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2024年9月14日 (土)

ソウルとHIP HOPの要素が融合

Title:Why Lawd?
Musician:NxWorries

Whylawd

アメリカ西海岸で活躍するプロデューサーのKnxwledgeと、シンガーソングライターAnderson Paakによるユニット、NxWorriesによる2枚目のアルバム。それぞれソロとして活躍しているミュージシャン同士がタッグを組んだスーパーグループである彼ら。前作は高い評価を得たアルバムで、特に2016年の年間ベストアルバム、ミュージック・マガジン誌R&B/ソウル/ブルース編で1位を獲得。個人的には遅ればせながら、その後追いで聴いた1枚となるのですが、高い評価も納得の傑作となっていました。

その前作で特徴的だったのは、昔ながらのソウルと、今風のHIP HOPのサウンドを融合させたような楽曲だったという点。今回のアルバムも基本的にその方向性は一緒。1曲目「ThankU」は、まずメロウなネオソウル風のサウンドが耳を惹きつけますし、一方、続く「86Sentra」はラップを前に押し出したHIP HOP的な側面を強く押し出した作品に。特に「KeepHer」ではメロウなボーカルで歌い上げる、ソウルの色合いが強い歌に、ループするサウンドはHIP HOP的。まさに昔ながらのソウルと現代風のHIP HOPのサウンドが融合した曲となっています。

また、そのほかにも「Daydreaming」など、まさに80年代的なAOR風のナンバー。途中のむせび泣くにようなギターソロなど、まさに80年代的なのがユニーク。さらにアルバムのある種のハイライト的に感じたのがラスト。「NVR.RMX」「DistanceSpace」「WalkOnBy」と、いずれも感情たっぷりにムーディーに歌い上げるナンバー。どこか懐かしさすら感じさせるメロウなソウルナンバーになっており、その心に染み入るような歌に耳を惹きつけられます。

さらに本作では、前作と異なり多くのゲストが参加しているのも特徴的。「KeepHer」ではかのThundercatが、ここではボーカリストとして参加。メロウな歌声を聴かせてくれますし、「Where I Go」では女性シンガーソングライターのH.E.R.が参加し、その歌声を披露。さらに「FromHere」ではかのSnoop Doggが参加。こちらはメロウに聴かせる歌モノのナンバーになっており、力強い歌声を聴かせてくれています。

今回のアルバムもまた、前作に引き続き、全19曲入りで45分弱という長さ。1曲あたり2分弱から3分程度の曲が並んでおり、サクサクと展開していくのも特徴的ですし、最後まで飽きさせません。ポップで聴きやすいという面ではこの点も大きなポイントでしょう。前作に引き続き今回も傑作アルバムとなった1枚。個人的には年間ベスト候補の1枚と言ってもよい出来だったかと思います。今時のリスナーから、なにげに40代50代のリスナー層も楽しめそうなアルバムです。

評価:★★★★★

NxWorries 過去の作品
Yes Lawd!


ほかに聴いたアルバム

Passage Du Desir/Johnny Blue Skies

以前は本名であるSturgill Simpsonの名前で活動していたアメリカのカントリーシンガーが、ミュージシャン名義をJohnny Blue Skiesに変更し、ミュージシャン名義変更後、初となるオリジナルアルバムが本作。全編、ムーディーに聴かせるカントリーソングが主体のアルバム。良質のポップアルバムというイメージと同時に、全体的に地味という印象も・・・。あまり日本人受けしなさそうなスタイルである一方、本人は以前、アメリカ海軍の横須賀基地にいたこともあり、大の親日家だとか。そう考えると、なんとなく応援したくもなってしまうのですが。

評価:★★★★

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