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2025年5月

2025年5月31日 (土)

サザンも年を取ったな・・・

Title:THANK YOU SO MUCH
Musician:サザンオールスターズ

途中、ベスト盤のリリースなどあったものの、ニューアルバムとしては実に約10年ぶりとなるサザンオールスターズの新作。ただ、この10年間、ベスト盤のリリースのほか、新曲を断続的にリリースしたり、茅ケ崎でのライブを行ったり、コロナ禍の中では配信ライブを行ったりと、比較的積極的に活動を行っていた感もあるので、それだけリリース間隔があいたというのは逆にちょっと意外な感じもしました。

そんな元気に活動を続ける彼らですが、とはいえメンバー全員68歳~70歳。ミック・ジャガーは80歳を過ぎてまだまだ積極的に活動を行うなど、ロックンローラーの活動可能年齢はどんどん高くなっていますが、ただ、彼らは夏の野外が暑すぎるとして、夏フェスからの卒業宣言を行うなど、やはり寄る年波には勝てないのかな、と感じる部分は少なくありません。

そしてこのアルバムに関しても、まず感じた感想は「サザンも年を取ったな・・・」というものでした。1曲1曲をピックアップすれば、もちろん十分「名曲」と言える曲が並んでいますし、バラエティー豊富な曲調はさすがサザンといった印象。エレクトロのリズムにのせてダンサナブルなディスコチューン「恋のブギウギナイト」に軽快なロックンロールチューン「ジャンヌ・ダルクによろしく」という、どちらかというとバタ臭いナンバーから「桜、ひらり」では和風な情緒あふれるポップスに展開。さらに哀愁たっぷりの歌謡曲風な「暮れゆく街のふたり」という洋楽風と邦楽風、今風の曲調からノスタルジックあふれるナンバーまで自在に行き来する音楽性は、さすがサザンと舌を巻かざるをえません。

ただ、とはいってもまず感じてしまうのは、どの曲に関してもいままでのサザンで何度も似たような曲があるよな、という印象。もっとも、この点に関しては以前からその傾向はあったものの、その「サザンらしい曲」のバリエーションだけでアルバム1枚が埋まるような幅広い音楽性の持ち主だっただけにあまり気になりませんでした。しかし、それでも今回のアルバムでそう感じてしまったのは、やはり楽曲としての勢いが欠けてしまった部分が否めないようにも思います。例えば、「風のタイムマシンにのって」などは湘南の地名を巧みに織り込んで、聴いているだけで湘南をドライブしているような風景描写に、原由子のボーカルがピッタリとマッチした名曲と感じる一方、この具体的な地名を織り込んで曲を作りあげるという手法自体は「LOVE AFFAIR~秘密のデート」を彷彿とさせてしまいます。

そしてもうひとつ、彼らも年を取ったな、と感じてしまう大きな要素として、日本について歌ったり、昔を懐かしんだりするような曲が目立ったという点でした。ジャケット写真からして日本人形ですし、「歌えニッポンの空」のようなそのままな曲もありますし、「神様からの贈り物」のような歌謡界の先人について歌った歌もありますし、「ミツコとカンジ」のような、倍賞美津子とアントニオ猪木の元夫婦について歌にした曲もあったりと、日本をテーマとしたり、ノスタルジックな感覚のある曲が目立ちます。

もちろんサザン自体、昔から歌謡曲の影響を隠していませんでしたし、むしろロックバンドが歌謡曲的なものだったりを忌み嫌っていた時代から、この手のロックバンドとしては珍しいくらい歌謡曲の要素を取り入れていました。また、日本的、懐古趣味的といっても、決して右傾化、保守化したわけではなく、もっと純粋に日本はいいなぁ、昔はよかったなぁ、という素朴な感じを歌っており、そこに変な感じはありません(むしろ、ここらへんのバランス感覚のうまさはさすがといった感もあります)。

とはいえ、アルバム全体として、以前に聴いたことあるような曲が多いという印象に、日本のことや昔のことを歌った曲が多いという印象が加わることによって、非常の保守的なアルバムに感じてしまいましたし、それはサザンが(というより桑田佳祐が)やはり年を取ったんだなぁ、という印象を抱いてしまいます。もちろん、楽曲自体は十分「名曲」と言える曲も少なくありませんし、メロにしても歌詞にしても凡百のミュージシャンでは足元にも及ばないレベルになっているとは思うのですが、やはりかつてのサザンに比べると物足りなさを感じてしまいました。

もちろん一方ではアルバムの最後を飾る「Relay~杜の詩」のように、美しいバラード風の楽曲を装いながらも、中身は明治神宮外苑の再計画に対して疑義を呈した曲もあったりして、しっかりと主張する部分は主張している点、年をとってもその志は変わらない部分も感じるのですが。

アルバムの出来としてはもちろん悪い訳ありません。ただ、全体的におとなしく、保守的と感じてしまう点、サザンとしては、また、10年ぶりという長いスパンを考えると物足りなさを感じてしまいましたし、何よりも「年を取ったな」と感じてしまうようなアルバムになっていました。ちょっと残念にも感じるのですが、その一方、仕方なくもあるのでしょうね・・・。ただ、今後も少しでも末永く、また少しでも多くの新曲をリリースしてもらえれば、と思います。

評価:★★★★

サザンオールスターズ 過去の作品
葡萄
海のOh,Yeah!!


ほかに聴いたアルバム

ATOMIC CHIHUAHUA/INABA/SALAS

昨年の紅白でもそのパフォーマンスが大きな話題となったB'zの稲葉浩志と、アメリカのギタリスト、スティーヴィー・サラスが組んだユニット、INABA/SALASによる約5年ぶり3枚目となるアルバム。スティーヴィー・サラスのソロ名義のアルバムは聴いたことないのでよくわからないのですが、B'zの時よりもさらに自由度は増している感じ。ハードロックを基調としながらも、シンセなどを入れて明るくポップに仕上げており、ラストの「ONLY HELLO part2」に至っては、「ジョンレノン?」と思わせるようなビートルズ、特にジョン・レノン直系のメロを聴かせてくれています。ポップ路線に走るのか、ハードロック路線で行くのか、若干中途半端な感も否めないのですが、ただ、これはこれで稲葉浩志自身、楽しんで演っているな、ということは感じるアルバムでした。

評価:★★★★

稲葉浩志 過去の作品
Hadou
Singing Bird
CHERRY GROOVE(INABA/SALAS)
Maximum Huavo(INABA/SALAS)
只者

25th THE BEST - ALIVE/AI

デビュー25周年、大ヒットした「Story」から20年を記念してリリースされたベストアルバム。通常盤は1枚、デラックス盤は2枚組という扱いで、通常盤には彼女の代表曲がコンパクトに収録。2枚目にはプラスアルファの曲が収録という構成で、とりあえず初心者の方には通常盤で、というのは、初心者に優しい構成になっています。ただ、配信サイトでは普通にDisc2まで配信されていますし、Disc2にも、チャート最高位という意味では最大のヒットとなった「Believe」やドラマ主題歌となった「VOICE」など、「これ、代表曲じゃないの?」と思うような曲も収録されているため、AIというミュージシャンを知るためにはDisc2まで要チェックでしょう。

AIの曲の中にはちょっとベタすぎる前向き応援歌もあったりして、若干鼻白む部分もあったりするのですが、それを差し引いても圧倒的なボーカル力とメロディーラインの良さが魅力的で、代表曲である「Story」も、感情を掻き立てるようなバラードはちょっと露骨でベタでもあるのですが、それを含めて魅力的ですし、なによりも安室奈美恵をフューチャーした「FAKE」は、もう15年も前の曲ながらも、今聴いてもなお新鮮で、カッコよさを感じさせる楽曲。他にも魅力的な楽曲は多数含まれており、AIというミュージシャンの魅力をあらためて実感できたベスト盤になっていました。

評価:★★★★★

AI 過去の作品
DON'T STOP A.I.
VIVA A.I.
BEST A.I.
The Last A.I.
INDEPENDENT
MORIAGARO
THE BEST
THE FEAT.BEST
和と洋
感謝!!!!! Thank you for 20 years NEW&BEST
IT'S ALL ME - Vol.1
IT'S ALL ME - Vol.2
DREAM
RESPECT ALL

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2025年5月30日 (金)

豪華なコラボによるライブ

矢野顕子×上原ひろみ TOUR 2025~Step Into Paradise~

会場 愛知県芸術劇場大ホール 日時 2025年5月8日(木)18:30~

GWに2つのライブサーキットに連日足を運んだ私ですが、GW明けにもライブへ。ライブサーキットとはがらりと趣向を変えて、矢野顕子と上原ひろみによるジョイントライブです。矢野顕子は2013年のさとがえるコンサート以来、上原ひろみは2017年のエドマール・カスタネーダとのジョイントライブ以来のライブとなります。

Yanouehara

ちなみにこの日、芸術劇場のコンサートホールでは辻井伸行のリサイタルが行われていました。最初、違う会場と間違えたかと思ったのですが、芸術劇場はコンサートホールと大ホールが両方あるんですね・・・。奇しくも、日本を代表するピアニスト2人が、同日に同じ場所でコンサートを開催していた訳です。

で、こちらのライブは定刻ほぼちょうどにスタート(最近、こういうケースが増えているような気がする)。ステージ上には、互い違いに向かう会う形で大きなグランドピアノが2台設置。さらにはステージの上方には彼女たちの手許を映し出すための大きな鏡が設置されていました。彼女たちのピアノ演奏をする手許を見たい、という要望は強いんですね。私は3階席のちょうど真ん中あたりだったので、さすがによく見えませんでしたが・・・。

ライブのスタートはいきなり矢野顕子の代表曲とも言える「ラーメンたべたい」からスタート。メロディアスなアレンジになっており、なんとも2017年のバージョンだそうです。最初はなんでわざわざバージョンの話をするのかなぁ、と思ったのですが、その理由がわかったのは後ほど。そしてその後「変わるし」を披露してくれました。

ここらへんから、とにかく上原ひろみのアグレッシブなピアノプレイがまずは印象的。かなり自在でパワフルな演奏、時には立ち上がってのプレイになっており、力強く、かつフリーキーなピアノを聴かせます。対して、矢野顕子はメロディアスにピアノを聴かせつつ、やはり彼女は自由に聴かせるそのボーカルが魅力的。いわば矢野顕子のボーカルと上原ひろみのピアノが対峙するようなステージとなっていました。

続いては、「茶摘み」と「グリーンスリーブス」を融合させた1曲。ここでの上原ひろみのピアノは優しく、また、日本の民謡と洋楽を混ぜた曲を歌えるあたりは、矢野顕子のボーカルの自由度があるからでしょう。ちなみに、この曲のタイトルも言っていましたが、忘れた・・・。

さらに、宇宙飛行士の野口聡一とのコラボ曲「ドラゴンはのぼる」へ。宇宙に行ってすぐ、歌詞を送ってもらったというエピソードも。こちらはまさに宇宙に上っていくような力強い演奏と歌を聴かせてくれました。さらに矢野顕子の「そこのアイロンに告ぐ」へ。こちらもアグレッシブでフリーキーな上原ひろみのピアノと矢野顕子の歌をたっぷりと聴かせてくれます。ここまでで1時間。ここで一度、休憩に入ります。

20分の休憩の後、まずは上原ひろみだけが登場。上原ひろみのピアノソロとなります。ただ、この時はまさにピアニスト上原ひろみの本領発揮とばかり、途中、ピアノの弦を直接はじいて、弦楽器のように演奏をしたり、とにかく激しくかつ独特のプレイが印象的。彼女の演奏を聴いていて思うのですが、間違いなくジャズピアニストなのですが、一方、彼女の演奏は「ロック」を感じる部分も強いんですよね。このピアノソロではまさに彼女の「ロック」な部分を感じさせてくれました。

その後は上原ひろみは一度ステージを去り、今度は矢野顕子が登場。彼女のソロパートでは、最初、上原ひろみを真似たと思われるようなピアノの演奏をして笑いを誘った後は、もちろんしっかりと美しいピアノを聴かせつつ、「いもむしころころ」という童謡を矢野顕子流にアレンジして聴かせます。「いもむしころころ」というフレーズを途中、観客全体に歌わせたりして、会場を大いに盛り上げました。

その後再び上原ひろみも登場。ここでのMCでは当日のコンサートグッズ紹介も。「ラーメン食べたい」にちなんだお箸もグッズとして売っているようで、「いろいろと使えます」と髪留めにしていたり、かなりユーモラスなグッズ紹介のMCをしてくれました。ユニークなMCの後はジャズのスタンダードナンバー「Just Two Of Us」をしんみり披露。次の曲のタイトルはちょっとわからなかったのですが、その後は最新アルバムにも収録されている「ペンデュラム」へ。この曲では矢野顕子はセンターマイクで歌に集中し、盛り上げます。そして本編ラストは「ラッパとあの娘」へ。笠置シヅ子のカバーで、原曲もかなりパワフルな笠置シヅ子のボーカルが魅力的ですが、矢野顕子と上原ひろみによるカバーも、非常にアグレッシブなボーカルとピアノが魅力的。最後の最後にテンションがマックスとなり、本編は幕を下ろします。

もちろん、盛大なアンコールへ。やがてツアーTシャツを着た2人が再び登場。アンコールでは再び「ラーメン食べたい」を披露。こちらは最新バージョンだそうで、だから最初に演った曲は「2017年バージョン」と言っていたのですね。2017年バージョンよりも、上原ひろみによるピアノの自由さが増して、より迫力ある演奏となっていました。そしてラストは「飛ばしていくよ」で締めくくり。タイトル通り、最後までハイテンションで飛ばしまくってライブは幕を下ろしました。

途中、20分の休憩を挟み、2部構成+アンコール。全2時間30分弱のステージで、9時ちょっと前に終了。矢野顕子も上原ひろみも、これがライブを見るのは2度目なのですが、やはりいいですね~。自由度の高い演奏は、なによりも「ライブ感」が強め。2人による演奏は、和気あいあいといった感じでもないのですが、かといってバチバチ緊迫感あるステージといった感じでもなく、プロフェッショナルな2人がお互いを尊重したちょうどよいバランスで迫力あるステージを見せてくれた、といった感じでした。

最後の方で、しきりに矢野顕子が「また万が一、万が一、次があれば・・・」と、「このころになると、次があるのかわかりませんので」という話をしていました。体調が悪いというわけでも上原ひろみとの関係が悪い訳ではなく単なるジョークなのでしょうが、彼女ももう70歳。昔の旦那さんも亡くなられちゃいましたし、やはり年齢的にそういう気持ちになるのでしょうか・・・。ただ、まだまだ現役感あふれる素晴らしいステージで、是非ともまたライブを見てみたい!矢野顕子の歌とピアノと、上原ひろみのピアノに酔いしれた晩でした。

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2025年5月29日 (木)

今週も上位にアイドル系が・・・

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も上位にはアイドル系がランクインです。

まず1位は旧ジャニーズ系、Kis-My-Ft2「MAGFACT」がランクイン。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上30万8千枚で1位ランクイン。前作「Synopsis」の初動12万6千枚(1位)からアップ。

2位は韓国の男性アイドルグループBTSのメンバーJINのソロアルバム「Echo」が獲得。CD販売数2位、ダウンロード数4位、ストリーミング数11位。オリコンでは初動売上15万2千枚で2位にランクイン。前作「Happy」の初動21万9千枚(1位)からダウン。

3位は旧ジャニーズ系アイドルSnow Man「THE BEST 2020-2025」が先週と同順位をキープ。これで今週、通算8週目のベスト10ヒットとなりました。

4位以下で初登場盤はありませんでしたが、今週、ベスト10圏外からの返り咲きが1枚。女性ラッパーちゃんみな「Never Grow Up」が先週の12位からランクアップ。2月5日付チャート以来のベスト10返り咲き。YouTubeの「THE FIRST TAKE」出演が影響を受けた模様です。

またロングヒット盤ではMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週と変わらず4位に、「Attitude」が5位からワンランクダウンの6位にそれぞれランクイン。それぞれ通算36週目、24週目のベスト10ヒットに。Vaundy「strobo」がワンランクダウンの8位、「replica」は先週と変わらず9位。こちらはそれぞれ通算24週目、通算27週目のベスト10ヒット。Number_i「No.I」は2ランクダウンの10位。こちらは通算26週目のベスト10ヒットとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsチャート1位はAiScReam「愛♡スクリ~ム!」が先週の2位からワンランクアップで1位返り咲き。通算2週目の1位となります。架空のアイドルプロジェクト「ラブライブ!」シリーズの「オールナイトニッポンGOLD」発祥の架空のアイドルグループ。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週はなんとDECO*27「モニタリング」が先週の3位からランクアップ。1月22日付チャート以来の1位獲得。これで通算5週目の1位獲得となりました。

今週のHot Albums&Heatseekers&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年5月28日 (水)

アイドル系の新譜ラッシュ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は珍しく新譜ラッシュ。10曲中5曲までが新譜というチャートとなっています。また、その全てがアイドル系という結果に。

まず1位を獲得したのはTOBE所属の男性アイドルグループNumber_i「GOD_i」が獲得。CD販売数2位、ダウンロード数1位、ラジオオンエア数1位、動画再生回数16位。ちなみになぜかオリコンではランク対象外となっています。どこに対する忖度?

