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2025年10月

2025年10月31日 (金)

伝説のライブが初公式音源化

Title:Live At The Oval 1971
Musician:THE WHO

いままで、非公式音源としてしか出回らなかったTHE WHOのライブ音源が公式音源としてリリース。大きな話題となっています。1971年9月18日、ロンドンのケニントンにあるオーバル・クリケット場で行われたバングラデシュの飢餓救済のためのロック・コンサート「Goodbye Summer」のヘッドライナー公演を収録した本作。この1ヶ月前に彼らの代表作とも言える「WHO'S NEXT」をリリースしたばかりの彼ら。まさに彼らの全盛期のパフォーマンスを収録した作品となってます。

そんなライブアルバムなのですが、陳腐な表現になってしまうのですが、メチャクチャカッコいい!!THE WHOについては、いままで彼らの代表的なオリジナルアルバム「WHO'S NEXT」や「Tommy」を聴いた程度でさほど詳しくありません。彼らのライブ音源を聴くのはこれがはじめてなのですが、正直、これほど迫力あるヘヴィーな演奏が聴けるとは思いませんでした。

とにかくカッコいいのがピート・タウンゼントのギター。オープニングに続いて事実上の1曲目で、彼らの代表曲とも言える「Summertime Blues」からスタートするのですが、エッジの効いたノイジーなギターで、まさにグイグイと迫ってきます。その後も「Won't Get Fooled Again」「Pinball Wizard」をはじめとしたヘヴィーなギターが大きな魅力。THE WHOというと、正直いままで、あまり聴いてこなかったこともあり、ツェッペリンなどと比べるとヘヴィーロックといったイメージはなかったのですが、今回のアルバムでイメージが大きく変わりました。

そしてそのギター以上にバンドの特徴を決定づけているのがキース・ムーンのドラムでしょう。彼ももちろんダイナミックなドラミングを聴かせてくれるのですが、そのプレイがかなり独特。かなり手数が多く、遊びも多い自由なドラムプレイがかなり独特で耳を惹きます。一方、それだけ自由なドラムプレイにかかわらず、リズムを崩したり、暴走したりするわけではなく、その独特なプレイで自己を主張している一方、しっかりとバンドのリズムを下支えしている点、その実力のほどを実感させられます。

いまから50年以上前の演奏にも関わらず、今聴いてもその迫力は全く見劣りする部分はありませんし、彼らの代表曲「My Generation」などは、今から聴くとパンキッシュと称されそうな疾走感と迫力があります。現代のロックに慣れ親しんだ耳でも、全く違和感なく楽しめるばかりか、むしろシンプルでエッジに効いた演奏は、今のロックよりも魅力的とすら感じる方もいるのではないでしょうか。

THE WHOがどれだけカッコいいバンドだったか、というのを再認識できたライブアルバム。私自身、このアルバムではじめて、THE WHOがこれだけヘヴィーなバンドだったと知ったので、あまり偉そうなことは言えませんが、ロックリスナーならばまずは聴いておくべきアルバムだと思います。申し分ない傑作ライブアルバムでした。

評価:★★★★★

THE WHO 過去の作品
Endless Wire
WHO

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2025年10月30日 (木)

韓国男性アイドル勢が上位に

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は韓国の男性アイドルグループが1位2位に並びました。

まず1位初登場はTOMORROW×TOGETHER「Starkissed」が獲得。CD販売数、ダウンロード数1位、ストリーミング数6位。日本盤では3枚目となるアルバム。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上31万8千枚で1位初登場。直近の韓国盤「The Star Chapter:TOGETHER」の初動30万4千枚(1位)からアップ。

一方2位は同じく韓国の男性アイドルグループBOYNEXTDOOR「The Action」が獲得。CD販売数2位、ダウンロード数7位、ストリーミング数13位。こちらは韓国盤のミニアルバム。オリコンでは初動売上14万6千枚で2位初登場。前作「No Genre」の初動17万6千枚(1位)からダウンしています。

そして先週1位の藤井風「Prema」は2ランクダウンながらベスト3をキープ。ダウンロード数は2位から6位にダウン。またストリーミング数も1位から2位にダウン。これでベスト10ヒットは8週連続に。また、ベスト3ヒットも8週連続となりました。

4位以下ですが、今週は初登場盤はなし。また、10位にMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週の11位からワンランクアップで2週ぶりのベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算56週に伸ばしています。ミセスは「10」も今週、2ランクダウンながらも6位にランクイン。こちらは16週連続のベスト10ヒットとなります。

ほかのロングヒット盤は「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は5位から7位にダウン。ベスト10ヒットは16週連続に。Snow Man「THE BEST 2020-2025」は先週と変わらず9位をキープ。こちらは通算30週目のベスト10ヒットに。一方、TENBLANK「Glass Heart」は8位から11位にダウン。ベスト10ヒットは11週連続でストップとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsはセカンドバッカー「犬とバカ猫」が獲得。これで4週連続1位。ただし、Hot100では今週もベスト100圏外となっています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週はDECO*27「マシュマロ」が3週連続で1位を獲得。2位は大漠波新「スター」が初登場で獲得。3位はなきそ「いますぐ輪廻」が先週から同順位をキープしています。

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2025年10月29日 (水)

米津玄師の快進撃続く その2

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に引き続き、今週も米津玄師の快進撃が続きます。

まず米津玄師「IRIS OUT」が今週も1位を獲得。これで1位獲得は6週連続に。ストリーミング数、動画再生回数も6週連続の1位となっているほか、ダウンロード数も3週ぶりに1位となっています。米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」も4位から3位にランクアップし、2週ぶりにベスト3返り咲き。ストリーミング数も5週連続の2位をキープしています。また、先週3位に初登場した「1991」は今週5位にダウン。ただ、今週も3曲同時ランクインとなっています。

2位には男性アイドルグループJO1「Handz In My Pocket」が初登場。吉本興業と韓国のCJ ENMとの合弁、LAPONEエンタテイメント所属のグループ。CD販売数1位、ダウンロード数3位、ラジオオンエア数4位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上50万5千枚で1位初登場。前作「WHERE DO WE GO」の初動54万3千枚(1位)からダウン。

続いて4位以下の初登場曲ですが、9位にCLASS SEVEN「miss you」が初登場。TOBE所属の男性アイドルグループによるデビューシングル。CD販売数4位、ラジオオンエア数2位。公式サイト通販限定のためか、オリコンではランク圏外となっています。

また、今週、ベスト10圏外からの返り咲きとして、10位にアソビシステム所属の女性アイドルグループCUTIE STREET「キューにストップできません!」がランクイン。7月30日付チャート以来のベスト10返り咲きとなっています。10月23日に行われた「めざましライブ」にて、CD購入者対象の抽選会が行われた影響と思われます。

ロングヒット曲ではHANA「Blue Jeans」が8位から6位にアップ。ストリーミング数は5位から4位にアップ。これで15週連続のベスト10ヒット。なおHANAは「My Body」も4位にランクインし、2曲同時のランクインとなっています。

また、アイナ・ジ・エンド「革命道中」も10位から8位にアップ。ストリーミング数は先週から変わらず6位をキープ。こちらは11週連続のベスト10ヒットとなっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年10月28日 (火)

「宇宙」をテーマに、ポップなギターロックを聴かせる

Title:Ad Astra
Musician:ASH

イギリスのギターロックバンドASHの2年ぶりとなるニューアルバム。日本でも高い人気を誇り、特にASIAN KUNG-FU GENERATIONと親交厚く、先日もスピリットツアーを実施したばかり。私も、そのうち名古屋公演に足を運んできたのですが、今回はそのライブに先駆けて聴いてみた、彼らの新作となります。

このジャケット写真やタイトルからも明確なように、今回のアルバムのコンセプトは「宇宙」。アルバムの1曲目「Zarathustra」は、有名な映画「2001年宇宙の旅」の使用で有名な「ツァラトゥストラはかく語りき」をモチーフとした楽曲となっており、否応なく、アルバムへの期待も盛り上がるようなスタートとなっています。イントロ的なこの曲に続く、事実上の1曲目となる「Which One Do You Want?」も、そんな宇宙への旅を彷彿とさせるような爽やかなギターロックのナンバーとなっています。

そしてもう1点、本作の大きな特徴なのがblurのグレアム・コクソンがギターで参加している点。特に印象的なのが、この「Which One~」に続く「Fun People」で、軽快でちょっとコミカル、そしてちょっと歪んだような癖のあるポップなサウンドが、完全に初期のblurを彷彿とさせる楽曲。これ、blurのファンならばかなり壺にはまりそうな楽曲になっており、アルバムの中でも大きなインパクトとなっています。

その後の作品については、基本的に彼ららしいシンプルでポップなギターロックの楽曲が並びます。先行シングルともなっている「Give Me Back My World」も、ほどよく分厚くロックなギターサウンドに、メロディアスな歌を主軸に据えたポップな作品になっていますし、「Hallion」も疾走感あるパンキッシュなギターサウンドが心地よいポップなナンバーに。ストリングスで伸びやかなバラードナンバー「My Favorite Ghost」でアルバムにバリエーションを持たせつつ、ハリー・ベラフォンテのカバー「Jump in the Line」は軽快なロックンロール風のナンバーで盛り上げ、さらにバンドサウンドにシンセも入れた分厚いサウンドが耳を惹く「Keep Dreaming」も、実に彼ららしい、軽快でポップな楽曲となっています。

ラストを飾るタイトルチューンの「Ad Astra」では再びギターでグレアム・コクソンが参加。ただ、こちらはblurっぽさはなく、軽快でポップなギターロックは完全にASHのスタイル。隠し味のようなエレクトロのサウンドにスペーシーさを感じるナンバーで、ASHの宇宙旅行は幕を下ろします。

今回のアルバム、ギターロックとしては決して目新しいサウンドを聴かせてくれるわけではありません。昔ながらのASHといった感じの作品になっています。ただ、彼ららしい心地よく分厚い、ノイジーなギターサウンドとポップなメロディーラインは健在。「宇宙」をテーマとしたコンセプト性や、グレアム・コクソンの参加など、それなりに目新しさを追及しようとしているものの、基本路線はいままでの彼らのスタイルを大きく変えるものではなく、結果としてASHの良さが素直に出ていた彼ららしいアルバムに仕上がっていたと思います。UKギターロック好きなら間違いなく楽しめそうな、傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

ASH 過去の作品
A-Z Vol.1
A-Z Vol.2
THE BEST OF ASH
KABLAMMO!
Teenage Wildlife - 25 Years Of Ash

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2025年10月27日 (月)

ダイナミックなサウンドで彼女のメッセージを伝える

Title:ekkolaptómenos
Musician:春ねむり

先日行われた参議院選挙において、排外的、差別的なメッセージを出す政党が議席を伸ばして話題となりました。そんな中、春ねむりが差別的な言動を繰り返した、参政党のさや議員の当選を受け、「IGMF」という強烈な批判を繰り広げる楽曲を発表してニュースとなりました。正直、春ねむりの知名度は決して高いわけではなく、お茶の間レベルでは「誰?」といった印象を受けるミュージシャンです。それにも関わらず、春ねむりのニュースは一般メディアでも比較的大きく取り上げられました。ちょっと意外に感じたのですが、それだけ排外主義的な政党の躍進に危機感を覚えたメディアが多かった、ということなのでしょう。

本作は、そんな彼女の約3年4ヶ月ぶりとなる3枚目となるアルバム。彼女が立ち上げた自主レーベル「エコラプトメノス」からリリースされた最初のアルバムとなり、また全面セルフプロデュースによる作品だそうです。前作「春火燎原」は全21曲1時間強に及ぶボリュームーな内容でしたが、本作は11曲41分程度の比較的コンパクトな内容に仕上がっています。ただ、コンパクトなだけに彼女の主張がギッシリと詰まった、密度の濃いアルバムとなっていました。

その上、直近のEP「INSAINT」では彼女の感情をそのまま音楽にぶつけたようなパンキッシュな作風が目立ったのに対して、今回の作品はトライバルなリズムやクワイア的な要素を加えることにより、よりダイナミックでスケール感を覚えるような作風に仕上がっています。1曲目「anointment」は、まさにそんなクワイア的な要素を加えたダイナミックでスケール感ある楽曲に。また、後半の「indulgentia」では、チャント風のヴォーカルで、インド音楽の要素を感じられたり、「symposium」でもインド音楽の要素を感じさせる複雑な変拍子のビートが特徴的となっています。

他にも「panopticon」ではギターサウンドに力強いビートを聴かせてくれたり、「terrain vague」でも分厚いバンドサウンドでスケール感のある作風に。最後を締めくくる「iconoclasm」もマーチ風のサウンドでダイナミックに聴かせるスケール感ある楽曲が特徴的。このように、比較的直情的なイメージも強かった前作に比べると、よりスケール感あって聴かせるような楽曲が並びます。

そのため歌詞についても、直情的なメッセージというよりも、比ゆ的表現を用いつつ、現在の社会をアイロニックに描いた歌詞が特徴的。例えば「excivitas」ではファンタジックな世界観を用いて、全体主義への警鐘を鳴らす歌詞になっていますし、「cosmic egg」では市井の人たちの営みや言葉が、社会の中で埋もれてしまう様子を描写。「indulgentia」でも、マジョリティーや、排外主義に対する皮肉に感じられるような歌詞になっています。正直、決してわかりやすいストレートな表現ではなく、その比ゆ的内容からいろいろと読む取れるような歌詞にもなっていますが、それがまたアルバムに深みを与える要因になっていました。

参院選の時の春ねむりのニュースで彼女のことをはじめて知った方も多いとは思いますが、彼女の楽曲は決してお茶の間レベルで万人向けといった感じではありません。ただ、彼女のサウンドや歌、歌詞を通して私たちに伝えようとする力強いメッセージは、おそらく多くの方の胸に響いてくるのではないでしょうか。いろいろな側面でインパクトの強い傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

春ねむり 過去の作品
春火燎原
INSAINT

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2025年10月26日 (日)

彼女たちの歩みのわかるベスト盤

Title:新しい学校のすゝめ
Musician:新しい学校のリーダーズ

斬新なパフォーマンスが高い評価を受け、2023年には紅白歌合戦にも出場するなど注目を集めるグループ、新しい学校のリーダーズ。なにげに既に今年結成から10年目を迎える彼女たちですが、このたび、初となるベストアルバムがリリースされました。2枚組となった本作は、Disc1が「あのころ」と題され、結成から2020年までにリリースされた楽曲、Disc2は「このごろ」と題された2021年から現在までの楽曲が収録されています。

さて、新しい学校のリーダーズというとダンスパフォーマンスグループとして紹介されることが一般的である一方、「アイドルグループ」として紹介されるケースも少なくありません。なんとなく肌感覚的に、新しい学校のリーダーズの紹介で「アイドル」として紹介されるのが2割程度でしょうか?個人的にはアイドルというイメージはあまり薄いのですが、ただ、今回のアルバムで彼女たちの初期の作品を聴いたのですが、確かにデビュー時はともすれば「アイドル」というイメージを持たれていたんだな、ということを感じました。

デビュー作「学校行けやあ゛」などは歌い方を含めてアイドルポップっぽい印象があります。メジャーデビュー後の作品についてはそういうイメージは少なくなるのですが、最近の作品に比べると歌い方も初々しさがあり、露骨なアイドルポップっぽさは感じないものの、どこかアイドル的な売り方をしようとしているような痕跡は感じられます。

そして、明らかにモードが変わるのがDisc2収録曲。ブレイクした「オトナブルー」もそうですが、初期の作品は哀愁たっぷりのメロディーラインを前に押し出した、いわば歌謡曲を意識したような内容になっています。一方、Disc2になると、強いエレクトロビートを主体としたような曲が目立ちます。Disc2の冒頭を飾る「NAINAINAI」「Pineapple Kryptonite」など、いずれも強いエレクトロビートでダンサナブルな作風が特徴的。その後も「Giri Giri」「Tokyo Calling」「Change」など、強いビートでダンサナブルなナンバーが並びます。

