シンプルながらも奥行きのある作品
Title:Blurrr
Musician:Joanne Robertson
イギリス・グラスゴーを拠点に活動を行っているシンガーソングライターの新作。カルト的な人気を誇るシンガーだそうで、本作も各種メディアに非常に高い評価をもって受け入れられているそうです。音楽活動のほかに絵画制作も行っているそうで、本作も、そんな絵画制作と、また、子育ての合間に作成された作品だとか。ママさん、お疲れ様です・・・。
アルバムは、全体的にアコギ中心のフォーキーな作風で、ローファイ気味な曲調が特徴的。「Why Me」など、まさにアコースティックギターを聴かせつつ、フォーキーに聴かせるスタイルが印象的。中盤の「Peaceful」やラストを飾る「Last Hay」など、アコギで静かにつま弾きつつ、清涼感ある歌声を聴かせてくれる楽曲が並びます。
また、おなじくシンプルでフォーキーな作風でも、リバーブを使ってよりドリーミーな楽曲も目立ち、冒頭を飾る「Ghost」など、まさにシンプルなサウンドながらもドリーミーな雰囲気に仕上げていますし、「Friendly」なども同様。ダウナーなサウンドと合わせて、独特の世界観が構築されています。
さらに本作のもうひとつ大きな特徴が後半。後半ではチェロでOliver Coastsが参加。前半、アコギと歌だけだった本作に、チェロにより彩りを加えています。「Alwayes Were」は、まさにそんなチェロの音色により、スケール感あるサウンドが構築されていますし、「Grown」も、かなりラフな雰囲気でのギターのサウンドになっていますが、チェロの音色でエキゾチックな雰囲気の作風に。Oliver Coastsが参加したもう1曲「Doubt」も、フォーキーなギターに、チェロの音色を取り込んで、スケール感ある作品に仕上げています。
シンプルな作風ながらも、チェロを取り入れることでバラエティーを持たせた今回のアルバム。ただアルバム全体に共通するのは、あくまでもシンプルなサウンドがゆえに、ボーカルと近接感がある点が特徴的。要するに、プライベイトな部屋の中で、彼女がすぐ近くで歌っているような、そんな親密さが大きな魅力となっているように感じました。
シンプルなのに、いや、シンプルが故に、その歌声も含めて奥行きを感じさせるアルバム。正直、派手なメロディーはありませんし、ちょっととっつきにくい部分もあるかもしれませんが、聴けば聴くほどその魅力にはまっていってしまうタイプの作品だと思います。彼女の歌声に聴きほれた1枚でした。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
No Rain,No Flowers/The Black Keys
毎作、ルーツ志向のロックの作品をリリースし、特にオールドスタイルのロックが好きなリスナーからは多大な支持を集めるThe Black Keys。かなり活発な活動が目立ちますが、本作も前作からわずか1年4ヶ月というインターバルとなるニューアルバム。ただ、前作もオルタナ色の強いアルバムでしたが、今回のアルバムもルーツ志向のブルースロックを基調としながらも、ディスコやファンクも取り入れ、さらに全体的にポップの色合いが強いアルバムに。ロック好きとしては素直に気持ちよく感じる部分もある一方で、全体的には薄味になってしまった印象も強い作品。もうちょっとゴリゴリのルーツ志向のブルースロックに回帰してほしい印象も・・・。
評価:★★★★
The Black Keys 過去の作品
EL CAMINO
"Let's Rock"
Delta Kream
Dropout Boogie
Ohio Players
Tedeschi Trucks Band and Leon Russell Present:Mad Dogs&Englishmen Revisited Live at LOCKIN'/Tedeschi Trucks Band&Leon Russell
2015年にアメリカ・バージニア州で行われた、LOCKIN'フェスティバルの模様を収録したライブアルバム。1970年に行われた、ジョー・コッカ&レオン・ラッセルによるツアー「マッド・ドッグス&イングリッシュメン」の45周年を記念して行われたトリビュートライブ。10年前のライブ音源となりますが、レオン・ラッセルが2016年に鬼籍に入ったため、今となっては非常に貴重なライブ音源に。基本的にはブルージーなライブなのですが、ゴスペル風のコーラスが入ったり、ホーンセッションやピアノでアップテンポなセッションが繰り広げられたり、様々なサウンドで賑やかなステージを見せてくれています。会場全体が楽しそうな雰囲気につつまれているライブ音源でした。
評価:★★★★
TEDESCHI TRUCKS BAND 過去の作品
Revelator
MADE UP MIND
Let Me Get By
Signs
I Am The Moon:Ⅰ.Cresent
I Am The Moon:Ⅱ.Ascension
I Am The Moon: III. The Fall
I Am The Moon:Ⅳ.Farewell
Leon Russell 過去の作品
The Union(Elton John&Leon Russell)
On a Distant Shore(ラスト・レコーディング~彼方の岸辺で)
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