2位も初登場。秋元康系女性アイドルグループ日向坂46「Love yourself!」。CD販売数1位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上41万2千枚で1位初登場。前作「卒業写真だけが知ってる」の初動42万8千枚(1位)からダウン。

3位はMrs.GREEN APPLE「ライラック」が先週の2位からダウンながらもベスト3をキープ。ストリーミング数は2週連続2位、動画再生回数も2週連続の1位。そして今週、19週連続1位をキープしてきたカラオケ歌唱回数が、2位にダウンしてしまいました。ちなみにカラオケ歌唱回数、代わって1位となったのはVaundy「怪獣の花唄」。かなり驚異的な人気ぶりを見せています。これで58週連続のベスト10ヒット&通算42週目のベスト3ヒット。

また、Mrs.GREEN APPLEは「クスシキ」は3位から4位にダウン。ストリーミング数は2週連続の1位。こちらはこれで8週連続のベスト10ヒットとなりました。また「天国」が4位から7位にダウンながらもベスト10をキープ。一方、「ダーリン」は今週13位にダウン。ベスト10ヒットは連続17週でストップ。今週、ミセスは3曲同時ランクインとなっています。

4位以下のは初登場曲は、まず5位にハロプロ系女性アイドルグループアンジュルム「アンドロイドは夢を見るか?」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数19位。タイトルは言わずと知れたSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のパロディーで、このタイトルのパロディーはちょっとありふれているので、いまさら感がかなりあるのですが・・・。オリコンでは初動売上6万1千枚で2位初登場。前作「初恋、花冷え」の初動5万6千枚(4位)からアップ。

8位には旧ジャニーズ系アイドル、Sexy Zoneの元メンバーである中島健人「MONTAGE」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数7位。中島健人名義では初のシングル。オリコンでは初動売上5万6千枚で3位初登場。昨年、HITOGOTO名義でリリースされた「ヒトゴト feat.Kento Nakajima」の初動3万3千枚(5位)からアップしています。

9位はIS:SUE「SHINING」がランクイン。韓国のCJ ENMと日本の吉本興業の合弁会社、LAPONEエンタテインメント傘下のLAPONEガールズ所属の女性アイドルグループ。オリコンでは同作が収録された「EXTREME DIAMOND(SHINING)」が初動売上5万4千枚で4位ランクイン。前作「Welcome Strangers~2nd IS:SUE~」の初動7万5千枚(2位)からダウンしています。

ロングヒット曲では、今週、SKY-HIが立ち上げた音楽プロダクションBMSG所属の女性アイドルグループHANA「ROSE」が6位にランクインし、8週連続のベスト10ヒットに。ストリーミング数が5位、動画再生回数が2位にランクインしています。

サカナクション「怪獣」も、7位から10位にダウンしたものの、ベスト10をキープ。こちらはこれで14週連続のベスト10ヒットに。ストリーミング数は5位から6位にダウン。動画再生回数は4週連続で6位をキープしています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年5月27日 (火)

GLAND SLAM 2025 その2

前へ

Ivy to Fraudulent Game@SPADE BOX

今回のGLAND SLAMのお目当てであり、また唯一、音源も聴いたことあるバンド、Ivy to Fraudulent Game。万が一、入場制限がかかると、と思い、早めにSPADE BOXへ移動したのですが、思ったよりも空いていました。

最初はアルバム「回転する」からのナンバー「青写真」からスタート。かなりヘヴィーでギターノイズが会場を覆いつくすようなステージが特徴的。続く「アイドル」でも迫力ある演奏を聴かせてくれています。ダイナミックさを感じるヘヴィーなバンドサウンドも魅力的ながら、そこに挟まれるギターのフレーズがなかなか個性的で耳を惹きます。ちなみに、途中、MCではどうもボーカルの喉の調子がいまひとつだったようで、「これは一生かけてつぐないます」という冗談まじりのお詫びも飛び出したのですが(笑)、ただ、ボーカルについてはほとんど気になりませんでした。

中盤の「WONDER LAND」はいままでとはグッと変わってメロウな雰囲気の楽曲に。バンドとしての音楽の幅の広さを感じさせます。後半4、5曲目「オートクチュール」「FACTION」はヘヴィーなサウンドをこれでもかというほど前に押し出したナンバーで、爆音が会場を包み込みます。ライブ後、オフィシャルサイトで公開されたこの日のセットリストをまとめたプレイリストであらためて聴いたのですが、音源としては意外とポップなんですよね。ライブだとグッと印象が変わって聴こえました。

そしてラストを締めくくるのは海について歌った「she see sea」という曲。群馬出身の彼らが、海への思いを歌った曲だそうで、曲に入る前にMCで「名古屋にも美しい海はありますか?」と問いかけていたのですが、誰も答えられなかった(笑)。いや、名古屋には海はあるけど、美しいからはほど遠いですし・・・。そんなラストチューンは、これまたメロウに聴かせるナンバー。しんみりとライブを締めくくりました。

Ivyのライブは今回はじめて見たのですが、ライブは予想以上に素晴らしかったです。少なくとも、バンドとしての演奏面での実力は、この日間違いなく一番だったと思います。爆音を響かせつつ、一方ではメロウな曲をしっかりと聴かせる、バラエティー富んだステージに惹かれました。また是非ともライブに足を運びたいです。

Glandslum2025_2

バックドロップシンデレラ@ダイアモンドホール

そして、この日のライブの最後であり、このライブサーキットのオオトリを飾るのがバックドロップシンデレラ。彼らについても、名前は知っていたのですが、音をしっかりと聴くのはこの日がはじめてでした。

バンドは4人組なのですが、そのうちベーシストが女性・・・なのですが、非常に美しい方で、ちょっと見とれてしまいました。若い方かと思いきや、後で調べると自分とあまり年齢が離れておらずちょっとビックリ。そんな彼らの音楽は、自分たちで「ウンザウンザ」と名付けているそうで、様々な民族音楽の要素を取り入れた楽曲が特徴的とのこと。確かにステージはスカのリズムなどに、パンキッシュなサウンドを重ねており、ハードコア風でありつつも、様々な音楽性を取り込んだようなイメージも。ただ、全体的にはパンキッシュでヘヴィーなバンドサウンドが印象的でした。

ライブは1曲目からいきなりボーカルがダイブする展開で、会場はラストにふさわしい大盛り上がり。とにかく終始、民族音楽由来の軽快なリズムにパンキッシュなバンドサウンドが加わり、会場のテンションはあがりまくりのステージ。楽曲は、そんな中でも「フェスに行きたい」など、ストレートにフェスへ出してくれと訴えるコミカルな曲もあったりと、ノヴェルティー的な要素も加わりつつ盛り上がります。モッシュやダイブも連続で、途中、みんなで輪になって踊りだすようなシーンもありました。

最後のステージということでアンコールも発生。アンコールではボーカルが客席に降りてきて、この日の観客ほぼ全員に肩を組ませて、輪をつくります。私はいつも、ライブの後ろの方で見ていて、さすがにこの年になって、この手のサークルやモッシュなどに加わらないのですが、この日は否応なく、サークルの輪に加わらされ、みんなで踊ります。最後は観客全員を座らせて大きくジャンプという締めくくり。アンコール込みで約50分のステージでした。

 

そんな訳で、イベントが終わったのは19時40分頃。バックドロップシンデレラで会場のテンションが上がりまくりの中の幕となりました。2日続けてのライブサーキットだったのですが、やはり楽しい!なによりも、こういう機会がないとなかなか見ることが出来ない様々なバンドを見ることが出来たのがとてもよかったです。

純粋にバンドの実力としてはやはりIvyが一番だったかな、と思います。一方、ステージングを含めてトータルの楽しさは四星球でした。バンドとしても思った以上にパンキッシュで、なおかつコミックバンドらしいユニークなステージングが魅力的。この2バンドについては、また是非ともライブに参加したいです。最後に、来年の実施も宣言していましたし、来年も来れるかどうかわからないのですが、魅力的なバンドがあれば、また足を運びたいところ。前日の今池遊覧音楽祭に続いてライブの楽しさを実感した1日でした。

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2025年5月26日 (月)

GWの新ライブサーキット

GLAND SLAM 2025

会場 ダイアモンドホール、SPADE BOX 日時 2025年5月6日(火)

前日の今池遊覧音楽祭に続き、この日もライブサーキットに参加!この日は名古屋のプロモーター、サンデーフォークプロモーション主催のライブサーキット「GLAND SLAM 2025」。今年スタートしたばかりのイベント。5月3日から4日間にわたるイベントだったのですが、その最終日、5月6日に参加してきました。

Glandslum2025_1

このライブサーキットは、ダイヤモンドホールと、その系列店で同じビルの地下にあるSPADE BOXの2か所で行われるもの。時間かぶりなしで、(見ようと思えば)すべて見れるというライブ。この日はそれまでに予定があったので、会場に入ったのは16時半頃。ダイホの客の入りはかなり余裕があるような感じでした。ダイホのキャパは1,000人だけど、SPADE BOXのキャパは400人。基本的にライブのかぶりなしなので、理論上は全員、SPADE BOXに押し掛けることもできるだけに、あまり入場制限を出さないように、それなりにセーブしたのでしょうか。

プッシュプルポット@ダイアモンドホール

会場についた時に、ほぼはじまったばかりだったのがプッシュプルポットという男性4人組のグループ。音を聴いたのも完全にはじめてなら、名前を聞いたのもはじめてのグループでした。

楽曲はパンクロックにちょっとハードロックを加えた感じ。ほどよくヘヴィーだが、メロディーは至ってポップな印象なのですが、途中はかなりハイテンポでパンキッシュに聴かせる曲もあり、ダイバーも出現していました。ただ、途中、サビでただ「がんばれ」を叫ぶような、ある意味、いかにもJ-POPバンドらしい曲もあって、ここはちょっと鼻白む感じは否めませんでした。

ほどよくヘヴィーなサウンドは、良い意味でライブ映えしそうな感じですが、良くも悪くもJ-POPらしいバンドといった印象。インディーデビューが2021年ということで、まだまだ若手のバンドですが、これからの期待といった感じでしょうか。

YUTORI-SEDAI@SPADE BOX

そしてここからSPADE BOXへ移動。ダイアモンドホールはビルの5階、SPADE BOXは同じビルの地下1階。ただエレベーターは使用できず、ひたすら階段を下っていきます。事実上、6階分の階段移動は、年寄りにはちょっと辛い・・・。

続いてのバンドはYUTORI-SEDAIという名前のバンド。ある意味、ゆとり教育を受けた世代を題した、若干、侮蔑的な意味を込めた言い方なのですが、それをあえてバンド名にするのは、わかっててあえてなのか、わからなずに無邪気になのか・・・。この日、バンド名も音もはじめて聴いた男性3人組バンドです。

バンドサウンドはそれなりにヘヴィーな音を出しているのですが、メロディーラインは至ってポップ。曲は完全にメランコリックなラブソングばかりで、タイプ的にはSaucy Dogやヤングスキニーのフォロワー的な感じ。途中、4曲目に披露したバラードナンバーなどはまさにそのまんまといった感じでした。

メロディーはそれなりに聴かせるのですが、歌詞については、ちょっと平凡だったかな。こちらも良くも悪くも今時のバンドといったイメージ。全7曲のライブだったのですが、最後1曲は、次のダイホのライブが見たかったので途中で切り上げました。

四星球@ダイアモンドホール

続いては四星球というバンドのステージ。彼らについては名前は聴いたことありましたが、音を聴くのは、以前ロットングラフィティのトリビュートなどで聴いた程度。コミックバンドということで、どのようなステージを見せてくれるのか楽しみにしてきました。

最初、客入りではいきなりポールモーリアの「オリーブの首飾り」が流れてメンバーが登場。最初はベーシストが段ボールで出来た大きなトランプを取り上げトランプマジックを披露。客席にひかせたトランプを裏返すと、ハートのエースが出てきて、同時に全身赤タイツにハートの被り物をしたボーカルが登場というユニークなスタートとなりました。ちなみに、てっきりトランプすべてがハートのエースかと思いきや、裏返すと他のトランプには変なおっさんの顔が(笑)。ちゃんと手品になっていたようです。

まず最初の曲は、彼ら、段ボールで数多くのステージの小道具をつくっているそうで、そんな段ボールでの小道具制作を手掛けるベーシストをたたえるというユニークな曲からスタート。2曲目では、なぜか懐かしい体育館のマットが登場。最初はボーカルが、その後はギタリストとベーシストも観客が上に掲げたマットの上にダイブしていました。

3曲目は雰囲気を変えて聴かせる応援歌を披露。いままではコミカルな曲でしたが、ここは真面目な曲で聴かせます。4曲目では「UFOを呼び出す」ということでなぜかUFOを呼び出すと、段ボールで出来たUFOに、クレイの井出立ちのボーカルが登場。そのボーカルは観客席に降りて、ボーカルを先頭に、観客が両肩に手をのせて、行列になって連なって会場をグルグル回りだします。ライブハウス全体で大盛り上がりとなりました。

最後5曲目はパンキッシュな曲で終了。非常にコミカルなナンバーも多く、一方、ユーモラスなステージングも見せてくれて、コミックバンドらしい、とても楽しいステージでした。四星球について調べたら、最初「日本一泣けるコミックバンド」というキャッチフレーズが出てきて、ちょっとあざといバンドなのではないか、と身構えていたのですが、そんなあざとさはほとんどなく。途中、聴かせる曲もユーモラスなステージの中のひとつのパーツとして違和感なくはまっていました。なによりも、ポップ寄りのバンドかと思っていたのですが、思ったよりもパンク寄りのヘヴィーなバンドサウンドを聴かせてくれており、ライブバンドとしても足腰の強さを感じさせてくれるステージとなっていました。いままで名前は知っていつつ、あまり興味は抱かなかったのですが、ライブを見て、一気に魅せられました。これはまた是非ともライブに足を運びたいです!

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2025年5月25日 (日)

ブラジル音楽の歴史を網羅した力作

今日は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

「ブラジル音楽歴史物語」。音楽評論家であり、数多くのラテン系音楽のCDの企画を手掛けたほか、ワールドミュージックのレーベル「ライス・レコード」を設立した田中勝則による、タイトル通り、ブラジル音楽の歴史について綴った著書。読み終わって「あ~なんとか読み終えることが出来た!」といった感想を、まずは抱きました。

率直に言ってしまうと、私自身、ワールドミュージックに興味はあり、幅広いジャンルの音楽を聴いてはいるのですが、その中でブラジル音楽に特に強い興味があるか、と言われると正直微妙。ともすれば「あまり好みではないかも・・・」という印象すら抱いていました。とはいえ、世界のポピュラーミュージックの中で間違いなく確固たる地位を占めるブラジル音楽についても、やはり知っておきたいと思い、リリースのアナウンスがあったので、事前に通販で予約して購入してみました。こちら、音楽雑誌の「レコードコレクター増刊」というもの。そのため、150ページ程度の入門書をイメージして購入したのですが・・・届いたのはビックリするほど分厚い、全521ページにも及ぶ大著。手元に届き、率直に少々度肝を抜かれてしまいました。

それだけボリュームある内容なだけに、ブラジル音楽の歴史を網羅的に記載した、かなりの力作となっていました。話は最初、南アフリカ大陸がヨーロッパ人により「発見」された時からスタート。植民地時代のブラジル音楽の萌芽からスタートし、戦前から戦後、現代にいたるまでのブラジル音楽の歩みが、当時のブラジルの政治情勢、社会情勢ともからめる形で脈々と語られています。そのブラジルにおけるポピュラーミュージックが、実に昔から様々な音楽の影響を受けつつ進化してきたのか、特に戦前におけるブラジルのポピュラーミュージックが実に洗練されて発展を遂げていたことに、ともすれば米英中心でのポピュラーミュージックの歴史観の中で音楽を聴いてきた身としては驚かされる事実の連続でした。

また、ブラジル音楽に関して完全な素人としては、やはりブラジルのポピュラーミュージックと言えば「ボサ・ノヴァ」という印象を抱いていました。確かにブラジル音楽というとサンバというイメージもありましたが、サンバはあくまでもお祭り音楽。「聴かせる」ポピュラーミュージックというと圧倒的にボサ・ノヴァだろう、という勝手なイメージを抱いていました。しかし、本書によるとボサ・ノヴァは確かにブラジルでも一世を風靡したものの、それはほんの60年代初頭の数年のみ。むしろボサ・ノヴァはブラジル以外でよく聴かれた音楽だった、ということに非常に驚きました。実際、本書でもボサ・ノヴァで1章を割いているものの、本書全体の中では非常にあっさりとした記載。特にブラジル音楽というと、やはり個人的にはジョアン・ジルベルトでしょう、といったイメージだったのですが、もちろんジルベルトについてもそれなりに取り上げられていたものの、数多いブラジル音楽の巨匠の中のワンノブゼンといった程度の取り扱いで、ちょっと意外に感じてしまいました。

そんな実に奥深いブラジル音楽の歴史が500ページにもわたって書かれた本書。まさに著者田中勝則が持っている、ブラジル音楽に関する豊富な知識をこれでもかというほど詰め込んだ大作であったと思います。ただ、一方、本書が私のような初心者が読もうとすると、かなり気合が必要にも感じました。それだけ最初に書いたような終わった後に「なんとか読み終わった」という感想が出てきたわけです。

特に登場してくるジャンル、地名やミュージシャンたちはどれも聴きなじみなく、さらにブラジルの公用語であるポルトガル語による名前であるため、その名前は英語以上に覚えにくいものばかり。最後に索引がついているのですが、何度も索引でどういうミュージシャンだったのか確認しつつ読み進めていくため、非常に読み進めるのに時間がかかりました。

また「歴史物語」と書かれていますが、特に数多いミュージシャンたちの音楽以外のエピソードが多く語られている訳でもなく、「物語」的な部分はあまり多くありません。むしろ、全体的には事実の羅列が多く、文章的には平易で読みやすいものではあるものの、完全な初心者がスラスラと読める、といった感じではありません。そこらへん、もっとレジェンドたちの人となりを知れるようなエピソードを書いてほしかったな、という印象も受けたのですが、ただ一方、事実を描いただけでゆうに500ページを超えるというのは、それだけブラジル音楽が奥深い歴史を持っているという証左なのでしょう。

そのため、正直なところ初心者向けといった感じではなく、スラスラ読むためには基本的なブラジル音楽の知識も必要に感じる本だとは思いました。もっと、基本的には出てきたミュージシャンやジャンルについてはしっかりとした説明がされているため、私みたいな完全な初心者でも十分読み進められる1冊ではあるのですが。ただ、それよりも、前述の通り、著者が持つ豊富な知識を織り込んだ、まさにブラジル音楽の歴史の集大成ともいえる1冊だったと思いますし、今後、ブラジル音楽を知るには欠かせない1冊として読み継がれそうな、そう感じるような本でした。前述のように、ブラジル音楽について、「あまり趣味ではないかも」とすら思っていた私でしたが、この本を読んで、俄然興味がわき、現在、この本と並行して、ブラジル音楽の名作について聴き進めて、徐々にその魅力にはまってきています。ブラジル音楽について知りたい方にとっては避けては通れない「名著」となりそうです。

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2025年5月24日 (土)

今池遊覧音楽祭その2

前回より

MUD SHIP TOURS@HUCK FINN

続いて足を運んだのはHUCK FINNというライブハウス。このライブハウスの名前も時々名前を聴く箱ですが、足を運ぶのはこの日がはじめて。今池の駅からちょっと離れた場所の雑居ビルの地下という、いかにもライブハウスらしいライブハウスでした。

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ここで見たのはMUD SHIP TOURSという男性4人組バンドのステージ。音を聴くのもはじめてなら、名前を聞くのもはじめてのバンド。この時間帯でちょうどよさそうなバンドを探して、HUCK FINNというライブハウスを見てみたいということもあり、足を運びました。

彼らは2021年に1st EPをリリースした、この日見た中では比較的若手の域に入るバンド。ファンも、いままでのステージに比べると、若いファン層の人も見受けられました。

ステージはかなりヘヴィー。メインギターとベースはハードコアやエモの要素を感じられる、ズシリと重いサウンドを聴かせてくれます。一方、ボーカルは歌い方も爽やかで、ともすればヴィジュアル系あたりの影響も感じさせるビートロック風。また、メロディーラインには和風な様相も強く、ここらへんは個性とも言えるかもしれませんが、若干アンバランスな印象も受けました。

