると、ちょっと物足りなさも。ある意味、ソロとしての彼のスタイルを確立するまでの過渡期とも言える作品でした。

評価:★★★★

堀込泰行 過去の作品
River(馬の骨)
"CHOICE" BY 堀込泰行
One
GOOD VIBRATIONS
What A Wonderful World
GOOD VIBRATIONS 2
FRUITFUL
星屑たち

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2025年12月21日 (日)

ブラックミュージックとしてのテクノ/ハウス

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

テクノ専門誌「el-king」の創刊者であり、音楽評論家の野田努による著書「ブラック・マシン・ミュージック」。デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスなどについて、その成立する前段階から誕生の瞬間、そして発展までを記した通史的な1冊。もともと2001年に発刊しており、テクノやハウスの歴史を社会的な背景を含めて記載した「名著」として知られているそうですが、そのたび文庫本で再販。はじめて同書を読んでみました。

まず、ブラックミュージックという枠組みの中で、テクノやハウス史が取り上げられているという点に、新鮮なものも感じます。本書でも語られていますが、テクノはともすれば「白人」の音楽として語られるケースが多く、特にアメリカにおいては、ケミカル・ブラザーズやエイフェックス・ツインなどがテクノの代表格的に語られることが多いため、その印象が強く強くなってしまっています。確かに日本でも、テクノといえば、ケミカル・ブラザーズや、あるいはWarpレーベルのミュージシャンたちの名前があがることが少なくありません。

また、ブラックミュージックの歴史というと、ソウルやR&Bからはじまり、80年代90年代というとHIP HOPという流れで語られることがほとんどであり、そこにテクノやハウスが登場するケースは多くありません。ホワン・アトキンスやデリック・メイなど、本書でも重要ミュージシャンとして語られる「黒人」ミュージシャンたちはポップス史の中で取り上げられることも少なくありませんが、あまりソウルからHIP HOPへと続くブラックミュージックの枠組みで語られることは多くはありません。私が本書を知ったのは、ソウルやブルースの専門誌「Blue&Soul Records」の中での紹介文だったのですが、コアなブラックミュージックの専門誌で取り上げられた点は最初、意外に感じました。

ただ、実際に読み進めると、70年代から80年代のテクノ、ハウスの誕生にあたって、アメリカの黒人文化が色濃く影響している点、非常に興味深く読み進めることが出来ました。特にPファンクやサン・ラからの影響についても記述があり、間違いなくテクノ、ハウスがブラックミュージックの流れの中で色濃く絡み合っている点も興味深く感じます。一方で、その音楽的な源流としてクラフトワークやYMOの名前があがっており、こういう黒人文化の外部からの影響の強さについても面白さを感じます。クラフトワークはもちろん、YMOからの影響も多くあげられており、日本発のこの偉大なグループが、音楽界全体に与える影響の大きさを、あらためて感じることが出来ます。

一方で、ブラックミュージックとしてのテクノ、ハウスという内容ですので、日本で人気のあるテクノ四天王と呼ばれるケミカル・ブラザーズやUNDERWORLDなどのミュージシャン、あるいはエイフェックス・ツインやオウテカをはじめとするWarpのミュージシャンたちについては全く取り上げられていません。そちらの流れに興味がある方については、違う書籍を探す必要があるでしょう。ただ、本書はあくまでもブラックミュージックとして語られる内容ですので、それらのミュージシャンたちが登場しなくても、全体としての流れとして違和感はありません。

ちなみに本書のもうひとつの特徴として、過去の雑誌や文献から、ミュージシャン本人たちの経験談を積み重ねる形で話が進められていく点があげられるでしょう。日本人による著者の作品だと、この手の著書は理論的な説明文を積み重ねるようなケースが多く、こういう経験談を並べていくスタイルは、欧米の著書の作品でよくみられるスタイルで、著者が日本人というのはちょっと意外に感じました。ここらへん、現場のリアルがよくわかる内容である反面、バックグラウンドの知識がないような人にとっては若干わかりにくい部分があり、その点、本書はちょっと初心者にとっては読みにくい内容であることは否めません。実際、私もテクノやハウスの歴史については詳しいわけではないので、読み進めるのにはちょっと苦労しました。ただ、それでも少しずつ読み進めると、その内容は非常に興味深く、文庫本にして上下巻になるボリューミーな内容ながらも、最後まで楽しく読み進めることが出来ました。

そんな訳で、決して初心者向けではない1冊ではあるものの、「名著」としての評判も納得の、テクノやハウスが好き、興味があるのならばチェックしておきたい1冊。非常に読み応えがあり、そしてテクノ、ハウスについて知ることのできた1冊でした。

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2025年12月20日 (土)

大人の雰囲気を漂わせる王道のハウスチューン

Title:Through the Wall
Musician:Rochelle Jordan

ジャマイカ移民の両親のもとでロンドンに生まれ、現在はカナダのトロントで活動するシンガーソングライター。本作は約4年ぶりとなる、オリジナルフルアルバムとしては3枚目のアルバム。前作「Play with the Changes」も比較的好評のうちに受け入れられたようですが、今回のアルバムはより高い評価を受け、注目を集めているようです。

まずこのアルバムについて感想を書くとすると、聴いていてすっと心に入ってくる、非常に心地よいアルバムでした。まずその理由として考えられるのが、2つあって、まず一つ目が、このアルバム、全体的にエレクトロポップの作品が並んでいるのですが、ハウス、UKガレージなどの王道を行くような曲が並んでいるという点があげられます。

オープニングを挟んで事実上の1曲目となる「Ladida」はハウル/UKガラージのナンバーなのですが、サウンドは90年代を彷彿とさせるものであり、非常に耳なじみやすい楽曲になっていますし、「Doint It Too」もリズミカルでダンサナブルなトラックがクラブ向けの、比較的スタンダードなハウスチューン。後半の「Crave」などもシンプルな4つ打ちのビートを刻んでおり、アルバム全体として比較的シンプルで、かつ聴きやすいエレクトロ/ハウスのナンバーが並んでいます。

もうひとつの魅力は、彼女のムーディーなボーカルと、それとピッタリマッチしたサウンドでしょう。「夜の雰囲気」と称されることが多いようですが、メロウなR&Bの要素を積極的に取り入れた作品は、まさに「夜」「大人」というキーワードがピッタリ来そうな作風に。クラブ系のナンバーが並んでいますが、ちょっと上品な大人な雰囲気の漂うフロアにピッタリはまりそうな作品が並びます。

例えば序盤の「The Boy」などは、リズミカルなハウスのナンバーですが、ファルセットボーカルを生かしてちょっとセクシーに聴かせる彼女のボーカルが実に魅力的。「Never Enough」でも、大人な雰囲気の漂うメロウなボーカルを魅力的に聴かせてくれています。また、終盤のチルアウト気味なナンバー「I'm Your Muse」でも抑え気味のボーカルがセクシーで実に魅力的。終始、大人な雰囲気を漂わせるボーカルが、このアルバムの大きな魅力となっていました。

もっとも、王道なハウス、エレクトロの楽曲が並ぶだけに決して目新しさはありません。正直、彼女の大人のボーカルも大きな魅力ではあるのですが、決して目新しい、他を圧倒するようなものではないでしょう。ただ、そういった点を差し引いても、いい意味で聴きやすく、すんなりと耳に入ってきて、身体が自然に動き出すエレクトロのサウンドと、セクシーさも感じられる彼女のボーカルはやはり大きな魅力。クラブユースそていももちろん、家で聴いても十二分に楽しめる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

STAR LINE/Chance The Rapper

一時期はミックステープのみをストリーミングやダウンロードのみで無料でリリースし、音源を全く販売しないスタイルながらもヒットチャートを賑わせ、ついにはグラミー賞を受賞するなど、一躍時の人となったラッパー、Chance The Rapper。ただ、前作「The Big Day」が不評だった影響で、一時期に比べて人気面はグッと落ち着いてしまいました。そんな中リリースされた約6年ぶりのニューアルバム。正直、前作がそこまで悪いアルバムとは思わないのですが・・・。今回のアルバムはメランコリックな歌モノが多いアルバム。基本的にChance The Rapperらしい作品とは思う反面、インパクトの面でちょっと薄かったような印象が。17曲1時間強という長さも、ちょっと長すぎるような感じも。悪い作品ではないものの、もうちょっとコンパクトにまとめた方が良かったような印象も受けるアルバムでした。

評価:★★★★

Chance The Rapper 過去の作品
Coloring Book
The Big Day

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2025年12月19日 (金)

ジャズ、クラシックとレトロなポップスのバランスが絶妙

Title:A Matter of Time
Musician:Laufey

現在、人気上昇中で注目を集めているアイスランド出身のシンガーソングライターLaufey。ちなみに生まれも育ちもアイスランドの彼女ですが、母親は中国人だそうで、ルックス的には東洋系な感じです。2023年にリリースした前作「Bewitched」は見事、グラミー賞を受賞。本作では、イギリスのナショナルチャートで3位を獲得したほか、アメリカビルボードでも4位を獲得。その人気を確固たるものとしています。

今回、はじめて彼女のアルバムを聴いたのですが、まず感想としてとても懐かしさを感じさせるレトロでキュートなポップスが、素直に心地よい作品となっていました。バークリー音楽院出身の彼女は、もともとジャズやクラシックの影響を受けた音楽性が大きな特徴だったそうですが、今回のアルバムはグッとポップスに寄った作品となったそうで、その結果、ジャズやクラシックがポップと融合した音楽性が、どこか懐かしく、かつキュートさを感じさせる絶妙なバランス感覚に仕上がったようです。

まず心地よいのが1曲目の「Clockwork」で、ジャズやレトロポップ風の作品。ムーディーで軽快な作風が、レトロなポップを彷彿とさせるようなナンバーとなっています。続く「Lover Girl」もジャズの要素を入れた軽快なポップスで、日本だと渋谷系やラウンジを思い起こさせるような心地よいポップチューンとなっています。

序盤では続く「Snow White」も印象的。アコギで静かにスタートし、途中からストリングスも加わる、静かながらも盛り上がりのある構成になっているのですが、静かに聴かせる彼女の歌が、暖かく、そして切なく、胸に響いてきます。中盤の先行シングルともなっている「Silver Lining」も、ゆっくりと聴かせるジャジーなバラードナンバー。こちらも静かなバンドサウンドとストリングスバックにしんみり歌い上げる彼女の歌が心に響いてきます。

「Forget-Me-Not」はオーケストラアレンジでドラマチックに聴かせるナンバー。もともとクラシックからの影響が強いということですが、そんな彼女の側面がもっとも押し出されている曲と言っていいかもしれません。そんなクラシカルなナンバーがあったかと思えば、「Tough Luck」は、ポップスさを押し出したナンバー。特に後半からはバンドサウンドをバックに軽快なポップスを聴かせてくれており、今回のアルバム、このジャズ/クラシックからポップへの振れ幅も楽しいところでしょう。