最近の作品も、基本的にメロディーラインについてはメランコリックで、歌謡曲テイストが強いのは共通。ただ一方で最近の曲に関しては、よりリズムを前面に押し出したことによって、まずは素直に「カッコいい!」と思えるような作品が並びます。強いビートを押し出した曲は間違いなくライブ映えしそうですし、なによりも彼女たちの売りである、そのダンスを生かすには最適な楽曲に感じます。

もちろんDisc1でも魅力的な作品はありますが、やはりDisc2に収録している曲は最近の彼女たちの勢いを感じます。彼女たちの場合、シンガーソングライターではないので基本的に作曲に彼女たちがかかわることはほとんどないのですが(ただ、一部、参加している曲もあるようですが)、それでも彼女たちの勢いとリンクするかのように楽曲の勢いも増しているというのは、それだけ事務所側も彼女たちに力を入れているということでしょうし、なによりも彼女たちに勢いがあるがゆえに、今やりたいことがはっきりしているため、楽曲もそんな彼女たちのコンセプトに合わせやすいという側面もあるのでしょう。まさにDisc2収録曲は名曲揃いだったように感じます。

正直、一時期露出を増やしすぎた影響か、人気の側面は若干落ち着いてしまった感も否めません。とはいえ、楽曲については最近の曲にもまだまだ勢いがありますし、もちろんその尖ったパフォーマンスは健在。今後は一時的な人気に左右されずに、地道に活動を進めてくれそう。今後の活躍にも期待したくなるベスト盤でした。

評価:★★★★★

新しい学校のリーダーズ 過去の作品
一時帰国
マ人間
AG!Calling


ほかに聴いたアルバム

マリアンヌの十戒/キノコホテル

他のメンバーが脱退し、事実上、マリアンヌ東雲のソロプロジェクトとなり2作目となる、キノコホテルでは10枚目となるアルバム。基本的にいつものキノコホテルらしい、妖艶でサイケなサウンドをバンドサウンドで力強く聴かせるスタイルは変わりなく。その中に、スカのリズムを入れていたり、フォーキーなメロを聴かせてくれたり、よりヘヴィーなバンドサウンドを聴かせてくれたりとバリエーションも感じさせます。事実上のソロ1作目の前作よりも、より彼女のやりたいことを模索しだした印象も。次回作にさらなる広がりを見せてくれるのでしょうか。

評価:★★★★

キノコホテル 過去の作品
マリアンヌの憂鬱
マリアンヌの休日
クラダ・シ・キノコ
マリアンヌの恍惚
マリアンヌの誘惑
キノコホテルの逆襲
マリアンヌの呪縛
マリアンヌの革命
プレイガール大魔境
マリアンヌの奥義
マリアンヌの密会
マリアンヌの教典

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2025年10月25日 (土)

骨太なライブバンド3組によるステージ

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents「NANO-MUGEN CIRCUIT 2025」ASH × AKG Split tour

KANA-BOON/ASH/ASIAN KUNG-FU GENERATION

会場 Zepp Nagoya 日時 2025年10月17日(金) 18:30~

Nanomugen1

今回は、アジカンことASIAN KUNG-FU GENERATION主催のライブイベントに足を運んできました。ロックリスナーなら説明不要かとは思いますが、もともとアジカンは以前から、彼らがファンにも是非聴いてほしいという国内外のミュージシャンを読んで、「NANO-MUGEN Fes.」というライブイベントを実施。さらにその一環として、各地を巡る「NANO-MUGEN CIRCUIT」を開催していました。今年、実に約11年ぶりに「NANO-MUGEN Fes.」が開幕。さらに、それに伴い、実に12年ぶりに「NANO-MUGEN CIRCUIT」も実施。さらに、このライブツアーは、個人的に以前から好きなバンドであったASHとのスピリットツアーということで、私も足を運んできました!

会場はZepp Nagoya。観客はほぼ満員。熱気むんむんの中でスタートを待つと、時間丁度にアジカンのメンバーが登場。まずはメンバーによる挨拶が行われて、すぐにオープニングアクトのKANA-BOONのステージとなりました。

KANA-BOONは今回、はじめて見るミュージシャン。最初は彼らの代表曲のひとつ「フルドライブ」からスタートし、その後、最新曲の「SUPERNOVA」へ。そして、「ソングオブザデッド」と進みます。基本的にアップテンポでダンサナブルな曲がメイン。KANA-BOONというと、個人的に比較的ポップ寄りのバンドというイメージもあったのですが、思ったよりもヘヴィーなバンドサウンドを聴かせる骨太の印象。この日の他の2つのバンドに決して劣っていないパフォーマンスを見せてくれました。

途中のMCでは、「アジカンにあこがれて、ずっと同じメンバーのバンドを続けたかったが、オリジナルメンバーが一人になってしまった」なんていうちょっと悲しい話も。ただ、今のメンバーが最高だ、とも言っていました。

途中、「日々」をゆっくり歌い上げた後は、ラストはこちらも彼らの代表曲のひとつ「シルエット」で会場を盛り上げ終了。約40分程度のステージ。力強いパフォーマンスを見せてくれました。

そして2番手として登場してきたのはASH。彼らも、以前からステージを見てみたかったバンドですが、今回がはじめて見る彼らのステージ。先日、アルバムをリリースしたばかりの彼らですが、まず1曲目は最新アルバムから、もっともダンサナブルで盛り上がる曲「Fun People」からスタート。最新ナンバーとはいえ、いきなりの盛り上がりを見せてくれました。

その後は基本的に、最新ナンバーの曲と過去の代表曲を織り交ぜてのステージ。MCを挟んで懐かしい「Shine a Light」や「Orphens」なども披露し、会場を盛り上げる一方、最新アルバムから「Hallion」や「Jump in the Line」なども披露。最新アルバムのナンバーも過去の代表曲と並べても遜色ない内容となっており、いまだに衰えない彼らの勢いを感じさせます。

後半のMCコーナーには、ボーカルのティム・ウィラーの娘が登場(…多分。MCはよく聞き取れなかったので…)し、会場を沸かせます。そして終盤は「Kugn-Fu」「Girl from Mars」などといった代表曲を披露し、ラストはアジカンの喜多建介がゲストギタリストとして登場。これまたASHの代表曲「Burn Baby Burn」で締めくくり。大盛り上がりでのエンディングに。約50分程度のステージでした。

そして20時40分頃にラストのASIAN KUNG-FU GENERATIONがスタート。1曲目からいきなり「君の街まで」でスタートし、大歓声があがります。その後は「ブラックアウト」、そして代表曲の「サイレン」と序盤からライブは最高調に盛り上がっていきます。さらに1回目のMCでメンバー紹介を行った後は「ライフイズビューティフル」「ソラニン」とまた代表曲の連続。既に季節は秋ですが、ちょっとレアな「夏蝉」を挟んで「出町柳パラレルユニバース」へと続いていきます。

後半のMCでは、名古屋ではトラブルが多いエピソードが。以前の「NANO-MUGEN」でも声が出なくなり、以前、GOING UNDER GROUNDとのライブでも声が出なくなるトラブルがあったとか。ただ、今日は絶好調という話をしていました。そして終盤では「君に咲く花」で、KANA-BOONの谷口鮪が参加。みんなからも大合唱が起こります。そして本編ラストは「遥か彼方」へ。会場の勢いは最高潮に達し、ライブは一度幕を下ろします。

もちろん、その後はアンコールへ。アンコールではQRコードをかかげた大きなパネルをゴッチが持って登場しました。

Nanomugen2

これは「APPLE VINEGAR」というゴッチが主催する、若手ミュージシャンを支援するNPO団体への寄付を募るものらしく、QRコードは同サイトへのリンクとなっていました。

Nanomugen3

さらにアンコールではASHのティム・ウィラーが登場。アジカンのメンバーと、ASHの「Starcrossed」を演奏し、盛り上げます。

Nanomugen4

そしてラストは再びアジカンのメンバーだけで、「MAKUAKE」で締めくくり。最後まで大盛り上がりの中のライブとなりました。

ライブ終了が22時ちょっと前だったので、実に3時間半近いステージ。ほぼ満員のライブハウスで立ちっぱなしだったので疲れた・・・。ただ、3バンドとも、非常に力強い骨太のバンドサウンドを聴かせてくれるバンドばかりで、とても楽しめたステージでした。特にASHは、力強いバンドサウンドでポップなメロの歌を聴かせてくれて、やはり自分好みのバンドということを実感。是非また、来日してほしいなぁ。今度はワンマンで。KANA-BOONも予想していたよりも素晴らしいステージでしたし、アジカンも久しぶりに見たのですが、ライブバンドとしてその実力を実感できたステージで、また是非とも彼らのライブも見に行きたいです。長丁場でしたが、心地よい満足感で会場を後にすることが出来ました。

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ロックバンドとしての側面を前面に押し出した傑作

Title:サニービート
Musician:サニーデイ・サービス

Sunnybeat

先日も、2時間強にも及び大ボリュームのアルバム「パイナップル・ロック」をリリースするなど、精力的な活動を続ける曽我部恵一。そして彼が率いるロックバンド、サニーデイ・サービスも約3年ぶりとなるアルバムをオリジナルアルバムをリリースしました。途中、ライブアルバムのリリースなどもありましたし、曽我部恵一といえばワーカホリック気味という印象もあるので、オリジナルアルバムが3年のインターバルが空いた、というのはちょっと意外な感じがします。

さて、その3年前のアルバム「DOKI DOKI」は、ロックバンドとしてのサニーデイ・サービスを前に押し出したアルバムになっていましたが、今回のアルバムも基本的にその路線を引き継いだような作品となっています。アルバムの冒頭でいきなりダイナミックでノイジーなギターが鳴り響き、ちょっとビックリするのではないでしょうか。歌がはじまるとサニーデイらしいメランコリックで爽やかな曽我部恵一の歌声が流れだすのですが、ロックバンドとしてのサニーデイ・サービスを押し出したような楽曲となっています。

その後の「春が来たんだね」も、フォーキーなメロディーと都会の情景を描いた歌詞がサニーデイらしいのですが、サウンド的にはバンドサウンドを前に押し出したような作風。「炭酸No.1」も、都会のイメージを炭酸水に反映させた歌詞も印象的なのですが、テンポよく分厚いバンドサウンドを前に押し出したロックな曲調に。「ふつりあい」も完全にオルタナ系のギターロックバンドを彷彿とさせるようなギターサウンドが印象に残ります。

メロウでフォーキーな「サマーギグ」やアコースティックなサウンドでフォーキーに聴かせる「梅が丘通り」など、フォーキーな作品も目立ちますし、ラストを飾る「関係ない恋の唄」も郷愁感を覚える切ない、シンプルなギターロックと、サニーデイらしいフォーキーな作品も少なくありませんが、ただ、全体的にはやはりヘヴィーなバンドサウンドを押し出した、いつもに増してロックなサニーデイサービスを印象付けられる作品となっています。

ちなみに今回のアルバムは、ドラムスに大工原幹雄を迎えて3作目となる作品。また、本作は基本的に3人のみで作成したアルバムだそうです。3人だけでこれだけバンドサウンドを前に押し出した作品となったのは、このメンバーになって5年が経ち、ロックバンドとしてよりまとまってきた、ということなのでしょうし、メンバーもおそらくこの3人で演奏することが楽しくなってきたのではないでしょうか。いままでのアルバムの中でもバリエーションは少な目ですし、歌もシンプルなものが多いのも、そんなバンドとして演奏することにメンバーが純粋な楽しさを感じさせるあらわれなのかもしれません。そして、そんなメンバーの楽しさはリスナーの私たちにも伝わってきます。シンプルな故に、バンドとしての勢いも感じさせる、聴いていて楽しくなるような傑作でした。

評価:★★★★★

サニーデイ・サービス 過去の作品
本日は晴天なり
サニーディ・サービス BEST 1995-2000
Sunny
DANCE TO YOU
桜 super love

Popcorn Ballads
Popcorn Ballads(完全版)
the CITY
DANCE TO THE POPCORN CITY
the SEA
サニーデイ・サービスBEST 1995-2018
いいね!
もっといいね!
冷し中華EP
DOKI DOKI


ほかに聴いたアルバム

ネビュラロマンス後篇/Perfume

彼女たち初のコンセプトアルバムの後篇となる10曲入りの新作。中田ヤスタカによる軽快なエレクトロポップの作品が並んでいるのはいつもと一緒。レトロフューチャー的なサウンドは、懐かしさもありつつ、これからの未来も提示した感もあります。年内での活動休止を宣言している彼女たちですが、そう考えると、本作は、彼女たちのこれからを振り返りつつ、次のステップも志向する作品、とも捉えることが出来るかも。ラストを飾る「巡ループ」も、まさにラストを意識したかのような、懐古的かつ次のステップを意識したような作品になっています。このアルバムを最後に活動を休止する彼女たちですが、ある意味、ラストらしさを感じさせる作品になっていました。

評価:★★★★

Perfume 過去の作品
GAME
Future Pop
Perfume The Best "P Cubed"
PLASMA
ネビュラロマンス前篇

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2025年10月24日 (金)

また作風が大きく変化

Title:The Clearing
Musician:Wolf Alice

イギリスのオルタナティブロックバンドWolf Aliceの4枚目となるニューアルバム。デビューアルバム「My Love is Cool」以降、傑作アルバムを連発し、特に前作「Blue Weekend」では、初となる全英チャート1位を獲得。さらに本作も2作連続チャート1位を獲得し、人気の面でもイギリスを代表するバンドのひとつとなってきています。

そんな彼女たちの大きな特徴のひとつに、アルバム毎にそのスタイルを変えている、という点があります。1枚目はシューゲイザー直系のサウンド、2作目はガレージロック寄り、3作目はバラエティーに富んだポップな作風と、アルバム毎にそのスタイルを変化させてきました。一方で、エリー・ロウゼルの清涼感のあるボーカルに、ポップなメロディーラインというコアな部分はいずれのアルバムでも共通しており、それがWolf Aliceとしての大きな特徴となっています。

そして今回のアルバムも大きくそのスタイルを変えてきました。本作ではストリングスやピアノを入れて、フォークやカントリーのテイストを強めた作風となっています。アルバム冒頭を飾る「Thorns」ではストリングスの美しいサウンドをバックに伸びやかに聴かせるアコースティックな作風となっていますし、「Learning Against The Wall」も、前半はアコギで軽快なカントリー風。一方、後半は分厚いストリングスの音色が入り、ファンタジックに聴かせる展開もまた魅力的。「Passenger Seat」も同じくカントリー風の軽快なナンバーに仕上げています。

後半もピアノで静かに聴かせる「Play It Out」やフォークロック風の「Safe in the World」、ピアノアルペジオでフォーキーに聴かせる「Midnight Song」など、全体的にフォーク基調のアコースティックなテイストの作品が並びます。

一方では力強いバスドラのビートでダイナミックに聴かせる「Bloom Baby Bloom」や、疾走感あるギターロックのナンバー「White Horses」のような楽曲もあり、アルバムの中の大きなインパクトにも仕上がっていました。

そんな訳で、今回もそのスタンスを大きく変えたWolf Alice。特に今回は、バンドサウンド主体だった以前の作品から、ストリングスやピアノなど生楽器を押し出した作風に変化しており、最初聴いた時、私もちょっと戸惑いました。ただ、アルバムを聴くにつれ、やはりWolf Aliceの大きな魅力、エリー・ロウゼルのボーカルとポップなメロディーラインはいままでと変わらず、アルバムを聴き終わる頃には、以前のアルバムと同様に、Wolf Aliceの魅力にすっかりはまっていました。