楽曲は全7曲、30分程度のステージ。最後に聴かせてくれた曲はかなり爽やかなポップチューンとなっており、良くも悪くもJ-POPなバンドという印象を受けたグループでした。ただ、ひとつ非常に残念だったのはかなり音が悪かった・・・。これでもかというほど音を上げており、正直、聴いていてちょっと厳しい部分も。ライブハウスのせいなのか本人たちのせいなのかは微妙なのですが・・・この点はちょっと残念に感じました。

SPIRAL RING@ボトムライン

続いては、ボトムラインのSPIRAL RINGというバンド。こちらももちろん音もバンド名もはじめて聞いたバンド。実は今回、この後に控える、最近話題になっている鈴木実貴子ズを見てみたく、そのため、万が一、入場制限がかかったら困るなぁ・・・ということで、鈴木実貴子ズの前からライブハウスに入っておこう、ということで、鈴木実貴子ズの前にボトムラインで演奏したSPIRAL RINGを見てみました。

ステージに登場したのは、おじさん4人組のバンド。彼らも2004年結成のキャリア20年というベテランバンド。ただ、いろいろな意味で完全にノリが90年代な感じ。ファンのことをこぶしをふりあげるから「コブシスト」と呼んだり、楽曲自体、ちょっと懐かしいハードロックにメタルやパンクの要素を入れたような、90年代初頭のバンドサウンドだったり、コールアンドレスポンスを求めたりする盛り上げ方も完全に90年代だったり、はっきりいって、全体的にかなり「ベタ」さを感じさせるステージでした。

しかし、このベタさに懐かしいサウンドが非常に楽しく、予想以上に盛り上がったステージを見せてくれました。2曲目にいきなり「パチスロの歌」なんて歌い出して、なんか、こう言ってしまうと失礼かもしれないのですが、愛すべきダメ親父だなぁ、なんて感じてしまったり(笑)、5曲目では、みんなに手で「LOVE」の文字を作らせる、これまたベタな盛り上げをしたり、ただ、これが非常に楽しく、最後までワクワクしながらライブを楽しむことが出来ました。

ラストはなんとみんなおなじみ「かえるの歌」をパンクアレンジで披露して締めくくり。この曲をライブで歌うのかよ!と思っちゃったりもするのですが、これまた素直に盛り上がりました。前述の通り、次のバンドのための場所確保が彼らのステージを選んだ最大の理由なのですが、予想外に楽しいステージで、思った以上に魅せられたステージでした。彼らも長いキャリアを誇るバンドなだけに、バンドとしての実力も感じられ、「ベタ」とは何度も称したものの、なにげに観客を盛り上げるステージングの上手さにも、実力を感じさせるバンドでした。ロックの楽しさを感じられる30分のステージでした。

鈴木実貴子ズ@ボトムライン

そして、今回、最後に足を運んだのは鈴木実貴子ズという男女2人組のバンド。最近、メジャーデビューを果たし注目を集めている彼女たち。前述の通り、この日一番のお目当ては彼女たちでどんなライブを聴かせてくれるのが非常に楽しみにしてきました。

リハーサルでも力強い演奏を聴かせてくれ、俄然、期待が高まる中、リハーサルが終わって、ほぼそのままステージ上でライブ本編がスタート。鈴木実貴子ズは、ピンク髪のボーカル、鈴木実貴子と、ドラムスのズの2人組(というか、事前にWikipediaで調べて、ドラムスのバンドでの名前が「ズ」と知って、かなり笑いました)。ちなみに2人はもともと夫婦だったそうですが、その後離婚。ただ、バンドとしてはそのまま活動を続けているようです。唄子・啓助と一緒ですね・・・と言っても、私の世代でも通じないかもしれませんが(苦笑)。

ライブ本編では、いきなり「ズ」によるMCからスタートし、そのオチからいきなり曲に入るというユニークなスタイル。ただ、この楽曲の方がすごかった。がなり立てる鈴木実貴子のボーカルと、力強いギターとドラムスの演奏が印象的。サウンド的にはハードコア的な要素も垣間見れるかなりヘヴィーなロックなのですが、ギターとドラムスのみの演奏だけに、非常にシンプルなサウンドが特徴的。なによりも、元夫婦らしい(?)息の合った演奏も大きな魅力でした。

エキセントリックな女性ボーカルと、常識人(?)のようなドラムのコンビというのもユニーク。演奏もさることながら、途中のMCにしても、なかなか息の合った組み合わせのように感じました。ただ、この手の組み合わせ、実は常識人に感じられる方もそれはそれで「狂っている」ケースも多いので(非常に失礼な書き方ですいません・・・)なんとも言えないのですが。

そしてなんといっても特徴的なのはその歌。歌詞の内容は現実を直視しつつ、一方、その中でどこか埋まらないものを探し求めるような歌詞が大きなインパクト。強いメッセージを帯びた歌詞というと、女性だとCoccoにしろ鬼束ちひろにしろ、どこか女性性を感じさせるものが多いのですが、彼女たちはそんな女性性はあまり感じられず。以前に竹原ピストルやTHA BLUE HERBと共演したそうですが、確かにタイプ的にはそちらの方向。あえて言えばMOROHAと方向性的には近いものを感じました。

サウンド面もすごかったですし、歌詞の面も衝撃的だったステージ。特にラストに披露した「ファッキンミュージック」という曲はかなりストレートにミュージシャンとしての活動の現実とそれでも抱き続ける音楽への愛情を吐露した歌詞が印象に強く残りました。気が付いたら、ボトムラインも7割程度の客の入りとなっており、確かに、このライブの内容だったら間違いなく注目を集めるだろうなぁ、というのは強く感じることが出来ました。間違いなくこの日のベストライブでしたし、今年の個人的なベストライブ候補。ワンマンライブにも足を運びたくなりました。鈴木実貴子ズ、今後も注目したいバンドです。

 

今池遊覧音楽祭はこの後ももうちょっと続いていたのですが、夕食の都合もあったので、ここで切り上げ。会場を後にしました。久しぶりに足を運んだライブサーキットでしたが、やはりいろいろなミュージシャンのライブを見れる、というのは楽しいなぁ。なによりも鈴木実貴子ズのライブを見れたのもよかったですし、その他のミュージシャンたちも、思ったよりも素晴らしいライブを見せてくれました。鈴木実貴子ズ以外ても、→SCHOOL←や九龍、SPIRAL RINGなどは、地元名古屋で長く活動を続けているバンドで、正直、決して売れている訳ではないのですが、ベテランらしい底力を感じさせるステージで、名古屋のミュージックシーンの層の厚さも感じることが出来ました。あらためてライブのすばらしさを実感できた、とても楽しい1日でした。

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2025年5月23日 (金)

名古屋のミュージシャンたちが勢ぞろい!

今池遊覧音楽祭

会場 ボトムライン、CLUB 3STAR 今池 他 日時 2025年5月5日(月)

GWの中日、ちょうど予定が空いたこともあって、久しぶりにライブサーキットに足を運んできました。今回参加したのは、今池遊覧音楽祭という、今池近辺のライブハウス12会場を会場としたライブサーキットで、名古屋を活動の拠点としているミュージシャンたちが集まったライブサーキットとなっています。

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地元を拠点したミュージシャンがメインのため、知る人ぞ知る的なミュージシャンも多く、事前にじっくりと見るミュージシャンを選びつつ、スケジュールを決めます。あと、いままで行ったことのないライブハウスも多いため、これを機にはじめて行ってみるライブハウスも考慮しつつ・・・。

→SCHOOL←@valentine drive

リストバンドの引き換え会場のひとつであるボトムラインでチケットをリストバンドに引き換えた後、まず最初に足を運んだのはvalentine driveというライブハウス。ライブハウスというよりもジャズバーといった感じのお店で、会場は横長で、50人程度が入れば満員になるような小さいキャパ。こういう機会がないと、なかなか足を運ばないかもしれません。

今回のライブサーキット一番手は、→SCHOOL←というバンド。実は数少ない、以前から名前は知っていたバンドで、私が東京にいて、ライブによく足を運んでいた時期に、時々、名前を聞いたなことあったような・・・という記憶があり、今回、このイベントに足を運ぶ前に偶然見つけた、当時、渋谷で行われたライブサーキットの事前準備用として配布されたサンプルCDの中に、彼らの名前を発見しました。ちょっと意外な出会い。ただし、彼らを見るのは今回はじめて。今回のライブサーキットのお目当てバンドの一組でした。

50人程度のライブハウスはほぼ満員。会場に入るとリハーサルの最中ながらも、既にライブのように盛り上がっていました。そして、メンバーそのまま予定時間の13時20分ほぼピッタリにライブはスタート。いきなり迫力あるバンドサウンドからスタート。ちょっと最初の出だしはNUMBER GIRLっぽいかも?まずはそんな印象を受けたスタートでした。

楽曲的にはいわゆるインディー系のギターロックといった感じで、グランジからの影響が強い一方、ボーカルはハイトーンで歌う楽曲も多く、ギターポップからの影響も感じさせます。ただ、彼らについて一番強く感じたのは、とにかく演奏が上手い。かなり迫力ある演奏を聴かせてくれるのですが、メンバーの息もピッタリ合っていて、サウンドはエッジが聴いていますし、なによりも爆音なのに聴いていて苦にならないのは上手いバンドならでは。結成20年を迎えるキャリア的にはベテランのバンドだそうですが、そのキャリアは伊達ではないように感じました。

楽曲はおそらく5曲程度。曲名がわかったものだと、中盤に「ボーダーライン」という曲があり、こちらは社会派な歌詞の楽曲。ラストには「空色ディストラクション」という曲を聴かせてくれ、こちらはポップなメロがインパクトのある楽曲でした。

さらにライブ終了後は、観客全員にCDを配っていました。ここまではインディーバンドでは時々ある話なので珍しくないのですが、もらったCDがデモ盤とかではなく、なんとインディー流通とはいえ、普通に販売されている「スタッタラ」というEP盤。調べたら2015年にリリースされた作品で、普通にストリーミング配信もされていました。ただ、ストリーミングで聴けるとはいえ、こうやってCDで配られるとやはり積極的に聴いてしまいますよね。普通に販売もされている一般流通のアルバムなので、聴いた後はここでも感想をアップしようと思います。

ライブは30分程度。前述のようにキャリアに裏付けされた演奏技術をしっかりと持っているバンドで、思ったよりも楽しめました。また、機会があれば見てみたいな、そう思えるステージで、まずは第1弾、満足して会場を去ることが出来ました。

かるてんぽ@Paradise Cafe 21

続いて足を運んだのはParadise Cafe 21で行われたかるてんぽというミュージシャンのステージ。Paradise Cafe 21は、時々名前を聴くライブハウスなのですが、今回足を運ぶのははじめて。こういう、いままで行けなかったライブハウスに足を運ぶことが出来るのもライブサーキットの楽しみのひとつ。Paradise Cafe 21は正直、予想していたよりも小さいライブハウスで、椅子と机がセットしてあり、50人程度で満員になるうな箱。ただ、ゆっくりと飲み物を飲んだり、食事をしたりしながら音楽を楽しめる雰囲気のよいライブハウスでした。

今回見たかるてんぽというミュージシャンは音源を聴くのもはじめてなら、名前を聞くのもはじめてなミュージシャン。この時間帯に演奏するほかのミュージシャンたちと比べて、良さげだったので足を運んだのですが・・・。女性ボーカル2名とギター、ベース、パーカッションの男性3名によるグループ。軽めのテンポでかるてんぽというバンドだそうで、楽曲はラテンやボサノヴァ、また楽曲によってはファンクの要素を取り入れた明るいポップソングを聴かせてくれるグループでした。

ステージ自体も明るいノリの、かなりアットホームな雰囲気のステージ。音楽が好きなおじさん、おばさんたちが集まって楽しんで演奏している感じのパフォーマンスで、聴いているこちらも一緒に明るく楽しくなるようなパフォーマンスだったと思います。こちらも5曲程度で30分程度のパフォーマンス。爽やかな気持ちで会場を後にすることが出来ました。

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ストリートコーナーパラダイスステージ

次のライブハウスに足を運ぶ途中、今池交差点角の空き地スペースで、「名古屋のトップ・ブルースマンたちのブルースセッション」が行われていました。もちろん、今回の今池遊覧音楽祭の企画の一環です。次のライブまでちょっと時間が空いていたので、しばし足を止め、パフォーマンスに聴き入ります。

基本的にはたくさんのギタリストにドラム、キーボード、ベーシストが加わり、自由にセッションを行っているスタイル。交互にソロを聴かせつつ、自由なブルースの演奏を聴かせてくれていました。そんなブルースの演奏をしばし楽しんだ後、次のステージに向かいます。

九龍@CLUB 3STAR 今池

3組目はCLUB 3STAR 今池というライブハウスで、九龍というバンドのステージ。CLUB 3TAR 今池は実は初耳のライブハウス。入ってみると思ったよりも大きい・・・。キャパは200名ということで、それなりの規模のライブハウスなのですが、今回、はじめて足を運びました。

九龍というバンドもほぼ初耳。名前だけは見たことあるような気が・・・という程度の印象で、音はもちろん今回はじめて聴くバンド。男性のギターボーカル+ベースと女性ドラマーという3人組バンド。調べると結成は2002年ということなので、彼らもキャリア20年以上のベテランバンドのようです。

途中のMCでドラマーが、聖飢魔Ⅱのミサに行っていた!という話をしていたのですが、特にドラムはヘヴィーメタルの影響も感じさせる、かなりパワフルなドラムが印象的。楽曲は、ハードロックにヘヴィーメタル、さらにはパンクの要素も感じさせるギターロックなのですが、一方、メロディーラインはポップ。ここらへんの雑多な音楽性はいかにもJ-POPという印象も受けました。

楽曲自体も雑多な印象で、全7曲のステージだったのですが、3曲目に演った「BEAT」という曲はメロディーラインが哀愁たっぷりで歌謡曲色が強いナンバー。続く「solid state midnight」はディスコチューン、さらにラストに演奏した「midnight express」という曲はBUMP OF CHICKENを彷彿とさせるようなギターロックとなっており、良くも悪くも雑食的な音楽性が特徴的に感じました。

ただ一方、ステージはやはりベテランなだけにしっかりとした演奏技術を持っており、聴かせるステージに。観客を沸かせるパフォーマンスも上手く、ここらへんはベテランバンドらしい力量を感じるステージに。完全に初耳のバンドだったので、さほど期待せずに足を運んだのですが、予想以上に楽しいステージでした。また機会があれば彼らのステージにも足を運びたいです!

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2025年5月22日 (木)

1位2位は新譜がランクイン

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

1位2位には新譜がランクインです。

まず1位には韓国の男性アイドルグループBOYNEXTDOOR「No Genre」がランクイン。4枚目となるミニアルバム。CD販売数1位、ダウンロード数5位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上17万6千枚で1位初登場。前作「19.99」の初動13万3千枚(1位)からアップ。

2位初登場は星野源「Gen」。実に約6年半ぶりとなるニューアルバム。CD販売数2位、ダウンロード数1位、ストリーミング数4位。オリコンでは初動売上9万1千枚で2位初登場。前作「POP VIRUS」の初動27万8千枚からダウン。前作はあの大ヒットした「恋」が収録されたアルバムでしたので、新作としてはそれ以来なんですね・・・かなり久しぶりという感じがあります。

3位は先週2位のSnow Man「THE BEST 2020-2025」がワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。

4位以下の初登場曲は、6位に韓国の女性アイドルグループTWICE「#TWICE5」がランクイン。彼女たち5枚目となる国内盤でのベストアルバム。10位にはKEIJU「N.I.T.O.」がランクイン。KEIJUはもともとKANDYTOWNというHIP HOPクルーに所属していたラッパーで、2020年の「T.A.T.O.」以来、約5年ぶり、Young Juju名義のアルバムを含めると3枚目のアルバムとなります。

ロングヒット盤では、まずMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が3位から4位に、「Attitude」が4位から5位にダウン。これで「ANTENNA」は通算35週目のベスト10ヒット、「Attitude」は通算23週目のベスト10ヒットとなります。Vaundy「strobo」が5位から7位に、「replica」が6位から9位にダウン。こちらは「strobo」が通算23週目、「replica」が通算26週目のベスト10ヒットに。Number_i「No.I」は7位から8位にダウン。ベスト10ヒットを通算25週に伸ばしています。

一方、timelesz「Hello! We're timelesz」は今週8位から14位にダウン。ベスト10ヒットは連続11週でストップ。また、先週ベスト10入りしてきた嵐「5×20 All the BEST!! 1999-2019」も9位から17位にダウン。ベスト10ヒットは通算16週でストップとなりました。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsは、MEOVV「HANDS UP」が1位獲得。昨年デビューした韓国の女性5人組アイドルグループ。Hot100はベスト100圏外ですが、ストリーミング数で95位にランクインしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

なんと今週1位はサツキ「メズマライザー」が先週に続いて1位を獲得。2位は雨良 Amala「ダイダイダイダイダイキライ」が先週と同順位をキープ。また、3位にはDECO*27「モニタリング」が5位からランクアップし、ベスト3に返り咲いています。

今週のHot Albums&Heatseekers Songs&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年5月21日 (水)

Mrs.GREEN APPLEが相変わらず強いが・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も相変わらず上位にMrs.GREEN APPLEが並ぶ中、1位は女性アイドルグループが獲得しています。

今週1位はアソビシステム所属の女性アイドルグループFRUITS ZIPPER「KawaiiってMagic」が獲得。CD販売数で1位獲得。作詞作曲は中田ヤスタカが手掛けています。オリコン週間シングルランキングでも初動売上22万7千枚で1位初登場。前作「NEW KAWAII」の初動5万5千枚(3位)からアップしています。

1位こそ逃しましたが、2位からはMrs.GREEN APPLEの曲がズラリ。2位「ライラック」3位「クスシキ」は先週から変わらず。「ライラック」はストリーミング数が3位から2位にアップ。動画再生回数は2週ぶりに1位返り咲き。カラオケ歌唱回数は今週で19週連続の1位となっています。これで57週連続のベスト10ヒット&通算41週目のベスト3ヒット。「クスシキ」はストリーミング数が2週ぶりの1位返り咲き。動画再生回数も5位から2位にアップしています。

さらに先週1位を獲得した「天国」が今週は4位にランクイン。これで2位から4位にMrs.GREEN APPLEが並びました。また、「ダーリン」も先週から変わらず3週連続10位をキープ。こちらは17週連続のベスト10ヒットとなり、今週もMrs.GREEN APPLEは4週同時ランクインとなっています。