さらに後半ではボッサ風にアレンジされた「Mr.Eclectic」があったり、さらに「Sabotage」では映画音楽的な構成でありつつ、後半ではいきなりサイケなノイズや不協和音が登場。いままでのナンバーとはグッと雰囲気の異なる構成となり、終盤にはこのような実験性を感じさせる楽曲も並びます。

そんな感じで、ジャズやクラシックの影響を受けつつ、さらには映画音楽、ラテンやさらにはサイケロックなどの要素も顔を覗かせる幅広い音楽性を垣間見せつつ、でもベースとなっているのはレトロでキュートなポップスというバランス感覚が見事な作品。前述の通り、日本で言えばちょっと懐かしの渋谷系的な要素も感じられ、いい意味でアラフィフ世代あたりの琴線にも触れそう。広い層におすすめできそうなポップスミュージシャンの傑作です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Alive in the Catacombs/Queens of the Stone Age

Queens Of the Stone Ageの5曲入りとなるEP。今回のアルバムは、2024年7月8日に、パリの地下墓地、Catacombs of Parisで撮影されたライブの模様を収録したアルバム。いつもの彼らの作品とは異なり、アコギとストリングスを用いたアコースティックな編成でのステージ。なぜ、そんな場所でわざわざライブを・・・とも思うのですが、閉鎖的な地下空間は音の響きが独特でしょうし、独特な空気感の中で、どのような音を出せるのか、試したくなった、という感じでしょうか。アコースティックなサウンドでしんみり歌われる楽曲がメインで、どこか厳かな雰囲気も漂っています。しっかりと歌を聴かせている感も強く、QOTSAの本質を追求しているという一方、デモ音源みたいにも取れる作風に若干の物足りなさも感じます。ただ、なかなか興味深い音源であることは間違いなく、ファンならチェックしておきたい作品でしょう。

評価:★★★★

Queens Of The Stone Age 過去の作品
ERA VULGARIS
...Like Clockwork
Villains
In Times New Roman...

That Wasn't A Dream/Pino Palladino&Blake Mills

ウェールズ出身のミュージシャンでベーシスト、さらにはプロデューサーとしても活躍しているPino Palladinoと、アメリカ出身のシンガーソングライターで、こちらもプロデューサーとしても活躍しているBlake Millsのコラボの2作目。全編インストルメンタルのアルバムで、アコースティックでメランコリックなサウンドをメインに、ジャズやアンビエントの要素を取り込んだ作品を聴かせてくれます。ただ、ところどころに歪んだノイズやメロディーが流れ出す「毒」の部分を感じられ、その点がユニークな作品に。しんみり聴かせる曲ながらも、一癖あるひっかかりのある作品に仕上がっていました。

評価:★★★★★

Blake Mills 過去の作品
Muntable Set
Notes With Attachments(Pino Palladino&Blake Mill)
Jelly Road

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2025年12月18日 (木)

1位返り咲き

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

10週ぶりの1位返り咲きです。

1位は先週3位だったNumber_i「No.Ⅱ」が10月8日付チャート以来の1位返り咲き。ストリーミング数も4週ぶりに1位を獲得しています。これで12週連続のベスト10ヒット&通算9週目のベスト3ヒット&通算3週目の1位獲得。12月1日に、もともとのアルバムに新曲「LAVALAVA」を追加したデラックス版を配信でリリースしており、先週のダウンロード数急上昇はその影響でしたし、今回の1位返り咲きもその影響が大きそう。ズルいやり方のような気もしますが・・・。

2位は「Dear Jubilee-RADWIMPS TRIBUTE-」が先週と同順位の2位をキープ。さらに3位には藤井風「Prema」が先週の6位からランクアップし、ベスト3返り咲き。ストリーミング数も6位にランクインしていますが、特に今週、CD販売数が1位を獲得。オリコンの週間アルバムランキングでも2万5千枚を売り上げて1位を獲得しています。15週連続のベスト10ヒット。ベスト3ヒットは通算9週目。これは、CDに封入されていたシリアルナンバーに基づく、2006年のツアーの先行抽選が12月5日に開始された影響で、今さらながら抽選目当てでCDを購入した人が増加した影響のようです。CDにライブチケットの先行販売の抽選券を入れておく手は手法ですが、その抽選時期に合わせてCDの売上が伸びるというのは驚き。藤井風は現在、公式ファンクラブなどがなく、このCDの先行抽選がチケットを確保する方法として、もっとも可能性が高いため、ということもあるのでしょうが、その人気の高さに驚かされます。

以下、今週はベスト10に初登場盤はなし。一方、ベスト10返り咲きとして、Snow Man「THE BEST 2020-2025」が12位から8位にアップし、4週ぶりのベスト10返り咲き。通算32週目のベスト10ヒットに。ロングヒット盤では、Mrs.GREEN APPLE「10」が7位から4位にアップ。ベスト10ヒットは連続23週に。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は4位から6位にダウン。こちらは23週連続のベスト10ヒット。RADWIMPS「あにゅー」は8位から9位にダウン。ベスト10ヒットは通算9週目となります。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週もHeatseekers Songsの1位はThis is LAST「シェイプシフター」が獲得。これで5週連続の1位となりました。ちなみにHot100でも83位までランクアップしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位は藤原ハガネ「にゅー!支配者のキャロル」が先週の8位からランクアップし、1位を獲得。藤原ハガネは現在28歳、投稿歴5年のボカロPとなります。2位はいよわ「散歩の邪魔」が7位からランクアップ。3位には根強い人気を保つサツキ「メズマライザー」が6位からランクアップ。4週ぶりのベスト3返り咲きとなっています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年12月17日 (水)

今週も新譜は多め

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も先週に続き、ベスト10のうち4曲が新譜というチャートとなっています。

まず1位初登場は男性アイドルグループBE:FIRST「街灯」がランクイン。動画再生回数及びラジオオンエア数で1位、ダウンロード数2位、ストリーミング数5位。ファミリーマートのクリスマスタイアップソング。

また3位も初登場。声優アイドルグループ≠ME「排他的ファイター」がランクイン。CD販売数1位、その他はベスト20圏外で総合チャートでこの位置を獲得。オリコン週間シングルランキングでは初動売上30万3千枚で1位初登場。前作「モブノデレラ」の初動18万2千枚(1位)からアップ。

そしてその2曲に挟まれて、現在大ヒット中の米津玄師「IRIS OUT」が、先週からワンランクダウンながらも2位をキープ。ストリーミング数は12週連続の1位。ただ、カラオケ歌唱回数は2位にダウンしています(ちなみにカラオケ歌唱回数1位はback number「クリスマスソング」でした)。これで13週連続のベスト10ヒット&ベスト3ヒット。また米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」は8位から7位にアップ。ただ、こちらはストリーミング数が2位から4位にダウンしています。ベスト10ヒットは12週連続。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず5位に旧ジャニーズ系男性アイドルグループなにわ男子「Never Romantic」がランクイン。映画「ロマンティック・キラー」テーマソング。配信限定のシングルで、ダウンロード数で1位を獲得。

6位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループICEx「Da-Da-Da」がランクイン。CD販売数2位。オリコンでは初動売上7万1千枚で2位初登場。前作「インストール」の初動3万9千枚(4位)よりアップ。

一方、今週はベスト10圏外からの返り咲きも目立ちました。まず8位にSnow Man「カリスマックス」が13位からランクアップし、9月17日付チャート以来のベスト10返り咲き。特にストリーミング数が11位から8位にアップ。12月3日にフジテレビ「FNS歌謡祭」にメンバー全員、仮装で登場したパフォーマンスが話題となったようです。

9位にはHANA「Blue Jeans」が11位からランクアップし、こちらは2週ぶりのベスト10返り咲き。ただしストリーミング数は先週から変わらず3位をキープ。これでベスト10ヒットは通算20週となりました。ちなみにHANAは先週初登場した「NON STOP」も今週4位にランクイン。2曲同時ランクインとなっています。

さらに10位にはBUMP OF CHICKEN「I」が51位からランクアップ。8週ぶりのベスト10返り咲き。日テレ系アニメ「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」エンディングテーマ。配信限定のシングルとしてランクインしましたが、このたびCDもリリースされ、その売上が加味したことによるベスト10返り咲きとなっています。オリコンでは初動売上6万3千枚で3位初登場。前作「SOUVENIR」の初動5万9千枚(2位)からアップしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年12月16日 (火)

読むライブドキュメンタリー

今回は、最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

Umediary

電気を使いつつ、あくまでも人力で音を出す、ユニークな楽器を発明し、その楽器を演奏しながら音楽活動を行う明和電機。今年、そんな明和電機の社長が、楽器を大きなスーツケース2つだけにまとめ、軽自動車のラパンにそのスーツケースを詰め込み、ひとりだけで全47都道府県を回るライブ、「UMEツアー」を行いました。私も7月に行われた岐阜県大垣市でのライブに行ってきたのですが、本書は、そんな「UMEツアー」の模様を社長が日記形態でまとめた「UME日記」。文庫本サイズで全485ページからなるフルボリューム。一般書店ではなく明和電機の公式サイトでの販売となります。

本書は、まず最初、なぜ彼が、楽器をスーツケースにまとめるという発想が生じたのか、という話からスタートし、そのための苦労話、さらにはそこからなぜ「UMEツアー」という話になっていったか、そして「UMEツアー」を実現させるため、いかに苦労し、そして工夫を行ったかを記載しています。その後はツアーのエピソード。こちらは日記形式に各会場で行った出来事を記載し、社長が全国をいかにしてめぐっていったのかを記載した日記になっています。その内容はまさにライブドキュメンタリーとも言っていい内容で、本書は「読むドキュメンタリー」と言っていいかもしれません。

今回のライブツアーでは前後編にわけ、4月から8月にかけて全国をまわるツアーとなっていました。内容的には結構過酷なスケジュールで、ほぼ毎日ライブを行っては次の会場に向かう、という日程。そのため、今回、全国をめぐるライブツアーの模様をおさめた日記なのですが、ほぼライブの模様のみに終始しており、全国各地の名所・観光地等へ訪れることはありません。そのため、全国をめぐるツアーの模様を記載しているのですが、紀行文的な要素はなく、各地のライブの模様のレポート、さらにはライブで起こった楽器のトラブルの話がメインとなっています。

