グレートな5人のベスト盤
Title:GREATEST FIVE
Musician:RIP SLYME
今年、一番驚いた音楽ニュースのひとつにRIP SLYMEが5人で活動再開するというニュースがありました。「雑念エンタテインメント」や「楽園ベイベー」など、2000年代に数多くのヒット曲をリリースし、一世を風靡した5人組のHIP HOPグループ。しかし2017年にメンバーのSUが、自身の不倫騒動のため活動休止。4人での活動を続けてきたものの翌年にはグループとしても活動休止。さらにはPESが、RIP SLYME時代のメンバーからいじめにあったことをほのめかすような発言をし、大きな話題となりました。そんな状況でまさに分裂した彼らなだけに、活動再開は難しいものと思われていました。
しかし昨年より、ILMARIとPESが話し合いを続け、今年4月、正式に活動再開を発表。4月にはシングル「どON」をリリースした後、7月には3枚組となるベストアルバムである本作をリリースしました。代表曲はもちろん、「どON」をはじめ今回の活動再開後にリリースされた楽曲やくるりとのコラボ曲「ラヴぃ」や、布袋寅泰へのトリビュートアルバムに提供した「バンビーナ」など、まさに彼らの楽曲を網羅的に収録。さらに、PESとSUが不在の時期に制作された「サヨナラSunset」を、PESとSUを交えた形でリメイクするなど、ファンにはうれしい楽曲も収録されています。
さて、今回のベストアルバムで、久々にRIP SLYMEの楽曲をまとめて聴いたのですが、まず強く感じたのは、RIP SLYMEの曲って、こんなに楽しかったんだ!!ということ。もちろん、基本的にデビュー作からRIP SLYMEのアルバムはすべて聴いているので、彼らの曲が楽しいということは知っていたのですが、聴いていてワクワクと心が踊るようなリズミカルで楽しい曲の連続。さらに楽曲は様々なジャンルの要素を取り込んで、サウンドには色とりどりの音を取り込んだ作品は聴いていて本当に楽しく、次はどんな曲を聴かせてくれるんだろう・・・と、ほとんど初耳の曲はないのですが、そんなワクワク感を覚えながら全48曲、3時間半にも及ぶボリューミーなベストアルバムを一気に聴くことが出来ました。
基本的に「楽園ベイベー」のようなラテン風のリズムを取り入れた曲が目立つのですが、ファンクを取り入れた「FUNKASTIC」やジャジーなトラックを聴かせる「BLUE BE-BOP」、EDMを取り入れた「Good Day」やジャジークラブを取り入れて軽快なビートを聴かせる「JUMP」などなど、次々と異なるタイプの楽曲が展開されていきます。一方では「One」のようなメランコリックに聴かせる歌モノもあったりしますし、布袋寅泰のカバー「バンビーナ」は遊び心たっぷりの楽しいカバーに。最初から最後まで一切飽きさせません。
今回の新曲「どON」も、彼ららしい軽快なナンバーですし、それに続く「Wacha Wacha」はお祭り囃子を取り入れたという、ここに来てあらたな挑戦を感じさせる楽曲に。メジャーデビューしてから25年、今なおそのスキルは全く衰えていないことを感じさせます。
そしてやはり大きな魅力なのがラッパー4人によるマイクリレー。なによりも高音部を担当するPESと低音部を担当するSUが楽曲にメリハリと大きなインパクトを与えており、RIP SLYMEの魅力のひとつなのは間違いないでしょう。あらためて今回、5人での復活という形をうれしく感じます。
ただ、残念ながら活動再開は1年限りだそうで、「ちゃんと句点(。)をつけるため」と語っているそうです。文字通り取れば、これで区切りをつけてRIP SLYMEは正式に解散・・・とも読み取れてしまい、大変気になります。今回の活動再開で、やはり5人での活動は楽しく、活動継続、という形になればうれしいのですが・・・。今回のベスト盤に収録されている、今回の活動再開について綴ったような新曲「結果論」ではかなり前向きの歌詞が綴られており、そういう意味では今後の活動に期待してしまうところなのですが・・・。ともかく、RIP SLYMEの魅力と実力を再認識したベストアルバム。ボリューミーな内容ですが、バラエティー富んだ楽しい楽曲は、一気に飽きることなく聴くことが出来るため、RIP SLYMEを知っている方はもちろん、初心者の方にも是非とも聴いてほしいベスト盤です。
評価:★★★★★
RIP SLYME 過去の作品
FUNFAIR
JOURNEY
GOOD TIMES
BAD TIMES 2000-2010 URA-BAN BEST
STAR
GOLDEN TIME
10
DIGEST 10
ほかに聴いたアルバム
Amazing/Superfly
いままでシングルやアルバムの特典としてカバーアルバムが付属するケースはあったのですが、独立した作品としては初となるカバーアルバム。ミスチルの「彩り」やスピッツの「渚」のような作品から、嵐の「果てない空」のようなアイドル系やMrs.GREEN APPLE「僕のこと」のような最近の楽曲まで様々な作品をカバーしています。越智志帆の力強いボーカルが魅力的である一方、全体的には原曲重視の淡々としたカバーが多く、正直、Superflyとしての色はあまり感じれない印象。ちょっと印象が薄すぎて、オリジナルとしてはあれだけパワフルな楽曲を聴かせてくれるSuperflyの作品としてはちょっと薄味すぎて、物足りなさも感じる作品でした。
評価:★★★
Superfly 過去の作品
Superfly
Box Emotions
Wildflower&Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'
Mind Travel
Force
Superfly BEST
WHITE
黒い雫 & Coupling Songs:`Side B`
Superfly 10th Anniversary Greatest Hits “LOVE, PEACE&FIRE”
0
Heat Wave
15th Anniversary Live Best
けっかおーらいEP/こっちのけんと
昨年「はいよろこんで」が大ヒットを記録したシンガーソングライターこっちのけんとの初となるEPかつ初となるCD作品。表題曲「けっかおーらい」はアニメ「ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-」主題歌となっており、エレクトロアレンジの軽快なポップチューンに。大ヒットした「はいよろこんで」も「THE FIRST TAKE」でのバージョンが収録されています。明るくポップで、いい意味で気軽に聴けるようなポップチューンがならんでおり、「はいよろこんで」だけではないこっちのけんとの魅力を垣間見れる作品。最近のミュージシャンらしく、配信シングル主体の活動が続いているのですが、是非アルバムも聴いてみたいなぁ。
評価:★★★★
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