確かに楽曲のインパクトという点では、いままでのアルバムの中で若干薄かったように思いますし、バラエティーという点でも前作に及ばず、いままでのような年間ベストクラスか、と言われると若干微妙だったようにも思います。ただ、それでも間違いなく「傑作」と言える作品だったと思いますし、Wolf Aliceの新たな魅力を提示した作品という点は間違いないでしょう。彼女たちがまた新たな一歩を踏み出した作品でした。

評価:★★★★★

Wolf Alice 過去の作品
My Love Is Cool
Visons of a Life
Blue Weekend


ほかに聴いたアルバム

Love Is Like/Maroon5

日本でも高い人気を誇るアメリカのポップスバンドの、約4年2か月ぶりとなる新作。基本的に今回のアルバムも軽快なテンポに、めらこりっくなメロディーラインを加えてポップにまとめあげている、万人が楽しめそうなポップチューンが並びます。前作ではサウンド的にエレクトロに寄ったのですが、今回は再びバンドサウンドを主軸とする構成に。また、タイトルチューン「Love Is Like」ではLil Wayne、「Princess」ではBLACKPINKのLISAが参加するなど、豪華なゲスト陣でHIP HOPに寄った曲も目立ち、ここらへんの様々な作風を取り入れる柔軟さも彼ららしい感じでしょうか。今回も、いい意味で広い方が楽しめるポップアルバムになっています。

評価:★★★★

Maroon5 過去の作品
OVEREXPOSED
V
Red Pill Blues
Jordi

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2025年10月23日 (木)

藤井風、再び

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

見事1位返り咲きです。

今週1位は藤井風「Prema」が4週ぶりの1位返り咲き。通算4週目の1位獲得となりました。特にストリーミング数は4週ぶりに1位獲得。その人気のほどを感じさせる結果となっています。

2位は先週3位のNumber_i「No.Ⅱ」がワンランクアップ。3位は先週1位のRADWIMPS「あにゅー」が2ランクダウンながらもベスト3はキープしています。

4位以下の初登場盤は、7位に韓国の女性アイドルグループTWICE「TEN:The Story Goes On」が先週の16位からランクアップし、チャートイン2週目にしてベスト10入り。韓国盤のオリジナルアルバム。また同じく韓国の女性アイドルグループBABYMONSTER「WE GO UP」も先週の20位から10位にアップし、2週目にしてベスト10入りを果たしています。

一方、ロングヒット盤はMrs.GREEN APPLE「10」が4位から5位にダウン。これで15週連続のベスト10ヒット。一方「ANTENNA」は今週11位にダウン。ベスト10入りは通算55週でストップ。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は6位から5位にアップ。ベスト10ヒットは15週連続に。TENBLANK「Glass Heart」は7位から8位にダウン。11週連続のベスト10ヒット。さらにSnow Man「THE BEST 2020-2025」も8位から9位にダウン。こちらは通算29週目のベスト10ヒットとなります。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsはセカンドバッカー「犬とバカ猫」が3週連続で1位を獲得。ただHot100では今週、ベスト100圏外となっています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週はDECO*27「マシュマロ」が2週連続で1位を獲得。2位は先週3位のサツキ「メズマライザー」が、ワンランクアップ。3位も先週4位のなきそ「いますぐ輪廻」がワンランクアップで2週ぶりにベスト3返り咲きとなっています。

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2025年10月22日 (水)

米津玄師の快進撃続く

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も米津玄師が快進撃を続けるチャートとなっています。

まず今週も、米津玄師「IRIS OUT」が1位を獲得。これで5週連続の1位。ストリーミング数、動画再生回数も5週連続の1位となっています。さらに3位には「1991」も初登場でランクイン。映画「秒速5センチメートル」主題歌。ダウンロード数1位、ストリーミング数3位、ラジオオンエア数9位、動画再生回数も6位にランクイン。これで今週もベスト3に2曲同時ランクインしており、加えて米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」も2位から2ランクダウンながらも4位をキープ。こちらもストリーミング数が4週連続の2位をキープしています。

一方、2位も初登場。アソビシステム所属の女性アイドルグループFRUITES ZIPPER「はちゃめちゃわちゃライフ!」がランクイン。CD販売数2位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上31万6千枚で1位初登場。前作「KawaiiってMagic」の初動22万7千枚(1位)からアップしています。

以下、今週は比較的初登場が多い週で、5位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ原因は自分にある。「パラノイドランデブー」が初登場。CD販売数2位。オリコンでは初動売上12万7千枚で2位初登場。前作「Foxy Grape」の初動1万4千枚(5位)からアップ。

6位にはHANA「My Body」が初登場でランクイン。ダウンロード数5位、ストリーミング数4位、動画再生回数2位。一方、HANAは「Blue Jeans」も1ランクダウンながらも8位をキープ。これでベスト10ヒットは連続14週となりました。

また初登場もう1曲は7位にBUMP OF CHICKEN「I」がランクイン。日テレ系アニメ「僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON」エンディングテーマ。ダウンロード数2位、ラジオオンエア数で1位を獲得し、総合順位もベスト10入りとなりました。

他のロングヒット曲では、アイナ・ジ・エンド「革命道中」はワンランクダウンながらも10位とベスト10をキープ。これで10週連続のベスト10ヒットになりました。

今週のHot100は以上。Hot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは明日!

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2025年10月21日 (火)

オールスター参加の豪華なトリビュート

Title:ART-SCHOOL 25th Anniversary Tribute Album『Dreams Never End』

今年、結成25周年を迎えたロックバンド、ART-SCHOOL。シューゲイザー系からダイレクトに影響を受けたノイジーなギターロックサウンドと、退廃的で文学的な、木下理樹の書く、独特の歌詞の世界が評価を受け、高い人気を誇っています。今回、その結成25周年を記念してトリビュートアルバムをリリース。多くのロックバンドがART-SCHOOLの代表曲をカバーしています。

今回のアルバムでまずなにより大きな魅力なのが参加ミュージシャンの豪華さ。アジカン、ストレイテナー、Syrup16g、MONOEYES、MO'SOME TONEBENDERと、ART-SCHOOLとほぼ同年代、90年代後半から2000年代初頭にデビューしたバンドがズラリと顔をそろえています(MONOEYESはもうちょっと後のデビューですが、エルレは同時期のデビューです)。2000年代初頭あたりに活躍していたオルタナ系ロックバンドのオールスターと言ってもいい参加ミュージシャンと言えるのではないでしょうか。

このオールスター勢のART-SCHOOLの楽曲のカバーが、ちょうどほどよいバランスを保っている点も大きな特徴。要するに、ART-SCHOOLの原曲のらしさをそのまま生かしつつ、一方で、それぞれのバンドの味付けを行っており、しっかりとそれぞれのバンドらしい楽曲に仕上がっています。

具体的に言うと、やはり印象的なのが冒頭のアジカンがカバーした「FADE TO BLACK」。その分厚いサウンドは、まさに紛うことなきアジカンサウンド。聴いて一発でアジカンだ、とわかるのはさすがといった感じでしょうか。ストレイテナーの「CRYSTAL」も、彼らしい分厚いオルタナ系サウンドで力強く聴かせてくれていますし、モーサムの「あと10秒で」もパンキッシュなサウンドがモーサムらしい感じ。個人的に本作の中で一番印象に残ったのはSyrup16g「EVIL」で、ヘヴィーなギターリフが印象的なナンバー。特にモーサムやSyrup16gは、ここ最近、新曲の発表がないだけに、こういう形でも「新しい」曲を聴けるというのはうれしい限りです。

ほかにもMONOEYESの「BOY MEETS GIRL」も、もちろん彼ららしい疾走感あるギターロックを聴かせてくれていますし、People In The Boxの「ミーンストリート」もピアノを取り入れてメランコリックに仕上げたサウンドが彼ららしい独自性を感じさせます。一方、若手組で印象的だったのがリーガルリリーの「SKIRT」で、こちらはリーガルリリーのたかはしほのかの丸みのある優しい歌声で包み込むような楽曲に仕上げているのが印象的。こちらもしっかりとリーガルリリーのカラーに染めたカバーに仕上げています。

もともとART-SCHOOLの楽曲自体、比較的王道なオルタナ系ギターロック。シューゲイザー系のノイジーなサウンドや歌詞の世界で独自性は発揮していますが、核となる部分は比較的スタンダードなオルタナ系ロックのスタイルとなっています。それだけに、様々なミュージシャンが自らの色を出しやすかったのかもしれません。もちろん、今回参加したミュージシャンに実力があったが故、というのは間違いないのでしょうが・・・。

そんな訳で、まさに2000年代初頭のオルタナ系ロックバンドのオールスターが揃ったとも言えるトリビュートアルバム。おそらく、ここに参加している複数のミュージシャンのファンという方も多いのではないでしょうか。ART-SCHOOLのファンはもちろん、そういう方にも要チェックなアルバム。またこのアルバムを機に、ここに参加している若手バンドをチェックしてみてもよいかも。個人的にもかなりツボにはまったトリビュートアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Smoke Life Away/KUZIRA

PIZZA OF DEATHレコード所属のメロディアスパンクバンド、KUZIRAの3枚目となるフルアルバム。今回のアルバムでは横山剣がプロデュースを担当したということでも話題となっています。楽曲としては正統派といった感じのメロディアスパンクといった印象。分厚いバンドサウンドにパンキッシュながらもポップなメロが並ぶ作品に。全12曲入りながらも29分というコンパクトな内容で、テンポよい展開を楽しめます。以前聴いた「Superspin」では、良くも悪くもメランコリックな作風も目立ったのですが、本作では、安易な哀愁感に頼ることなく、ちゃんとポップなメロディーを組み立ててきた印象もあり、その点は横山剣プロデュースの効果か?

評価:★★★★

KUZIRA 過去の作品
Superspin

みんなたのしく少年ナイフ/少年ナイフ

日本を代表するオルタナ系ロックバンド、少年ナイフが、デビュー前の1982年に作成した自主製作版カセットテープ。当時、わずか89本しか制作されなかったそうで、まさに激レアアイテムだった作品が、この度、初CD化されました。正直、デビュー前の作品ということで、演奏はかなり荒々しく、(今でも見方によってはそうかもしれませんが)チープ感が漂う作品。ただ一方で、今にも通じるシンプルながらバンドとしての勢いを感じさせる演奏はこのころから健在。その後の彼女たちの活躍も垣間見れる作品ともいえます。最初の1枚としてはおすすめしずらい作品ですが・・・少年ナイフが好きな方ならチェックして損はない作品です。

評価:★★★★

少年ナイフ 過去の作品
スーパーグループ
フリータイム
大阪ラモーンズ
Pop Tune
アドベンチャーでぶっとばせ!
ALIVE! in Osaka
Sweet Candy Power
OUR BEST PLACE

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2025年10月20日 (月)

1本のマイクを挟んで

Title:MONO-POLY
Musician:大橋トリオ

大橋トリオの新作、今回は7曲入りのミニアルバム。今回のアルバムは「1本マイク」をテーマとしたコンセプトアルバム。「1本マイク」とは、大橋トリオのライブでの定番コーナーだそうで、バンドメンバー全員が、1本のマイクを囲んで、アンプラグド形式での演奏を行うスタイル。マイクとの距離を考え、調整しながら演奏するという高度な技術が必要とされ、また、この1本のマイクでの録音というスタイルは、ポピュラーミュージックの録音形態としても原点とも言うべき方法。シンプルがゆえに、ポピュラーミュージックの持ち魅力をそのまま伝えるようなスタイルとも言えるかもしれません。

また、今回のミニアルバム、全7曲中4曲がカバー曲というスタイルなのも特徴的。そして、このカバーのセレクトがなかなかユニークで、原曲はあえてアコースティックなスタイルから遠いような意外性のある選曲もされています。その最たるものが、電気グルーヴの大ヒットナンバー「Shangri-La」。原曲はテクノのポップチューンながら、こちらではアコースティックなアレンジのカバーに。ただ、結果として、「Shangri-La」が本来持っていた、メロディーラインの良さが前面に押し出されたカバーに。またラテン的なリズムも魅力的なカバーとなっており、この曲の持っているコアな部分の魅力を再認識でき、また、この曲がなぜ、当時大ヒットしたのか、あらためてその理由もわかるような、そんな名カバーに仕上がっています。

意外性のあるカバーといえば、サカナクションの「新宝島」も秀逸。こちらもリズミカルな原曲とはちょっと異なる、アコースティックな楽器でメロディーの良さを引き出したカバーに仕上がっており、原曲の魅力をメロディーラインの側面から感じられるカバーとなっています。

さらにアルバムの中で特に印象的だったのがラストを飾る「化け物が行く」という楽曲。「踊ろうマチルダ」というシンガーソングライターによる楽曲のカバー。原曲は2017年のナンバーなのですが、

「国の違いで妙な噂で
世の中に差別された化け物が行く」
(「化け物が行く」より 作詞 釣部修宏)

という歌詞は、まさに現在問題となっている、排外主義的な言説を彷彿とさせます。社会から疎外された人たちを「化け物」として表現したようなこのナンバーは、そんな「化け物」たちの行列を「世にもきれいな行列」と評することにより、排外主義的な世の中の言説を痛烈に批判したような内容に。8年前の楽曲ながらも、現在の社会情勢に非常にリンクしてしまった、そんな選曲が印象に残りました。

そんなカバーが魅力的なこのアルバム。もちろん、大橋トリオのオリジナル曲3曲も、彼らしいシンプルで暖かいアコースティックな楽曲で非常に魅力的。シングルなアレンジがゆえに、ある意味、大橋トリオの原点回帰とも言える内容になっていました。

オリジナルアルバムとしての直近作「GOLD HOUR」も、最近の彼のナンバーの中では一番の出来だった傑作でしたが、それに続くミニアルバムも、彼のアルバムの中では間違いなく指折りとも言える傑作。7曲入りのミニアルバムといえども、聴きごたえ満載の作品でした。

評価:★★★★★

大橋トリオ 過去の作品
A BIRD
I Got Rhythm?
NEWOLD
FACEBOOKII
L
R

FAKE BOOK III
White
plugged
MAGIC
大橋トリオ
PARODY
10(TEN)
Blue
STEREO
植物男子ベランダー ENDING SONGS
植物男子ベランダーSEASON2 ENDING SONGS
THUNDERBIRD
This is music too
NEW WORLD
ohashiTrio best Too
ohashiTrio collaboration best -off White-
カラタチの夢
Trio&Charm(大橋トリオ&THE CHARM PARK)
GOLD HOUR


ほかに聴いたアルバム

Where They Dwell/TAMTAM

Wheretheydwell

ダブロックバンドTAMTAMの5枚目となるフルアルバム。リリースがワシントンD.C.を拠点とするレーベル「Peoples Potential Unlimited」からのリリースということで、おそらく日本では輸入盤的扱い。そのため、日本の音楽雑誌ではあまり大きく取り上げられていないのは、相変わらずといった感じで、正直、なんだかなぁ、とは思うのですが。

楽曲はファルセットのボーカルやドリーミーなエレクトロサウンドが特徴的。全体的にアンビエント色が強いアレンジとなっており、独特の浮遊感で楽しめるアルバムになっています。ただ一方、アンビエント的な作品になっているため、アルバム全体としてのフックは弱め。アルバム全体としても似たようなタイプの曲も多く、そういう意味では1曲1曲はよく出来ているものの、印象は薄くなってしまった感は否めません。ライブでは気持ちよさそうですが・・・。

評価:★★★★

TAMTAM 過去の作品
For Bored Dancers
Strange Tomorrow
Newpoesy
Modernluv
We Are the Sun!
Ramble In The Rainbow

