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2025年9月

2025年9月30日 (火)

美しいハーモニーが魅力的なスーパーグループ

Title:Wild and Clear and Blue
Musician:I'm With Her

ヴァイオリン、ギター、ウクレレを担当するSara Watkins、バンジョーやマンドリンを担当するSarah Jarosz、そしてキーボード担当のAoife O'Donovanの女性3人からなるアメリカのフォークバンド、I'm With Her。もともとメンバーそれぞれソロミュージシャンとして活動しており、特にSarah Jaroszはソロとしてグラミー賞受賞の経験もあるような実力派ミュージシャン同士の組んだスーパーグループ。2020年には彼女たちの曲「Call My Name」がグラミー賞の最優秀アメリカン・ルーツ・ソング賞を受賞するなど、このバンドとしてもその実力を遺憾なく発揮しています。

そんな彼女たちの楽曲は前述の通り、ギターやヴァイオリンを中心とした非常にシンプルなサウンドで奏でる、フォークソングやカントリーソングが特徴的。いわゆる典型的なアメリカーナのミュージシャンとなるのでしょうが、シンプルなアレンジでしっかりと「歌」を聴かせるスタイルという点が最大の特徴と言えるでしょう。ちなみにシンプルながらもシンセやオルガン、ハーモニウムなど、意外と多彩なサウンドを取り入れており、この点はもっとシンプルにアコギメインのアレンジだった前作「See You Around」に比べて、グッと音数が増したそうです。ただ、それでも聴いていて「シンプル」という印象を抱くのですが。

それだけに正直言えば目新しさという点はあまりありません。ただし、そんなマイナス点を十分に克服できるだけの、メロディーラインの素晴らしさがある点が本作の大きな魅力と言えるでしょう。タイトルチューンでもある「Wild and Clear and Blue」の切なさを感じさせるメロディーラインも非常に魅力的ですし、終盤の「Year After Year」の力強さと切なさを同居したメロディーラインも実に魅力的です。

そしてなによりも本作の大きな魅力となっているのは、メンバー3人による美しいハーモニーでしょう。冒頭を飾る「Ancient Light」から、そのハーモニーの美しさが遺憾なく発揮されていますし、なによりもそのハーモニーが引き立っているのが、先行シングルでもある「Standing on the Fault Line」。見事な3人のハーモニーの美しさにしばし聴き惚れてしまう、切ないメロディーラインが特徴的です。

前述の通り、彼女たちの楽曲、スタイルに目新しさは感じません。しかし、目新しくないシンプルなスタイルだからこそ、美しいメロディーラインやハーモニーが際立ったアルバムになっていたのではないでしょうか。シンプルながらも、いやシンプルだからこそ、非常に魅力的な傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

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2025年9月29日 (月)

郷愁感たっぷりの長尺曲が並ぶ

Title:New Threats From the Soul
Musician:Ryan Davis & the Roadhouse Band

Newthreatsfromthesoul

今回紹介するアルバムは、ケンタッキー州ルイビル出身のミュージシャン、ライアン・デイビス率いるRyan Davis&the Roadhouse Bandのアルバム。本作が2作目のアルバムとなるのですが、各種メディアなどにも高く評価されているようで、注目を集めるアルバムとなっています。

まず本作で特徴的なのは、約57分という長さのアルバムであるにも関わらず、わずか7曲入りという点。5曲という長さの曲もありますが、ほとんどの曲が7分~9分、さらには「Mutilation Springs」に至っては11分49秒という長さの楽曲となっています。1曲1曲がかなり長く、しっかりと聴かせるという構成になっています。

楽曲はいわゆるアメリカーナといわれるようなジャンル。カントリーやフォークに、ロックの要素も加えたようなポップソングが並んでいます。爽快なサウンドにのせてメランコリックに聴かせるフォーキーなタイトルチューン「New Threats From The Soul」からはじまり、しんみり郷愁感たっぷりの「Mutilation Springs」、おなじく郷愁感あふれるメロディーラインでしっかりと歌い上げる「The Simple Joy」など、基本的にはタイプ的には似たような曲が並ぶのですが、単なるノスタルジックなアメリカーナというだけではなく、曲によってはサイケなギターが加わったり、打ち込みやシンセも取り入れていたりと、現代風に解釈したおもしろさも感じられます。

一方で、本作の大きな魅力なのが歌詞の世界のようで、歌詞の内容としては自らの魂を見つめ、またそれによる不安、あるいは自己破壊衝動などを歌っているそうです。正直、メロディーやサウンドはかなり爽やかな印象ですので、このような歌詞の内容なのは、英語がわからない私からするとかなり意外性があるのですが、それを独特な比喩表現や言い回しなどによって歌っている内容がかなり大きな評価を得ているようです。

そのため、今回、楽曲1曲あたりが長いのですが、長尺曲にありがちな、延々とインプロビゼーションが続く、とか、楽器のソロパートが続き、とかそういった感じではありません。7分なり9分なり、彼が延々と歌い続ける内容となっており、それだけ楽曲の歌詞の世界の深淵さを感じさせる内容となっています。ただ、残念ながらこの歌詞の魅力が、英語が苦手な私にとってはいまひとつ感じれない点が非常に残念な限りなのですが・・・。

また、もうひとつ大きな魅力になっているのが、本作で聴かせてくれる男性ボーカリストと女性ボーカリストのかけ合い。今回、女性ボーカリストとしてWill Lawrenceというミュージシャンが参加しているのですが、彼女の清涼感あるボーカルが、この楽曲の中のちょうどよいインパクトとなっています。この点もまた、本作の大きな魅力に感じました。

長尺曲が多く、楽曲のバリエーションよりも歌詞が大きな魅力、という点で、非英語圏の人間にとっては無条件でおすすめといった感じではない点もあるのですが・・・ただ一方、郷愁感たっぷりの歌はやはり魅力的なのは間違いないでしょう。今後、日本でも徐々に注目を集めていきそうな予感のある1枚でした。

評価:★★★★

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2025年9月28日 (日)

シンプルな3ピースバンド形態でロックなステージを見せる

STING 3.0 TOUR

会場 IGアリーナ 日時 2025年9月17日(水)19:00~

今回は、STINGのライブに足を運んできました!正直なところ、格別大ファン、という訳ではないのですが、やはりレジェンドクラスのミュージシャンのライブには、今のうちに足を運んでおきたい、という気持ちもあり、今回、ライブに参加してきました。

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会場はIGアリーナ。7月に新しくできたばかりの多目的アリーナで、収容人員は15,000人。横浜アリーナ(収容人員 17,000人)とほぼ同クラスで、いままで名古屋を代表するアリーナ形式の会場だった日本ガイシホール(収容人員 10,000人)を上回る規模のようです。会場は名城公園駅からすぐで、駅自体、名古屋の中心地、栄から地下鉄で3駅という至近で、かつ駅の出口からアリーナの入り口まで徒歩1分程度という近さ。このクラスのライブ会場として用いられているAichi Sky Expoやポートメッセ名古屋はもちろん、日本ガイシホールに比べても抜群のアクセスの良さですし、アリーナクラスのホールで、ここまで都会の駅から至近という会場も珍しいのではないでしょうか。

さて、ほぼ満員の会場。今回はアリーナ席の前から16列目という非常にいい場所を出来、会場を待ちます。会場では売店も空いていましたが、ビール1杯900円(!)。焼きそばとか買うと、ビールとセットで2,000円超え(!)という高額のため、泣く泣く諦めて、おとなしく開演を待ちました。

そして、19時ピッタリにライブはスタート。メンバーが会場に姿をあらわすと、最初はポリスの「Message In A Bottle」からスタート。さらに「I Wrote Your Name」「If I Ever Lose My Faith In You」と続き、会場は盛り上がっていきます。

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↓ STINGは現在73歳。すっかりおじいちゃん・・・と言いたいところですが、70代とは信じられないような精悍な顔つきで、この日も終始力強い演奏と歌声を聴かせてくれました。

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そしてSTINGの代表曲と言ってもいい「Englishman In New York」へ。印象的なイントロの「うぉーうぉー」の部分では観客とコールアンドレスポンズで盛り上がります。

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続く「Every Little Thing She Does Is Magic」で盛り上がった後、「Fields of Gold」は、原曲より、よりメランコリックさを強めたアレンジに。特にSTING 3.0のメンバー、ギタリストのドミニク・ミラーの泣きのギターにスポットをあてた楽曲となっていました。

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中盤はミディアムテンポのナンバーが続きます。STINGの特徴でもあるメランコリックな作品が続き、会場ではしばし彼の歌声に聴き入ります。

その後は「Driven To Tears」で再びアップテンポな楽曲で会場は盛り上がります。ここからの後半戦では、ミディアムテンポでしんみり聴かせるような楽曲と、アップテンポで盛り上がる曲が交互に続きつつ、「A Thousand Years」「Shape of My Heart」などが代表曲が続きます。特にポリスの代表曲「Can't Stand Losing You」でも会場は多いに盛り上がっていましたし、「Walking On The Moon」では、73歳とは思えないほど、艶やかな力強いSTINGのボーカルが印象に残りました。また、ポリスの「So Lonley」では、力強いバンドサウンドで迫力ある演奏を聴かせてくれました。

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そして本編ラストはこれまたポリスの代表曲「Every Breath You Take」へ!個人的にも一番聴きたかった曲なので、やはり素直にテンションがあがりました・・・が、イントロがはじまっても、会場全体のテンションは思ったほど上がった印象はなく・・・ポリスの代表曲なのですが、ひょっとして熱心なファンの中では、そこまで人気曲ではないのでしょうか??

そんな訳で本編は終了。その後、もちろんアンコールと続くのですが、ここは意外と1、2分程度で再登場。そしてアンコール1曲目はこれまたポリスの代表曲「Roxanne」へ。こちらもオリジナルよりも力強いバンドサウンドとなっており、迫力ある演奏が大きなインパクトになっていました。

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ラストは、STINGがアコースティックギターに持ち替えて「Fragile」へ。この日、一番歓声があがったのはこの曲がスタートした時でした。40年近く前に作られたナンバーですが、反戦を歌ったこの曲は、いまだからこそ心に響いてきます。アコギの音色をバックにしんみりと、しかし力強く歌われたこの楽曲で、ライブは幕を下ろしました。

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ライブはアンコール込みでほぼピッタリ2時間のステージ。会場は大盛り上がりの中で幕を下ろしました。

この日のステージはSTING 3.0というバンド名義ということもあり、サポートメンバーなしの、ギターのドミニク・ミラー、ドラムのクリス・マース、そしてベース&ボーカルのSTING本人という3人のみ。ただ、スリーピースバンドというシンプルな形態だからこそ、ロックバンドということをより意識した骨太のバンドサウンドが特徴的でした。

途中のMCもほとんどなし。特効なども基本的になく、バックの映像もシンプルなもののみ。全体的に比較的シンプルなステージで、それだけバンドサウンド、そしてSTINGの歌にスポットをあてられたストイックなステージになっていました。そして前述の通り、現在73歳という年齢のSTINGですが、それを感じさせない力強いプレイとそして歌が非常に魅力的。セットリストはポリス時代の代表曲から、STINGソロでの代表曲まで並ぶ、彼のキャリアのオールタイムベスト的なセレクトになっており、こちらも楽しめたステージでした。

最初に書いた通り、正直、ポリスやSTINGの熱烈なファン、という訳ではなかった私ですが、そんな私でも知っているような代表曲の連続。なによりもメロディアスな歌に、そのパワフルなバンドサウンドに終始惹かれたステージで、あっという間の2時間でした。レジェンドのステージということもあって、ちょっとお高めな値段設定でしたが、足を運んでよかったと心から思えるステージ。機会があれば、また足を運びたいです!

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2025年9月27日 (土)

アンビエントの巨匠による2枚同時リリースの新作

ご存じロキシー・ミュージックの一員としてデビューし、その後はアンビエントミュージックの第一人者として活躍するレジェンド、ブライアン・イーノ。その彼が今回、コンセプチュアル・アーティストのビーティー・ウルフとコラボを組み、2枚のアルバムを同時にリリースしました。ビーティー・ウルフという方は、日本ではあまり知名度はないように感じますが、アーティストとしていわば現代美術的な作品を数多く手がけてきたり、また自らのマルチ楽器奏者として音楽のアルバムをリリースしたりと、多様な活動を行っているアーティストのようです。

Title:Luminal
Musician:Beatie Wolfe&Brian Eno

まずは「Luminal」。名義はBeatie Wolfeが先。彼女がボーカルと作詞を担当した歌モノのアルバムとなっています。

Title:Lateral
Musician:Brian Eno&Beatie Wolfe

で、こちらは「Lateral」。名義はBrian Enoが先。全編インストのアンビエントのアルバムとなっています。

さて、まずは「Lateral」の方ですが、先にも書いた通り、アンビエントのアルバム。全8トラック1時間4分に及ぶアルバム。ただ、全8トラックなのですが「Big Empty Country」という1曲が8部作となっていて延々と続く作品に。基本的にドリーミーなミニマルのサウンドを、分厚いエレクトロのアレンジによってゆっくりと聴かせてくれるアンビエントとなっています。

ほぼ同じサウンド、メロディーが延々と続くようなスタイル。あくまでもアンビエント=環境音楽なので、集中してじっくりと聴きこむアルバムではなく、部屋の中で、生活の中での環境音楽となるように、BGM的に流れる音楽という建付けとなっています。ゆっくりと流れる分厚いエレクトロのサウンドがリスナーを包み込むような、トリップ感を与えるような作品になっているのですが、一方で正直、いかにもブライアン・イーノらしい作品で、目新しさはないかも・・・。ただ、「環境音楽」に目新しさを求めるのは違うのかもしれませんが・・・。

そして一方「Luminal」ですが、こちらも基本的にアンビエント的な静かに聴かせるアレンジの曲が目立ちます。ただ、いずれの曲もビーティー・ウルフがボーカルをつとめる歌モノの作品となっており、ドリーミーな雰囲気のポップがとても心地よい作品となっています。

冒頭を飾る「Milky Sleep」はまさにそんなドリームポップの作品。メランコリックに歌う彼女の歌を包み込むのような静かなギターとエレクトロサウンドの音色がドリーミーで、とても心地よさを感じる1曲。一方、「My Lovely Days」などはギターサウンドが前に出てきており、もうちょっとロック風、かつポップな作風に仕上がっており、いい意味での聴きやすさを感じます。

アルバムの中で印象的だったのが中盤の「Suddenly」で、MVも制作されているこの作品はギターとエレクトロサウンドでドリーミーにまとめた演奏をバックに歌われるビーティーの歌が、暖かく、そして切なさを感じさせる、胸がキュンとなるようなメロが強い印象に残ります。ラストの「What We Are」も、コーラスラインを入れつつ、ドリーミーなアレンジをバックに、カントリー風で郷愁感を覚える歌が印象的でした。

全体的にドリーミーなポップに、メランコリックな歌が心地よいポップソング。なによりも、美メロとも言える暖かさと切なさを感じるビーティーの歌が素晴らしい作品に仕上がっていました。2枚同時リリースなのですが、それぞれブライアンとビーティーのミュージシャンとしての特徴が前に押し出されたアルバム、といった感じになるのでしょうか。とても楽しめた作品でした。

評価:
Luminal ★★★★
Lateral ★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Caetano e Bethânia Ao Vivo/Caetano Veloso&Maria Bethânia

Caetano

ブラジル音楽界の巨匠、カエターノ・ヴェローゾと、彼の実妹で、同じくブラジル音楽シーンのレジェンドのシンガー、マリア・ベターニアの兄妹によるライブの模様を収録したライブアルバム。2人の共演は実に46年ぶりだとか。ライブは昨年、ブラジル各地で行われ、スタジアムツアーという規模でありながら、50万枚以上に及ぶチケットは完売。まさに国民的支持をえたミュージシャンのコラボということで大きな注目を集めました。

カエターノ・ヴェローゾは現在83歳。妹のマリア・ベターニアも79歳という大ベテランながらも、そんな年齢を感じさせない現役感あふれるステージ。軽快なパーカッションでのサンバのリズムを聴かせる楽曲をメインに、よりムーディーやメロウに聴かせる曲もあったり、バンドサウンドでロック寄りにダイナミックさを感じさせる曲もあったりと、バリエーションある展開。何より、全体的に明るい雰囲気の作品が多く、最後まで耳が離せません。楽曲によっては、会場全体が大合唱になっている曲もあり、両者の国民的人気ぶりをうかがわせる楽曲も。ブラジル音楽好きならもちろん、そうでなくても純粋なポップスのアルバムとして楽しめるライブアルバムです。

評価:★★★★★

Caetano Veloso 過去の作品
Meu Coco

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2025年9月26日 (金)

チュニジアの祝祭音楽フェッザーニを前面に

Title:Club Tounsi
Musician:Ammar 808

以前も、何度か当サイトでも紹介したこともある、チュニジア人のシンセ奏者/プロデューサーであるソフィアン・ベン・ユーセフによるソロユニットによる3枚目のアルバム。彼の生まれ故郷、チュニジアの伝統音楽「メズヴェド」とクラブ系のエレクトロサウンドを融合させた独特のサウンドが魅力的。毎回、アルバムは高い評価を受けて注目を集めています。

今回のアルバムで特徴的なのは、チュニジアの結婚式などで用いられる独特のリズムであるフェッザーニというリズムを取り入れているという点。前作「Global Control/Invisible Invasion」では南インドの伝統音楽を取り入れて、妖艶さを感じさせる独特なトライバルな雰囲気あふれる作品に仕上げてきましたが、今回は一転、ヘヴィーなエレクトロビートを前面に押し出した作品に仕上がっています。

冒頭を飾る「Douri Douri」からして、いきなりヘヴィーなエレクトロビートからスタート。祝祭色・・・というにはちょっと重い感じもするのですが、リズミカルなみんなで踊れそうなビートが特徴的。3曲目「Brobba」も軽快なバグパイプの音色が特徴的な楽曲。ちなみに、ここで鳴っているチュニジアのバグパイプも「メズヴェド」と呼ぶそうですが、音楽のジャンルとしても楽器の種類としても同じ呼び名がついている、という理解でよいのでしょうか?