4位以下の初登場曲は、XG「MILLIOPN PLACES」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数11位、ラジオオンエア数4位。avexの韓国法人に所属して韓国を拠点に活動をする日本人の女性アイドルグループ。オリコンでは初動売上3万枚で2位初登場。前作「WOKE UP」の初動3万2千枚(5位)から若干のダウン。

ロングヒット曲はあと1曲、サカナクション「怪獣」は8位から7位にアップ。ストリーミング数は6位から5位、ダウンロード数も10位から7位にアップ。動画再生回数も3週連続の6位を記録しています。これで13週連続のベスト10ヒットに。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年5月20日 (火)

HIP HOP 2024年年間ベスト5を聴く

先日、当サイトで2024年のHIP HOPシーンを紹介した雑誌「ele-king presents HIP HOP 2024-25」を紹介しました。この中で、2024年度の年間ベストアルバムが紹介されており、雑誌の紹介の時も「後日、同サイトで取り上げたい」と書いたのですが、遅ればせながら、年間ベストアルバムの上位5枚のうち、聴いていなかったアルバムを聴きましたので、ここで取り上げたいと思います。

ちなみに上位5枚のうち、1位のKendrick Lamar「GNX」、3位xaviersobased「keep it goin xav」、5位ScHoolboy Q「Blue Lips」は既に聴いており、取り上げ済ですので、残り2作の感想をここでは書こうかと思います。

Title:GLORIOUS
Musician:GloRilla

まずは年間2位にランクインしている女性ラッパー、GloRillaの、アルバムとしてはデビュー作となる本作。「HIP HOP 2024-25」にも言及があるように、女性ラッパーはアルバム制作まで至るのが大変のようで、特にアメリカの黒人女性というのは、黒人であるということと女性であるということの二重の差別を受けており、立場的にも非常に厳しいものがあるようです。

そんな中でも彼女のデビュー作はアメリカビルボードチャートでも見事5位にランクインするなど大ヒットを記録。グラミー賞をはじめ、各種音楽賞にも数多くノミネートされるなど、名実ともに最も高い評価を受けている女性ラッパーのひとりのようです。

さて、発売当初はスルーしていましたし、彼女の曲自体、これがはじめて聴くのですが、これが非常にカッコいい!イントロに続く「HOLLON」はミディアムチューンの不穏なビートが鳴り響くトラックに、彼女のドスの利いた力強いラップが印象的。続く「PROCEDURE」も同じく、力強いラップが耳に残ります。彼女のラップは、ドスの利いた、しっかりと一言一言、語るようにラップするスタイルが印象的。もちろん歌詞の意味はストレートには耳に入ってこないものの、歌詞はわからなくても、その主張が心に響いてくるような、そんなパワフルさを感じさせます。

前半は、そんな力強いビートのラップが続きますが、中盤はMuni Longをフューチャーした「DON'T DESERVE」では、R&Bな歌をフューチャーしたラップに。続く「RAIN DOWN ON ME」では、最初、教会での牧師の説教からスタートするかのようなイントロから、ゴスペル風のトラックにのせてラップするスタイル。「HIP HOP 2024-2025」によると、彼女は教会育ちということで、歌詞もキリスト教的な価値観による贖罪をテーマとした内容のようです。

他にもT-Painをフューチャーした「I LUV HER」や、男性シンガーのFridayyをフューチャーした「QUEEN OF MEMPHIS」などでは、男性ボーカルによる歌を取り入れて、メロディアスなナンバーとなっています。

このように、全体的にバリエーションもあり、かつ非常にカッコいいGloRilaのラップも魅力的な作品。売上的にも評価的にも高い支持を受けているのも納得のアルバムとなっています。年間2位というランキングも納得の作品でした。

評価:★★★★★

Title:SPEAK NOW
Musician:Moneybagg Yo

こちらは年間4位にランクインした、メンフィスを拠点に活動するラッパーの5枚目のアルバム。前作「A Gangsta's Pain」はビルボードで1位を獲得したものの、本作は最高位13位に留まったようです。ただ、売上面では前作を下回ったものの、「HIP HOP 2024-25」で4位にランクインするなど、評価は悪くないようです。

彼についてもアルバムを聴くのは本作がはじめて。アメリカで今をときめくカントリー歌手、モーガン・ウォーレンをフューチャーした「WHISKEY WHISKEY」も話題のようで、カントリーを取り入れた哀愁たっぷりのナンバーが特徴的。「HIP HOP 2024-25」によると、今、HIP HOPとカントリーの融合もシーンの傾向のひとつのようです。

他にもクリス・ブラウンをフューチャーした「DRUNK OFF U」のような楽曲もあるのですが、ただ、正直全体的にはいかにも今時といった感じのトラップのナンバーが並ぶ楽曲で、正直言うと、目新しさもあまり感じず、バリエーションも乏しく感じました。1曲1曲はカッコいいと思いますし、悪いアルバムではないとは思うのですが、年間ベストクラスかと言われると・・・。

評価:★★★★

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2025年5月19日 (月)

川谷絵音がまたもや新バンド!

Title:SOME BUDDY
Musician:礼讃

indigo la Endやゲスの極み乙女の川谷絵音のニューバンド、礼賛のニューアルバム。いままで配信で1作リリースしており、これがアルバムとして2作目となるようです。ただ、1作目は見逃しており、個人的にアルバムを聴いてみるのは本作が初めてとなります。川谷絵音は前述のindigo la Endやゲスの極み乙女の他にもジェニーハイやichikoroなどのバンドにも参加しており、このバンドは一体何組目だよ?とも思うのですが、ワーカホリックなその仕事ぶりが目立ちます。

今回のバンドはもともと、川谷絵音がはじめた自分の曲を様々な人に歌ってもらうプロジェクト、美的計画に、お笑いコンビ、ラランドのサーヤが参加したことがきっかけ。川谷絵音から声をかけて結成となったそうです。彼女がボーカルで参加しているほか、川谷絵音とおなじくゲスの極み乙女に所属している休日課長もベーシストとして参加。ほか、ギターの木下哲、ドラムスにDALLJUB STEP CLUB、あらかじめ決められた恋人たちへのGOTOが参加。総勢5名でのバンドとなっています。

ジェニーハイもそうでしたが、お笑いタレントと組んでいるあたり、川谷絵音は積極的に音楽業界の外部の人と組んで、音楽業界の中の人だけでは生み出せないような新たなケミストリーを生み出したいのでしょうか。ただ、例の不倫騒動も加味すると、単なる「芸能界好き」なような印象も受けてしまうのですが(笑)

ただジェニーハイもそうでしたが、企画的なものかと思いきや、かなり本気モード。これだけワーカホリックな感じだと、楽曲のクオリティーが下がりそうな感じですが、クオリティーが下がるどころか、むしろここ最近の川谷絵音関連の音源の中では、もっともクオリティーが高いのでは?と思うような傑作に仕上がっています。楽曲は、どちらかというとゲスの極み乙女につながるような、ラップテイストの楽曲がメインなのですが、メランコリックなメロディーラインと、ジャズやファンクなどの要素を加えて、エッジを利かせたサウンドとの組み合わせが見事。疾走感あるリズミカルな「SLUMP」からスタート。メランコリックなメロディーラインがindigoにも通じるような「鏡に恋して」、同じくおなじお笑いユニットの令和ロマンの高比良くるまがラッパーとして参加。ちょっと不穏な雰囲気がカッコいい「GOLDEN BUDDY」など、序盤からかなり飛ばしまくった曲が続きます。

その後もサウンドにジャズ的要素を加えた「ウラメシヤ」や、疾走感あるロックチューンに、ファンキーなギターがカッコいい「Bless u」、ホーンセッション入ってファンキーで爽やかな「曖昧なBEACH」、RIP SLYMEのRYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAも参加し、HIP HOPテイストも強い「TRUMAN」など、HIP HOP、ロック、ジャズ、ファンクなどを自由に楽曲に組み込みポップにまとめあげる、バラエティー富んだ作風が魅力的な作品に仕上がっています。

ちなみに礼賛に関して、作詞はCLRことラランドのサーヤ、作曲もCLRと礼賛の共同名義となっていますが、作詞はともかく、作曲の方は、かなり川谷絵音の手癖も強い楽曲となっており、明らかに川谷絵音が主導の曲作りになっていることを感じさせます。バンド名義なのでおそらく最初のメロの原案をCLRが作り、全員のセッションの中で楽曲を作りあげつつも、なんだかんだいってもやはり川谷絵音がまとめあげていく、という流れなのでしょうか。そういう意味では間違いなく川谷絵音のバンドのアルバムとなっています。

一方、もうひとつ特筆したいのが、ボーカルのCLR。ちょっと気だるい感じの声色が非常に印象的でインパクトがあり、マイナーコード主体な礼賛の楽曲にもピッタリマッチしています。最初、プロのシンガーかと思いきや、お笑いタレントということでビックリしたのですが、確かに美的計画で組んだことをきっかけに川谷絵音から声がかかった、という理由はわかるような気がします。彼女のボーカルもまた、バンドとしての大きな魅力となっており、また礼賛というバンドを特徴づける大きな要素となっていました。

スタートしたばかりのバンドということで勢いもあり、おそらく川谷絵音も新鮮な気持ちでバンドに加わっているのでしょう。また、バンドとしての雰囲気もいいのかもしれません。個人的に年間ベストクラスの傑作だと思います。それにしても川谷絵音は、あれだけ多くのバンドに加わり、なおかつ同時並行的にコンスタントに活動を行っているのが驚くべきところ。あらためて彼のアグレッシブな活動ぶりとその実力に感嘆する作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BLUE/Galileo Galilei

Bluegalileo

Galileo Galileiの過去の楽曲を再録した、配信限定のアルバム(ただし、一部ライブ会場ではCD販売された模様)。アルバム最後に収録されている「あおにもどる」以外は、過去作のリメイクとなっているため、ベスト盤的に楽しめるアルバムと言えるかも。楽曲は「青」をテーマにセレクトされているため、そういう意味ではコンセプトアルバムとも言えるかもしれません。楽曲は全体的に分厚いバンドサウンドにエレクトロサウンドの要素も取り入れて、メランコリックなメロで聴かせる特徴的。そんなにガラリと大きく変化したような感じはしないのですが、コンセプチャルな方向性が若干頭でっかちに感じる部分も含めて、彼ららしいといった感じでしょうか。

評価:★★★★

Galileo Galilei 過去の作品
パレード
PORTAL
Baby,It's Cold Outside
ALARMS
SEE MORE GLASS
Sea and The Darkness
車輪の軸
Bee and The Whales
MANSTER
MANTRAL

Vermillion's/sumika

メンバーの黒田隼之介の急逝というショッキングな出来事を経て、3人組となったsumika。その後もメンバーの体調不良などで活動の一時休止を余儀なくされた時期もあるなど、バンドとして困難な時期を経た彼らですが、シングルやライブはその間も比較的積極的に活動を続け、このたびようやくアルバムがリリースされました。ただ、そんな彼らですが、楽曲のスタイルは基本的には変わりなく。ピアノやストリングスなどを使った陽気なポップソングがメイン。アニメ「ダンジョン飯」のテーマ曲となった「運命」をはじめ、聴いていて素直に楽しくなるポップスが彼らの持ち味ゆえにタイアップ曲も多いのでしょう、14曲中8曲までがタイアップという構成となっています。同じように陽気で明るいポップスを奏でるMrs.GREEN APPLEがあれだけ爆発的に売れているのだから、彼らももうちょっと売れてもいいようにも思うのですが。

評価:★★★★

sumika 過去の作品
Familia
Chime
Harmonize e.p
AMUSIC
For.
Sugar Salt Pepper Green(sumika[camp session])

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2025年5月18日 (日)

いつまでも聴き続けたいドリーミーでキュートなポップアルバム

Title:Sinister Grift
Musician:Panda Bear

途中、ソニック・ブームとのコラボアルバムのリリースはあったものの、純粋なオリジナルアルバムとしては約5年ぶりとなるPanda Bearの新作。オルタナティブ・ロックバンド、Animal Collectiveのメンバーによるソロアルバムです。アニマル・コレクティブのメンバーだからパンダ・ベアなのか、それともパンダ・ベアがメンバーだからアニマル・コレクティブなのか・・・。

・・・というどうでもよい話は置いておいて、Panda Bearの久々となる新作。各所で絶賛を受けているようですが、私もこれを聴いて一発で気に入った、これでもかというほど心地よいポップスアルバムに仕上がっていました。まず、アルバムの1曲目を飾る「Praise」はビーチ・ボーイズ直系の60年代っぽい雰囲気を醸し出す、爽やかでキュートなポップチューン。これが2曲目のミディアムチューン「Anywhere but Here」にも続き、 特にコーラスラインの美しさに耳を惹かれる珠玉のポップチューンに仕上がっています。

ただ、おもしろいのはこれからで、この美メロはそのままに、単純な懐古趣味的なポップスとも異なるバラエティー富んだ展開が待ち受けています。中盤の「Ends Meet」も非常に美しいメロディーラインとコーラスワークが耳を惹くドリーミーなポップ。序盤のフォークロックの色合いも強かった曲と比べると、こちらはエフェクトやシンセサウンドなど、微妙にサイケの要素の強いナンバーに仕上がっていますし、「Just as Well」は裏打ちのほっこりした雰囲気のギターに載せてポップな歌を聴かせるミディアムチューンの楽曲。さらに「Just as Well」もそうですが、続く「Ferry Lady」もレゲエの要素が加わったナンバー。美しいメロディーと横ノリのリズムが心地よいナンバー。個人的にはちょっと日本のキセルを彷彿としました。

さらにユニークなのは終盤で、よりドリーミーさが加わります。ファルセットボーカルとドリーミーなサウンドで、神秘的にすら感じるドリームポップ「Left in the Cold」に、メランコリックなギターと神秘的なサウンドで、荘厳さすら感じられる「Elegy for Noah Lou」と終盤は、神秘的かつメランコリックな曲が続きます。そして最後のナンバーはCindy Leeも参加した「Defense」は、バンドサウンドが加わり、力強いサウンドを感じさせる楽曲。もちろん、キュートでポップなメロはこちらも健在なのですが、最後は力強いギターポップで締めくくりという展開となります。

これでもかというほど心地よい、キュートでポップなメロが耳を惹くアルバム。当初は60年代のギタポやフォークロックの流れを感じさせるような楽曲が続くのですが、そんなギタポやフォークロックの路線は残しつつも、中盤からサイケロックやレゲエ、今どきのドリームポップの要素を入れており、懐かしいギタポの魅力は残しつつ、しっかりと今風にアップデートしている作品に仕上がっていました。ドリーミーなサウンドをバックに流れるキュートなメロがとにかく気持ちよく、このままずっと聴き続けていたい、と感じた作品。文句なしの2025年ベスト盤候補の傑作です。

評価:★★★★★

Panda Bear 過去の作品
2014-05-18:Warsaw,Brooklyn,New York
Buoys

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2025年5月17日 (土)

美メロは健在!

Title:Constellations For The Lonely
Musician:Doves

イギリスはマンチェスター出身のロックバンド、Doves。もともと2020年のデビュー作「Lost Souls」が話題となり、2002年の「The Last Broadcast」は日本でも大きな話題になりました。とろけるようなドリーミーでポップなメロディーラインが大きな魅力で、私もかなりはまりました。その後、2010年にはバンドは活動休止。ただ、2018年には活動を再開し、活動再開後初となるアルバム「The Universal Wants」は全英チャートで1位を取るなど、まさに本国では待ちに待たれた復活になっています。

本作は、そんな活動再開後、2作目となるバンド6枚目のアルバム。全英チャートでは見事5位を獲得し、その変わらぬ人気を感じます。ただ、リードボーカルのひとり、ジミ・グッドウィンの精神状況が良くないようで、このアルバムに伴うツアーも参加していないようです。彼の健康状況は非常に気に係るところですが、本作のレコーディングには参加しており、全10曲中7曲でリードボーカルをつとめています。

そんな本作もDovesらしいドリーミーでポップなメロディーラインは健在。冒頭を飾る「Renegade」などはまさしく、バンドサウンドにピアノの音色やシンセも加えた分厚いサウンドに、ポップなメロディーラインが魅力的なドリーミーな作品に。「In The Butterfly House」でも同じく、シンセやピアノの音色でドリーミーな、暖かみを感じるポップスに。これらの曲はジミがボーカルを取っているのですが、逆にジャズ・ウィリアムズがボーカルをつとめる「Strange Weather」では、同じドリーミーな作品でも、どこか凍てつくような感じのサウンドとなっています。

今回の作品、特に終盤が素晴らしく、イントロの美しさにまず耳を惹かれる「Stupid Schemes」はフォーキーなメロディーラインに懐かしさを感じさせつつ、ミディアムチューンの「Saint Teresa」も同じくフォーキーで優しいポップス。ピアノとエレピの音色をからませつつ、メランコリックに聴かせる「Orlando」に続き、ラストの「Southern Bell」は哀愁たっぷりのメロと力強いバンドサウンドで締めくくる、バンドとしてのDovesを感じさせる楽曲に。終盤のナンバーは、いずれもメランコリックなメロディーラインがインパクトを持つ、Dovesらしい優しくポップなメロが強い印象を持つ楽曲で締めくくり、Dovesの魅力を存分に感じることが出来ます。

今回のアルバムもDovesらしい傑作アルバムに仕上がっていたのですが、なぜか日本では全くといっていいほど紹介されていません。前作「The Universal Wants」では、国内盤までリリースされていたのに、本作は国内盤のリリースがないどころか、輸入盤についても音楽雑誌の紹介が全くなし。Webメディアでもほとんど取り上げられてません。今回のアルバムリリースに私が気が付いたのは、イギリスの公式チャートを見ていて、チャートインしているのを偶然見つけたから。確かにアメリカやイギリスで売れていても、日本人受けしなさそうなミュージシャンは日本ではほとんど紹介されないのですが、彼らの場合、十分日本人受けしそうですし、実際、前作は国内盤までリリースされていたのになぜ?

