3人組となり、新たな一歩を進めた新作
Title:Double Infinity
Musician:Big Theif
現代のフォーク・ロックの旗手として注目を集める、アメリカのインディーロックバンド、Big Theif。毎回、アルバムは傑作が続き、高い評価を受けています。そんな中、2024年にベースのマックス・オレアンチックが脱退。彼らにとって6枚目となるアルバムながら、3人組となり、新たな一歩を歩みだした、初となる作品となります。
毎回、フォーク・ロックという枠組みの中でも、様々な音楽性を取り入れて、幅のある作品を作り出している彼ら。今回のアルバムは、特に様々な音楽性を取り入れた、バリエーションある作風が大きな特徴となっています。
まずアルバムの冒頭、「Incomprehensible」のイントロから、いきなりメタリックなサウンドからスタート。スペーシーなシンセを取り入れるなど、エレクトロ的な作風となっています。さらに続く「Words」では、なんと総勢12名にも及ぶプレイヤーが参加した楽曲。分厚く賑やかなサウンドで、ダイナミックな音楽性が展開される楽曲となっています。
中盤の「No Fear」では反復するサウンドが独特のグルーヴ感をかもしていますし、「Grandmother」ではアンビエント界の巨匠、Laraajiが参加。スペーシーな作風は、これまでのBig Theifの作品とはまたことなる雰囲気を作り出しており、アルバムの中でひとつのインパクトとなっています。
もちろん一方では「Los Angeles」のようなギターでフォーキーに聴かせる、郷愁感あふれるナンバーや、「All Night All Day」のような、美しいコーラスラインで清涼感たっぷりに聴かせるナンバーもありますし、タイトルチューンである「Double Infinity」は、まさに郷愁感たっぷりのフォーキーな作品。フォークロックバンドとして、シンプルで暖かい、メロディアスな作品を聴かせるという彼らの魅力は本作でももちろんしっかり感じられます。
また、個人的に良かったのは終盤の「Happy with You」で、エイドリアン・レンカーの清涼感あふれるボーカルがたまらない、爽やかなギターポップの楽曲。ほどよく軽快なバンドサウンドもまたとても心地よい1曲となっています。
Big Theifらしさをちゃんと維持しつつも、さらなる挑戦を感じさせる今回のアルバム。3人組となって新たな一歩のアルバムだからこそ、アルバムの内容ももBig Theifとして新たな一歩を進めた、そう感じた作品でした。そして、それがまた傑作になったのもやはり彼らの実力を感じさせます。今後の彼らの活躍にも俄然期待したくなる作品でした。
評価:★★★★★
Big Thief 過去の作品
U.F.O.F.
Two Hands
Dragon New Warm Mountain I Believe in You
ほかに聴いたアルバム
The Fateful Symmetry/Mark Stewart
イギリスのポストパンクの代表的グループ、THE POP GROUPのボーカリスト、Mark Stewart。2023年に62歳という若さでこの世を去った彼ですが、それから2年、彼の遺作となるアルバムがリリースされました。もともとポストパンクの旗手として知られる彼ですが、このアルバムでもダブやエレクトロ、ディスコサウンドなど様々な音楽的要素を取り入れて、独特のポップスを構築しています。ただ、全体的に小難しい感じはなく、ポップで楽しい雰囲気も感じさせます。ある意味、ラストとして集大成とも言える作品。あらためて早すぎる彼の死を残念に思いつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。
評価:★★★★★
Mark Stewart 過去の作品
EDIT
Burnover/Greg Freeman
アメリははヴァーモント州バーリントンを拠点に活動するオルタナティヴ・カントリーのシンガーソングライターによる2枚目のアルバム。カントリーの影響を強く受けた作風なのですが、全体的にはちょっと気だるいローファイ気味なボーカルと、ノイジーなギターサウンドがベースの、インディーロックの色合いの強いミュージシャン。楽曲によってはサイケやドリームポップ的な色合いの強い作品もあり、カントリーというよりもオルタナティブロックが好きな層がはまりそうな感じな作風になっていました。
評価:★★★★
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