その後も「Aman Aman」などはかなり分厚いドリーミーなエレクトロサウンドに、エフェクトがかかった妖艶でメランコリックな女性ボーカルが特徴的。軽快なビートが続くそれまでの方向性とはちょっと異なる雰囲気がアルバムにインパクトを与えています。ただ、ラストは再び冒頭と同じようなリズミカルなビートを聴かせる「Eddayem Allah」「Tichtiri Cherbak」で締めくくり。最後までリズミカルでダンサナブルなビートを楽しめるアルバムとなっていました。

そんな訳で、祝祭の場で踊ることがふさわしいような、終始エレクトロビートが楽しいアルバムに。強いビートが前に押し出されていて、トライバルな色合いはちょっと薄めだったのですが、その分、クラブ系やテクノが好きなリスナー層にも楽しめそうなアルバムになっていました。また、その結果、ちょっと弱点となってしまったのが、似たようなタイプの曲が増えてしまったという点。例えば1曲目と2曲目、さらにラスト2曲は完全に同じリズムパターンになっているなど、バリエーションの面ではかなり乏しい内容になってしまいました。

ただ、とはいってもアルバムは全8曲33分という短さ。ここらへんは飽きが来る前に一気に聴き切れてしまう内容。トライバルな方向を模索するとちょっと薄味な感じはするかもしれませんが、何よりもヘヴィーなエレクトロビートが耳を惹き、非常に楽しめた傑作アルバムになっていたと思います。ワールドミュージックが好きな方以上に、テクノやエレクトロが好きなら気に入りそうな1枚です。

評価:★★★★★

Ammar 808 過去の作品
Maghreb United
Global Control/Invisible Invasion


ほかに聴いたアルバム

REST IN BASS/Che

Che

アメリカはアトランタ出身の若干19歳のラッパーによる2枚目となるアルバム。終始、インダストリアル的なヘヴィーなエレクトロサウンドが鳴り響くトラックが特徴的で、ヴォーカルもこのビートに合わせるように高音の攻撃的なもの。HIP HOPリスナー以上にむしろノイズあたりが好きな方が気に入りそうな感じも。全体的に若干似たようなタイプの曲が多く、バリエーションに欠ける点がマイナスなのですが、とはいえ約48分、強烈なサウンドに一気に聴き切れるようなそんなアルバムになっていました。

評価:★★★★

Find El Drado/Paul Weller

かのポール・ウェラーが、生涯にわたり愛聴してきた曲をカバーしたカバーアルバム。ノエル・ギャラガーやロバート・プラントなど豪華なゲストも参加した本作は、全編、アコギやストリングスなどアコースティックなアレンジがほどこされており、郷愁感や哀愁感を強く感じる作品となっています。また、カバーしている楽曲はブルース、フォーク、カントリーなど多岐にわたる中、知る人ぞ知る的な曲も多く、そういう意味では彼の非常に個人的な選曲といった印象も。暖かい雰囲気の出来栄えも含めて、彼の曲に対する素直な愛情を感じさせるカバーアルバムでした。

評価:★★★★

Paul Weller 過去の作品
22 DREAMS
Wake Up The Nation
Sonik Kicks
A Kind Revolution
True Meanings
In Anohter Room
Fat Pop
An Orchestrated Songbook
66

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2025年9月25日 (木)

藤井風、強し!

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

これで3週連続の1位となります。

今週も1位は藤井風「Prema」が獲得。ダウンロード数及びストリーミング数は先週から引き続き1位を獲得。CD販売数は2位から5位にダウン。ただ、強さを見せつける結果となっています。

2位は韓国の男性アイドルグループATEEZの日本盤アルバム「Ashes to Light」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数6位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上11万5千枚で1位初登場。直近作は韓国盤のミニアルバム「GOLDEN HOUR:Part2」で、同作はベスト50圏外からランクイン2週目にして4万1千枚を売り上げて3位に初登場していますので、前作から売上は大幅にアップしています。

3位はMrs.GREEN APPLE「10」が先週から同順位をキープ。これで11週連続ベスト10ヒット&通算10週目のベスト3ヒット。またミセスは「ANTENNA」も10位から9位にアップ。こちらは通算52週目のベスト10ヒットに。Hot100では今週、ベスト10から姿を消したミセスでしたが、Hot Albumsではまだまだ強さを見せつける結果となっています。

4位以下初登場盤では、韓国の女性アイドルグループTWICE「ENEMY」が6位初登場。6枚目となる日本盤のアルバム。この影響で直近の韓国盤アルバム「THIS IS FOR」が18位から8位にアップし、3週ぶりのベスト10返り咲き。通算9週目のベスト10ヒットとなっています。

ロングヒット盤は、「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」が5位から4位にアップし、自己最高位タイに。これで11週連続のベスト10ヒットとなります。また、Snow Man「THE BEST 2020-2025」は9位から7位にアップ。通算25週目のベスト10ヒット。先週、リカレントルール適用で大きく順位を下げましたが、今週は再びランクアップとなっています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeateekers SongsはLeina「One Week」が3週連続で1位を獲得。ラジオオンエア数は3位から5位にダウン。Hot100でも76位から79位に若干のダウンとなっています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位は煮ル果実「オーパーツ」が初登場で獲得。ずっと真夜中でいいのに。やAdoへの楽曲でも参加している2018年デビューのボカロP。本作はポケモンと初音ミクが音楽でコラボするプロジェクト「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE High↑」からのオリジナル楽曲となります。一方、先週まで1位を獲得していたDECO*27「モニタリング(Best Friend Remix)」は2位にダウン。また、2位だったなきそ「いますぐ輪廻」が3位にダウンしています。

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2025年9月24日 (水)

ミセスがいない!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot100は、ベスト10のうち5曲が初登場という結果となりましたが、その結果、なんとベスト10からMrs.GREEN APPLEの曲が陥落。先週8位だった「夏の影」は16位に、9位だった「クスシキ」は12位にそれぞれダウン。実に2024年3月13日付チャート以来、約1年半ぶりに、ベスト10圏内に1曲もミセスの曲がない、というチャートとなりました。リカレントチャートの影響もありますが、さすがに露出度が多すぎて、ちょっと飽きられた感もあるような・・・。

一方、今週1位を獲得したのは米津玄師「IRIS OUT」。映画「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」主題歌。9月24日にはCDリリースされましたが、その先行配信分で見事1位獲得。ダウンロード数、ストリーミング数及び動画再生回数で1位、ラジオオンエア数で4位を獲得しています。

2位は男性アイドルグループBE:FIRST「空」が獲得。CD販売数及びラジオオンエア数2位、ダウンロード数3位、ストリーミング数12位、動画再生回数5位。第92回NHK全国学校音楽コンクール(Nコン2025)“中学校の部”課題曲。ということで今年の紅白はこの曲での出場が確定ですね。オリコン週間シングルチャートでは初動売上7万7千枚で2位初登場。前作「GRIT」の初動10万枚(2位)からダウンしています。

3位初登場は秋元康系女性アイドルグループ日向坂46「お願いバッハ!」。CD販売数1位、ダウンロード数13位。オリコンでは初動売上45万1千枚で1位初登場。前作「Love yourself!」の初動41万3千枚(1位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず4位にTOBE所属の男性アイドルグループNumber_i「Numbers Ur Zone」が初登場でランクイン。ダウンロード数及び動画再生回数2位、ラジオオンエア数で1位を獲得。

9位初登場は2時だとか「喧奏」。VTuberグループにじさんじのメンバーによって結成されたバンドの1stシングル。CD販売数3位。オリコンでは初動売上3万6千枚で3位に初登場しています。

さて、今週、ミセスが消えた一方、HANAは今週も3曲同時ランクイン。ただし、「Blue Jeans」は3位から5位、先週1位だった「BAD LOVE」は7位に、「ROSE」は6位から8位にそれぞれダウン。ただ「Blue Jeans」はこれで10週連続、「ROSE」も25週連続のベスト10ヒットを記録しています。

今週のHot100は以上。さすがい初登場曲が落ち着けば、来週はミセスが復活すると思うのですが・・・。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年9月23日 (火)

千葉雄喜の新たな側面を感じる2作品

7月には武道館ワンマンを行い、今、勢いにのっているラッパーの千葉雄喜。昨年もアルバム「STAR」を、今年に入ってもアルバム「億万長者」をリリースするなど、積極的な音楽活動も目立ちますが、ここに来て、なんと2枚同時にアルバムをリリースしてきました。

Title:separated at birth
Musician:STILLZ&千葉雄喜

Separatedatbirth

まずこちらはコロンビア系アメリカ人の映像作家、STILLZとの共同制作となっているアルバム。インスト曲がメインとなっており、HIP HOPのジャンル的にはアブストラクトとカテゴライズされているようですが、全体的にはアンビエントのアルバムのような作品となっています。

Title:永遠
Musician:千葉雄喜

Eien

こちらは千葉雄喜ソロ名義での作品。こちらも全編、アンビエント的な静かなトラックをバックに、メロディアスなフロウのラップというよりも歌に近いスタイルの楽曲が収録されている、いわば「歌モノ」のアルバムになっています。

同時発売されたこの2作品ですが、どちらの作品もHiroto Taniguchiが全面的にプロデュースを手掛け、また客演一切なしという点が特徴的となっています。また、2作品に共通して「流れる」という作品が共通して収録されており、共同制作者のSTILLZによるMVも公表されています。

ドリーミーでアンビエントなサウンドは、「separeted at birth」全体に流れているサウンドである一方、「流れる(なるようになる日々)」と歌われる、ある意味、あるがままを受け入れる死生観は、アルバム「永遠」に共通して流れるテーマだったりします。

他にも「すべてもらいもの」と歌う「もらいもの」「逆らわず/流れに沿うべき」と歌う「轍」など、あるがままを受け入れようとするリリックが目立ちます。他にも「永遠」というタイトルの通り、かけがえのないもの、普遍的なものをテーマとしたような楽曲が目立ち、好きな人への愛情を素直につづる、アコギでフォーキーなサウンドも魅力的な「君の元に」や重荷を捨ててただ生きていこうと歌うアカペラによる「生きるだけだな」など、そんなかけがえのない大切なものについて綴ったリリックが非常に心に響いてくる作品となっています。

思えば前作「億万長者」では、即物的な「金」をテーマとした作品となっており、成功した自分を誇示するような作風となっていました。今回は、金や成功では手に入れられないようなかけがえのないものや自らの死生観をテーマとしており、前作とは対照的な作品となっています。前作はあまりの拝金主義的に正直閉口してしまったのですが、今回のアルバムが、その続き物と考えると、前作も含めて非常に考えられたテーマ設定だったようにも感じました。

今回の2作品だけだと、サウンド的には似たような曲も多く、特に「separetad at birth」に関してはアンビエントとしてもあまり目新しさは感じなかったのですが、ただ、いままでの千葉雄喜の作品を含めて考慮すると、彼のラッパーに留まらない、音楽家としての様々な魅力と実力を感じさせる作品だったように感じます。特に「永遠」についてはフォーキーでメランコリックな歌モノはHIP HOPリスナーに留まらず、広いリスナー層が楽しめそうですし、そのリリックも非常に心に響いてくる内容。千葉雄喜の実力を再認識したアルバムでした。

評価:
separeted at birth ★★★★
永遠 ★★★★★

千葉雄喜(KOHH) 過去の作品
UNTITLED
worst
STAR
億万長者


ほかに聴いたアルバム

Sunburst/Suchmos

2021年2月にバンドとしての活動休止を発表したSuchmos。その後、メンバーHSUの早逝などショッキングが出来事がありましたが、昨年10月にバンドとしての活動再開を発表。本作は実に約6年ぶりとなるEP盤となります。内容としてはわずか4曲入り。ただ、実にSuchmosらしさを感じるR&B、ファンク、アシッドジャズなどの要素を含むポップソングが並んでいます。目新しさみたいなものはありませんが、久々の新作ということで、挨拶代わりの1枚と言えるかもしれません。これからの彼らの新たな活動に期待したい新作でした。

評価:★★★★

Suchmos 過去の作品
THE KIDS
THE ASHTRAY
THE ANYMAL
Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM 2019.09.08

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2025年9月22日 (月)

アニソン界の大王が歌うアニソンの数々

Title:ささきいさおデビュー65周年記念ベストコレクション
Musician:ささきいさお

俳優や歌謡曲の歌手として活躍する一方、数多くのアニメソングを歌ったことから「アニソン界の大王」という呼ばれ方もしている歌手、ささきいさお。御年83歳ながらも、まだまだ現役で活動している御大ですが、そんな彼のデビュー65周年を記念したベストアルバムがリリースされました。

彼の長い芸歴の中ではアニソン以外の曲も多く歌っており、今回のアルバムにはそんな曲も収録されています。ただ、収録されている曲のほとんどがアニメソングもしくは特撮の主題歌という構成。「宇宙戦艦ヤマト」「秘密戦隊ゴレンジャー」、巨人の星の主題歌「行け行け飛雄馬」「銀河鉄道999」「われらガッチャマン」などなど。全体的にはヒーローものが多いのですが、誰もが知っているようなアニメソング、特撮の主題歌が数多く収録されています。

まずこれらの曲を聴いて感じるのは、まず歌が上手いな、という非常に月並みな感想。同じくアニソンを数多く歌ってきた水木一郎も、パンチ力のあるボーカルでその声量には驚かされたのですが、彼はその魅力的な低音を生かし、ゆっくりと歌い上げるスタイル。昔はアニメソングというと一段低く見られていましたが、ただ一方では主に子供が聴く歌だからこそ、ごまかしがきかず、彼や水木一郎のような実力のあるシンガーが選ばれていたのでしょう。

ただ一方、本作に収録されている曲に関して言えば、正直言って玉石混交という印象。ある意味、いかにも昔ながらのアニソン的に様式化されたアレンジやメロディーラインに、歌詞の曲も目立ち、作り方としてやっつけに感じてしまう曲も少なくありません。前述の「誰もが知っているアニソン」レベルの曲を期待して聴き始めると、おそらくアニメや特撮番組自体を知らない方にとってはつらい部分もあるように思います。