本書を読んでまず感じるのは、文章が非常に読みやすいという点。一言で言うと、非常に理路整然とした文章を書いており、好みの問題もあるのですが、とても簡潔的なわかりやすい文章を書いています。ちょっと理屈っぽい感じもするのですが、それも含めて読んでいてすんなりと頭に入ってくる文章なので、分厚い内容でありながらも最後までスラスラと読み進めることが出来ます。この点はさすがといった感じでしょうか。

また、この楽器のトラブルのドタバタエピソードも非常にユニークで印象的。明和電機というと、前述の通り、電気の力を借りつつ人力で音を出す、ユニークな楽器が特徴的なのですが、実に様々なトラブルがツアーの最中に起こっています。機械というのは、いろいろとトラブルが起こりえるんだな、ということを感じると共に、こういうトラブルをしっかり解決できる社長の力量に感心しますし、また、通常のライブでは、もっと大がかりなステージを、ほぼノートラブルで終えることが出来るという、当たり前ではあるのですが、それを「当たり前」にしてしまう、プロのステージ技術者の力量にも、読んでいて感心させられます。

そして読んでいて感じるのは、この過酷なツアー、社長はよく、大きな事故もなく終えられたなぁ、という点。読んでいると、予備日はほぼなしで、夜までライブを行い、翌日も朝早くから移動というスケジュール。場合によっては睡眠時間3時間程度での移動もあったりと、自分だったら寝不足での運転にちょっと怖さも感じてしまいます。日記の最後で「車をとりまくテクノロジーの進歩で(運転は)楽だった」とは書いているのですが・・・。社長は現在58歳。体力あるなぁ、と感心すると同時に、今ではまだまだ現役の年齢とはいえ、社長にとっても、これだけ大規模でハードスケジュールなツアーを行えるのは、そろそろ最後・・・という意識もあったのかもしれません。

前述の通り、特に各地の名物が登場する訳ではなく、ただひたすらライブを行うだけの内容なのですが、その中でも様々な出来事やトラブルがあり、それがまたとても楽しく読める、そんな内容となっていました。もちろん、7月に行ってきたライブも思い出しながら・・・。今回の「UMEツアー」に足を運んだ方ならば、是非とも読んでおきたい1冊。まさに読むドキュメンタリーな1冊でした。

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2025年12月15日 (月)

最後の3年間を描く

今回は、先日見てきた映画の感想です。

「Ryuichi Sakamoto:Diaries」。2023年に71歳で逝去した坂本龍一の、最後の3年半を、彼が書いた日記を軸として追ったドキュメンタリー。もともとNHKのドキュメンタリーとして放送した内容に、新たに音楽や映像を加えて再構築したものだそうです。がん告知で余命宣告を受けた2020年から映画はスタートし、最後は逝去の2日前の映像まで公開され、その3年半、坂本龍一本人の映像や言葉、関係者へのインタビュー、さらには坂本龍一の音楽で、映画はすすんでいきます。

この映画で感じたのは、この3年半という最後の月日の中で、坂本龍一は2つの顔を見せていたように感じました。ひとつは天才音楽家として、自身の最期に向かう姿。この時期の坂本龍一は、最後に研ぎ澄まされた「音」の世界に興味があったようで、最後まで様々な音の世界を追求し、映画の中でも「雲の音楽を作りたい」と語っていたように、この世界に流れている音の本質的な部分を探っていたように感じます。また、手術の後、雨の音に癒されたり、最期の時まで、鈴などが奏でる美しい音色をめでていたようで、最期まで音へのこだわりを感じさせました。

そしてもうひとつ見せていたのは、ひとりの人間として、死に直面した坂本龍一の姿。余命宣告のことを「死刑宣告」と絶望的に日記に綴ったり、「あえて言霊を信じてみる」と書き「ナオル 治る」と日記に綴ったり、死の恐怖と戦いながら、残された短い時に向かい続けるひとりの男性の姿が描かれていました。

個人的に、アラフィフとなり「死」について考えることが増えてきました。特にそのきっかけとなったのは、昨年2月の義母の逝去。彼女も約2年間のがんの闘病の末での死だったのですが、74歳という、大往生とは言えないものの、決して「早すぎる」といった感じでもない彼女の「死」を迎えた時に、親の世代が亡くなり、次は自分たちの世代の番だ・・・という気持ちが沸き起こってきてしまいました(自分の実母はまだまだ元気ですが)。また、ここ数年、やはり身体に「不調」を感じる機会が増え、死につながるような体調不良はないのですが、身体が自分の魂の乗り物だと解釈した時、この「乗り物」も徐々にガタが来始めているな、とも感じ、年齢的にまだちょっと先のこととはいえ、「死」について意識する機会が増えてきました。

そんな中で、この映画では、やはりその死に立ち向かう坂本龍一の姿に、非常に興味が湧いたと共に、もし自分が同じ境遇に陥ったら・・・という思いを感じつつ、映画を鑑賞していました。映画の中で、自分の余命宣告を前に決して取り乱した姿は見せておらず、淡々と受け入れたようにも感じます。ただ一方、日記の端々や映画の映像からは、死に対する恐怖や長く生きられないことへの無念を感じさせる部分も少なくなく、自分がその立場だったらどうなるだろうか、そんなことを考えながら見入っていました(ただ、この時期に連載されていたエッセイ「ぼくは、あと何回満月を見るだろう」では術後妄想に悩まされた話もあるので、取り乱したような姿はあえて映画では省略したのでしょうが)。

また一方、映画で興味深く見ることが出来たのはもうひとつの側面、天才音楽家坂本龍一の姿。映画の冒頭、ニューヨークの自宅の庭にピアノを放置し、ピアノがどのように朽ち、自然に帰るのかを観察する実験を行う姿が映し出されます。この実験自体、彼のがんとは直接関係ないのですが、奇しくも、ピアノの朽ちる姿と、坂本龍一の姿が同一視されるような形になっています。ただ、映画後半に出てくる、自然に帰ろうとする朽ちたピアノの姿は、どこか美しさも感じられ、それが死に向かう坂本龍一の姿と、美しいシンメトリーを奏でているようにも感じました。

また、最後は、単なる音や、「雲の音楽」といった、自然の奏でる波長に興味を抱く姿も、ここらへんの興味についても、他の著書によるとがん告知の前から興味が向いていたようですが、音楽家としてある程度の到達点まで達したようにも感じます。一方では、10年後まで音楽を作りたい、と劇中語っていたように、最後まで音楽に対する意欲は失っておらず、最後の最後まで音楽家として生きる彼の姿に感銘も受けました。

最期に、息子からの質問に対して「楽しい人生だった・・・」「死に対して、もう恐怖はない」と語っていたというのも印象的。最期にすべてを受け入れて、そして人生を満足して旅立っていった姿にも、思わず胸が熱くなるのと同時に、第三者から見て、いい人生だったんだなぁ、とも感じました。自分は最期、ああいう風に旅立てるのだろうか、そんなことも感じてしまうラストでした。

そんな訳で、天才音楽家坂本龍一の最期としても、ひとりの71歳の人間、坂本龍一の最期としても、いろいろと感銘を受け、また考えさせられる部分も多いドキュメンタリーでした。ちょっと早い最期だったかもしれませんが、ただ一方、10年後の彼の音楽を聴いてみたかった反面、いろいろな意味でやり切った感もあるのかな、とも感じました。最期に向かう人間のドキュメンタリーとしても興味深い映画。坂本龍一に少しでも興味がある方ならお勧めしたい1本です。

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2025年12月14日 (日)

再結成で大盛り上がり中のリリース

Title:(What's the Story)Morning Glory? 30th Anniversary Deluxe Edition
Musician:oasis

今年、まさかの再結成が実現。先日は日本公演も大盛況のうちに終えたoasis。再結成の熱狂の中、様々な関連アイテムが販売されているのは、ここでも何度か紹介した通りです。そんな中リリースされたのが本作。ご存じの通り、1995年にリリースされ、全正解で2,500万枚いじょうを売り上げたという、oasisの代表作であり、ロック史に燦然と輝く名盤「(What's the Story)Morning Glory?」の30周年記念盤。昨年、デビューアルバム「オアシス」の30周年記念盤もリリースされていますので、それに続く記念盤ということになります。

oasisの本作の再発自体はこれが初めてではありません。2014年には、彼らの1993年から1997年における活動を振り替えるプロジェクトとして「チェイシング・ザ・サン」シリーズとしてリマスター版がリリース。今回が再度の再発となります。昔、誰かが雑誌で「ビートルズのアルバムはリマスター版が何度も発売されるので、同じアルバムを何枚も持っている」という話をしていたことが記憶にありますが、私も同作を買うのはオリジナルを含めて3度目。ファンとしての宿命的なもの(?)を感じてしまいます。

今回の注目は、Disc2に収録されているアンプラグドバージョン。「Cast No Shadow」「Morning Glory」「Wonderwall」「Acquiesce」「Champagne Supernova」の5曲が、アンプラグドで収録されています。バンドサウンドが前に押し出された原曲の一方、本作ではアンプラグドということでリアムの歌が前に押し出されたアレンジとなっており、oasisの曲の本来持つ、歌の良さが強調されたバージョンとなっており、ノエルの書くメロディーライン自体の魅力を強く感じさせる作品となっています。

とはいえ、このうち「Cast No Shadow」「Wonderwall」「Champagne Supernova」はもともと歌が目立つ楽曲だったので、このアンプラグドバージョンでも大きな変化はなく。一方、原曲から雰囲気がかなり変わったのが「Morning Glory」で、もともとかなりパンキッシュな原曲に対して、リズムにパーカッションも入り、オーガニックなテイストが強い作風に。より、原曲の持つメロディーの魅力を強く感じさせます。同様に「Acquiesce」のアンプラグドも印象的。特にこの曲、Aメロをリアムが歌い、一方、サビをノエルが歌うという、珍しく兄弟が共演する楽曲なのですが、アコースティックなアレンジがゆえに、兄弟の距離がより近く感じられる作風に。ある意味、今回の再結成にピッタリと言えるかもしれません。

ちなみにこのアンプラグドバージョン、いつ録音されたものなのかは公表されていないようで、最初、アルバム制作にあたってのデモ的な音源かと思っていたのですが、どうもそうでもなく。リアムのボーカルについては過去の音源を流用し、それに最近録音されたサウンドを重ねた、というのが有力な見方のようです。

また、肝心な本編の方ですが、こちらも2014年のリマスター音源をそのまま収録した内容ということで、当時の音源を所有していれば、アンプラグドバージョン以外、特に追加で購入する必要性は薄いといったことになります。まあ、それでも買ってしまうんですけどね。アンプラグドバージョンも、これはこれで聴きどころのある音源ではあると思うのですが、2014年リマスター版を所有している方は、再購入する必要性は薄いかも。ただ、2014年リマスター版を所有していない方や、今回の来日ではじめてoasisについて聴いてみようと思った方には最適なアルバムだと思います。もちろん、楽曲自体は文句なしの名曲揃いです。

