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2024年10月28日 (月)

Definitely Maybeが出来るまで

Title:Definitely Maybe (30th Anniversary Deluxe Edition)
(邦題 「オアシス」30周年記念デラックス・エディション)
Musician:oasis

今年の音楽業界最大のニュースは、なんといってもoasis再結成というビッグニュースでしょう。2009年の解散後、常に言われ続けていた再結成の可能性。解散後も、お互い(特にお兄ちゃん大好きなリアムは)何度となくお互いの動向にそれとなく言及していただけに、いつかは・・・と思っていたのですが、それがついに実現というのは、とにかくうれしいの一言につきます。まあ、正直、ライブの前にまた大喧嘩を繰り広げて、やっぱり解散!という可能性が50%くらいあると思っているので、今後の動向についてはあまり変な想像をしないようにしているのですが(笑)。

今回、この再結成というタイミングが良かったのが、彼らのデビュー作「Definitely Maybe」(邦題「オアシス」)の30周年記念の年だったということ。完全に偶然だったのか、それともやはり30周年という話題性もあって周りから急かされたのかは微妙なのですが、この記念すべき2024年にoasisが再結成ということとなりました。そして、その再結成のニュースの前にリリースされたのが本作、「Definitely Maybe」の30周年記念盤です。

既に2014年に「20周年記念盤」がリリースされており、その時にも当サイトで取り上げていますので「Definitely Maybe」のアルバム自体に関しての感想はいまさら不要でしょう。すべての曲がシングルカットできそうなインパクトを持った、これでもかというほどの名曲揃いの名盤ではることはいまさら言うまでもありません。

今回の「30周年記念盤」、アルバム自体もリマスター処理をされており、その点も注目なのですが、今回の記念盤の大きな目玉となっているのが、ウェールズのロックフィールドにあるモノウ・ヴァレー・スタジオで行われたバージョンとコーンウォールのソーミルズ・スタジオで行われたアウトテイク集を収録されている点でしょう。

バンドは最初、Monnow Valley Studioにおいて録音を開始。録音としては非常に端正にバランスの取れた楽曲に仕上がったのですが、バンドとしての本質を捉えられていないとして録音を中断。その後、Sawmills Studioに移動して録音を行い、最終的に楽曲は完成されたという経緯を経たそうです。

今回のアルバムはいわば、「Definitely Maybe」がどのように完成されていったか、ということの歩みを知ることが出来る構成。実際、モノウ・ヴァレーのバージョンと最終音源を聴き比べると、かなりの違いがあります。例えばアルバムの冒頭を飾る「Rock'n'Roll Star」は、印象的なギターのフレーズが前に出てアルバムへの期待を盛り上げるのですが、モノウ・ヴァレーバージョンでは、このギターはちょっと後ろに下がっていってしまっています。歌がスタートしてもモノウ・ヴァレーのバージョンは歌が前に出てバンドサウンドは抑え気味。最終版はより重低音を押し出して、ヘヴィーでグルーヴィーなバンドサウンドを前に押し出しています。

一番目立った違いは「Live Forever」。モノウ・ヴァレーバージョンでは、あの印象的なイントロの力強いドラムのビートがありません。結果として、最終版に比べてかなり軽い印象になっており、楽曲の印象はガラリと異なります。「Columbia」でもかなりサイケさのある最終版のサウンドに比べると、モノウ・ヴァレーバージョンはかなりすっきりしたギターロックという印象となっており、グルーヴ感が全くことなります。

確かに最終版を知った後にMonnow Valley Studioでの録音を聴くと、かなりあっさりとした印象があり、バランスとしては整っており、端正という印象を受けるものの、最終版で聴かせてくれるようなバンドとしてのグルーヴ感や荒々しさ、迫力、そしてそんなサウンドに起因するoasisの魅力は、失われてしまっている点は聴いていても実感できます。この名盤がどのような過程を経て名盤なりえたのか、興味深く聴くことが出来ました。

ただ一方で、それではMonnow Valley Studioのバージョンが音源として今一つだったか、と言われると、全くそんな感じではありません。この音源はこの音源で、十分魅力的な内容でしたし、その後に録音された最終版の音を知っているからこそ、oasisの魅力を引き出していないということがわかりますが、じゃあ、バンドがモノウ・ヴァレーのバージョンを最終版として持ってきたとしたら、私だったらこれはこれで納得してしまうかも・・・。このバージョンはoasisの魅力を十分発揮していない、ということを理解し、新たに録音し直させた当時のスタッフの慧眼ぶりを感じてしまいます。

今回のボーナストラックに関しては、ちょっとファン向けといった感じもするのですが、ただ、「Definitely Maybe」が名盤足りうるまでの歩みがわかるという意味では非常に興味深く、そしてファンなら必聴の音源だと思います。もちろん、いままで本作を聴いたことのなかったような方にもおすすめしたいロック界に残る名盤中の名盤。あらためてoasisというバンドのすばらしさを実感しました。

評価:★★★★★

oasis 過去の作品
DIG OUT YOUR SOUL
Time Flies 1994-2009
Original 1993 Demos
Definitely Maybe (Remastered) (Deluxe)
(WHAT'S THE STORY)MORNING GLORY?(Remasterd)(Deluxe)
BE HERE NOW(Deluxe)
KNEBWORTH 1996
The Masterplan - 25th Anniversary Remastered Edition


ほかに聴いたアルバム

Romance/Fontaines D.C.

前々作「A Hero's Death」、前作「Skinty Fia」いずれも個人的に年間ベストクラスの傑作をリリースし続けたFontaines D.C.の最新作。それだけに本作も期待していたのですが・・・率直に言うと、前2作に比べると今一つ・・・。ギターロック路線は後退。ストリングスやアコギなども入ってバラエティーは富んだ感じにはなっているのですが、若干焦点が定まらない感じも。メランコリックなメロディーラインは今回も健在ではあるものの、ちょっと散漫な印象を受けたサウンドと重なり、こちらも印象が薄くなってしまった感じも。要所要所、前作までで感じられたオルタナ系直系のギターロック路線も顔をのぞかせるだけに悪いアルバムではないのですが、年間ベストクラスだったここ最近の作品に比べると、不満も残ってしまうアルバムでした。

評価:★★★★

Fontaines D.C. 過去の作品
A Hero's Death
Skinty Fia

ZOO TV Live In Dublin 1993 EP/U2

1993年8月に行われた、ZOOTVツアーの中の、U2の本拠地、ダブリンはRDSアリーナで行われたライブのうち、5曲を収録したEP盤。ある意味、人気の面で絶頂期とも言える時期のパフォーマンスで、バンドとしていい意味での安定感や余裕が加わってきた時期のパフォーマンスで、脂がのっていることを感じさせます。わずか5曲だけだと、ダイジェスト版のようで消化不良気味になってしまうのは残念。完全収録か、そこまではいかなくてもフルアルバム1枚分のライブアルバムは聴きたいかも。

評価:★★★★

U2 過去の作品
No Line on the Horizon
Songs of Innocence
Songs Of Experience
The Virtual Road – U2 Go Home: Live From Slane Castle Ireland EP
Live At Red Rocks: Under A Blood Red Sky EP
The Virtual Road – PopMart Live From Mexico City EP
The Virtual Road – iNNOCENCE + eXPERIENCE Live In Paris EP
Songs Of Surrender

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