もっともそれはアニソン特有の現象ではなく、後年になってよく知られているような曲だけピックアップして取り上げると、いかにも優れた曲ばかりのように感じるものの、その背景には知られざる大量の駄作がある、というのはおそらくおなじように懐かしがられて評価されている歌謡曲なども同様でしょう。実際、例えば90年代のJ-POPも、最近では「今の曲と比べて・・・」と称賛する声も少なくありませんが、リアルタイムで聴いていた立場からすると、今の曲と比べて、特別秀でていた印象はありません。今回のベストコレクションはある意味、3枚組69曲というボリューミーな内容で彼の過去の作品を網羅的にピックアップしたがために、玉石混合という収録曲になってしまった感じがします。

その一方、前述の誰もが知っているようなアニメソングに関しては、まさに「玉」というにふさわしい名曲が並びます。やっつけな感すらある楽曲がある一方、名曲の数々は作り手側の力の入れようの強さを感じます。ここらへん、やはり元となるアニメが有名でヒットした作品だからこそ、主題歌にも力を入れてもらえたのか、逆に、主題歌を含め作り手が力を込めたからこそヒットしたのか・・・。個人的には「銀河鉄道999」はよく取り上げられるゴダイゴの曲よりこちらの方が好きかも。特に、哀愁感たっぷりのメロディーラインと歌詞が、彼のボーカルにピッタリマッチ。申し分ない傑作に仕上がっています。

そんな訳で、全69曲3時間半にも及ぶボリューミーな内容。有名なアニソン目当てに聴こうとすると、ちょっと厳しい、若干熱心なマニア向けのボリューム感かもしれません。ただ、楽曲云々以前にやはりささきいさおのボーカルは非常に魅力的ですし、ボリューミーな作品の中から知られざるお気に入りも見つかるかも?無条件でお勧めというアルバムではありませんが、非常に聴きごたえのあるベスト盤でした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

玉置浩二の音楽世界Ⅱ

玉置浩二が他のシンガーに楽曲提供を行った作品を集めたオムニバスアルバム第2弾。杏子に提供した「DISTANCIA~この胸の約束」やV6「愛なんだ」などの作品が収録されていますが、さすがに第2弾ということもあって、第1弾ほど「誰もが知っている」レベルのヒット曲は少な目。ただ、前作同様、基本的に歌謡曲と親和性も強い哀愁感ただよう楽曲が目立つ中、「この曲も玉置浩二だったんだ!」と驚かされるような曲も多く、要するに、彼の手癖はあまりついていないような、職業作家としてのスタンスに徹したような作品が目立ちます。前作同様、職業作家としての彼の実力を感じさせるオムニバスアルバムでした。

評価:★★★★

玉置浩二の音楽世界

パイナップル・ロック/曽我部恵一

曽我部恵一のニューアルバムは、なんと全32曲、2時間10分というフルボリュームのアルバム。楽曲はフォーキーなナンバーやロックチューン、ソウル、ネオアコやファンクにレゲエなど多岐に及んでおり、曽我部恵一の才能を実感できるアルバムになっています。ただ、それを差し引いてもさすがにこのボリュームは多すぎ・・・。バラエティーに富んだ展開なのですが、楽曲的にバラバラのため、アルバムとしての統一感はなく、アルバムというよりもまるでプレイリストのような作品。1曲1曲区切って聴く分には間違いなく傑作が多いのですが、アルバムとしてまとめて聴くと、最後の方はダレてきてしまいました。アルバムとして完成させるというよりも、日々の生活の中で出来上がった曲をただまとめただけ、といった感じなんでしょうが、やはりそれならもうちょっと凝縮してほしかったかも。

評価:★★★★

曽我部恵一 過去の作品
キラキラ!(曽我部恵一BAND)
ハピネス!(曽我部恵一BAND)
ソカバンのみんなのロック!(曽我部恵一BAND)
Sings
けいちゃん
LIVE LOVE
トーキョー・コーリング(曽我部恵一BAND)
曽我部恵一 BEST 2001-2013
My Friend Keiichi
ヘブン
There is no place like Tokyo today!
The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-
純情LIVE(曽我部恵一と真黒毛ぼっくす)
Loveless Love
プリンは泣かない
Memories&Remedies
ハザードオブラブ
ヘブン2

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2025年9月21日 (日)

シティポップの次のブームになるのか??

今回紹介するのは、レコード会社を横断する形でリリースされた5枚のコンピレーションアルバム。現在、世界的にも注目をあつめている日本のシティポップの次に注目を集めつつある(らしい)ジャパニーズ・フュージョンの70年代後半から80年代の楽曲を取り上げたアルバムで、当サイトでも紹介した「『シティポップの基本』がこの100枚でわかる!」「『90年代J-POPの基本』がこの100枚でわかる!」の著者でもあるライターの栗本斉による選曲となっています。

最初にぶっちゃけて書いてしまいますが、正直言うと個人的にフュージョンというジャンルはあまり好きではありません。グルーヴ感を感じない平坦なリズムや過度にメランコリックさを強調したメロディーラインなど、ジャズの影響を受けつつ、悪い意味でポップに漂白されたというイメージも強く、過去にフュージョンの代表格、CASIOPEAのベスト盤など聴いてみたことはあったのですが、積極的に聴いてきた分野ではありません。ただ、そんな中、代表曲を集めたコンピ盤ということで、とはいってもやはり代表曲はチェックしておきたいということと、あらたな発見もあるかも、と思いつつ、コンピ盤をチェックしました。

Title:CROSSOVER CITY -Asayake-

まずはこちらはソニーミュージック編。日本のフュージョンの代表格とも言えるCASIOPEAやルパン三世でもおなじみの大野雄二、T-SQUAREの前身でもあるTHE SQUARE、山下達郎や矢野顕子をはじめ多くのミュージシャンの作品にも参加してきたギタリストの大村憲司、ジャズトランぺッターの日野皓正、さらにはかの坂本龍一など、そうそうたるメンバーが並んでいる点、さすがソニー、といった印象も受けてしまいます。

今回はあくまでもレコード会社毎でのアルバムの切り分けとなるため、アルバム毎に大きな特徴・・・といった感じは薄いのですが、ただ、フュージョンに詳しくない私でも知っているような大物を集めたアルバムなだけに、インパクトも強く、しっかりとその演奏を聴かせてくれる楽曲が並び、また、全体的にはメランコリックでムーディーな楽曲が多く、良くも悪くも王道を行くような作品が並んでいた印象を受けました。

評価:★★★★

Title:CROSSOVER CITY -Bon Voyage-

こちらはキングレコード編。90年代ガールズポップ好きならおなじみのアレンジャー清水信之や、ニュースステーションのオープニングや「マルサの女」をはじめ多くの映画・ドラマ音楽を手掛けた本多俊之などの楽曲が収録されています。清水信之は編曲家としてよく知っているのですが、こういうフュージョン系の活動をしていたというのは今回はじめて知りました・・・。

こちらも基本的にシンセやギターの音色をベースにメランコリックでムーディーな作品が並びますが、そんな中で八木正生の「No If’s No Buts」のようにバンドサウンドで力強く聴かせる楽曲やHANG RAIJI「Seagull」などギターの弾き語りの楽曲も。コンピレーションの中でインパクトを与えていました。

評価:★★★★

Title:CROSSOVER CITY -Mint Breeze-

こちらはユニバーサルミュージック編。ギタリストの高中正義や元スパイダーズの井上堯之などが参加。ちなみに「Bon Voyage」にも参加していた本多俊之はこちらでも登場しています。ちょっとユニークなところでは、かの俳優、野口五郎の「Chico」が収録。彼のギタリストとしての側面を感じらえるラテン風の軽快なインストナンバーを聴かせてくれ、彼の意外な側面を知ることが出来ます。

今回のフュージョンの作品、いずれもリズムにラテンを取り入れた作品が多く、哀愁漂うラテンのサウンドが日本人の琴線に触れるんだろうなぁ、ということを感じるのですが、今回のコンピ盤の中でも、こちらの作品がもっともラテンテイストが強い構成になっていました。全体的に哀愁感漂う作品が多く、特に井上堯之の「カーチェイス」など、2ドラで流れてきそう・・・と思ってしまったりして・・・。ここらへんが良くも悪くもフュージョンっぽいといった印象を受けるのですが・・・。

評価:★★★★

Title:CROSSOVER CITY -Misty Morning-

ビクターエンタテインメント編。こちらにも日野皓正が登場。またナベサダこと渡辺貞夫や、サックス奏者のMALTA、また、元はっぴいえんどの鈴木茂の「Starlite Melody」が収録されています。

こちらはハイテンポなパーカッションのリズムが耳を惹く響野夏子「Virginity」やスペーシーなエレクトロサウンドが特徴的なタイガー大越「Merci Baku」などバリエーション豊富な展開が特徴的。ナベサダの「Down East」もファンキーなリズムも入って軽快に聴かせてくれますし、前述の鈴木茂の「Starlite Melody」もメロウな曲調が印象に残ります。最後を締めくくるハーモニカ奏者の八木のぶお「赤い道が走る国」もハーモニカの暖かい音色が印象的でした。

個人的に全5作品の中で、このアルバムが一番よかったかも・・・。バラエティー富んだ展開に、フュージョンと一言で言っても、様々なタイプの曲があることがわかる1枚でした。

評価:★★★★★

Title:CROSSOVER CITY -Park Avenue-

そして最後が日本コロンビア編。ギタリストの渡辺香津美や土岐麻子のお父さん、土岐英史などの楽曲が収録。また、鈴木茂はこちらでも「West Beach Drive」が収録されています。

こちらも基本的にはサックスやエレピを使って、メランコリックな作風が展開されるという、ある意味、王道的なフュージョンの作品が並びます。特に、土岐英史&TEMPS「熱い友情」は良くも悪くも典型的なフュージョンといった印象も・・・。全体的に、こちらも良くも悪くも王道的な楽曲が並んでいた印象を受けました。

評価:★★★★

そんな訳で、日本のフュージョンの代表曲から、またレア音源も収録したボリューミーなコンピレーション。率直な感想としては、私が持っていたフュージョンに対する印象は、あまり変わることはなく、好みのタイプではないな・・・という印象は変わりませんでした。とはいえ、爽やかで、メランコリックなメロディーラインは日本人の琴線にも触れそうですし、そういう部分を含めて、海外での評価も高まってくるのでしょうか。フュージョンに興味がある方は、要チェックのコンピレーションシリーズです。

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2025年9月20日 (土)

タブラの可能性に挑戦

Title:Tabla Dhi,Tabla Dha
Musician:U-zhaan

日本を代表するタブラ奏者として、数多くのミュージシャンのアルバムに参加するなど、多岐にわたる活躍を見せているU-zhaan。単独名義でのアルバムは2014年にリリースした「Tabla Rock Mountain」以来、実に約11年ぶりとなるアルバムとなりました。もっとも、その間に様々なミュージシャンとのコラボ名義でのアルバムはリリースしていたので、そこまで久しぶり、といった感じはしないのですが。

タブラという楽器はインド音楽で使われる北インドの太鼓の一種。その叩き方によってバラエティー富んだ複雑な表現が可能なことが特徴的です。ただ、基本的にはリズム楽器である以上、どうしても演奏の中ではわき役に回りがちな立ち位置だったりもします。

しかし、今回のアルバムでU-zhaanは様々なミュージシャンとコラボを組み、様々なタイプの音楽にタブラを組み込むことによって、タブラの表現の可能性を試したような、そんな作品に仕上がっていました。

アルバムは、鎮座Dopenessとのコラボ「Five Echo」からスタート。完全にタブラとリンクした軽快なラップが魅力的。「You&I」でもアンビエントなサウンドとタブラのコラボに挑戦。本作ではCorneliusとのコラボなのですが、そんなこと言われなくても完全にCorneliusの音だと一発でわかります。

中盤の大きなインパクトとなっているのがハナレグミをフューチャーした「カンしてパイして乾杯!」で、ほっこりとして暖かい飲み会賛美の歌モノ。ハナレグミらしい、ちょっととぼけたボーカルも印象的ですが、タブラの暖かい雰囲気のサウンドもまた、楽曲の雰囲気を作りあげています。「Tibetan Dance」は2015年のレコードストアデイ限定でアナログリリースされた坂本龍一とのコラボ音源。教授の弾くピアノの音色とタブラの軽快な音色が見事にマッチした作品となっています。さらには終盤には「ゲゲゲの鬼太郎」をタブラとシンセでカバー。タブラの音色がちょうど鬼太郎の下駄の音のように聴こえて、妖艶な雰囲気マシマシなカバーに仕上がっています。

そんな感じで様々なジャンルの音楽にタブラを組み合わせて、タブラの可能性を広げようとしたアルバム。11年前にリリースされた「Tabla Rock Mountain」は、タブラはわき役となっているような作品も少なくなく、若干控えめな感じもするアルバムでしたが、今回は完全にタブラを前に押し出したようなアレンジになっており、まさにタブラが主役のアルバム。なによりも、こうやってタブラの可能性をいろいろと広げようとしているあたり、U-zhaanのタブラに対する愛情を強く感じることのできました。

そしてアルバムの最後には、インドのシタール奏者Purbayan Chatterjeeとのコラボで、インド音楽の「Raga Charukeshi」を収録。ある意味、タブラの本領発揮とも言える楽曲。基本的にポップスのアルバムである本作の最後に、あえてインドの伝統音楽を入れてくるあたり、彼のタブラ奏者としての矜持を感じることが出来ますし、インド音楽の魅力を伝えようとするU-zhaanの意思も感じることが出来ます。まさに、アルバムの最後を飾るにふさわしい締めくくりとなっていました。

バラエティー富んだ内容の傑作で、年間ベストクラスの傑作だったと思います。タブラの、そしてU-zhaanの魅力を存分に感じることが出来るアルバムでした。

評価:★★★★★

U-zhaan 過去の作品
TABLA ROCK MOUNTAIN
2 Tone(蓮沼執太&U-zhaan)
HENCE(OREN AMBARCHI,JIM O'ROURKE AND U-ZHAAN)
たのしみ
(U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS)
Good News(蓮沼執太&U-zhaan)


ほかに聴いたアルバム

re:Rec BEST『遊撃』/ビレッジマンズストア

キャリア20周年を記念してリリースされたバンド初となるベストアルバム。タイトル通り、過去作をそのまま収録するのではなく、「20th ver.」と題されて、現在のメンバー5人で再録された曲も多く収録されています。名古屋を拠点に活動するグループで、名古屋に関する固有名詞も登場してきたりすることもあって、地元バンドとして注目もしているのですが、疾走感あるガレージロックは、非常にストレートで外連味なく、正統派ロックンロールバンドとしてもうちょっと全国的に評価されてもいいような印象も受けます。ただ一方で、楽曲的には似たようなタイプの曲が多く、2枚組全25曲を聴くと、最後にはちょっと飽きてしまう部分も。ここらへんが、なかなかもう一皮むけない要因なのかもしれませんが、そんな課題も感じたベストアルバムでした。

評価:★★★★

ビレッジマンズストア 過去の作品
正しい夜明け
YOURS
愛とヘイト

the outside wind/Chilli Beans.