評価:★★★★★

oasis 過去の作品
DIG OUT YOUR SOUL
Time Flies 1994-2009
Original 1993 Demos
Definitely Maybe (Remastered) (Deluxe)
(WHAT'S THE STORY)MORNING GLORY?(Remasterd)(Deluxe)
BE HERE NOW(Deluxe)
KNEBWORTH 1996
The Masterplan - 25th Anniversary Remastered Edition
Definitely Maybe (30th Anniversary Deluxe Edition)(「オアシス」30周年記念デラックス・エディション)
Times Flies...1994-2009(Remaster)

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2025年12月13日 (土)

今、最も人気のあるSSW

Title:The Art Of Loving
Musician:Olivia Dean

今回紹介するのはオリヴィア・ディーンというイギリスのシンガーソングライターによる2枚目のアルバム。日本では、まだその名前はほとんど知られていませんが、おそらく現時点において、もっとも人気のあるシンガーの一人で、本国イギリスでは本作に収録されている「MAN I NEED」がチャート1位を獲得しているほか、複数の楽曲がシングルチャートに同時ランクイン。「MAN I NEED」はアメリカビルボードのHot100でも最高位4位を記録しています。もちろん、本作も、イギリスのナショナルチャートで1位を獲得。アメリカビルボードでもベスト10入りを果たすなど高い人気を誇っています。

彼女の歌う楽曲は基本的にちょっとレトロな雰囲気を漂わせるソウル/R&Bの楽曲。前述の大ヒットした「MAN I NEED」はエレピのサウンドも暖かく聴かせる、ゴスペル風のコーラスも爽やかな効果を醸し出す、軽快なR&B風のポップチューン。同じく大ヒット中の「So Easy(To Fall In Love)」もボッサやジャズ風のアレンジが入り、ちょっとレトロな懐かしさのある暖かい作品に仕上がっています。

その他にも、スモーキーなボーカルで、ムーディーでファンキーなレトロポップを聴かせる「Lady Lady」や感情たっぷりに聴かせる、ある意味、王道とも言えるバラードナンバー「Let Alone The One You Love」、アコギアルペジオで哀愁たっぷりに聴かせる「Loud」などが続き、最後はフォーキーな雰囲気で暖かい余韻を残しつつアルバムを締めくくる「I've Seen It」へと続いていきます。

懐かしさも感じられるポップは耳なじみやすく、確かに絶大な支持を得ている理由もわかるように思います。ただ一方、賛否がわかれる部分もあるようで、確かに彼女の歌は、懐かしいという感覚の裏返しなのかもしれませんが、一方では「どこかで聴いたことある」ような曲が少なくありません。前述の「So Easy(To Fall In Love)」も、レトロなポップは70年代あたりの曲で、どこか似たような曲があったような・・・(思い出せませんが。ただ、ちょっとカーディガンズっぽい部分も・・・)。目新しさという部分では乏しい感は否めません。

とはいえ、そんな部分を差し引いても、ノスタルジーを彷彿とさせるメロやサウンド、彼女の時にはスモーキーに、時にはチャイルディッシュですらあるボーカル、そしてポップなメロは非常に魅力的であり、「どこかで聴いたことある」というマイナス点を補って余りある作品に仕上がっていると思います。

日本では残念ながら知名度は低く、楽曲もほとんど知られていません。正直、どうしても目新しさがない、という部分は洋楽を聴くインセンティブとして低くなってしまうため、日本では広まりにくいのかもしれません。ただ、それでもこの暖かく懐かしいポップな楽曲は非常に魅力的で、日本人の琴線にも触れそう。興味がある方は一度是非チェックしてみてください。

評価:★★★★★

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2025年12月12日 (金)

よりポップにシフト

Title:The Life of a Showgirl
Musician:Taylor Swift

相変わらず絶大な人気を誇るポップミュージシャン、テイラー・スウィフト。本作は、アメリカで初週に400万枚以上を売り上げ、アデルの「25」が所持していた初動アルバム売上記録を更新するという結果を記録。さらにHot100でも同作収録曲が軒並み上位にランクインするなど、他のミュージシャンを寄せ付けない圧倒的な人気を誇っています。また、リリース間隔としても前作「The Tortured Poets Department」から、わずか1年半というインターバルでのリリース。積極的なリリースに、彼女の止まらない勢いも感じさせます。

テイラーというと、もともとカントリーのミュージシャンとしてデビューし人気を確保。その後、2020年代以降、インディーポップ寄りにシフトし、旧来のカントリー寄りのファンからはともかく、一般的には非常に高い評価を受けました。ただその後は再びポップ寄りにシフト。前作も、その方向性が明確になったアルバムとなっていましたが、今回のアルバムもさらにその傾向が顕著な、非常にポップなアルバムに仕上がっています。

例えば冒頭を飾る「The Fate of Ophelia」は、様々に展開していく構成もユニークな、インパクトあるポップチューンになっていますし、「Opalite」も、軽快でリズミカルな、透明感のあるサビはインパクト十分なポップチューンに。後半の「Wood」も、軽快なギターサウンドが心地よい、インパクトあるギターポップのナンバーに仕上がっています。

さらに特に今回のアルバムでは、比較的初期のアルバムを彷彿させるような作品も収録されており、序盤の「Elizabeth Taylor」や甘い雰囲気のメロディーラインが特徴的な「Honey」などは、まさに2010年代前半あたりのテイラーの楽曲を彷彿とさせる楽曲となっています。一方ではエレクトロサウンドを入れてきたり、「Wi$h Li$t」のような、トラップ的な要素も感じさせる曲もあったりと、決して初期のような「カントリーミュージシャン」の枠組みには収まらないような音楽性もしっかりと感じられ、その点、様々な時期を経た今だからこそリリースできる、2025年のテイラー・スウィフトの音楽性もしっかりと感じさせます。

ただ一方で、全体的にポップなメロを前面に押し出したような音楽性は、インパクトもあって聴きやすい反面、ポップであるが故の作品としての「軽さ」も感じてしまいました。その点、実際に同作の評価として賛否両論があるようで、確かに、例えば「folklore」や「evermore」あたりの作品と比べると、物足りなさも感じてしまった点は否定できません。

とはいえ、その点を差し引いても、一度聴いたら忘れられず、また、ついつい引き寄せられアルバムを聴き進めてしまうポップなメロディーラインは実に魅力的で、やはり勢いもあります。なによりもインパクトあるメロディーラインには、トップミュージシャンとしての実力を感じざるをえません。前作は、完全版が収録時間が長すぎたためちょっとダレてしまったのですが、今回は全12曲41分とちょうどよい塩梅。傑作アルバムであることは間違いないかと思います。ポップミュージシャンとしての彼女の魅力により触れることのできたポップアルバムでした。

評価:★★★★★

TAYLOR SWIFT 過去の作品
FEARLESS
RED
1989
REPUTATION
Lover
folklore
evermore
Fearless (Taylor's Version)
RED(Taylor's Version)
Midnights
Speak Now(Taylor's Version)
1989(Taylor's Version)
THE TORTURED POETS DEPARTMENT:THE ANTHOLOGY


ほかに聴いたアルバム

Here For It All/Mariah Carey

実に約7年ぶり、かなり久しぶりとなるマライア・キャリーのニューアルバム。ソウルやR&Bを軸に、楽曲によってはHIP HOPの要素も取り入れてポップにまとめあげた作風なのですが、その中で今回は80年代風を感じさせるような曲がチラホラあり、全体的にはちょっと懐かしさを感じさせるようなアルバムになっています。一方、タイトルチューンであるラスト「Here For It All」はいかにもマライアらしいバラードナンバーで締めくくり。ベテランの彼女らしい、しっかりとリスナーの壺をついた作品に仕上がっていました。

評価:★★★★

Mariah Carey 過去の作品
Memories Of An Imperfect Angel
Merry Christmas II You
Me.I Am Mariah...
Caution

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2025年12月11日 (木)

こちらは新譜は少な目

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

新譜ラッシュだったHot100と異なり、こちらは新譜は少な目です。

そんな中、1位は初登場。旧ジャニーズ系男性アイドルグループTravis Japanの3枚目のアルバム「's travelers」が獲得です。CD販売数及びダウンロード数1位、ストリーミング数5位。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上14万8千枚で1位初登場。前作「VIIsual」の初動14万1千枚(1位)から若干のアップ。

2位は先週まで2週連続1位だったRADWIMPSへのトリビュートアルバム「Dear Jubilee-RADWIMPS TRIBUTE-」がワンランクダウン。ただ、ストリーミング数は3週連続1位をキープしています。

3位はNumber_i「No.Ⅱ」が4位からワンランクアップし、2週ぶりのベスト3返り咲き。ストリーミング数は3週連続の2位。また、ダウンロード数が82位から2位に急上昇しています。これで11週連続のベスト10ヒット&通算8週目のベスト3ヒット。

4位以下は今週、初登場盤はありませんでした。一方、ベスト10圏外からの返り咲きも。まずRADWIMPS「あにゅー」が先週の11位から8位にアップし、2週ぶりのベスト10返り咲き。また、これで通算8週目のベスト10ヒットに。韓国の女性アイドルグループBABYMONSTER「WE GO UP」も先週の18位から9位にアップし、7週ぶりのベスト10返り咲き。特にCD販売数が38位から6位に大幅アップ。来日公演の影響でしょうか。韓国の音楽事務所の日本支社、YX LABELS所属の男性アイドルグループ&TEAM「Back to Life」も先週の17位から10位にアップし、4週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。

ロングヒット盤では、「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」が6位から4位にアップ。22週連続のベスト10ヒット。藤井風「Prema」も8位から6位にアップ。こちらは14週連続のベスト10ヒット。また、Mrs.GREEN APPLE「10」先週から同順位の7位をキープ。ベスト10ヒットを連続22週に伸ばしています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週もHeatseekers Songsの1位はThis is LAST「シェイプシフター」が獲得。これで4週連続の1位となりました。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

先週まで「無色透明祭3」の楽曲が上位を占めていましたが、今週は煮る果実「マギアート」が初登場で1位を獲得。また、2位には柊マグネタイト「テ リ 」が初登場。こちら、大ヒットした「テトリス」の2拍目と4拍目を消したという、いわばネタ曲。そして3位にはDECO*27「愛迷エレジー(Reloaded)」がこちらも初登場でランクインしています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年12月10日 (水)

新譜ラッシュ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は、なんとベスト10のうち7曲までが初登場という新譜ラッシュとなっています。