これまでのDovesのアルバムを気に入っている方ならば、本作も間違いなく気に入る傑作アルバムだと思います。ジミの健康状況は気になるようですが、無理はしないように・・・でも、これからの活躍にも期待。日本でも以前みたいに人気が伸びてこればよいのですが・・・。

評価:★★★★★

Doves 過去の作品
Kingdom of Rust
The Universal Want


ほかに聴いたアルバム

Tears of Injustice/Mdou Moctar

おそらく、今、最も注目されているアフリカのミュージシャンの一組であるニジェール共和国出身の4人組バンドMdou Moctar(エムドゥ・モクター)。前作「Funeral for Justice」も前々作「Afrique Victime」も大きな話題となりましたが、そんな彼らの最新作は、前作「Funeral for Justice」のアコースティックバージョン。バンドサウンドでダイナミックに聴かせてくれた前作から一転、同じ作品をアコースティックな楽器や彼らの民族楽器を用いて演奏するのですが、これがまたガラリと雰囲気が変わります。どちらかというと、よりトライバルな色合いが強まった作品になっているのですが、それだけに彼らのコアな部分に触れたような感じもする作品に。バンドの音楽性の幅広さを感じさせる傑作でした。

評価:★★★★★

Mdou Moctar 過去の作品
Afrique Victime
Funeral for Justice

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2025年5月16日 (金)

今時の曲から懐かしさを感じる曲まで、1つのアルバムにパッケージ

Title:MAYHEM
Musician:Lady Gaga

途中、トニー・ベネットとのコラボアルバムや映画のサントラ盤のリリースはあったものの、純粋なオリジナルアルバムとしては2020年の「Chromatica」以来、約5年ぶりとなるLady Gagaのニューアルバム。現在、アメリカのビルボードチャートで、Bruno Marsと組んだ「Die with a Smile」が大ヒットを記録していますが、もちろん同作も収録。アメリカのビルボードやイギリスのナショナルチャートを含め、世界中でチャート1位を獲得し、相変わらずの人気ぶりを発揮した作品となっています。

相変わらずトップミュージシャンとして絶大なる人気を誇る彼女ですが、そんな彼女の久々のアルバムは、やはりその人気を裏付けるだけのポップスアルバムとして非常に良くできた作品に仕上がっているように感じました。まず冒頭の「Disease」「Abracadabra」はエレクトロビートのダンスチューンからスタート。ここらへんの路線は彼女の大ヒット曲「Born This Way」の路線を彷彿としつつも、2025年にアップデートしたような作品となっています。

そこから展開される「Perfect Celebrity」はよりヘヴィーなサウンドを入れたダイナミックなサウンドに。ロックテイストも強い楽曲となっている一方、インダストリアル路線は「Abracadabra」とつながっており、ここらへんは楽曲の流れとして上手く展開していきます。

さらに中盤以降は、序盤と同じくダンスチューンながらも、80年代ディスコサウンドを彷彿とさせるような楽曲が並びます。「Zombieboy」にタイトルからしてディスコチューンっぽい「LoveDrug」「Shadow Of A Man」とディスコテイストのナンバーが後半に並びます。現代風だった序盤から、リスナーのスイッチがちょっと懐かしい路線にシフトし、さらにバラードナンバーでしんみり聴かせる「Blade Of Grass」から、そしてラストはメランコリックで、郷愁感も覚えるミディアムチューン「Die With A Smile」へ。ビルボードチャートで5週連続の1位を獲得し、今でもチャート上位にランクインし続ける大ヒットナンバーへ、うまく楽曲はつなぎ、そしてアルバムは幕を下ろします。

序盤のエレクトロダンスチューンにインダストリアルテイストのナンバー、さらにディスコチューンからバラード、そしてメランコリックで懐かしさを感じるラストナンバーまで、現代から過去へ自由に行き来する音楽性を見事1つのアルバムにパッケージしています。正直、楽曲自体はよく出来ていると感じる一方で、目新しさには薄い点はいままでの彼女の作品と同様。ただ一方、インパクトあるポップなメロディーラインの楽曲が並ぶ点、アルバム全体にバラエティー富ませながら、しっかり一体感を出した構成となっている点はさすがのひとこと。彼女の人気の理由もしっかりとわかるアルバムになっていたと思います。

評価:★★★★★

LADY GAGA 過去の作品
The Fame
BORN THIS WAY
ARTPOP
Cheek to Cheek(Tony Bennett & Lady Gaga)
Joanna
A Star Is Born Soundtrack(アリー/ スター誕生 サウンドトラック)(Lady Gaga & Bradley Cooper)
Chromatica
BORN THIS WAY THE TENTH ANNIVERSARY
Dawn Of Chromatica
Love For Sale(Tony Bennett & Lady Gaga)
Harlequin


ほかに聴いたアルバム

The Moment Of Truth: Ella At The Coliseum/Ella Fitzgerald

ご存じジャズボーカリストのレジェンド、エラ・フィッツジェラルドの発掘ライブ音源。1967年6月30日にオークランド・コロシアムで録音された音源で、ヴァーヴ・レコーズの創設者ノーマン・グランツのプライベート・テープ・コレクションから発掘されたようです。1967年といえば、エラの全盛期ともいえる頃。演奏は、これまた絶頂期のデューク・エリントン・オーケストラがつとめており、それだけに非常に聴きごたえある貴重な音源。軽快なスウィングのリズムをバックにきかせるエラの歌声は、やさしさと力強さを同居させた絶妙な表現力に、聴いていてゾクゾクさせられます。文句なしに要チェックのライブ発掘音源です。

評価:★★★★★

Ella Fitzgerald 過去の作品
Ella At The Hollywood Bowl: The Irving Berlin Songbook

Richard Russell Is Temporary/Everything Is Recorded

RADIOHEADやFontaines D.C.などが所属するレコードレーベル、XL Recordingsの総帥であり、デーモン・アルバーンやボビー・ウーマックのプロデュースも手掛けるリチャード・ラッセルのソロプロジェクト、Everything Is Recordedの3枚目となるスタジオアルバム。サンファやカマシ・ワシントンなど多くのミュージシャンが参加した本作は、「もしフォークミュージックが80年代にレゲエと同じように『デジタル化』していたら?」という思考実験をテーマとしているそうで、フォークやソウル、カントリーなどのオーガニックな雰囲気の楽曲でありながらも、サウンド的にはシンセや打ち込みを取り入れているというユニークな作風。楽曲のタイプとしてはバラエティー豊富ですが、どの曲もメロウなメロディーラインが流れているという点に共通項も。前述の通りの思考実験をテーマとするなど、実験的な作品でありつつも、作品全体としてはオーガニックな雰囲気は残しており、懐かしくもポップにまとめあげた、いい意味での聴きやすさのあるアルバムとなっていました。

評価:★★★★★

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2025年5月15日 (木)

「ニュース」なアルバムが急上昇

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は、話題となったアイドルのアルバムがベスト10に急上昇してきました。

ただし、1位は別のアイドルグループ。スターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ超特急の2枚目となるEP「Why don’t you 超特急?」が獲得です。CD販売数1位、ダウンロード数2位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上15万3千枚で1位初登場。前作「Just Like 超特急」の初動5万枚(2位)からアップしています。

2位は先週まで4週連続1位だったSnow Man「THE BEST 2020-2025」がワンランクダウン。ただ、ストリーミング数は先週と変わらず1位をキープ。3位はMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週と同順位をキープ。また、「Attitude」も先週と変わらず4位にランクイン。これで「ANTENNA」は通算34週目のベスト10ヒット&通算24週目のベスト3ヒット、「Attitude」は通算22週目のベスト10ヒットとなっています。

さて、4位以下ですが、今週は表題の通り、ニュースとなったアイドルグループのアルバムがランクインしています。まず9位に嵐「5×20 All the BEST!! 1999-2019」がランクインしています。現在、グループとして実質的に活動を休止している彼らですが、5月6日に正式にその活動を休止することを発表しました。活動休止の表現を取っていますが、事実上の「解散」と言えるでしょう。その影響でベストアルバムがダウンロード数4位、ストリーミング数9位と大幅に上昇。2019年10月23日付チャート以来のベスト10入りとなりました。なお、ベスト10ヒットは通算16週目となります。

また、サブスク解禁を発表したKinki Kidsのベストアルバム「THE BEST」も、ダウンロード数1位、ストリーミング数13位にランクインし、10位にランクイン。こちらは2017年12月20日付チャート以来のベスト10返り咲きとなっています。

一方、ロングヒット盤は、Vaundy「strobo」が5位、「replica」が6位といずれも先週と変わらず。それぞれ通算22週、通算25週目のベスト10ヒットに。Number_i「No.I」は8位から7位にアップ。こちらは通算24週目のベスト10ヒット。timelesz「Hello! We're timelesz」は7位から8位にダウン。こちらは11週連続のベスト10ヒットとなります。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsチャート1位はAiScReam「愛♡スクリ~ム!」がランクイン。架空のアイドルプロジェクト「ラブライブ!」シリーズの「オールナイトニッポンGOLD」発祥の架空のアイドルグループです。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

なんと今週1位はサツキ「メズマライザー」が昨年10月2日付チャート以来の1位返り咲き。投稿から1周年を迎えた影響の模様。根強い人気を感じさせます。2位は雨良 Amala「ダイダイダイダイダイキライ」が先週と同順位をキープ。先週1位だったマサラダ「イレギュラーマン」は3位にダウンしています。

今週のHot Albums&Heatseekers Songs&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年5月14日 (水)

ベスト3はMrs.GREEN APPLEが独占

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

なんと今週、ベスト3はMrs.GREEN APPLEが独占するという結果になりました。

まず1位には先週11位に初登場した「天国」が2週目にして一躍1位を獲得。ダウンロード数3位、ストリーミング数1位、ラジオオンエア数2位、動画再生回数4位。映画「#真相をお話します」主題歌。Mrs.GREEN APPLEの大森元貴が主演を務めるそうです。また、「ライラック」が先週の3位からランクアップして2位に、「クスシキ」が入れ替わりで3位にダウン。ただ、これでベスト3をMrs.GREEN APPLEが独占するという結果になりました。「ライラック」はカラオケ歌唱回数は18週連続の1位。ただ、ストリーミング数は2位から3位、動画再生回数も1位から2位にダウン。「クスシキ」もストリーミング数が1位から2位に、動画再生回数も3位から5位にダウン。一方、ダウンロード数は7位から5位にアップ。これで「ライラック」は56週連続のベスト10ヒット&通算40週目のベスト3ヒットとなっています。

Mrs.GREEN APPLEは「ダーリン」も先週から変わらず10位をキープし、16週連続のベスト10ヒットを記録しており、これで4曲同時ランクインしています。

4位以下初登場曲は、4位に旧ジャニーズ系アイドルグループ、元ジャニーズWESTことWEST.「ウェッサイソウル!」がランクイン。タイトルそのままなのですが、ウルフルズのトータス松本が作詞作曲で参加しています。CD販売数1位、その他はチャート圏外。オリコン週間シングルランキングでは初動売上22万3千枚で1位初登場。前作「まぁいっか!」の初動24万2千枚(2位)からダウンしています。

5位には男性アイドルグループDXTEEN「Tick-Tack」がランクイン。吉本工業と韓国のCJ ENMとの合弁会社LAPONEエンタテイメント所属のグループ。CD販売数2位、ラジオオンエア数8位。オリコンでは初動売上5万5千枚で2位初登場。前作「Level Up」の初動4万4千枚(2位)からアップ。

初登場曲は以上。今週、ロングヒット曲はあと1曲のみ。サカナクション「怪獣」が先週と変わらず8位をキープ。ストリーミング数及び動画再生回数6位は先週と変わらず。ダウンロード数が14位から10位にアップ。ここに来てカラオケ歌唱回数が11位から10位と徐々にランクアップしてきています。これでベスト10ヒットは連続12週となりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年5月13日 (火)

KANに対する愛情が伝わる

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の感想です。

この本については、偶然、本屋で見つけて正直なところかなりビックリしました。音楽プロデューサーであり、ライターとしても活躍している鈴木ダイスケの著書「私的KAN論」。おととし、61歳という若さでこの世を去ったシンガーソングライターのKANについて、彼なりの視点で評した1冊。KANというとお茶の間レベルではともすれば「愛は勝つの一発屋」的に扱われているケースが少なくない中、一方ではミュージシャンをはじめ、多くの熱烈なファンを抱えています。とはいえ、こういう形でKANについて語った本が1冊にまとめまってしまうあたり、ちょっとビックリしました。

もっとも、KANというミュージシャンが、ファンにとって語りたくなるミュージシャンというのは、なんとなくわかるような気もします。まずなんといっても、前述の通り、ともすれば「一発屋」扱いされていることもある彼について、「そうじゃないんだ、『愛は勝つ』よりもよっぽどいい曲がたくさんあるんだ」と叫びたくなる気持ちは、ファンなら誰でも持っているでしょうし、また、ビリー・ジョエルやポール・マッカートニーはじめ、洋楽ミュージシャンの要素をさりげなく(時にはかなり大胆に)楽曲に取り入れて、しっかりと日本人の耳になじむようなポップスにまとめあげている彼の音楽的手法は、特に音楽に詳しければ、いろいろと分析して語りたくもあるかと思います。さらに、本書でも語られいるKANの歌詞。都会にどこにでもいるような人物にスポットをあてた歌詞の世界は、誰でも共感できるような内容になっており、それゆえに自らの人生と語り合わせて語りたくなる、というのはよくわかります。

この「私的KAN論」についても、デビュー当初からファンだったという鈴木ダイスケが、思う存分、KANに対する思いを語っており、なによりも純粋に彼がKANのことを好きだったんだなぁ、と読んでいてほほえましくすら感じられる内容でしたし、KANに対する愛情という意味では、同じファンとして非常に共感できる内容になっていました。

本書においては、彼のKANに対する思いを、彼の人生に照らし合わせて語られるほか、同時代に活躍した他のJ-POPミュージシャンへの比較が語られたり、当時のKANのインタビュー記事などもピックアップされ、KANの音楽活動についても同時に語られています。また、音楽プロデューサーらしく、KANの洋楽ミュージシャンからの影響についても分析がなされており、この点についてもあらためて勉強になる部分でした。

また、個人的に興味深かったのは、デビュー直後のKANについて書かれた部分で、その当時のKANがどのような立ち位置にいたか、どのように捉えられていたかということを、著者からの視点ではあるものの、やはり非常に興味深く読むことが出来ました。ここで取り上げられていたのですが、80年代から90年代に人気を博した漫画「ツルモク独身寮」に、KANの「東京ライフ」が登場するんですね。このエピソード、正直今回はじめて知りました・・・。

一方、著者は私より年上の世代となるのですが、そのため、KANや当時のJ-POPに対する見方が、私とは微妙に異なっており、この世代によるギャップにも興味深く感じることが出来ました。年齢が違う・・・といっても、アラフィフくらいになれば、「ほぼ同年代」で括れそうな違いしかないのですが、ただ90年代を、主に大学生から社会人として過ごした著者と、主に中学生から高校生として過ごした私とでは、やはり感じ方、見え方に大きな差があるように感じます。

例えば、後のJ-POPに対する影響という点で、チェッカーズをBOOWYやブルーハーツより大きく取り上げていますが、小中学生時代の学校でのブルーハーツの盛り上がり方やその後の影響を感じると、その記載はちょっと疑問に感じる部分もあります。また、特にギャップを感じるのが堺正章とKANの類似性を書いた記載で、これはもともとミスチルの桜井和寿が言い出したことを著者が同意しているのですが、私くらいの世代だと、堺正章というと、飄々とした雰囲気ながらも芸能界の「ドン」であり、逆らったら怖い人、みたいなイメージがあるのですが、著者くらいの世代だと、まだそこまでの大御所ではなかった時代を見ているので、イメージが異なるのかもしれませんね。さらにKANと似たタイプの男性シンガーソングライターとして大江千里をよく取り上げられており、一方で槇原敬之についてはあまり言及がないもの、やはり世代による違いように感じました。

また、ちょっと残念に感じた部分として中盤、同時期に活躍した男性ミュージシャンについての話が何章かにわたって続くのですが、ここらへんについては読んでいて微妙に感じました。正直なところ、KANと直接的なつながりがない記載も多く(特に小田和正)、わざわざ取り上げている点に違和感も覚えます。どうも著者は仕事などの都合上もあって、90年代中盤についてはちょっとKANからは遠ざかっていた時期があったようで、この頃の記載に関してはかなり薄くなってしまっているのが残念なのですが、後追いでもアルバムは聴いているようなので、この時期のアルバムについても、あらためて音楽的にチェックしたり、後追いでもよいので、当時の雑誌記事などからKANの動向について分析を加えてほしかったな、ということを残念に感じました。

「私的KAN論」という記載の通り、おそらく著者的にもあえてだとは思うのですが、著者の色合い、主張も濃い内容なだけに、著者のKANへの愛情を素直に感じられる反面、それぞれ心の中にKAN像を思い描いているファンにとっては、ちょっと違和感のある部分も出てくるかもしれません。ただ、それを差し引いても、特にデビュー当初からKANを追いかけてきた彼の記載は、やはり興味深い記載も多いですし、なによりも同じKANのファンとして共感できる部分も多く、非常に楽しんで読み進めることが出来ました。こうやって、KANに関するエッセイだけで1冊の本になっちゃうあたり、あらためてKANというミュージシャンの魅力、そして多くのファンを楽しませてきた、という事実を強く感じます。KANが好きならば、まずは手にとって損のない1冊です。

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2025年5月12日 (月)

様々な音を鳴らしつつ

Title:音のする部屋
Musician:君島大空

おそらく、今、もっとも勢いのあるシンガーソングライターの一人といっていいでしょう。君島大空の4枚目となる6曲入りのEP盤。特に2023年には「映帶する煙」「no public sounds」という2枚の傑作アルバムを1年のうちにリリースしてきました。昨年は残念ながら配信限定シングル1曲のリリースのみだったたのですが、ちょっと久々となる新作は、期待に違わぬ傑作アルバムに仕上がっていました。

この「音のする部屋」というアルバムタイトルもなかなか秀逸。もともと、彼の作品は様々な要素を取り込んだ独特の音楽性が大きな魅力だったのですが、今回のアルバムではそのタイトル通り、様々な「音」がリスナーの耳を襲ってくるかの如く作品となっています。1曲目の「除」は、まさにそんなアルバムの冒頭を飾るにふさわしい、様々なエレクトロサウンドが自在に交差するようなアバンギャルドな作品。2曲目「WEYK」は一転、疾走感あるハードロック風のナンバー。メロもポップとなっているのですが、微妙に複雑にからみあっているギターの音も大きなインパクトとなっています。

「Death Metal Cheese Cake」は全くことなる印象を受ける言葉の組み合わせがユニークなタイトルですが、冒頭のインストこそ「デスメタル」っぽさを感じるのですが、その後は祝祭色を感じさせる明るいポップチューンに。ただ、バックに流れるギターや強いビートは若干メタルの影響を感じさせつつ、不気味さも醸し出しており、この微妙なバランスが非常にユニークなナンバーに。

その後も、アバンギャルドなサウンドと、ファルセット気味なボーカルでメロウに聴かせる組み合わせがユニークな「釘」と続き、そんなアバンギャルドさが一転し、静かなギターでメロウに聴かせるムーディーは「迎」と、様々な音を取り入れつつ、バラエティー富んだ展開が実にユニーク。