Outsidewind

約半年ぶりのリリースとなるChilli Beans.6枚目となるEP盤。前作はピアノやエレクトロを取り入れてポップという印象の強かった作品になっていましたが、本作ではメロはポップであるもののギターサウンドを前に押し出しており、ロックバンドとしての姿を押し出した作品となっています。前作はポップすぎるという印象があったので、こちらの方向性の方が個人的には好ましいのですが・・・。

評価:★★★★

Chilli Beans. 過去の作品
blue night

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2025年9月19日 (金)

ちょっと薄っぺらく感じる部分もあるが・・・

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。oasis再結成及び来日ライブに合わせて、oasis関連の書籍がいろいろと発売されていますが、本書はそんな1冊。「オアシス-不滅のロック物語-」。「ROKIN'ON JAPAN」の元副編集長の音楽ライター、小川智宏による著書。ちょっと珍しいハヤカワ新書からのリリース、って、早川書房もいつのまにか新書を発刊していたんだ・・・。

本書は大きく2つのパートから分かれていて、前半ではoasisの歴史をたどり、後半では日本における洋楽受容史や海外におけるロックの現状からoasisの立ち位置とロックの未来を模索する評論パートとなっています。

前半に記載されているoasisの歴史については、ブリティッシュロックの歴史に軽く触れた後、ノエル、リアム兄弟の生い立ちからスタートし、oasisの結成からブレイク、その後の活動から解散、それぞれのソロ活動から再結成に至るまで描いています。生い立ちからネブワースでのライブまでは、以前にドキュメンタリー映画が公開され、先日も当サイトでインタビュー集を紹介したばかりですので、ファンにとっては完全におなじみな内容。目新しさはありません。また、ネブワース以降についても基本的にはリアルタイムに追ってきた話ばかりなので、こちらも目新しさはありません。ただ、今回の再結成に関しての騒動の中で、彼らのことが気になった初心者にとっては、oasisというバンドがどういうバンドなのか知るためにちょうどよいまとめ記事だったかもしれません。

ただ、この前半部分についてはドキュメンタリー映画「oasis supersonic」やインタビュー集を参考にしていないようで、こちらの内容との微妙な齟齬が見られます。例えばoasisとアラン・マッギーがはじめて出あったライブについて、ドキュメンタリー映画やインタビュー集ではアランが当時の彼女のライブを見に来た、と記載されていますが、本書ではガールフレンドをハンティングしに来た、みたいな感じで書かれています。ここらへん、本人の証言でも必ずしも事実ではない部分があるので、どちらが本当かはわからないのですが・・・インタビュー集は間に合わなかったかもしれませんが、ドキュメンタリー映画はもう8年も前の公開で、DVDもリリースされているんだから、参考にしてほしかった気はします。

一方、全体的に気にかかってしまうのが後半の、日本の洋楽受容史や海外におけるロックの現状からoasisの立ち位置とロックの未来を模索する評論パート。言っていることについては概ね大外しはしていな感はある一方、全体的に薄っぺらさを感じてしまいます。特に、ロック史などに関して他の評論にあたったり、データやら当時の雑誌記事にあたることもなく、また、関係者へのインタビューもなく、ある意味、「著者の思い込み」の部分が少なくありません。もちろん、長く音楽業界に身を置いてきた著者なので、大きな間違いはないのかもしれませんし、また、おそらく変な押し付けを回避するためか、突飛な議論は飛び出してこないのですが、それだけ物足りなさを感じてしまいました。

特にちょっと疑問に感じてしまったのはロックに関する興亡の物語で、物語的にきれいに収めるために、「ここ最近、注目のバンドが多く登場し、再び盛り上がりつつある」という話にまとめ、その中にoasisの再結成を位置づけようとしているのですが・・・そうかぁ??ヒットシーンを見ると、日本やイギリスはともかく、アメリカにおいて完全にロックバンドは衰退してしまっていますし、やはり世界的に見ても、ロックが現時点で衰退してしまっている感は否めません。一方ではインディーシーンまで含まれば、おもしろいロックバンドというのは時代にかかわらず出てきていますし、そういう意味で無理やりロックの興亡とoasisを結び付けようとしている本書の記述にはかなり疑問を感じてしまいます。こういう無理やりに「物語」を都合よく作り出そうとする点が、いかにもロッキンオン系のライターだな、と悪い意味で感じてもしまうのですが。

そんな気になる点もありつつ、ただ一方で全体的には、特に今回の再結成騒動ではじめてoasisというバンドを気になった方にとってはちょうどよい「入門書」ですし、ファンにとっても、あらためてoasisがどういうバンドだったのか振り替えるにはちょうど良い1冊だったように思います。oasisというバンドの魅力の理由を知ることが出来る1冊です。

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2025年9月18日 (木)

見事2週連続1位!

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に引き続いての1位獲得です。

今週1位は藤井風「Prema」が先週から同順位をキープ。CD販売数は1位から2位にダウンしたものの、代わってダウンロード数が1位獲得。ストリーミング数も先週から引き続きの1位となっており、強さを見せつける結果となりました。

2位は堂本光一ことKOICHI DOMOTOのソロアルバム「RAISE」が獲得。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上8万5千枚で1位初登場。前作「PLAYFUL」の初動10万6千枚からダウン。「Kinki Kidsの・・・」と書こうと思ったんですが、ユニット名をDOMOTOに改名していましたね。

3位はMrs.GREEN APPLE「10」が先週の5位からアップし、2週ぶりのベスト3返り咲き。これで10週連続ベスト10ヒット&通算9週目のベスト3ヒットとなりました。なお、ミセスは今週「ANTENNA」が先週の11位からアップし、2週ぶりのベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算51週に伸ばしています。

続いて4位以下ですが、今週は初登場盤はなし。またロングヒット盤ですが、「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」が8位から5位にアップ。特にストリーミング数が6位から自己最高位の2位にアップ。これでベスト10ヒットは連続10週に。またSnow Man「THE BEST 2020-2025」が4位から9位にダウン。今週でチャートイン27週目となりましたので、リカレントルールが適用された模様。ただ、ベスト10ヒットを通算24週に伸ばしています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeateekers SongsはLeina「One Week」が2週連続で1位を獲得。ラジオオンエア数は6位から3位にアップ。Hot100でも78位から76位に順位を上げています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週もDECO*27「モニタリング(Best Friend Remix)」が2週連続で1位を獲得。ちなみにオリジナルも今週4位までランクアップしています。一方、2位はなきそ「いますぐ輪廻」が、3位は山本「三不粘をエロい目で見るな」が獲得しており、先週から2位3位が入れ替わる結果となりました。

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2025年9月17日 (水)

HANAが躍進

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ここに来て、HANAの躍進が目立つチャートとなっています。

あらためてですが、HANAは女性ラッパーのちゃんみながプロデューサー、自らもラッパーとして活躍するSKY-HIがエグゼクティブプロデューサーとして活動する7人組の女性アイドルグループ。楽曲的にはHIP HOPの要素を強く組み込んでおり、K-POPを意識したようなグループとなっています。

今週、配信限定のシングル「BAD LOVE」が初登場で1位を獲得。ダウンロード数、ストリーミング数及び動画再生回数で1位を獲得。ラジオオンエア数も16位にランクインし、総合順位で1位。また、「Blue Jeans」も先週からワンランクダウンながらも3位をキープ。こちらは9週連続のベスト10&ベスト3ヒット。「ROSE」も8位から6位にランクアップ。こちらは24週連続のベスト10ヒットとなっています。

他にもベスト20圏内に17位に「Tiger」、20位に「Burning Flower」とベスト20圏内に5曲が同時ランクイン。その勢いを感じさせる結果となっています。

そしてHANAに挟まれる形で2位を獲得したのは旧ジャニーズ系、SixTONES「Stargaze」が初登場。CD販売数1位、ラジオオンエア数20位。「第45回全国高等学校クイズ選手権」応援ソング。作詞作曲はRADWIMPSの野田洋次郎が手掛けています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上32万9千枚で1位初登場。前作「BOYZ」の初動35万7千枚からダウン。

4位以下の初登場曲では、5位に藤井風「Prema」がランクイン。先週、Hot Albumsで1位を獲得した「Prema」の表題曲。ダウンロード数10位、ストリーミング数7位、ラジオオンエア数2位、動画再生回数6位。

また今週、Mrs.GREEN APPLE「クスシキ」が12位から9位にアップし、2週ぶりのベスト10返り咲き。通算23週目のベスト10ヒットに。ちなみにミセスは「夏の影」が9位から8位にアップ。今週は2週同時のランクインとなっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年9月16日 (火)

アメリカーナの影響の強いメジャーデビュー作

Title:Headlights
Musician:Alex G

2019年にリリースした前々作「House of Sugar」も、2022年にリリースした前作「God Save the Animals」も高い評価を受け、今、もっとも注目されているアメリカのシンガーソングライター、Alex Gのニューアルバム。今回のアルバムはなんとメジャーレーベルからのリリースとなり、10枚目のアルバムにして初のメジャーデビューとなります。

基本的にほとんどの楽器演奏は彼ひとりで行っているそうで、完全に宅録系ミュージシャンとも言える彼。以前のアルバムも、そんな彼らしいバラエティー富んだ音楽性で、サイケやフォーク、エレクトロにAORなど様々なジャンルを詰め込んだ楽曲構成が魅力的でした。今回のアルバムに関しても、そんなバリエーションを楽しめるアルバムになっていたのですが、ただ一方でアルバムとして統一的な部分も感じられ、それがアメリカーナ的な作品が目立つアルバムだった、という点でした。

郷愁感たっぷりの「June Guitar」からスタートし、続く「Real Thing」もアコギとピアノでメランコリックでフォーキーな作品に。続く「Afterlife」も爽快なギターが楽しめる作品ながらも、カントリー風の楽曲に仕上がっているなど、前半はフォーク、カントリーの影響を強く感じるアメリカーナな作風の楽曲が並びます。

そんな郷愁感あふれる前半から、このアルバムがなんといってもユニークなのがやはり中盤。「Spinning」もメランコリックなメロが印象的ながらも、ギターサウンドが入ってロックテイストが強くなったかと思えば、続く「Louisiana」ではノイジーでローファイなギターサウンドとけだるいボーカルが、シューゲイザーを彷彿とさせるようなナンバー。「Bounce Boy」でも女性ボーカルを入れつつ、ノイジーでサイケなギターサウンドを聴かせるロックチューンとなっており、前半とはグッと雰囲気の変わった展開となります。

しかしそこから後半、再びアメリカーナ的な作品となります。「Orange」はシンプルなアコギで聴かせるフォーキーな作品に。「Is It Still You In There?」ではクラシカルなピアノの音色に合唱も加わわりつつ、ドラムスはジャジーなリズムを刻むという多層的な楽曲に仕上がっており、これもまた、彼らしい作品と言えるでしょう。

そんな訳で全体的に郷愁感たっぷりの歌やサウンドを聴かせつつ、特に中盤のサイケなサウンドや全体的にバラエティーに富んだ展開に、Alex Gらしさを感じさせる作品。アメリカーナな作風は、私たち日本人にとっても郷愁感を覚えるようなメランコリックな作風が魅力的でしたし、全体的には聴いていて暖かい気持ちになれる作品だったと思います。今回もまた、文句なしの傑作アルバムに仕上げてきた彼。メジャーデビューしても、その魅力に変化はなさそうです。

評価:★★★★★

Alex G 過去の作品
House of Sugar
God Save the Animals

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2025年9月15日 (月)

ユーモアセンスも感じられるメロウなHIP HOP

Title:Nighborhood Gods Unlimited
Musician:Open Mike Eagle

Nighborhood-gods-unlimited

ロサンゼルスを拠点に活動するラッパーによる最新アルバム。ちなみにコメディアンとしても活動しているのだとか・・・。今回のアルバムは、「予算が少なすぎて週に1時間しか放送できない架空のケーブルテレビ局からの特番」というコンセプトを元に作成されたのだとか。なかなかユニークかつユーモラスな発想の下でのアルバムですが、こういうユニークな発想がコメディアンとしても活動している彼ならでは、といったところなのでしょうか。

そんな短い時間でいろいろと詰め込んだテレビ番組のように、バラエティーに富んだ展開が魅力的な作品。テレビ番組のオープニングのような、何かがはじまりそうな「woke up knowing everything」からスタート。語るようなラップが印象的な「me and aquil stealing stuff from work」、さらにはメロウなトラックが印象的な「contraband (the Plug has bags of me)」「almost broke my nucleus accumbens」へと続きます。

その後もジャジーなトラックが印象的な「mirror pieces in a leather bound briefcase」、淡々とした雰囲気のサウンドでダウナーに聴かせる「a dream of the midnight baby (not a euphemism)」、不穏でメタリックなエレクトロサウンドが特徴的な「sorry I got huge (also not a euphemism)」と、全体的にメロウなトラックとフロウの作品の中でもバラエティー富んだ展開を最後まで聴かせてくれます。

ちなみにアルバムのテーマとしてはデジタル依存や情報社会による自己の断片化をテーマにしているとか。こちらはリリックが詳しくわからないため、詳細なことは言えないのですが、「ok but I'm the phone screen」では携帯を失った悲哀を歌われているそうで、ある意味、身近かつユーモラスを感じるテーマ設定も大きな魅力といったところなのでしょうか。

あとジャケットの写真は頭がオーディオのデッキになっている人間で、この意図は不明なのですが、このジャケット写真もどこかコミカル。こちらに関しては、日本人にとっては「映画泥棒」に似ているように感じてしまうのですが(笑)。

貧乏なケーブルテレビ局の特番、とは思えないようなバラエティー富んだ豪華な内容のようにも思うのですが、メロウなトラックは耳を惹きますし、いろいろなところで感じさせるユーモアセンスもリスナーを楽しませてくれます。全編、メランコリックなフロウのメロディアスな内容ですので、HIP HOPリスナー以外でも楽しめそう。このアルバムも各所で絶賛されているようですが、それも納得の傑作でした。

評価:★★★★★

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2025年9月14日 (日)

伝説のバンドのデビュー前の貴重な音源

Title:The First Family: Live At The Winchester Cathedral 1967
Musician:Sly&the Family Stone

Sly

今年、間違いなく大きな音楽ニュースのひとつが、スライ・ストーンの訃報でしょう。82歳。大往生とまではいかないものの、十分「長生きした」と言える年齢ではないでしょうか。訃報自体はもちろん非常に残念なニュースではあるものの、あのスライ・ストーンが80歳過ぎまで存命であったということ自体には、ある意味、少々驚かされます。というのもスライ・ストーンは80年代以降、酷い薬物中毒と精神的なストレスもあって事実上の引退状態となり、音楽業界から姿を消したという、健康状態に非常に難のあるような状況だったからです。2010年代以降、音楽活動を再開させていましたが、正直、若い時分、肉体的にも精神的にもあれだけ不健康だった彼が、82歳という年齢まで生き延びたというのは、非常に意外に感じます。

ただ、この「寿命」というのはよくわからないもので、同じように若い時分に無茶苦茶やってきたミック・ジャガーもキース・リチャーズも、80歳過ぎてもバリバリの現役ですし、かと思えば、音楽業界の話ではないものの、菜食主義で健康に気を使ってきたスティーブ・ジョブスやら、晩年は食生活に気を使ってきたという坂本龍一とかが、あっさりと比較的若くこの世を去ってしまうあたり、巷では長生きするためには、やれ肉を食べるな、だとか、やれタバコは吸うな、だとか、いろいろな健康法が述べられていますが、長生きできるかどうか、というのは食事法やらタバコやらは微々たる要素にすぎる、結局「運」ではないか、と考えてしまいます。そう思いながらも、私のような凡人は健康のために食事に気を使ったりしてしまうのですが・・・。

本題から話が大きくそれてしまいましたが、今回紹介するのはそんなスライ・ストーン率いる伝説のバンド、スライ&ザ・ファミリーストーンの未発表のライブ音源を収録したライブアルバム。1967年3月26日にカリフォルニア州レッドウッドシティのウィンチェスター大聖堂で行なったライブの模様を収録した作品で、彼らがエピック・レコードと契約する直前のステージ。もちろん伝説ともなったウッドストックでのステージからも、名盤と名高い「Stand!」や「暴動」がリリースされる、はるか前のステージとなっています。

そんな未発表のライブ音源のため、正直言って音はさほどよくありません。バンドの演奏がちょっと後ろにこもった感じもあり、どちらかというとライブ会場での客席の音をそのまま拾ったような印象があります。ただ一方で、ノイズなどはきれいに消されており、そういう点では非常に聴きやすいライブ音源とも言えるかもしれません。

そして、スライのライブの魅力に感じるのは、とにかくいろいろなジャンルの音を取り入れたステージになっているという点。ソウルやファンク、ジャズ的な側面も感じますし、またロック的な部分も。スライ&ザ・ファミリーストーンといったら人種や性別を混合したバンドということで当時も話題になったそうですが、音楽のジャンル的にもソウルをベースとしつつ、様々な音を取り入れた楽曲に惹かれるものがありますし、そういう自由さが、彼らが活躍した60年代を象徴するものであったのでしょう。

またパフォーマンスも非常に若々しく、勢いがあるという点も特徴的。音の悪さもあって、演奏に良くも悪くも粗さみたいなものも感じるのですが、その点も含めて、ある意味、緊迫感があってリアリティーすら感じられます。デビュー前ということでまだまだこれからという部分も大きいのでしょうが、そんな点も含めて、スライ&ザ・ファミリーストーンの魅力を感じることが出来るライブアルバムとなっています。

ちなみに収録曲にはオーティス・レディングの「I Can't Turn You Loose」、ウィルソン・ピケットの「Funky Broadway」、オーティス・レディングの「Try a Little Tenderness」などソウルのカバー曲も多く、オリジナルだけでライブを埋められないという点もデビュー前のバンドならでは。また、貴重なカバー音源という意味でも意義深いライブアルバムになっていました。

スライ&ザ・ファミリーストーンの最初の1枚・・・といった感じではないのかもしれませんが、それでも決してコアなファン向けのレア音源といった感じではなく、スライ&ザ・ファミリーストーンが好きならば要チェックのライブアルバムだと思います。あらためて、スライ・ストーンのご冥福を祈りつつ、彼らが活躍していたあの頃に思いをはせたいところです。

評価:★★★★★

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2025年9月13日 (土)

考えずに、踊れ!