そんな中、1位を獲得したのが米津玄師「IRIS OUT」。3週ぶりの1位返り咲きで、通算10週目の1位獲得。ストリーミング数は11週連続、カラオケ歌唱回数は9週連続の1位獲得。ベスト10&ベスト3ヒットは12週連続。ただ、先週まで10週連続の1位だった動画再生回数は今週2位にダウンしています。ちなみに米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」は多数の初登場曲の影響で4位から8位にダウン。ただ、動画再生回数は2位から4位にダウンしたものの、ストリーミング数は11週連続の2位。ベスト10ヒットも連続11週となりました。

で、2位以下は初登場が並びます。まず2位はTOBE所属の男性アイドルグループNumber_i「LAVALAVA」が獲得。ダウンロード数2位、ラジオンエア数1位、動画再生回数8位。

3位は旧ジャニーズ系アイドルグループDOMOTO「愛のかたまり」が獲得。ご存じ元Kinki Kidsの改名後のグループで、彼ら初のデジタルシングル。ダウンロード数1位、ラジオオンエア数3位、動画再生回数10位。

続いて2位以下の初登場曲ですが、まず4位にモーニング娘。'25「てかHAPPYのHAPPY!」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数15位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上7万5千枚で1位初登場。前作「気になるその気の歌」の初動8万3千枚(1位)からダウン。

5位はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループSUPER★DRAGON「Concealer」が初登場。CD販売数1位。オリコンでは初動売上5万7千枚で2位初登場。前作「Dreamland」の初動2万6千枚(2位)からアップしています。

6位にはちょっと久しぶりの名前となるOfficial髭男dism「Sanitizer」が獲得。ダウンロード数4位、ストリーミング数17位、ラジオオンエア数2位、動画再生回数12位。ノンタイアップのデジタルシングルとなりますが、今度、ストリーミング数がどれだけ伸びてくるかが、ロングヒットの鍵となりそう。

7位には女性アイドルグループHANA「NON STOP」がランクイン。ダウンロード数3位、ストリーミング数9位、そして動画再生回数は「IRIS OUT」を下しての1位獲得となっています。ただ、今週HANAは「Blue Jeans」が11位にダウン。ベスト10ヒットは通算19週でストップとなっています。

そして9位にはLDHの男性アイドルグループKID PHENOMENON「Black Flame」が初登場でランクイン。CD販売数3位。オリコンでは初動売上4万5千枚で3位初登場。前作「Sparkle Summer」の初動4万3千枚(3位)から微増。

そんな訳で新譜ラッシュとなった今週のHot100。先週までのロングヒット曲、アイナ・ジ・エンド「革命道中」は今週14位にダウン。ベスト10ヒットは通算15週でストップとなっています。またRADWIMPSトリビュート盤からの曲も、今週、すべてベスト10どころか20からも消えてしまう結果となっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年12月 9日 (火)

幽玄なインド音楽を味わう

Amit Roy + U-zhaan 北インド古典音楽ライブ

会場 TOKUZO 日時 2025年12月1日(月) 19:00~

Amituzhaanlive

今回は、タイトル通り、インドの古典音楽のライブ。いわゆるワールドミュージックのライブとなるのですが、個人的にはタブラ奏者のU-zhaanのステージを見るために足を運んできました。ジャンル的には、ちょっと「マニアック」な感もするのですが、チケットはソールドアウト。会場は、今回、椅子が並べられているのですが、後ろまでビッシリと椅子が並べられ、満席という状態。ちょっとビックリしてしまいました。

今回のステージは、そのU-zhaanと、シタール奏者のAmit Royによるステージ。Amit Royというミュージシャンは全く初耳なのですが、名古屋在住のインド人シタール奏者。その演奏を聴くのは今回はじめてとなります。大体、19時10分頃にライブはスタート。ステージにはAmit Roy、U-zhaan、そしてもう一人、女性奏者の3人が登場。Amit Royはかなり大きなシタール、U-zhaanはおなじのタブラ、そしてあと1名、女性奏者はシタールを小さくしたような弦楽器を抱えての登場となりました。

ライブはそのまま特にMCもなくスタート。最初はチューニングをしているのかな、と思いながら聴いていると、いつの間にか演奏がスタートしていました。シタールの音色を軸にタブラのリズムが重なる演奏。全体的に幽玄な音色が響き渡ります。決まったフレーズのある楽曲なのかわかりませんでしたが・・・ある意味、インプロビゼーション的な作風で淡々と続いていきます。

そしてこの曲が長いこと長いこと・・・延々と続き、結果、1曲で約1時間10分程度という長い曲となりました。ようやく1曲目が終わった後は、また淡々とチューニング・・・と思いきや、こちらもいつの間にか2曲目がスタート。最初はシタールだけの音色を聴かせつつ、10分あたりを超えた頃に、ようやくタブラのリズムが加わります。最初は静かに聴かせる曲だったのですが、最後、30分あたりからタブラがアグレッシブでリズミカルな音を聴かせ、最後は力強い演奏の中、約40分程度で2曲目が終了。ここまで約2時間弱、ライブは終了し、3人はそのまま一度、ステージを去ります。

その後はアンコールへ。やがてメンバーが再度登場すると、3曲目へ。この曲はまたシタールの神秘的な音色で幽玄的な雰囲気を醸し出した曲に。ここからまた長くなるのかな、と思いきや、アンコールは15分程度で終了。21時10分頃にライブは幕を下ろしました。

そんな訳で、2時間強のステージだったのですが、披露してくれたのはたった3曲。ここらへんがインド音楽らしいといった感じでしょうか。ただ、シタールの音色とタブラの独特なリズムを楽しめる、どこか神々しさも感じられ、悠久の時の流れを感じられるような、そんなステージを楽しむことが出来ました。

ただ、ちょっと残念だったのですが、今回のステージ、メンバーのMCは一切なし。そのため、Amit RoyとU-zhaan以外のもう一人の女性ミュージシャンが誰で、何の楽器を弾いているのか最後までわかりませんでした・・・。あと、ユニークなU-zhaanのトークも今回はなし。個人的に、今回のステージ、3分の1くらいはU-zhaanのトークが目当てだったのでこれはちょっと残念でした。せめて、メンバー紹介くらいはしてほしかったのですが・・・。

もちろん、2時間強、シタールとタブラの響きを堪能でした、非常に心に響くステージだったと思います。また、インド音楽のライブがあったら足を運びたいです。今度はU-zhaanのトークも堪能したいのですが・・・。

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2025年12月 8日 (月)

170万枚を売り上げたスピッツの代表作

Title:ハチミツ 30th Anniversary Edition
Musician:スピッツ

年末も近づき、紅白やレコ大などで、今年1年のヒット曲を振り替えることが多くなってきました。ただ、そのような中で、紅白の出場者やレコ大の候補曲などがあげられた際に、「昔は誰もが知っているヒット曲が選ばれたのに・・・」みたいな話が、いまさらネットニュースなどで話題となっていて驚かされます。だって、そういう「昔は誰もが知っているヒット曲が・・・」的な話って、私が中学生の頃、要するに、もう35年以上昔に、よく、その時の大人世代が今の音楽シーンに対する文句として話題となっていたからです。なんで、スピッツのアルバムの話題で、そういうことを思い出したかというと、スピッツが「ロビンソン」でブレイクした頃、よく、「最近のバンドはよくわからん。スピッツの『ロビンソン』なんてのが流行っているけど、スピッツとロビンソン、どちらが曲名でどちらがミュージシャン名なのか、よくわからない」なんて話があがっていたことを思い出したからです・・・。そう考えると、私が中学生の頃、その頃の40代50代あたりの大人が言っていた、「昔は誰もが知っている・・・」なんてことも本当かどうか、かなり怪しいなぁ・・・。

そんな訳で今回紹介するのは、スピッツがブレイクした「ロビンソン」も収録され、170万枚以上の売上をたたき出した1995年にリリースしたアルバム「ハチミツ」の30周年記念盤。CD本編の方には、オリジナル音源と共に、同作に収録されている「愛のことば」「ロビンソン」などの最近のライブバージョンを収録。さらにBlu-rayが付属しており、こちらにはミュージックビデオや当時のライブ映像が収録されています。昨年、「空の飛び方」の30周年記念盤がリリースされましたが、それに続く「30周年記念盤」の第2弾となります。

前作「空の飛び方」で、既にスピッツとしてのスタイルを完成させていた彼らでしたが、そのため大ブレイクしたこのアルバムに関しても、基本的にはいままでの彼らのスタイルを大きく変えるものではなく、スピッツらしい路線を貫いています。そして、そんなアルバムを30年という月日を経て聴いてみてあらためて感じるのは、その月日を経ても、いまだにアルバムとしての瑞々しさを失っていないという点。おそらく、このアルバムを、今リリースしたとしても、全く違和感がありません。

楽曲的には、ちゃんと広い層に「ポップ」として捉えてもらえるようなお茶の間対応の楽曲に仕上げながらも、歌詞に、どこか死やセックスの影を忍ばせてくる独特の世界観もちゃんと健在。例えば「グラスホッパー」では

「こっそり二人 裸で跳ねる
明日はきっとアレに届いてる」
(「グラスホッパ」より 作詞 草野マサムネ)

と、セックスを彷彿とさせる歌詞ながらも、軽快なギターポップのナンバーに仕上げており、サラリと聴くことが出来ます。「Y」でも「小さな声で僕を呼ぶ闇へと手を伸ばす」と、こちらもとても暗い、ともすれば「死」をも彷彿とさせる表現を使いながらも楽曲としては非常にメランコリックなポップに仕上げています。ここらへんのギャップが間違いなくスピッツの大きな魅力であり、かつ、このような個性は、既にこの段階で完全に確立されていました。

ご存じ「ロビンソン」以外にも「涙がキラリ☆」「ルナルナ」「愛のことば」「トンガリ'95」「君と暮らせたら」などなど、名曲揃いのアルバムで、文句なしに彼らの代表作であり、J-POP史に残る名盤である本作。前述の通り、今聴いても全く色あせないアルバムであるので、もし未聴の方がいたら、これを機に是非。もちろん、リアルタイムで聴いていたリスナーも、これを機に再度チェックしておきたい、そんな作品でした。

評価:★★★★★

スピッツ 過去の作品
さざなみCD
とげまる
おるたな
小さな生き物
醒めない
CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection
見っけ
花鳥風月+
ひみつスタジオ
劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro
空の飛び方 30th Anniversary Edition
新しい季節に聴きたいスピッツ


ほかに聴いたアルバム

ゴールデン☆ベスト 小坂明子/小坂明子

レコード会社共通タイトルによる廉価版ベストシリーズ。今回紹介するのは1973年にリリースしたシングル「あなた」が大ヒットを記録した小坂明子のベスト盤。ワーナー時代の作品を収録したベスト盤で、デビュー作「あなた」からワーナー時代の最終作、1977年のシングル「今だから」までの曲を、カップリング合わせてリリース順に収録。その後に、ワーナー時代のアルバム曲を収録した内容となっています。

