サウンド的にはちょっと懐かしさを感じつつもカッコよさは健在
Title:94-Now: Collaborations
Musician:ASIAN DUB FOUNDATION
ロックやダブを基調としつつ、トライバルなサウンドやバングラ、ジャングルなどといったサウンドを取り込んだ無国籍なビートが特徴的なイギリスのバンド、ASIAN DUB FOUNDATION。日本でもフジロックに多く参加していたほか、特に90年代から2000年代にかけて、oasisやblurといった他のイギリスのロックバンドと共に、日本のメディアでもよく紹介されていたことから、高い人気を誇りました。そんな彼らも今年でデビュー30周年。その30周年を記念してリリースされたのが、このコラボレーションアルバムです。
彼らは数多くのミュージシャンたちとコラボを繰り広げており、本作でもIggy PopやPrimal Screamといった大御所ロッカー、Public EnemyのChuck D、Stewart Leeという名前は日本人にとってはなじみがありませんが、イギリスのコメディアンのようですし、他にも日本からDry&HeavyやAudio Activeといった面子このコラボ曲も収録されています。これだけ多くのコラボが行われているのは、やはり彼らの音楽が無国籍であるからゆえに、様々なタイプの人たちともコラボしやすいのかもしれません。
そして、どのコラボもヘヴィーなサウンドや力強いビートに載せた勢いのある楽曲となっており、単純に言ってしまえば非常にカッコいい楽曲になっている点が大きな特徴。冒頭を飾るのはIggy Pop御大とのコラボ「No Fun」。Iggy Popのロッキンなボーカルで、すっかりIggy Pop色に染まっている一方、ダブも取り入れた独特のグルーヴ感はADFならでは。続く「Comin'Over Here」は、前述のコメディアンとのコラボで、彼の語りが入っている形なのですが、エレクトロサウンドを入れたダイナミックなビートが印象的。ビックビートのサウンド、というと、ちょっと懐かしくも感じさせる楽曲になっています。
Primal Screamとのコラボ「Free Satpal」もダイナミックなロックのサウンドが特徴的。こちらはヘヴィーなバンドサウンドにラップが乗ったスタイルの楽曲に仕上がっていますし、Chuck Dとのコラボ曲「Black Steel in the Hour of Chaos」も彼の力強いラップが耳に残る、こちらはよりHIP HOP色の強い楽曲に仕上がっています。
また、日本勢とのコラボ曲も魅力的で、Dry&Heavyとのコラボ「Raj Antique Stone」も、Likkle Maiのメロウで伸びやかなボーカルが印象的なエキゾチックさを感じさせる楽曲。Audio Acticeとのコラボ「Collective Mode」はミディアムチューンで哀愁たっぷりのダブのナンバー。いずれもADFのダブ、レゲエの要素を強調したナンバーに仕上がっています。
このように、コラボ相手によって様々なスタイルを見せつつも、全体的にはダブやレゲエ、さらにはバングラの要素を取り入れた強いビートという共通項もあり、ADFらしくまとめあげているコラボに。また、ロックな楽曲もそうですし、HIP HOPなコラボはさらに顕著なのですが、全体的に90年代や2000年代の雰囲気を感じるようなコラボが主で、ちょっと懐かしさも感じさせます。そういった点を含めて、非常にカッコよく、そして同時に聴きやすさを感じさせる作品となっていました。
ASIAN DUB FOUNDATIONのカッコよさがよく出ていた上に、様々なミュージシャンとのコラボにより楽曲にバリエーションが増していた作品。非常に魅力的なアルバムであり、かつ、ADFの最初の1枚としても最適なアルバムかも。デビュー30周年を迎えた彼ら。正直、一時期に比べて話題になることが少なくなってしまった感は否めませんが、その独自性はいまも健在。これからの活躍にも期待したいところです。
評価:★★★★★
ASIAN DUB FOUNDATION 過去の作品
Time Freeze 1995/2007
PUNKARA
A History Of Now
THE SIGNAL AND THE NOISE
Access Denied



















最近のコメント