そしてラストを締めくくる先行シングルともなった「Lover」は、しんみりメロウに聴かせつつも、サビではノイジーなギターと力強いバンドサウンドが加わりスケール感もあるバラードナンバー。ただ、しんみりと聴かせるメロディーラインと切ないラブソングの歌詞はヒットポテンシャル十分のポップチューンに仕上がっており、サイケさも感じるバンドサウンドにアバンギャルドな雰囲気を感じつつも、基本的には比較的広い層が気に入りそうな、訴求力のあるポップスに仕上がっていました。

わずか6曲入りのEP盤とはいえ、「音のする部屋」というタイトル通り、様々な音を聴かせつつ、一方ではラストの「Lover」のようなポップな歌もしっかり聴かせる、複雑なサウンドを聴かせつつもマニアックにも行き過ぎない、このバランス感覚のよさが彼の大きな魅力であり、そんな彼らしさがつまったEP盤となっていました。本作も間違いなく年間ベスト候補。君島大空の魅力を存分に感じられるEPでした。

評価:★★★★★

君島大空 過去の作品
縫層
袖の汀
映帶する煙
no public sounds


ほかに聴いたアルバム

HAPPY/高橋優

約2年3か月ぶりとなる高橋優のニューアルバム。もともと、暑苦しさすら感じられる彼のだみ声気味のボーカルが特徴的なミュージシャンですが、このアルバムも1曲目から「明日から戦争が始まるみたいだ」というタイトルからして暑苦しさを感じられる曲からスタート。全体的に良くも悪くも彼らしい暑苦しさを感じさせる曲が並びますが、特に「WINDING MIND」は、彼の故郷の東北の方言をそのまま使った曲で、これまたインパクト十分・・・。この「暑苦しさ」は良くも悪くも彼の魅力なのでしょうから、ある意味、そんな彼らしさをフルに発揮した作品と言えるかもしれません。

評価:★★★★

高橋優 過去の作品
リアルタイム・シンガーソングライター
この声
僕らの平成ロックンロール(2)
BREAK MY SILENCE
今、そこにある明滅と群生
高橋優 BEST 2009-2015 『笑う約束』
来し方行く末
STARTING OVER
PERSONALITY
ReLOVE&RePEACE

悪/女王蜂

大ヒットアニメ「【推しの子】」のエンディングにも起用された「メフィスト」も収録されている女王蜂約2年ぶりのニューアルバム。女王蜂らしい、切なくも情熱的なラブソング「狂詩曲」やタイトル自体にインパクトもあり、不気味で物悲しい歌詞とメロが印象的な「首のない天使」など、女王蜂らしい、妖艶なサウンドとメランコリックなメロディーラインに、情熱的な歌詞がのるスタイルが大きな魅力。また、アルバムタイトルと相反するような爽やかなジャケット写真も、妙に魅力的で、女王蜂らしさを感じます。そんな女王蜂の魅力をしっかりと抑えた、いい意味で安定感のあるアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★

女王蜂 過去の作品
孔雀
蛇姫様
奇麗
失神
Q

BL
十二次元

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2025年5月11日 (日)

2度目のサザンライブ!

サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025「THANK YOU SO MUCH!!」

会場 パンテリンドームナゴヤ 日時 2025年4月24日(木) 18:30~

Southern1

先日、約10年ぶりのオリジナルアルバムをリリースしたサザンオールスターズ。そのアルバムリリースに伴うライブツアーに足を運んできました!サザンのライブは、前作「葡萄」リリース後のツアーにも足を運んだので、約10年ぶり2度目。会場は前作と同じナゴヤドーム。今回も多くのファンがナゴヤドームまで足を運んでいました。

Southern2

Earth,Wind&Fireのライブと2日連続でのライブとなったのですが、客層は前日と同じくらいの私よりちょっと上、50代あたりがメイン。ただ、EW&Fより、もっと若い世代も少なくなく、20代もチラホラ。「国民的バンド」としての高い人気を感じさせます。

私がなんとか確保したチケットは「注釈付指定席」ということで、「ステージがよく見えない場合があります」という注釈付き。確かに、照明用に建てられた鉄塔の真後ろになる席でした。ただ、この鉄塔とステージが上手いこと外れており、ステージは問題なく見渡せる位置。周りでも「思ったより見えるね」という声もチラホラ。わざわざ「注釈付」として販売したのは、SNSで誰もが意見を言える現在、見にくい位置のチケットを販売すると、ネット上で文句が出る、というリスク回避のためでしょうか。チケット代高騰化の折に、少しでも安価に、という意図もあるのかもしれませんが。

ライブはちょっと意外だったのですが、18時半ちょうどにスタート。「逢いたさ見たさ病めるMy Mind」とちょっと意外なところからスタート。前回のライブでもそうだったのですが、ステージ横の大モニターには、最初に曲のタイトルが映し出され、その後、歌詞が映し出される初心者にもやさしい仕様に。その後は最新アルバムから「ジャンヌ・ダルクによろしく」へ。ライブ映えするようなナンバーに、会場も盛り上がります。

その後は最初のMCへ。「地元の名古屋に帰ってきました!」というMCから、「いろいろと回ってきましたが、いつでも名古屋のことを考えていました」、という、桑田佳祐らしいユニークたっぷりのMCに。どこの会場でも言っているんだろうなぁ、というような歯の浮くようなセリフですが、でも、そう言われるとまんざらではないと思ってしまいます(笑)。

MCの後には「せつない胸に風が吹いてた」や「愛する女性とのすれ違い」など、どちらかというとファン向けのような懐かしいアルバム曲が続きます。さらには懐かしいヒット曲の「愛の言霊 ~Spiritual Message~」へ。なにげにもう30年近く前のヒット曲なのですが、私もリアルタイムで聴いていた曲なだけに、テンションも一気にあがります。

再び名古屋に帰ってきました、的なMCを挟んで、「最新アルバムの曲から演ります」ということで、最新アルバム「THANK YOU SO MUCH」から、「桜、ひらり」へ。さらに「神様からの贈り物」では、歌詞の内容に合わせるように、往年の歌謡界のスターたちの写真をバックに流しながらのステージとなり、サザンの先人に対するリスペクトを感じさせます。その後も最新アルバムを数曲披露。「風のタイムマシンにのって」では、原由子の爽やかなボーカルで、歌詞の内容に沿った湘南の風景が、アニメ風のエフェクトをかけられて流され、会場に爽やかな空気が流れ込みます。

最新アルバムからのナンバーが続いた後は、ガラリと一転し、デビューアルバムから「別れ話は最後に」をアコギ1本で聴かせて、会場をしんみりさせます。さらにしんみりと聴かせ終わった後には、いきなり「ついさっき、そこですごいメロディーが浮かんじゃったので、初披露します」「昨日は歌っていません」「名古屋のことを歌詞にしました」ということで、どんな曲が始まるのかと思いきや、流れてきたメロディーはジョン・レノンの「Imagine」(笑)。その曲にのせて替え歌で名古屋のネタを歌う、「名古屋のPeople」なる歌が披露されました。もちろん、どこの会場でもご当地に合わせて同じネタをやっているようですが。

ユニークな歌の後は一転「ニッポンのヒール」で盛り上がり、その後はメンバー紹介へ。さらには「悲しみはブギの彼方に」「ミツコとカンジ」と最新アルバムからの曲が続き、「夢の宇宙旅行」では、この日、観客全員に配られたリストバンド形式のLEDライトが光ります。ドーム全体にLEDライトがまるで星のように光り、タイトル通り、会場はまるで宇宙空間にいるかのような雰囲気となります。その後も「恋のブギウギナイト」では会場でミラーボールが回り、LEDライトも再び点灯。ナゴヤドームがディスコフロアに変身しました。

そして、「これからはみなさんに愛されたナンバーを演ってもいいですか!」という短いMCから、ライブは終盤へ。「LOVE AFFAIR~秘密のデート」「マチルダBABY」とおなじみのナンバーが続き、「ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)」へ。会場のテンションはさらに上がっていき、本編ラストは「マンピーのG★SPOT」へ。桑田佳祐は、あきらかに男性器を模したような、大砲(?)のついた帽子をかぶり、さらにはビキニ姿の女性がエロチックな動作で踊りまくります。もちろん、会場は大盛り上がり。テンションは最高潮のまま、本編は幕を下ろします。

もちろんアンコールとなるのですが、メンバーが去ると、ステージバックのスクリーンには「終わっちゃったねぇ・・・」「まだまだやりたいねぇ」とアンコールを自ら促すメッセージが(笑)。会場からは盛大なアンコールが起こります。

やがてメンバーが登場すると、まずは最新アルバムのラストナンバー「Relay~杜の詩」をしんみりと聴かせます。そして、「希望の轍」へ。ここでリストバンドが再び光り、会場には星のようなあかりでドリーミーな雰囲気につつまれます。さらにラストは一転、「勝手にシンドバッド」へ!途中出てきたダンサーのメンバーも全員登場で、ステージ全体も大盛り上がり。そして、そこになんと、スペシャルゲストのドアラが登場!相変わらず不思議な動き(?)で微妙な存在感を醸し出していました。

会場全体が大盛り上がりの中、ライブは終了。サポートメンバーが去り、バンドメンバーのみがステージ上に残り挨拶。最後は会場全体で「1、2、3、ダー!」という掛け声を合わせて、ライブは終了となりました。

そんな訳で、約10年ぶり2度目のサザンライブ。相変わらずエンターテイメント要素たっぷりの楽しいステージでした。特に後半以降はおなじみのヒット曲、ある意味もう、日本の音楽シーンにおけるスタンダードナンバーの連続で、テンションがあがりまくったライブ。アップテンポな曲やコミカルな曲があったかと思いきや、しんみりとしっかり聴かせる曲もあったりと、サザンオールスターズのすごさを実感できるステージでした。

全2時間半という比較的長丁場のステージ。ただ、10年前のライブレポを見ると、その時は3時間半、演っていたんですよね・・・。メンバーも全員、68歳から70歳という年齢。ライブ自体に、そんな年齢を感じさせない若々しさを覚えたのですが、さすがに3時間半のステージは厳しくなってきた、というところもあるのでしょうか?とはいえ、あれだけ全力ライブを2時間半も演るというのも十分すごいのですが。次回はいつになるかわかりませんが、また次のサザンライブにも足を運びたいです!

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2025年5月10日 (土)

大きな会場がダンスフロアに!

EARTH,WIND&FIRE JAPAN TOUR 2025 with Special Guest NILE RODGERS&CHIC

会場 ポートメッセなごや 第3展示館 日時 2025年4月23日(水) 18:30~

70年代に一世を風靡したディスコバンド、EARTH,WIND&FIRE。中心メンバーだったモーリス・ホワイトも亡くなり、全盛期のメンバーで残っているのもわずかになってしまっているものの、現在でも継続的に活動を行っているようで、名古屋でのライブも決定!ということで、せっかくのチャンスなので足を運びました。直前にベースのヴァーダイン・ホワイトが病気のため欠席という残念なニュースも入ってきましたが、今後、彼らのライブを見れるのかわかりませんし、なによりも同じくディスコシーンの代表的な人気バンド、CHICもゲストとして参加ということもあり、非常に楽しみに参加してきました。

ポートメッセなごやはライブで足を運ぶのはこれがはじめて。当日券は出ていましたが、会場はほぼ満員。私ももちろん、彼の全盛期はリアルタイムでは知らない世代なのですが、おそらく全盛期を知っていそうな60代あたりもチラホラいる一方、私より年下の40代前半あたりや30代の観客もチラホラ。私も含めてですが、後追い組もそれなりの割合がいて、思ったよりは幅広い年齢層に彼らの時代を超えた人気の高さを感じます。

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ライブは予想外に時間ピッタリにスタート。最初はNILE RODGERS&CHICが会場にあらわれます。CHICもオリジナルメンバーとして残っているのはナイル・ロジャースだけで、事実上、CHICというよりもナイル・ロジャースのソロなのですが、彼はもう御年72歳のようなのですが、元気いっぱい。この日のステージ上で元気いっぱいのギタープレイを聴かせてくれていました。

まずはCHICの代表曲である「Le Freak(おしゃれフリーク)」からスタート。いきなりの代表曲で会場は大盛り上がりとなりますが、この後も「Everybody Dance」などCHICの代表曲が披露されますが、その後はナイル・ロジャースがプロデュースなどを手掛けた曲のカバーの連続。まず「I'm Coming Out」などダイアナ・ロスの楽曲、さらには「He's the Greatest Dancer」などシスター・スレッジのカバー、そして「Like a Vergin」「Material Girl」など、マドンナのカバーへ!日本でもおなじみのナンバーに、会場は大盛り上がりとなります。

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さらにはダフトパンクの「Get Lucky」「Lose Yourself to Dance」へ。こちらは私にとってもリアルタイムで聴いていた曲なので、個人的にかなりテンションがあがります。さらにはデイヴィット・ボーイの「Let's Dance」で盛り上がり、ラストはCHICの代表曲「Good Times」で締めくくり。全1時間のステージ。ナイル・ロジャースのキャリアのすごさを物語るようなヒット曲連続のステージに大興奮、大満足の1時間でした。

そして、その後30分程度のセットチェンジの後、待望のEarth,Wind&Fireの登場となります。

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最初は「Shining Star」からスタート。序盤は「Let Your Feeling Show」「System Of Survival」とダンサナブルなディスコチューンで会場を盛り上げます。バックのスクリーンでは、このディスコな雰囲気を盛り上げるようなまばゆいばかりの映像が展開され、会場を盛り上げます。さらに「Serpentine Fire」の後ではパワフルなレイモンド・マッキンリーのベースソロ。今回、ヴァーダインのヘルプとして入ったのですが、しかしヴァーダインに負けない、パワフルなベースプレイで会場を沸かしてくれました。

その後も「Jupiter」で会場を盛り上げ、ビートルズのカバー「Got to Get You Into My Life」ではメロウなEW&F風なカバーを披露。Kalimba Storyではトライバルなリズムを軽快に聴かせます。

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中盤はメロウな曲でしんみりと聴かせる曲が並ぶ展開。「Devotion」では、観客のスマホのライトを光らせ、みんなで曲にあわせてかかげます。会場全体に星空のような風景が広がり、ドリーミーで美しい会場の雰囲気に、スマホを振りながら、しんみりと曲を聴き入ります。さらに「Resons」の後は、ボーカルのフィリップ・ベイリーがこれでもかというほどのファルセットボーカルを披露。現在、73歳の彼ですが、往年と変わらないボーカルの見せつけてくれ、変わらぬ声色に驚かされました。

後半「That's the Way of World」では最初、日本語での簡単なMCが入ったのですが、正直、聴き取れなかった・・・。多分、「愛が大事」みたいな話だったと思うのですが、バックのスクリーンには大きな「Love」の文字が。会場がピースフルな雰囲気につつまれます。

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そして終盤はヒット曲の連続で、会場のテンションは一気にあがていきます。「Fantasy」から「Boogie Wonderland」、さらには「Let's Groove」ときて、最後にはおなじみの「September」へ!いずれもリアルタイムな世代を知らない私でも何度も聴いたことあるナンバーばかり。もちろん、会場は大盛り上がりで、さらながら広い会場は広大なディスコフロアのような感じに(?)。なによりもダンサナブルでポップな曲の連続に、多幸感に会場はつつまれました。

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そしてラストは「In the Store」で締めくくり。他会場のセットリストを見るとアンコール後の曲だったようですが、この日は「September」の後にそのまま楽曲がスタートとなりました。「September」からの興奮冷めやらないまま、大興奮のままライブの締めくくり。最後は会場中央でメンバーが挨拶し、大歓声の中、ライブは幕を下ろしました。

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NILE RODGERS&CHICが1時間、途中のセットチェンジが30分、さらにEarth Wind&Fireが1時間半弱のステージで、全3時間弱のステージでした。最後、メンバーが去った後、あっという間に客電がついたので、アンコール曲をアンコールなしで演った構成と合わせると、おそらく、会場の時間ギリギリだったのでしょう(笑)。

レジェンド2組によるステージ。最初、NILE RODGERS&CHICがスペシャルゲストということで、この2組が絡むステージになるのか、と思ったら、残念ながらそれはなく。一方で、最初、CHICが前座か?とも思ったのですが、CHICもたっぷりのステージを見せてくれて、むしろ2組の対バンライブ、といった感じのステージでした。

CHICもEW&Fも、全盛期のメンバーはかなり欠けた状況なのですが、ただ残ったメンバーはまだまだ元気で、往年に比べてもおそらく遜色のないステージで大満足。どちらもヒット曲連続のステージになっており、最初から最後まで盛り上がりまくりのライブに。なによりも音楽の楽しさを感じさせるステージで、心の底から楽しい!と感じられるライブ。かなり満足度の高いステージでした。

2組とも、主となるメンバーは既に70歳を超える年になっており、年齢を感じさせない元気さを見せてくれたものの、また日本で見れる機会があるかどうか・・・でも、末永く元気に活動してほしいし、また是非とも日本に来て、パフォーマンスを見せてほしいです!非常に充実した気分で会場を後にした、楽しい3時間でした。

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2025年5月 9日 (金)

バラエティー富んだミュージシャンが参加した20周年のトリビュート

Title:Salyu 20th Anniversary Tribute Album "grafting"

女性ボーカリストSalyuの、デビュー20周年を記念してリリースされたトリビュートアルバム。Salyuはもともと、プロデューサーの小林武史に見いだされ、2001年に映画「リリイ・シュシュのすべて」に登場する架空のシンガーソングライターから生まれたユニット、Lily Chou-Chouのボーカリストとしてデビュー。その後、Salyu名義で再デビュー。2000年代には積極的に活動し、2007年にリリースした2枚目のアルバム「TERMINAL」はオリコン最高位2位を獲得するなど、人気を獲得しました。

しかし、2010年代以降、徐々に活動が縮小していき、Salyu名義のアルバムは2015年にリリースした「Android&Human Being」が最後。2023年にはsalyu×haruka nakamura名義で配信シングル及びアルバムをリリースしましたが、その活動は限定的。名前を聞く機会もかなり減りました。それだけに今回、デビュー20周年でトリビュートアルバムがリリースされる、というのはちょっと意外な感もありました。

もともと、Salyuといえば小林武史が見出して、プロデュースを手掛けたボーカリスト。今回のアルバムに関しても小林武史が全面的に関与しており、「接ぎ木」を意味するアルバムタイトルも、小林武史が名付けたそうです。前述のharuka namakuraと組んだ作品や、Corneliusと組んだ作品もあるのですが、本作にはそれらの曲は選ばれておらず、全曲、小林武史作曲による楽曲となっています。

さて、今回のトリビュートアルバム。まず参加したミュージシャンたちのセレクトがなかなか秀逸。ミスチルの桜井やChara、槇原敬之のような「売れっ子」たちが参加しているかと思えば、ROTH BART BARONや七尾旅人、青葉市子のような、いわばうるさ型の音楽ファンから評価の高い、実力派ミュージシャンまで顔を並べています。

