ユーモアセンスも感じられるメロウなHIP HOP
Title:Nighborhood Gods Unlimited
Musician:Open Mike Eagle
ロサンゼルスを拠点に活動するラッパーによる最新アルバム。ちなみにコメディアンとしても活動しているのだとか・・・。今回のアルバムは、「予算が少なすぎて週に1時間しか放送できない架空のケーブルテレビ局からの特番」というコンセプトを元に作成されたのだとか。なかなかユニークかつユーモラスな発想の下でのアルバムですが、こういうユニークな発想がコメディアンとしても活動している彼ならでは、といったところなのでしょうか。
そんな短い時間でいろいろと詰め込んだテレビ番組のように、バラエティーに富んだ展開が魅力的な作品。テレビ番組のオープニングのような、何かがはじまりそうな「woke up knowing everything」からスタート。語るようなラップが印象的な「me and aquil stealing stuff from work」、さらにはメロウなトラックが印象的な「contraband (the Plug has bags of me)」「almost broke my nucleus accumbens」へと続きます。
その後もジャジーなトラックが印象的な「mirror pieces in a leather bound briefcase」、淡々とした雰囲気のサウンドでダウナーに聴かせる「a dream of the midnight baby (not a euphemism)」、不穏でメタリックなエレクトロサウンドが特徴的な「sorry I got huge (also not a euphemism)」と、全体的にメロウなトラックとフロウの作品の中でもバラエティー富んだ展開を最後まで聴かせてくれます。
ちなみにアルバムのテーマとしてはデジタル依存や情報社会による自己の断片化をテーマにしているとか。こちらはリリックが詳しくわからないため、詳細なことは言えないのですが、「ok but I'm the phone screen」では携帯を失った悲哀を歌われているそうで、ある意味、身近かつユーモラスを感じるテーマ設定も大きな魅力といったところなのでしょうか。
あとジャケットの写真は頭がオーディオのデッキになっている人間で、この意図は不明なのですが、このジャケット写真もどこかコミカル。こちらに関しては、日本人にとっては「映画泥棒」に似ているように感じてしまうのですが(笑)。
貧乏なケーブルテレビ局の特番、とは思えないようなバラエティー富んだ豪華な内容のようにも思うのですが、メロウなトラックは耳を惹きますし、いろいろなところで感じさせるユーモアセンスもリスナーを楽しませてくれます。全編、メランコリックなフロウのメロディアスな内容ですので、HIP HOPリスナー以外でも楽しめそう。このアルバムも各所で絶賛されているようですが、それも納得の傑作でした。
評価:★★★★★
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