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2024年10月 6日 (日)

James Blakeらしい楽曲にHIP HOPの要素をプラス

Title:Bad Cameo
Musician:James Blake,Lil Yachty

Badcameo

イギリスのエレクトロミュージシャン、James Blakeの最新作。デビュー作「James Blake」が大きな話題となり一躍ブレイクした後、最近では2019年にリリースした「Assume Form」がグラミー賞にノミネート。現時点での最新アルバム「Playing Robots into Heaven」も、原点回帰的な傑作アルバムに仕上がっていました。

そんな彼の最新作は、アメリカのHIP HOPミュージシャン、リル・ヨッティとのコラボレーションアルバム。彼も2018年にリリースしたアルバム「Lil Boat 2」が全米ビルボードチャートで2位を獲得するなど大ヒットを記録。昨年リリースした「Let's Start Here」も最高位9位を記録するなど、大人気のミュージシャンです。

イギリスのエレクトロミュージシャンとアメリカのHIP HOPミュージシャン・・・意外といった感じまでは受けないものの、なかなか興味深い組み合わせですが、ただ、基本的にはJames Blakeの楽曲の方向性がベースとなっている作品だったと思います。冒頭を飾る「Save The Savior」は、重厚なエレクトロサウンドをベースに、メランコリックなメロディーの流れる楽曲。リル・ヨッティのラップも加わっていますが、まずはそのJames Blakeがファルセット気味に美しく歌い上げる、その「歌」に耳がいきます。

続く「In Grey」もドリーミーなエレクトロサウンドに耳がいく、メランコリックでメロディアスな作品。「Midnight」もファルセット気味に聴かせるJames Blakeの切なくメランコリックな歌が強く印象に残ります。中盤以降も、特に「Run Away From The Rabbit」などは、静かなピアノの音が流れる中、子供のコーラスラインも入って荘厳さも感じさせる「歌」が印象的な、James Blakeらしい作風の曲になっていますし、最後の「Red Carpet」も荘厳に歌を聴かせる楽曲で締めくくり。おそらく、James Blakeが好きならば気に入りそうな、そんなアルバムになっていたと思います。

もちろん、一方ではリル・ヨッティとのコラボらしさを見せる部分ももちろん要所要所に感じられます。「Woo」などはリル・ヨッティのラップも目立つ作品で、メランコリックなJames Blakeの歌が前面に立ちつつも、リズムにはHIP HOP的な要素も感じます。また「Twice」も、同じくループするトラックにHIP HOPからの影響を強く感じさせる作品に。James Blakeのメランコリックな歌に、リル・ヨッティのラップも効果的に加わっており、コラボらしい作品となっています。

James Blakeは前作も傑作でしたし、本作についても、彼自身、目新しいスタイルを提示している感じではないものの、ドリーミーなサウンドとメランコリックなその歌は非常に魅力的。そこにリル・ヨッティのHIP HOP的な要素が程よく組み込まれており、心地のよさを感じさせる傑作に仕上がっていました。非常に程よいコラボアルバムです。

評価:★★★★★

JAMES BLAKE 過去の作品
JAMES BLAKE
ENOUGH THUNDER
OVERGROWN
The Colour In Anything
Assume From
Covers
Friends That Break Your Heart
Playing Robots Into Heaven


ほかに聴いたアルバム

Ultimate Love Songs Collection/DORIS

Ultimate-doris

日本語の情報がほとんどないので、ちょっと謎な部分も大きいのですが・・・アメリカ・ニュージャージー州出身のHIP HOPミュージシャンによる最新作。ジャンル的には「オルタナティブ・ヒップホップ」にカテゴライズされるミュージシャンのようで、49分弱という長さながらも、脅威の50曲入りというアルバム。様々なサウンドや曲がサンプリングされた楽曲が並び、日本人にもおなじみなカーディガンズ(懐かしい!)の曲もサンプリング。様々なアイディアが次から次へと展開されるようなアルバムといった感じで、ただ、全体的にはメロウな女性ボーカルの歌と男性ラッパーという組み合わせと、ループするトラックという構成がメイン。次から次へと展開していくサウンドに、最後まで耳を離せないようなアルバムになっていました。

評価:★★★★

No More Water: The Gospel of James Baldwin/Meshell Ndegeocello

ネオソウルの先駆け的存在とも言われているアメリカのシンガーソングライターによる最新作。前作「The Omnichord Real Book」ではじめて彼のアルバムを聴き、そのきっかけは、Music Magazine誌のジャズ部門での年間ベスト1位獲得だったのですが、本作はジャズというよりもソウルのアルバムといった感じ。ただ、トライバルなビートを入れてきたり、ジャジーなサウンドを入れてきたりと、バラエティーもあり一言では言い表せない複雑さがあります。一方で軸となる「歌」はソウルフルでメロウに聴かせる、比較的いい意味で広い層が楽しめそうなソウルのナンバーに仕上げており、そういう意味ではポピュラリティーとのバランスがほどよく取れたアルバムにも感じました。

評価:★★★★★

Meshell Ndegeocello 過去の作品
The Omnichord Real Book

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