JUST TWO OF US/RADIO-K・BARBEE BOYS

BARBEE BOYSデビュー40周年記念のリマスター企画第6弾。1988年にRADIO-K・BARBEE BOYS名義でリリースされた6曲入りのミニアルバムで、RADIO-KはKONTAといまみちともたかに、彼らがBARBEE BOYS結成前に組んでいたバンド「マンブル・マーフィー」のメンバーだった能勢寛による3人組ユニット。本作はKONTAが音楽を手掛けた映画「・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・」のサントラとしてリリースされ、BARBEE BOYSは同映画の主題歌だった「使い放題tenderness」のみ収録。その他はRADIO-K名義による作品となっています。

正直、BARBEE名義による同曲とKONTAがボーカルを取った「DAY LAST DAY」が良かったのですが、それ以外の曲はいまひとつ。なによりもボーカルが弱すぎますし、楽曲的にもいまひとつ特色が薄い印象。逆説的にBARBEE BOYSの魅力を強く感じてしまったアルバムになっていたような感じがします。40周年企画の一環として、リマスター版のリリースとなりましたが、熱心なファン向けかと。

評価:★★★

BARBEE BOYS 過去の作品
Master Bee
1st OPTION
Freebee
3rd.BREAK
LISTEN! BARBEE BOYS 4

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2025年10月19日 (日)

幅広い音楽性を楽しめるエンタメ要素満載のステージ

米米CLUB 米米大興行 人情紙吹雪~踊ってやっておくんなさい~

会場 愛知県芸術劇場大ホール 日時 2025年10月14日(火) 18:30~

Komekomelive

米米CLUBのライブに行ってきました!2013年に一度、彼らのワンマンライブに足を運んだことがあるので、それ以来のステージ。ライブには定評のある彼ら。前回見たステージも、エンタテイメントとして非常によく出来ていただけに、今回も非常に楽しみにして足を運んできました。ちなみに事前の広告では、「当日演奏予定曲」として、誰もが知っているヒット曲が記載・・・この手の「予告」は歌謡曲のリサイタルでよくやる方法。米米も、そういうカテゴリーになってしまったのか・・・と複雑な気持ちで眺めていました。

今回の会場は愛知県芸術劇場。前回はレインボーホールなので、残念ながらキャパは狭くなってしまったものの、とはいえ会場はほぼ満員。なんだかんだいってもその人気ぶりがうかがえます。ステージ前には、今回のツアータイトルのかかれた大きな幕がかかげられていました。やがて予定の18時半になると、その幕前に、ダンサーの竹下宏太郎が登場。おもむろに口上を述べると、幕が下り、ライブがスタートとなります。

前半は、いきなり芝居調のステージ。カールスモーキー石井が、出所直後のやくざの若頭に扮した任侠芝居風。ただ、事実調は、竹下宏太郎とのコントのようなやり取りが続くステージで、その合間に楽曲が入るスタイルでした。1曲目は、この任侠芝居にあったような演歌調の新曲で、その後は「人情紙吹雪」「どうにかこうにか」「憑ノ者」と、和のテイストを押し出した楽曲が続きます。

ここでカールスモーキー石井は一度、舞台袖に下がり、女性メンバーのコーナー「般若の涙」、「喝采」(ちあきなおみのカバー)、「舐めきっちゃってるの」と、それぞれMACHICO、MINAKO、MARIが1曲ずつ歌います。いずれも歌謡曲な楽曲を聴かせてくれました。

そして再びカールスモーキー石井と竹下宏太郎がステージに。この2人でチンチロリンの勝負として、石井が勝ったら「北酒場」、竹下が勝ったら「君がいるだけで」を歌う、という勝負がなぜか起こり、石井が勝ってしまいました(笑)。で、この茶番劇がどうなるんだろう、と思いきや、なんだかんだいってうやむやになり、お待ちかねの「君がいるだけで」をちゃんと聴かせてくれました。

さらにその後、お待ちかねジェームス小野田が、やくざの親分役として登場。「お前を守るぜ」から、前半のラストスパートへ。おなじみ「FUNK FUJIYAMA」から「雨の御堂筋」「御利益」と盛り上がるナンバーが続き、ここで第1部は終了。10分間の休憩となりました。

寸劇をからめた第1部から一転、後半の第2部は小芝居はなし。一環してライブで盛り上がるステージに。最初は「愛を米て」でしんみり聴かせた後、こちらもお待ちかねの大ヒット曲「浪漫飛行」へと続きます。そして、ここで再びボーカルメンバーは舞台袖へ。BIG HORNS BEEのメンバーが前に出てきて、彼らによるインスト曲「星空のバンドワゴン」へ。さらにSUE CREAM SUEによる曲も披露。米米のステージのバリエーションの豊富さを感じます。

さらに、今度発売されるファンセレクトによるベストアルバムにちなんで「FANtachyメドレー」として、彼らの代表曲をメドレー形式で一機に披露。「愛 know マジック」「抱きしめたい」「I CAN BE」「俺色に染まれ」「愛はふしぎさ」「ひとすじになれない」「sure dance」「STYLISH WOMAN」「愛はつづいている」と、彼らの代表曲がズラリと並びます。正直、彼らがメインで活躍していた90年代、さほど熱心なファンではなかったのですが、それでもほぼ全て、知っている曲ばかりが並び、あらためて米米のヒット曲の多さを実感したメドレーでした。

ヒット曲の連続で会場が盛り上がった後は、ジェームス小野田メインで「かっちょいい!」、そして本編ラストは「MATA(C)TANA」と盛り上がるナンバーの連続で会場は大盛り上がりの中、まずは本編の幕は下ります。

もちろんその後はアンコールへ。ほどなくメンバーがまたステージ上に戻ると、「米米といえばこの曲でしょう」と、代表曲「Shake Hip!」へ。おそらくこの日最大に盛り上がったナンバーで、会場全体が一体となり、ステージは幕を下ろします。休憩を挟んで、約2時間半のステージでした。

久々の米米のライブ。ヒット曲や楽しい曲満載で盛り上がった、非常に楽しいステージでした。今回、久々に彼らのステージを見て感じたのは、その音楽的な懐の広さ。米米自体の曲でも、演歌や歌謡曲調のナンバーからJ-POP風のナンバー、そして本領発揮ともいえるソウルやファンク風のナンバーまで並んでいるほか、BIG HORNS BEEの曲はニューオリンズ風でしたし、SUE CREAM SUEのナンバーはレトロなガールズポップ的でしたし、いまさらながら彼らの音楽性の広さを感じることが出来るステージでした。

また、なによりコミカルな仕掛けが満載のエンタテイメントなステージが非常に楽しい内容。正直、第1部の任侠芝居は、ちょっとグタグタなコント的な部分があって、微妙な部分もあったのですが、それを差し引いてもトータルでとても楽しいパフォーマンスを見せてくれて、あっという間の2時間半でした。今回、彼らのステージを見るのは約11年ぶりとなったのですが、また是非とも全国ツアーがあったら見に行きたいところ。ライブ内容に定評のある米米ですが、今回もしっかりと健在でした。

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2025年10月18日 (土)

先祖と向き合った現代演劇のパフォーマンス

国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ マユンキキ+『クシテ』

日時 2025年10月3日(金) 会場 瀬戸蔵つばきホール

Kusite

今回、ライブレポートとして紹介するこのイベントは、「ライブ」ではありません。3年に1度、愛知県で開催されている現代美術の国際芸術祭、国際芸術祭「あいち」の一環として開催された「パフォーミングアーツ」のひとつ。アイヌの女性によるボーカルグループ、マレウレウのメンバーのマユンキキを中心に、彼女の姉で、同じくマレウレウのメンバー、レクポ、キウイとパパイヤ、マンゴーズのメンバー、廣瀬拓音らと組んだユニット「マユンキキ+」によって行われた、現代演劇です。

マレウレウのメンバーによるパフォーマンスということで、当初、ライブ中心のパフォーマンス、あるいは音楽劇のようなものになるのかと期待し、ライブを見に行くような感覚で今回、チケットを確保し、瀬戸市まで足を運びました。

今回のパフォーマンスアーツ「クシテ」とは、アイヌ語で「(場所)に~を通らせる」「(場所)に~を通す」という意味だとか。マレウレウとレクポの祖父である川村カ子トは測量士として、JR飯田線の前身、三信鉄道の天竜峡での鉄道敷設工事の現場監督を務めた方だそうで、今回はその祖父と向き合い、様々な調査の中で感じたことを小さな物語としてオムニバス的に紡いだのが今回の現代演劇だそうです。

そのため、当初期待していたライブパフォーミングの部分はほとんどなし。ただ中盤、ステージ上にマイクが2本設置され、マユンキキとレクポの2人によるパフォーマンスが行われました。歌われたのは、アイヌの伝統歌「ウポポ」を美しいハーモニーで聴かせます。基本的にバックの演奏はないアカペラのみのステージ。歌われた曲も2曲のみでしたが、非常に美しい歌声を聴かせてくれ、ドリーミーな歌が魅力的。しばし、彼女たちの歌声に酔いしれます。2曲のパフォーマンスの後は、レクポだけがステージに残り、ムックルというアイヌの伝統的な口琴を披露してくれました。

現代演劇の部分については、前述の通り、様々な情景が断片的に繰り広げられる構成となっています。蒸気機関車をはじめてみた少年が、叫び声をあげるシーンや紙漉き舟が登場するシーン。マユンキキの前に設置された大きなガラスの皿に、不思議な老女が水を注ぐシーンなど、パッと見ただけではなかなか謎なシーンが次々と繰り広げられました。

正直、この個々のシーンが何を意図するかは、最後までいまひとつわかりませんでした。なんとなく機関車が登場するシーンなどは、彼女の祖父の業績のメタファーになっているとは思ったのですが・・・。しかし、つまらなかったか、と問われるとそうではなく、このシーンの意味をいろいろと考えながら、そのパフォーマンスに見入ってしまう80分でした。もちろん、マユンキキとレクポのパフォーマンスも素晴らしかったですし、今後は、マレウレウのライブも見てみたいなぁ。

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2025年10月17日 (金)

メンバーの証言からバンドを追ったドキュメンタリー

今回は、最近見た音楽関連の映画の感想です。

ハードロックの祖として、今なお多くのミュージシャンたちに影響を与えつづけているロックバンド、レッド・ツェッペリン。そんな偉大なバンドのメンバーの生い立ちから結成・ブレイクまでの軌跡を追ったドキュメンタリー映画が公開されました。「レッド・ツェッペリン:ビカミング」。メンバー本人たち初公認ということでも大きな話題となっているようです。

構成的には基本的にシンプルなドキュメンタリー。基本、インタビューを軸としつつ、その間に当時の映像や、さらにバンド本人のライブ映像もさしはさみつつ、バンドの歩みを追っていくスタイル。語られている内容は、熱心なファンにとっては特に目新しさはない内容のようで、ただ一方でバンドの歩みをしっかり追っているため、比較的バンド初心者にとっても難なく内容を理解し、楽しめるドキュメンタリーになっていたように思います。

そんな比較的シンプルなドキュメンタリー映画なのですが、ただ大きな特徴が2つあります。ひとつはインタビューがバンドメンバーだけにおこなれているという点。通常、この手の音楽ドキュメンタリーは、バンドメンバーだけではなく様々な関係者にインタビューを行い展開しているのが通常です。しかし本作は、あくまでもバンドメンバーのみからのインタビューにこだわっています。そもそも他のドキュメンタリー映画で様々な関係者からインタビューを行っているのは、ミュージシャンを多面的に捉えるため。一方、本人たちのみのインタビューは、確かに本人たちが実際に経験したことを語っているようで、実は本人たちの思い違いや偏った見方が往々にして「真実」として捉えられる危険性があり、ドキュメンタリーとして必ずしも望ましいスタイルとは言えません。しかし、それでも本作がバンドメンバー本人のインタビューにこだわったというのは、おそらく監督としてはレッド・ツェッペリンがどんなバンドだったのか、ということ以上に、レッド・ツェッペリンがメンバーにとってどんなバンドだったのか、ということをこの映画では残したかったのかもしれません。

特に今回の映画で印象的だったのは、若くして亡くなったドラムスのボンゾことジョン・ボーナムの貴重なインタビュー音源を使用していた点で、今回の目玉のひとつとなっています。このインタビュー音源も非常に貴重なのですが、それ以上に今回印象に残ったのは、映画の終盤、ボンゾがバンドについて語る音源を、メンバーがそれぞれ聴いているシーンがあります。その時のメンバーのなんとも言えない表情が、とても心にしみて・・・今回の映画でもっとも印象に残るシーンでした。

もうひとつ大きな特徴なのが、バンドの演奏シーンを、ほぼフル演奏で聴かせてくれる点。この手のドキュメンタリー映画は、ドキュメンタリー性を重視し、ライブ音源はダイジェスト、というケースが少なくありません。ただ、今回のドキュメンタリーについては、大迫力の演奏を画面越しに楽しむことが出来る、いわばライブ映画としての側面も兼ね備えています。今回のドキュメンタリー映画、このタイプの映画としては異例のヒットを記録しているのですが、このライブ体験が出来るという点がヒットの大きな要因かもしれません。また、インタビューをメンバーだけに絞ったのも、時間をたっぷりとって、バンドのライブ演奏を聴かせるため、という要素が強かったのかもしれません。

このライブ音源というのが、とにかく迫力満点。非常にヘヴィーでダイナミック、そして息の合った演奏は、今聴いても古さを感じさせません。レッド・ツェッペリンとしてのバンドの魅力を存分に感じることが出来ます。それと同時に、ちょっと不思議だったのは、なぜあのメンバーで、突然、あれだけのヘヴィーな音を出せたのか、という点。映画ではメンバーの生い立ちとして、それぞれ、影響を受けたミュージシャンたちを取り上げています。今回の(確かジミー・ペイジへの)インタビューで、「レッド・ツェッペリンは異なる音楽から影響を受けた4人のメンバーがちょうど交わった場所で生まれた」という趣旨の発言をしているのですが、彼らの影響を受けたミュージシャンは、誰もあれだけヘヴィーな音を出してはいません。本人たちのインタビューだけであるため、当時の音楽シーン全体の中での彼らの位置づけが、今回のドキュメンタリー映画ではいまひとつ不明確なのですが、なぜ彼らが、あれだけの音を出すことが出来たのか・・・今回の映画を見終わった後、残った疑問のひとつでした。

また、今回の映画、「ビカミング」という副題の通り、ドキュメンタリーで追いかけているのは彼らの生い立ちからバンド結成、そしてブレイクまで。具体的には2枚目のアルバムまで、となっています。バンドとして昇り基調を追ったドキュメンタリーのため、全体的に明るい雰囲気であり、ストレスなしで楽しめる内容にもなっています。ただ一方、これから先のバンドとしての終盤まで追ったドキュメンタリーも見てみたかったかも、とも感じました。ひょっとしたら第2弾も計画されている可能性もあるのですが・・・。

そんな訳で、初心者から熱心なファンまで楽しめるドキュメンタリー。あらためてレッド・ツェッペリンというバンドの偉大さを実感できる内容でした。迫力のライブ映像は、映画館で是非!