Title:DON'T TAP THE GLASS
Musician:Tyler,The Creator

昨年、アルバム「CHROMAKOPIA」をリリース。ビルボードのアルバムチャートで3作連続となる1位を獲得し、いまだ変わらぬ人気を見せつけた一方、評価の面でも各種メディアでベストアルバム上位に選ぶなど、高い評価を受け、その実力のほどを見せつけました。そんな前作のリリースからわずか8ヶ月。早くもサプライズリリースとなったTyler,The Creatorの新作。ただ、その内容について、いままでの彼の作品から大きく変化し、そんな内容を含めて大きな話題となっています。

今回のアルバムは、エレクトロなビートを前面に押し出したダンサナブルなアルバム。「考えずに踊れ」がテーマだそうで、いままでの彼の作品にあった感情表現や物語性は一切排除となっています。軽快にループするトラックにのせてリズミカルにラップする「Big Poe」からスタートし、ダンサナブルなエレクトロサウンドを前面に押し出した「Sugar On My Tongue」と、序盤から直感的に楽しめるダンサナブルなナンバーが続きます。

その後もベースが強調されたリズミカルなトラックが特徴的な「Stop Playing With Me」や、80年代ディスコ風のファンキーな「Ring Ring Ring」、リズミカルなラップも前に押し出したタイトルチューン「Don't Tap That Glass/Tweakin'」など、楽曲にバリエーションを加えながらリズミカルな楽曲が続きます。後半の「Don't You Worry Baby」「I'll Take Care of You」「Tell Me What It Is」の3曲は女性ボーカルが入り、メロウに聴かせる楽曲となっているものの、こちらもリズミカルなビートが加わっており、アルバムのテーマ性は最後まで貫かれています。

アルバムタイトルである「DON'T TAP THE GLASS」=ガラスを叩くなの「ガラス」はどうもスマホ画面を意味しているようで、「自意識や監視にとらわれず、自由に動け」という意味だとか。実際、そのテーマの通り、まずは難しいこと抜きに自由に楽しめるアルバムで、おそらく、HIP HOPに興味がなくても、いやむしろ興味がないからこそ楽しめるアルバムに仕上がっていたと思います。

個人的にも難しいこと抜きにまずは頭をからっぽにして楽しめたアルバム。一方、そんなテーマ性から外れて、この楽曲自体の話をすると、正直、エレクトロやダンスの楽曲として目新しい点はあまりありません。全10曲、28分という短さなので最後まで飽きることなく一気に楽しめることが出来る反面、目新しさという点ではちょっと物足りなさも否めなかったかも・・・。もっとも、難しいこと抜きに楽しめるアルバムというコンセプトがゆえに、あえて聴きやすい作風に仕上げた、ということなのかもしれませんが・・・。ただ、その点を含めて、アルバムとしては十分傑作であることは間違いないと思います。HIP HOPという枠組みを超えて、是非聴いてほしいアルバムです。

評価:★★★★★

TYLER,THE CREATOR 過去の作品
Goblin
Wolf
CHERRY BOMB
Flower Boy
IGOR
CALL ME IF YOU GET LOST
CHROMAKOPIA


ほかに聴いたアルバム

Idrache (Traces Of The Past)/Tinariwen

Idrache

「砂漠のブルース」と呼ばれる音楽を奏で、世界的な人気を誇る、北アフリカのトゥアレグ族のバンドTinariwen。本作はそんな彼らのレア音源、未発表曲を集めたアルバムです。Tinariwenのアルバムは毎作聴いているのですが、実は本作に関してはリリースされていたことに気が付かず、先日、本サイトでも取り上げた「ミュージック・ガイドブック」に紹介されていたため、リリースに気づき、遅ればせながら聴いてみた作品だったりします。ただ、内容的にはいつものTinariwen同様、時折ブルースとの共通項を感じさせるようなサウンドを聴かせつつ哀愁たっぷりに聴かせる楽曲が魅力的。数多くのアルバムをリリースされている中、なぜ「ミュージック・ガイドブック」ではレア音源集を取り上げたのかは不明なのですが・・・これはこれでオリジナルアルバムと同じ感覚で楽しむことが出来る作品でした。

評価:★★★★★

TINARIWEN 過去の作品
IMIDIWAN:COMPANIONS
TASSILI
EMMAAR
Live in Paris(不屈の魂~ライヴ・イン・パリ)
ELWAN
Amadjar
Amatssou

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2025年9月12日 (金)

グレートな5人のベスト盤

Title:GREATEST FIVE
Musician:RIP SLYME

今年、一番驚いた音楽ニュースのひとつにRIP SLYMEが5人で活動再開するというニュースがありました。「雑念エンタテインメント」や「楽園ベイベー」など、2000年代に数多くのヒット曲をリリースし、一世を風靡した5人組のHIP HOPグループ。しかし2017年にメンバーのSUが、自身の不倫騒動のため活動休止。4人での活動を続けてきたものの翌年にはグループとしても活動休止。さらにはPESが、RIP SLYME時代のメンバーからいじめにあったことをほのめかすような発言をし、大きな話題となりました。そんな状況でまさに分裂した彼らなだけに、活動再開は難しいものと思われていました。

しかし昨年より、ILMARIとPESが話し合いを続け、今年4月、正式に活動再開を発表。4月にはシングル「どON」をリリースした後、7月には3枚組となるベストアルバムである本作をリリースしました。代表曲はもちろん、「どON」をはじめ今回の活動再開後にリリースされた楽曲やくるりとのコラボ曲「ラヴぃ」や、布袋寅泰へのトリビュートアルバムに提供した「バンビーナ」など、まさに彼らの楽曲を網羅的に収録。さらに、PESとSUが不在の時期に制作された「サヨナラSunset」を、PESとSUを交えた形でリメイクするなど、ファンにはうれしい楽曲も収録されています。

さて、今回のベストアルバムで、久々にRIP SLYMEの楽曲をまとめて聴いたのですが、まず強く感じたのは、RIP SLYMEの曲って、こんなに楽しかったんだ!!ということ。もちろん、基本的にデビュー作からRIP SLYMEのアルバムはすべて聴いているので、彼らの曲が楽しいということは知っていたのですが、聴いていてワクワクと心が踊るようなリズミカルで楽しい曲の連続。さらに楽曲は様々なジャンルの要素を取り込んで、サウンドには色とりどりの音を取り込んだ作品は聴いていて本当に楽しく、次はどんな曲を聴かせてくれるんだろう・・・と、ほとんど初耳の曲はないのですが、そんなワクワク感を覚えながら全48曲、3時間半にも及ぶボリューミーなベストアルバムを一気に聴くことが出来ました。

基本的に「楽園ベイベー」のようなラテン風のリズムを取り入れた曲が目立つのですが、ファンクを取り入れた「FUNKASTIC」やジャジーなトラックを聴かせる「BLUE BE-BOP」、EDMを取り入れた「Good Day」やジャジークラブを取り入れて軽快なビートを聴かせる「JUMP」などなど、次々と異なるタイプの楽曲が展開されていきます。一方では「One」のようなメランコリックに聴かせる歌モノもあったりしますし、布袋寅泰のカバー「バンビーナ」は遊び心たっぷりの楽しいカバーに。最初から最後まで一切飽きさせません。

今回の新曲「どON」も、彼ららしい軽快なナンバーですし、それに続く「Wacha Wacha」はお祭り囃子を取り入れたという、ここに来てあらたな挑戦を感じさせる楽曲に。メジャーデビューしてから25年、今なおそのスキルは全く衰えていないことを感じさせます。

そしてやはり大きな魅力なのがラッパー4人によるマイクリレー。なによりも高音部を担当するPESと低音部を担当するSUが楽曲にメリハリと大きなインパクトを与えており、RIP SLYMEの魅力のひとつなのは間違いないでしょう。あらためて今回、5人での復活という形をうれしく感じます。

ただ、残念ながら活動再開は1年限りだそうで、「ちゃんと句点(。)をつけるため」と語っているそうです。文字通り取れば、これで区切りをつけてRIP SLYMEは正式に解散・・・とも読み取れてしまい、大変気になります。今回の活動再開で、やはり5人での活動は楽しく、活動継続、という形になればうれしいのですが・・・。今回のベスト盤に収録されている、今回の活動再開について綴ったような新曲「結果論」ではかなり前向きの歌詞が綴られており、そういう意味では今後の活動に期待してしまうところなのですが・・・。ともかく、RIP SLYMEの魅力と実力を再認識したベストアルバム。ボリューミーな内容ですが、バラエティー富んだ楽しい楽曲は、一気に飽きることなく聴くことが出来るため、RIP SLYMEを知っている方はもちろん、初心者の方にも是非とも聴いてほしいベスト盤です。

評価:★★★★★

RIP SLYME 過去の作品
FUNFAIR
JOURNEY
GOOD TIMES
BAD TIMES 2000-2010 URA-BAN BEST
STAR
GOLDEN TIME
10
DIGEST 10


ほかに聴いたアルバム

Amazing/Superfly

いままでシングルやアルバムの特典としてカバーアルバムが付属するケースはあったのですが、独立した作品としては初となるカバーアルバム。ミスチルの「彩り」やスピッツの「渚」のような作品から、嵐の「果てない空」のようなアイドル系やMrs.GREEN APPLE「僕のこと」のような最近の楽曲まで様々な作品をカバーしています。越智志帆の力強いボーカルが魅力的である一方、全体的には原曲重視の淡々としたカバーが多く、正直、Superflyとしての色はあまり感じれない印象。ちょっと印象が薄すぎて、オリジナルとしてはあれだけパワフルな楽曲を聴かせてくれるSuperflyの作品としてはちょっと薄味すぎて、物足りなさも感じる作品でした。

評価:★★★

Superfly 過去の作品
Superfly
Box Emotions
Wildflower&Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'
Mind Travel
Force
Superfly BEST
WHITE
黒い雫 & Coupling Songs:`Side B`
Superfly 10th Anniversary Greatest Hits “LOVE, PEACE&FIRE”
0
Heat Wave
15th Anniversary Live Best

けっかおーらいEP/こっちのけんと

昨年「はいよろこんで」が大ヒットを記録したシンガーソングライターこっちのけんとの初となるEPかつ初となるCD作品。表題曲「けっかおーらい」はアニメ「ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-」主題歌となっており、エレクトロアレンジの軽快なポップチューンに。大ヒットした「はいよろこんで」も「THE FIRST TAKE」でのバージョンが収録されています。明るくポップで、いい意味で気軽に聴けるようなポップチューンがならんでおり、「はいよろこんで」だけではないこっちのけんとの魅力を垣間見れる作品。最近のミュージシャンらしく、配信シングル主体の活動が続いているのですが、是非アルバムも聴いてみたいなぁ。

評価:★★★★

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2025年9月11日 (木)

人気のSSWの新譜が見事1位!

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

人気のSSWの新作が見事1位を獲得です。

今週1位初登場は藤井風「Prema」が獲得。CD販売数及びダウンロード数1位、ストリーミング数2位。約3年半ぶりとなるニューアルバム。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上19万1千枚を売り上げて1位初登場。前作「LOVE ALL SERVE ALL」の初動14万4千枚(1位)よりもアップしています。

2位は韓国の男性アイドルグループTREASUREのミニアルバム「[LOVE PULSE]」が獲得。CD販売数2位、ダウンロード数6位、ストリーミング数9位。オリコンでは初動売上10万3千枚で4位初登場。前作「PLEASURE」の初動2万5千枚(5位)からアップしています。

3位は女性アイドルグループME:I「WHO I AM」が獲得。CD販売数及びダウンロード数3位、ストリーミング数11位。本作がデビューアルバム。オリコンでは初動10万9千枚で3位に初登場しています。

4位以下の初登場盤では、7位に韓国の男性アイドルグループZEROBASEONE「NEVER SAY NEVER」が初登場。10位にこちらも韓国の女性アイドルグループaespa「Rich Man」が初登場でランクインしています。

一方、ロングヒット盤ではまずSnow Man「THE BEST 2020-2025」が4位にダウン。ベスト10ヒットを通算23週に伸ばしましたが、ベスト3ヒットはストップ。Mrs.GREEN APPLE「10」も5位にダウン。こちらはこれで9週連続のベスト10ヒット。一方、ミセスの「ANTENNA」は11位にダウンしており、こちらはベスト10ヒットは通算50週でストップ。また、「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」は今週8位にダウン。ただ、ベスト10ヒットを連続9週としています。

思ったよりもミセスのベスト盤が失速してしまっていますが・・・もっとも今週は上位に新譜が並んだため、来週以降は再び盛り返しそうです。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeateekers SongsはLeina「One Week」が獲得。20歳のシンガーソングライターで、9月17日リリース予定のEP「Blue age」からの先行配信曲。ラジオ局41局でヘビーローテーションとなり、ラジオオンエア数で6位を獲得。Heatseekersで見事1位となっています。ちなみにHot100では78位に初登場。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週はDECO*27「モニタリング(Best Friend Remix)」が初登場でランクイン。昨年発表された「モニタリング」のリミックスバージョンが見事1位獲得です。2位は先週1位の山本「三不粘をエロい目で見るな」がワンランクダウン。3位はなきそ「いますぐ輪廻」が6位からランプアップ。3週ぶりのベスト3返り咲きとなっています。

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2025年9月10日 (水)

今週も新譜は多め

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も比較的新譜の多いチャートに。最近、ストリーミング数で再生回数を稼いでいる大型ヒットがない影響で、CDの売上がチャートに比較的ダイレクトに反映された結果、アイドル系の新譜の上位へのランクインが目立つようになっています。

そんな訳で、1位は旧ジャニーズ系。なにわ男子「アシンメトリー」が獲得。テレビ朝日系ドラマ「リベンジ・スパイ」主題歌。CD販売数1位、ラジオオンエア数19位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上34万8千枚で1位初登場。前作「Doki it」の初動32万5千枚(1位)からアップ。

2位は先週3位のHANA「Blue Jeans」がワンランクアップ。ストリーミング数は8週連続の1位。動画再生回数は3位から4位に若干のダウン。これで今週8週連続ベスト10ヒットとなり、ベスト3入りも8週目。ちなみにHANAは「ROSE」も9位から8位にアップ。ストリーミング数は3週連続の3位。こちらは23週連続のベスト10ヒットとなっています。

3位は先週1位のSnow Man「カリスマックス」が2ランクダウン。ダウンロード数は2週連続1位、動画再生回数も2位から1位にアップ。ストリーミング数も16位から8位にアップしています。

続いて4位以下初登場曲ですが、まず4位に韓国の女性アイドルグループILLIT「時よ止まれ」がランクイン。CD販売数2位、ラジオオンエア数4位。日本盤のCDシングルですが、CD形態でのシングルリリースはこれが初。オリコンでは初動売上4万4千枚で2位初登場。