そして、そのいずれのミュージシャンも、それぞれの楽曲を基本的に自分たちの土俵にのせて、見事カバーしています。例えば青葉市子×岩井俊二名義の「アラベスク」は、ピアノとアコギのみで幻想的に仕上げる、青葉市子らしい作品に仕上がっていますし、「landmark」では、ピアノ主導の分厚いサウンドをバックに、安藤裕子が聴かせる物悲しい力強いボーカルが印象的。「アイニユケル」は憂歌団の木村充揮が、ピアノとアコギをバックに感情たっぷりに歌い上げるブルージーなカバーになっており、木村のしゃがれ声もアルバムの中で大きなインパクトとなっています。

「VALON-1」も、Charaのボーカルも印象的なのですが、君島大空によるアレンジも印象的。アコースティックなサウンドをベースにしつつもアバンギャルドに仕上げた独特の音色が強いインパクトを持っており、これが絶妙にCharaのボーカルともマッチしています。七尾旅人の「飽和」も、アコギ弾き語りで感情たっぷりに歌う彼のボーカルが強いインパクトに。完全に七尾旅人の曲となっていますし、おなじく原田郁子による「体温」も、絶妙にファンタジックな雰囲気の原田郁子の世界に楽曲を引きずり込んでいる1曲となっています。さらにラストには玉置浩二とSalyuとのデゥオで「to U」が収録されています。これは2016年にNHKで放送された「玉置浩二ショー」での音源ということですが、玉置浩二のボーカルに圧倒されると同時に、最後の曲にようやく登場してくるSalyuの歌声にも魅せられる1曲となっています。

こんな感じで参加メンバーは総じて、しっかりと自分たちの色を出しているトリビュートとなっており、Salyuのファン、というよりは参加ミュージシャンのファンならば、必聴のアルバムになっていたように感じます。トリビュート相手がシンガーソングライターでもバンドでもなく、ボーカリストであるがゆえに、かえって自由に楽曲をいじることが出来たのかもしれません。そのため、正直、トリビュートアルバムを聴いた後に思う「原曲を聴きなおしてみたくなった」という印象はあまり受けなかったのですが・・・。ただ、このトリビュートアルバムが、Salyuの(というよりも小林武史の?)楽曲の良さを最大限に出した作品になっていたことは間違いありません。申し分なく楽しめる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

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2025年5月 8日 (木)

4週連続で1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週で4週連続の1位となりました。

1位はSnow Manのベストアルバム「THE BEST 2020-2025」が4週連続で獲得。ストリーミング数は4週連続の1位、ダウンロード数は6位から9位にダウンしています。

2位は初登場。秋元康系アイドルグループ櫻坂46「Addiction」がランクイン。CD販売数及びダウンロード数で1位獲得。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上17万3千枚で1位初登場。前作「As you know?」の初動12万1千枚(1位)よりアップ。

3位は先週2位のMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」がワンランクダウン。ストリーミング数は4週連続の2位。これで通算33週目のベスト10ヒット&通算23週目のベスト3ヒットとなります。Mrs.GREEN APPLEは「Attitude」も先週と変わらず4位にランクイン。こちらもストリーミング数は4週連続の3位。通算21週目のベスト10ヒットとなっています。

4位以下の初登場盤では、10位に韓国の女性アイドルグループKep1erのEP「<AGAINST THE WORLD>」が初登場でランクインしています。

また今週、HIP HOPグループBAD HOP「BAD HOP」が15位から9位にアップ。1月29日付チャート以来のベスト10返り咲き。特にストリーミング数が10位から8位にアップ。根強い人気を感じさせます。

その他のロングヒット盤ではVaundy「strobo」が6位から5位、「replica」が9位から6位に再びアップ。それぞれ通算21週目、通算24週目のベスト10ヒットに。timelesz「Hello!We're timelesz」が10位から7位にアップ。これで10週連続のベスト10ヒットに。Number_i「No.I」は先週から変わらず8位をキープ。こちらは通算23週目のベスト10ヒットとなっています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

Heatseekers Songsチャートで1位を獲得したのはmuque「The 1」。フジテレビ系アニメ「ワンピース」エンディングテーマ。ラジオオンエアチャートで1位を獲得し、Hot100では64位初登場。エッジの効いたバンドサウンドにエレクトロを加えたサウンドがなかなかカッコいい一方、女性ボーカルが歌うメロディアスな歌はヒット志向のインパクトあるポップスに仕上がっています。今後、さらに注目を集めそうな感じも。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週1位初登場はマサラダ「イレギュラーマン」が初登場で獲得。マサラダは2023年頃から投稿を開始している比較的若手のボカロPだそうです。先週まで1位を獲得していた雨良Amala「ダイダイダイダイダイキライ」は2位にランクダウン。また3位にはサツキ「メズマライザー」がランクアップし、再びベスト3入りしています。

今週のHot Albums&Heatseekers Songs&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2025年5月 7日 (水)

ミセスもいいけどバクナンもね!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

という訳で、今週1位はback numberの新作が獲得です。

今週1位初登場はback numberの新曲「ブルーアンバー」が獲得。フジテレビ系ドラマ「あなたを奪ったその日から」主題歌。ダウンロード数2位、ストリーミング数7位、ラジオオンエア数1位、動画再生回数8位。いつもの彼ららしい哀愁漂うミディアムナンバー。配信シングルでは昨年の7月にリリースした「新しい恋人達に」以来となります。最近は、配信シングルだと数カ月に1曲のペースでリリースしてくるミュージシャンが多いだけに、約9ヶ月ぶりとはいえ、ちょっと久々という印象も。ただ、しっかりと1位を獲得してくるあたり、相変わらずの人気ぶりを感じます。

そして2位3位は今を時めくMrs.GREEN APPLEが並びました。2位には「クスシキ」が先週の3位からワンランクアップ。3位には「ライラック」が5位からアップしており、2週ぶりのベスト3返り咲き。「クスシキ」はストリーミング数が4週連続の1位、動画再生回数も先週と同じく3位をキープ。ただし、ダウンロード数は5位から7位、ラジオオンエア数も1位から14位にダウンしています。「ライラック」はストリーミング数が先週から変わらず2位を、カラオケ歌唱回数も1位をキープ。動画再生回数は2位から1位にアップしています。これで55週連続のベスト10ヒット&通算39週目のベスト3ヒットとなりました。

Mrs.GREEN APPLEは他にも「ダーリン」が先週の8位からダウンしたものの10位をキープ。これで15週連続のベスト10ヒットに。一方「ケセラセラ」は今週12位にダウン。ベスト10ヒットは通算43週でストップです。

4位以下ですが、今週は1位を含めて比較的新曲の多いランキングとなっています。まず4位には≠ME「モブノデレラ」がランクイン。元AKB48の指原莉乃プロデュースによる声優アイドルグループ。CD販売数で1位を獲得。オリコン週間シングルランキングでは初動売上18万2千枚で1位初登場。前作「夏が来たから」の初動19万枚(3位)からダウンしています。

7位にはスターダストプロモーションの女性アイドルグループ超ときめき♡宣伝部「世界でいちばんアイドル」がランクイン。CD販売数2位。オリコンでは初動売上7万2千枚で2位初登場。前作「最上級にかわいいの!」の初動4万9千枚(4位)からアップ。

最後、9位には旧ジャニーズ系アイドルグループTravis Japan「Would You Like One?」が初登場。配信限定シングルで、ダウンロード数で1位を獲得し、総合順位でもベスト10入り。映画「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」主題歌。

一方、ロングヒット曲では、サカナクション「怪獣」が6位から8位にダウンしながらベスト10をキープ。ストリーミング数は5位から6位、ダウンロード数は12位から14位、動画再生回数も5位から6位と下落傾向が続いています。これで11週連続のベスト10ヒットとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums&Heatseekers&ボカロチャート!

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2025年5月 6日 (火)

音の良さは圧倒的

Title:屋根裏 YaneUra Sept. '80
Musician:裸のラリーズ

Yaneurasept

かつては、バンドとしての高い定評に反して、音源の入手の困難さから「幻のバンド」と目されていた裸のラリーズ。しかし、2019年の水谷孝逝去後は、過去に発表された音源もCDで再発された他、残された様々な音源がリリースされ、徐々にその全貌が明らかになってきているほか、音源はストリーミングでも配信されているため、比較的多くの方が、容易に裸のラリーズの音源に触れることが出来るようになってきています。

ただ、そんな中でも音源としては残されていても「謎」とされる音源も少なくなく、今回CD化された本作も、もともとはそんな「謎」の音源のひとつだったそうです。本作のライナーツノートによると、本作はレコーディング・データはないものの、音質は良好。また、水谷孝以外にもグルーヴィーなギタープレイを披露しているものがおり、そのギターは山口冨士夫のギターであることは明白。そのため、当初は1980年に国立のMars Studioで録音されたものだろう、と推測され、当初はそのタイトルでリリースが発表されていました。

しかし、その後に試聴盤を聴いたリスナーから、本作は既知の音源ではないか、という指摘があり、さらに調査を進めると、1980年9月11日に渋谷屋根裏で行われた音源であることが判明。アルバムタイトルが変更となり、リリースに至ったようです。こういうリリースへの流れもまた、「幻のバンド」と呼ばれたラリーズらしいと共に、熱烈なファンのついている彼ららしいリリース経緯と言えるかもしれません。

以前は1980年10月に行われた山口冨士夫が参加したアルバムに続いて、彼が参加したライブ音源としては2作目ということになるのでしょうか。以前のアルバムの1ヶ月前に行われたライブ音源ということになります。まずは強く感じられるのはその音質のきれいさ。客席にたてられたオーディエンスマイクからの録音ではなく、しっかりとした機材をつかって録音された音源であるという点。音がかなりクリアになっているため、特にボーカルがかなりクリア。いままでの音源では、強烈なギターノイズの後ろに隠されているような水谷孝の「歌」がより明確に聴こえていました。

そしてもうひとつ大きな特徴的なのが山口冨士夫と水谷孝のツインギター。いわば両者、それぞれ非常に個性を持ったギターを聴かせてくれていて、フィードバックノイズでサイケに埋め尽くすようなギターを聴かせる水谷孝に対して、ブルースやロックンロールの影響を強く感じるグルーヴィーな山口冨士夫のギターの対比がユニーク。水谷孝のギターのみの時に比べると、かなりパンキッシュで、ロックンロールの要素が強く感じられる楽曲に仕上がっています。

ただ、かといって両者のギターが対立軸となっているのか、と言われるとそうでもなく、前作でも感じたのですが、この個性が異なるはずの両者のギターが緊迫感もって対立しているのではなく、楽曲の中でしっかりと融合しています。そのため、このアルバムでもバンドとしての一体感をしっかり感じることが出来ました。

それにしても、次から次へと新しい音源がリリースされてくる裸のラリーズ。ただ、まだまだこの音源のリリースは続きそう。いままでいずれのライブ音源も、今聴いても衝撃的ですらある傑作が続いているだけに次にリリースされる音源も楽しみ。どんな音源がまだ残されているのでしょうか・・・。

評価:★★★★★

裸のラリーズ 過去の作品
67-’69 STUDIO et LIVE
MIZUTANI / Les Rallizes Dénudés
'77 LIVE
CITTA'93
BAUS'93
屋根裏 YaneUra Oct.'80

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2025年5月 5日 (月)

「老い」を見つめつつ、いまだに尖っている歌詞

Title:CRITICAL THINKING
Musician:MANIC STREET PREACHERS

来年で、なんと結成40周年を迎えるウェールズ出身のロックバンド、MANIC STREET PREACHERS。40年間、ほぼ継続的に活動を続け、今やすっかり大ベテランとなった彼らですが、そんな彼らの約3年5か月ぶりとなるニューアルバム。前作「The Ultra Vivid Lament」では、なんと約23年ぶりとなるチャート1位を獲得した彼らですが、本作でも全英チャート2位を記録。イギリスの国民的バンドとして、今なお高い人気を誇っています。ちなみに日本でもオリコン最高位37位。多くのアルバムがチャート20位~30位台にランクインしており、日本でも何気に、長い間、高い人気を誇りつづけているバンドでもあったりもします。

ここ最近のアルバムでは、作品毎にテーマ設定をしていたそうですが、今回のアルバムでは特にそのようなコンセプトもなく、事前のインタビューでも「自分たちにとってベストな曲を揃えるだけ」と語っているようで、彼らが好きなようにつくりあげた作品となっているようです。ただ、今回の歌詞で目立つのは、「老いた自分たちを見つめなおす」ような内省的な歌詞。1曲目「Critical Thinking」の冒頭からして

"What happened to your critical thinking?"
(「おまえは批評的思考ができなくなったのかい?)

と、まさに年を取るにつれて、悪い意味で「まるく」なってしまう思想を皮肉っていますし、「My Brave Friend」でも

"So Sail away,my brave friend/You fought so hard to the end"
(「だから旅立ってくれ、僕の勇敢な友よ/君は最後まで勇敢に戦い抜いた」)

と、ある意味、長年の友人(ファンやリスナー?)に対するエールとも言える内容となっています。

そんな中で今回のアルバム、一番印象的なのは「Dear Stephen」で、この「Stephen」は、元ザ・スミスのモリッシーの本名。モリッシーと言えば、最近は差別的な発言が問題ともなっており、かつてからのファンを失望させていますが、本作はそんな彼の現状を嘆きつつも、まともに戻ってほしいと切実に訴える内容。若い時に尖っていても、年を取って時代についていけず老害化してしまう例は日本でも見受けられるだけに、モリッシーのファンに限らず、この歌詞には共感する人も多いのではないでしょうか。

ただ、そんな中、彼らは単純に老いを嘆いたり、過去を懐かしむわけではなく、結成から40年近くを経た今でも、尖った部分はしっかりと合わせ持っており、本編ラストの「OneManMilitia」では、現在の憎悪うずまき陰謀論が跋扈する社会を嘆きつつ、

”I'm gonna burn all my fucking flags"
(この忌々しい旗を燃やそう)

と呼びかけています。

そんな「老い」を歌いつつも、いまでも社会に対して尖ったスタンスを忘れない彼らですが、一方、メロディーやサウンドに関しては比較的、いつも通りの王道路線といった印象。冒頭のタイトルチューン「Critical Thinking」はダークな雰囲気で、不穏にスタートするのですが、続く「Decline&Fall」はイントロのピアノが入りつつ爽やかなギターフレーズを聴かせるスタートからしてマニックスらしいですし、のびやかでポップなスケール感あるメロディーラインもまさにマニックスの王道を行くような楽曲に、素直にワクワクさせられます。

その後も比較的シンプルなギターロック路線に、メランコリックでポップなメロを載せる、いつものマニックスらしいスタイルの楽曲が並びます。全体的にはその歌を聴かせる歌モノの路線が目立ちました。ただ一方では、前述の「Decline&Fall」や「OneManMilitia」では、彼らにとってはじめてとなるサンプリングの手法も用いられており、彼ららしさを維持しつつ、新たな挑戦も行っている点も彼ららしさを感じます。マニックスの王道路線とはいえ、楽曲が単なるマンネリに陥らず、どこか新鮮味を感じるのも、こういう点が大きなポイントなのではないでしょうか。

そんな訳で、今回もいろいろな意味でマニックスらしさを全開させた傑作だった一方、結成40年近くが経過したバンドらしい、彼らの年齢に沿った歌詞も強い印象を残したアルバムでした。前述の通り、売上面でも高い人気を維持し続ける彼らですが、その理由も納得の傑作。まだまだ彼らの活躍は続きそうです。

評価:★★★★★

MANIC STREET PREACHERS 過去の作品
Journal For Plague Lovers
POSTCARDS FROM A YOUNG MAN
NATIONAL TREASURES-THE COMPLETE SINGLES
Rewind The Film
FUTUROLOGY
Resistance Is Futile
This Is My Truth Tell Me Yours - 20 Year Collectors' Edition
Ultra Vivid Lament


ほかに聴いたアルバム

Jump Out/OsamaSon

Jumpout_osamason

OsamaSonはアメリカはサウスキャロライナ出身の男性ラッパーで、これがスタジオアルバムとしては3枚目となる作品。主にアンダーグラウンドシーンで活躍するラッパーのようで、特にこの3枚目のアルバムは各種メディアにも高い評価を得て注目を集めているようです。Rageと呼ばれる、エレクトロを取り入れた力強いビートが特徴的で、終始、インパクトのあるビートに、歌うようなメランコリックなラップが印象的。いい意味での聴きやすさ、インパクトもあり、今後、売上面でも徐々に注目を集めそう。

評価:★★★★

Japanese Singles Collection - GREATEST HITS -/BRUCE SPRINGSTEEN

洋楽ミュージシャンの日本におけるシングルを集めた国内企画のシングルコレクション。今回はボスことBRUCE SPRINGSTEENのシングルコレクション。彼の代表曲が網羅されたCD2枚に、さらにミュージックビデオ集がDVD2枚に収録という、かなりボリューミーな内容ながらも、初心者向けにもピッタリの構成。なにより迫力のある彼のロックチューンの数々は今聴いても非常にカッコよさを感じます。ボスの魅力を存分にあじわえるベスト盤です。

評価:★★★★★

BRUCE SPRINGSTEEN 過去の作品
Working On A Dream
WRECKING BALL
High Hopes
1980/11/05 Tempe,AZ
Western Stars
Letter to You
Only The Strong Survive
Best of Bruce Springsteen

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2025年5月 4日 (日)

「悪」をテーマとした「暗いおとぎ話」のような新作

Title:Cowards
Musician:Squid

イギリスのポストロックバンド、Squidの約1年8ヶ月ぶりとなる3枚目のアルバム。2021年にリリースしたデビュー作「Bright Green Field」は各種メディアの年間ベストアルバムで上位にランクインするなど、話題となった作品のようです。ただ、個人的にはその時のアルバムはノーチェック。前作も聴き洩らしており、3枚目となるのですが、彼らのアルバムを聴くのは本作がはじめて、ということになります。

そんなはじめて聴いた本作ですが、ジャンル的に「ポストロック」とカテゴライズされるように、挑戦的かつ独特の音楽性が特徴的。1曲目「Crispy Skin」では、疾走感あるバンドサウンドにピアノとシンセのサウンドが重なるニューウェーヴ風の作品となっていますし、かと思えば続く「Building 650」は、60年代70年代あたりを彷彿とさせるバンドサウンドで哀愁たっぷりに聴かせるギターロックのナンバー。「Blood on the Boulders」は、女性ボーカルも入って、ちょっと怪しげでムーディーな雰囲気に仕上げていますし、タイトルチューンとなっている「Cowards」なども、最初、静かにスタートしつつ、後半はサイケなサウンドが繰り広げられる展開がユニーク。ある意味、いかにもポストロック的なつくりの作品となっています。

