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2024年9月21日 (土)

URCの代表曲がズラリ

Title:URC銘曲集-4「1970年頃、高円寺『ムーヴィン』で流れていたレコード」

日本のインディーレーベルの先駆けとして、1960年代から70年代にかけて、数多くのアルバムをリリース。数々の名曲、名盤を世に送り出し、日本ポップス史に燦然とその名前を残すURC(アングラ・レコード・クラブ)。2023年にその販売権がソニー・レコードに移り、URCのアルバムの数多くが再発されています(もっとも、何度も「再発」されてきているので、このこと自体は珍しくもなんともないのですが・・・)。それと同時に、URCの楽曲を様々な観点から集めたコンピレーションアルバムもリリース。いままでのアルバムも当サイトでは紹介してきましたが、本作がその第4弾となります。

今回のコンピレーションアルバムは、タイトルの通り、1970年代に高円寺にあったロック喫茶「ムーヴィン」で流れていたレコード、というテーマに、同喫茶のオーナー兼マスターで、はちみつぱいのベーシストであり、現在は主にオーディオ評論家として活動している和田博巳選曲・監修によるコンピレーションアルバムとなっています。

正直、この「ロック喫茶」という存在、既にアラフィフの域に達している私でも、あまりピンと来ていません。かつてはいろいろなところにこのロック喫茶というものがあったようで、要するにコーヒーを飲みながら、爆音でロックを楽しむことが出来る喫茶店だったよう。ライブハウスやクラブが発展し、ジャズならまだしも、ロックというジャンルで「ただコーヒーを飲みながら音楽を聴くだけ」というスタイルが寂れてしまった現在では、もう、なかなか受け入れがたい形態なのでしょう。もっとも今でも、まだ営業を続けているロック喫茶も現存するようですが。

今回のコンピレーションアルバムに選曲されていた曲は、まず非常にいろいろな意味で癖の強い作品が収録されていた印象があります。特に序盤のはっぴいえんど「12月の雨の日」「はいからはくち」は、今聴いてもヘヴィーに感じられるような分厚いバンドサウンドを前に押し出したロックな作品。ここらへんの選曲は「ロック喫茶」ならでは、といった感じでしょうか。

ただ一方、中盤から後半にかけて、特に後半についてはフォークな作品が多く、あまりロックという印象はありません。ロック喫茶で流れていたレコード・・・というコンセプトのはずなのですが、当時は、こういうフォークソングも普通にロック喫茶に流れていたということなのでしょうか。ここらへんは状況がわからないので何とも言えないのですが。

一方でこれから後半のフォーク系の曲も含めて、印象に残るインパクトの強い曲が多かったのも特徴的。特にURCの代表曲ともいえる作品も多く、金延幸子の「み空」や、ザ・ディランⅡの「プカプカ」、高田渡の「自衛隊に入ろう」など、メロディーラインの面や歌詞の面から一度聴いたら忘れられないような曲が多く、URCの代表作ともいえる曲が並ぶコンピレーションアルバムとなっていました。

それだけに、URCがどんな曲を出していたのか、代表曲を聴いてみたいと考えているようなリスナーには入門盤的にも最適な1枚だったと思います。しかし一方で、有名曲が多い選曲であったゆえに、ある意味、この手のコンピ盤では何度も収録されているような、何度も聴いたことある曲の連続。どういう点が「ロック喫茶」で流れているような・・・というコンセプトに沿っているのか、若干疑問にも感じてしまいました。そういう意味ではテーマ性のあるコンピレーションとしては物足りなさを感じてしまったのは事実。もうちょっと、あまり聴いたことないようなURCの曲を収録してほしかったかも、とも思ってしまったのですが。

評価:★★★★

URC銘曲集-1 戦争と平和
心に響くフォークソング -イムジン河 (URC銘曲集2)
URC銘曲集3 伊藤銀次セレクション ‐フォークとロックの出会い、そして自由への旅立ち


ほかに聴いたアルバム

ゴールデン☆ベスト BEE PUBLIC/BEE PUBLIC

廉価版ベスト「ゴールデン☆ベスト」シリーズの最新作は、80年代に活躍したロックバンドBEE PUBLICのベスト盤。本作にも収録されている1986年にリリースしたシングル「お前にハート・ビート」がTBS系ドラマ「夏・体験物語2」の挿入歌に起用され、オリコン最高位12位というスマッシュヒットを記録しています。楽曲は典型的な80年代風のアメリカンロックといった感じで、あえて言えば佐野元春や尾崎豊に連なる系統といった感じもするのですが、それにしてはアイドルテイストも強く、メロにしろボーカルにしろインパクトは薄くて中途半端な感じは否めません。結局、シングル5枚、アルバム1枚リリース後、デビュー作を超えるヒットも出せず解散するのですが、それも仕方なかった感も・・・。ちなみに、本作、唯一のオリジナルアルバム「Mr.Rockin' Man」に同作未収録のシングル曲及びカップリング曲をすべて収録した、ベスト盤というよりも完全に「全曲集」となっており、彼らの名前を聴いて懐かしい!と感じられる方には最適な1枚かも。

評価:★★★★

NOW/阿部真央

約1年半ぶりとなる阿部真央のニューアルバム。阿部真央と言えば、女性の素直の心境をストレートにつづった歌詞が特徴的なのですが、今回はあまりハッと印象に残るような歌詞の曲がなく、さらに英語詞も2曲あったりして、あまり歌詞の印象が残らない作品に。また、全体的にアコギを入れて聴かせるタイプの曲が多く、楽曲のバリエーションも少ない感じに。彼女らしいポップな曲調は魅力的ではあるのですが、アルバムとしては地味といった印象を受ける作品になっており、ちょっと物足りなかったかなぁ。悪いアルバムではないとは思うのですが。

評価:★★★★

阿部真央 過去の作品
ポっぷ
シングルコレクション19-24
おっぱじめ
Babe.
YOU
阿部真央ベスト
まだいけます
MY INNER CHILD MUSEUM
Not Unusual
Acoustic -Self Cover Album-

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