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2025年10月16日 (木)

人気ロックバンドが見事1位獲得

今週のHot Albums

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久々の新譜が見事1位獲得です。

1位はRADWIMPS「あにゅー」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数3位、ストリーミング数4位。約4年ぶりとなるニューアルバム。ギターの桑原彰脱退後、事実上2人組となってから初となるアルバムとなります。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上5万2千枚で1位初登場。直近作はRADWIMPS/陣内一真名義のサントラ盤「すずめの戸締まり」で、同作の初動8千枚(7位)からは大きくアップ。また、オリジナルアルバムの前作「FOREVER DAZE」の初動2万9千枚(3位)からもアップしています。

2位は先週から変わらず藤井風「Prema」がキープ。これで3週連続の2位獲得。3位は先週1位だったNumber_i「No.Ⅱ」が2ランクダウンながらもベスト3をキープしています。

4位以下ですが、今週はRADWIMPS以外に初登場はなし。唯一、ベスト10圏外からの返り咲きとして韓国の女性アイドルグループaespa「Rich Man」が15位から10位にランクアップし、4週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。現在、実施中の日本ライブツアーの影響と思われます。

ロングヒットでは、Mrs.GREEN APPLE「10」が4位から5位にダウン。「ANTENNA」は先週から同順位の9位をキープ。「10」は14週連続、「ANTENNA」は通算55週目のベスト10ヒット。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は5位から6位にダウン。こちらも14週連続のベスト10ヒット。TENBLANK「Glass Heart」も7位から8位にダウン。10週連続のベスト10ヒット。さらにSnow Man「THE BEST 2020-2025」も7位から8位にダウン。こちらは通算28週目のベスト10ヒットとなります。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsはセカンドバッカー「犬とバカ猫」が先週に引き続き1位を獲得。Hot100でも今週96位にランクインしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位はDECO*27「マシュマロ」が初登場で獲得。DECO*27の処女作「僕みたいな君 君みたいな僕」の17周年記念作です。2位は先週1位のピノキオピー「愛属性」が、3位は先週2位のサツキ「メズマライザー」が、それぞれワンランクダウンしています。

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2025年10月15日 (水)

米津玄師、強し!

今週のHot100

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今週はベスト10のうち5曲が新譜という新譜ラッシュに。ただ、1位2位は先週から変わりませんでした。

今週も、米津玄師「IRIS OUT」米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」が1位2位に並びました。「IRIS OUT」はダウンロード数こそ1位から4位に下がりましたが、ストリーミング数、動画再生回数いずれも4週連続の1位。さらにカラオケ歌唱回数も1位を獲得しています。「JANE DOE」はダウンロード数は2位から5位、動画再生回数は2位から3位に下がりましたが、ストリーミング数は3週連続の2位をキープしています。

3位は初登場。男性アイドルグループBE:FIRST「Stare In Wonder」が獲得。10月29日発売予定のベストアルバム「BE:ST」収録の新曲。テレビアニメ「ワンダンス」オープニングテーマに決定しています。ダウンロード数1位、ストリーミング数8位、ラジオオンエア数3位、動画再生回数2位。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず4位に声優女性アイドルグループ=LOVE「ラブソングに襲われる」がランクイン。CD販売数1位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上32万9千枚で1位初登場。前作「とくべチュ、して」の初動24万8千枚(2位)からアップ。

6位はハロプロ系女性アイドルグループJuice=Juice「四の五の言わず颯っと別れてあげた」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数11位。オリコンでは初動売上5万9千枚で2位初登場。前作「初恋の亡霊」の初動5万3千枚(4位)からアップ。

9位には秋元康プロデュース、昭和歌謡をコンセプトとした男性アイドルグループMATSURI「アガベの花」がランクイン。CD販売数3位。オリコンでは初動売上5万3千枚で3位初登場。前作は同じコンセプトの男性アイドルグループSHOW-WAとの合同名義のシングルSHOW-WA&MATSURI「僕らの口笛」で、同作の初動9万2千枚(3位)からダウンしています。

最後10位にスピッツ「灯を護る」がランクイン。ダウンロード数3位、ラジオオンエア数4位。テレビ東京系アニメ「SPY×FAMILY」オープニングテーマとなっています。

ロングヒット曲では、HANA「Blue Jeans」が先週から2ランクダウンの7位。これで13週連続のベスト10ヒット。一方、「BAD LOVE」は13位、「ROSE」は14位にダウンし、今週は1曲のみのランクインに。また「ROSE」のベスト10ヒットは27週連続でストップとなりました。

またアイナ・ジ・エンド「革命道中」も2ランクダウンで8位に。こちらはベスト10ヒットを9週連続に伸ばしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年10月14日 (火)

90年代に一世を風靡したユニットの6枚組ベストアルバム

Title:ALL SINGLES & OTHER BEST 30 SELECTION
Musician:globe

1995年に、いわゆる小室系ブームの真っただ中でデビューし、「DEPARTURES」をはじめ1990年代後半に次々と大ヒット曲を放った小室哲哉を含む3人組ユニット、globe。2000年代以降は小室系ブームの縮小やボーカルKEIKOの病気療養、さらにはその後の小室哲哉とKEIKOの離婚騒動などもあり、事実上の活動休止状態となっていますが、2025年にデビュー30周年を迎え、連続リリース企画の実施を発表。その第1弾としてデビューシングル「Feel Like dance」のリリース日である8月9日にリリースされたのがこのベスト盤となります。

全6枚組66曲からなる大ボリュームの本作。うち、Disc1~3は、彼らの過去のシングル曲がすべて収録されています。ちなみに既に「黒歴史」となっている、YOSHIKIが参加した「seize the light」もちゃんと収録されているほか、globe featuring名義でリリースされた3枚のシングル、ベルギーのDJ、pushとのコラボglove vs push名義の「dreams from above」も収録されています。一方、Disc4~6には、アルバム収録曲のうち30曲が収録された構成となっています。

個人的にTM NETWORK時代からの小室哲哉のファンを自任していたのですが、小室系ブームの中で食傷気味となっていたのか、globeについては2000年代以降、いまひとつ楽曲を追っかけておらず、2000年代以降の作品については今回、はじめて聴いた曲も少なくありません。そんな中、globeの曲を、特にシングルについて時系列を追って聴いてみてあらためて感じるのは、globeというユニットは、小室哲哉のその時々の興味に合わせて楽曲が変化していく、小室哲哉がやりたいことを反映したユニットだったんだな、ということをあらためて感じました。

基本的にエレクトロなポップソングを軸にしつつ、初期は「Is thins love」のようなR&Bの色合いが強い曲があったり、その後は「sweet heart」みたいなレゲエ色を取り入れた曲があったり、さらに2000年代以降の作品はトランスの色合いが強くなったりと、小室哲哉のその時々の興味に応じて楽曲が変化していきます。ある意味、例えれば中田ヤスタカのユニットcapsuleのような位置づけとも言えるのでしょうが、ただ、capsuleの場合、かなり実験的な作風にも挑戦しているのですが、globeは終始、「売れる曲」を求められており、売れ筋のポップスから大きく逸脱していない、出来なかったのがglobeの限界とも言えるかもしれません。ただもっとも、小室哲哉の場合、根っからのポップスミュージシャンであり、実験路線に走ったような曲やインスト曲はいまひとつなので、そういう意味では「売れる曲」だけ求められたのはglobeとしては「成功」だったのかもしれません。

一方、もうひとつ感じたのはなんだかんだ言っても、私は小室哲哉の曲が好きなんだな、ということでした。前述のようにglobeの曲に関しては、2000年代以降の曲については一部のシングル曲以外、ほぼ初耳な曲ばかりでした。ただ、それでもこのボリュームのアルバムを、ほぼダレることなく、最後まで楽しんで聴けることが出来たのは、やはり小室哲哉の書くメロディーラインが私にとっては壺にはまるものだった、ということなのでしょう。正直、2000年代の小室哲哉と言えば、人気の面でも低迷期で楽曲の勢いも小室系全盛期に比べると、明らかに陰りを感じます。それにも関わらず、6枚組6時間に及ぶボリュームの本作をほぼ飽きることなく最後まで聴くことが出来ました。

そんな訳でかなりボリュームたっぷりのアルバム。さらに後期の作品については決して小室哲哉の作品としては出来も良いわけではないため、どちらかというと熱心なファン向けと言えるでしょう。ただ、シングル曲については全盛期の大ヒット曲も連続して収録されており、あの時期を懐かしく感じる方には聴いてみて損はないかと思います。ちなみにglobeは現在活動休止中。ただ、KEIKO自体、自らをglobeのKEIKOと名乗っており、小室哲哉との関係はともかく、globeとしての活動は否定していないようで、マイラバの例もあるだけに、十分活動再開の可能性もありそうです。この30周年記念企画、今後のリリースも続くそうで、今後の動向に注目したいところです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

LOVE NEVER DIES/MISIA

約3年半ぶりとなるMISIAのニューアルバム。日本テレビ系アスリート応援ソング「フルール・ドゥ・ラ・パシオン」やNHKラグビーテーマソング「傷だらけの王者」など、いかにもなタイアップを含みつつ、数多くのタイアップを収録。昨年の紅白で2年連続の大トリを飾るなど、すっかり「国民的歌手」になった彼女。ただ、そんな状況を良くも悪くも反映するかのように、楽曲自体はいかにも一般受けしそうな、大味なバラードナンバーが目立ちます。1曲1曲は悪くないのですが、目新しさもなく、デビュー当初の彼女のような挑戦心は完全になくなってしまっています。今の彼女の立ち位置では、新たな挑戦は望めないのでしょうか。ただ、国民的人気を確保しつつ、挑戦心のある楽曲をリリースするミュージシャンもいるだけに、もうちょっと頑張ってほしいと思うのですが。

評価:★★★

MISIA 過去の作品
EIGHTH WORLD
JUST BALLADE
SOUL QUEST
MISIAの森-Forest Covers-
Super Best Records-15th Celebration-
NEW MORNING
MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTORY OF HOSHIZORA LIVE
MISIA SOUL JAZZ SESSION
Life is going on and on
MISIA SOUL JAZZ BEST
So Special Christmas
HELLO LOVE
MISIA THE GREAT HOPE BEST

JUST ALBUM/IO

Justalbumio

解散したHIP HOPクルー、KANDYTOWNのメンバーだったラッパーのIOによる5枚目のアルバム。YZERRやC.O.S.A.、さらにはCrystal Kayやクレイジーケンバンドの横山剣まで、様々なゲストをフューチャーした作品。全体的にエレクトロなサウンドを取り入れたトラックに、メロウでメランコリックなフロウが特徴的。ただ、メランコリックな雰囲気を醸し出した作風の中で、前向きさを感じるリリックが印象的な作品ともなっています。全体的にメロディアスな歌モノ寄りの内容になっているため、聴きやすさも感じる1枚に。

評価:★★★★

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2025年10月13日 (月)

赤ちゃんとパートナーへの深い愛情を感じる

Tilte:Baby
Musician:Dijon

ロサンジェルスを拠点に活動を行っているシンガーソングライター、Dijon DuenasことDijonによるオリジナルアルバムとしては2枚目となるフルアルバム。Bon Iverの作品に参加したり、最近ではジャスティン・ビーバーの作品にも参加。幅広く活動を行っているほか、アルバムも高い評価を受け、この2作目となる本作も随所で絶賛を集めています。

楽曲は基本的にR&Bやソウルを基調として、伸びやかでメロウな彼の歌声聴かせるスタイルの曲がメイン。ただ、その中で様々な作風を取り入れたバリエーションの大きい実験的な作風が大きな魅力となっています。1曲目「Baby!」はダイナミックなギターサウンドをバックに、ゴスペル調で祝祭色を持って聴かせるスタイルが耳を惹きますが、続く「Another Baby!」ではファンキーなビートを入れた80年代R&Bを彷彿とさせるようなナンバーに。5曲目の「Yamaha」は比較的スタンダードな、R&B風のポップとなっていますが、続く「FIRE!」はノイジーなエレクトロビートが鳴り響く、実験的な楽曲に仕上がっています。後半にも「my man」ではリバーブのかかったサウンドが荘厳な雰囲気を醸し出す独特のサウンドが印象的と、全体的に実験的なサウンドの楽曲が目立ちます。

ただ、一方で歌自体は至ってメロウでメロディアスなポップに仕上がっており、例えば前半の「HIGER!」も至って明るくポップな作品に仕上がっていますし、後半の「loyal&marie」もアコースティックな楽器に、雑音や様々な音をサンプリングした独自のサウンドが印象的ながらも、歌自体は、切ない歌を滔々と歌い上げるスタイルが魅力的。ラストの「Kindalove」も最後を飾るにふさわしい、祝祭色を感じさせる明るいポップチューンに仕上がっています。

そんなサウンド的にもメロディー的にも魅力的なアルバムなのですが、このアルバムで何と言っても大きな魅力となっているのがその歌詞でしょう。本作のアルバムタイトルは「Baby」。通常、この手のポップソングでの「Baby」の使われ方というと、男性が愛しい女性に対する呼びかけとして使われますが、本作における「Baby」は文字通り「赤ちゃん」の意味。このアルバムは彼が父親になってはじめてのアルバムということで、1曲目の「Baby!」はそのタイトル通り、赤ちゃんが出来た喜びとパートナーへの愛情を歌っています。ただ、続く「Another Baby!」で次の赤ちゃんを作ろうと歌っている点は、ちょっと苦笑いなのですが(笑)。

さらに本作では中盤以降に父親としての葛藤を歌っているのもユニークなところ。ある意味、単純に子供が産まれた喜びを歌うだけではないリアリティーを感じさせる内容になっています。しかしラストの「Kindalove」では、やはり子供やパートナーに対する惜しみない愛を歌っており、まさにハッピーエンドとも言える内容に心打たれる構成となっています。

そんな訳で、サウンド面でもメロディーの面でも、そして歌詞の面でも魅力的な作品。実験的なサウンドが耳に残りますが、なによりも父親としての喜びを全体的に感じさせる祝祭感も強いアルバムに仕上がっています。本年のベスト盤候補の1作となりそうな傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

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2025年10月12日 (日)

王道のシューゲイザーサウンドの中に挑戦心も

Title:Bugland
Musician:No Joy

Buglandnojoy

カナダ・モントリオールを拠点に活動する3人組シューゲイザーバンドの5枚目となるアルバム。彼女たちのアルバムを聴くのは本作がはじめてとなるのですが、いかにもシューゲイザー的なドリーミーなサウンドとロック的なダイナミズムがいい具合にミックスされた、シューゲイザー好きには壺にはまりような作品に仕上がっていました。

1曲目「Garbage Dream House」がまさにそんなシューゲイザー系の王道を行くような作品で、空間を埋め尽くすようなフィードバックノイズと、ダウナー気味ながら清涼感ある女性ボーカル。まさにタイトル通りのドリーミーなポップソングに。さらに3曲目「Bits」も同じように、ギターノイズとダウナーなボーカルでドリーミーな雰囲気を作りつつ、一方で力強いバンドサウンドでダイナミックさも感じさせる作品に。その後も「Bather in the Blood」でもダイナミックでドリーミーなサウンドが魅力的な楽曲に仕上がっています。

また、ボーカルJasamine White-Gluzによるキュートな歌声による清涼感あふれるポップチューンも魅力的で、テンポよいギターロックのナンバーとなっている「My Crup Princess」も、ノイジーなサウンドの向こうで流れる彼女の美しい歌声に、荘厳さすら感じさせますし、「I Hate that I Forget What You Look Like」も清涼感あるポップな歌声が大きな魅力となっています。

そんないかにもシューゲイザーなギターノイズ主体のドリームポップが並ぶ中、バリエーションも感じさせる構成になっており、例えば2曲目のタイトルチューン「Bugland」などは、打ち込みのリズムでリズミカルなビートが流れる楽曲。テンポよいギターサウンドもあり、ダンサナブルな作品となっています。またラストを飾る「Jelly Meadow Bright」も魅力的。ドリーミーなポップチューンとなりつつ、打ち込みのリズムやアバンギャルドなサウンド、さらには後半にはメタルの影響も感じさせるサウンドやシャウト、AOR的なサックスの音色まで混じるかなり実験的な作風となっています。

