伝説のライブが初公式音源化
Title:Live At The Oval 1971
Musician:THE WHO
いままで、非公式音源としてしか出回らなかったTHE WHOのライブ音源が公式音源としてリリース。大きな話題となっています。1971年9月18日、ロンドンのケニントンにあるオーバル・クリケット場で行われたバングラデシュの飢餓救済のためのロック・コンサート「Goodbye Summer」のヘッドライナー公演を収録した本作。この1ヶ月前に彼らの代表作とも言える「WHO'S NEXT」をリリースしたばかりの彼ら。まさに彼らの全盛期のパフォーマンスを収録した作品となってます。
そんなライブアルバムなのですが、陳腐な表現になってしまうのですが、メチャクチャカッコいい!!THE WHOについては、いままで彼らの代表的なオリジナルアルバム「WHO'S NEXT」や「Tommy」を聴いた程度でさほど詳しくありません。彼らのライブ音源を聴くのはこれがはじめてなのですが、正直、これほど迫力あるヘヴィーな演奏が聴けるとは思いませんでした。
とにかくカッコいいのがピート・タウンゼントのギター。オープニングに続いて事実上の1曲目で、彼らの代表曲とも言える「Summertime Blues」からスタートするのですが、エッジの効いたノイジーなギターで、まさにグイグイと迫ってきます。その後も「Won't Get Fooled Again」や「Pinball Wizard」をはじめとしたヘヴィーなギターが大きな魅力。THE WHOというと、正直いままで、あまり聴いてこなかったこともあり、ツェッペリンなどと比べるとヘヴィーロックといったイメージはなかったのですが、今回のアルバムでイメージが大きく変わりました。
そしてそのギター以上にバンドの特徴を決定づけているのがキース・ムーンのドラムでしょう。彼ももちろんダイナミックなドラミングを聴かせてくれるのですが、そのプレイがかなり独特。かなり手数が多く、遊びも多い自由なドラムプレイがかなり独特で耳を惹きます。一方、それだけ自由なドラムプレイにかかわらず、リズムを崩したり、暴走したりするわけではなく、その独特なプレイで自己を主張している一方、しっかりとバンドのリズムを下支えしている点、その実力のほどを実感させられます。
いまから50年以上前の演奏にも関わらず、今聴いてもその迫力は全く見劣りする部分はありませんし、彼らの代表曲「My Generation」などは、今から聴くとパンキッシュと称されそうな疾走感と迫力があります。現代のロックに慣れ親しんだ耳でも、全く違和感なく楽しめるばかりか、むしろシンプルでエッジに効いた演奏は、今のロックよりも魅力的とすら感じる方もいるのではないでしょうか。
THE WHOがどれだけカッコいいバンドだったか、というのを再認識できたライブアルバム。私自身、このアルバムではじめて、THE WHOがこれだけヘヴィーなバンドだったと知ったので、あまり偉そうなことは言えませんが、ロックリスナーならばまずは聴いておくべきアルバムだと思います。申し分ない傑作ライブアルバムでした。
評価:★★★★★
THE WHO 過去の作品
Endless Wire
WHO













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