7位には男性アイドルグループTHE SUPER FRUIT「まにまに」がランクイン。CD販売数2位。オリコンでは初動売上3万8千枚で3位初登場。前作「サマー☆★げっちゅー」の初動1万6千枚(8位)からアップしています。

そして10位には韓国の男性アイドルグループTREASURE「PARADISE」がランクイン。ラジオオンエア数3位、動画再生回数11位。ミニアルバム「LOVE PULSE」からのタイトルチューン。

今週、ロングヒットはHANAの2曲のみ。Mrs.GREEN APPLEは「クスシキ」が今週12位にダウン。ランクイン4週目の「夏の影」が9位にランクインしているのみとなっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年9月 9日 (火)

民衆の感情を込めた「古謡」を歌いつぐ

Title:わたしの好きな労働歌
Musician:寺尾紗穂

以前、当サイトで音楽関連の書籍の紹介として、寺尾紗穂の「戦前音楽探訪」を紹介しました。もともと日本各地で昔、民衆に歌われてきた「古謡」と呼ばれるような音楽の収集を行ってきた彼女。その「古謡」に関するエピソードなどを集めたのが同書でしたが、本作は、そんな「古謡」を彼女自ら歌ったアルバム。もともと彼女は、日本各地のわらべうたをあつめた「わたしの好きなわらべうた」というアルバムを2作リリースしていますので、それに続く作品ということになります。

彼女が選んだ労働歌ですが、注目すべきはこれらの曲、決して「歌いつがれた」作品ではありません。沖縄民謡の「月ぬかいしゃ」以外は、基本的にほとんど今では忘れ去られた曲であり、彼女がライブなどで訪れた土地で地元の図書館などをめぐり、昔歌われていた曲を発掘したそうです。労働の時に歌われる「労働歌」というと、アメリカの奴隷制度の中で黒人によって歌われたワークソングが、やがてブルースへと発展し、今につながったことを思い起こさせます。日本でも田植えの時に歌われたという田植え歌など、労働歌が伝わっていますが(今回のアルバムでも何曲か、そのような田植え歌が収録されています)、様々な労働歌がまだ日本に眠っているということが興味深く感じますし、またそのような曲を彼女が発掘したということにも非常に意義深いことを感じます。

一方、これらの曲が歌いつがれていないという事実は、やはり労働環境が大きく変化すると、労働歌が不要になるということなのでしょう。実際、今では、田植え歌を歌いながら田植えを行う、という光景は完全に過去のもととなってしまいましたし、本作の冒頭に収録されている「佐津目銅山鉱夫歌」など、銅山自体がはるか昔に閉山となってしまっています。

ただ、それだけに歌詞が当時の状況をダイレクトに反映されており、かなり労働者のリアルな心境が歌われているのも特徴的。もっともダイレクトなのが「籠の鳥より」で、各地の紡績工場で過酷な労働を強いられた女性労働者が歌った曲らしく、「籠の鳥より監獄よりも/寄宿ずまいはなお辛い」など、当時の過酷な状況が延々と歌われています。また、前述の「佐津目銅山鉱夫歌」でも「神戸行こうとわし連れ出して/ここが神戸かヨー山の中」と、前述の「戦前音楽探訪」でも言及されていますが、おそらく手配師にだまされて連れてこられた労働者の悲哀が歌われていますし、こういう行き先を騙されて過酷な労働を強いられるケースは、「戦前音楽探訪」では福島原発のケースを記載していましたが、それこそ現在では闇バイトの話を彷彿とさせ、時代を超えて共通するようなメッセージも感じます。

もちろん、そんな「暗い」曲ばかりではなく、軽快に楽しめる曲も少なくなく、「エンヤマッカゴエン」は子守唄ですが、かなり軽快な内容。山形県の真室川町で採取された歌だそうですが、近くの街である酒田へ行っておみやげになにを買ってこようか、という歌詞は、よく知られている子守唄である「江戸の子守唄」との共通項も感じさせます。またラストに収録されている「板橋の棒うち歌」は麦の脱穀をする際に歌われた労働課のようですが、どうも特に女性が行っていた脱穀作業の中で、男性との恋愛の駆け引きがあったそうで、この曲も作業の最中に歌われるような軽快なリズムで聴かせつつも、歌詞はどこかそんな恋愛の駆け引き的な内容となっており、非常にユーモラスを感じます。

そんな当時の民衆のリアルな心境を今に伝えつつ、本作が素晴らしいのはそれをしっかり現代の耳でも楽しめるようなポップスソングとして仕上げている点でしょう。まず力強く伸びやかな寺尾紗穂のボーカルが耳に残りますし、全体的にピアノをメインとしたシンプルなアレンジが特徴的。そんな中で、1曲目の「佐津目銅山鉱夫歌」はジャジーなベースで今風なアレンジにしつつ、ダークな雰囲気が曲の内容にもマッチ。「あらぐれ」では折坂悠太とデゥオ。ピアノとジャジーなバンドサウンドで軽快でコミカルな楽曲に仕上げています。また、静かなピアノをバックに美しく歌われる「月ぬかいしゃ」は絶品の1曲。今なお歌いつがれているというその理由もわかるように思います。

こういう労働歌を収集し、自分で歌いつぐということ自体、非常に意義深いことに感じますし、また音楽的にも昔からの労働歌を今風にカバーし、シンプルなアレンジと美しい歌声でしっかり聴かせるアルバムに仕上がっており、意義自体関係なく、素晴らしい内容となっていたと思います。あらためて日本には昔から様々な民衆の文化があったんだということを実感したアルバムでした。

評価:★★★★★

寺尾紗穂 過去の作品
余白のメロディ
しゅーしゃいん


ほかに聴いたアルバム

希望のシッポ/FLYING KIDS

デビュー35周年を記念してリリースされた約5年ぶりのニューアルバム。スガシカオ、トータス松本、RIP SLYMEのPESがゲストとして参加。ゲスト陣も加わり、記念すべき周期のアルバムということで、全体的に明るく、祝祭色も感じさせるアルバムになっています。全体的にはファンクをベースとしながらも、あくまでもポップにまとめあげている楽曲。男性ボーカルの浜崎貴司と、女性ボーカルのElliが上手いこと組み合わさっており、楽曲に幅を与えています。

評価:★★★★

FLYING KIDS 過去の作品
EVOLUTION
LIFE WORKS JOURNEY
みんなあれについて考えてる

H Jungle With t 30th Anniversary Collection/H Jungle with t

ダウンタウンの浜田雅功が、小室哲哉と組んだユニットH Jungle with t。1995年にリリースしたデビューシングル「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント」が200万枚の大ヒットを記録したため、アラフィフ世代あたりには懐かしく感じるのではないでしょうか。本作は、結成30周年を記念してリリースされたボックスセット。H Jungle with tでリリースされた3枚のシングルの収録曲がすべて収録されているほか、1999年にリリースされたリミックスアルバムの収録曲やミュージックビデオも収録されています。大ヒットした曲なだけに、もっと大々的に売り出せばよさそうですが、生産限定のボックスセットのみのリリースとなったのは、やはりダウンタウンの今の状況の中、大々的に売り出しにくいという事情があったからでしょうか。松本人志もゲスト参加していますし。

そんな訳で久々にH Jungle with tの曲を聴いたのですが、クラブサウンドであるジャングルを、歌謡曲的なポップスに取り入れたというのは、今から考えてもかなり挑戦的な楽曲だったように感じます。ただ一方、メロディや歌詞にインパクトがある反面、サウンド的にさほどカッコよさが感じられない点、小室哲哉の特徴でもあり、一般的にコアな音楽ファンに受け入れられなかった要因のようにも感じます。また、サラリーマンの心境を歌った歌詞がうけたという部分があるのでしょうが、まだ浜ちゃんが若手だった1995年時点では、それが共感を呼んだのですが、すっかり大御所となった現時点で聴くと、ちょっと違和感は覚えます。その点はちょっと気になったのですが、やはりアラフィフ世代にとってはなつかしさを感じるボックスセット。「WOW WAR~」は比較的、90年代のヒット曲の代表格としてよく取り上げられるのですが、2作目「GOING GOING HOME」や3作目「FRIENDSHIP」はあまり懐かしのヒット曲として取り上げられる機会もないだけに、余計懐かしさを感じました。

評価:★★★★

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2025年9月 8日 (月)

最高傑作との評判も名高いメジャー4作目

Title:GEAR BLUES
Musician:thee michelle gun elephant

2025年にデビュー30周年を迎えたTHE MICHELLE GUN ELEPHANT。それを記念して、現在、彼らの過去作のリマスター作品がアナログ及び配信で徐々にリリースされていますが、本作は1998年にリリースされたメジャー4作目となるアルバム。前作「Chicken Zombies」で初のチャートベスト10入りを果たした彼らでしたが、続く本作でもオリコン最高位6位を記録。名実共にバンドとして勢いのあった時期のアルバムとなります。

そんな時期のアルバムだからこそ、バンドとしての最高傑作とも言われている本作。個人的にも本作は、はじめて聴いたミッシェルのアルバムということもあり、思い入れのある1枚だったりします。今回、久しぶりに本作を聴いたのですが、あらためて彼らの最高傑作と言うにふさわしい文句なしの内容であることを再認識しました。

まずなにより素晴らしいのがこのジャケット写真。ミッシェルのアルバムのジャケットはどれも非常にカッコいいのですが、真っ黒の背景に、黒のスーツを着こなした4人のメンバーが並んでいる本作のジャケットは、見ているだけで惚れ惚れとするカッコよさを感じます。そんなアルバムは1曲目「ウエスト・キャバレー・ドライブ」から、非常にヘヴィーなベースのリフとドラムのビートからスタート。続くバンドの代表作と言ってもいい「スモーキン・ビリー」も同じくヘヴィーなギターリフのイントロから、チバユウスケの力強いシャウトも強い印象に残るナンバー。特に「愛という憎悪」という印象的なフレーズでバンドサウンドがピタッと止まり、その後、再びヘヴィーなサウンドとシャウトがスタートする、緩急ある展開が強いインパクトを残します。

いままでの作品に比べて、全体的にバンドサウンドのヘヴィーさが増したのが本作の大きな特徴で、続く「サタニック・ブン・ブン・ヘッド」でもグルーヴィーでゆっくり聴かせるヘヴィーなサウンドが印象的。力強いバンドサウンドで疾走感のある「フリー・デビル・ジャム」や、キャバレーロック的に怪しげでヘヴィーなサウンドを聴かせる「ホテル・ブロンコ」などなど、ヘヴィーでグルーヴ感あるガレージロックのサウンドをこれでもかというほど聴かせてくれます。

そして後半の核でもあり、アルバムの中でも大きなインパクトとなっているのが、これまた彼らの代表曲と言ってもいい「G.W.D」でしょう。ヘヴィーなベースからスタートするイントロからして非常にカッコいいナンバーですが、「G.W.D」とはサビでシャウトする「がなる、割れる、だれる」の頭文字というユーモラスさも。ちょっと強面な感じのするミッシェルですが、こういうユーモアセンスが楽曲の中で感じられるのも彼ら大きな魅力ではないでしょうか。

そんな終始ヘヴィーさを感じさせるアルバムですが、その反面、「キラービーチ」やラストを飾る「ダニー・ゴー」のように、ポップなメロを聴かせる曲も目立ち、意外とポップな側面を感じさせるのもミッシェルの大きな魅力。終始、ヘヴィーなバンドサウンドが鳴り響く本作の中でも、このようなポップな曲が大きなインパクトとなっていました。

彼らのオリジナルアルバムで、最初にどのアルバムから聴くべきか、と言われればやはりこのアルバムかな、と思うほど、彼らのカッコよさがつまったアルバムです。いまから聴いても、本当に唯一無二のバンドだったな、ということをあらためて認識させられました。バンド最高傑作という評判に違わない、文句なしの傑作です。

評価:★★★★★

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 過去の作品
THEE GREATEST HITS
cult grass stars
High Time
Chciken Zombies


ほかに聴いたアルバム

NO BORDER HITS 2025→2001 〜ベスト・オブ・東京スカパラダイスオーケストラ〜/東京スカパラダイスオーケストラ

タイトル通り、東京スカパラダイスオーケストラのベストアルバム。デビュー35周年を記念したベストアルバムですが、楽曲は2001年以降の作品を、過去にさかのぼる形で収録した内容に。2001年というと、いわゆる「歌モノ3部作」と言われた「めくれたオレンジ」「カナリヤの鳴く空」「美しく燃える森」以降の作品が収録されており、それ以降のゲストボーカルが参加した作品が多く収録されています。この頃からの作品は、スカパラがグッとポップ寄りにシフトした作品で、特に初期からのファンにとっては賛否両論があった後の作品。様々なタイプのボーカルを迎えた楽曲はバラエティーもありポップで楽しい一方、ボーカリストによって楽曲の出来栄えに差も感じられ、スカパラのスタイルがボーカリストに左右されすぎではないかとも感じてしまいます。そうゆう柔軟さが、良くも悪くも35年という長きにわたって活動を続けられた要因なのでしょうが・・・。

評価:★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
on the remix
Walkin'
欲望
Diamond In Your Heart
SKA ME FOREVER
The Last
TOKYO SKA Plays Disney
The Last~Live~
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA~Selecao Brasileira~
Paradise Has NO BORDER
GLORIOUS
2018 Tour「SKANKING JAPAN」"スカフェス in 城ホール" 2018.12.24
TOKYO SKA TREASURES ~ベスト・オブ・東京スカパラダイスオーケストラ~
SKA=ALMIGHTY
S.O.S. [Share One Sorrow]
JUNK or GEM
35

Pulsatilla cernua/清水翔太

約2年ぶりとなる清水翔太のニューアルバム。R&Bベースのメランコリックなポップソングを歌うというスタイルは以前から変わらず。ただ、その中でも本作は「DON'T FORGET MY NAME」などHIP HOP色の強い楽曲が目立った印象が。また、荒井由実の「ひこうき雲」のカバーにも挑戦。こちらも彼の色のしっかりついた魅力的な楽曲に仕上がっているほか、「PUZZLE」ではゴスペルにも挑戦するなど、意欲的な部分も感じさせる作品となっていました。

評価:★★★★

清水翔太 過去の作品
Umbrella
Journey
COLORS
NATURALLY
MELODY
ENCORE
ALL SINGLES BEST
PROUD
FLY
WHITE
period
HOPE
Insomnia

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2025年9月 7日 (日)

現在を象徴するヒット曲の数々

Title:10
Musician:Mrs.GREEN APPLE

現在、おそらく日本で最も人気のあるミュージシャンと言えるのがMrs.GREEN APPLEでしょう。「ライラック」が大ヒットを記録した他、その後も多くのシングルがランキング上位に食い込み、特にHot100では複数曲が同時にランクインし続けるという状況が続いています。そんな、タイミングでリリースされたのがデビュー10周年を記念してリリースされたベストアルバム。2020年の活動休止前に5周年のベストアルバム「5」をリリースしていますので、それに続くベスト盤となります。彼らは2022年から、それまでの5人組から3人組となり、「フェーズ2」と題した新たな活動をスタートさせましたが、本作のベスト盤はその「フェーズ2」以降の作品がほぼリリース順に収録。ただ、アルバムの最後に、2014年にライブ会場限定でリリースされていたEP「Introduction」に収録されていた楽曲「慶びの種」の再録盤が収録されています。

さて、現在、驚異的とも言える人気を確保しているMrs.GREEN APPLE。ただ、ちょっと前まではVaundy、米津玄師、Officiel髭男dism、back numberなどが同じように人気を獲得していた中、2025年に入ってからほぼミセスの一人勝ちという状況となってきてしまい、正直言うと、その結果、チャートが停滞しているような状況になってしまっている点は否めません。また、ちょっと意地悪な見方をしてしまうと、現状のミセスのアイドル的な人気を鑑みると、結局は「顔」の人気なのか・・・と残念な気持ちになってしまう点も否めません。