そんな訳で、シューゲイザーの王道を行くような心地よくドリーミーでキュートなロックチューンが並びつつ、その中にバリエーションや実験的な作品も並べた作品。シューゲイザー好きにとっては間違いなく壺にはまりそうな作品ですし、実際、私にとっても完全に壺にはまった作品となりました。申し分ない傑作アルバムで、今年のベスト盤候補とも言える作品。全8曲入り33分という比較的短いアルバムなのですが、ずっと聴き続けたくなるような、そんな心地よさを感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★★

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2025年10月11日 (土)

彼女のルーツを巡るダンスアルバム

Title:Black Star
Musician:Amaarae

Blackstar_amaarae

本作が3作目となるガーナ系アメリカ人ミュージシャン、Amaaraeのニューアルバム。今回のアルバムタイトル「Black Star」には3つの意味が込められているそうで、まずは彼女のルーツであるガーナ、自己意識、そしてダンスミュージックのルーツが黒人であることを示しているそうです。まずこのアルバムジャケット、これはガーナの国旗をモチーフとしており、ガーナの国旗は赤、黄色、緑の3色の帯の真ん中に黒い星のマークがついているのですが、今回、その黒い星の部分に彼女自身が座っているデザイン。まさに彼女のルーツ、ガーナをダイレクトにあらわしているといっていいでしょう。

まさにそんなテーマ性のあるアルバムだけに、トライバルなリズムが目立つ、強いエレクトロビートを主体としたダンスアルバムとなった本作。トライバルなビートで力強く聴かせるバイレ・ファンクの影響を色濃く受けた「Stuck Up」からスタートし、軽快でトライバルなエレクトロビートにラップのリズムが印象的な「Starkilla」、さらには中盤の「Girlie-Pop!」「S.M.O.」などは、ガーナの伝統的な音楽、ハイライフやアフロビートなどの影響も感じられ、アルバムのテーマである、彼女のルーツであるガーナ、あるいはダンスミュージックのルーツが黒人音楽であるという彼女の主張が、強く感じられる構成となっています。

そんなテーマ性のある内容だけに、ここまでの感想を読んで、ともすれば取っつきにくいという印象を受けた方もいるかもしれませんが・・・むしろ逆。全体的にかなりポップで聴きやすい内容のアルバムに仕上がっていました。

前に書いた通り、全体的にエレクトロサウンドで強いビートで聴かせるリズミカルなダンスアルバム。そこにメロディアスな歌や、ラップ気味のボーカルが載るスタイル。前半は特にトライバルなビートで高揚感を感じさせるダンスチューンが目立ち、一方、後半には「Fineshyt」のようなトランスを取り入れたナンバーや、EDM的な「FREE THE YOUTH」と疾走感のあるダンスチューンで、リスナーを楽しませます。

多彩なゲスト陣もアルバムに彩りを加えており、「Kiss Me Thru The Phone pt2」ではPinkPantheressが参加し、ハイパーポップ風のアレンジで、メロウな歌を聴かせるミディアムチューンのポップ。チャーリー・・ウィルソンが参加した「Dream Scenario」ではタイトル通りにドリーミーにスタート。終盤では、チャーリーによるソウルフルなボーカルを聴かせてくれる展開もユニークな楽曲に仕上がっています。

何よりも彼女自身の歌声がキュートで非常に魅力的。トライバルなビートとは対照的ですらある彼女の、垢ぬけたとも表現できる清涼感あるキュートなボーカルが楽曲にインパクトを与え、そしていい意味での聴きやすさによって楽曲のポピュラリティーを増すことによる結果を生み出しています。

楽曲のタイプ的にはちょっと異なるかもしれませんが、個人的には、ラップ気味のリズミカルな歌とエレクトロのビート、そしてキュートな女性ボーカル、さらにはどこか感じるコミカルさという点で、水曜日のカンパネラを彷彿とさせる部分も・・・。ただ、ポップで聴きやすいダンスミュージックという点では間違いなく、水カンと通じる部分はありますし、いい意味で広いリスナー層が楽しめるポップなダンスアルバムだと思います。

そのテーマ性もさることながら、バラエティー富んだ挑戦的なサウンド、さらにはポピュラリティーを含めて、今年のベスト盤候補と言える傑作だったと思います。アフリカ系の音楽が好きな方はもちろん、ダンスミュージックが好きなら文句なしにお勧めのアルバムです。

評価:★★★★★

Amaarae 過去の作品
THE ANGEL YOU DON'T KNOW
Fountain Baby

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2025年10月10日 (金)

お得感あるベスト盤3作

レコード会社横断の廉価版ベストアルバムの共通タイトル「ゴールデン☆ベスト」シリーズ。なにげに貴重な音源や、知る人ぞ知る的なミュージシャンの楽曲を聴けたりするので、最近はよくチェックしているのですが、今回は7月、ワーナーからリリースされた第七弾タイトルのうち、3作の紹介です。

Title:ゴールデン☆ベスト 泉谷しげる WARNER WORKS
Musician:泉谷しげる

まず泉谷しげるがワーナーに残した音源をまとめたベスト盤。ただ、ワーナーに所属していたのは、彼の長いキャリアの中で1978年から82年と比較的短く、その間、オリジナルアルバムを2枚、ライブアルバムを1枚リリースしたのみに留まります。ただ、本作はそのワーナーに残した音源をすべて収録。特にオリジナルアルバムの2枚「'80のバラッド」「都会のランナー」はいずれも加藤和彦プロデュースによる作品で、泉谷しげるの代表作として取り上げられるケースも多く、いわばもっとも脂ののった時期だったと言えるでしょう。

基本的に、ぶっきらぼうなしゃがれ声のボーカルで、楽曲はかなり泥臭い雰囲気。一般的な泉谷しげるのイメージにピッタリマッチするような雰囲気を醸し出していますが、一方で、歌詞にしろメロディーにしろ、かなり歌謡曲っぽい雰囲気の曲も少なくなく、どちらかというと反骨的なイメージのある泉谷しげるからすると、意外な印象も受けます。

また作風として特徴的に感じたのは、全体的にフォーク、ロック、歌謡曲的な要素のごった煮といった印象を受ける反面、若干、その結果全体的に中途半端に感じます。フォークとしてはロックや歌謡曲の要素が強すぎるし、ロックとしてはやはりフォークや歌謡曲の要素が強すぎるし・・・ちょっとチグハグしたものも感じました。ただ一方、このごった煮的なサウンドを無理やりひとつに押し込めてしまう強引さも、泉谷しげるらしさなのかもしれませんが。

そんな訳で泉谷しげるのミュージシャンとして勢いのあった時代の作品をまとめて聴けるという意味ではお得なアルバム。全曲収録なので「ベスト盤」とはちょっと違うかもしれませんが・・・。

評価:★★★★

Title:ゴールデン☆ベスト Deadly Drive 2025
Musician:伊藤銀次

かの「NIAGARA TRIANGLE Vol.1」に参加。デビュー当初の佐野元春や、ウルフルズのプロデューサーとしても知られるシンガーソングライター、伊藤銀次のゴールデンベスト。ただ、ベスト盤ではなく、1977年にリリースした彼のデビューアルバム「DEADLY DRIVE」の再編成版で、オリジナル音源と、2017年にリリースされた40周年記念盤に収録された曲をピックアップしたアルバムとなります。

この「DEADLY DRIVE」というアルバム、いわゆる名盤と言えるアルバムかと言われると一般的な評価は微妙で、Amazonなどのレビューでも否定的な評価もありますし、伊藤銀次本人も「失敗作」と述べているなど、必ずしも手放しで絶賛されているアルバムではありません。ただ、楽曲はピアノの音色を入れてメランコリックに聴かせるシティポップが並び、レゲエ、ラテンなサウンドやファンク的なアプローチもあるなど、かなり意欲的な作品。シティポップ系の歌モノに関しては、メランコリックなメロディーラインを含めて非常に絶品で、ナイアガラの盟友、山下達郎のシュガーベイブのアルバムにも負けていません。正直、インスト曲も多く、この点、ちょっと散漫な印象を受けてしまい、この点、評価を落としている点は否めませんが、それを差し引いても、間違いなく傑作といえる作品だったと思います。

ちなみに40周年記念盤は既に廃盤になっているようなので、そういう意味でもちょうどよい企画。また、40周年記念盤は収録曲が多すぎるという意見もあるようなので、全17曲1時間15分という収録曲、時間もちょうど良い長さかと。ナイアガラ系、シティポップが好きなら、チェックしておきたいアルバムです。

評価:★★★★★

Title:ゴールデン☆ベスト 濱田金吾 BEST COLLECTION 〜MOON YEARS〜
Musician:濱田金吾

今回、完全に初耳のミュージシャンだったのが彼。1974年にフォーク・グループ、クラフトのメンバーとしてデビューし、解散後、シンガーソングライターとして活動していたそうです。一時期、同姓の浜田省吾がブレイクしたことから「ハマダといえば、キンゴで〜す」というきやっちコピーがつけられていたとか・・・正直、かなり、かなり寒いです・・・。ちなみに彼もワーナー所属だったのは、社内カンパニーのアルファ・ムーンに所属していた1982年から83年の2年のみ。その間、2枚のアルバムがリリースされており、2002年にはその2枚のアルバムから12曲をセレクトしたベストアルバム「BEST COLLECTION~MOON YEARS~」がリリースされていましたが、今回は、そのベスト盤をベースに、2枚のアルバムから曲を追加。さらに最新リマスターを行ったアルバムとなります。

楽曲的には、いかにも80年代初頭のムーディーな歌謡曲的な作風。ほどよく都会的でメランコリック、ただ、同時期の(例えば上に紹介した伊藤銀次の作品と比べると)あまりにも歌謡曲寄りな印象はあり、今聴くと、古臭さは否めません。ただ、一回りして、その「古臭さ」が魅力的、と言えないこともないのですが・・・。そしてもうひとつは、全体的によくあるタイプの楽曲という印象。濱田金吾としての個性は薄いように感じました。シンガーソングライターとしては大きなブレイクもなかったのですが、そこらへんが大きな要因のようにも感じます。

一方で、楽曲自体は比較的メロディアスで、インパクトもあり、良くできているという印象も抱きます。彼はシンガーソングライターとして以上に作曲家として数多くのミュージシャンに楽曲提供を行っていますが、むしろ彼の適正としては、自らが歌うよりも作家として楽曲を提供する方にあったのでしょう。このベストアルバムからも、その理由もわかるように感じました。

評価:★★★★

そんな訳で70年代後半から80年代初頭の男性シンガーソングライターの3作。それぞれタイプの違うミュージシャンながらも、こういう機会ではないとなかなかチェックしないアルバムなだけに、聴きごたえがありました。興味がある方は、手軽に楽しめるベスト盤なだけに、一度、是非。

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2025年10月 9日 (木)

Hot Albums1位2位は先週と変わらず

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

1位、2位は先週から変わりませんでした。

1位は先週に引き続きNumber_i「No.Ⅱ」が獲得。CD販売数は1位から13位に、ダウンロード数も1位から4位にダウンしましたが、ストリーミング数は1位をキープし、総合順位も2週連続の1位に。

2位も藤井風「Prema」が先週と同順位をキープ。CD販売数は9位から12位にダウンしましたが、ダウンロード数3位、ストリーミング数2位は先週から変わらず。

3位はCxM「HYPE VIBES」が獲得。CxMは韓国の男性アイドルグループSEVENTEENのS.COUPSとMINGYUからなるユニットで、本作がデビューミニアルバムとなります。CD販売数1位、ダウンロード数6位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上10万2千枚で1位初登場となっています。

4位以下初登場盤は、8位にTaylor Swift「The Life of a Showgirl」が獲得。世界的な人気を誇るアメリカのシンガーソングライター。K-POP以外の洋楽が苦戦する中で、別格の人気を感じます。ダウンロード数2位、ストリーミング数8位。また10位には韓国の女性アイドルグループi-dle「idle」が初登場。CD販売数2位、ダウンロード数11位。

ロングヒット盤では、Mrs.GREEN APPLE「10」が3位から4位にダウン、「ANTENNA」が先週と変わらず9位をキープ。「10」は13週連続、「ANTENNA」は通算54週目のベスト10ヒット。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は4位から5位にダウン。これで13週連続のベスト10ヒットに。TENBLANK「Glass Heart」は先週の6位から同順位をキープし、これで9週連続のベスト10ヒット。さらにSnow Man「THE BEST 2020-2025」は8位から7位にアップ。通算27週連続のベスト10ヒットとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsで1位を獲得したのはセカンドバッカー「犬とバカ猫」。セカンドバッカーは2023年結成の2人組バンド。シンプルなオルタナ系ギターロックのサウンドに、歌詞はベタベタで抒情的なラブソングになっています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週の1位はピノキオピー「愛属性」が獲得。ピノキオピーは2009年から活動しているベテランのボカロP。2位はサツキ「メズマライザー」がここにきて再度ランクアップ。3位はなきそ「いますぐ輪廻」が4位からランクアップし、2週ぶりのベスト3返り咲きです。

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2025年10月 8日 (水)

今週も米津玄師が1位2位

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に引き続き、米津玄師が1位2位に並びました。

まず1位は米津玄師「IRIS OUT」が3週連続で1位を獲得。ストリーミング数、動画再生回数いずれも3週連続1位、ダウンロード数も2位から1位にアップし、2週ぶりに1位返り咲きとなっています。また、2位も先週と変わらず米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」が獲得。ストリーミング数及び動画再生回数は先週に続き2位、ダウンロード数は1位から2位にダウン。結果、2週連続、米津玄師作品が1位2位に並びました。

そして3位には3週ぶりにミセスがチャートに帰ってきました。Mrs.GREEN APPLE「GOOD DAY」が初登場でランクイン。ラジオオンエア数1位、ダウンロード数及び動画再生回数3位、ストリーミング数4位。また今週「クスシキ」が13位から10位にアップし、3週ぶりにベスト10返り咲き。通算24週目のベスト10ヒットとなっています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、4位に吉本興業所属の男性アイドルグループOWV「BLACK CROWN」がランクイン。CD販売数1位、ラジオオンエア数7位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上4万1千枚で1位初登場。前作「Frontier」の初動2万5千枚(5位)からアップしています。

また9位にはロックバンドねぐせ。「織姫とBABY feat.汐れいら」がランクイン。ストリーミング数8位、動画再生回数9位。テレビ朝日系バラエティー「あざとくて何が悪いの?」エンディングテーマ。ねぐせ。は結成5年目の若手4人組バンド。昨年、テレビ朝日系「熱闘甲子園」テーマソングに「ずっと好きだから」が起用。歌詞の内容で炎上したことがネット上、話題になりました。本作は、シンガーソングライターの汐れいらを迎えての楽曲。6月に配信リリース後、徐々に人気を伸ばし、チャートイン10週目でのベスト10ヒットとなりました。歌詞的には若干、時期外れになってしまいましたが・・・。

その他、ロングヒット系では今週、HANAが3曲同時ランクイン。「Blue Jeans」は6位から5位、「BAD LOVE」が9位から7位、「ROSE」が10位から8位にそれぞれアップ。「Blue Jeans」は12週連続、「ROSE」も27週連続のベスト10ヒットとなりました。

また今週、アイナ・ジ・エンド「革命道中」が8週連続ベスト10ヒットを達成し、6位にランクインしています。アイナ・ジ・エンドは、女性アイドルグループBiSHの元メンバー。本作はTBS系アニメ「ダンダダン」主題歌となっており、大ヒットを記録しています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年10月 7日 (火)

ポップ感覚で楽しめる話題のピアニストのオリジナルアルバム

Title:Human Universe
Musician:角野隼斗

非常に今、注目を集めている日本人ピアニスト角野隼斗のオリジナルフルアルバム。ショパン国際ピアノコンクールでセミファイナリストに選ばれるなど活躍する一方、東大工学部卒と、なかなかいけすかない野郎なのですが(笑)、本作はクラシックアルバムとしては珍しく、チャートでベスト10入りを記録。その時も気になってはいたのですが、以前、本サイトでも紹介した「21世紀のクラシック新名盤 革新者たちの絶対必聴アルバム」でも新名盤として名前を連ねており、あらためて今回、本作を聴いてみました。