小坂明子といえば「あなた」が大ヒットを記録したものの、その後が続かず、「一発屋」的な見方をされることも少なくありません。確かに、こうやってベスト盤を聴くと、明らかに「あなた」以降のシングル曲が露骨に「あなた」の路線を狙ったような曲が目立ち、この点、「あなた」路線を求められすぎた点が不運だったのかな、とも思います。一方で「ごめんなさい」「トワイライト神戸」のような、シティポップ的な作風の曲もあり、この路線をもっと突き詰めれば面白くなれたのに、とも感じてしまいます。そういう意味では、彼女にとってデビュー作のヒットがあまりに大きすぎて重荷になってしまったのかも。そんなことを感じたベスト盤でした。

評価:★★★★

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2025年12月 7日 (日)

インディーズ時代の音源を再録

Title:瞬間的備忘録
Musician:鈴木実貴子ズ

昨年、ライブサーキット今池遊覧音楽祭でそのライブをはじめてみて、完全にはまった男女2人組バンド、鈴木実貴子ズ。昨年、結成から12年を経て、メジャーデビューとなり、メジャーデビュー作「あばら」も傑作アルバムに仕上がっていました。それに続く本作は、インディーズ時代の作品を再録したアルバム。DVDと2枚組となっており、DVDの方は6月28日に行われた下北沢シェルターでのワンマンライブの模様がノーカットで収録されています。

今回、収録されたインディーズ時代の楽曲は5曲。どの曲も鈴木実貴子ズらしい、インパクトある歌詞が印象的な曲が並びます。やはり彼女たちの曲の大きな特徴と言えば、なかなか上手くいかない現実の中で、もがき苦しみ、それでも前に進んでいこうとする決意を、比較的ストレートでわかりやすい歌詞で綴り、そして鈴木実貴子の力強いボーカルで歌い上げるスタイルでしょう。

特に彼女たちらしい歌詞といえば「あきらめていこうぜ」で、タイトルそのまま、まさに「最初から僕は期待なんてされてなかったし」と自己を卑下しつつ、「光はいつだって暗闇にあるんだぜ」と非常に前向きなメッセージを綴っているのも大きな特徴。また、「最終目標、正々堂々、死亡」と歌う「正々堂々、死亡」も、まさに現実にもがきつつ、前向きに力強く進んでいこうとする彼女たちの力強いメッセージを感じます。

「都心環状線」も印象的な作品で、「パンクバンドは嫌いだ」「フォークバンドは嫌いだ」と、ネガティブな感情を吐き出しつつ、音楽を聴きつつ、都心環状線を、まさに悩み悩んで答えの出ない自分を象徴するかのように、グルグルと回り続ける歌詞が強い印象に残りますし、どこか共感を覚える方も多いかもしれません。

そんなインパクトの強い歌詞も印象的な鈴木実貴子ズですが、そんなメッセージを載せた、力強いサウンドもまた大きな魅力ともなっています。鈴木実貴子ズ自体、ギターボーカル+ドラムスの2人組バンドというスタイル。メジャーデビューアルバムとなった直近作「あばら」ではサポートメンバーも入れたバンド形態での音源でしたが、今回の音源は基本的にドラムスとギターのみという、バンドとしてミニマムまで絞ったスタイル。非常にタイトな演奏なだけに、バンドサウンドとしても迫力があり、歌詞に見合ったような、鬼気迫るのような演奏を聴くことが出来ます。このバンドサウンド自体も彼女たちの大きな特徴であり、また魅力であることは間違いないでしょう。

また、本作に同時収録されているライブDVDも必見。こちらもメンバー2人だけでのライブなのですが、緊迫感あふれる演奏も大きな魅力。彼ら、離婚した元夫婦という間柄だそうですが、そのお互い十分すぎるほど理解しつつも、一方で一定の距離があるという微妙な緊迫感もまた、演奏の迫力を増している大きな要素となっています。MC含めて収録されており、彼らのライブの魅力を感じさせるDVDとなっていました。

知名度の面ではまだまだの彼女たちですが、これだけインパクトある曲を書き続けていれば、おそらく徐々に注目を集めてくるのではないでしょうか。今後はワンマンライブにも足を運んでみたいところ。是非、この歌詞の世界を味わって、彼女たちの魅力にはまってほしい、そのとっかかりとなりそうなアルバムでした。

評価:★★★★★

鈴木実貴子ズ 過去の作品
あばら


ほかに聴いたアルバム

THIS IS MY HOMETOWN/コブクロ

コブクロの最新作は、大阪万博のテーマソング「この地球の続きを」や、大阪マラソンのテーマソング「42.195km」などを収録した、彼らのふるさと、大阪をテーマとした全7曲入りのミニアルバム。ミニアルバムのリリースは、メジャーデビュー以降は初となるそうです。基本的にコブクロらしい作品が並んだアルバム。彼らの故郷、大阪に対する想いを感じさせると同時に、大阪特有の、ちょっとコッテリとした暑苦しさを感じてしまうあたりは、私にはちょっと苦手な部分も。

評価:★★★

コブクロ 過去の作品
5296
CALLING
ALL COVERS BEST
ALL SINGLES BEST2
One Song From Two Hearts
TIMELESS WORLD
ALL TIME BEST 1998-2018
Star Made
ALL SEASONS BEST
QUARTER CENTURY

18/cali≠gari

オリジナルアルバムとしてはタイトル通り18枚目となるcali≠gariの新作。最近は比較的ストレートなギターロック路線の作品が続いていますが、今回のアルバムもそんな路線を引き継いだもの。特に80年代や90年代のJ-POPやギターロックからの影響は顕著。「"Hello,world!"」のようなアバンギャルド色の強い作品もあるのですが、全体的にシンプルなギターロックが目立ちます。いい意味で聴きやすさはある一方、正直、cali≠gariとしては物足りなさも感じてしまいました・・・。もうちょっと変態路線も聴きたいのですが・・・。

評価:★★★★

cali≠gari 過去の作品
10
cali≠gariの世界

11
12
13
この雨に撃たれて
ブルーフィルム-Revival-
15
16
17
17.5

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2025年12月 6日 (土)

日本の伝統音楽を知る

今回は、最近読んだ音楽関連の書籍の感想なのですが、ちょっと毛色が違う書籍・・・。いろいろな音楽を聴いている中で、日本の伝統的な音楽にも興味を抱きはじめ、特に雅楽に関しての入門書が出ていたのでちょっと読んでみました。

「マンガでわかる雅楽 鑑賞ポイントを押さえて楽しむ雅の極み」。タイトル通り、雅楽について漫画で解説した1冊。そもそも雅楽とはどういった音楽なのか、からスタートし、雅楽を楽しむポイントや鑑賞のツボ、主な演目の聴きどころや雅楽で使われる楽器の紹介、さらには雅楽に関する有名人の紹介まで、漫画で解説されています。

音楽としては、神社などで日本人なら多くの方が聴いたことあるものの、いまひとつどういう音楽なのかわからない日本の伝統音楽「雅楽」について詳しく解説されており、どんな特徴があるのか、どんな音楽があるのか、そもそもどういうルールで音が鳴っているのかを解説されており、聴きどころも含めて、初心者にとっては最初の一歩を詳しく解説されているのですが・・・ただ、正直言って、ちょっとわかりにくい。いや、これは同書の著者が悪い、という訳ではなく、やはり「音楽」、それも西洋音楽とは全く違うルールに基づく日本の伝統音楽を、文字や絵だけで解説するのはなかなか難しく、さらに専門用語も次々飛び出してくるため、読んでいてもなかなか頭に入ってこないという部分も少なくありませんでした。

あとちょっと賛否わかれそうなのがこの「マンガ」の部分で、水墨画をベースとした独特な画風は味があり、ある意味、雅楽というジャンルにもピッタリマッチしている反面、このような「解説漫画」ではどうしても少々抽象的な画風になってしまうため、ちょっとわかりにくい部分も。純粋に漫画としては味があって非常に良かったと思うのですが、いかんせん「解説する」という部分では賛否がわかれそうな画風だったように思います。

そういう訳で、ほぼ同時期に発売されていたので、もう1冊チェックした本があるのですが・・・

「雅楽のひみつー見かた・楽しみがわかる本-」。上記と同じく、雅楽の入門書的な1冊で、雅楽とはどういうものか、からスタートし、雅楽でつかわれる楽器の紹介や鑑賞のポイント、有名な雅楽の曲などが紹介されています。一貫してイラストだった「マンガでわかる雅楽」とは異なり、こちらは写真がふんだんに使われている内容で、写真なだけに正直、「マンガでわかる雅楽」よりはわかりやすい部分もあったように感じます。

写真に対する解説も、必要十分なボリュームといった感じで、比較的端的で読みやすい内容。そういう意味でも雅楽って何だろうと興味を持った人が最初に読む本としてはわかりやすかったように思います。まあ、ちょっとこのボリューム量で、1冊 2,500円強というのは、高めかな、とは思うのですが、写真がそれなりのボリューム掲載されているので、今時、仕方ない、といった感じでしょうか。

この2冊、それぞれ補完する部分もあるので、両方ともチェックしてみると、より雅楽とは何か、理解できるように思います。ただ、それを差し引いても、どうしても「音」を「文字や絵」で説明しているため、最後までわかりにくい部分があることは否定できないのですが・・・。また、それに伴って物足りなさを感じてしまったのは、雅楽というものをある程度理解して、じゃあ、次はどのように聴けばよいのか、という点がわかりにくい、という点でした。「マンガでわかる雅楽」ではいきなりカルチャー教室で楽器を演奏してみよう、という構成になっており、さすがにいきなり自ら楽器を演奏するというのはハードルが高いのでは・・・?「雅楽のひみつ」では、全国各地の主な神社での演奏会が紹介されていたのですが・・・こちらも日程があわないと、なかなか足を運べません。

次の一歩として、CDやDVDなど、あるいは、今風にYouTubeの公式チャンネルの紹介があっても良かったのではないかなとも思います。その点、これを読んだけど、次はどうすればいいの?という疑問に答えておらず、ちょっと残念に感じました。ただ、それでいろいろ調べたんですが、CDやDVD、あるいはYouTubeにしても、どうも「これは」というものが少ないんですよね・・・。ここらへん、どうしても伝統音楽を聴く人の少なさが影響しちゃうのかもしれませんが・・・。

