ビッケブランカ流ナイトクラブ
Title:Knightclub
Musician:ビッケブランカ
途中、ベスト盤のリリースがあったり、ミニアルバムやEP盤のリリースもあったため、これだけ間隔があいているというのはちょっと意外に感じられるのですが、オリジナルフルアルバムとしては約3年ぶりとなるビッケブランカのニューアルバム。この新作でやはり注目したいのが1曲目「Yomigaeri」。なんとこの曲、槇原敬之と絢香とのコラボ曲。もっとも作詞作曲はビッケブランカ本人で、ファルセットボイスでスケール感もって歌い上げる哀愁感たっぷりのミディアムナンバーなこの曲は、槇原敬之はコーラスでの参加のため、マッキーらしい感じはないのですが、ただ、自分の好きなミュージシャン同士のコラボに、やはりうれしくなってしまいます。
また、マッキーの参加ということで注目をした方にとっても、ちょっとアルバム全体の感触としてはマッキーのイメージとはちょっと異なるかもしれません。今回のアルバムはパーティーをコンセプトにかかげて、ナイトクラブでかかるような音楽をイメージした作品。マッキーと絢香とのコラボ曲に続く「Snake」は、まさにパーティーというコンセプトにピッタリのリズミカルなダンスチューン。その後も「Daddy(Dying in NY)」や「Never Run」などダンサナブルな楽曲も目立ちます。
ただ、全体的なイメージとしては、彼のファルセット気味なハイトーンボイスを生かしながら哀愁感たっぷりに聴かせるような楽曲がメイン。彼のイメージとしてはナイトクラブの「ナイト」の部分がより強調された感じでしょうか。ファルセットを生かしてメランコリックに歌い上げる「High Love」や軽快なリズムのちょっと切ないメロが印象的な「Bitter(Days To Glitter Ways)」、テレビ朝日系ドラマ「科捜研の女 season24」の主題歌にもなった、スケール感たっぷりのバラードナンバー「白夜」と、哀愁感あるメロディアスな歌をしっかりと聴かせる楽曲が並びます。
終盤はピアノの音色を入れつつ、郷愁感のある暖かいメロをのびやかに聴かせる「またね」もビッケブランカらしいポップチューン。ナイトクラブのパーティーを締めくくるような、実質的なラストナンバーといった感じでしょうか。そしてアルバムの最後に収録されている「Old Rivals」は「ヒプノシスマイク」への楽曲提供曲のセルフカバーで、軽快でちょっとユーモラスな、こちらもビッケブランカらしいダンスチューンで、アンコールのような立ち位置の曲。楽しいイメージを抱えつつ、アルバムは幕を下ろします。
メロディアスなポップを軸としつつ、ほどよく今風のR&Bを取り入れた今回もビッケブランカのメロディーセンスを感じさせるポップアルバム。ビッケブランカがプロデュースした素敵なナイトクラブを楽しめる、そんな作品に仕上がっていました。いい意味で非常に安定感もある傑作アルバム。これだけポップな楽曲をコンスタントに書いている彼だけに、そろそろ楽曲単位での大きなヒットも出そうな気もするんだけどなぁ。
評価:★★★★★
ビッケブランカ 過去の作品
FEARLESS
wizard
Devil
HEY
BYE
FATE
BEST ALBUM SUPERVILLAIN
United
Worldfly
ほかに聴いたアルバム
JUMBO MONET/デキシード・ザ・エモンズ
2006年に解散したロックバンド、デキシード・ザ・エモンズ。2014年以降、解散中と称しながら、散発的にライブを行ってきたものの、このたび「解散」をやめ、実に18年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。もともと60年代風のレトロなロックを奏でてきた彼らですが、本作もそんな彼ららしい、60年代のロックサウンドそのもの。さらにユニークなのは、洋楽のガレージロックをメインとしながら、おなじ60年代の日本のグループサウンズ風の作品やモータウン風の作品もあったりして、ジャンル問わず60年代らしさが貫かれています。これからの活躍にも期待です。
評価:★★★★
DAICHI MIURA ARENA LIVE 2024 OVER at 有明アリーナ(2024.3.24)/三浦大知
タイトル通り、今年3月に有明アリーナで行われた三浦大知のライブの模様を収録したライブアルバム。映像作品としてリリースされ、その中にCDも封入されていますが、音源部分は配信でリリース。今回は、こちらをチェックしてみました。全25曲、2時間強の収録内容。MC等は収録されていないので、実質、2時間半程度のステージだったのでしょうか。ゲストにKREVAやFurui Rihoが登場。会場の盛り上がりも伝わってきます。全体的にはテンポのよい曲を中心とした構成で、三浦大知のボーカルをしっかり聴かせる、といった感じよりも、会場を盛り上げる方向性といった感じなのですが、安定感あるパフォーマンスに、やはりボーカリストとしての実力も実感したライブアルバムでした。
評価:★★★★
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