Hot Albumsに新指標が追加
ビルボード・ジャパン、12/26より“Hot Albums”チャートの算出方法を変更
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/143983/2
結構、大きなニュースだと思うのですが、いままでCDの実売数とダウンロード数のみの集計だったHot Albumsにストリーミング数が加わるそうです。いまや音楽の聴き方としてはおそらくもっとも大きな割合を占めるようになった「ストリーミング」という方法ですが、これをチャートに反映させていないHot Albumsについては、以前からかなり疑問に感じる部分がありました。結果、完全に「アイドルグッズ」と化したようなアイドル系のアルバムが上位に並んでおり、ヒットの実態に合っていないようには以前から感じていました。
「ストリーミング」の追加が今後、Hot Albumsにどの程度影響があるかは不明ですが、以前ほどCD売上がヒットに反映されなくなると、特にアイドルビジネスについては、CD販売以外の方法でのマネタイズを重視するようになる可能性もあり、今後のビジネスモデルに影響も与える可能性もあります。今後の動向に注目したいところでしょう。
・・・ということを書いておいて公表された今週のHot Albumsを見て、正直ビックリしました。ベスト10ほぼすべて入れ替わり。いままでとチャートの雰囲気がガラリと変わっています。
今週のHot Albums
http://www.billboard-japan.com/chart_insight/
まず1位は&TEAM「雪明かり(Yukiakari)」が獲得。韓国の芸能事務所HYBEの日本支社HYBE LABELS JAPAN所属の日本人を中心に、韓国人、台湾人も所属する男性アイドルグループの2枚目となるアルバム。CD販売数1位、ダウンロード数2位。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上33万4千枚で1位初登場。前作「First Howling:NOW」の初動9万9千枚(2位)からアップしています。
・・・と、1位はいつものようにアイドル系だったのですが、2位はストリーミング数で1位、ダウンロード数13位のMrs.GREEN APPLE「ANTENNA」が先週の27位から大きくアップし、今年の1月24日付チャート以来のベスト10返り咲き。通算14週目のベスト10ヒット&通算4週目のベスト3ヒットとなりました。Mrs.GREEN APPLEは2019年にリリースした前作「Attitude」も76位から5位にランクアップ。2019年10月9日付チャート以来のベスト10返り咲きとなっています。
3位はAPT.が大ヒット中のロゼ「ロージー」が先週の16位から3位にランクアップし、こちらは2週ぶりにベスト10返り咲き。ダウンロード数9位、ストリーミング数2位となっています。
次に4位以下の初登場盤ですが、今週、初登場盤は1枚のみ。8位に韓国の男性愛泥グループStray Kids「合(HOP)」が8位にランクイン。ダウンロード数6位、ストリーミング数7位にランクインしています。また、9位に2011年にリリースされたback number「スーパースター」が、先週の100位圏外からランクアップしベスト10入りしていますが、同作のリリース時はビルボード開始前のため、今回がベスト10初登場となります。back numberはさらに2015年にリリースした「シャンデリア」もベスト100圏外から10位にランクイン。こちらは2016年2月17日付チャート以来のベスト10返り咲き。通算9週目のベスト10ヒットとなります。「シャンデリア」は「クリスマス・ソング」が含まれているためのランクインでしょうが、直近作「ユーモア」がランクインせず(といっても17位にランクイン)、旧作が上位に来るあたりはちょっと複雑なものを感じます。
その他は今週、全てベスト10圏外からの返り咲き。まず4位にTOBE所属の男性アイドルグループNumber_i「No.I」が先週の100位からランクアップ。ストリーミング数3位。こちらは2週ぶりのベスト10返り咲き。さらにVaundyは、2020年にリリースした前作「Strobo」がベスト100圏外から6位に、直近作「replica」が78位から7位にランクアップ。「Strobo」は2020年6月3日付チャート以来、「replica」は今年1月24日付チャート以来のベスト10返り咲き。
そんな訳でガラリと変わった今週のHot Albums。おそらく先週ならベスト3にはランクインしたと思われるCD販売数2位のSF9「D.W.B.H」は89位にランクインするのがやっと。ある意味、タイミングが悪く不運な感もありますが。オリコンでもダウンロード数やストリーミング数を加味した合算チャートを公表していますが、ここまでの差はないので、正直驚くと同時に、若干、これはこれでHot100でも若干感じるところではあるのですが、ストリーミング再生数の比率が高すぎないか?という印象も受けます。ただ、これでアイドル系は、CDでよほど突出した売上を上げない限り、チャート上位に入ってこれなくなるため、いままでHot Albums上位狙いだったアイドルビジネスは戦略の変更を余儀なくされそう。かなり大きなインパクトがありそうな今週のHot Albums。ただ一方、同じアルバムが、何十週もランクをキープしてチャートが停滞する可能性もあり、その点、もうちょっとバランスを取ってほしい感もあるのですが。とりあえず、今後の動向にも注目です。
今週のHeatseekers Songs
https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=heat_seekers
今週のHeatseekers Songsは、柊マグネタイト「テトリス」が2週連続で1位獲得。動画再生回数は4位にアップ。Hot100では71位から55位にランクアップ。今後のさらなるヒットも期待できそうです。
今週のニコニコVOCALOID SONGS
https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=niconico
ボカロチャートは柊マグネタイト「テトリス」が7週連続で1位を獲得。今週もHeatseekersとの2冠となりました。また2位にはDECO*27「モニタリング」は3位から再度ランクアップしています。「テトリス」の快進撃が続くのか、DECO*27の1位獲得があるか、それとも・・・来週以降の動向も注目です。
本年のヒットチャート更新はこれが最後となります。次週の更新は、来年1月8日に2週同時更新ということなので、おそらく1月8日から4日連続のチャート評の更新となりそう。また、来年も心に残るヒット曲がたくさん出てきますように!
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