収録曲は、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」やラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ボレロ」など、クラシックに詳しくなくても一度は耳にしたことあるような曲をメインに、タイトル曲の「Human Universe」をはじめ、彼のオリジナル曲や、坂本龍一の「solari」や、映画「インターステラー」に使われた映画音楽「Day One」などが収録されています。

まず全体的に感じるのはクラシックというジャンルながらも非常にポップで聴きやすい構成になっている、という点でしょう。楽曲はいずれも3~6分程度の長さにおさまっており、ポップス感覚で聴くことが出来ますし、「Human Universe」「solari」など、比較的、ポップステイストの強い曲も並びます。また、クラシック曲にしても、比較的耳なじみやすい楽曲が並んでおり、クラシック初心者にとってもポップス感覚で楽しめるアルバムになっていたと思います。

おそらく彼自身、彼のリスナー層として普段、あまりクラシックを聴かないような層を意識している部分もあるのでしょう。ある意味、印象的だったのがラストの「7つのレベルのきらきら星変奏曲」で、オリジナルの「きらきら星変奏曲」からインスパイアされたこの曲は、おなじみの「きらきら星」のフレーズを様々なピアノのバリエーションで演奏。同じフレーズであっても、ピアノの弾き方によって多彩に変化する、ということを伝える楽曲となっており、ある意味、クラシック初心者層に対する聴き方のメッセージにも感じられました。

全体的には彼のピアノのタッチは非常に柔らかく優しいものを感じます。そのため、なじみある曲でもより優しくメロディアスに聴こえてくる印象があり、特に印象的だったのが「ボレロ」。この曲は最初は優しく、徐々に勇ましく変化していくパターンが多いのですが、イメージするよりも最初の部分がかなり優しくかつメロディアスにスタート。かなり優しい印象を受ける演奏になっていました。

クラシック的な要素もしっかりとフォローしつつ、ポップスリスナーにとってもなじみやすいアルバム。確かにいい意味でヒットしそうな印象を受けるアルバムですし、クラシックに親しむ最初の1枚としてもうってつけの作品ではないでしょうか。メロディアスなピアノのアルバムとして、とても楽しめる作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SeasonⅡ/聖飢魔Ⅱ

最近、しょっちゅう再結成ライブを行っていて、もう普通に活動再開でいいんじゃない?とも思う聖飢魔Ⅱですが、約3年ぶりとなるオリジナル大教典(=アルバム)をリリース。3年のインターバルって、普通に活動しているのと一緒じゃん・・・とも思うのですが(笑)。現在の構成員による大教典の制作も行いたかったらしく、基本的に聖飢魔Ⅱらしいヘヴィーメタルのアルバムとなっているものの、楽曲的にはかなり現代的。ヘヴィーメタルというよりもハードコア寄りな楽曲もあったりして、しっかり悪魔も時代にアップデートしていることを感じます。てか、そういう面も含めて、バリバリの現役じゃん。今後も継続的な活動を期待したいところです。

評価:★★★★

聖飢魔Ⅱ 過去の作品
XXX-THE ULTIMATE WORST-
BLOODIEST
聖飢魔Ⅱ 期間再延長再集結「35++執念の大黒ミサツアー -大阪-」
聖飢魔II 期間再延長再集結「35++執念の大黒ミサツアー -東京FINAL-」

太陽/BEGIN

途中、ベストアルバムや企画盤などのリリースも挟みつつ、純粋なオリジナルアルバムとしては実に約7年ぶりとなるニューアルバム。彼らの故郷、石垣島で録音・制作されたアルバムになっており、「MADE IN 石垣島」にこだわった作品。彼らの生まれ故郷で制作されたからこそ、かなり肩の力も抜けた作品になっています。そのため、非常にBEGINらしい楽曲が並んでおり、沖縄民謡やハワイアン、ブルースなどの要素を入れた楽曲に。正直、派手さはありませんでしたが、どの曲も非常に暖かい雰囲気があふれ出すような作品となっており、ほっこりとしたBEGINらしい魅力を感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★

BEGIN 過去の作品
3LDK
ビギンの島唄 オモトタケオ3
ビギンの島唄 オモトタケオのがベスト
トロピカルフーズ
Potluck Songs
BEGIN ガジュマルベスト
BEGINライブ大全集2
ビギンの盆マルシャ
BEGIN さにしゃんベスト

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2025年10月 6日 (月)

裸のラリーズのコアな部分を感じる

Title:拾得 Jittoku ‘76
Musician:裸のラリーズ

ここ最近、次々と過去のライブ音源がリリースされ、その全貌があきらかにされつつある裸のラリーズ。ただ、水谷孝逝去後にリリースされた一連の音源はいずれも80年代、90年代の音源だったのですが、ここに来て、1976年の音源がリリースされました。本作は1976年7月30日に京都のライブハウス、拾得で行われたライブの模様を収録された音源。以前、1977年のライブ音源はリリースされていましたが、それよりさらに1年前の音源ということになります。ちなみに今や京都を代表するライブハウスとして知名度の高い拾得ですが、1973年にオープンということで、ライブ会場としても開業したばかりの会場での録音となります。

メンバーは水谷孝(G/Vo.)とオリジナルメンバーの中村武志(G)、さらに頭脳警察にも参加していたことがある楢崎裕史(Ba)、吉祥寺のライブハウス「OZ」の元スタッフでOZバンドのメンバーでも三巻敏朗(Dr)の4人組の編成。このメンバーは、翌年のライブ音源をおさめた「'77 Live」と同じラインナップとなります。

まず、本作の特徴的なのは音が良いという点。このライブ音源、ラジカセの内臓マイクをつかって録音されたそうで、決して機材的には恵まれた状況での録音ではないのですが、録音状況は比較的、良い状態になっています。前作「屋根裏 YaneUra Sept. '80」もかなり録音状況のよい作品でした。正式な機材を用いて録音された前作には、さすがに及ばないものの、水谷孝のボーカルもしっかり捉えられており、会場を埋め尽くすフィードバックノイズも変にハウリングを起こすことなく、比較的クリアに収録されています。これだけの音源がしっかり残されていたというのはちょっと驚きでもあります。

そして、もっと大きな特徴なのが、彼らとしては比較的短い曲が多いという点。例えば、「'77 Live」ではほぼすべての曲が10分強。曲によっては20分近い曲も収録されている一方、このアルバムでは1曲あたり6~8分程度の曲がほとんど。10分を超える曲は2曲しか収録されていません。

そのため、曲の構成も「'77 Live」やそれ以降のラリーズの曲とはちょっと異なります。彼らの曲の特徴というと、いうまでもなく、これでもかというフィードバックノイズを延々と繰り広げるインプロビゼーションの連続。音圧で攻め寄せてくる圧巻の音世界が大きな特徴となっています。一方、本作でも、もちろんフィードバックノイズが特徴的ではあるものの、基本的には決まった構成のメロディー、歌が主軸となっている展開となります。

そういう意味では、他のラリーズのアルバムで感じるような、圧倒的なノイズに圧倒されるという感じではありません。ある意味、歌やメロディーがしっかり聴こえてくる曲であるがゆえに、聴きやすさすら感じるかもしれません。そういう意味では、比較的ラリーズの初心者向けと言えるかもしれません。ただ一方で、聴きやすいゆえに、裸のラリーズ独特の衝撃という点はちょっと薄いかもしれません。また、メロディーラインは、どうしても70年代的な要素を感じさせるものであり、今から聴くと若干「昔の」というイメージも否定できません。そういう意味では、裸のラリーズの最初の1枚としてこのアルバムを聴いてしまうと、「なんだこんなものか」と誤解してしまう危険性も否定はできません。

そういう点は気になりつつも、ただ、圧倒的なサイケなサウンドはこのアルバムでも健在。インプロビゼーション的な要素は薄めであるからこそ、逆に裸のラリーズのもっとも核になるような部分が表にあらわれているアルバムとも言えるかもしれません。そういう意味では、不気味な雰囲気満載のサイケなサウンドや水谷孝のメランコリックでダウナーな歌も実に魅力的。間違いなく、裸のラリーズがどんなバンドか知るためには、また欠かせないであろうアルバムがリリースされた、とも言えるかもしれません。

徐々にその姿が明らかになってきた裸のラリーズ。今後もこのような音源のリリースは続くのでしょうか。次は彼らのどのような姿を見せてくれるのか、今後の展開にも期待したいところです。

評価:★★★★★

裸のラリーズ 過去の作品
67-’69 STUDIO et LIVE
MIZUTANI / Les Rallizes Dénudés
'77 LIVE
CITTA'93
BAUS'93
屋根裏 YaneUra Oct.'80
屋根裏 YaneUra Sept. '80


ほかに聴いたアルバム

Eiichi Ohtaki’s NIAGARA 50th Odyssey Remix EP/大滝詠一

ナイアガラ・レコード50周年を記念したリミックス作品集。参加ミュージシャンとしてCorneliusやスチャダラパーのようなベテラン勢が参加している一方、Night Tempo、原口沙輔、Kroiの千葉大樹、さらにはMega Shinnosukeが「君は天然色」をカバー。ある意味挑戦的とも言える作品で、大滝詠一が存命だったら企画として許されなかっただろうなぁ・・・と思いつつ、案の定、大滝詠一のファンからは賛否両論というよりも否定的な評価がメインのよう。確かに、かなりガラッと変わっている部分もあるため、受け入れられなさそうな部分も感じつつ、ただ一方、ともすれば大滝詠一の曲をリアルタイムで全く聴いたことないような世代が、このように彼の楽曲をリミックスするのは、次の世代に引き継がれていくという意味で、非常に意義深いリミックスアルバムなのかもしれません。どうせならば、オールドファンからの反発上等で、もっと若手の、例えばボカロPとかをどんどん取り込んだリミックス盤とかリリースしたらおもしろいかも。

評価:★★★★

大滝詠一 過去の作品
EACH TIME 30th Anniversary Edition
Best Always
NIAGARA MOON -40th Anniversary Edition-
DEBUT AGAIN
NIAGARA CONCERT '83
Happy Ending
A LONG VACATION 40th Anniversary Edition
大瀧詠一 乗合馬車 (Omnibus) 50th Anniversary Edition
大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK/NIAGARA ONDO BOOK
暑さのせいEP
EACH TIME 40th Anniversary Edition
B-EACH TIME L-ONG 40th Anniversary Edition

BLACK LIST/BARBEE BOYS

BARBEE BOYSデビュー40周年企画のリマスター版。今回は1988年にリリースされた彼ら初となるベスト盤。4作目発売後にリリースされたベストアルバムながらも収録曲は1作目2作目が中心なのは、この時期、一気にブレイクした彼らが、ブレイクした後のあらたなファンに対して、過去の作品を聴いてほしいという思いからリリースしたのでしょうか。初期作品がメインということで、KONTAと杏子それぞれ別々にボーカルを取った作品も目立つのですが、初期代表曲が網羅されており、確かに最初の1枚としてはうってつけのベストアルバムといった感じになっています。

評価:★★★★★

BARBEE BOYS 過去の作品
Master Bee
1st OPTION
Freebee
3rd.BREAK
LISTEN! BARBEE BOYS 4

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2025年10月 5日 (日)

過去の作品を再解釈

Title:Hail to the Thief(Live Recordings 2003-2009)
Musician:RADIOHEAD

2018年以来、活動休止状態となっていたRADIOHEAD。しかし、11月からは約7年ぶりとなるライブツアーのスタートが予定されるなど、ここに来て再び動き出す様相を呈しています。その嚆矢的にリリースされたのがこのライブアルバム。2003年にリリースされた彼らの6枚目となるアルバム「Hail to the Theif」の曲をライブで演奏した時の音源を集めたライブアルバムで、2003年から2009年に、ロンドンやアムステルダムなど、複数の都市のライブ音源を収録した作品となっています。

もともと、アルバム「Hail to the Theif」は、彼らのアルバムとしては若干、中途半端な位置づけのアルバムでした。2000年にリリースした「Kid A」、2001年リリースの「Amnesiac」の後にリリースされた本作は、前2作がエレクトロニカを大胆に取り入れた、問題作であると同時に、彼らを代表する作品ともなりました。それに続く本作は、前2作を引き継ぐエレクトロニカ的路線を残しつつ、一方では「Kid A」以前のギターロック路線にも回帰したアルバムとなり、若干中途半端な印象も否めず。また、曲数の多さを批判するような声もあり、トム・ヨーク自身もネガティブに評価してきたようです。

今回のライブアルバムは、そのアルバム「Hail to the Thief」を再解釈する意味もあるアルバム。オリジナルアルバムの音源をオリジナルの曲順に並べており、ほぼオリジナルと対比する形で聴けるような作品となっています。その中で大きな特徴と言えるのは、ライブ音源だから、ということもあるのでしょうが、オリジナルに比べて、よりバンドサウンドを前に押し出したダイナミックな演奏を聴かせてくれる、という点でした。

アルバムの冒頭を飾る「2+2=5」は、「Amnesiac」までの雰囲気を引き継ぐような、鬱々とした雰囲気の楽曲でしたが、バンドサウンドでよりダイナミックなサウンドに仕上がっており、高揚感のある展開がオリジナルよりもより強まった印象に。続く「Sit Down.Stand Up」も、エレクトロニカの要素が強かったオリジナルに比べて、バンドサウンドを前に押し出したアレンジとなり、こちらもロックテイストが強くなった印象を受けます。

その後も「The Gloaming」もエレクトロニカのアレンジを残しつつ、バンドサウンドの色合いをより強めていますし、オリジナルでもロック色が強くダイナミックなアレンジだった「There,There」も、より力強さが増したアレンジに。ラストの「A Wolf At the Door」もよりロック色を強めたアレンジに仕上げています。

全体的にアレンジをガラリと変えるというよりも、オリジナルのアレンジを生かしつつ、バンドサウンドを前に押し出し、よりロックテイストを強めた作風に仕上げた構成に仕上げており、エレクトロニカとロックのバランスが若干中途半端という印象のあったオリジナルに比べると、ギターロックの方向性がより明確になった印象を受けます。バンドサウンドを強くしたという点は、ライブという特性によるものも強いのでしょうが、結果として「Hail to the Thief」というアルバムを再解釈し、全体に統一感を与える結果となっています。

また、今回のアルバムではオリジナルに収録されていた「Backdrifts」と「A Punch Up At A Wedding」は未収録。オリジナルでは14曲入り56分という長さでしたが、本作では12曲入り47分と、比較的コンパクトに収まっています。この点も「曲数が多すぎる」というオリジナルの批判に答えたものでしょう。結果、よりアルバムとしてタイトにまとまっていたように思います。

ライブ音源という形で「Hail to the Thief」を再解釈したこのアルバムは、活動を再開するにあたって、RADIOHEADのいままでの活動の中での心残りを解消するためにリリースされたアルバムと言えるかもしれません。個人的にオリジナルアルバムの方も、エレクトロニカ路線を経て、あらたな方向性を模索するアルバムとしていいアルバムだと思うのですが、こちらもこちらでより方向性が定まったアルバムとして魅力的。オリジナルを聴いたことない方が、最初にどちらを聴くべきか悩むところですが・・・。ただ、ライブ盤としてスルーするのではなく、こちらのアルバムも要チェックな1枚であることは間違いないでしょう。ついに活動再開するRADIOHEAD。次のオリジナルアルバムも楽しみです。

評価:★★★★★

RADIOHEAD 過去の作品
In Rainbows
The Best Of
ROCKS:Live In Germ
THE KING OF LIMBS
TKOL RMX 1234567
Radiohead Live at Tramps June 1,1995
A MOON SHAPED POOL
OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017
KID A MNESIA