様々なジャンルの音楽を、様々なサウンドと取り入れてつくった色とりどりの作風が魅力的なのですが、サウンドは全体的にエッジが聴いていてタイトという印象を受けます。サイケなサウンドで分厚いバンドサウンドを聴かせるような曲も少なくないのですが、一方で必要以上に音数を重ねないで、時としては空間を聴かせるような曲作りも目立ちます。そのため、アルバム全体の印象としては様々な音を取り込みつつも、一方ではどこかすっきりしている、という印象も同時に受ける作品になっています。

また、今回のアルバムにはコンセプトがあり、それが「悪」だそうで、今回の作品を「暗いおとぎ話」と表現しているそうです。例えば1曲目の「Crisp Skin」は食人についてテーマにしているそうで、MVは日本人映像作家の伊藤高志の「ZONE」がつかれており、どこか不気味な雰囲気を醸し出しています。

それ以外にも今回は様々なところからインスピレーションを得たようで、「Buiding 650」は2022年にサマーソニックへ出演した時のことがインスピレーションになっているとか。まだコロナ禍が残っている中での来日だったため、東京で数少ない外国人であったことからくる「孤独感」を呼んでいますし、また、この作品では村上龍の「In the Miso Soup」もインスピレーションの元となったそうです。

もっとも、ここらへんの「悪」をテーマといっても、残念ながら英語がストレートにわからない私たちにとってはピンと来ない部分もあるのですが、ただ、それでもチャールズ・マンソン事件をモチーフとした(欧米人はこの手の猟奇殺人が好きですね・・・)「Blood on the Boulders」は、ちょっと怪しげでアバンギャルドなバンドサウンドと、最後の「We wanna know」と繰り返される叫び声に、アルバム全体を流れる「不気味さ」をどこか感じることが出来ます。

ある意味、非常にポストロックバンドらしいサウンドといい、わかりやすさもあるコンセプトといい、いい意味で「わかりやすい」ポップなアルバムに感じられた1枚。個人的にはその独特のサウンドにかなりはまったアルバムで、現時点での年間ベスト候補の1枚と言ってもいい傑作だったと思います。売上的には、デビュー作は全英チャートでベスト10入りを果たしながら、本作は最高位94位とかなり奮わなかったようですが、逆になぜそこまで落ち込んでしまったのだろう・・・と不思議になるような傑作になっていました。やはり「悪」がテーマだと受けが悪いんでしょうか・・・。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Hurry Up Tomorrow/The Weeknd

おそらく、今、最も人気のある男性シンガーソングライターの一人と言えるThe Weeknd。そんな彼が、なんと引退を表明し、シーンは騒然となっています。もっとも「引退」と言っても彼自身が音楽活動をやめるわけではなく、The Weekndとしての活動を終了するということ。今後は別名義での活動をスタートするようで、そういう意味では一安心といった感じ。The Weekndという名前からくる重圧に耐えきれなくなり、あらたな一歩を踏み出そうとしているようです。

そんなThe Weekndとしての最終作となった本作は、その最後を飾るかのようにJustice、Travis Scott、Florence+The Machine、Future、Playboi Carti、Lana Del Reyといったそうそうたるメンバーが名前を並べています。楽曲的には、今風のサウンドを取り入れて、HIP HOPテイストも加えつつ、しっかりと歌を聴かせる正統派なR&Bといったイメージ。最後まで、というよりもむしろ最後だからこそのThe Weekndらしい作品を聴かせてくれました。おそらく、サウンド的には次の名義での作品もこの路線を引き継ぐとは思うのですが・・・彼の次の活動にも注目です。

評価:★★★★★

The Weeknd 過去の作品
Kiss Land
Beauty Behind The Madness
STARBOY
My Dear Melancholy,
The Weeknd In Japan
After Hours
The Highlights
Dawn FM

Showbiz!/MIKE

Mike_showbiz

アメリカのラッパー、MIKEの最新作。今回のアルバムはタイトル通り、エンターテイメント界をテーマとした作品だそうですが、エンターテイメント業界の厳しさを描き、その中での彼自身の内面や成長を描いた作品になっているそうです。そんなテーマ性もさることながら、サウンド的にもジャズ、ソウルなどを取り入れてメロウに仕上げたトラックが耳を惹きます。様々なサウンドをサンプリングし、バラエティー富んだトラックが大きな魅力で、「#82」ではいきなり日本語が登場するのでビックリするのですが、関根光才が手掛けた短編映画「Right Place」からサンプリングしたそうです。全24曲47分。次々と展開されるバラエティーある楽曲に終始、耳が離せない、そんな魅力的なアルバムでした。

評価:★★★★★

MIKE 過去の作品
Tears of Joy

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2025年5月 3日 (土)

2人のSSWが組んだ最初で最後のアルバム

Title:Take me Follow me/記憶にございません/手をつなぎたいんだ
Musician:YAMA-KAN

今回は、ちょっと以前の作品の紹介です。山崎まさよしとKANという2人のシンガーソングライターが組んだユニットYAMA-KANが唯一リリースした2018年の作品。最近、KANちゃんの昔の作品を聴きなおしているのですが、その中で未チェックになっていることに気が付き、遅ればせながらチェックしてみた1枚。タイトルになっている3曲のみが収録されている作品なっており、事実上の「シングル」的な収録曲数ではあるのですが、公式サイトでは「3曲入りの”超ミニアルバム"」として紹介されているため、ここでもアルバムとして感想を書かせてもらえればと思います。

さて、そんな本作。最初の「Take me Follow me」は、作詞は山崎将義、作曲も山崎将義、KAN名義となっており、山崎まさよしが主導を取ったナンバー。実際、基本的にメインボーカルを取っているのが山崎まさよしですし、最初のイントロのギターからして、いかにも山崎まさよしらしいといった感じ。楽曲は、若干ラテンのテイストも入ったさわやかなギターポップで、山崎まさよしでいえば「セロリ」あたりを彷彿とさせる楽曲となっています。

続く「記憶にございません」は、作詞・作曲ともにKAN・山崎将義名義となっていることからもKANが主導となっているように思われます。こちらは楽曲を流れる爽やかなピアノのフレーズが、KANの「Singersongwriter」あたりを思い起こさせる楽曲ですし、「記憶にございません」というワードチョイスといい、心象的な風景描写が印象的な歌詞といい、KANらしさを彷彿とさせる楽曲。ただし、ボーカルは山崎まさよしがメインとなっており、そのため、あまりKANっぽいという印象は薄くなっています。

思った以上に山崎まさよし色が強く、KANちゃんっぽさが薄く感じてしまうここまでの2曲でしたが、一方、3曲目「手をつなぎたいんだ」は、作詞作曲ともにKAN単独名義となっているように、完全にKANの楽曲。ビートルズ直系の軽快なロックンロールナンバーですし、素朴なラブソングの歌詞も、いかにもKANちゃんらしい楽曲となっています。ここまでの2曲を山崎まさよしの顔を立ててきたので、ラストナンバーは逆にKANのやりたい曲を思いっきり演っている・・・そんな印象を受ける1曲でした。

そんな訳で、どちらかというと楽曲的には山崎まさよしがメインとなっている印象のある本作。個人的には山崎まさよしも好きなミュージシャンなのですが、KANちゃん目当てで聴いただけに、思ったよりもKANの色が薄かったのはちょっと残念に感じました。

そして、これに付属しているのがレコーディング風景を収録したDVD。40分を超える内容は全12分の本編により遥かに長くなっています。KANちゃんの晩年のアルバムには、このレコーディング風景をおさめたDVDがついてきており、その中でKANの楽曲に対するこだわりが感じられました。今回のアルバムは、そんなこだわりよりも、今回のYAMA-KANの大きな肝である、2人だけで全ての楽器を演奏する、という風景がおさめられています。全体的に和気あいあいとした雰囲気の中、ただ締めるべき部分はしっかりと締める、そんなプロフェッショナルな彼らの姿を見ることが出来ます。

彼らが普段引いている楽器だけではなく、ドラムなども難なく演奏しちゃうあたり、さすがプロだな・・・と感心してしまう部分も。一方、レコーディングの全体的な仕切りは、どちらかというとKANちゃんが主導になっているようにも感じました。まあ、2人で全ての楽器を演奏する、なんてユニークな発想もいかにもKANちゃんらしいですしね。プロジェクト的にはKANちゃんが主導だったからこそ、楽曲的にはむしろKANちゃんは一歩引いて、山崎まさよしに花を持たせた感じがします。そこらへんはいかにもKANちゃんらしいなぁ、とも感じました。

ちなみにこのアルバムが結果として最初で最後となってしまったYAMA-KANですが、山崎まさよしといって思い出すのがおととしのライブでの炎上騒動。水戸でのワンマンライブの時に、ほとんど曲を演奏せずに、延々とトークし続けた(それもあまりおもしろくない)ということをやらかして、ネット上でも大炎上を巻き起こしました。その後、KANちゃんが病床からこの件について山崎まさよしを叱ったそうで、最期までKANらしさを感じるエピソードに胸があつくなりました。

前述の通り、楽曲としては山崎まさよしが若干前に出ているのですが、山崎まさよし、KANどちらのファンも十分すぎるほど楽しめる名曲が並ぶアルバムになっていました。たったこの3曲で終わり、というのは非常に残念ではあるのですが、内容の濃い3曲であることも間違いありません。2人のシンガーソングライターの魅力を存分に感じられる素敵なユニットでした。

評価:★★★★★

KAN 過去の作品
IDEAS~the very best of KAN~
LIVE弾き語りばったり#7~ウルトラタブン~
カンチガイもハナハダしい私の人生
Songs Out of Bounds
何の変哲もないLove Songs(木村和)
Think Your Cool Kick Yell Demo!
6×9=53
弾き語りばったり #19 今ここでエンジンさえ掛かれば
la RINASCENTE
la RiSCOPERTA
23歳
IDEASⅢ~the very best of KAN~
KAN A面 Collection

山崎まさよし 過去の作品
COVER ALL-YO!
COVER ALL-HO!

IN MY HOUSE
HOBO'S MUSIC
Concert at SUNTORY HALL
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[STANDARDS]
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[SOLO ACOUSTICS]

FLOWERS
HARVEST ~LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014~
ROSE PERIOD ~the BEST 2005-2015~
UNDER THE ROSE ~B-sides & Rarities 2005-2015~
FM802 LIVE CLASSICS

LIFE
山崎×映画
Quarter
ONE DAY
山崎×CM
STEREO 3
山崎×CM②

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2025年5月 2日 (金)

名古屋市南区を拠点とするHIP HOPクルーのメンバーによるソロデビュー作

Title:nayba
Musician:COVAN

Nayba_covan

名古屋市南区を拠点とするHIP HOPクルー、D.R.C.のメンバーであるCOVANによるソロデビューアルバム。もともと名古屋ではひとつのHIP HOPシーンがあり、いろいろと話題にのぼることが多いのですが、D.R.C.もそのような中で最近、その名前を耳にする機会が増えてきています。

個人的に、以前からこのD.R.C.というHIP HOPクルーはちょっと気になる存在でした。というのも、実は私の父親の出身地が名古屋市南区。自分の祖父母が住んでいた場所でもあり、子供のころからよく足を運んでいた地域であるため、いわば個人的にも土地勘がある地域でもあったりします。そこを拠点とするHIP HOPクルー・・・ということで、俄然興味を持っていました。

とはいえ、アルバムをチェックするのはちょっと遅れてしまい、このアルバムももともとリリースされたのは昨年の1月。ミュージック・マガジン誌の2024年年間ベストアルバムのHIP HOP/ラップ部門で9位に取り上げられるなど、高い評価を受けました。そのこともあって・・・という訳でもないのですが、遅ればせながら、COVANのファーストアルバムをチェックしてみました。

で、今回はじめてCOVANの楽曲を耳にしたのですが、率直に言って、予想していたよりもかなりカッコいいアルバムで、一遍に気に入りました。まずなによりもトラックがカッコいい。東海岸のHIP HOPの影響をストレートに感じる、ムーディーな雰囲気が漂うメロウなトラックが印象的。微妙な気だるさが心地よく、テンポよいビートがグルーヴィーに流れるトラックに身をゆだねたくなるようなサウンドとなっています。

ここに加えてユニークなのが、微妙に「和」のテイストを取り入れている点で、例えば「CRF」の冒頭には、おそらく昭和歌謡曲のワンフレーズがサンプリングされていますし(ネタ元はわからなかったのですが)、「IRST on the beat by the way」では琴の音色が取り入れられています。このソウルやジャズの影響を感じさせるメロウなトラックに、和風な要素を加えている独特のサウンドが実にユニーク。ここに大きな個性を感じます。

また、今回のアルバムタイトル「nayba」は「近所のヤツやその辺のヤツ」という意味だそうです。もともとHIP HOPというジャンルは「地元」を前面に押し出すスタイルが多いのですが、彼らも例の漏れず、名古屋市南区出身ということを前面に押し出しています。このアルバムでも、そんな彼らの地元での日常を紡いだリリックが特徴的。自分の成功談やら仲間との絆やら「悪さ自慢」やらをリリックで綴るラッパーも多い中、彼のリリックにもそういった要素もあるにはあるいのですが、どちらかというとシンプルに地元での生活を綴ったリリックが目立ちます。

そのため、彼らの地元の固有名詞も登場。「IRST on the beat by the way」では「金山ら辺で終電もギリめ/風来坊がin the 山ちゃん」と名古屋の地名と名古屋でおなじみの居酒屋チェーンが登場しますし、特にタイトルチューンである「nayba」では、「名城線」(=名古屋市営地下鉄の路線名)、「シートレイン」(=名古屋港にある遊園地)「東山zoo」(=名古屋にある有名な動物園)「名四」(=名四国道。名古屋と四日市を結ぶバイパス)「常滑」「りんくう」(=中部国際空港近辺の地名)と、地元、特に名古屋南部地域でおなじみの地名、固有名詞が連発されますし、個人的にもかなりなじみのある地域なだけに、楽曲に登場するだけでうれしくなってしまいました。

そして最後を飾る「oldies」が印象的。メロウなトラックをバックに淡々と語られるのは、彼らの学生時代の思い出話で、ノスタルジックなリリックが印象に残るのと同時に、未来への希望も同時に綴っており、昔を振り返りつつ、前を向いているリリックが印象に残ります。このラストを締めくくるにふさわしい名曲に仕上がっていました。

いまさらながら2024年の年間ベストにあげてもいい傑作アルバムだったと思いますし、地元からこれだけのラッパーが登場してきたというのは、やはり非常にうれしく感じます。間違いなく、今後に期待したいところですし、COVANというラッパーの名前も、D.R.C.の名前も今後、聞く機会がどんどんと増えてきそうな予感がします。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BLUE BACK/じん

かつて、「カゲロウプロジェクト」で一世を風靡したボカロP、じん。一時期のブームが去った後、どうしちゃったんだろうというあまり名前を聞かなくなりましたが、本当に久々となるニューアルバムがリリースされました。2021年にミニアルバムがリリースされていたようですが、フルアルバムとしては実に12年ぶりとなる新作となります。

正直本作、序盤はよくありがちな平凡なJ-POPという印象が強く、あまりおもしろくない・・・という印象を受けたのですが、グッとおもしろくなったのは中盤以降。重音テトを使用した「イライラしている!」は若干adoを彷彿もさせるのですが、過激な言葉で綴られた疾走感ある曲となっており、グッとおもしろく。その後はバンドサウンドにエレクトロ、ストリングスなども取り入れたバラエティー富んだ内容に。さすが一世を風靡したボカロPらしい実力を、しっかりと見せつけるアルバムとなっていました。

評価:★★★★

じん 過去の作品
メカクシティデイズ
メカクシティレコーズ
メカクシティリロード

カリギュラ/パスピエ

ミニアルバム「あちゃらか」から約半年のスパンでリリースされた新作は、全7曲入りのミニアルバム。基本的に前作「あちゃらか」の続編的な扱いとなるアルバムらしく、「あちゃらか」同様、エレクトロにバンドサウンドを加えたサウンドをベースとしてバラエティー富んだ作風が魅力的な作品に。パスピエのいろいろな要素を小出しにするために、あえてアルバムを分けた、ということ。「あちゃから」と比べて、明確な違いは感じられないのですが、あえて言えば、こちらの方がよりメロウな作風の曲が多かったか?

評価:★★★★

パスピエ 過去の作品
ONOMIMONO
演出家出演
幕の内ISM
娑婆ラバ
&DNA
OTONARIさん
ネオンと虎
more humor
synonym
印象万象有象無象
あちゃらか

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2025年5月 1日 (木)

1位2位は先週と変わらず

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot Albums、1位2位は先週から変わりませんでした。

1位はSnow Manのベストアルバム「THE BEST 2020-2025」が3週連続で獲得。ストリーミング数は3週連続の1位、ダウンロード数は5位から6位にダウンしています。

2位もMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週から同順位をキープ。ストリーミング数は3週連続の2位。これで通算32週目のベスト10ヒット&通算22週目のベスト3ヒットになります。またMrs.GREEN APPLEは「Attitude」も先週から変わらず3週連続の4位。こちらもストリーミング数も3週連続の3位。ベスト10ヒットは通算20週となりました。

3位には、旧ジャニーズ系、SixTONESのメンバー、京本大我のソロデビューアルバム「PORT.30」がランクイン。CD販売数1位。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上11万4千枚で1位に初登場しています。

4位以下初登場盤は、5位に韓国の男性アイドルグループTWS「TRY WITH US」が初登場。7位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ原因は自分にある。「核心触発イノベーション」が初登場でランクインしています。

ロングヒット盤ではまずVaundy「strobo」が今週8位から6位、「replica」も10位から9位にアップ。それぞれ通算20週目、通算23週目のベスト10ヒットに。Number_i「No.I」は6位から8位にダウン。こちらは通算22週目のベスト10ヒット。timelesz「Hello!We're timelesz」は7位から10位にダウンしていますが、これで9週連続のベスト10ヒットとなっています。


今週のHeatseekers Songs

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers

今週のHeatseekers Songsは、BILLY BOO「ラプソディ」が先週に引き続き1位を獲得。ラジオオンエア数も先週から変わらず3位。Hot100は今週74位までダウンしています。


今週のニコニコVOCALOID SONGS

https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico

今週も雨良 Amala「ダイダイダイダイダイキライ」が3週連続、通算4週目の1位獲得となりました。3位はDECO*27「テレパシ」がワンランクアップ。3位にはAdelia「散財讃歌」が初登場でベスト3入りを果たしいます。

今週のHot Albums&Heatseekers Songs&ボカロチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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