応援歌的な前向きなメッセージが印象的
Title:ラストアンサー
Musician:般若
テレビ番組「フリースタイルダンジョン」にラスボスとして登場したり、日本武道館でのワンマンライブを行うなど、高い人気を誇るラッパー、般若の約2年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバム、紹介文では「日常と葛藤、怒りと愛情、絶望と希望。そのすべてを言葉にして刻み込み、般若の“今”をストレートに映し出す全11曲を収録。」という紹介がなされています。
今回のアルバムもいつもの般若の作品と同様、非常に力強い彼のラップが前面に押し出された作品。一言一言丁寧に綴り、言葉をしっかり届けるラップが特徴的なのですが、今回のアルバムもそんな力強い言葉の並ぶラップが綴られています。そんな中、今回のアルバムでは非常に前向きな、「応援歌」的な作品が多かったように感じます。例えば「ふと」では「だから死ぬまで生きるって今言いたい」と非常に力強いメッセージを届けてくれていますし、「Once Again」でも彼の生い立ちを綴りつつ
「だから強くあれ 強くあれ
例え駄目だって Once again
ここじゃ終わらねえ」
(「Once Again」より 作詞 般若/Red Eye)
という前向きなメッセージが特徴的。ラストを飾る「こんな夜を」も
「揉めまくったあの夜 泣いた事もそりゃある
クソな事ばっかだよ 死にてえとか言うなだ
俺のLIVE来て言え 俺のLIVE見てから」
(「こんな夜を」より 作詞 般若)
という前向きなメッセージを届けてくれます。
そんな力強い前向きなメッセージを感じる応援歌的なアルバムなのですが、ちょっと気になった曲もありました。それが「konnichiwa」で、サビでは「あくまで俺等日本人」と綴るこの曲、「行儀悪い外人引っ叩く」というリリックも登場する、若干、右よりな感じのリリックが気にかかります。もともと般若が心から敬愛する長渕剛自体、右寄りの思想の持ち主。般若自体もうっすらと保守的な思想も垣間見れることがあったりします。先日紹介したShing02のレビューでも書いたのですが、最近、ミュージシャンでも排外主義的な発言を平気でするような人もチラホラあらわれてきてしまったりしており、今回の般若に関しても、正直、若干気になりました。
とはいうものの、この楽曲自体、外国人に対する差別を煽るようなものではなく、「RESPECTの気持ちみんなにある」「悲しい歴史のリバイバルはやっちゃいけねえって事は理解ある」と、ちゃんと協調の精神も綴られています。ひと昔前ならば、気にすることもないような内容だったのでしょうが・・・。
一方、今回のアルバムで非常にユニークだったのが「愛人~また来る必ず~」で、最初、禁断の恋を歌ったようなラップ・・・かと思いきや、実はラーメンへの愛情を綴ったという、叙述トリック的なラップが非常にユニーク。こういうラップもさらっとできるユーモアセンスもまた、般若の大きな魅力に感じます。
トラックに感じては、呼吸魔、AUDIO RADICALなどが参加。こちらに関しては非常にシンプルなトラックで、あくまでも般若のラップを邪魔しないようなスタイル。ラップを通じて届けないメッセージが重要であることをより感じさせます。こういうスタイルもまた、般若らしい、と言えるでしょう。
若干気になる部分はあったものの、全体的に非常に前向きなメッセージで、リスナーの背中を押してくれるような応援歌的な内容に心強さを感じさせるアルバム。あらためて般若のラッパーとしての魅力を強く感じさせてくれた作品でした。
評価:★★★★★
般若 過去の作品
ドクタートーキョー
HANNYA
グランドスラム
THE BEST ALBUM
話半分
般若万歳II
IRON SPIRIT
12發
笑い死に
ほかに聴いたアルバム
ロデオ・タンデム・ビート・スペクター/thee michelle gun elephant
デビュー30周年を記念したリマスター企画としてリリースされた2001年にリリースされた彼らの6枚目のアルバムのリマスター盤。チャート的には最高位3位を記録し、結果としてバンドの最高位を記録しています。全体的にロックンロールの色合いが強くなったのと、以前に比べて内省的になった歌詞が特徴的な作品。いままでの彼らの音の集大成的な構成ながらも、歌詞の世界では新たな模索も感じさせる1枚。正直、売上面の成功と反して、彼らの代表作とも言える「ギヤ・ブルーズ」「カサノバ・スネイク」と、ラストのフルアルバムとなった「SABRINA HEAVEN」に挟まれて、ちょっと印象的に地味な印象も。とはいえ、ミッシェルの魅力がしっかりつまった文句なしにかっこいい傑作です。
評価:★★★★★
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 過去の作品
THEE GREATEST HITS
cult grass stars
High Time
Chciken Zombies
GEAR BLUES
カサノバ・スネイク
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