そんな訳で、いろいろと難しく、わからない部分も残ってしまったのですが、雅楽についていろいろと知れた2冊。次はどこかの神社などでの演奏会に足を運んで、実際に雅楽を聴いてみたいところ。前述の通り、誰でも音楽自体は聴いた事あるであろうジャンルのため、興味がある方はこの2冊を機に、聴いてみてもいいのではないでしょうか。音楽の世界がより広がりそうです。

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2025年12月 5日 (金)

魅力的なボーカルを堪能

Hideaki Tokunaga Concert Tour 2025 ALL REQUEST

会場 愛知県芸術劇場大ホール 日時 2025年11月28日(金)16:00~

Tokunagaconcert2025

今回は、徳永英明のライブに参加してきました。徳永英明というと、「壊れかけのRadio」や「輝きながら」のヒットで80年代後半から90年代にかけて一世を風靡。その後、2000年代に「VOCALIST」シリーズのヒットで再び人気を集めて今に至っています。私も主に中学生から高校生時代に学校で大人気だったミュージシャンですが、「生」で彼を見るのは今回がはじめてとなります。

会場についてちょっと驚いたのが、予想以上の年齢層の高さ・・・。私が中高生時代に最盛期だったミュージシャンだけに、同世代以上がメインだとは思っていたのですが、見る限り、もっと年齢層が高くて、50代後半や60代あたりがメイン。確かに、彼自身、もう64歳(!)という年齢を考えれば、彼と同世代という客層も納得なのかもしれません。どことなく「演歌歌手のリサイタル」といった雰囲気の客層だったのですが、もうこの世代も演歌なんか聴かず、リアルタイムでJ-POPのミュージシャンを聴いていた世代になるんですよね・・・。

で、ライブは定時でスタート。最初はステージ前に張られたスクリーンにオープニング映像が映し出され、今回のライブがスタートとなります。今回のライブは「ALL REQUEST」と題され、事前にネットでファンからリクエストを募り、そのリクエスト曲を中心に選曲されたセットリストだとか。ライブがスタートし、徳永英明が登場。1曲目は「翼の勇気」からスタート。ちょっと意外な選曲だったのですが、有名なシングル曲ではなく、アルバム収録曲がセットリストに入ってくるあたり、ファンからの根強い人気を感じさせます。

前半は、全体的に会場の照明を落とし、バラード曲中心の選曲。「僕のそばに」「Potisions Of Life」と続き、短いMCで簡単にメンバー紹介。そしておなじみの「レイニーブルー」。個人的にも聴きたかったナンバーなだけに、しんみりと聴き入ります。さらに「行かないで」「最後の言い訳」と続きます。まずはおなじみのヒット曲と、あまり有名ではないもののファンの人気の高い楽曲が並ぶような構成となっていました。

そしてここからは一転、「VOCALIST」シリーズで披露されたカバー曲へ。竹内まりやのナンバー「駅」をしんみり聴かせた後、JUJUの「やさしさで溢れるように」、そして古内東子の「誰より好きなのに」と、こちらもしんみり聴かせるバラードナンバーが続きました。そして前半ラストは再びオリジナルの「永遠の果てに」で締めくくり。前半は一貫してしんみり聴かせるバラードナンバーが続き、第一部の幕が下ります。

10分の休憩を挟んで第二部へ。第二部では一転、アップテンポな曲がメインの構成に。最初「愛をください」では彼自身がギターを抱えて、ギターを弾きながらのステージに。「あなたのために」「セレブレイション」とアップテンポなナンバーが続き、会場も盛り上がります。さらに「負けるな」では力強く歌い上げて、会場のテンションも上がっていきます。

ここではMC。短いMCだったのですが、ここの名古屋でのリクエストの順位ということで、1位「最後の言い訳」、2位「レイニーブルー」、3位「夢を信じて」だったそうです。なんとなく、納得の順位。そしてここから一転、再び「VOCALIST」の曲へ。リクエストでも上位だったという一青窈の「ハナミズキ」、さらに高橋真梨子の「桃色吐息」と聴かせるナンバーが続き、そして「愛の讃歌」では、こちらの力強く歌い上げます。さらに本編ラストは、名古屋のリクエストで3位だった「夢を信じて」へ。再びアップテンポなナンバーで会場のテンションは一気にあがり、ライブは幕を下ろします。

もちろんその後はアンコールへ。やがて再び徳永英明とライブメンバーが登場。この日、ここまでMCは非常に短いものしかなかったのですが、ここでようやく長めのMCへ。ご当地ネタということで、前日に東山動物園に行ってきた話。ご当地ネタで、わざわざ東山まで足を運んできてくれたミュージシャンははじめてかも・・・。帰りにはスガキヤでラーメンを食べてきたそうです。また、その後はWebでのリクエストでのメッセージを紹介してくれました。その中で、徳永英明を最初に聴いたのは「BIRDS」で、1日中、徳永英明の曲を聴いていた、という熱心なファンのメッセージを紹介。そのまま、そのリクエストに応えて「BIRDS」を聴かせてくれました。

そしてラストはおなじみの「壊れかけのRadio」へ。ステージのバックには横長のスクリーンに歌詞が映し出され、全員で歌いながらのステージに。最後で会場が一体となり盛り上がり、ライブは幕を下ろしました。最後は再びステージ前のスクリーンにエンディングの映像が映し出され、ライブは終了。約2時間のステージでした。

今回、はじめて徳永英明のライブに行ったのですが、まず感じたのは歌が上手いですね。彼は、どちらかというと線の細いボーカリストというイメージもあったのですが、その伸びやかな歌声をしっかりと聴かせてくれており、60歳を超えた今でも声からはいまだに色気を感じ、まずその歌の上手さが印象に残りました。また、リクエストに応えてということで、ベスト的なセットリストで、聴きたい曲がたくさん聴けたのも非常にうれしかった反面、正直、カバーよりもっとオリジナルを聴きたかったかも・・・という印象も。「輝きながら」「LOVE IS ALL」「I LOVE YOU」などなど、この日披露されなかったヒット曲も多く、個人的にはカバーよりもむしろ、これらの曲を聴きたかったなぁ、とも感じました。

とはいえ、徳永英明の魅力を存分に感じられたステージで、満足して会場を後にすることが出来ました。やはり彼は非常に魅力的なボーカリストであることを実感できた2時間でした。

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2025年12月 4日 (木)

2週連続1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

見事、2週連続の1位獲得です。

今週もRADWIMPSへのトリビュートアルバム「Dear Jubilee-RADWIMPS TRIBUTE-」が2週連続で1位を獲得。CD販売数は5位から10位、ダウンロード数も1位から2位にダウンしましたが、ストリーミング数は先週から変わらず1位をキープし、2週連続の1位獲得となりました。

2位は旧ジャニーズ系アイドルグループHey!Say!JUMP「S say」が獲得。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上220万1千枚で1位初登場。前作「H+」の初動16万枚(1位)からアップ。

3位はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループONE N'ONLY「AMAZONIA」がランクイン。オリコンでは初動売上11万2千枚(2位)。前作「Fiesta」の初動3万4千枚(1位)からアップ。

4位以下ですが、今週は初登場はなし。ただ、返り咲きが2枚。まず9位にB'z「FYOP」が先週の89位から大幅にランクアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。配信がスタートし、ダウンロード数が1位に、ストリーミング数が10位にランクインしてきた影響。また、10位に韓国の男性アイドルグループTREASURE「[LOVE PULSE]」が22位からランクアップし、10週ぶりにベスト10返り咲き。特にCD販売数が6位から3位にアップしています。おそらく12月5日開催予定の同作オフラインイベント参加のためのCD販売分が加味されたものと思われます。

ロングヒット盤では、Number_i「No.Ⅱ」が先週の3位からワンランクダウンの4位。ベスト10ヒットは10週連続。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は7位から6位に再びアップ。21週連続のベスト10ヒット。Mrs.GREEN APPLE「10」も9位から7位にアップ。こちらも21週連続ベスト10ヒット。藤井風「Prema」は先週から同順位の8位をキープ。こちらは13週連続のベスト10ヒットとなっています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週Heatseekers SongsはThis is LAST「シェイプシフター」が1位獲得。これで3週連続の1位となりました。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週も、ボカロPの名前を伏せたまま楽曲をリリースする「無色透明祭3」の楽曲が上位を占める結果に。1位はいよわ「ミジ子の恋」が獲得。いよわは「わすれモノ」などがボカロチャート1位を獲得した人気の25歳のボカロP。ちなみに先週12位だった「散歩の邪魔」も3位にランクアップし、ベスト3に2曲同時ランクインとなっています。さらに2位に今週ランクインした「いたい」は作者未公開。こういう発表の仕方が出来るのも、声から作家がわかりにくいボカロP界隈ならでは、といった感じがします。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年12月 3日 (水)

アイドル系の中で米津玄師が奮闘

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週はRADWIMPSトリビュート収録曲がチャートを席巻しましたが、今週は上位にアイドル系が並びました。

まず1位初登場は秋元康系女性アイドルグループ乃木坂46「ビリヤニ」がランクイン。ちなみに「ビリヤニ」とは、インドやパキスタンで食べられている炊き込みご飯だそうです。CD販売数1位、ダウンロード数8位、ラジオオンエア数20位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上55万4千枚で1位初登場。前作「Same numbers」の初動59万5千枚(1位)からダウンしています。

さらに3位にはSKY-HIが設立したBMSG所属の男性アイドルグループMAZZEL「Only You」が初登場。CD販売数2位、ダウンロード数5位、ラジオオンエア数1位、動画再生回数12位。オリコンでは初動売上7万5千枚で2位初登場。前作「MAZQUERADE」の初動2万7千枚からアップ。

この間を縫うように奮闘したのが米津玄師で、「IRIS OUT」は先週から変わらず2位をキープ。ストリーミング数、動画再生回数は10週連続、カラオケ歌唱回数は8週連続の1位。ダウンロード数は6位から3位にアップ。これでベスト10ヒット&ベスト3ヒットは11週連続に。また、米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」は3位から4位にダウン。ただストリーミング数は今週で10週連続、動画再生回数は4週連続の2位。こちらも10週連続のベスト10ヒットとなりました。

4位以下の初登場曲は、スターダストプロモーション所属の男性アイドルグループM!LK「好きすぎて滅!」が先週の19位から10位にランクアップし、ベスト10初登場。特に動画再生回数が17位から3位、ストリーミング数も15位から10位にアップし、ベスト10入りの要因に。先々週まで徐々にランクアップしていたところ、先週のRADトリビュート曲大量ランクインの影響で順位を落としたのですが、今週は、RADトリビュート曲がランクダウンした影響で、相対的に本作がランクアップしてきた、といった感じでしょうか。

