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2025年4月12日 (土)

天才音楽家の人生がレゴムービーに!

今回は最近見た、音楽関連の映画の紹介・感想です。今回見てきた映画は「ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース」です。

プロデューサーチーム、ザ・ネピュチューンズのメンバーとして数多くのヒット作を飛ばし、さらには自らもN.E.R.Dのメンバーとしても活動。さらに2014年に発表した「Happy」が世界規模での大ヒット作となり、日本でも大きな話題となったミュージシャン、ファレル・ウィリアムス。その彼の人生を追ったドキュメンタリー映画なのですが、その映像手法が、なんとレゴを使ったアニメーション。ファレル・ウィリアムスの人生が、まさかの「レゴムービー」化!ということで大きな話題となっています。

最初、「レゴムービー」ということで、ファレル・ウィリアムスを人生をレゴでアニメ化したノンフィクションの「物語」と思っていました。ただ、実際に見ると、映画はノンフィクションの「物語」ではなく、完全に「ドキュメンタリー」。この手のドキュメンタリー映画でありがちな、関連する人物のインタビュー映像をつなぎあわせる手法の映画。ファレル本人はもちろんのこと、彼の奥さんや両親、ネプチューンズの盟友、チャドに、スヌープ・ドッグやケンドリック・ラマーなどという著名なメンバーも全員、レゴブロックの人形となってインタビューに応じています。

この「レゴムービー」という手法、非常にユニークな試みだったのですが、本作の中で、実は非常にマッチしているように感じました。この手のドキュメンタリー映画は、よく関係者のバストアップのインタビュー映像と、一部当時の映像をつなぎ合わせて作られる手法がほとんどです。そのため、「絵」としてかなり長いシーンが関係者のインタビュー映像となってしまう場合が多く、時として非常に退屈な絵が続く場合も少なくありません。

その点本作は、レゴによるアニメという手法を使っているため、インタビューの時も、本人の映像が流れるわけではなく、インタビューの内容に沿った、ファレルのアニメが展開されていきます。そのため、インタビューの時もファレルの人生の物語が続いていくことになります。さらにレゴムービーでよかったのは、ファレルの内面を、レゴをつかって映像化することができている点。特に序盤、音楽が、ファレルにとっては非常に鮮やかな色に見せてくるという証言を、レゴを使いうまく映像化しており、ファレルの見えている世界を追体験することができる点、この映画の大きなポイントだったように感じます。

そのため、ドキュメンタリー映画でありつつも、ファレル本人の人生を追った、ノンフィクションのアニメムービーとしても楽しむことができる作品ともなっていました。物語の構成としても、ファレルの幼少期の出来事から、ミュージシャンとしての成功談、さらに成功に至ったからこそのファレルの苦悩、そしてその苦悩を乗り越えた先の「ハッピー」の大ヒット・・・と、起承転結がうまく構成されているサクセスストーリーとして仕上がっており、ちょっとベタな部分はあるのですが、ひとつの物語として、おそらくファレルのことを詳しく知らなくても(といっても「ハッピー」が世界的にヒットした、という事実くらいは知っていた方がいいとは思いますが)楽しめる内容となっていました。

一方、若干物足りなさを感じた点は、終始、レゴムービーによって構成されているため、本人の映像が全く流れない、という点。ノンフィクションをアニメ化した場合、一部だけ実写化する、ということはよくある手法なのですが、本作はレゴ化を徹底しており、本人たちの映像は一切登場しませんし、実写のMVも流れません。レゴムービーということで仕方ないのですが、最後まで本人たちも登場せずMVも流れないため、若干、欲求不満にも感じました。

また、これもレゴムービー化ということで仕方ないのでしょうが、特に人物についてはみんな同じレゴの人形の造形のため、顔のパーツや髪型で区分しているものの、やはりいまひとつ見分けがつきにくい点。短髪キャラは髪型で区別がつきにくいため、見分けるのが難しいですし、主人公のファレルは映画が進む中で成長に従い造形も変化しているため、場面によっては若干混乱します。この点はレゴムービーとして仕方ない部分なのですが、若干のマイナス点に感じました。

あと、映画本編に関係ない余談ですが、この映画、途中、NIGOがインタビューイーとして登場します。このシーンだけ突然日本語が登場してくる(当然、日本語字幕はついていません)のですが、ずっと映画が続く中、突然日本語が登場してくると、頭が切り替わらず、最初、聞き取れないんですね。ちょっとおもしろい発見でした。

そんな気になる点もあるのですが、総じて、非常に楽しめたドキュメンタリー映画でした。私自身、それほどファレルの曲に詳しいわけではないのですが、それでも聞いたことある曲は少なくなく、懐かしさを感じつつ楽しめましたし、彼が手掛けた「ハッピー」が、かつて世界的な大ヒットを記録した、程度の予備知識があった方がよいとは思うのですが、ファレルのことをほとんど知らなくても、ひとりの天才音楽家のサクセスストーリーとして楽しめる内容になっていました。音楽ドキュメンタリーとしてもよくできていながら、広い層が気軽に楽しめる、そんな映画でした。

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