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2024年11月 2日 (土)

よりフォーキーに

Title:猫にジェラシー
Musician:あいみょん

約2年ぶりとなるあいみょんのニューアルバム(前作も2年ぶりのリリースでしたね・・・)。いままでの作品でも感じたのですが、あいみょんって、コアとなるファン層はどの世代なんでしょうか?フォーキーな作風は、アラフォーやアラフィフを超えて、むしろアラ還世代にすらヒットしてしまうかも??とすら感じてしまいます。

特にそんなフォーク世代にヒットしそうなのが「駅前喫茶ポプラ」で、喫茶店での恋人同士のなにげない日常をモチーフとした歌詞が印象的で、完全に四畳半フォークの世界。また、タイトルチューンとなった「猫にジェラシー」も、恋人とじゃれあう猫に嫉妬するという、他愛もない内容ながらもほっこりと暖かさを感じさせる恋人の日常風景を描いた作品。

歌詞の面でちょっとユニークなのが「朝が嫌い」で、ストレートに表現はされていないものの、おそらく妻子持ちの相手とつきあっている女性を主人公とした歌詞。まあ、ここらへんの不倫をにおわせる歌詞も最近では珍しく、むしろこの点もアラフィフ、アラ還世代にヒットするかも?逆に「偽者」はワンナイトラブをしてしまった女性の心境をつづった歌詞。ほっこりと暖かい恋人同士の曲があったかと思えば、このようにえげつない恋の歌もあったりする点もまた、あいみょんの魅力でしょうか。

メロディーラインやサウンドも、90年代オルタナ系ギターロックの影響を垣間見せつつ、基本的にシンプルで、フォーキーな曲調という点はいままでと一緒。「リズム64」ではシンセや打ち込みのサウンドを入れてきたり、「炎曜日」ではヘヴィーなバンドサウンドを取り入れてきて、彼女のロックな側面を聴かせたりと、それなりのバリエーションを持たせつつ、ただ、全体にはやはりシンプルでフォーキーな楽曲がメインの構成となっています。

基本的には前作同様にあいみょんらしい作品が並んだ本作。ただ、前作以上にフォーキーな作風が強くなり、楽曲の派手さはまた薄くなったように感じます。ただ、だからといってアルバムとしてマイナスという印象は受けません。シンプルで、変なギミックのない作風だからこそ、パッと聴いて地味とすら感じてしまいますが、聴き終わるとちゃんと心に残っていく、そんな楽曲が並んでいたように感じます。冒頭に書いた通り、40代から、ともすれば60代あたりにまで幅広い世代にヒットしそうな曲調が魅力的。今回もしっかりとあいみょんらしさを感じさせてくれたアルバムでした。

評価:★★★★★

あいみょん 過去の作品
瞬間的シックスセンス
おいしいパスタがあると聞いて
瞳へ落ちるよレコード


ほかに聴いたアルバム

Voyager/THE SPELLBOUND

BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之がTHE NOVEMBERSの小林祐介と結成した新バンド。ライブではブンサテの曲も演っているそうですし、サポートドラムがブンサテから引き続き、福田洋子が務めていたりするため、中野雅之のイメージとしてはブンサテの後継的なバンドという位置づけなのでしょうか。基本的にブンサテと同様、ダイナミックなデジタルロックというイメージなのですが、楽曲的にはかなりポップに寄ったイメージ。ブンサテの後継的な位置づけならば、もっと様々なサウンドに挑戦してほしい感もするし、ポップ路線に行くのならば、もっとブンサテとは異なった路線を模索してほしい感じも。個人的には好みの音ではあるものの、ちょっと中途半端という感が否めませんでした。

評価:★★★

唱LP/Ado

Shoado

Adoの大ヒットナンバー「唱」の様々なバージョンを収録した配信限定のアルバム。全曲「唱」なのですが、TeddyLoidやJax Jonesによるリミックスやライブ音源、テンポをあげたSped Upバージョンや逆にテンポを落としたSlow Downバージョンも収録。おそらくライブ音源以外はボーカルトラックは同一で、その点はちょっと物足りなさも感じつつ、様々に加工された「唱」にはなかなかユニークさも感じます。ただ、基本的にエレクトロにアレンジするか、テンポを変えるか、アカペラにするか、逆にインストにするか、といった程度のアレンジで、思いっきりロック風にするとか、ジャズ風にするとか、ガラッと雰囲気を変えるようなバージョンがなかったのも残念な感も。ユニークなアルバムではあるとは思うのですが。

評価:★★★★

Ado 過去の作品
狂言
ウタの歌 ONE PIECE FILM RED
Adoの歌ってみたアルバム
残夢

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