続いてロングヒット曲ですが、まずHANA「Blue Jeans」が先週の10位から6位に再びアップ。特にストリーミング数が8位から4位にアップ。これで通算19週目のベスト10ヒットに。また、アイナ・ジ・エンド「革命道中」も9位から7位にアップ。こちらもストリーミング数が10位から7位にアップ。M!LK同様、いずれも先週のRADトリビュート曲大量ランクインでのランクダウンの反動でのランクアップといったところでしょう。

ちなみにそのRADトリビュート曲ですが、今週はMrs.GREEN APPLE「狭心症」が4位から8位に、Vaundy「前前前世」が5位から9位と、いずれもランクダウンしていますが、ベスト10をキープ。この2曲だけがベスト10に残りました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年12月 2日 (火)

貴重なRAGEのライブ音源

Title:Live On Tour 1993
Musician:RAGE AGAINST THE MACHINE

Ragelive1993

様々な言動が問題を呼び起こしているアメリカのトランプ大統領。人々が長い期間をかけて築いてきた自由、平等、公正の概念が崩れ落ちそうな危機的状況となっており、問題視されていますが、そんな中、音楽業界でその不在を残念に感じるのがRAGE AGAINST THE MACHINEの存在でしょう。その強い政治的メッセージが話題となり、ラップメタルのヘヴィーな音楽性と合わせて、特に90年代初頭に高い人気を誇りました。2000年に解散し、その後、2007年と2022年に再結成を果たすものの、2022年のライブ以降、解散状況となっており、トランプの大統領就任後も特に活動を再開させていません。

今回紹介するのは、そんなRAGE AGAINST THE MACHINEが1993年に行われたライブツアーの模様を収録したライブアルバム。4月のレコード・ストア・デイでアナログ盤がリリースされ、その後、9月に配信リリースされています。1993年というと、彼らのデビューアルバム「Rage Against The Machine」をリリースした直後のツアー。バンドとしてまだ若々しく、そして勢いのある時期のライブ音源がつめこまれています。

今回のライブ音源の特徴的な点は、ツアーの時の音源に全く手を加えられておらず、音源のミックス処理も行われていない、まさにそのままの状況で収録されているという点でしょう。楽曲がはじまる前の短いMCもそのまま収録。ライブ会場の音をそのまま詰め込んだ音となっており、当時のライブの模様がそのままパッケージされた音源となっています。

ちなみに収録曲は、デビューアルバムの曲を全曲、アルバムの曲順に収録した内容。音源も、1か所で収録されたものではなく、ワシントンやアトランタ、パリやミラノなど、このライブツアーで行われた音源をピックアップしたものとなっています。音源はそのまま収録している一方、ライブ会場については様々な場所のつまみ食いしているあたり、リアリティーという観点からはどうなのか、という点は気になるのですが、ただ、デビューアルバムの楽曲を、当時の演奏で聴けるという点では、貴重な音源と言えるでしょう。

そんな音源であるからこそ、迫力満点の演奏が実に魅力的。オリジナルと比べると、良くも悪くも荒々しさを感じますが、そんな荒々しさを含めてRAGE AGAINS THE MACHINEの、この頃のライブの魅力と言えるのでしょう。「Settle for Nothing」の焦燥感のあるザックのシャウトも、オリジナル以上に胸に響いてくるものがありますし、「Bullet In the Head」の冒頭に観客をアジるよるな短いMCもあるのもライブ音源ならではの魅力。アレンジ的にはオリジナルから大きく変化しているものはありませんが、ライブならではのRAGEの演奏を楽しめるライブアルバムとなっています。

ただ、ちょっと残念だったのが前述の通り、デビューアルバムの楽曲をデビューアルバムの曲順に並べたライブ盤であり、ある1か所のステージをそのまま収録した内容ではない、という点。個人的にはやはり、1つのステージを最初から最後までそのまま収録したライブ盤の方が、当日のライブの空気感もよくわかりますし、より、当時のRAGEのライブがどのようなものであったのか、理解できたような気がします。次は、是非、どこか1つのステージをそのまま収録したライブアルバムを聴いてみたいです。

RAGE AGAINST THE MACHINEの不在が非常に残念に感じる今の時代。是非、トランプ政権への抗議として、RAGEの歌を聴きたいところなのですが・・・。ただ、ザックは移民摘発を批判するTシャツなどの販売を手掛けているようですし、トム・モレロもロサンゼルスでのアメリカ移民関税執行局への抗議運動を展開している模様。ここらへんの活動はさすがだな、とも思いつつ、やはり音楽での活動も期待したいところです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Sysivalo/Ø

Sysivalo

2017年に急逝したフィンランドの電子音楽家MIKA VAINIOが、生前に制作途中だった作品をまとめて関係者により完成させた作品。私は彼の作品を聴くのがはじめてなのですが、Øとしての作品はいままでインダストリアルやノイズ的なヘヴィーな作品が多かったとか。しかし、遺作となったこの作品は、終始静かなアンビエント的な作品となっており、これが最期となることを悟っていたかのような作風となっています。ただ、所々でノイズやインダストリアルの要素が垣間見れるところがおもしろいところ。全体的に静かなアンビエントとなっているので、賛否はわかれそうな感じですが・・・。

評価:★★★★

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2025年12月 1日 (月)

アバンギャルドでありつつ、ポップスさも

Title:Getting Killed
Musician:Geese

Geese_getting_killed

アメリカのインディーロックバンド、Geeseの4枚目となるアルバム。以前、バンドのフロントマン、Cameron Winterのアルバム「Heavy Metal」が注目を集めて、本サイトでも取り上げたことがありますが、Geeseのアルバムを聴くのは今回が初めて。本作は各メディアでも高い評価を受け絶賛されていますが、そんな評判もあり、今回はじめてGeeseのアルバムを聴いてみました。

Geese自体はアートロックやエクスペリメンタルロックにカテゴライズされるように、基本的には実験性の高い音楽性が特徴的のバンド。実際、このアルバムでも実験的な要素は随所に見受けられます。まず冒頭の「Trinidad」から、最初、落ち着いた出だしから、途中、いきなりシャウトするボーカルや、ホーンも入ったアバンギャルドなサウンドに変化。複雑に展開する実験的な作品となっています。また、タイトルチューンである「Getting Killed」でも、ウクライナの合唱団の歌声がループしてサンプリングされているほか、トライバルなリズムが加えられていたり、ポストロック的なダイナミックなロックサウンドを聴かせてくれていたりと、かなり実験的な作風が特徴的となっています。

ただ、そんな挑戦的な作風を垣間見せつつ、アルバム全体としては、むしろどこか懐かしさや暖かみを感じさせる、広いリスナー層が楽しめるようなポップスさを兼ね備えた作品になっていたように感じました。

そんな暖かみを感じさせる大きな要素としては、分厚いバンドサウンドに加えて、トロンボーンやバイオリン、パーカッションのリズムを加えることにより、サウンドに暖かみを感じさせる点ではないでしょうか。例えば「100 Horses」では、分厚いバンドサウンドにアバンギャルドさを感じる一方、ピアノやトロンボーンの音色が加わることによって、どこか郷愁感も感じさせます。歌詞は戦争による死の恐怖をテーマとしたかなり重い題材のようですが、そんなテーマ性でありつつも聴きやすさも同時に感じさせる楽曲になっています。

ラストを飾る「Long Island City Here I Come」も印象的。バンドサウンドの構成の複雑さは、彼らのサウンドの実験的な側面を感じさせつつ、力強いトライバルなドラムのビートを前に押し出して、サウンドのにぎやかさとダンサナブルなビートによって、楽曲がその複雑さと反して、聴きやすさを感じさせる内容となっています。

また、楽曲の軸となる「歌」についてもポップでメランコリック。郷愁感ただようメロディーもまた、アルバムに聴きやすさを与えています。例えば「Half Real」もフォーキーな歌が印象的。ピアノを軸に置いたサウンドもあって、暖かみある聴きやすい作品と仕上がっています。まあ、歌詞の内容は自己の精神の不安定さを表現した内容ということなので、歌詞がわかる人にとっては、歌詞とメロのアンバランスさもユニークな要素なのでしょうが・・・。「Au Pays du Cocaine」も、フランス語で「コカインの国から」というタイトル通り、ちょっと幻想的な作風となっているのですが、こちらもメロディーラインについては、フォーキーで聴きやすいポップな曲調に仕上がっています。

このように、実験的な音楽性を構築しつつ、一方では賑やかなサウンドや郷愁感ただようメロディーラインでポップスさも確立しているバランス感覚は見事。歌詞の世界観も、死や精神世界などダークなものを題材としつつ、一方ではメロやサウンドは比較的明るさを感じさせる、このバランスの妙もまた魅力的に感じます。来年には来日公演も予定されていますが、チケットは売り切れ、追加公演も決定。日本でも徐々に注目を集めてきています。高い評価も納得の傑作アルバムで、年間ベストクラスの傑作です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

TRON:Ares(Original Motion Picture Soundtrack)/NINE INCH NAILS

いままでNINのメンバーであるトレント・レズナーとアティカス・ロスの連名名義では映画のサントラ盤をリリースしてきましたが、NIN名義では初となるサントラ盤。映画のサントラということで、あくまでも劇伴らしい、ワンアイディア的な短い曲も収められている一方、アルバム全体としては、楽曲単独でも楽しめるような作品が目立ち、特にNINらしいインダストリアルの作品もありつつ、全体的には彼らとしては軽く、ただしっかりしたビートで楽しめるエレクトロチューンが並ぶアルバムとなっています。NINの新作としても十分楽しめる1枚でした。

評価:★★★★★

NINE INCH NAILS 過去の作品
GhostI-IV
THE SLIP
Hesitation Marks
Not The Actual Events
Add Violence
Bad Witch
Ghosts V:Together
Ghosts VI:Locusts

Takk...20the Anniversary Remaster/Sigur Rós

日本でも高い人気を誇るアイスランドのポストロックバンド、シガー・ロス。本作は、その彼らが2005年にリリースしたアルバム「Takk...」の20周年記念盤。同作のリマスターに、LP版と配信版では2005年にリリースされたEP「Sæglópur」収録曲と未発表曲を加えた、LPでは全3枚組というボリューミーな内容に仕上がっています。

同作はリアルタイムでも大きな評判を呼び、私もリアルタイムで聴いた1枚ですが、あらためて聴くと、独特の世界が今なお魅力的。ピアノやストリングスにバンドサウンドなどを加えた分厚いサウンドがドリーミーに展開し、静動メリハリのあるダイナミックなサウンドが大きな魅力。メランコリックなメロディーラインは郷愁感もあり胸をうつものもあります。20年前の作品ですが、今なお色あせない傑作。是非ともチェックしてほしい名盤です。

評価:★★★★★

Sigur Ros 過去の作品
Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust(残響)
valtari(ヴァルタリ~遠い鼓動)
KVEIKUR
Átta

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