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2025年11月16日 (日)

偉大なるロックバンドの全盛期と成熟期の貴重なライブ音源

Title:Live EP
Musician:Led Zeppelin

ハードロックやヘヴィーメタルの元祖的存在としてあげられ、現在でも伝説的なロックバンドとして多くのフォロワーを生み出しているレッド・ツェッペリン。先日も彼らの伝記的映画「レッド・ツェッペリン:ビカミング」が公開されヒットを記録。大きな話題となりました。そんな中、彼らが1975年にリリースしたアルバム「Physical Graffiti」の発売50周年を記念して、ライブアルバムがリリースされました。おそらく、「ビカミング」の映画公開にも合わせたリリースだと思われますが、あらたなライブアルバムの登場して話題となっています。

今回のアルバムに収録されているのは4曲。最初2曲「In My Time of Dying」「Trampled Under Foot」は1975年5月に、ロンドンのアールズ・コートで行った講演の模様を収録したもの。あとの2曲「Sick Again」「Kashmir」は、1979年8月に、イギリスのネブワース・ハウスで行われた、ネブワース・フェスティバルでのライブの模様を収録した作品となります。ツェッペリンはいままで何枚かライブアルバムをリリースしてきましたが、いずれも1972年から1973年頃のステージ。1975年はバンドとしてもっとも脂ののった時期、1979年はバンドとして成熟期の頃のステージということで、非常に貴重なライブ音源を聴ける作品となっています。

個人的に、なんといってもツェッペリンのカッコよさを感じるのはライブ音源だと思っています。正直、最初、彼らのオリジナルアルバムを聴いた時はさほどピンと来ませんでした。そんな彼らのカッコよさに気が付かされたのが2003年にリリースされたライブアルバム「伝説のライヴ」を聴いてからでした。現代の耳で聴いても全く衰えることのない、そのヘヴィーなバンド演奏に一気に惹かれた作品でした。

先日見てきた彼らの映画「ビカミング」でも感じたのですが、50年近く前の演奏にも関わらず、非常にズッシリと重いそのサウンドは、ハードロックやヘヴィーメタル、あるいはパンクロックやハードコアといったジャンルを経てきた今の耳を持っても、迫力ある演奏としてグッと惹かれるものがあります。いまから50年前に、既にロックバンドとしてこれだけの境地に達していたというのは、あらためてライブ音源を聴いても驚かされるものがあります。

また、今回のライブ音源を聴いて感じた彼らの大きな魅力は、4人のメンバーそれぞれが強烈に個性を主張し、そのヘヴィーなサウンドをぶつけ合いながら、しっかりとバンドとしての一体感を維持している点のようにも感じます。ライブ音源を聴いていると、ボーカルやギターはもちろん、ベースやドラムの音もしっかりとクリアに耳に飛び込んできます。そして同時に、この4つの音がしっかりと組み合わさり、ひとつのサウンドを作りあげているのも魅力的。もっともバンドとして脂ののった時期の演奏だからこその一体感を感じるライブ音源に思いました。

ちなみに前半2曲と後半2曲の聴き比べも楽しく、まだ若々しさと疾走感もある前半2曲に対して、ライブ会場の違いというのも大きいのですが、後半2曲はスケール感とある種の貫禄すら感じさせるステージ。たった4年という歳月ながらもバンドとしての変化も感じますし、また異なった側面での彼らのライブの魅力を感じさせる構成にもなっていました。

本作の長さ自体はたった4曲34分という短さで、もうちょっと聴いていたかったな、という気持ちはあります。ただ、それでも聴きごたえ十分な内容で、新たなライブアルバムの名盤誕生のような予感もする1枚だと思います。ロックリスナーなら年齢問わず聴くべし。偉大なるロックバンドの魅力をあらためて実感できるライブアルバムでした。

評価:★★★★★

Led Zeppelin 過去の作品
MOTHERSHIP


ほかに聴いたアルバム

JAPANESE SINGLES COLLECTION-GREATEST HITS-/Donna Summer

海外のミュージシャンが日本でリリースしたシングル盤を、販売順に収録した日本独自企画のベストアルバム「JAPANESE SINGLES COLLECTION」シリーズ。今回紹介するのは、主に80年代に活躍し、ディスコの女王という異名を持つ、ドナ・サマーのシングル集。80年代を彩った数多くのヒット曲が収録されており、いかにも80年代なアレンジにのせたリズミカルな曲調は、リアルタイムに聴いていなくても、どこかノスタルジックすら感じさせます。ディスコの女王という彼女らしく、全体的に並ぶダンサナブルな楽曲は今聴いてもワクワク感があります。全3枚組(+DVD)というボリューミーな内容ながらも、一気に楽しめたアルバムでした。

評価:★★★★★

A Danger to Ourselves/Lucrecia Dalt

若干、Aphex Twin味も感じさせるジャケットも特徴的な、コロンビア出身で、現在はニューメキシコ州在住の実験音楽家による、Lucrecia Dalt名義では7枚目となるアルバム。ループする打楽器のサウンドやエレクトロサウンド、インダストリアル的なダークなビートなどを用いつつ、一方で優しい彼女の歌声でメランコリックな歌を聴かせてくれる点も特徴的。特に英語とスペイン語を行き来する独特の歌が大きな魅力となっています。前作もそうでしたが、今回の作品も実験的要素の強いサウンドと反して、いい意味で、ポップな聴きやすさを感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★★

Lucrecia Dalt 過去の作品
¡Ay!

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