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2025年10月 4日 (土)

前作とはまた異なるミッシェルの魅力

Title:カサノバ・スネイク
Musician:thee michelle gun elephant

現在、デビュー30周年のプロジェクトとして、過去作のリマスター音源を、LP及び配信でリリースしているTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT。本作は2000年にリリースされた彼らのメジャー5枚目となるアルバム。2000年といえば、この年のフジロックで、彼らが日本人としてはじめて2日目のトリをつとめ、3日目のトリをつとめたBLANKEY JET CITYと合わせて大きな話題となった年。一方では、この事実を当時のロックファンはすんなりと受け止めていたので、それだけこの頃、彼らが海外勢に負けない日本のロックバンドの代表格として認識されていたということになります。

売上的にもオリコンチャートで最高位7位を獲得し、名実ともに日本のロックバンドの顔となっていた彼ら。ちなみに私は前作「ギア・ブルース」に続いてこのアルバムもリアルタイムで聴いていたアルバムとなりますが、このアルバムを聴いた当時、正直、かなりの違和感を持って迎え入れたのを覚えています。というのも、ヘヴィーなバンドサウンドで怪しげにパンクロックを聴かせてくれた前作に比べると、このアルバムかなり爽やかな雰囲気で、なおかつポップにまとまってきたからです。

冒頭を飾る「デッド・スター・エンド」も、チバユウスケのシャウトも印象的な、疾走感あるパンキッシュなナンバーですが、バンドサウンドは重低音を生かしてた前作と比べると、かなり軽いという印象を受けます。「プラズマ・ダイブ」も、ダンサナブルな楽曲で、ポップな聴きやすさがありますし、当時、MVも作られた「リボルバー・ジャンキーズ」は今聴いても、ポップという印象を受けるメロディーラインとなっています。

その後も先行シングルとなった「GT400」も、やはりメロディーラインは至ってポップにまとまっていますし、タイトル通り、ダンサナブルな「ピストル・ディスコ」という楽曲もあります。当時もそのように感じていましたが、やはり今聴いても、特に前作「ギア・ブルース」と比べると、軽くて、そしてポップという印象を受ける作品となっています。

ただ、リアルタイムで聴いた当時はちょっと物足りなさも感じたこの路線ですが、今からあらためて聴くと、本作は前作「ギア・ブルース」に勝るとも劣らない傑作だったと感じます。特にヘヴィーだった前作に比べると軽さを感じるバンドサウンドについても、軽快なロックンロールの色合いが強くなったように感じますし、魅力的なチバユウスケのシャウトや疾走感あるバンドサウンドに対して、ポップなメロディーラインもちょうどよくバランスしており、いい意味での聴きやすさも感じさせます。もともと初期の作品からメロディーラインに関しては意外とポップな側面を持っていたバンドなだけに、特にこのデビュー30周年のプロジェクトとして過去の作品から続けて聴くと、今回のアルバムでもさほど違和感はありません。

また一方で今回のアルバムでも「ラプソディ-」「シルク」みたいな、ヘヴィーなバンドサウンドでグルーヴィーに聴かせてくれる曲も少なくなく、あらためて聴くと、思ったよりもしっかりバンドとしてのグルーヴ感やヘヴィネスさも出していたように感じます。ここらへんの点もアルバム全体としてバランスが取れているようにも感じました。

そもそも、重低音を押し出した「ギア・ブルース」の後に、サウンド的にはもうちょっと軽い路線を狙った本作という、バンドとして様々なバリエーションを提示した、という意味でも本作は間違いなく前述の通り、前作に勝るとも劣らない傑作アルバムである、ということを今回再認識しました。本作のリリースから既に25年を経過した、というのは驚くべきことなのですが、今でも間違いなく魅力的なロックの名盤だと思います。あらためて彼らのすごさを実感させられる1枚でした。

評価:★★★★★

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 過去の作品
THEE GREATEST HITS
cult grass stars
High Time
Chciken Zombies
GEAR BLUES


ほかに聴いたアルバム

青春謳歌 カバーアルバム/ガガガSP

本作はガガガSPが青春パンクブームから共に切磋琢磨した、彼らが愛してやまないバンドの曲をカバーしたカバーアルバム。今年2月、ベースの桑原康伸が44歳という若さでこの世を去るというショッキングなニュースが飛び込んできた彼らですが、ジャケット写真のメンバーは変わらず4人。改めてバンドとしての原点を探ったアルバムなのかもしれません。楽曲は、いかにも青春パンクバンドらしい楽曲から、ちょっと意外なところではマキシマム・ザ・ホルモンの「アナル・ウイスキー・ポンセ」も、ちゃんとデス声ふくめてしっかりとカバー。B-DASHの「愛するPOW」も「適当アドリブめちゃくちゃ語」でちゃんとカバー。非常にシンプルなパンクバンドである彼らですが、タイプの異なるバンドの曲も、ちょっとチグハグ感を残しつつ、愛情たっぷりにカバーしています。ちなみにBivattchee「はんぶんこ」は、桑原が生前、カバーを強く希望していた楽曲だそうで、バンドとしての思いを感じさせます。彼らがカバーしやすい楽曲というよりも、愛してやまないバンドの曲を選んでいるということもあって、カバーとしてはどこかぎこちなさが残ってしまっているのですが、その分、バンドへの愛情を感じられるカバーアルバムでした。

評価:★★★★

ガガガSP 過去の作品
くだまき男の飽き足らん生活
自信満々良曲集

ガガガを聴いたらサヨウナラ
ミッドナイト in ジャパン
ガガガSPオールタイムベスト~勘違いで20年!~
ストレンジピッチャー
THEガガガSP

Electricity Remixes/宇多田ヒカル

ベストアルバム「SCIENCE FICTION」に新録として収録された「Electricity」を、様々なプロデューサーによってリミックスされたEP盤。ロンドンを拠点に活動するDJ/プロデューサーのKaren Nyame KGや、マンチェスター在住のDJ/プロデューサーsaluteによるリミックスもカッコいいのですが、何よりやはり耳を惹くのはビョークなどとの仕事でもおなじみのArcaによるリミックス。Arcaらしい複雑かつ独特なサウンドが耳を惹きつけるアレンジになっています。いずれの曲も、よりエレクトロ色が濃くなった作品に。ファンならチェックしたいリミックス盤です。

評価:★★★★

宇多田ヒカル 過去の作品
HEAT STATION
This Is The One(Utada)
Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2
Fantome
初恋
One Last Kiss
BADモード
Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios
SCIENCE FICTION
HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024

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2025年10月 3日 (金)

89歳にして挑戦心あふれる新作

Title:Ain't Done With The Blues(邦題:終わりなきブルースの旅)
Musician:Buddy Guy

ブルース界におけるリビング・レジェンド、Buddy Guy。1960年代、70年代の、まだ多くのレジェンドたちが現役で活動を続けていた時代から活動を続けて、いまだに現役を続ける数少ないブルースミュージシャンとなってしまった彼は、なんと今年で89歳(!)。そんな年齢にも関わらず、いまだに精力的な活動を続けており、ここに来て約3年ぶりとなるアルバムを、彼の89歳の誕生日である89歳でリリースしてきました。

その年になっても第一線で活動を続ける彼のアグレッシブさには驚嘆しますが、ただ正直、アルバムを聴き始めて、最初はちょっと不安になりました。アルバムの冒頭を飾る「Hooker Thing」はJohn Lee Hookerの「Boogie Chilen」のオマージュの、1分程度の短いナンバー。シンプルなギターこそ、味わいの深さを感じるのですが、そのボーカルは明らかによれよれで、89歳のそれ。ある程度、よれよれのボーカルもブルースにとっては「味わい」となってプラスに影響するのですが、この曲の場合は、まず彼の寄る年波を感じて心配になってしまいました。

しかし、そんな不安は続く2曲目「Been There Done That」で吹き飛びます。力強いグルーヴィーなギターサウンドで、ブルースよりもハードロック寄りにすら感じるパワフルな楽曲で、彼のいままでのキャリアを誇りつつ"still alive and well"と歌い上げる彼の歌声はヘヴィーなバンドサウンドに負けることなくパワフル。現役感バリバリの力強さを感じさせます。

さらに今回のアルバムで非常におもしろいのは、ブルースに限らずこの年齢になって幅広いジャンルからの影響を取り入れた挑戦心を感じさせる点でしょう。前述のハードロック的な「Been There Done That」にはじまり、「I Got Sumpin' For You」は軽快なリズムでロックンロールの色合いが強い作品になっていますし、「Jesus Loves The Sinner」は、タイトルからしてもそうなのですが、ゴスペルの影響を受けた作品。かのゴスペルグループThe Blind Boys of Alabamaも参加した作品に。「I Don't Forget」はバンドサウンドにはサイケの要素も感じますし、「Send Me Some Loving」はムーディーでメロウは60年代ソウルな作風となっています。

基本的にはブルースを基調としつつも、そんなブルースというジャンルに留まらない挑戦心を感じさせる今回のアルバム。全体的にはヘヴィーなバンドサウンドを前に押し出したような作品が多く、一方、それに全く負けていない彼のボーカルも強い印象に残ります。一方では、昔ながらのブルースの王道路線もしっかりと意識しており、ギターとピアノで力強く聴かせる「Blues Chase The Blues Away」や同じくピアノでムーディーに力強く聴かせる「Love On A Budget」など、これぞブルースといったナンバーも目立ちます。

さらには前述のJohn Lee Hookerに捧げた曲の他にもLightnin' Hopkinsに捧げた「One From Lightnin'」やJ.B.Lenoirの「Talk To Your Daughter」のカバーなどもあり、先人に対する敬意も強く感じさせます。

ここ最近の彼の作品は、昔ながらのブルースをなぞったような、良く言えば安定感を感じさせる一方、悪く言えば、目新しさもなく、昔取った杵柄で活動を続けているような作品が続いており、とはいえ、彼の年齢といままでのキャリアを考えれば仕方ないな・・・とも思っていたのですが、そんな中、89歳という年齢でリリースされた新作が、これほど挑戦心にあふれる1枚となっていたのが驚きです。オレはまだまだ現役だ、という彼の強い主張も感じさせるアルバムになっていました。2023年にはフェアウェルツアーを開始し、それも途中に体調の悪化により延期になるなど、心配していたのですが、このアルバムを聴く限りだと、まだまだ元気そうで、まだまだ次の新作、その次の新作も期待できそう。Buddy Guyのこれからの活躍にも期待したくなる傑作でした。

評価:★★★★★

Buddy Guy 過去の作品
LIVING PROOF
Live at Legends
RHYTHM&BLUES
THE BLUES IS ALIVE AND WELL
The Blues Don't Lie

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2025年10月 2日 (木)

4週連続はならず!

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週まで3週連続1位だった藤井風のアルバム「Prema」でしたが、今週は2位にダウン。残念ながら4週連続の1位とはなりませんでした。

代わって1位を獲得したのはTOBE所属の男性アイドルグループNumber_iの2枚目となるフルアルバム「No.Ⅱ」が獲得。CD販売数、ダウンロード数及びストリーミング数いずれも1位を獲得し、総合順位も1位となっています。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上3万2千枚で2位初登場。ちなみに前作「No.Ⅰ」はCDリリースが公式通販サイトのみだったようで、オリコンではランク対象外となっていました。

3位はMrs.GREEN APPLE「10」が3週連続で3位をキープ。これで12週連続のベスト10ヒット&通算11週目のベスト3ヒットとなります。またミセスは「ANTENNA」が先週と同順位の9位をキープ。こちらは通算53週目のベスト10ヒットとなりました。

4位以下初登場盤では4位に矢沢永吉「I believe」が初登場。オリコンでは本作が初登場1位を獲得しています。7位にはVTuberアイドルグループすとぷりのメンバー、さとみ「S's」が初登場。また、10位にはZEROBASE ONE「NEVER SAY NEVER」が先週の12位からランクアップし、2週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。

ロングヒット盤は、「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」が先週と変わらず4位をキープ。これで12週連続のベスト10ヒットとなります。Snow Man「THE BEST 2020-2025」は先週からワンランクダウンの8位に。通算26週目のベスト10ヒットとなりました。また今週、TENBLANK「Glass Heart」が6位にランクインし、8週目のベスト10ヒットを記録しています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songs1位はNikoん「(^。^)//ハイ」。ミュージシャン名や楽曲タイトルからボカロ系かと思いきや、2024年にフジロックの「ROOKIE A GO-GO」への出場経験もある男女2ピースのロックバンド。本作は9月24日リリースの2ndアルバム「fragile Report」収録曲なのですが、本作はサブスク、ダウンロード共にデジタル配信は一切行わず、CDのみでの販売。本作も、動画サイト含めネット上では一切音源が聴けないという、今時珍しい形態となっています。本作はラジオオンエア数で見事1位を獲得し、Heatseekers Songsでも1位を獲得。Hot100では40位にランクインしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

ボカロチャートでは煮ル果実「オーパーツ」が2週連続で1位を獲得。また、DECO*27「モニタリング(Best Friend Remix)」が先週に引き続き2位をキープ。また、3位にいよわ「熱異常」がベスト20圏外からランクアップし、ベスト3入りしています。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年10月 1日 (水)

米津玄師がワンツーフィニッシュ!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は、なんと米津玄師の作品が1位2位に並ぶ結果となっています。

まず1位は先週から引き続き米津玄師「IRIS OUT」が獲得。ストリーミング数及び動画再生回数は先週から引き続いての1位。ダウンロード数は1位から2位にダウン。今週はCD販売数も加わり、こちらが3位にランクイン。総合順位は見事1位となっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上23万4千枚で2位初登場。ただ、前作「Plazma」の初動28万1千枚(1位)からはダウンしています。

さらに2位には米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」が初登場でランクイン。映画「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」エンディングテーマ。まさに超大物SSW同士のコラボとなっています。ダウンロード数1位、ストリーミング数及び動画再生回数2位、ラジオオンエア数6位。

この米津玄師2作品に続いたのも初登場曲。3位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ超特急「NINE LIVES」がランクイン。CD販売数1位、ストリーミング数9位、ラジオオンエア数2位。オリコンでは本作が初動売上28万7千枚で1位初登場。前作「AwA AwA」の初動13万8千枚(1位)からアップ。

今週は以下も初登場が続きます。4位には秋元康系。SKE48「Karma」がランクイン。CD販売数2位。オリコンでは初動売上23万1千枚で3位初登場。前作「Tick tack zack」の初動19万1千枚(2位)よりアップ。

5位には吉本興業と韓国のCJ ENMの合弁会社LAPONEエンタテイメント所属の男性アイドルグループDXTEEN「両片想い」がランクイン。CD販売数4位、ラジオオンエア数8位。オリコンでは初動売上7万8千枚で4位初登場。前作「Tick-Tack」の初動5万5千枚(2位)よりアップしています。

さらに7位には、SKY-HIが設立したBMSG所属の男性アイドルグループSTARGLOWの配信限定シングル「Moonchaser」が初登場でランクイン。ダウンロード数5位、ラジオオンエア数4位、動画再生回数3位。

そんな訳で、新譜ラッシュとなった今週のチャート。一方、今週もHANAは3曲同時ランクイン。「Blue Jeans」は5位から6位に、「BAD LOVE」は7位から9位に、「ROSE」は8位から10位に、それぞれダウンしていますが、いずれもベスト10をキープしています。これで「Blue Jeans」は11週連続、「ROSE」も26週連続のベスト10ヒットとなりました。

一方、今週は新譜ラッシュだった影響で、Mrs.GREEN APPLEは「クスシキ」の13位が最高位で今週もベスト10返り咲きならず。このままベスト10から姿を消すのか、返り咲きがあるのか・・・来週以降の動向も気になります。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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