一方でちょっと気になるのがこのベスト盤の売上。オリコンでは初動売上76万枚という記録を打ち出しました。この数字については、評価に部分があります。確かに、CDが売れない現在の状況を考えると圧倒的な数字であることは間違いない一方、この社会的現象とも言える人気を考えると、初動ミリオンくらい行くかと思ったので、なんとも言えない数字という印象を受けました。もちろん、若い世代がCDを聴かないどころか、CDプレイヤーすら持っていない、という現状では、昔で言うダブルミリオンくらいの売上なのかもしれませんが・・・。

肝心のベスト盤の内容に戻りましょう。今回のベスト盤は、まさに最近のヒット曲が網羅されたファンでなくても構成が魅力的。もちろん「ライラック」「ケセラセラ」に最新ヒットの「breakfast」「クスシキ」も収録。ちなみにMVが問題になった「コロンブス」もちゃんと収録されています。今回のアルバムであらためてミセスの「フェーズ2」の楽曲をまとめて聴いたのですが、まず大きな特徴として感じるのが全体的に明るく、祝祭色の強い楽曲が多いという点。もともとミセスの曲は、活動休止前の曲から祝祭色が強い作風が特徴的でしたが、「フェーズ2」に入り、初期のようなギターロック路線から、ピアノやストリングス、ホーンなどのサウンドを多彩に取り入れた、よりポップで、そしてより祝祭色を強めた曲が並びます。楽曲にはグッとスケール感が増し、活動休止前の曲は、良くも悪くも「音楽フェス向け」といった印象を受けたのですが、スケール感が増したことにより、「フェス」という場所へ縮こまっている印象がなくなりました。大ヒットを連発するバンドにチェンジしたのは、そういった点が大きな要素だったように思います。

また、歌詞についても全体的に明るく前向き。なんといっても、そのままストレートに「我らは尊い」と歌い上げる「Soranji」「私を愛せるのは私だけ」と歌う「ケセラセラ」など、非常に自己肯定感の強い歌詞が特徴的。全体的に祝祭色が強く、かつ明るく前向き、リスナーを全力で肯定するような歌詞は、停滞感漂う今の社会を逆に象徴するような歌詞にも感じてしまいます。良くも悪くも、ミセスのヒットというのは、今の日本の状況を反映しているようにも感じました。

今の日本を象徴という点で、彼らの歌詞にちょっと違和感を覚えたものがあって、それが「breakfast」の歌詞。この曲の中に「行ってきますとご先祖に手を合わせよう」という一節が出てきます。言っていること自体に間違いはないのでしょうが、歌詞の内容的におじいちゃんあたりが言いそうな内容を、若者向けのミュージシャンの彼らがいきなり歌う点に強い違和感を覚えます。彼ら自体、特に保守的、右寄りは言動をしている訳ではないのですが、なんとなく保守的な動向が受ける現代の状況を反映しているようにも感じてしまいました。

今の日本のヒットチャートで、アイドル系を除くとまさに独り勝ちに近い状況で席巻している彼らだからこそ、そんなタイミングでリリースされたベスト盤には、聴いていていろいろと感じるもの、考えるものがありました。良くも悪くも、なんとなく彼らが現在のシーンの中で大ヒットしている理由もわかるような気がした今回のベストアルバム。この勢いがこれからも続くのかどうかは正直わからない部分はあるのですが・・・。ただ間違いなく、2020年代を代表するミュージシャンとして今後も語られることでしょう。そういう意味でも、現在を象徴するベストアルバムでした。

評価:★★★★

Mrs.GREEN APPLE 過去の作品
TWELVE
Mrs.GREEN APPLE
はじめてのMrs.GREEN APPLE
ENSEMBLE
Attitude
5
Unity
ANTENNA
The White Lounge in CINEMA -Original Soundtrack-


ほかに聴いたアルバム

Hump Back/Hump Back

女性3人組パンクロックバンドの約3年7ヶ月ぶりとなるニューアルバム。その間、メンバー全員がなんと結婚・出産。ある意味、女性バンドらしい活動休止を経て、新たに活動を再開しています。今回のアルバムは、そんな彼女たちの経験が楽曲にも強く反映されており、「オーマイラブ」では自分が親になったからこその、自分たちへの親への感謝と子供への思いが歌われています。ただ、全体的に楽曲は丸くなってしまい、ポップになってしまった印象も。結婚して母親になった影響は、正直、いままでの尖った感もあったバンドに対しては、どちらかというとマイナスの印象が強かった感も・・・。今後、どう変化していくのかは、注目したいところですが。

評価:★★★★

Hump Back 過去の作品
人間なのさ
大阪城ホール単独公演”拝啓、少年少女たちよ”
ACHATTER
AGE OF LOVE

LISTEN! BARBEE BOYS 4/BARBEE BOYS

BARBEE BOYS 2025年リマスター復刻版。本作は1987年にリリースされた、オリコンチャートでも3位を記録した作品。「女ぎづねon the Run」「泣いたままでlisten to me」など代表作も収録。基本的に杏子とKontaのスリリングなかけ合いの曲に、それぞれがメインでボーカルをとる曲も1曲ずつ配置され、前作に続き、バンドとしてのスタイルを完全に確立させた感もあります。なによりも前作に続きバンドとしての勢いも感じさせる作品で、バンドとしての状況の良さを感じさせる傑作に仕上がっていました。

評価:★★★★★

BARBEE BOYS 過去の作品
Master Bee
1st OPTION
Freebee
3rd.BREAK

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2025年9月 6日 (土)

後期の作品も目立つベスト盤

Title:Times Flies...1994-2009(Remaster)
Musician:oasis

2009年の解散から15年目の昨年2024年、再結成とライブツアーを発表し、現在ライブツアー中のoasis。その再結成に際して、2010年にリリースしたオールタイムベストがリマスターされ、再発されました。ただ、正直再発といっても、リマスター音源を使用している以外は国内盤でロゴのステッカーシールが入っていたり、ライナーツノートが一新されていたり、歌詞対訳が、いしわたり淳治による新訳が起用されていたりする程度で、新たなレア音源などは収録されておらず・・・。再結成のニュースで新たにoasisに興味を持った方や熱心なファン向けのアイテム、といった方がいいかもしれません。

さて、oasisというと1stアルバム「Definitely Meybe」と2ndアルバム「(What's the Story)Morning Glory?」の出来が圧倒的。これ以降の作品については、どうしてもこの2作に比べると見劣りがしてしまう感は否めません。実際、デビュー20周年で企画されたリマスター盤もこの2作と3枚目「BE HERE NOW」のみ。25周年でカップリング集の「The Masterplan」もリマスター版がリリースされましたが、4th「Standing on the Shoulder of Giants」以降のアルバムはリマスターという話は聞こえてきません。

ただ、この解散直後にリリースされたベストアルバムに関しては、おそらく意図的だとは思うのですが、1stからラストアルバムとなった7枚目「Dig Out Your Soul」の楽曲が比較的平等に収録されています。1stからは4曲、2ndからは3曲、3rdからは3曲、4thからは2曲、5thからは5曲、6thからは3曲、7thからは3曲、加えてダウンロード限定シングルの「Lord Don't Slow Me Down」に、アルバム初収録として話題となった「Whatever」が収録されています。しかし、その結果、「Rock'n'Roll Star」「Morning Glory」「Champagne Supernova」「Acquiesce」などといった代表曲とも言えるナンバーは未収録となってしまっています。

結果として、oasisの活動の中であまり語られることのない後期の作品も多く収録されているこのベスト盤。3枚目まではリマスター版のリリースなどで何度も聴いたことある私も、正直4作目以降はリリース直後以外にあまり何度も聴いたことはなく、久しぶりに耳にした作品も少なくありません。今回、久しぶりに4枚目以降の楽曲を聴いてみたのですが、こうやってベスト盤に収録されている楽曲ばかりであるため、正直言えば、1枚目、2枚目至上主義(といってもほとんどのファンはそうかもしれませんが)の私にとっても思ったよりも悪くない、むしろあらためて聴くと、結構いいんじゃないか、とあらためて感じました。

5枚目のアルバム「Heathen Chemistry」に収録されている「The Hindu Times」にしても、グルーヴィーなサウンドが非常にカッコいいですし、4枚目のアルバムに収録されている「Go Let It Out」についても、1枚目、2枚目に収録されていても不思議ではないoasisらしいミディアムチューンに仕上がっています。

2枚組のアルバムは、基本的にDisc1では1st、2ndからの楽曲、Disc2では3rd以降の作品が収録されており、厳密なリリース順ではないものの、概ね、oasisの歩みを知れるような構成となっています。ただ、4th以降の作品もいいな・・・と思いながらDisc2を聴き進めると、後半に全盛期にリリースされた代表曲「Whatever」が配置されており、全盛期の作品と後期の作品はやはりレベルが違う・・・とあらためて実感させられてしまいます。後期の作品も悪くない、と思いながらアルバムを聴き進めるのに、なんでここで「Whatever」を配しているんでしょうね。なんだろう、このオチ(笑)。

個人的には代表曲を網羅的に聴くには、むしろ2006年にリリースされたベスト盤「Stop the Clocks」の方が適しているように感じますし、はじめてoasisを聴くなら、1st、2nd+「The Masterplan」の3枚をまずは聴くべきだとは思うのですが、まあ、とはいっても初心者が最初にこのベスト盤を聴くのも悪くはないかもしれません。ファンにとっても、oasisの魅力を再認識するために、あらためて聴いてみるべきベスト盤かも。しかし今回の再結成、ライブツアーのみで新作などの予定はないみたいなのですが、ツアー後はどうなるのかなぁ。ツアーが思ったよりよくって、新作を作り始める、というオチを期待したいところなのですが・・・さてさて。

評価:★★★★★

oasis 過去の作品
DIG OUT YOUR SOUL
Time Flies 1994-2009
Original 1993 Demos
Definitely Maybe (Remastered) (Deluxe)
(WHAT'S THE STORY)MORNING GLORY?(Remasterd)(Deluxe)
BE HERE NOW(Deluxe)
KNEBWORTH 1996
The Masterplan - 25th Anniversary Remastered Edition
Definitely Maybe (30th Anniversary Deluxe Edition)(「オアシス」30周年記念デラックス・エディション)

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2025年9月 5日 (金)

ジャケットを含め内面をさらけ出した作品

Title:Virgin
Musician:Lorde

ニュージーランド出身のシンガーソングライターLordeの4枚目となるオリジナルアルバム。アルバムは毎作高い評価を受け、人気面でも高い評価を受けていますが、本作はイギリスのナショナルチャートで初の1位を獲得。ビルボードチャートでも2位を獲得するなど、その人気の高さを見せつける結果となっています。

楽曲は、エレクトロ主体のサウンドがまずは特徴的。前作「Solar Power」はシンプルなギターサウンドが主軸のアルバムでしたのが、本作は前々作「Melodrama」に回帰したスタイルと言えるかもしれません。ただ、リズミカルなエレクトロチューンが多かった「Melodrama」に対して、本作はどちらかというとドリーミーな作風の曲が目立ちます。1曲目の「Hammer」も、ファルセットボーカルも入ってドリーミーな作風が特徴的。続く「What Was That」も、切なく聴かせるボーカルを軸に、リズミカルながらもドリーミーなエレクトロサウンドを聴かせてくれています。

特に中盤以降は、Lordeの力強いボーカルを軸として、厳かさも感じさせる作風が大きな魅力となっています。「Man Of The Year」も、エレクトロなアレンジながらも、彼女の伸びやかで力強いボーカルを前に押し出して、荘厳さを感じさせる楽曲になっていますし、「GRWM」もドリーミーなエレクトロサウンドをバックに、力強く聴かせるLordeのボーカルには荘厳さを感じさせます。ラストを飾る「David」も同じく、ドリーミーなエレクトロサウンドでゆっくり力強く聴かせるナンバー。アルバムは全体的に、ドリーミーなエレクトロサウンドを軸に、力強く歌い上げられるLordeの「歌」をしっかりと聴かせるような作品に仕上がっていました。

そんな作風になっているのはまず第一に本作のテーマが大きな影響を与えているのでしょう。本作は彼女の内面をさらしだした、内省的なアルバムに。冒頭を飾る「Hammer」では"Some days,I'm a woman,some days,I'm a man"と、彼女の内面の性的な揺らぎを表現した歌詞が印象に残りますし、「Broken Glass」では摂食障害をテーマとしたり、「Favourite Daughter」では母親との関係性をテーマとしています。「Virgin」というアルバムタイトル自体、彼女の身体が手つかずな状態での再出発を意味しているそうです。

そのアルバムのテーマ性を象徴しているのが特徴的なジャケット写真で、ジャケットはジッパーと子宮内避妊具が写った骨盤の青いX写真が採用されています。ちょっとドギツイ感じのジャケット写真が印象的なのですが、アルバムの内容を象徴しているジャケットが強い印象を受けます。ちなみに限定盤のCDは「クリアディスク」と名付けられていて、CDも完全に透明な仕様となっており、CDプレイヤーによっては読み込みができないなんて事態もあったとか。これはこれである程度ワザとなんでしょうが、ある意味、彼女の内面性を見せるというコンセプトを徹底した作品と言えるでしょう。

毎作、テーマに沿って微妙に音楽性を変えてきている彼女。ただ、その魅力的な歌はデビュー当初から変わりません。今回のアルバムもまた彼女の魅力的な歌が強い印象に残る作品となっていました。内省的なテーマ性だからこそ、彼女の歌声がより力強く響いてくる、そんな傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

Lorde 過去の作品
PURE HEROINE
Melodrama
Solar Power


ほかに聴いたアルバム

Acts of Faith/SAULT

ちょっと取り上げるのが遅くなってしまいましたが、昨年7月にリリースしたSAULTのアルバム。いや、リリースされたのに気が付かず、スルーしてしまったのですが・・・。2023年12月にロンドンで行われた一夜限りのコンサートで演奏され、全32曲、途中で楽曲が途切れないギャップレスの作品となっています。全編、メロウな女性ボーカルによる歌で統一されており、ファンキーなリズムもグルーヴ感あって心地よい作品に。アルバム全体を通じて1つの作品のような内容となっており、全32分という短さもあり終始、メロウなサウンドに酔いしれるアルバムでした。

評価:★★★★★

SAULT 過去の作品
Untilted(Black is)
Untitled(Rise)
NINE
AIR
11
AⅡR
Earth
Today&Tomorrow
UNTITLED(God)
10

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2025年9月 4日 (木)

K-POP勢が目立つ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はK-POP勢が目立つチャートとなりました。

まず1位は韓国の女性アイドルグループTWICEによる日本盤6枚目のアルバム「ENEMY」がランクイン。CD販売数及びダウンロード数1位、ストリーミング数11位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上11万4千枚で2位初登場。直近作は韓国盤の「THIS IS FOR」で、同作の初動1万6千枚(6位)からアップ。ちなみに同作は今週8位にランクイン。今週で8週連続のベスト10ヒットを記録しています。

さらに初登場盤で10位に韓国の女性アイドルグループIVE「IVE SECRET」が初登場でランクイン。また、男性アイドルグループTOMORROW×TOGETHER「The Star Chapter:TOGETHER」が先週の13位から7位にアップし、2週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。

また今週5位に「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (Soundtrack from the Netflix Film)」がランクイン。こちらも8週連続のベスト10ヒットとなっています。本作はソニーピクチャーズ制作でNetflixが独占配信しているアニメ映画で、K-POPの女性アイドルグループが、悪魔の手先である男性アイドルグループと戦いに挑むアクションもの。アメリカでも大ヒットを記録していますが、日本でも大きな評判となっているようです。

さて、ベスト3に戻ると、2位にはSnow Man「THE BEST 2020-2025」が先週の3位からランクアップ。これで通算22週目のベスト10ヒット&ベスト3ヒット。また、Mrs.GREEN APPLE「10」は今週さらにワンランクダウンの3位に。ちなみにミセスは「ANTENNA」が7位から9位にダウン。これで通算50週目のベスト10ヒットに。一方、「Attitude」は12位にダウンしてしまいました。

