ラテンとエレクトロを融合させた独特のサウンドが魅力
Title:A Tropical Entropy
Musician:Nick León
南アメリカのマイアミ出身のDJ/音楽プロデューサーによる作品。母方にコロンビア系のルーツを持つ彼は、楽曲にラテンミュージックの要素を入れたエレクトロサウンドが特徴的で、このアルバムも随所で高い評価を得ている作品となっているそうです。
本作はまさにそんなラテンの要素の入ったエレクトロサウンドが非常に独自性を持っており、強く耳に残る作品となっています。冒頭を飾る「Entropy」はメランコリックなアンビエント風の作品。続く「Ghost Orchild」もアンビエント風にスタートするなど、最初は静かにスタートするのですが、中盤はラテンの要素の入った強いビートへと展開。複雑な楽曲構成も大きな魅力となっています。
中盤の「Millennium Freak」もまさにNick Leónの魅力が前面に押し出された作品と言えるでしょう。エレクトロのリズムに、ラテンの要素の入った独特のビートが特徴的。疾走感のあるサウンドがとても心地よい作品。この独特のラテン風なビートはベネゼエラのダンスミュージック、 チャンガ・トゥキのリズムだそうです。
この後、後半にかけては「Crush」「R.I.P.Current」とアンビエントテイストのドリーミーな楽曲が並びます。そして「Product of Attracstion」もまた、後半のひとつの核となるナンバー。メロウなソウルテイストのダンスナンバーで、メランコリックなサウンドに、ちょっとはかなげな女性ボーカルが魅力的な楽曲になっています。
そして、おそらくアルバムの最も核となるナンバーが、アルバムのラストを飾る「Bikini」で、メランコリックな女性ボーカルが前面に押し出された歌モノのナンバー。疾走感あるリズミカルなトラックも特徴的で、どこか夏の終りを感じさせるようなメロウなサウンドとダンサナブルなリズムが耳に残ります。
全体的に、どこか気だるさを感じさせるダウナーでアンビエントなサウンドが印象に残るナンバー。ラテンフレーバーなメランコリックなサウンドが耳に残る一方、リズミカルなエレクトロサウンドがアルバムに強いインパクトを与えており、まさに独特のサウンドを作り出している作品となっています。ラテンミュージックが好きな方やエレクトロ、テクノ系が好きな方なら間違いなく気に入る傑作アルバムです。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
I'll Be Waving As You Drive Away/Hayden Pedigo
アメリカはテキサスのギタリストによる5枚目となるオリジナルアルバム。紹介文によっては「前衛ミュージシャン」という紹介のされ方をしていますが、本作は至ってポップでメロディアスなギターインストを聴かせてくれます。全体的に爽やかでメロディアス。ちょっとフォーキーな雰囲気も加わるギターインストで、日本でいえばDEPAPEPEあたりを彷彿とさせそうな部分も。比較的広い層が楽しめそうなギターインストのアルバムでした。
評価:★★★★
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