また先週10位にランクインしていたtimelesz「Hello!We're timelesz」は今週一気に99位にダウン。今週、チャートイン27週目でしたので、リカレントルールに沿って、ストリーミング数が大幅に削られた影響のようです。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeateekers Songsはブランデー戦記「赤いワインに涙が・・・」が3週連続の1位を獲得。ラジオオンエア数はこちらも3週連続の3位。Hot100は50位から62位にダウンしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週のボカロチャート1位は山本「三不粘をエロい目で見るな」が獲得。山本は「乳首なぞなぞ」で1位を獲得したボカロPで、前作に引き続きの1位獲得。三不粘は中国のスイーツで、調理が難しいことから中国でも提供している店は少なく、幻のスイーツと呼ばれているとか。ツヤツヤとしたフォルムがちょっと色っぽい(?)というだけのネタ曲。こういう曲が流行るのがいい意味でボカロっぽい感じです。2位は海茶「幕を下ろそう、パレードへ」が先週と同順位をキープ。先週1位のまらしぃ「ヒューマンビーイング」は3位にダウンしています。

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2025年9月 3日 (水)

今週も新譜ラッシュ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に引き続き、今週もHot100は新譜ラッシュとなりました。

まず今週1位は旧ジャニーズ系アイドルSnow Manの配信限定シングル「カリスマックス」が獲得。ダウンロード数1位、ストリーミング数16位、ラジオオンエア数及び動画再生回数2位。

一方2位は男性アイドルグループBE:FIRST「Secret Garden」が獲得。ダウンロード数及びストリーミング数2位、ラジオオンエア数及び動画再生回数1位。ダウンロード数以外はすべてSnow Manを上回る順位となっていますが、ストリーミング数で大差がつき、総合チャートではSnow Manの後塵を拝する結果となっています。

3位はHANA「Blue Jeans」が先週と同順位をキープ。ストリーミング数はこれで7週連続の1位。ちなみにHANAは「ROSE」も8位から9位にダウンしていながら今週もベスト10をキープ。これでベスト10ヒットは22週連続となりました。

次に4位以下の初登場曲ですが、今週は4位から6位まで初登場曲が並んでいます。いずれも女性アイドルグループ。まず4位は秋元康系。STU48「傷つくことが青春だ」がランクイン。CD販売数1位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上12万6千枚で1位初登場。前作「地平線で見ているか?」の初動11万枚(1位)からアップ。

5位はスターダストプロモーション所属の女性アイドルグループ超ときめき♡宣伝部「ハートな胸の内♡」が初登場。CD販売数3位。オリコンでは初動売上8万2千枚で2位初登場。前作「世界でいちばんアイドル」の初動7万2千枚(2位)からアップ。

そして6位はハロプロ系。OCHA NORMA「女の愛想は武器じゃない」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数16位。オリコンでは初動売上6万8千枚で3位初登場。前作「ちはやぶる」の初動7万3千枚(4位)からダウン。

一方、ロングヒット勢はあと1曲のみ。Mrs.GREEN APPLE「クスシキ」が先週の9位から10位にダウン。ただ、これで22週連続のベスト10ヒット。また「夏の影」は2位から7位に大幅ダウン。「ライラック」は10位から12位とベスト10落ちとなり、今週は2曲同時ランクインに留まりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heat Seekers&ボカロチャート!

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2025年9月 2日 (火)

網羅的な収録曲も魅力

Title:藤子不二雄A生誕90周年記念 藤子不二雄A大全集 CD BOX

個人的に、藤子不二雄の大ファンということもあり、以前から藤子不二雄関連のCDをこちらでも何度か紹介してきました。ただ、そこで取り上げるのはもっぱら藤子・F・不二雄こと藤本弘先生が手掛けた作品がもっぱらでした。先日も、藤本弘先生の生誕90周年ということで、藤子・F作品の関連作品を網羅したCD-BOXがリリースされ、こちらでも紹介しました。しかし、今年、相方、藤子不二雄Aこと安孫子素雄先生も誕生90周年ということで、藤子不二雄A関連のアニメ・テレビドラマなどの主題歌・挿入歌などを網羅したCDボックスがリリースされました。

藤子不二雄というと、どうしてもドラえもんの圧倒的な人気があり、藤本先生に注目が集まりがちですが、安孫子先生作品も決して負けていません。忍者ハットリくんや怪物くん、さらには笑うせぇるすまんは、先日もPrime Videoでドラマ化され、今なお大きな注目を集めています。まんが道や、アニメ化やドラマ化されていないため本作には収録されていないものの、魔太郎が来るなど、作品数で言えば、藤本先生を上回る人気を確保していると言えるかもしれません。

もちろん、過去から安孫子先生の作品も繰り返しアニメ化、ドラマ化されており、そんな作品の関連作品を集めた本作は、6枚組にもなります。私くらいの世代では誰でも知っているような、忍者ハットリくんの主題歌「忍者ハットリくん」や、怪物くんの主題歌「ユカイツーカイ怪物くん」も収録。さらに映画「少年時代」の主題歌で大ヒットした井上陽水の「少年時代」も収録されているほか、異色作としては1967年のテレビドラマ「丹下左膳」の主題歌「左膳のブルース」も収録。この曲、安孫子先生が作詞を手掛け、ドラマに藤本先生と共に出演したこともあるとか・・・今回、はじめて知りました。

さらに、ドラマ「怪物くん」の主題歌となった嵐の「Monster」もしっかりと収録。さらに一方、映画「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」の主題歌ともなったハットリくんこと香取慎吾の「HATTORI3(参上)」も収録されています。旧ジャニーズ事務所所属の嵐の楽曲と、元SMAPのメンバー、香取慎吾の楽曲が同じボックスセットに収録されているというのもかなりレアなような気もします。また、今回のCD-BOXで注目したいのは、井上陽水がコメントを寄せている点。最近、事実上の引退状態となってしまい、表に出てこなくなってしまった井上陽水ですが、こうやって公の場にコメントを寄せているというのはかなり珍しいように思います。それだけ「少年時代」のヒットが彼にとっても大きかったということなのでしょう。

また、個人的にうれしかったのは、前述の藤子・F・不二雄のCD-BOXと曲の重なりがあったという点。やはり私にとっては藤子不二雄というと2人でひとり。こういう些細な両者の共通項がうれしかったりします。本作では藤子不二雄ワイドに使われていた「ゆかいな大脱走」「Dream of You」がかぶってた他、オバケのQ太郎関係の楽曲が、両方共のCD-BOXに収録されています。特に新オバケのQ太郎は、現在、藤子・F・不二雄名義で発売されているので、新オバQ発表後の1985年のアニメを含めてこちらにも収録されているのは、やはり2人でひとりの藤子不二雄ファンとしては素直にうれしく感じました。

さて、肝心な楽曲の方は、前述の嵐や井上陽水の作品以外にもD-SHADEの「Dear...my love」や山口由子の「ふたりなら」など、いわゆるJ-POPの範疇に入るような楽曲も収録されているのですが、全体的には昔ながらのアニソンといった感じの曲が並びます。特に1960年代のアニメの主題歌は、今から聴くとかなり時代を感じさせる作品に。基本的に90年代以降もドラえもんなどのアニメ化が続いていた藤子F作品と比べると、アニメ化の時期が60年代と80年代に重なっているため(それ以降は主に実写ドラマ化がメイン)、藤子FのCD-BOXのようにアニメソングの歴史を感じる、といった感じではないのですが、リアルタイムで見てきたような世代にとってはかなり懐かしさを感じるのではないでしょうか。60年代のアニメをリアルタイムで楽しんでいた方は、もう70歳以上になってしまっているのでしょうが・・・。

全体的にはファン向けアイテムなのは否めませんが、藤子不二雄ファンにとっては間違いなく「買い」なCD-BOX。リアルタイムを懐かしみつつ、久しぶりに藤子不二雄A先生の漫画を読みたくなってくる、そんなCD-BOXでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Chicken Zombies/thee michelle gun elephant

メジャーデビュー30周年を迎えたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが、過去作をリマスターして再リリースするプロジェクト「THEE 30TH」。本作は1997年にリリースし、彼ら初のベスト10ヒットとなった3枚目のアルバム。一気にブレイクしたポイントとなるアルバムなだけに、ミッシェルらしさが完全に確立された作品で、力強いガレージロックのバンドサウンドに、意外とポップスさを感じさせるメロディーラインが大きな魅力に。何よりもバンドとしての勢いを感じさせるアルバムとなっています。あらためてミッシェルのカッコよさを実感させる傑作でした。

評価:★★★★★

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 過去の作品
THEE GREATEST HITS
cult grass stars
High Time

20/LANA

Lana_20

最近、次々に新しいラッパーが人気を博していますが、彼女も今、もっとも注目を集める女性ラッパーのひとり。HIP HOPミュージシャンとして武道館ワンマンの最年少記録を達成。ビルボードのアルバムチャートでも最高位8位を記録するなど人気を集めています。楽曲としてはラップを聴かせるというよりも、HIP HOPなサウンドにラップ気味のフロウを聴かせつつ、基本的には歌モノの作品。R&Bの影響を感じさせるメロウな作風に、彼女自身の等身大の本音を綴った歌詞が大きな魅力。目新しさといった感じでは正直、以前からよくあるR&B系のシンガーとの違いを大きく感じられなかったのですが、彼女と同世代にとっては、自分たちの気持ちを代弁してくれるようなシンガーといった位置づけなのでしょうか。

評価:★★★★

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2025年9月 1日 (月)

迫力ある演奏を聴かせてくれる2組

ザゼンとおとビ

ZAZEN BOYS/おとぼけビ~バ~

会場 心斎橋JANUS 日時 2025年8月27日(水) 19:00~

Zazenotobi

今回は、大阪の心斎橋にあるライブハウスJANUSへ、ZAZEN BOYSと、以前から一度ライブを見てみたかった女性4人組ロックバンドおとぼけビ~バ~の対バンライブ。ちょうど仕事で大阪へ行く日と重なっており、足を運んできました。

心斎橋JANUSはもちろん完全にはじめて足を運ぶライブハウス。キャパ400名の中規模クラスのライブハウス。心斎橋の飲み屋街のど真ん中の雑居ビルの5階にあり、場所は悪くなく、音も比較的悪くなかったのですが、ただ一方、客席に高低差がなく、ステージもさほど高くないため正直、後ろの方だとかなり見えにくいのが少々難点でした。

この日はチケットがソールドアウトするなど満員。ただ、キャパ的にはキツキツに客を入れたといった感じではなく、比較的余裕もある感じ。19時10分頃に会場が暗くなりライブがスタート。最初はおとぼけビ~バ~のステージでした。

メンバーが登場すると、ギターのよよよしえがZAZEN BOYSののりで「大阪〇〇スタジオ(←スタジオ名は聴き取れず)からやってきました、おとぼけビ~バ~です」という挨拶からスタートし、さらにZAZENの真似でポテトサラダが食べたい、という話をしてから「サラダ取り分けませんことよ」へ。さらには「ヤキトリ」へと続き、疾走感あるパンキッシュな曲に会場はいきなり盛り上がります。

その後も「大殺界」や「ラブ・イズ・ショート」などを続いていきます。MCの担当は基本的にギターのよよよしえらしく、ここでのMCではZAZEN BOYSをはじめてみた日の話。〇年前に当時好きだった同志社大学の男の子と見に行ったのがはじめという、ちょっとロマンチック(?)なエピソードから「週6はきつい」へ。その後のMCでは、この日、楽しみにしすぎて3時半入りのところを1時半に楽屋入りしてしまった話や、楽屋にいたら、いつの間にか向井秀徳が立っていて「フジロックの配信見たよ、よかったよ」と話かけられたエピソードなどを語っていました。

さらには「ジジイ is waiting for my reaction」などを聴かせて、ここでやっと、ボーカルあっこりんりんのMCに。ニューアルバムまだですか、という質問がよくあるけど、まだ出ませんという話や、今度ライブアルバムがリリースされるというアナウンスも。これは楽しみです。そしてこのMCからの流れで新曲という「ニューアルバムはまだですか」というそのまんまな曲に(笑)。その後も新曲「めんどいだるい眠いしんどい体調の良い日がない」という年齢的にすごく実感できるユニークな曲へ。さらに終盤は新曲という「お前のストライクゾーン入らんでよし」や「孤独死こわい」を披露し、幕を下ろしました。

約1時間程度のステージ。かなりヘヴィーなガレージロックや、ハードコア、メタル的なヘヴィーなサウンドが特徴的。この日のステージは、ドラムスが産休で活動休止中ということでドラムスがサポートメンバーだったのですが、非常にパワフルなサウンドをダイナミックに聴かせてくれるステージ。ただ、ヘヴィーなサウンドを押しまくったと思えば、いきなりシンプルなサウンドとなりヘヴィーなサウンドからポップに変化したりと、緩急あって、どこかコミカルなパフォーマンスも大きな魅力。とても惹かれるステージで、一気に気に入りました。彼女たちのステージはこの日はじめてだったのですが、是非また、彼女たちのライブに足を運びたいです。

その後、10分程度のセットチェンジがあってから、待望のZAZEN BOYSへ。登場するといきなりお決まりの「MATSURI STUDIOからやってきましたZAZEN BOYSです」というMCから。また、「(会場後ろの)扉の向こうにはバーカウンターがあります。また、おてて洗いも右側にあります」となぜかJANUSの会場の説明をした後、まずは「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」へ。さらには「Honnoji」ではおなじみのファンキーな演奏を聴かせてくれます。

それに続いては再び短いMCで、「MATSURI STUDIOから~」の自己紹介の2回目と、なぜか「扉の向こうにはバーカウンターが~」とJANUSの会場の説明を再びしていました。さらにここから「安眠棒」、さらに博多では、めんどくさいことを「せからしか」と言って、みんなよく言っているというMCから「SEKARASIKA」へ。どちらもライブでははじめて聴いたかも・・・。さらに「バラクーダー」へと続きます。

「バラクーダー」の後の自己紹介ではなぜか「まちゅりスタジオからやってきました」と紹介しており、会場で軽く笑いも。あ、ちなみにこのタイミングで5度目の自己紹介となります。さらに「八方美人」を演った後、またMCへ。この会場、心斎橋JANUSへははじめて来たという話。感想としては、ビルの5階に入っていたので、ビルの5階だなぁ~という感想を持った・・・ってそれ、感想じゃないですよね(笑)。

さらに「ブルーサンダー」「チャイコフスキーによろしく」「6本の狂ったハガネの振動」と続き、ラストは「乱土」から「胸焼けうどんの作り方」で締めくくり。ちなみに「胸焼けうどん」の煮込み時間が200時間単位に大幅に伸びていました(笑)。

もちろんその後はアンコールへ突入。ただ、この日のアンコール、メンバーはなかなか登場しません。10分くらいたってようやく登場。登場すると向井秀徳は「ちょこザップへ行っていました」と言っていいました(笑)。アンコールでは向井秀徳はサングラスをつけて登場。そしてこの日8回目の「MATSURI STUDIOからやってきましたZAZEN BOYSです」と自己紹介をした後、待望の「ポテトサラダ」に突入し、会場から大歓声が上がります。

そしてラストはNUMBER GIRLS時代の曲「delayed brain」へ!途中、おとぼけビ~バ~のよよよしえが登場。なんと、客席にダイブしていました。途中にこの日9回目の、そして最後となった「MATSURI STADIOからやってきました~」という紹介をした後、さらにおとぼけビ~バ~のあっこりんりんも登場。会場のテンションは最高潮のうちライブは幕を下ろします。

2組で約2時間半のステージ。おとぼけビ~バ~ははじめて見たのですが、大迫力のステージがとにかくカッコよく、見入ってしまいました。そしてZAZEN BOYS。この日も相変わらずステージ上で向井秀徳はビールを飲みながらのステージ。ZAZENは昨年の8月に見て以来のステージになったのですが、MIYAが入ったことによって、バンドサウンドがよりタイトになった印象があり、この日も向井秀徳の言動こそラフな感じでしたが、演奏に入ると緊迫感あるパフォーマンスに惹きつけられるパフォーマンスでした。どちらも素晴らしいパフォーマンスであっという間の2時間半でした。どちらのバンドも、また近いうちにライブを見たいなぁ~。大満足で会場を後にすることが出来たライブイベントでした。

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